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「シン・ウルトラマン」完成報告会「シン・ウルトラマン」完成報告会「シン・ウルトラマン」公式サイト日本を代表するキャラクター"ウルトラマン"を、企画・脚本を庵野秀明さん、監督を樋口真嗣さんが務めて描く映画「シン・ウルトラマン」が完成! 本作の完成報告会が5月2日にセルリアンタワー東急ホテルで開催され、斎藤工さん、長澤まさみさん、西島秀俊さん、樋口監督が出席しました。ついにベールを脱いだ「シン・ウルトラマン」について、それぞれが興奮気味に感想を明かしました。こちらのイベントの様子を詳しくレポートします!完成報告会神永新二役斎藤工さん浅見弘子役長澤まさみさん田村君男役西島秀俊さん樋口真嗣監督斎藤さん約三年前に撮影をしたこの作品が、必要な時間をかけて、今完成したことにいろいろな必然を感じています。試写を観た直後なので、撮影現場だけではなく、仕上げというものの偉大さを痛感しています。樋口さんをはじめ、仕上げに関わった多くの方たちに敬意を表したいと思います。今日を迎えられて、とても幸せに思います。長澤さん「いつ公開するの?」と、友だちや一緒に仕事をする人たちにずっと聞かれていたので、やっと皆さんにお届けできる日が来ることをとても嬉しく思っています。きっと大人が楽しめる「シン・ウルトラマン」になっていると思いますので、ぜひ楽しんでいただきたいなと思います。西島さん一映画ファンとして、完成を楽しみにしていて、完成した作品を先ほど観ました。「僕の想像を遥かに超えるすごい傑作が生まれた」と本当に興奮しています。ぜひ観ていただいて、早く皆さんとこの興奮を共有したいなと思っています。樋口監督映画というのはお客さんに観てもらうのが大前提です。ただ、作っている時はそういうこと以上に、一つ一つの要素を作り込んで、映画になる部品を一つ一つ磨き上げていく作業が本当に楽しいものです。だからといって、ずっと作業を続けるわけにはいきません。お客さんが観られなくなってしまいますので(苦笑)。なんとか(キャスト陣が)完成したものを観た状態で、皆さんの前に登場することと相成りました。きっとこの声は本作に関わった大勢の人に届くと思いますが、「本当にみんな、ありがとう」という気持ちでいっぱいです。MC2019年8月に本作の製作が発表され、話題となりました。ついに映画の完成を迎えました。改めて今のお気持ちをお聞かせください。 斎藤さんこのプロジェクトが始まって、撮影をしてから世の中が一変しました。完成した作品を一映画ファン、関係者として拝見しましたが、仕上げに注力してくだった樋口さんをはじめ、多くの方の思いというものを考えると、「この期間は必要だった」と強く思いました。(公開のタイミングが)昨年でも来年でもなく「今なんだ」ということを、まさに先ほどの試写で突きつけられたような気がしています。純然たる作品が今、公開になるという必然を感じました。MC出演が決まって、庵野さんによる脚本を読んだ時の印象はいかがでしたでしょうか。 斎藤さん少しだけ参加した「シン・ゴジラ」(2016年公開作品/総監督・脚本:庵野秀明/斎藤さんは自衛隊の第1戦車中隊長・池田役)もそうだったんですが、あまりの活字の量に...。僕ごときが理解できるものではないというか。今回も一度(台本を)閉じた...みたいなことがあったんですが...(苦笑)。分厚い台本に書かれた因数分解のような複雑かつ壮大な物語は、一度読むだけでは自分の想像が追いつかない世界観でした。自分の未熟な脳みそを使うのではなく、製作陣の皆さんに委ねようと、すぐに切り替えた記憶があります。同時に社外秘というか、この作品をいろいろな側面から守って、公開のタイミングで多くの方に驚きを与えたいという好奇心や、夢が詰まっている魔法の辞典のような気もしました。あと製作陣からは、それぞれのキャラクターについて役に寄り添った参考資料のようなものをたくさんいただきました。本当に活字がいっぱいという感じでした(苦笑)。 長澤さん斎藤さんがおっしゃったことと同じことを感じました。「これは、映像になったらどうなるんだろう」と想像が追いつかなくて、ただキャラクターはしっかりと筋が通った形で存在していたので、「自分は担当する持ち場を全うしよう」という気持ちで脚本を読みました。今日、出来上がった作品を観て、「こんな風になるんだ」と思うことがたくさんありました。一度観ただけではまだ理解ができないところもあるので、「何度か映画館に行かないとな」と思っているところです。西島さんまずは面白さと情報量の多さに圧倒されました。設定資料もすごく分厚かったんですが、それを読み込んで、「とにかくこの情報を全部伝えないといけないんだな」と感じたことと、「人間ドラマという意味でも真正面から描こうとしている脚本だな」と感じました。全身全霊を込めて立ち向かわないと、このテーマに寄り添って一緒に走ることができないと覚悟するような脚本でした。MC斎藤さんは、ウルトラマンを演じる上でどのような覚悟を持ち、どのように作り上げていったのでしょうか。 斎藤さん僕個人がこの役を演じて感じたものを軽々しく言葉にしてしまうと、「純粋に映画を観ていただくことと遠くなってしまう」という思いがあります。現場でも感じたことですが、特に僕がいただいた役割に関しては、「私情みたいなものを挟み込まない方が良いんじゃないかな」と思いました。事前に樋口さんや(准監督の)尾上(克郎)さんと「このキャラクターをどうしよう」というお話をする場所も設けていただきました。僕個人ではとても背負えないような、歴史ある、ある意味バトンをつなぐようなキャラクターでもあると思うので、それは先輩方や共演者の皆さんと一緒に...神永一人では背負えないので(苦笑)。皆さんのお力添えをいただきながら、工夫して向き合ったつもりです。 MC撮影時のエピソードをお伺いしたいと思います。たくさんのカメラを使っての撮影だったそうですね。 西島さんカメラ、何台あったんですかね? スマホだけで6台くらいあったのかな? 長澤さんさきほど全部で17台と聞きました。 西島さん17台ですか。メインのA・Bカメラがあって、ハンディのカメラが何台もあってという状況だったので、もう記録さんが何をどう記録していたのか分からない(笑)。とにかくすごい人たちが結集して、皆さんそれぞれが「このシーンはこの角度から撮りたい」という画を撮っていらっしゃるんですね。なぜかメインのA・Bカメラが退く瞬間があったりもして...すごい人たちが集まってカメラを回していたなという印象です。 MCメインのカメラが退いてしまうんですね? 西島さんそうですね。もちろんメインだから退くことはあまりないんですが(笑)、僕は「今、最先端の撮影現場にいるんだな」と感じました。「みんなの想像が自由に出せる場所にいるんだな」と感じられて、毎日楽しくて仕方なかったです。 MC撮影時、キャストの方々もカメラを回していたという話を伺いました。 斎藤さん回しましたよね。 長澤さん回しました。回しながら、演じました。 斎藤さん初めてでした。 長澤さん難しかったですよね。 斎藤さんそうですね。演じることと、撮影行為という、二層になっている状態なので...。ただ、お芝居をする時って感情を前に向かってぶつけるんですが、長澤さんにカメラを回していただいていると、そこにカメラを設営するとこうなるんだという発見がありました。従来ならば、お付き合いとしてカメラの後ろに演者さんがいるという位置関係はよくあるんですが、(今回は)演者さんが撮影をしているので、そこに向けてお芝居をすることになるので、そこにカメラがあるということには、ある種の合理性を感じました。 MC長澤さんも演じながら撮影をしたそうですが、撮影がとても上手だったというお話を伺っています。 長澤さん本当ですか。以前もお世話になったことがあるスタッフの方々ばかりだったので、「こう(カメラを)持ってくれれば良いから」というその言葉や、皆さんを信じてやったので、上手く撮れたのかもしれません(笑)。 MC樋口監督、カメラは17台ということでよろしかったですか? 樋口監督そうですね。回せるだけ、回すというか。「材料は多い方が良い」という考えのもと、そうしました。かといって、今お話を聞いてみると、お芝居に集中する環境を奪っていたということですよね(笑)。斎藤さんそんなことはないです(笑)。好奇心にあふれる現場でした。 長澤さん楽しかったです(笑)。 樋口監督ありがとうございます。でも、「配慮が足りなかったなあ」と思いました(笑)。 長澤さん本当にそんなことはないです。良い経験をさせていただきました(笑)。 樋口監督僕らが考えた画というのは、やっぱり「こういう映画にしたい」という画になるんですが、「演じている人の目線で見るとこうなる」という画を撮ると、(画が)強いんですよね。そういうものを撮れたことは、大収穫でしたね。 MC他に発見はありましたか? 樋口監督「OK」にしたけれど、よく見たら奥の方にこっちを向いているカメラマンが映っていて、「あれ?これカメラじゃないか」って(苦笑)。そういうこともありましたが、本当に良いですよ。大変でしたけれど。視点がこれだけ増えると、見え方も変わってくるというか。皆さんには大変な思いをさせてしまいましたが、それに見合ったものを僕らはいただいたなと思っています。 MC豪華な出演者の方々が共演されています。お互いの印象を教えてください。 斎藤さんまずお二方(長澤さん、西島さん)の名前を伺って、お二人がこの作品に参加していただけると知って、「このプロジェクトは映画的な正しさを持った場所に行けるんだな」と思いました。僕一人では決して背負えないものを、西島さん、長澤さん、他の「禍特対(カトクタイ)」のメンバーも含めてですが、参加していただけるということでとても心強がありました。僕が映画を観る時には、監督で観たり、キャストで観たり、雰囲気で観たり、口コミで観たりといろいろな見方があるんですが、このお二方の数々の名作・傑作というのは、片手では数えきれないほどたくさんあります。このプロジェクトは建て付け上僕が主演ということになっていますが、「誰か一人が背負うものではない」という思いがそもそもあったので、こんなにも頼もしいお二方に参加していただけたので、撮影に入る前、撮影中も含めて「ありがとうございます」という思いです。長澤さん斎藤さんは本当に穏やかな方で、現場ではいつも静かにみんなを見守ってくださいました。大人っぽくて、色っぽくて、本当にウルトラマンのような存在の方ですね。一緒の場にいるだけで、こちらも穏やかな気持ちになって現場に集中できる、頼もしい方だなという印象があります。西島さんは「禍特対」の班長を演じられていますが、私たち俳優部の中でも班長でいてくださって、私たちをまとめ上げてくれました。毎日他愛もない話をしながら、「禍特対」の絆を深め合っていました(笑)。やっぱり「そういう空気感が映画に映るんだよ」ということを、率先して私たちに教えてくださいました。本当にすばらしい先輩だなと思っています。 西島さん本当に他愛もない話なんです(笑)。 長澤さん「このお菓子おいしいよ」とか。 西島さん斎藤さんは今こうしている姿と、現場や控室の姿、普段会っている姿がまったく変わらないんです。自分独自の視点を持っていて、長澤さんが言ったようにウルトラマンそのものみたいな感じですね。自分の視点を持ってきちっとその場にいて、全体を見ている。斎藤さんがいてくれれば、安心感がある(笑)。そういう人ですね。長澤さんは、現れると現場が華やかになる"映画女優"だと会うたびに思いますね。現場で毎日会っていても、毎日現れるたびに「うわあ、やっぱりすごいな。映画女優だな」とすごく感じています。これはもう、生まれつき持っているものなんじゃないかなと思います。 樋口監督僕がこのプロジェクトに関わったときは、まだ誰に演じてもらうのかは白紙の段階でした。その時の理想でした。夢ですよ、もう。夢が現実になった。お願いしたいと思っていた人たちに、みんな「やりましょう」と言っていただけた。本当に嬉しいです。台本を読んだ時に、ウルトラマンと禍威獣や外星人の話ではありつつ、それ以上にウルトラマンと人間たちの話であると思いました。ウルトラマンになった男と、その仲間の人間たちの話なので、人類代表としてのキャストを選びたかったんです。ウルトラマンと出会ったことで全員が幸せになれるような、良い結末を迎えるためには誰が良いのだろうと考えました。 MC完成作の感想を教えてください。 斎藤さん(試写を観たばかりなので)自分の少年性というか、スクリーンからもらった映画の夢というか...。そういったものを全身全霊で浴びた直後です。あまり言語化できないような感情が、今もずっと続いています。先ほど西島さんがおっしゃったように、人とシェアすることでより自分の中で育っていく作品のように思います。 長澤さんびっくりしたというのが、観終えた時の感想です。「禍特対」がとても活躍していて、チームワークや一人一人の感情が生き生きと描かれていて、ウルトラマンと寄り添い合っていて、人間ドラマとしてとても感動するものがありました。一回観ただけで処理しきれない部分もあって、今も高揚感や、ふつふつと燃え上がる感情が残っています。「早くもう一回観に行かなきゃ」という気分になる映画は初めてです。ロマンを背負った「シン・ウルトラマン」をたくさんの人に観ていただいて、その思いを共有したいなと思います。 西島さん圧倒されました。自分が子どもの頃に観ていた「ウルトラマン」があって、それを作っていた方たちの高い志を継承して、今の「シン・ウルトラマン」というすごいものが出来上がった。子どもの頃にウルトラマンを観ていた人たちは大興奮すること間違いないしです。それに、今の子どもたちにもぜひ観てもらいたいなと思います。子どもたちにとっては、人生の記憶の中に深く刻まれるすごい作品になっているんじゃないかなと思います。観られるんだったら、今すぐもう一回観たいです(笑)。それくらい面白かったです。 長澤さん分かります! 私もです。 MCコロナ禍での大変な製作だったかと思います。今、公開されることの意味についてどのように感じていらっしゃいますか? 斎藤さん円谷プロさんの、円谷英二さんの「見る人を驚かせたい」というメッセージがあります。その驚きを糧に平和や愛を願う優しさ、未来への希望を育んでほしいという「ウルトラマン」に込めた思いがあります。昨年でも来年でもなく、(映画公開は)今このタイミングだったのかなと思います。仕上げに携わる皆さんが、徹頭徹尾こだわり抜くために必要な時間がいみじくもコロナ禍だった。そのすべてが必然と言っても良い巡り合わせだったんじゃないかなと、今日完成した作品を拝見して感じました。MC最後のメッセージをお願いします。 樋口監督ネタバレしないように気をつけます(苦笑)。そう考えると、こんなにも恵まれた状態でできた映画はありません。普通は、公開までに慌てて作るケースが非常に多いものです。コロナ禍という大変な事態ではありましたが、いろいろな局面で粘り強く作ることができました。感謝しかありません。ぜひ皆さんに観ていただきたい映画が出来上がりました。5月13日から公開となります。早く観ないと、うかつなヤツがネタバレを言うと思うので...あ、僕か(笑)。一刻も早く観てください。よろしくお願いします。 西島さんこの仕事に携わっている人間として、こんなにすごい映画に参加できて感謝しています。本当にすごい映画が完成したなと思います。アクションやエンタテインメントとして面白いし、それでいてテーマは奥深い。個人的には、子どもたちにとにかく観てもらいたいですね。僕が子どもの頃にテレビの「ウルトラマン」を観て、そこでつかんだものをずっと持って育ったように、今の子どもたちにこの作品をぜひ観てもらって、いろいろなものを感じ取って、それと一緒に育ってもらいたいなと思います。僕も、5月13日が早く来てほしいです。楽しみにしていてください。 長澤さん「禍特対」の絆や、守ろうとする姿、立ち向かう姿に勇気づけられたり、同じような思いにかられたり、この作品を観る上で「禍特対」の頑張りを映画館で感じてもらえたらと思います。"ウルトラマン"という存在が何者なのか、映画館で楽しんでいただきたいなと思います。 斎藤さん言葉にしすぎないように気をつけたいなと思いながら...。樋口さんの「子どもたちに何を残すか」という思いを、スタッフ、キャストに向けてお話をいただいてから映画を観ました。これに関わる方たちもかつて子どもだった時に、ウルトラマンに何かを授かっている。大げさなことではなくて、"子ども心"というものがこのプロジェクトの軸にはあると思います。円谷さんの思いというか、人間と自然の距離感だったり、自分とは異なる他者を思うことだったり、そういった今の時代に必要な概念みたいなものが、この作品に好奇心と共にたくさん詰まっていると思います。そこに関われたことは心から誇らしいなと思います。僕も劇場でこの作品を何度もとらえて、自分の一部にしたいなと思っています。皆さんに観ていただたい暁には、この作品を元に、そこからまた何かが生まれていくことを願っています。
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「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」完成報告会・完成披露舞台挨拶「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」完成報告会・完成披露舞台挨拶6月17日公開となる「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」、その完成報告会と完成披露舞台挨拶を5月12日に開催しました。月9ドラマ「シャーロック」の劇場版となる本作、その原案は、アーサー・コナン・ドイル著の「シャーロック・ホームズ」シリーズの長編小説の一つです。離島を舞台に、資産家の死と誘拐事件の真相を探るという本格心理スリラーです。グランドハイアット東京にて完成報告会を、そしてTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて完成披露舞台挨拶を実施しました。ディーン・フジオカさん、岩田剛典さん、佐々木蔵之介さん、新木優子さん、広末涼子さん、村上虹郎さん、小泉孝太郎さん、稲森いずみさん、椎名桔平さん、西谷弘監督が出席し、ネタバレ厳禁のなか、映画化始動から撮影と完成までのエピソード、そして作品の魅力などが語られました。こちらのイベントの様子を詳しくレポートします。完成報告会・完成披露舞台挨拶【「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」完成報告会】誉獅子雄役ディーン・フジオカさん若宮潤一役岩田剛典さん江藤礼二役佐々木蔵之介さん蓮壁紅役新木優子さん冨楽朗子役広末涼子さん蓮壁千里役村上虹郎さん捨井遥人役小泉孝太郎さん蓮壁依羅役稲森いずみさん馬場杜夫役椎名桔平さん西谷 弘監督ディーンさんお忙しい中、お集まりいただき本当にありがとうございます。この作品はドラマ版から出演をしていましたが、今回ついに映画化となりました。初めて劇場版を試写で観た時に圧倒的な没入感を得ました。それが感想です。皆さん、ご覧の通り、こちらに豪華なキャストが集まっております。その一人一人のキャラクターが織りなす重層的で、厚みのある物語が根幹となり、魅力の一つになっていると思います。今日は、短い時間ではありますが、最後までよろしくお願いします。岩田さんドラマ「シャーロック」から約二年半ぶりに劇場版として帰ってきました。今、ご覧いただいている通り、本当に豪華なキャストです。スクリーンで、とても重厚なエンタメ作品として、万人に届けられる作品が出来上がりました。久しぶりに西谷組に帰ってこられて、とても楽しい撮影期間でした。今日は作品について、いろいろな魅力をお話しできればと思います。佐々木さんドラマに出演してきて、このままドラマだけで終わってしまうのはもったいないし、さみしいなと思っていたところ、映画のお話をいただきました。「また西谷組に戻れる」「あの二人のバディに会える」と思い、とても素敵な時を過ごしました。新木さん私の大好きな西谷監督の上質なミステリーが出来上がったなと映画を観た後に思いました。人の感情の深いところに触れるような作品になっているので、今日は魅力をお伝えできればいいなと思います。広末さん出来上がった映画を観て、本当に楽しむことができました。作品のミステリーとサスペンスの要素に惹き込まれました。最後には涙が止まらない、そういう素敵な映画でした。一人でも多くの方に観てもらいたいです。村上さんここまでネタバレに厳しい作品に携わるのは初めてです。僕は撮影現場でほんの一瞬しかご挨拶していないのですが、小泉さんが演じられている捨井がとても好きです。小泉さんこの日を迎えられたことを今感慨深く思っています。一年ちょっと前、今よりもっと世の中が人と会うこと、移動すること、仕事をすることにものすごくストレスに感じ、負担が大きかった時にクランクインをしました。「果たして、みんな笑顔でゴールまで辿り着けるのか」と思ったことをはっきりと覚えています。こうして皆さんと今ここにいることを嬉しく思います。 僕は(この作品で)初めて主演のディーンさんと岩田さんと対峙しました。この作品の世界観は、南国のハワイのような青い空と青い海ではなく、全く対局の本場のシャーロック・ホームズの空気感や色を感じられるのが魅力だと思います。ディーンさんと岩田さんを対峙するたびに、「なんて美しいのだろう」と男ながらに思いました。きっとお二人でなければ、難しかったと思います。泥だらけの苦しいシーンもたくさんあったと思いますが、お二人の持っている魅力に引っ張っていただきました。そして、この世界観にしかない魅力がたくさん詰まっている映画だと思います。本当にやりがいのある映画に参加させてもらったことをうれしく思います。MCお二人が美しいというお話の時に、新木さんがものすごくうなずいていらっしゃいましたが。 新木さんお二人の姿を映画館のスクリーンで観られることは、皆さんもすごくうれしいだろうなと思います。私自身もお二人に会った時に「わっ、本物だ!」と思いました。非の打ち所のないお二人です。 ディーンさんありがとうございます。 岩田さん恥ずかしいし、つらいです。稲森さん原作では、あまり出てこない役柄ですが、日本版では物語のキーとなる役を演じられたことをとてもうれしく思いました。ディーンさんや西谷さん、蔵之介さんと再会できたことでもうれしさが増しました。日本版シャーロックという独特の世界を楽しんでいただけたらと思います。椎名さん以前から西谷監督とお仕事をしたいと思っていたので、意気揚々と撮影に入ったのですが、当時は真冬でとても寒かったです。お話には重厚感があって、シャーロックとワトソンの軽妙な世界観もあります。世界でも起きている大きなテーマに押しつぶされそうになりながら、西谷さんのパワーとキャストとスタッフの皆さんのタフさに助けられました。気持ちを外さないように心がけて撮影していたので、こうして完成して、皆様にお届けできることをうれしく思っています。西谷監督本日はありがとうございます。「シャーロック・ホームズ」の日本版は、地上波では手を替え品を替えいろいろとやられていますが、日本上陸ということで、ある意味ではプレッシャーもあり、とても緊張しました。すべてのミステリーの頂点ともいうべき、「シャーロック・ホームズ」からいろいろな作品が生まれています。このキャスト九名と、こちらにはいらっしゃいませんが、渋川清彦さん、西村まさ彦さんの体力と知力に僕は救われました。良いものができたと思います。MCファンの間で最も人気の高い小説ですので、原作ファンの方々にもお楽しみいただきたいです。まずは、ディーンさんと岩田さんは、ドラマ放送時に"顔面最強バディ"と呼ばれていました。そのお姿をスクリーンで観られるとファンの方々は待っていらっしゃいます。劇場版で獅子雄と若宮の関係性は、どのように進化していますか。 ディーンさん今流行りのリモートバディに進化しました。ドラマの時は物理的に一緒に行動している時間がすごく多かったですが、今回の映画では遠隔でのやり取りで協力しながら事件を解決していくという、新しいアプローチがより前面に出てきたように思います。 岩田さんディーンさんが話されたようにリモートも入っていますし、最近のご時世ならではの要素を楽しんでもらえると思います。撮影に入る前に、キャストの皆さんでリハーサルをして、獅子雄と若宮としてお芝居をした時に、一年半以上のブランクがあったにもかかわらず、最初の段階からすぐに獅子雄と若宮に戻れたのはディーンさんのおかげです。ドラマの時の阿吽の呼吸は、まだ生きているなと思いました。 ディーンさんあと、進化したのは、岩ちゃんの母性本能をくすぐる技術ですね。 MCそれはどういう技術ですか? ディーンさんあれは技術ではないんですかね? 西谷さんはどう思いますか? MC西谷監督、岩田さんが母性本能をくすぐるような演出をされたのですか。 西谷監督いえいえ、あれはもう岩田さんが勝手に暴走したので演出ではないです。 岩田さんめちゃめちゃに......。 MCディーンさんはどこに母性本能を感じたのですか? ディーンさん岩ちゃん本人を知っているからかもしれないですが、普段は思慮深くて、抑制が効いています。でも、若宮として、お茶目なことや失敗や、いろいろうまくいかない時の姿がなんかかわいいんですよ。だから、「頑張れ!」と応援したくなります。「自分の中にも母性本能があるんだな」と思いました。 MC広末さん、お母さんとして母性本能を感じましたか? 広末さん私はストーリーに没頭して観ていました(笑)。なによりも、私はディーンさんが山をくだるスピード(の速さ)に命をかけているなと驚きました。 MC鵯越(ひよどりごえ)ですか? すごいですね。 ディーンさん西谷組では常に身体を張っております。 西谷監督ありがとうございます。 MCそういう意味では、今回はドラマ版の獅子雄とは違う一面が見られますね。 岩田さんドラマでは完璧というか、完全無欠なキャラクターの獅子雄ですが、映画の世界観の中では「燃える獅子雄」が垣間見られます。バディの進化した姿の延長として楽しんでもらえると思います。 MCお二人のコンビネーションは本当に良いと思います。ディーンさん、名バディの秘訣は何だと思いますか? ディーンさん最初の出会いが肝心だったのかもしれないですね。いまだに岩ちゃんに初めて会った日のことを覚えています。別にその時は映画化の話があったわけではないですが、いきなり「岩(がん)ちゃんって呼んでいい?」とたずねました。 岩田さんそうでしたね。 ディーンさんもし、あの時に僕が間違えて「岩(いわ)ちゃん」と呼んでいたら、こうはなっていなかったかもしれないですね。「岩(がん)ちゃん」と呼んだから今がある。 岩田さん今がある。(子犬のような笑顔) MC岩田さんは名バディの秘訣は何だと思いますか。 岩田さんそうですね、僕も初めてお会いした時から何かシンパシーを感じていました。お互いに役者もやりながらアーティスト活動もしているというバックボーンの共通点がありましたし、そういうのも含めて、現場で多岐にわたってお話をさせてもらいました。今回こういうかたちで本日を迎えられたことがすごくうれしいです。 MC佐々木さん、江藤刑事は切れ者なのか、怠け者なのか。果たして、本作での活躍はあるのでしょうか。 佐々木さん江藤は、ドラマの時でも活躍したことがないです。なので、「この劇場版では活躍をさせてもらえるのか」と思ったんですが...、それは観てもらえれば分かります。ただ、基本は「表面積を少なくどれだけ手柄をとるか」なので推理力よりも出世欲なんですね。「いかに獅子雄を盛り上げて、効率よく手柄をあげられるか」というのを今回も考えています。でも、ドラマ版とは少し違う江藤さんも観られます。今回の獅子雄さんの感情表現は、これまで見たことのないものでしたし、若宮ちゃんについてもちょっと頼りがいあるなという姿を見ました。 MC西谷監督、完成作への手応えはいかがでしょうか。 西谷監督たぶんこれから分かっていくんだと思います。もちろん関係者を含めて、ご覧になった方からの言葉でうれしかったのは「登場人物全員が良い」と言われたことです。これは皆さんがおっしゃるので、決しておべっかではないと思います。「登場人物全員良い」は監督にとっての褒め言葉ですし、それが一人でも多くの人に届くと良いなと思っています。 MC西谷監督のこれまでの九作品(「マチネの終わりに」2019年公開など)すべて観ていますが、今回が最高の仕上がりだと思いました。ネタバレにならない程度の撮影中のエピソードを伺っていきましょう。まずは、蓮壁家の皆さんにお話いただきます。 新木さん私のバディがワンちゃんのヴィルでした。動物と演技をするのはこんなにも大変なんだと感じました。うまくいかないことがたくさんありましたし、でもうまくいった時に「うまくいったね」という喜びをお互いに感じ合うこともありました。獅子雄と若宮のバディにはかなわないですが、そういうところもポイントになるかなと思います。ヴィルは物語の中ではクールなシベリアンハスキーとして登場していますが、おっとりしている性格で、よく笑っていました。 MC笑顔といえば、キラースマイルの岩田さんがいらっしゃいますが、どうですか? 新木さん......比べられないです。どちらかというと岩田さんのほうが、幼くかわいらしく笑う印象です。ヴィルは笑う時も豪快です(笑)。MC虹郎さん、撮影が大変だったと伺いました。 村上さん僕も犬にはかなり......(笑)彼のための再撮影もありました。僕の喉の調子が良くない時に広末さんからはのど飴をいただきました。桔平さんは近所のおいしいご飯屋さんを教えてくださいました。皆さんとてもやさしく接してくださっていたのですがディーンさんには、若干のいじめを受けた記憶があります(笑)。 ディーンさん(笑)。ちょっと待って! 村上さんディーンさんから「虹郎くん、チェスできる?」って聞かれて、「うん、まあ、できなくは......」という感じで答えたんです。僕としては小学生ぶりぐらいで、皆さんが和気あいあいとチェスをしているところに参加したらボコボコにされました。ディーンさん、そういう時は容赦なしなんです。 ディーンさんいやいや、めちゃめちゃ丁寧に教えましたけどね!しかも、「虹郎は負けず嫌いなんだな」と思ったことがあって、もうチェックメイトなのに、「ちょっと待った!」と言って一つ手前に戻したらどうなるかなどを繰り返して、負けを認めないんです。でも、僕はそういうの嫌いじゃなかったです。村上さんそれぐらいのハンデはいただかないと! MC稲森さんは車椅子での演技もありました。いかがでしたか。 稲森さん車椅子での演技は初めてで、リハーサルの時に、セリフと役の感情と車椅子が全然合わなかったので、医療指導の先生にお願いをして、マンツーマンで特訓してもらいました。 MCミステリーで車椅子の方って気になりますね。 稲森さんそうですね。 MC桔平さん、冒頭のご挨拶で話されていましたけれど、「寒さ」は身体に堪えましたか。 椎名さんはい、身体がきしみました。稲森さんと六日間連続でお芝居をした時は、大人になってからはあまり経験のないぐらい身体に堪えました。 MC暖房ないんですか? 椎名さんあっても寒いんです。稲森さんは車椅子という制約があって、僕は使用人役なので常にきちんとした格好でいないといけないんです。六日連続だと腰や足に...だんだんときますね。寒さ対策と(感染予防対策の)フェイスマスクのつけはずし、全体的に抑圧を感じました。 MC皆さんの中で、寒さが堪えた方は手を挙げてください。(監督と佐々木さん以外が手を挙げる)※佐々木さんは島のシーンがないため佐々木さん僕は大丈夫でした。 MC広末さんはいかがでしたか? 広末さんやはりワンちゃんとの撮影は大変で、本当に苦戦しました。よく西谷さんがキレなかったなと思いました。何度やっても階段を上ってくれないんです。まさかの(動物)トレーナーさんが逆ギレしていて......驚きました。私と岩ちゃんとのシーンだったんですが、ヴィルは階段を降りられないから怖くて上ってくれない。岩ちゃんも私も息切れをしないといけないシーンなので、その芝居の繰り返しで酸欠になって倒れるんじゃないかと思いました。 岩田さんその時の広末さんが優しくて......。犬をなでて、おやつをあげたり、話しかけたりされていました。でも、ワンちゃんは、「よーい、スタート!」とかのかけ声で緊張して動けなくなっちゃうんですよね。 MC小泉さんは今回、爽やかさゼロでしたね。 小泉さん爽やかさではディーンさんに勝てないですから!僕の役柄はタイプの異なる天才肌として、ディーンさん演じる獅子雄と共鳴する部分があったように思います。振り返ってみると、寒さと犬のヴィルと...いろいろな大変さがありました。映画のクライマックスで洋館が出てきますが、松山まで行って撮影をしました。松山ではホテルと撮影現場の往復の繰り返しなので、僕は松山に行ったという感覚がありません。夕方に撮影が終わっても、ホテルに戻って「一人でお弁当を食べてください」だったので......。個人的に、許される時がきたら再び松山を訪れて、ゆっくりと撮影現場を振り返りたいです。そういう意味でも、今回の撮影は自分の中で感慨深いものがあります。 MC佐々木さん、撮影の思い出をお願いします。 佐々木さん(洋館のシーンには登場しないため)僕も松山の記憶はないですね。ディーンさんあれ? 佐々木さん獅子雄と若宮ちゃんに捜査を任せているからね。映画になるって時に、「映画(の撮影地)はロンドンですよね?」と言っていたんですけれど、僕は留守番です。 MC岩田さん、撮影の思い出はどうですか? 岩田さんやはり映画のタイトルにも入っていますから、ワンちゃんですね。ある意味主役みたいなところがあります。キャストの皆さんのお芝居は大丈夫でも、ワンちゃんNGがたくさんありました。 MC監督はよく怒らなかったですね、と皆さん思っていらっしゃるようです。 西谷監督いやいや、怒ったところでね......。先ほど広末さんが話していたシーンは、ワンちゃんに合わせて台本を書き変えましたね。皆さん、ワンちゃんをかわいがってくれました。虹郎さんはワンちゃんと敵対するシーンがあるから一番つらかったよね。 ディーンさん感染予防対策において、今よりもセンシティブな時に撮影をしていました。ロケ地で撮影してホテルの部屋で弁当を食べるだけだったので、それをポジティブに捉えると、すごくストイックに作品と向き合うことができたと思います。 MC髪型や衣装もドラマとは違いますね。 ディーンさんそうですね、今回の劇場版では、ドラマで築き上げたものは一回手放して、新しい誉獅子雄像をつくろうとしました。よい意味でこだわりを捨てて、新しいスタートを切れたと思います。 MC獅子雄の推理の早口は相変わらずですね。 ディーンさんそこは獅子雄節として変わらず、やっております。 MCそれでは最後に皆さんを代表して、ディーンさんからご挨拶をいただきます。 ディーンさんいろいろなエピソードがありましたが、この作品はタイトル(「バスカヴィル家の犬」)にありますように犬が出てきます。ワンちゃんが大好きな人が観ても楽しめます。こちらのキャストの皆さん一人一人が持つ物語が緻密に重なって書き込まれた物語です。ミステリーということで具体的なお話ができなくて申し訳ないですが、最低二回はひっくり返ると思います。それぐらいダイナミックなストーリー展開になっています。最初にお話したように没入感があるので、映画館で観ることで物語との一体感を感じられると思います。人間が大好きな皆さんも楽しめる映画になっていますので、ぜひご覧ください。 【「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」完成披露舞台挨拶】誉獅子雄役ディーン・フジオカさん若宮潤一役岩田剛典さん江藤礼二役佐々木蔵之介さん蓮壁紅役新木優子さん冨楽朗子役広末涼子さん蓮壁千里役村上虹郎さん捨井遥人役小泉孝太郎さん蓮壁依羅役稲森いずみさん馬場杜夫役椎名桔平さん西谷 弘監督ディーンさん本日はお集まりいただきありがとうございます。ご覧の通り豪華キャストが集まり、一人一人が持つ魅力が重層的に連なって、何度観ても新しい発見がある、そんな作品になっているんじゃないかと思います。この映画の魅力を少しでも多くの人に伝えられたら良いなと思います。岩田さんこの日を迎えられてとてもうれしく思っています。ドラマの「シャーロック」から二年半ぶりに、豪華キャストとともにパワーアップして帰ってきた「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」を、今日は一足早く皆さんにお届けできるということで、とてもワクワクしてきました。本日は作品の魅力を少しでも皆さんにお伝えできるように、楽しい時間にさせていただければと思います。佐々木さんドラマをやっていた時に、クランクアップをして、「終わってしまうのはさみしいな」と思っていたのですが、劇場版のお話をいただいて、「西谷組に戻れるんだ」「あの二人にまた会えるんだ」と個人的にすごくうれしかったです。本日スケールの大きくなったこの作品を皆さんに観ていただけることをうれしく思っています。新木さん本日はお足元の悪い中ありがとうございます。少しでも作品の魅力を皆さんと共有できれば良いなと思っています。広末さん作品が出来上がって観終わった時に、「すごく重厚感のある作品を観たな」と私も完全にお客さんになって、涙涙でした。これから皆さんがこの作品を楽しんでくれることを私もうれしく思います。楽しみにしていてください。村上さん本日は短い時間ですが、よろしくお願いいたします。小泉さんこの日を迎えられることをうれしく思っています。まだコロナ禍が続いていますが、今から一年ちょっと前、この撮影が始まる時は、人と会うこと、移動すること、仕事をすること、すべてにおいて今よりはるかにストレスを感じる時が多かったです。「果たしてみんなと笑顔でゴールができるのだろうか」と不安の気持ちのほうが大きかったことをはっきりと覚えています。こうして今日を迎えられたことが本当にうれしいです。そして何より、この作品、男から見ても嫉妬するほどディーンさんと岩田さんが美しかったので、満足していただけること間違いないと思います(笑)。稲森さん本作では宝物をなくす苦しみを抱えながら生きていくということを考えながら撮影に臨んできました。日本版「シャーロック・ホームズ」劇場版の独特の世界観を楽しんでいってください。椎名さん一年ちょっと前の本当に寒い寒い時期だったんですが、キャスト・スタッフ一丸となって、みんなで温め合って撮影に臨みました。その温かいものを本日は皆さんにお届けしに来ました。何を言ってもネタバレになりそうなので(笑)、まずはじっくり観て、そして驚いて、帰ってください。西谷監督ようやくできたというか、「シャーロック・ホームズ」という作品を知っている方にも知らない方にも楽しんでもらえる作品だと思います。ミステリーの頂点というか、すべてのミステリーは「シャーロック・ホームズ」をベースに始まっているので、プレッシャーもありました。今日ここにいるキャストの方々やここにいないキャスト、西村まさ彦さんや渋川清彦さんの芝居も堪能していただければと思います。MCドラマ版では、ディーンさんと岩田さんは"顔面最強バディ"と呼ばれてきたようですが、ディーンさんと岩田さんはその呼び名に関してどんな風に思われてきたのでしょうか? ディーンさん誰が言ったんですか、それ(笑)? ありがたいですけれどね、本当に。そう言っていただけると照れますが...(笑)。 岩田さん本当におこがましい話で、照れくさいです。「すみません」という感じです(笑)。 MC"顔面最強バディ"という呼び名に異論のない方は、拍手をお願いします。 会場のお客さん(大拍手)。 MCドラマ版から劇場版になって、変わったところ、撮影に入って感じたところはありますか? ディーンさん作品が始まったらすぐに気づかれると思うのですが、誉獅子雄に関しては(ドラマ版とは)見た目がまったく違います。映画化が決まった時に、監督やチーム一同と「まったく新しい誉獅子雄像を作り上げよう」となりました。僕も役作りの上で、ドラマ版で築き上げてきた誉獅子雄キャラクターの内面は良い意味で踏襲しつつも、人間なんで髪型も変われば着ているものも変わるという、フレッシュなスタートを切れたと思っています。岩田さん今作ではディーンさんが着ぐるみを披露しています(笑)。相変わらずの獅子雄節と言いますか、早口での推理もありますし、若宮の熱湯芸も楽しんでいただければと思います。 MC岩田さんに関しては、ディーンさんの口から母性本能という言葉が完成報告会のほうでも出ておりましたが...。 ディーンさんやっぱり熱湯芸も含めて、岩ちゃんの持つ天性のコメディアンとしての才能みたいなものが、本作でも花開いていると思います。僕は完成報告会で母性本能という言葉を使いましたが、なんか応援したくなるような、「若宮頑張れ!」という気持ちに僕自身が観ていてなったんですね。皆さんもこれから本作を観られるので、楽しみにしていてください。 MC監督はドラマ版か
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『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』公開記念舞台挨拶「劇場版 君と世界が終わる日に FINAL」公式サイト2021年1月に日本テレビとHulu共同製作ドラマとして日本テレビ系にてSeason1の放送がスタートした「君と世界が終わる日に」(通称:「きみセカ」)。“ゴーレムウィルス”という嚙まれたら化け物になってしまう“謎の感染症”によって突然日常を奪われた人々の過酷なサバイバルと濃厚な人間ドラマを描き、4シーズンにわたって人気を博してきました。そしてついに、シリーズを通して壮絶な人生を歩んできた主人公・間宮響の最後にして最大の戦いを映し出す「劇場版 君と世界が終わる日に FINAL」が1月26日より公開中です。2月7日には「きみセカ」を愛してくれたお客さんへの御礼を込めて公開記念舞台挨拶が行われ、主演の竹内涼真さん、主題歌を担当した菅田将暉さん、菅原伸太郎監督が登壇しました。この日、映画公開まで明かされなかった菅田さんの本編出演情報が解禁となりました。こちらのイベントの模様を詳しくレポートします!公開記念舞台挨拶竹内涼真さん菅田将暉さん菅原伸太郎監督竹内さん今日は本作を観てくださって、本当にありがとうございます。公開後、初めて鑑賞される方も、何回も観ている方もいると思いますが…(会場から手が挙がり)ありがとうございます。いろいろとサプライズがありましたよね。今日は菅田くんが登壇してくれましたが、本編の出演シーンにはびっくりしたんじゃないですか? (会場:拍手)四年間、「きみセカ」のチームの皆さんと作り上げてきた作品に、菅田くんが主題歌を書いてくれて、しかも一緒に出演もできた。僕らがこうやって一緒に登壇するのは、七年ぶりくらいですよね? 菅田さんそうか、そうだよね。「帝一の國」(2017年公開作品)以来だからね。 竹内さんいろいろと感慨深いですが、今日は皆さんとそういったものも共有できればと思います。よろしくお願いします。 菅田さんドラマのSeason1からは四年ぐらい経つんですか? その時にも菅原さんたちから主題歌のお話をいただきました。当時はコロナ禍のど真ん中で、そんな時にゾンビものをやるという心意気がすごくカッコ良いと思いました。「険しい道のりになることが確定している中で動き出そうとしています。その中で竹内さんが響を演じます。」ということを聞きました。あれから、もうそんなに経ったのかと感慨深いです。そして本作で、再度ご一緒できたことをうれしく思います。久々に涼真とも共演ができました。(自分が演じてきた中でも)今までで一番難しい役でしたけれどね(笑)。どうすれば良いのか…、本当にめちゃくちゃ難しい役でしたが、楽しい時間になったのでうれしかったです。今日はよろしくお願いします。 菅原監督今日はありがとうございます。短い時間ですが、貴重なツーショットを楽しんでいただきたいと思っています。(竹内さんと菅田さんの二人の世界を作るように、少し離れるフリをして)私は少しずつこちらに移動して…。(竹内さん&菅田さん&会場:笑) 楽しんで行ってください。竹内さん無理なんですよ。(菅原監督が)一番身長が大きいから。 菅田さんデカすぎる。(会場:笑) 菅原監督こんな扱いをされる監督はいないと思います。(会場:笑) 竹内さん本当に何回見てもカッコ良いんだよなぁ。 菅田さんカッコ良いよね。 菅原監督やめてください。恥ずかしいから…。 菅田さんしかも、この前までは、(菅原監督は)ロン毛で髭もあったからね。本当にこの世界で戦っていたんだなと思いました。 菅原監督髪の毛を切る暇もなかったので、そのまま舞台挨拶に出ようとしたら、「デジタルタトゥーになるよ」と妻に止められました。(竹内さん&菅田さん&会場:笑) MC私が必要ないくらい、お話が盛り上がっていますね。(竹内さん&菅田さん&会場:笑 )さて、公開から二週間が経とうとしていますが、今の心境はいかがでしょうか。 竹内さんなぜなのかは分からないですが、今回はいつもよりも、家族や知り合いの方から本作を観た感想をいただいています。とにかく「すごく感動した」と言ってもらえて、僕はこの四年間で、感動する作品を作り上げることができたんだという自信と喜びみたいなものが心の中にあります。その感情が、今、自分の中で一番ホットかもしれません。 MC今日は鑑賞後の皆さんの前ですので、言ってはいけないことがない舞台挨拶になります。 竹内さん先ほど、全部お話しても良いと言っていました。僕が最後にゴーレムになる映像も出ているので。 MCそんな中、竹内さんにとって「ここが好きだ、ここはぜひ皆さんに伝えたい」と思うシーンはありますか? 竹内さん冒頭の、僕と(来美役の)中条(あやみ)さんがやり取りをするシーンは、すごく「きみセカ」において大切です。サバイバルな状況下だけれど、根底には「ラブストーリーがあるよ」というところは、やっぱり僕が一番好きなところであり、大事にしてきたことです。そこがすべての始まりかなと感じています。 菅田さんやっぱりこれだけ続けられたということが、この作品の一番の迫力になっていると思います。回想シーンって、そのシーンだけを撮ったりするんですが、本作では、回想シーンもドラマで配信されているし、それを皆さんも観ています。そこの重さが違いますよね。最初の幸せな日常の景色も、その後に起きたいろいろなことを経て見ると全然感じ方が違います。たぶん、演じていても違うと思います。また、本作に映し出されている響の熱量は、どれだけCGを使っても、どれだけ特殊効果を使っても、どれだけ音楽をデカくしても、結局は現場でその緊張感をどれだけ保てるかという戦いになっているんですよね。ちょっとでも「こんな世界なんてないよな」「さっき普通にコンビニでコーヒー買ったし」とか、そうやって日常に戻された瞬間に、響の奥さんや娘への愛情が切れてしまいます。でも、本作を観た時に、涼真はこの四年間ずっとそれを絶やしていないところが、一番すごいと思いました。 竹内さんSeasonを一つやるごとに撮影の間が空くのがちょっと嫌でしたね。 菅田さんそうだよね。最長で一年弱くらい空いていることもあるのかな? 竹内さん空いていた。ちょっと不安になっちゃうというか、「大丈夫かな」「また戻れるのかな」みたいな状態が、四年間ずっと続きましたね。 MC今回、菅田さんは主題歌「谺(こだま)する」を手掛けました。作詞、作曲、プロデュースを担当しています。この曲にはどのような思いが込められていますか。 菅田さん一番、近くで涼真や響を見ていた菅原さんたちが、「『お疲れさま』と言ってあげたい」ということでした。そういった感謝も含めた、響に対する曲を最後に流したいということで(その思いを受け取って)作りました。 菅原監督響は、最後にはゴーレムになって命を絶つんですが、レクイエムとしての意味を込めて作ってもらいたいと思っていました。そんなことを頼める人は、菅田くんしかいないだろうと思いました。 MC菅田さんはSeason1でも主題歌「星を仰ぐ」を担当されていました。今回と異なる点やパワーアップされた点はありましたか? 菅田さんこれもちょっと運というか、縁というか…。僕がいつも一緒にライブや、曲作りをしているメンバーに、ドラマーのタイヘイというヤツがいるんです。今回もタイヘイと一緒に作ったんですが、そのタイヘイに、ちょうど(響の娘である)ミライちゃんと同じくらいの娘さんがいるんですよ。それもあって、今回はタイヘイと一緒に作るべきだと思いました。歌詞の中に出てくる親子愛や父親目線での日常のありがたみみたいなものは、タイヘイと一緒でなければできないこともありました。この間、タイヘイと一緒に映画館に観に行ったんですが、だんだん涼真がタイヘイに見えてきました。(竹内さん:笑) さらに、ミライちゃんがタイヘイの娘さんに見えてきました。身内の話みたいな、すごみを感じていて、パッと隣を見ると、タイヘイもそんな顔をしていました。僕らの気持ちとしては、他人事ではない感じも、そこに一つ乗っかっています。 竹内さんうれしいです。 MC主題歌の方向性はすんなり決まったのでしょうか。 菅原監督一度、打ち合わせをしました。その後に作って送っていただいた曲が、少し優しさよりも、カッコ良さの方が強い曲のような気がしました。作品全体のことを考えると、ちょっと違うテイストの方が良いんじゃないかなと思って、「もう一回作り直してもらえますか」と人伝に言ってもらいました…。 MC菅田さんに作っていただいて、一度断っているということですか? 菅田さん一度だけではないです。何ラリーかさせてもらっています。 菅原監督(恐縮しながら)一度は「これだ!」というのをいただいたのに、「これじゃないです」と言ったり…。 菅田さんもう一回、会議をし直しましたね。 菅原監督もう一回お話をして、その時に「レクイエム」というワードが出て、ピタッとハマった感じです。 菅田さん最初は、「響の最後を包み込む讃美歌」のようなものを作っていったんですね。そうしたらもうちょっと優しさというか、重さが必要ということでした。そこで「レクイエムかな」と。 菅原監督その時は、ちょうど撮影をしている最中だったので、「これで竹内さんとご一緒するのも最後だな…」と、感情が昂っていたのもあって、「これじゃないです」と菅田さんに言えたのかもしれないです。 菅田さん言ってもらって良かったです。 竹内さんそれは撮影期間中だったんですか? 菅原監督そうです。 MC今のお話は竹内さんもご存知なかったですか? 竹内さん知らなかったです。 MC竹内さんは、(同じ状況だったとしたら)菅田さんに「別の曲にしてください」と言えますか? 菅田さんそりゃあ、違ったら「違う」と言うべきですよ。 竹内さん仕事だし(笑)! みんな本気だから。でも、人伝で断るかな…。(会場:笑) 菅田さん(菅原)監督には、演者としてお世話になったことがあるんですが、その時は好きなことをやっても許してくれたので、初めてちゃんと「違う」って言われたなと思って…(笑)。 菅原監督(切り札として)カードを切った感じです。(竹内さん&菅田さん:笑) 菅田さんここでカードを(笑)! 竹内さん溜めて、溜めて(笑)? 菅田さん「今まで僕は許していたぞ」と(笑)。 竹内さん人間関係って、そういうものなのかな。 菅田さんそうだよね。 MC改めて、主題歌を聴いた感想を教えてください。 竹内さん僕は、曲を聴いたのが撮影をしている間だったのかな。やっぱり、毎回怖いんですよ。長く続いているシリーズだし、毎年「しっかりと響になれるのだろうか」と思っていました。ずっとやっているからと言って、すぐに役に入れるわけではないんです。毎年、毎シーズン、自分の中にそういう怖さみたいなものがありました。Season4が終わってから二週間ぐらい空いて、今度は映画の撮影があったんですが、「こんなにすぐに入れるのかな」などいろいろな不安がありました。そんな中で、菅田くんが主題歌をやってくれると聞いた時に、「もう一回頑張れるかも」と思いました。そういった前向きな気持ちになれて、背中を押してもらった気がしています。撮影の後半に曲を聴かせてもらうタイミングがあったんですが、その時に、僕は一回聴くのをやめたんです。何だか終わっちゃいそうな気がしたんですね。撮影の最終日に、僕がゴーレムになるシーンの撮影をしたんですが、その撮影が終わって、次の日に乗ったタクシーの中でしっかりと聴いたんですが、何とも言えない感じというか…。お疲れさまではないし、作品の中に残したものをもう一回考えさせられるような…、ちょっと言葉にするのは難しいんですが、すごく新しい感情になりました。作品にマッチしているとかそういうことよりも、あの歌を最後に聴いた瞬間に、僕の中で(本作の)撮影が完結したような感情になりました。菅田さん涼真のため、響のためだけに作ったわけではないですが、響のためという部分がやっぱり一番大きいのでうれしいです。うれしいですし、良かったなとも思います。映画の主題歌をやったことはこれまでにもありますが、実写で、自分も出演している作品でということは、そうそうあることではありません。しかも自分で曲を作っているというのは、たぶんこれまでにもないことなので、その怖さもありました。だから、涼真にそう言ってもらえて良かったです。 MC今回は主題歌のみならず、菅田さんもご出演されています。その経緯について教えてください。 菅原監督台本を作っていて、物語の中盤で、大きく話を転換する役割となる大事な役どころがあったんです。とにかく「意味のある人に出てもらいたい」と思っていました。菅田さんにはSeason1の主題歌もやっていただいているし、この作品への理解度や、気持ちがある方が良いなと思って、ダメ元でお願いしました。その時は、まだ、曲を一度お断りする前だったので、関係性も良かったのかもしれないです。(竹内さん&菅田さん:笑)菅田さんそんな、曲を断られた前後で答えは変わりませんよ(笑)。一緒、一緒! (菅原監督:笑) MCシーズンを重ねている作品の撮影現場に飛び込むのは、どのような感覚でしたか? 菅田さんすごく良い雰囲気でした。主演と監督の二人が、ちゃんとタッグを組んでやってきた月日をすごく感じました。この作品は、どうしたって途中でみんなリタイアしていくので、シリーズが続いていく中で残っているのは、この二人なんですよね。だから、この二人にみんな付いていくことになるんですが、まさにその迫力というか、監督が指示を出しつつも、涼真が意見を言うことで、俳優陣(の空気)が締まる。すごく良い雰囲気だったので、入りにくさみたいなものは全くなかったですね。 竹内さんあのメイクで再会して…(笑)。でも、僕は(菅田さんに)久々に会えるのを楽しみにしていました。 菅田さん撮影所に、「GANTZ」(全2部作品『GANTZ』2011年1月公開。『GANTZ PERFECT ANSWER』2011年4月公開)の玉の模型が置いてあるんですよ。僕、「GANTZ」の中の人(演じたのは橋本まつりさん)とビジュアルが似ていたから、うれしかった。 竹内さんたしかに(笑)! 久々に会った時、(菅田さんの)顔がほぼ隠れていて、目も片目しかない状態だったから、会えてうれしかったんだけど、何とも言えない空気感になったんだよね(笑)。 菅田さん誰だろう? みたいな(笑)。 竹内さんそうそう。ちょっとね、誰だか分からないんですよ(笑)。もちろん菅田くんなんですが、久々に会えたからちょっと小っ恥ずかしいとか、そういう次元の距離感じゃなかったんですよね(笑)。でも楽しかったです。 MCあの特殊メイクをされていると、「久しぶり!」とはなりにくいですかね。 菅田さんなるんですけど…。 竹内さん「うわー! 菅田くん!」って行けないんですよね。見た目があれだから(笑)。 菅田さんそりゃあ、そうだよね(笑)。 竹内さん「(メイク)すごいよねえ」「メイクにこれだけ時間かかって」みたいな。そういうテンションでした。 菅田さん最後の刺す場面の撮影の時に、涼真が先頭を切って「こういう殺し方はどうですか」みたいに、いろんな動きをしていたので、(シリーズを通して)「こうやって作品を作っていたんだな」と感じました。 MC竹内さんは、菅田さんとの共演はいかがでしたか。 竹内さん刺す前のシーンでめっちゃ楽しかった瞬間があったんです。 菅田さんああ、対峙しているところね。 竹内さんもちろん、僕が彼らの頭を刺すことになるんですが、ああいうアクションって、二人の絶妙な力の入れ具合やあうんの呼吸みたいなものがないと、成立しないんですね。でも、それを全部打ち合せしてからやると、作り物っぽくなったり、生々しさが消えてしまうこともあるんです。だから、少ない言葉だけを交わして本番に入ったんです。テイクも一回か、二回しかやっていない気がします。僕はあの瞬間に何とも言えない、(菅田さんと)繋がった感じがしたんです。それがすごく、うれしかったですね。久々の共演とかあまり関係ないなって思いました。 菅田さん分かる。僕も危うく、弟役の板垣(李光人)くんよりも、こっち(竹内さんの方)に気持ちが行きそうになったから「ダメだ、ダメだ」みたいになった。 竹内さんそれぐらい、繋がった感じがしました(笑)! 菅田さんシーン的にもね。 菅原監督竹内くんとは四年間一緒にやってきて、彼が毎年いろいろなものを得て、成長して戻ってくるのを見ていたので、段階を踏んで、俳優として大きくなっているのを感じていました。菅田さんに関しては、数年に一度お会いして、話をしたり、仕事をしたりして、現場ではいつも「こんなことしてくるんだ」という新鮮なものをいただいていました。自分が想像しているよりも、もっと面白い役にしてくれるし、こちらで「こうしてほしい」と言ったことは柔軟に受け入れて、もっと面白いものへとクリエイティブに役を大きくしてくれます。その二人が一緒に演じているのは、見ていても本当に楽しかったです。カットをかけずに、そのまま見ていたいという瞬間は何度もありました。 MCSNSで感想コメントや質問を募集したところ、1500件以上もの反応をいただきました。今日はぜひお三方にお答えいただきたいと思います。この映画は、Season1しか観ていない人が観ても面白い内容になっていますか?【質問1】竹内さんおー! 竹内さん&菅田さんなっています! 菅原監督そのように作ったつもりではあります。 竹内さん台本作りの段階から、そういう話をしていましたよね。 菅原監督初めての方にも観ていただけるように、作ったつもりではあります。 MCでは二つ目です。 竹内さんどんどん来てください! 菅田さんだって1500も質問があるんでしょう? 竹内さん全てに答えるためには、もっとテンポを上げていかないと(笑)!スクリーンで観た菅田さんは、瞬きをほぼされていないように感じられました。あれはどういった演出だったのでしょうか。瞬きのなさに、“人ではあらぬもの感”が感じられてゾクゾクしました。【質問2】竹内さん菅田くんの得意技です。 菅田さん(須賀健太さん演じる)首藤シンジについて何か聞かれた時にだけ、一回ちゃんと瞬きをしようみたいなことを、勝手にしていました。 竹内さんあっ! 僕が「首藤シンジ、知っているか」と質問するところだ。 菅田さんそうそう、その時の反応。監督とも話をしていたんですが、人間的な反応をどこまでやるかというところが難しいと思っていました。僕が(ゴーレムの動きについて)ルールを作ってしまうと、これまでの歴史も変わってしまいます。かと言ってワクチンという、本作における大事なものや、展開としてある頭を刺さないといけないという部分にも繋がってくるので、どのくらいやるかみたいな難しさがありますね。 菅原監督(菅田さんが演じるキャラクターは)理性的な部分と、ゴーレム化しかけていて人間ではない部分が戦っているんですよね。特殊メイク的にも、顔の半分側はゴーレムの要素が強いとか、こちらは人間に近いから、理性を保つためにやっていた腕に噛み跡があるとか、一生懸命戦っているようになっています。 菅田さん感情的になっちゃうとそっち(ゴーレム化)に持っていかれてしまうから、ずっと(感情を)抑えて、ほぼ無感情な状態でいるという作りにしていたんですよね。 菅原監督そうです。それがたぶん、瞬きがないということに繋がったのかなと思います。 菅田さんでも、こちらもアドレナリンが高まってきたり、刺されたりするうちに、身体が反応していってしまう。 竹内さんナチュラルな、人間の身体の反応ってあるじゃないですか、あの(ゴーレムの)メイクをしていると、それからちょっと遠くなりませんか? 菅田さんちょっと動きがノロくなったよ。 竹内さんそうそう! ノロくなる。それ、すごく分かる。 菅原監督話し方もちょっとゆっくりになりますよね。 竹内さんあれは何なんだろう。僕も最後、すごくノロくなったんです。 菅原監督単純にメイクをしていると感触が気持ち悪いというのもあるんじゃないですか。 菅田さんうまく動けないからね。 菅原監督動いたらメイクを崩しちゃうんじゃないかとか、そういう制約があったり。 菅田さん(首を大きく動かしながら)グッとやると、痛いしね。二十年後にミライが会いに行った響は、竹内涼真さんが演じているのでしょうか。その場合は、特殊メイクにどれくらい時間がかかりましたか?【質問3】竹内さん僕です。あれは僕です! MC特殊メイクには、どれくらい時間がかかったのでしょうか。 竹内さん休憩も入れつつ、十時間くらいかかっています。 菅田さんじゃあ、十時間もあの鉄の棒が刺さっていたんだ。 竹内さんそう(笑)。途中で、Season1にも出演している(結月役の)横溝菜帆ちゃんが、すごく美味しいバナナを差し入れしてくれて、それを食べたからまたメイクの時間が伸びちゃった。(会場:笑) 菅田くんが言っていたように、これまでにいろいろなゴーレムがいて、自分がなった時に、どうしようと思いました。これは本当に特殊メイクチームに感謝をしたんですが、作り上げている間、メイクをしている自分の姿をずっと見ていると、だんだんそういう動きになってくるんですよ。僕は何も考えないで現場に入って、気づいたらああいうモーションになっていました。 菅田さんまたすごく(特殊メイクが)良いチームなんだよね。みんなおしゃべりでね。 竹内さんそう! 最高なんですよ! 菅田さんすごく楽しいチームだよね。 竹内さん特殊メイクチームはケーキが好きです! タルトが好きです(笑)! MC菅田さんのメイクは、どれくらい時間がかかっているのでしょうか。 菅田さん僕は、四時間くらいですね。だから、いかに(竹内さんのメイクには)時間がかかっているかということです。竹内さんもっと腐敗しているバージョンなのでね。鉄の棒が刺さっていたのは、響が他の人に迷惑をかけないように、自分で刺して動けないようにしたのでしょうか?【質問4】竹内さんご想像にお任せします(笑)。 菅田さんありがとうございました。(会場:笑) そもそも僕、知らないし(会場:笑)。 竹内さんこれは監督から言ってもらった方が良いのかな。 菅原監督「自分で迷惑をかけないように」というのはおっしゃる通りです。自分で動けないようにしました。さらに、これは特殊メイクチームのアイデアなんですが、(響は)前頭部にかなりダメージを負っています。恐らく、自分であの体勢になって死のうとして、頭を地面に打ち付けた名残があるんですね。それぐらい、響は最後にひっそりと死のうとしたんですが、二十年もあの状態でいたということです。 菅田さん(そのシーンを実演)あの身体の畳み方、すごく好きだった。あれは泣けるね。 竹内さんミライと別れるところね。最後にミライに受け入れてもらえて、僕が左手でミライに触れることができるシーン。最後は高橋文哉くん演じる大和に託して、僕は縮こまって背中を向けるんです。なんだか、ああいう風になったんですね。自然な身体の反応でしたね。 菅田さん(そのシーンを実演しながら)あれ、すごく良かった。(会場:笑) MCいろいろな感情を乗せて、あの形になったということなんですね。 竹内さんそうです。最初にやった時にあの形になったんですが、テストの時に変わったんだったっけ? でも、菅原さんが「最初にやったものが良い」と言ってくれた気がする。 菅原監督そうですね。途中で別のパターンも思いついて、どちらが良いか聞いてくれたんですよね。でもあの形が一番良いなと思ったんですよね。 菅田さん響らしくて良かった。 MC作品を鑑賞後の舞台挨拶も、楽しいものですね。 竹内さん&菅田さん(声を揃えて)楽しいですね! 話せるから。 竹内さんハモっちゃった(笑)。 MCでは、会場の皆さんからも質問を受け付けたいと思います。質問のある方、手を挙げてください。(すぐさま会場から手が挙がる) 竹内さん一番アピールされている方、行きましょう!公
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「東京2020オリンピック SIDE:A」完成披露舞台挨拶「東京2020オリンピック SIDE:A」完成披露舞台挨拶1912年の第5回ストックホルム大会以来、撮り続けられているオリンピック公式映画。今回、その総監督に選ばれたのは、「萌の朱雀」(1997年公開/出演:國村隼、尾野真千子)「殯の森」(2007年公開/出演:うだしげき、尾野真千子)「光」(2017年公開/出演:永瀬正敏、水崎綾女)など数々の映画で世界的にも評価の高い河瀨監督です。 東京2020オリンピックは、2021年7月23日より17日間にわたってオリンピック史上最多となる33競技339種目が実施されました。本作は、大会開催に至るまでの750日、5,000時間に及ぶ膨大な記録を元に、表舞台に立つアスリートを中心としたオリンピック関係者たちを描いた「東京2020オリンピック SIDE:A」(6月3日公開)。大会関係者、一般市民、ボランティア、医療従事者などの非アスリートたちを描いた「東京2020オリンピック SIDE:B」(6月24日公開)として製作されます。 第75回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクションのクラシック部門(カンヌ・クラシックス)に選出された、河瀨直美総監督作品「東京2020オリンピック SIDE:A」の完成披露試写会を5月23日、TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて開催し、河瀨総監督が舞台挨拶を行いました。この日は、森喜朗さん(東京2020オリンピック組織委員長前会長)、橋本聖子さん(東京2020オリンピック組織委員会会長)、山下泰裕さん(日本オリンピック委員会会長)らも来場しました。こちらのイベントの様子を詳しくレポートします。完成披露舞台挨拶■藤井風さんによる本作のメインテーマ楽曲「The sun and the moon」が流れる中、河瀨監督が登壇。河瀨直美 総監督河瀨総監督風くんの曲がかかるとは思っていなかんたんですが...この楽曲もそうですし、5000時間の一コマ一コマがそれぞれの人生です。地球上に暮らす人類78億の人生が刻まれているかのような、去年の夏に繰り広げられた東京2020大会の記録をさせてもらえたことは、自分の人生にとってかけがえのない時間でした。本当にありがとうございました。MC最初に(本作のために)カメラを回したのが2019年の7月24日ということですが、あれから2年10ヵ月が経ち、ようやくお披露目となりました。今はどのようなお気持ちでしょうか。 河瀨総監督歳をとりました(笑)。と、言いますのも、5000時間もの間いつも緊迫していて、それだけの時間、(作品づくりに)夢中になりました。作品ではできるだけ客観的に物事を見つめようと思いました。そして、この数カ月どっぷりと浸かりました。その世界の中で、私のまなざしがこの作品を作ったのだとすると、その作品は今の時代の人たちだけではなく、百年、千年先の私たちの子孫に届いて、(現代の)私たちはどのような立場にあっても、みんなちゃんと一生懸命に生きていたということを残したいと思いました。MC当初は、一作品の予定だったと思います。それが「東京2020オリンピック SIDE:A」「東京2020オリンピック SIDE:B」の二作品になりました。作品の違いをお話ください。 河瀨総監督まず「東京2020オリンピック SIDE:A」は、アスリートを中心にした時間、そして「東京2020オリンピック SIDE:B」は、そのアスリートを支えた大会関係者それぞれの人生を描きました。 MC取材日数は750日に及びました。これは大会の延期もありましたから、結果的にそうならざるをえなかったと思います。その中で、アスリートを描く時に、どのようなところに苦労されましたか。 河瀨総監督例えば、33競技339種目それぞれを大会の始まりから終わりまで描くとして、それが時間軸になります。それを33競技分すると33回の繰り返しになります。映画は、時間軸を体現していくメディアだとすると、その時間軸を行ったり来たりする感覚ではなくて、一つの物語として、皆さんに旅をしてもらうための構成が非常に難しかったです。 MC確かに、境目がなく流れるような作品になっていました。 河瀨総監督ありがとうございます。 MC熱戦の興奮がもう一度よみがえるシーンがちりばめられていました。その一方で各国の選手たちの深い思いと意外な人生模様が浮き彫りになる構成でした。二時間という制約の中で、どの選手にスポットを当て、どの競技を取り上げるのかはどのようにして決めていったのですか? 河瀨総監督私は映画監督として、フィクションも作っていますが、ドキュメンタリーも作っています。むしろ、最初の作品は、自分のプライベートな日常を通して描くドキュメンタリー映画でした。その時に、ドキュメンタリーは現実に起こっていくものにカメラを向けるので、こちら(=撮影者)がコントロールすることはできません。人間というのは、さまざまなものをコントロールして、ともすれば人間だけが良ければいいという社会になりがちです。そして自然も含めて、人間以外のものが疲弊していくことも、感じられなくなり、そこを突き進むようになっていきがちです。(ドキュメンタリー映画は)そうではなくて、それぞれの人にきちんとフォーカスして、その時間を一緒に共有させてもらった、そこを克明に描くべきだと考えています。つまり、ドキュメンタリーというのは対象の人との関係性なのです。私=撮影者が作り手として、(被写体との関係性を築くために)心を開いていく。撮影者である前に、一人の人として、相手(被写体)の方に心を開いていくことができれば、その相手(被写体)の方も心を開いてくれるようになります。そうすれば、「はい、取材をします!」という取材者と対象者という関係性を超えていける姿を作品に刻みつけることができます。私自身が実は18歳までバスケットボールのプレイヤーとして、アスリートとして生きていた過去がありました。もちろんナショナルチームに選ばれるような選手ではありませんでした。それでも国を代表して集まった人(アスリート)たちの思いや気持ちは、その人たちとずっと人生を歩んできたわけではないですが、人生の一部に自分自身もなったような気持ちで、アスリートたちに向き合いました。そういう時に切り取られた映像は、やっぱり生きているんです。だから、その生きているそこに向かっていくエピソードを紡いでいくという撮り方をしました。 MC世界のオリンピアンの皆さんを取材されてみて、どのようなことに気がつかれましたか。 河瀨総監督アスリートとして素晴らしい成績を残している人でも、選手としてのピーク、それに年齢との関係もあり、東京2020に照準をあわせている人たちが、コロナウイルスによる一年の大会延期という中で、各国の感染予防対策により、十分な練習を積むことができないとか、それぞれの国で差がありました。日本でも、皆さんの記憶に新しいと思いますが、コロナ対策において、初めて緊急事態宣言がくだされた時は、家の外に出ることもはばかられるし、この感染症はいったい何なのか分からなくて、どうすれば対応できるのかという答えが分からない中で、みんなが右往左往していました。アスリートは、練習をしたくてもできない。チームプレーなのに合宿をしたくてもできない。そういうことにさいなまれていました。思い通りの練習ができたとしても、大会に照準を合わせるのが大変でした。その中でも心の平穏を保ち、競技に対する熱量を持ち続ける人がやはり強くて、それは、その競技において強いというだけではなくて、人間性なんです。そこは感動的でした。MC今競技の話が出ました。この映画を観て感じたのは、オリンピアンの皆さんが競技という言葉以上に人生という言葉を口にされていることです。 河瀨総監督そうなんです。そして、皆さんまだ映画をご覧になっていないので、言いづらいこともありますが......(笑)。東京2020オリンピック組織委員会をはじめ、IOC(国際オリンピック委員会)には、かつてオリンピアンだった方々が多く関わっていらして、主たる役職についていらっしゃる方々の言葉が素晴らしいんです。人生を語られる時に、スポーツを通して生き様を体現していらっしゃいます。その体現された姿に、私たちは勇気と感動と希望をもらいました。スポーツとはそういうものでした。 MC先ほど入場の際にも流れましたが、藤井風さんが手がける本作のメインテーマ「The sun and the moon」が、感動をさらに染み入るものにしていました。 河瀨総監督最高です。風さんはオンラインでこの楽曲を私に届けてくれました。コロナ禍でデビューした、まだ若いアーティストなんですが、この人の歌う声と奏でるピアノの音色、そして歌詞の中に存在しているものは、すべてのものを愛で包みます。アスリートの皆さんが、競技を通してある種の勝ち負けというものを、そして金メダルを手にするために切磋琢磨して日常を過ごしていらっしゃいます。でも、そこには勝ち負けを超えていく愛があって、それと風さんの歌が最後に流れることですべてを包みこんでくれます。「愛」という言葉にすると少し軽くなってしまうかもしれないですが、エンドクレジットの最後の最後まで、私たちすべての命の中に愛はあるんだよと。いろいろなことがあるけれど、それをもってして包むことができたら、この時代に分断ではなくつながりをもって皆さんが笑顔でいられるように思えます。今日、この映画を観てくれた方は、風さんのファンになって、映画館を出る時に、この世界って素晴らしいと思ってもらえると思います。 MC最後に、お伝えします。「東京2020オリンピック SIDE:A」は、第75回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクションのクラシック部門(カンヌ・クラシックス)に選出されました。おめでとうございます!(会場:拍手) 河瀨総監督ありがとうございます。 MC河瀨監督は、今晩このままカンヌに向かわれます。 河瀨総監督このまま?! MCそのドレスで行けば、そのままレッドカーペットを歩けます! 河瀨総監督そうですね(笑)。 MC今、どのような心境でいらっしゃいますか。 河瀨総監督おかげさまで私は最初の映画(劇場映画デビュー作「萌の朱雀」でカンヌ映画祭カメラドールを史上最年少で受賞)からカンヌにご縁をいただいております。私がこの役割を引き受けさせていただいた時に、担当の方から言われたのは「これまでの映画とは少し違う、市川崑の時代に戻りたい」ということでした。つまり、それ(求められたの)は作家性でした。誰が撮っても同じような作品ではなく、「私にしか撮れないもの」を求めていただいているのだと思った時に、その役割を全うしようと思いました。この三年弱の時間は、ほかの映画のことは一切考えていませんでした。実は告白すると、まだ「B」が完成していません。6月3日に「A」を公開するために死に物狂いで仕上げたのが、つい最近で、カンヌに見せたのも4月の中頃でした。上映作品のラインナップがほぼ決まっている中で、最高責任者の方にお見せすることができました。栄誉ある舞台へ、今から飛行機に乗って、到着した翌日に公式上映をします。届けることができるのはご縁だと思います。今日、皆さんにお披露目できて、そしてカンヌという最高の場で世界にお披露目できるのは、カンヌの最高責任者が、「この作品は未来永劫に継ぐべき作品だ」と評価してくださったからです。これは私自身の総監督としての作品でありながら、ここに登場したすべてのアスリートたち、そして大会を支えた方々も含めての作品だと思っています。......まだ「B」はできていないですが、もしも「B」も出来上がっていたらカンヌに持って行けたと思います。「B」は最後の最後、公開のギリギリまで魂を込めて作りたいと思います。レッドカーペットを歩いた先に、この国にしかできなかったこのオリンピック、コロナ禍で無観客だったけれども、アスリートのほとばしる汗を皆さんに届けたかったというそのかたちは、絶対に歴史が証明してくれると思って、世界に届けていきたいと思います。支えてくださった皆さん、本当にありがとうございました。MCカンヌに選出されたということは、これは我々が考えているような通常のカメラアングルにこだわったスポーツのダイジェスト版ではないということが、映画をご覧いただければ分かると思います。それでは、最後に「東京2020オリンピックSIDE:A」を通して伝えたいこと、お客さんにご挨拶をお願いします。 河瀨総監督スポーツにおいて、その栄光の晴れ舞台であるオリンピックで金メダルをとることは最高の姿だと思います。けれども、人生の金メダリストであること、それが私たちすべての人たちに、与えられた舞台です。この映画を観て、アスリートだけではなくて、さまざまな苦悩や悲しみ、そういう場にいて、とても不安で、恐怖、心地よくないと思っていたとしても、必ず舞台が用意されていることを信じていただきたいと思います。そういう気持ちを受け取ってもらえると、この映画が報われるなと思っております。よろしくお願いします。(会場:拍手) MCこれにて舞台挨拶は終了です。これからカンヌ国際映画祭に行かれる監督を、拍手で送りましょう!(会場:拍手)
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「シン・ウルトラマン」大ヒット御礼舞台挨拶「シン・ウルトラマン」大ヒット御礼舞台挨拶「シン・ウルトラマン」公式サイト昭和41年の放送開始以来、海外でも100を超える地域で放送され、今なお根強い人気を誇る日本を代表するキャラクター"ウルトラマン"を企画・脚本を庵野秀明さん、監督を樋口真嗣さんが務めて描く映画「シン・ウルトラマン」。5月13日に初日を迎え、24日までの公開12日間で観客動員は143万人、興行収入は21.6億円を突破する大ヒットを記録しています! 5月25日にはTOHOシネマズ 六本木ヒルズで大ヒット御礼舞台挨拶が開催され、斎藤工さん、長澤まさみさん、西島秀俊さん、有岡大貴さん、早見あかりさん、山本耕史さん、樋口真嗣監督が登壇しました。今だからこそ話せる撮影秘話を明かした、こちらのイベントの様子を詳しくレポートします!大ヒット御礼舞台挨拶神永新二役斎藤工さん浅見弘子役長澤まさみさん田村君男役西島秀俊さん滝 明久役有岡大貴さん船縁由美役早見あかりさん外星人・メフィラス役山本耕史さん樋口真嗣監督斎藤さん朝から「シン・ウルトラマン」をキメてくださってありがとうございます。僕も早朝に観ましたが、"朝トラマン"、最高ですよね(笑)。今日が皆さんにとって豊かな一日になることを願っています。長澤さん今日やっと言えることが一つあります。あとでお話ししたいと思います(笑)。短い時間ですが、楽しんでいってください。西島さん大ヒットということで、こうして劇場に足を運んでくださった皆さんの応援によって、どんどん作品が大きく、大きくなっていると思います。本当に感謝しています。有岡さん今回は上映後の舞台挨拶ということで、なんとなく皆さんの頭にはウルトラマンがパッと浮かんでいるのが見えます(笑)。短い時間ですが、どうぞよろしくお願いします。早見さん私も先日、このスクリーンで観ました。今の皆さんと同じ気持ちでお話ができると思います。短い時間ですが、ぜひ今日は楽しんでいってください。山本さんメフィラス星人、ヤマモトコウジン。響きが似ているのでちょっと言ってみました(笑)。今日は皆さんと楽しい時間を過ごせたらなと思います。樋口監督今まで言ってはダメなことが多かったんですが、上映が始まって2週間以上が経ったことですし、今日は長澤さんから爆弾発言があるらしいです(笑)。そういうのも含めて、何度観ていただいても楽しめるような映画にしたつもりですので、懲りずにもう一回ぐらい観ていただけるとうれしいです。MC大ヒットを記録しています。周りからの反響はどのようなものがありましたでしょうか。 斎藤さんすごいものがありましたね。普段メールで済ます方が電話をかけてきました。「興奮を共有したいのかな」という気持ちも分かるし、同士が周りに増えてきています。「なんとなく観たよ」というより「この人、観たんだ」という人がのがはっきりと分かる感じになっています。僕もまだ観たりないので、今度はIMAXで観たいなと思います。MC質問などもされますか? 斎藤さんそうですね。「変身シーンはどうだったのか」と聞かれたり、メフィラスについてすごく質問されますね。 長澤さんやっぱり、「面白かった」と言ってもらえます。私は、いつもの私じゃない感じで出てくるんです。まあ、私ではなくて浅見さんですが(笑)。「そこが本当に面白かった」「笑えた」と言ってもらえました。笑えるシーンが他にも多くて、ぜひ映画館で大笑いして観てほしいなと思います。西島さん普段は映画館に足を運ばないような知り合い、友達もこの映画を観に行っています。「面白かった」という感想をすごく聞くので、この映画をきっかけに映画を観にいく人が増えていくんじゃないかと感じています。山本さん僕の周りでも反響が大きいです。でも、本作の公開初日の一日で、ちょっと前に僕が出演した作品の全興収を抜かれました(苦笑)。それくらいすごい勢いでした。 有岡さん僕の周りでも、幅広い年齢層の方から「観たよ」という声をいただいています。感想だったり、「○○が出てくる、○○のシーン、すごく興奮した」と言ってくださるので、僕もやっとお話ができてうれしいです。でも、まだ周りには楽しみに待っていらっしゃる方もいて、そういった方は嫌な顔をして耳を塞いでいるので(笑)、大っぴらに感想を言えるのはまだ先かなと思っています。まだちょっと密談で、コソコソと感想を聞きながら、お話をしています。 早見さん土日などは、遅い時間にも上映をしていますよね。そうすると「夜遅いから連絡しようか迷ったけれど、連絡せずにはいられなかった」と感想が送られてきたり、「グッズを買いたかったんだけれど、買えなかった」という話も聞いています。すごく盛り上がっているんだな、ありがたいなと思っています。樋口監督質問がすごく多いんですよ。ふわっと映画の中で描いている部分の解釈みたいなものを、2時間くらい電話でずっと言われたり。「僕はこう思う。それで合っている?」と聞かれるんです。 MC合っているか、合っていないかを答えるんですか? 樋口監督そこは「もう一回観て」と言うようにしています。「もう一回観ると答えが分かるかもしれないよ」と言っています。 MC長澤さん演じる浅見弘子が巨大化するシーンも、大きな話題となっています。撮影はいかがでしたでしょうか。 長澤さん撮影はグリーンバックでしました。一人で地味に撮影をしていました。「もうちょっと足を上げて」「もうちょっと肘を上に」とか、監督から指示がありました。「もうちょっと、倒れる時に動かないように倒れて」とか「まっすぐ、木が倒れるように」って言われたんですが、痛くて...。 樋口監督あああ...すみません! 長澤さん下にクッションがあったので、全然大丈夫です! なかなか一人で大変だなと思いながら...(笑)。 MC(長澤さんの巨大化は)初代「ウルトラマン」でも描かれているシーンですが、監督はどのようなこだわりを込められましたか? 樋口監督同じ場所でやっています。この60年の間に街路樹がものすごく増えていて、どうすることもできないので、大変でした。 MC西島さん、早見さん、有岡さんは、巨大化した浅見に声をかけたりするシーンもありました。 西島さん三人で屋上で撮影をしたんですが、僕はこの撮影が初日だったんですよ。「こういう撮影をするんだな」と探り探りやっていたところもあります。出来上がりを見て「CGチームも僕たちに合わせてくれたんだな」と、うまくいっていたのでホッとしました。 有岡さん初日だったんですよね。たくさん、大勢のエキストラの方にご協力いただいたんですが、演出部の方がエキストラの方々に指示を出す時に「浅見さんが出たぞ」とは言えないので、「あそこから怪獣が来るので逃げてください!」と説明しているのがすごく面白かったです(笑)。 早見さん時々言ってしまいそうになるので、ヤバいと思いました。みんなで秘密にしないといけないので(笑)。 西島さん楽しい初日でした。 長澤さん頑張っていました。 MC山本さん演じるメフィラスの存在感や、「私の好きな言葉です」というセリフが話題になっています。 山本さんクランクインした日は、公園のブランコのシーンだったと思います。ブランコに座っている設定だったので、自分なりに動いてみたりしたら、監督から「その感じで」と言っていただきました。ブランコの前に柵があるんですが、「そこにふっと立って、人間にはできないことをやったらどうですか?」と聞いたら、(監督から)「なるべく人間に馴染んでいる感じにしたいので、それはナシです」と言われました。僕の中では少し床から浮いているようなイメージでやっていました。どこまでやって良いのかお尋ねをすると、「そこは人間側に寄せてください」ということでした。中身はトリッキーなことをしそうなイメージがあるところと、いい感じのバランスになったと思います。気をつけていたのは、余計な動きをしないことですかね。人間って、話をする時に手を動かしたりいろいろとすると思うんですが、そういったことをなるべくやらなかったです。でもそれは、ウルトラマンの工くんもそうですよね。瞬きをしていなかったり。斎藤さんそうですね。神永はメフィラスとは違うタイプで、地球人とのミックスなので...。最初は少しフィギュアっぽいというか...、肉体をそこまでコントロールできていない神永と、クランクインの時に現れた(山本さん演じる)メフィラスはどちらも地球のものではないんだけれど、その二人に違いがあるということに衝撃を受けました。そしてメフィラスにはめちゃくちゃ説得力があって、メフィラスが語っている言葉には合点がいくので、それを飲み込んでしまいそうになるんです。「メフィラスの言葉に響かないようにしなきゃ」と不思議な内側での攻防がありました。 MC近々、メフィラスに関する入場者プレゼントがあるそうで...。 山本さん近日中にメフィラス関連の何かが準備されるらしいです。何ですかね。もしかしたら僕が現場でいただいた、僕だけが持っているやつなのか...。何になるかは分からないです。 斎藤さんもらった人は巨大化する可能性がありますからね(笑)。 MCSNS上でもメフィラスの「私の好きな言葉です」というセリフが盛り上がりを見せています。そのセリフにちなみ、皆さんの好きな言葉を教えてください。 山本さん(フリップを掲げながら)「プロテイン、私の好きな言葉です」。(周囲から笑い声、会場から拍手が上がる) 好きな言葉って、なかなか浮かんでこなくて、一発で破壊力があるものにしました。最初は「16キロのダンベル」にしようかと思ったんですが、ちょっと説明くさいなと思って、これにしました。MCイベントが始まる前には、有岡さんと筋肉談義をされていましたね。 有岡さんそうなんです。いろいろとトレーニングを教えていただいて、プロテインも紹介していただきました。筋肉の師匠です。 早見さん(フリップを掲げながら)「ありがとう、私の好きな言葉です」。(会場:拍手) プロテインを出された後には出しづらいですよ(笑)! 「ありがとう」って、誰が聞いていも嫌な気持ちにならないですよね。常に人に言うべき言葉だなと思って、「ちゃんと言わなきゃ」と意識して生きています。有岡さん(フリップを掲げながら)「ご自由にお取りください、私の好きな言葉です」(周囲から笑い声、会場から拍手が上がる) きっと皆さんもお好きな言葉だと思います。僕は小さい頃から、お母さんが銀行に行く時によく付いて行っていたんです。すると、銀行の窓口にアメがあって「ご自由にお取りください」と書いてあったので、それを楽しみにしながら銀行に付いて行っていました。「シン・ウルトラマン」の初日には、円谷さんがウルトラマンのいろいろなグッズをテーブルに並べて「ご自由にお取りください」とプレゼントを用意してくれました。すごくうれしかったです。でも誰よりもはしゃいでいたのは、樋口さんです。子供のように(笑)。樋口監督みんなが遠慮していたので「こうして良いんだよ」という、お手本を見せたんです。 有岡さんありがとうございます(笑)。 MC長澤さんはいかがでしょうか。 長澤さん(フリップを掲げながら)「滋味、私の好きな言葉です」(会場:拍手) 何かを食べた時に「滋味ですねえ」って言いたい。噛み締めたいんです。良い言葉だなと思っています。MC最近食べたもので、「滋味だなあ」と思ったものはありますか? 長澤さんタケノコです(笑)。旬のものを食べて「滋味ですねえ」って。 MC斎藤さんはいかがでしょうか。 斎藤さん大喜利かなと思って、ちょっと長いんですが(フリップを掲げて)「歳とってやっちゃいけないことは『説教』と『昔話』と『自慢話』、私の好きな言葉です」(周囲から笑い声、会場から拍手が上がる) 高田純次さんの名言です。40歳になり、この言葉を胸に生きていきたいです。MC西島さんもうなずいています。そんな西島さんの好きな言葉を教えてください。 西島さん(フリップを掲げながら)「スイーツは別腹、私の好きな言葉です」(周囲から笑い声、会場から拍手が上がる) これは皆さんも感じていると思います。有岡さん現場でも、常にスイーツを求めて歩いていましたよね。 西島さんそんなことはない(笑)。でもみんな太っていたよね。 有岡さん(西島さんは)防護服を着ている時も「匂いだけでも」と言って、防護服のここに(首元に)スナック菓子を当てて、匂いを嗅いでいましたよ。 早見さんやっていました! 西島さん本当にね、匂いが嗅げるんですよ。 有岡さん食べられないので「せめて匂いだけでも」と、嗅いでいました(笑)。 樋口監督僕は(フリップを掲げながら)「無塩バター、私の好きな言葉です」(周囲から笑い声、会場から拍手が上がる) (山本さんのフリップを見ながら)プロテインと無塩バター(笑)。もう50年以上生きてきたんですが、無塩バターというものを知らなかったんです。コロナ禍で自分の時間が余った時に、お菓子作りをしていました。そうするとお菓子作りには、無塩バターが大事なんです。塩分が入っていないバターで味わいを出す。素材に凝るということ。そしてプロテインを入れた方が良いのかな、という気もしますね(笑)。山本さんそうですね。脂質だけなので。(周囲:爆笑) MCそれでは最後のご挨拶をお願いします。 斎藤さん皆さん、この作品を受け取って、育ててくださってありがとうございます。円谷さんが当時の時代感も含めて、子供たちに未来、希望を受け取ってほしという願いを込めて生まれたのがウルトラマンだと思います。そのバトンを受け取った樋口さんや庵野さん、並びに製作陣、キャストの僕らも含めたメンバーが、また作品の中に込めたものを、かつて子供だった皆さん、未来を築いていくお子さんたちに、この作品を通した映画体験として末長く届いていくことを心から願っております。まだまだ混沌とした時代ですが、ウルトラマンという概念は今こそ必要な人格というか、思いなんじゃないかと思います。ウルトラマンの「君たち人類のすべてに期待する」という言葉を胸に、僕自身も希望を持って生きていきたいなと思っています。この作品が良いと思ったら、ぜひ共有して、さらに育てていっていただけたらうれしく思います。
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「東京2020オリンピック SIDE:A」対談イベント「東京2020オリンピック SIDE:A」対談イベント1912年の第5回ストックホルム大会以来、撮り続けられているオリンピック公式映画。今回、その総監督に選ばれたのは、「萌の朱雀」「殯の森」「光」など数々の映画で世界的にも評価の高い河瀨直美監督です。 東京2020オリンピックでは、7月23日より17日間にわたってオリンピック史上最多となる33競技339種目が実施されました。本作は、大会開催に至るまでの750日、5,000時間に及ぶ膨大な記録を元に、表舞台に立つアスリートを中心としたオリンピック関係者たちを描いた「東京2020オリンピック SIDE:A」(公開中)。大会関係者、一般市民、ボランティア、医療従事者などの非アスリートたちを描いた「東京2020オリンピック SIDE:B」(6月24日公開)の二つの作品になります。なお、「SIDE:A」は、第75回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクションのクラシック部門(カンヌ・クラシックス)に選出されました。 6月7日、オリンピック開催時の内閣総理大臣である菅義偉衆議院議員が「SIDE:A」を鑑賞し、その後に河瀨総監督との対談が行われました。こちらのイベントの様子を詳しくレポートします。対談イベント河瀨直美 総監督菅義偉 前内閣総理大臣・衆議院議員河瀨監督先ほど作品を観ていただきました。開口一番「好きに作られましたね」と言われました(笑)。それがどういう意味なのか、自分としては褒め言葉だと受け止めております。菅議員オリンピック開催をするか、しないかでいろいろなことがありました。そうしたことを思い出しながら拝見しました。MC現在、「SIDE:A」が公開中ですが、河瀨さんは「SIDE:B」で菅さんにインタビューをされていますよね。打ち合わせの時に、河瀨監督から伺ったのですが、「菅さんはとてもやわらかくて面白い方」とおっしゃっていました。 河瀨監督それは「令和おじさん」として、にこやかにされていた頃と比べると、正直オリンピックの開催の時は、いつもしかめっ面でいらっしゃるのをテレビなどを通じて見ておりました。オリンピック開催中、(菅総理に)取材を申し込んでいたんですが、なかなかお時間をいただけなくて、開催後にお会いしました。その時は、(菅総理が)部屋に入ってきた時からニコニコされていて......。 菅議員そうでしたか? 河瀨監督はい! そこに飾られているお花のような感じでした。 菅議員はあ......。 河瀨監督すごくニコニコされていて、その笑顔に心をつかまれました。 菅議員オリンピックの時は悩みましたし、苦労しましたからね。終わった後の取材だと......(笑)。 河瀨監督その笑顔を見て、「あの時は本当に大変だったのだな」と感じました。 菅議員世論が分かれていましたから、開催に反対の声が上がる中でもありました。オリンピックの開催について、総理大臣としての判断もありました。元々は東京都が(開催地に)立候補をして、国としても招致活動を全面的に応援しました。ですので、水際対策をしっかりとして開催しようと考えていました。 河瀨監督(当時は)ちょっと魂を持っていかれてしまっているのかなというくらい。実は「SIDE:B」に描いておりますが、迎賓館でバッハさんたちをお迎えするところとか......。無表情というか...本当に寝ていらっしゃらないんじゃないかと......。もしかしたら心がここにはないんじゃないかというくらい無表情でしたから...。相当な決意で開催に向けて尽力され、最後まで走り抜いた時期だったんですよね。 菅議員(物事の)判断をする時は、国の責任があります。(オリンピックの開催地として)招致した責任を果たせるように、水際対策をしっかりすることで、国民の皆さんに一定の安心感をもっていただくようにしなくてはいけません。そういう意味で一番大変な時でした。 河瀨監督このオリンピック開催にあたっては次から次へと......。 菅議員(笑)。ありましたね。 河瀨監督世論が八割方、オリンピック開催に反対する中で、普通ならば、もうここで(オリンピック開催を)やめてしまおうとなるように思いますが......?その頃も「絶対に開催するんだ!」というお考えでしたか。菅議員世界に対して日本の責任を果たしたいという思いはありました。その中で、客観的にコロナ対策をたてました。当時のファイザーのCEOから「選手と関係者の皆さんにワクチンを提供したい」という話がありまして、そこをしっかりした上で、あとは国内の問題です。(オリンピックを)開催をすることは国としての責任だと捉えました。また、開催に近づくにつれて、さまざまな責任問題が出てきました。何か呪われている感じがあるぐらいにいろいろありました。 河瀨監督今、「呪い」という言葉が出ましたが、今回「SIDE:A」を観ていただいて、映画のエンディングの歌の歌詞に「呪い」という単語がありますが、いかがでしたか。 菅議員先の映画の感想を率直に言わせていただくと、オリンピックそのものというよりは、オリンピックを題材にしながら、人間の生き様と、選手の心の動きが描かれていたように感じました。 河瀨監督思っていたオリンピック公式映画とは違いましたか? 菅議員まったく最初に思っていたものとは違いましたね(笑)。ですが、おそらく次の「SIDE:B」には、そういったことが描かれているのでしょう。 河瀨監督その「思っていた」というのは、どういう感じですか? 菅議員「金メダルをとって喜ぶ姿」とかだと思っていました。または、客観的にオリンピックに出場するしないですとか、内面的なものと思っていました。 河瀨監督(オリンピック開催)反対派のデモなどもあって、私自身、2021年、あの夏何を見ていたんだろうと考えました。でも、答えがないというか......。コロナ禍があって、自分の身を守ることができないかたちの中で、どうしてオリンピックだけやるんだという不平不満があふれていたと思います。 菅議員そういった問いかけを先ほどの映画は描いていたと思います。オリンピックに出場して金メダルを獲ることが目標だというものとはまったく違っていました。 河瀨監督市川崑さんの公式記録映画と同じように、この映画は、五十年、百年先まで、日本で何が起きたかという意味で、オリンピックの財団に残り続けます。今日観ていただいて、日本がやったこと、そしてそこで選手たちの勝ち負けだけではないほとばしる汗は、どういうかたちで残ると思いますか。菅議員日本で前回開催されたオリンピックは、(高度成長期で)新幹線開通とか華々しかったですよね。今回は、成熟した日本の底力が(記録として)残ると思います。 河瀨監督残っていましたか? 菅議員残っていたと思います。 河瀨監督当時は、たくさんの批判が出て、国会の答弁でも菅さんが総理として矢面に立っておられました。さまざまな言葉を受けながら「返す言葉が明確ではない」と言われたりして、そういう場にずっと就いていた方が、「SIDE:A」をご覧になって涙ぐんでいらして......。本当によく耐えていらっしゃいましたね。 菅議員まぁ、私も相当(忍耐力が)強い方ですからね。ただ、国の責任者として(オリンピック開催を)やめることを選択肢にするべきではないという思いはありました。ですから、(東京オリンピックが)終わってホッとしました。大会が終わってからは、「日本だからオリンピックが開催できた」と選手と関係者の皆さんから言ってもらいました。ですから「オリンピックを開催して良かった」と思っています。そういうことも含めての作品だと思います。 河瀨監督(菅総理は)「SIDE:B」に登場されます。 菅議員あぁ、そうですか。 河瀨監督「SIDE:B」ではオリンピック開催を支えた関係者の方々の姿を撮りました。とはいっても人生には思い通りにならないことだとか、一丸となって取り組んでいるように見えて実は分断してしまうことなど、あったかと思います。 菅議員日本でのオリンピック開催というのは、確か五十八年ぶりです。それぐらいの間隔でしかできないものですよね。私は二度体験することができました。そういうものに対して、ましてや日本が招致に手を挙げた。そこをやり抜けることは、この国の世界に対する責任ですよね。 河瀨監督かっこいい大人たちは作品に出ていましたか? 菅議員(即答で)いや、出ていなかったと思いますよ。 河瀨監督(苦笑い)。 菅議員やはりオリンピック自体がだんだんそういうものになってきているのかもしれません。大会を開催しては、盛り上がって終わるという。もう一度「オリンピックをなぜ開催するのか」と自問する。そういうものが求められる。そういう時期になってきているのでしょう。 MCかっこいい選手はたくさん出ていましたよね? 菅議員活躍した選手、その陰でも頑張っている人がいましたよね。河瀨さんにも言いましたが、「誰が勝ったのか。勝った人、負けた人が分からない作品を作ろうとしたんじゃないですか」と......。 河瀨監督そうですね。あの、菅さんは空手の黒帯を持っていらっしゃる? 菅議員空手をやっていました。黒帯でした。 河瀨監督今回の大会で喜友名(諒)選手が金メダルを獲りました。 菅議員快挙だと思います。素晴らしかったです。 河瀨監督(沖縄の)本土復帰五十年の節目となる今年、沖縄にとっては悲願といいますか、初めての金メダル獲得となりました。 菅議員彼は人格も素晴らしいですね。 河瀨監督気迫がすごかったです。 菅議員まぁ、大変だったと思います。 河瀨監督彼はお母様を亡くされていて、遺影を持って表彰台に立ちました。 菅議員当時の様子を見て、思い出して涙が出てきましたね。 河瀨監督そうですよね。それと女性のアスリートがすごく多かったと思います。ご覧になってどう思われましたか? 菅議員お子さんを日本に連れてくるか、お子さんを産むか産まないかなどの苦悩がありましたね。産むことは、オリンピック出場をあきらめることになるといったことが描かれていました。それはオリンピックのもう一つのドラマですね。ただ、そういうことはオリンピックだけではなく、日常にもあると思います。政治としては、そういったことに対応できる環境を作っていくことが、求められていると指摘している作品だと受け止めました。河瀨監督そうなんです。この映画の業界にもたくさんの監督がいますが、女性の監督が多くはなくて、やはり(女性が)監督として続けていくためには、家庭と仕事の両立をはじめとして、乗り越えないといけない壁が日本にはたくさんあります。それは、アスリートも同じです。カナダの選手は勇気を持って、赤ちゃんとパートナーを連れて日本に来て、オリンピックに出場する選択をしました。ですが、日本の選手の場合は引退をすることになりました。どうしてもそれしか選択ができなかった。日本の社会の中では、そういったことが世界のレベルと比べても低いです。 菅議員あのシーンからは、それをものすごく感じました。ただ、今回のオリンピックでは、女性のほうが男性よりも多く金メダルを獲っています。 河瀨監督強い(笑)! MCこの後、マスコミの方々の質問をお受けしたいのですが、その前に河瀨監督、何か聞き残したことはありますか? 河瀨監督「話がうまくない」と言われてきたと思いますが......。 MCなんてことを急に! 菅議員うまくないと言いますか、無駄なことは話さない。私は秋田で生まれ育って、東北人の気質といいますか、もともとそういう面で必要なこと以外はあまり言わない性格なんです。 河瀨監督それは有言実行ということですか? 菅議員政治家としてはかたちを残すことが大事です。 河瀨監督「(開催)できた!」ということがすべてである! という感じでしょうか。 菅議員まず結果を出して、それを審判してもらう。そういう政治家になりたいと思っています。ずっと、そういうやりかたでやってきています。 河瀨監督なんか、「もっと人気者になりたい!」とか思ったりしませんか? 菅議員あまりないですね。 河瀨監督ありがとうございます。 ■質疑応答 Q菅元総理に質問です。先ほど「悩みながら、いろいろな思いを抱えながら」とおっしゃいました。大会前にも、オリンピックの開催意義について「人類がコロナに打ち勝った証」ということや「子供に希望や夢を与えたい」とおっしゃっていました。作品を観て、改めてその意義が果たせたと思いましたか。この作品は、打ち勝った証の一つになるのでしょうか。 菅議員作品を観る前から、連日報道を受けていまして、その中で本当に開催して良かったと今思っています。また、関係者の方々から「やって良かった」「ありがとう」というメッセージを数多くいただきました。世論調査でもひどい時は七割が開催に反対していました。開催後はガラリと変わったのではないでしょうか。(東京オリンピックを)やって良かったと思います。 河瀨監督横から失礼します。「SIDE:B」では、人類はコロナに負け続けているということを描いています。それは言い方の違いで、双方をそれぞれ描いているので注視してもらいたいです。(菅議員に対して)勝手にすみません。 菅議員いえいえ、どうぞ。私は私の感想ですので全然大丈夫ですよ。 河瀨監督ありがとうございます。 Qこの作品をどういう方に観てもらいたいですか? 菅議員できるだけ多くの国民に観てもらいたいです。「誰が金メダルを獲ったのか分からないように、監督はあえて作られたのでは?」という内容でしたね。 MC「SIDE:B」は24日公開です。ドキドキされていますか? 菅議員自分が想像したように、活躍した選手が中心の映画になっているのではないでしょうか。もしくは定番の地元が喜ぶ様子ですとか......(河瀨監督に)そうでしょう? 河瀨監督(笑顔で)違います(笑)! Q映画の資料の中にも「オリンピックの進むべき道とは」とか「本当のニューノーマルとは」といったことが記されています。オリンピック当初から国民の多くは元の生活に戻りたいと思っていると思います。それについて、今はどのようにお考えでしょうか。 菅議員新型コロナが蔓延して、コロナ禍でのオリンピック開催となりました。一つが良くて、一つがダメということはないと思います。先ほども申し上げましたが、国内のワクチン接種は進んでいました。それに参加国へもファイザー社が提供し、IOCが対応をしてくれました。そちらの心配はないと判断しました。やはり日本がオリンピックというものの意味を分かった上で、手をあげて招致したわけですから、世界に対しての責任は当然あると私は考えました。コロナ禍でオリンピックを開催したことで、日本の底力を世界に示すことができたと思っています。
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「キングダム2 遥かなる大地へ」完成報告会「キングダム2 遥かなる大地へ」完成報告会「キングダム2 遥かなる大地へ」公式サイト累計発行部数8700万部を超える大ヒット漫画を佐藤信介監督が実写映画化した「キングダム」(2019年公開)の続編「キングダム2 遥かなる大地へ」が、いよいよ7月15日より公開となります。6月14日に本作の完成報告会が都内で開催され、山﨑賢人さん、橋本環奈さん、清野菜名さん、岡山天音さん、三浦貴大さん、濱津隆之さん、豊川悦司さん、大沢たかおさん、佐藤信介監督が出席しました。主人公の信を演じる山﨑さんをはじめ、それぞれが一層パワーアップした完成作への手応えを熱く語りました! この日の模様を詳しくレポートします。完成報告会信役山﨑賢人さん河了貂役橋本環奈さん羌瘣役清野菜名さん尾平役岡山天音さん尾到役三浦貴大さん澤圭役濱津隆之さん麃公役豊川悦司さん王騎役大沢たかおさん佐藤信介監督山﨑さん続編が完成したことを報告できて、本当に幸せに思っています。前作には、気合を入れて全身全霊で挑みました。僕も本当に大好きで、愛している「キングダム」という作品をたくさんの人に愛していただけました。だからこそ、続編を作ることができたと思っています。本当に感謝しています。新たなキャストの方々も加わり、前作を超えて今回はさらにパワーアップしました。決して簡単な撮影ではなかったですが、楽しみながらみんなで撮影をしました。その中で成長した"信"を見せるために、「みんなを引っ張っていく」気持ちでやりました。すごい続編ができたので、皆さんに早く観ていただきたいです。橋本さん前作に引き続き、河了貂を演じることができて、すごくうれしいです。賢人くんが言ったように、前作をたくさんの方に観ていただいて、「面白い」と言っていただけました。そして、続編を作ることができ、こうして完成してお届けできることがとてもうれしいです。大変な時期の撮影だったので、撮影がストップしたり、皆さんも長い期間撮影をされていました。河了貂の撮影はすぐ終わってしまったので、身体作りとかもなかったですし、皆さんがアクションで頑張られている中、私はちょっとマスコットキャラクター的な立ち位置でした(笑)。実写化が不可能と言われたこの作品は、すごいキャラクターが続々と出てくるので、「誰が演じるんだろう」と楽しみしかなかったです。純粋に楽しみながら、撮影現場にいました。前作からさらにスケールアップした、すごくカッコ良い作品になっています。清野さん私は「キングダム2 遥かなる大地へ」から参加しました。羌瘣という役は、原作でもとても人気があるので、役をいただいた時は、驚きと「原作ファンの方たちが思っている羌瘣を超えることができるのか」というプレッシャーがありました。撮影に入る前はかなり緊張して不安だったんですが、現場に入ってみると、皆さんが前作から培われたチームワークがすごかったです。その仲間に入れたという感覚もあったので、私も思い切って羌瘣を演じることができました。新しい風を「キングダム2」に吹かせられるよう、撮影も頑張りました。熱い映画ができたと思いますので、たくさんの方々に本作の良さを伝えていけたらと思っています。岡山さん僕も「キングダム2」からの参加になります。前作の公開時には自分の近しい人みんなが口を揃えて「「キングダム」がとても面白くて、ものすごく熱い作品だ」と、すごい熱量で語っていました。僕も一観客として楽しませてもらいました。個人的に座長の山﨑賢人とは、この仕事を始めたころから親交があったので、本人がどういった気持ちでこの作品と向き合っているのかも、間近で見ていました。今回、尾平という役で参加できると聞いて光栄に思いました。それと同時に、賢人が前作のキャストの皆さん、スタッフの皆さんと築き上げた船に、仲間として認めてもらえるように、気合を入れて参加しなければいけないという思いで撮影の日々を過ごしました。長い期間、撮影に携わったんですが、これからいよいよ皆さんのもとに届くということで、非常に楽しみにしております。三浦さん僕は漫画が好きで、「キングダム」の原作もとても好きです。前作が公開された時には、劇場で観て「実写としてこんなに面白くなるのか」と感動したのを覚えています。今回のオファーをいただいた時には、僕もまさか「キングダム」の世界を生きられるとは思っていなかったので、非常にうれしかったです。また、完成作を観て、自分が出演しているにもかかわらず、観客として楽しめる映画ってなかなかないと思いました。観ていただいた方には、必ず楽しんでいただけると思います。ぜひ観ていただきたいです。濱津さん今回から参加しました。原作をまったく読んでいなかったんですが、ただすごい漫画があって、人気があって、映画もすごいという、とにかくすごい作品であるということだけは知っていました。だからこそ、出演が決まったというお知らせをもらった時には、うれしさというよりは、驚きというか、あまりにも想定外すぎて、実感として体に馴染ませるまでにすごく時間がかかりました。マネージャーからもらったメールを何回も見直して「本当だよな、嘘じゃないよな」と確認した記憶があります。それくらい大きな作品に、新しいメンバーとして参加できて、本当に幸せでした。すごく壮大な作品になっていて、観たら絶対に熱いパワーやエネルギーを持って帰れる作品になっていると思っています。豊川さん僕も「キングダム」が大好きです。前作の映画もとてもすばらしい作品で、大ヒットしていましたし、「絶対に続編を作るんだろう」と思っていました。でも、その続編にまさか自分が呼ばれるとは思ってもみませんでした。しかも麃公将軍という、とても大切な大きな役をいただいて、「ちょっと僕全然、麃公じゃないんだけど」と思いながら(苦笑)、この船に乗っかってついていくしかないと思いました。前作を観て、大沢さんが完璧に王騎というキャラクターを作られていたので、それにどれだけ迫ることができるかをテーマに演じました。あと「キングダム」とは関係ないんですが、先日「千と千尋の神隠し」の舞台を観たので、隣に(舞台「千と千尋の神隠し」で千尋を演じた橋本さんを見ながら)ヒロインがいるので、ちょっとドキドキしております(笑)。(橋本さんも大笑い)大沢さん3年前に前作が公開になりまして、改めてたくさんの方に観ていただいて感謝申し上げます。その時にはまだ続編をやるということは決まっておらず、「1」が成功して、大ヒットして、お客さんに求められるなら「2」の製作を考えるというスタンスでした。だから、自分としては20キロ近く(役作りで)増量していたものを一度休憩して戻してしまったんですが、「続編をやる」と聞いて、また戻さないといけないと思いました。「どうせ戻すなら前回以上にパワーアップしよう」と、前回よりも増量して臨みました。不安もありつつ現場に行ってみると、「1」をはるかに超える気合とパワーとスケール感みたいなものが、スタッフ、キャストのみんなに行き渡っていました。自分としては、「1」の時よりも緊張し続けた現場でした。きっと「1」を超えるすばらしい作品にいなっていると思いますので、一人でも多くの皆さんにその迫力、サウンド、映像を生で体感していただけたらうれしいです。佐藤監督ようやく「2」が完成し、感無量です。観客の皆さんにこの作品をお届けして、少しでも勇気と元気を与えられたらと思っています。大沢さんがおっしゃったように、まだ「1」の時には私たちも続編を作るとは決めておりませんでした。どちらかというと撮影中の冗談というか、「できたら良いね」と夢を語っていたんです。だから、続編はただの夢という状態でした。でも、「1」を作った時に、自分なりにいろいろな課題を乗り越えられたという思いもありました。公開時の舞台挨拶で「自分の夢を書いてください」という企画があった時に、素直な気持ちで「(信の初陣となる)蛇甘平原(だかんへいげんの)戦いを作りたい」という夢を書きました。「キングダム」は映像化ができない、難しいとよく言われるんですが、特に蛇甘平原の戦いはどこからどう映像化したら良いのか分からないくらいのスケール感で、漫画に描かれています。当時「映像化できるんじゃないか、今だったらできる」と強く思いました。それが「1」がヒットすることによってできました。まさに夢が叶ったと思っています。その夢を叶える時には予想以上の苦労がありましたが、作品が出来上がった今、このキャストの皆さん、スタッフの皆さんで、遠い、遠い夢を実際に叶えることができました。本当に感無量です。お客さんに作品を観ていただけることを、楽しみにしております。MC原作者の原泰久先生からコメントをいただいております。 【原先生からのコメント】映画「キングダム2 遥かなる大地へ」を観させてもらいました。まずは何より、蛇甘平原のスケール感に圧倒されました。信が経験する初めての戦場の迫力、臨場感をそのまま味わえます。その中で、躍動感に磨きのかかった信のアクション、新しく登場する麃公将軍や(歩兵隊の)"伍"のメンバー、実写で再現された魏軍の装甲戦車との戦いなど、本当に見どころ満載です。そして今回は、前作以上にオリジナルのシーンも。信と羌瘣の関係がより綿密に描かれ、羌瘣のドラマが進むにつれて、涙なしには観られませんでした。前作にも増して映画館で観ていただきたい映画になりました。本当に早くお届けしたい。原作のファンの方はもちろん、そうでない方も、ぜひ映画館でこの興奮と感動を味わってみてください。 MCまた今日は残念ながら欠席となった嬴政役の吉沢亮さんからも、コメントが届いています。 【吉沢さんからのコメント】「キングダム2 遥かなる大地へ」の公開が着々と近づいてまいりました。前作にも増して、とてつもないスケール感で終始圧倒されましたが、今作は特にアクションがすごかったです。信の1ミリも妥協のない、細胞の一つ一つにまでパワーが宿ったような動きが、この物語、世界観により強い説得力を与えていたように思います。やっぱり山﨑賢人、すげえ。そして本作から登場する新キャストの皆さんも本当に素敵で、どのシーンを切り取っても画力が半端なかった。とても贅沢な2時間14分でした。ぜひ公開をお楽しみに。 MC山﨑さん、いかがでしょうか。 山﨑さんうれしいですね。生みの親である原先生にこういった言葉をいただけて、本当にうれしいです。前作に引き続き、今回も原先生が映画のオリジナルシーンを考えてくださいました。撮影するにあたって、原先生が手描きで、羌瘣と二人のシーンの絵コンテを描いてくださったんです。その絵コンテを見て、先生の熱量を感じて、かなり気合が入りました。めちゃめちゃ良いシーンです。信と同じような境遇にある羌瘣に対して、信の優しさが見えるシーンです。自分だったらこんなに真っ直ぐ、ストレートに言えないような言葉を、信はストレートに言うんです。そういう言葉って、誰もが言ってほしい言葉だと思います。信を通して、自分もそういうことを伝えられたことが本当にうれしいです。ものすごく好きな、感動するシーンになっています。MC吉沢さんからは「すげえ!」という言葉をいただきました。 山﨑さんうれしいですね。「1」の時に一緒に頑張って、今回の撮影では一緒になった場面はあまり多くは無かったですが、最初の撮影をお亮と環奈ちゃんとのシーンから始められたので、「「キングダム」が始まったな」という気持ちになることができました。 MC原先生からは、「羌瘣のドラマは涙なしには見られない」というコメントがありました。 清野さん羌瘣は過去にいろいろとあって、背負っているものがすごく大きくて...。とにかく私は、その背景を大事にして撮影に挑もうと思いました。原作の原先生がそのシーンを見て喜んでくださったということで、私も一生懸命羌瘣を演じられて良かったと思います。うれしいです。 MC続いて、皆さんに完成した作品の感想を伺っていきましょう。 山﨑さん素直に2時間14分ずっと面白くて、何度も泣きそうになって、心が動くシーンがたくさんありました。映像も「1」と比べてもかなりスケールアップしていて、みんなでガムシャラに突き進んでいく感じだったり、視覚的にも面白いし、音もすごいです。とにかく熱くて、あっという間に終わったなという印象です。自分が出演しているのを忘れてしまうくらい、没頭して観ていました。 橋本さん台本は読んでいたんですが、戦場のシーンに私はいなかったので、実際に作品を観て、こんなにスケールアップしたんだということを実感しました。「1」の時もすごかったんです! 戦っているシーンも、作品としてすごいなと思っていたのに、「2」でまたこんなにすごくなるんだと驚きました。前作を楽しんでくださった方も、「2」に期待してほしいです。どれだけ期待しても、その期待値を超えてくるものになっていると思います。清野さん完成した作品を観た時は、カッコ良さでこんなに震えるものなんだと思いました。カッコ良すぎて最初の方から泣いてしまって、私はこんな作品に出られたんだという驚きと、まだ自分でも信じられないという興奮が止まらなかったです。とにかく熱い物語で、この作品に出られて良かったなという思いでした。岡山さん僕は「1」の時はお客さんとして観ていまして、「1」を初めて観た時と同じような感覚で「2」を観ました。それくらい引き込まれる迫力がありました。戦いのシーンが多く、壮大すぎて撮影をしている時には「どういう状況で、どういう画になっているんだろう」となかなか予想がつかずにやっていたところもありました。なので、完成した作品を観た時に、壮大な世界が見事に出来上がっていて、お金を払って映画館で観ている錯覚を覚えました。信は「1」以上にパワーアップして登場するので、(アクションシーンを見て)「人間ってこんなふうに動けるんだな」という驚きがありました。アクションも見たことのないアクションで、どうやって考えているのかなと(笑)。少年心を掻き立てられる、ワクワクするような映画でした。三浦さん僕も、お客さんのような目線で楽しめました。撮影中は自分の主観でしか見られないので、引きの映像を観たりすると、合戦のシーンは特にものすごい人数がいたりもしますし、「こんな風になるんだ」と素直な驚きがありました。天音くんも言っていましたが、お二人(山﨑さんと清野さん)のアクションがすごかったです。「人ってこんなふうに動けるんだっけ」って(笑)。初めて見るアクションだなと思いました。何回観ても不思議で、ちょっとよく分からないですね(笑)。(山﨑さんと清野さんも大笑い)濱津さん戦いの迫力やスケール感ももちろんすごいんですが、僕は、ああいった時代に自国のために戦場で命を張って戦い抜いていくという、人間の生き様に心を揺さぶられました。皆さんもそういったところに思いを馳せながら作品を観ていただけると、また一層楽しんでいただけるのかなと思います。豊川さんシナリオがとにかくすばらしかったのと、現場での熱量がすごかったので、ものすごい作品になっていると確信しています。大沢さんみんなが言うように、スケールから何から前作よりもパワーアップしていて、作品を観た瞬間、僕もびっくりしました。現場で自分が体感した以上のすごい作品になっていました。これは劇場の大きなスクリーン、大きな音で思い切り体験してほしいなと、心から思える作品になっていました。そしてスケールや迫力の一番大事な要素として、山﨑くん演じる主人公の信が、「1」よりもさらに信になっています。馬の技術も自分で会得して、馬のアクションも全部自分でやっていました。羌瘣の清野菜名ちゃんは、クランクインの半年前からそのためだけのトレーニングをやって、家でもずっと剣を振っていたと聞きました。映像を観た時には、あまりにすごすぎたので、僕は吹き替えだと思ったんです。プロデューサーに「これは実は吹き替えでしょ?」と聞いたら、「本当に本人がやっている」と言われました。ちょうど本人も一緒に観ていたので、本人に聞いたら「あれ、私です」と(笑)。人間技ではない動きを、体がボロボロになりながらやっていました。そういったみんなの熱量がプラスされたことで、ものすごい迫力の映画になったなと思っています。MC佐藤監督にお伺いします。「2」を作るにあたって、意識されたのはどのようなことでしょうか? 佐藤監督「1」を観ていただいて「続編があるぞ」という時に、「だいたいこのくらいの作品になっているんじゃないかな」と皆さんが予想されると思うんです。でも、それをどれだけ上回ることができるのかが、我々の仕事かなと思っています。今回は「1」からどのようにジャンプするかではなくて、「この夢を叶えるぞ」という気持ちを重視していました。だから、いろいろな困難があったんですが、信たちがどのように頑張って困難を克服したのかという話を語っているのに、ここで我々がくじけている場合じゃないだろうという思いもありました。そう思うと、どんな困難も飲み込めました。それをさらにパワーに変えていったので、心掛けたというより、自然とそうなったという感じです。今は映像社会で、モニターやスマホなどいろいろな映像を日々ご覧になっていると思いますが、やっぱり映画館のスクリーンは圧倒的です。そこで、どのようにこの映画を届けられるかだけを考えていました。音響に関しても、最初から「映画館でもっとも映える音響とは何だろうと」と考えながら、それ用(映画館用)に作っています。ぜひ劇場公開中に観ていただきたいです。 ■マスコミからの質問。 Q原作ファンに観てほしい部分と、原作に触れたことがない人に向けての注目ポイントを教えてください。 山﨑さん「1」を経て、主な舞台が戦場になっていくので、大きな戦場、ものすごい人の数、馬の数など、大迫力の映像になっています。(今回映像化される場面は)僕自身も原作を読んでいた時から「どうやって戦っていくんだろう、羌瘣ってどんなキャラクターなんだろう、装甲戦車って何だ」とワクワクしていたものが、ものすごい映像となって描かれています。原作に触れたことがない人には、「キングダム」はすごく熱い作品なので、観た後には「頑張って生きよう」と思えるようなパワーがもらえるはずです。とにかく大迫力の映像なので、大きいスクリーンで観てほしいなと思っています。 清野さん撮影中はずっと戦場にいて、生きるためにずっと戦ってきたので、この熱い思いを皆さんに届けられたら良いなと思っています。「キングダム」の魅力は、人物の背景がしっかりと描かれていて、みんなに感情移入できるし、女の私でもカッコ良いなと思える作品だと感じています。ぜひ皆さんに、熱いものを受け取ってほしなと思います。大沢さん前作を観た方には、前作と比較するのが難しいくらいすごい作品になっています。ぜひ期待していただいて、その期待を裏切るくらいすごいものになっていると思うので、ぜひ劇場で観ていただきたいと思います。原作漫画に触れていない方もいらっしゃると思いますので、なるべく原作を読んでほしいんですが、もう公開まであまり期間がないので...(苦笑)。「1」を観てから劇場に来ていただけると、より楽しめる作品になっているんじゃないかと思います。 Q共に助け合う"伍"の仲間たちの姿が、魅力的に描かれています。現場でチームワークを感じた瞬間があれば教えてください。 山﨑さんチームワークは抜群に良かったと思います。「1」では一対一の戦いが多かったんですが、今回は大きな戦場の中で、"伍"のメンバーやみんなで力を合わせて、多数対多数のアクションに挑むシーンも多くありました。みんなでタイミングを合わせて演じるシーンなどでは、チームワークによって良いカットがいくつも生まれました。"みんなと一度別れる"シーンがあるんですが、その時のみんなの顔が優しくて、すごく心に残っています。 岡山さん撮影期間中、僕らはずっと行動を共にしていたので、一年近く一緒にいたんですが、その間もずっと和やかな雰囲気でした。それは座長としていてくれる、賢人の人柄が作っているものでもあると思います。思いやりのある、優しい人たちが集まっていたので、日々チームワークを感じていました。 三浦さん山﨑賢人の信が、"信すぎる"というか。原作の信のままみたいな感じなんです。いるだけで場が和みますし、現場ではみんな頑張っているけれど、やっぱり信がすごく頑張っているので、それを見て僕らもさらに頑張ろうと思えたし、すごく引っ張ってもらいました。山﨑賢人がこのチームワークを生み出していたんじゃないかなと、僕は思います。濱津さん撮影中はずっと一緒にいたので、あの時の空気感を思い出すと安心するようなところもあります。そういうところは、気づかないうちに体に染み込んだ距離感だったなと、今日皆さんにお会いして実感しました。 清野さん三浦さんがおっしゃったように、山﨑さんは信そのものでした。みんなで支え合って、信を前に送り出したいと思わせてくれるような、信らしさがありました。過酷な現場でもあり、山﨑さんは一番アクションシーンも多くて、叫ぶシーンも多くて、体力的に大変なところもたくさんあったと思うんですが、山﨑さんは毎日笑顔でした。その笑顔で、羌瘣としても、"伍"のみんなも救われて、自分の持っている力以上のものが出せたと思います。 MCでは、山﨑さんから最後の挨拶をお願いいたします。 山﨑さん信を演じている時は、無限にパワーがあふれてくるような感覚でいられました。「キングダム」は本当にものすごいパワーにあふれた作品だと思っています。この夏、日本中を巻き込んで一緒に熱くなっていける作品だと思いますので、ぜひ大スクリーンで観てほしいと思っています。
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「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」初日舞台挨拶「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」初日舞台挨拶世界的探偵小説「シャーロック・ホームズ」シリーズを原案とし、ディーン・フジオカさん演じる誉獅子雄(ほまれ・ ししお)と、岩田剛典さん演じる若宮潤一(わかみや・じゅんいち)が、唯一無二の名探偵バディとして数々の難事件を解決する、フジテレビ系月9ドラマ「シャーロック」を映画化した「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」がいよいよ公開! 6月17日にTOHOシネマズ 日比谷で初日舞台挨拶が開催され、ディーンさんと岩田さんをはじめ、広末涼子さん、小泉孝太郎さん、椎名桔平さん、西谷弘監督が登壇しました。出会いから約三年の道のりを振り返ったディーンさんと岩田さんがお互いへのリスペクトを告白した、こちらのイベントの模様をレポートします!初日舞台挨拶誉獅子雄役ディーン・フジオカさん若宮潤一役岩田剛典さん冨楽朗子役広末涼子さん捨井遥人役小泉孝太郎さん馬場杜夫役椎名桔平さん西谷弘監督ディーンさん今日はお忙しい中、足をお運びいただき、本当に感謝しております。 今日という日を迎えられたこと、皆さんにこの作品をお届けできたことを心からうれしく思います。今日は短い時間にはなりますが、作品を観た後ということで、本作の世界観に浸りながら、いろいろと作品の魅力を深掘りして、楽しい時間を過ごしていただければと思っております。岩田さん本当にこの日を待ちわびていました。初日からこれだけ多くの方々に足を運んでいただいて、とても感激しております。上映後の舞台挨拶なので、ネタバレOKということで、何でも話して良いそうなので、皆さんと映画についていろいろとお話をできればと思っております。広末さん今日はわざわざ足をお運びいただきまして、本当にありがとうございます。作品はいかがでしたでしょうか? (会場:拍手) 私は完成した作品を観て、泣きました。皆さんは泣きましたか?(その言葉に応えるように会場から拍手) サスペンス、ミステリーと聞いていたのにこんなに泣かされるとは...と思うような人間ドラマがありました。そんな、愛の深さを感じられる作品に関われて、しかも会場をこうやって拝見すると、ほとんどが女性ですね。こんなにたくさんの女性の方に観ていただける映画に参加できて、本当にうれしく思っています。今日は最後まで楽しんください。小泉さんディーンさんもおっしゃっていましたが、今日この日を迎えられたことを本当にうれしく思います。まだコロナの世の中は終わっていませんが、この映画がクランクインする時には、「本当に皆さんの前で舞台挨拶ができるのだろうか」「この作品は完成するのだろうか」と、ゴールまでがとても長く感じられました。こんなにたくさんの皆さんが笑顔で僕たちを迎えてくださって、本当に感慨深い一日です。楽しかったなど、良い感想をたくさん宣伝していただければうれしいです。椎名さん使用人の役を演じました。あ、(作品を観た後なので)もうご存じですね。今回の撮影は非常にハードで、みんながフェイスシールドというお面のようなものをずっとつけていました。長い間つけているとなかなかわずらわしい部分もあるんですが、そういった環境の中、西谷監督をはじめ、キャスト、スタッフが一丸となって頑張って作りました。 できれば、宣伝のほうもよろしくお願いします。西谷監督本日はご覧いただきありがとうございます。皆さんの表情がよく見えて、上映前の舞台挨拶とはまた違うなという喜びでいっぱいです。"獅子雄風"に言えば、束の間、盛り上がっていければと思っていますので、よろしくお願いいたします。MCいよいよ公開初日を迎えた、今の率直なお気持ちはいかがでしょうか。 ディーンさんこの特別な日を迎えられたことを、本当に心からうれしく思います。ミステリーということで、なかなかこの作品の魅力を番宣やプロモーションで伝えることが難しくもありました。今日は朝4時台からプロモーションをして、一つ気づいたことがありました。皆さんはすでに作品をご覧になっているので、ネタバレを気にしなくて良いかなとは思うんですが、この作品をまだ観ていない方に、一言でこの作品を説明するとしたら、"あやとり"のような作品だなと思いました。 今までは、この作品の魅力をネタバレせずに伝えようとすると「ワンちゃんが出ています」「 犬が大好きな方が楽しめる映画です」「もちろん豪華キャストも出演していますので、人間が好きな方も楽しめるようになっています」などと、いろいろとわけの分からないことを言っていました(笑)。普通、謎解きというのは、迷路のように道筋を辿っていくものですよね。「こちらは行き止まりだから、戻ってこっちに行くのかな?」という感じでゴールに辿り着く、そんな構造だと思うんです。でも、本作はまるで"あやとり"のようなんです。あやとりって、一本の輪になった糸に指を通して、指を挿したり抜いたりしながら、いろいろな形を作るわけです。本作はそういう作品なんじゃないかと、自分の中で腑に落ちたところがあります。皆さん、この説明をどう思いますか? (会場:拍手) 西谷監督、どうですか?西谷監督良いんじゃないでしょうか。 ディーンさんでは今後は、ネタバレがダメな時は「あやとりです」と伝えたいと思います。 MC劇場版ではドラマとはまた違った獅子雄の姿を見ることができました。 ディーンさんそうですね。見た目から全然違いますからね。 MC獅子雄が叫ぶシーンもありました。 ディーンさんドラマでは、(獅子雄は)なかなか感情を顕にすることがないキャラクターだったんですが、劇場版においては、獅子雄がたかぶる気持ちを爆発させます。演じていてもすごく新鮮でしたし、誉獅子雄というキャラクターの新たな一面を垣間見た思いがしました。こういう形で皆さんにお届けできて、ちょっと恥ずかしい気持ちもあります(笑)。いろいろなキャラクターの人生が絡み合っている、あやとりのような重層的な物語の中で、獅子雄のようなキャラクターでさえも崩れ落ち、揺さぶられる瞬間があるということが、この映画の魅力の一つなのかなと思います。皆さんにその思いが伝わっていると良いな思っています。 MC愛ゆえに、罪の連鎖が起きてしまう物語です。岩田さんは登場人物それぞれの愛の形について、どのように思われましたか? 岩田さん難しい質問が来ましたね。自分が演じた役柄は、ある意味お客さんと作品の架け橋というか、すごく普通で、身近にいそうなキャラクターだと思うんです。ファンタジー性のあるストーリー展開に、より一層、感情移入していただくために、数々の熱湯芸を披露してきたようなポジションだったと思います(笑)。こうして上映後の会場で皆さんの顔を見ていると、僕も同じ顔になったなと感じています。初号(試写)を観終わった時に、なかなか椅子から立てないような映画でした。だからこそ、今日の舞台挨拶もしっかりとお話を聞いていただけるような雰囲気があるのかなと思います。愛という大きなテーマがあり、家族愛や師弟愛、兄弟愛など(劇中には)いろいろな愛があって、ちょっとしたボタンの掛け違いで、すべてが真っ逆さまの世界に変わってしまったという、悲しい物語だと思います。きっと登場人物の誰かしらに感情移入しながらご覧になっていただけたからこそ、会場がこういった雰囲気になっているのかなと感じています。MC西谷監督は、ディーンさんとはドラマ「モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―」(2018年フジテレビ系列にて放送/主演:ディーン・フジオカさん)でもタッグを組み、岩田さんとは「シャーロック」で初めてご一緒されました。お二人の俳優としての魅力をどのように感じていますか? 西谷監督お二人の俳優としての魅力は観客の皆さんが一番感じていらっしゃると思います。それぞれ個性も違うし、語り始めたら時間内に収まらないと思うんですが、僕から見るとお二人の共通項は二つあるんです。撮影現場で、カメラが回ってないところで見ていても、ディーンさんも岩田さんもすごく気さくだし、みんなを盛り上げようとするんですが、それでいて普段の佇まいがそれぞれ孤高なんです。そういったところがすごく似ているなあと思うのと、もう一つは、アクションもシリアスなシーンも真摯に100パーセント集中してやられるんですが、お二人ともちょっとした笑いを誘うようなところに異様に情熱をかけているようなところがあります。孤高な部分、そして人を喜ばせたいという部分。そのギャップが、お二人に共通した魅力だと思います。 ディーンさん思い当たらなくもないけれど(笑)、やはりエンタテインメントの仕事をやらせてもらっているので、どこかで喜んでもらえたら良いなという思いで、一つ一つの仕事をやっています。 MC本日欠席となりました新木優子さんは、運命に翻弄される、悲劇的な女性・蓮壁紅を演じていました。新木さんの演技もすばらしかったですね。 西谷監督原作者のアーサー・コナンドイルが、なぜ「バスカヴィル家の犬」を書こうと思ったかということを話すと長いので、これはパンフレットとかに載っていると思います。そんな中で誰をヒロインにキャスティングしようかという時に、紅という女性は庶民的な家庭で生まれて、上流階級で育っていくというところで「品格のようなものと庶民的な親近感、その二つの顔を持つことができる女性は誰かな」と考えて、新木さんをキャスティングしました。紅は"人の心"と"悪魔の心"を持っているので、人間と悪魔の間を行き来するお芝居がどこまでできるか...ということが、勝負となる役柄。新木さんは体当たりで、見事に演じきってくれました。自分の想定以上の紅を演じてくれましたし、体育会的な佇まいもある方だなと思いました。 MC広末さんの役どころは、母親としての愛や執念を体現するキャラクターでした。演じてみていかがでしたか? 広末さんこの作品で舞台挨拶に何度か立ったんですが、上映後の皆様とお会いするのは今回が初めてです。先ほどディーンさんがおっしゃっていたように、ネタバレがダメなので、私はこれまでは何も話すことができなかったんです(苦笑)。私や椎名さん、小泉さんの役柄は、(何かを話すと)結末につながってしまうようなことばかりだったので、今日はそういった緊張感がなくお話できるのが、すごくうれしいです。私の演じた役は、あのような追い込まれた状況に身を置けば、女性であれば誰もが共感できて、(その状況を考えれば)そのまま演じられるのではないかというような、究極の状況にいる女性でした。役づくりをどうしたということはなく、そのまま、その場所にいたという感じです。だからそこまで役づくりに苦労はしなかったんですが、完成した作品を観ると、とにかくみんながカッコ良いすよね(笑)? (広末さんの問いかけに会場の皆さんがうなずく)お客様も深くうなずかれていますが、それぞれのカッコ良さを見ることができました。小泉さんの表現されたオタク気質な一途な愛もあれば、桔平さんの(役柄が書く)最後の手紙なんて「ズルイ!」と思うようなカッコ良さもありました。使用人の所作も美しかったです。岩ちゃんさん(岩田さん)のリアクション芸には、みんなが守りたくなっちゃうようなキュートさがあって、ディーンさんのセクシーな、よく分からない(笑)派手な部屋着やロングコートもステキでした。最後には叫び(のシーン)もあって、お腹いっぱいになって帰れますよね。女性にとっては、いろいろな男性の美しさを見せてくれるような作品ですね。美意識や映画の持つ重厚感など、いろいろな贅沢を味わせてくれる作品だったなと思います。 MC不器用な愛を抱えたキャラクターを演じたのが、小泉さんです。 小泉さん振り返ってみると、台本をいただいてから、捨井という役をどちらの方向性で役作りをすれば良いんだというのは、とても悩みましたね。監督とも役作りについて何パターンか話し合いました。ディーンさんとも「一度、その方向性でやってみよう」と立ち稽古から何度もやって、「次はちょっと違うパターンで」「次はもう少し子どもっぽい感じでいきましょう」「次はもうちょっとひどいヤツで行きましょう」 といった感じで何パターンもやりました。(監督とは)四国と東京で、役作りについて電話もしましたよね。僕の中でもとても思い入れのある役、作品になりました。 MC捨井教授の知的さも、怪しく見えてしまうようなところもありました。 小泉さんディーンさん演じる獅子雄と対峙しなければいけないので、(監督から)「獅子雄とはまた違った天才肌の人物でいてほしい」と言われました。いい意味で、プレッシャーをかけられました(笑)。ディーンさんと目を合わせるシーンは、特に印象に残っています。 MC椎名さんは、使用人の馬場を演じられました。 椎名さん使用人の馬場です(笑)。所作の先生についていただいて、学んだことやいろいろと発見もありました。僕の演じた役は、今日は言ってしまってもいいのかなと思うんですが、稲森いずみさんが演じる女性に仕えている身なんです。そして赤ちゃんを誘拐してね...。 広末さんひどい。返してほしかった(笑)。 椎名さんそうですよね(笑)。その赤ちゃんは、新木優子さん(演じた紅)なんだけれど、その子を僕も関わりながら育てていくんですが、稲森いずみさんの演じた母親役の苦悩、それを知ってしまった子どもの思いにも、非常に苦しいものがあるわけです。撮影中は、そういう風に監督が追い込むわけですからね(笑)。僕らはずっと後悔の念を抱いたり、重苦しい、いろいろな思いでいるわけです。監督から最初に言われたのは、「馬場には、お客さんを泣かせてほしい」ということでした。そしてもう一つ「フレームの中で目立たないようにいてくれ」ということでした。どちらも、難しい課題を与えられました。できたかどうか分かりませんが、一生懸命に頑張りました。 MC「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」という、タイトルにちなんだ質問をします。犬の鳴き声といえば、なんだと思いますか? ディーンさんええっと...。ワン? MCその通りです!皆さんにとって、ナンバー"ワン"なものとは何なのかを教えてください。 広末さん本作の台本を読んだ時に、お引き受けするかどうか、実は少し悩んだんです。西谷監督だし、キャスティングを見てももちろんやりたいと思ったんですが、私は暗い作品、悲しい作品が嫌いなので、どうしようとすごく悩んだんです。結果的には、お引き受けしてこういうステキな作品になったので、とても良かったなと思っています。私の演じた役は、母親としての愛情深さ、娘を大切にする愛の深さゆえに、運命に翻弄されてしまった母親の役です。私にとってのナンバーワンは、やっぱり私の母かなと思います。ママがあっての自分で、産んでもらって、ここまで育ててもらったことはもちろんだけれど、今日この舞台に立てていることも、ママのフォローがなかったら無理だなと思うと、やっぱりママはナンバーワンだなと感じています。 小泉さんこうして今、僕らは一つの作品を撮り終えて、舞台挨拶をやることができています。当たり前のことなんですが、適当にやっていたらこの日ってないんですよね。みんなが体力や精神力を削って、僕らも何度(作品づくりを)やっていても、苦しいな、辛いなと思うことの連続だと思うんです。そういった時にはやはり、一つのものに向かう情熱がなければ、 ゴールまでは辿り着けないと思います。今回この作品に出演することができて本当に感じたのは、ずっとこの作品を大切にしてこられた西谷監督の情熱です。引っ張ってもらいましたし、監督の「この作品を必ず成功させる、良いものにするんだ」という思いをものすごく感じました。そういった意味では、"ワン"というならば、情熱になるのかなと思います。それは皆さんも多分スクリーンから感じ取ってくれたのではないかと思いますが、そういった西谷監督の情熱に僕は心から感謝しています。 椎名さん孝太郎くんがすべて話してくれました。制作過程にはいろいろと大変なこともありますが、これだけのステキな俳優さんがキャスティングされて、西谷組のスタッフも本当にタフでした。僕と稲森さんにとっては六日間の大変な撮影がすごく記憶に残っているんですが、そういった中でも監督をはじめ、スタッフの皆さんが倒れないで、一生懸命に情熱を持って取り組んでいる姿を見て、こちらもエネルギーをもらってなんとか乗り越えられた。そういう現場だったと思います。そういう思いを乗せた作品が初日を迎えて、満員のお客さんが足を運んでくれて、ディーンくんがステキなスピーチをして、そういう瞬間を今ここで感じられていることが、ナンバーワンです。 岩田さん自分のナンバーワンは、「シャーロック」と出会えたことです。こうして映画が公開されるまで、ドラマから数えると足掛け約三年です。そのプロジェクトに参加して、西谷監督の情熱のもと「何としてもこのプロジェクトをみんなで成功に導いていくんだ」と、チーム一丸となったという思いもありました。最初の立ち稽古のことをいまだに鮮明に覚えているんですが、今こうして舞台挨拶に立っていても「あそこから始まったんだな」とすごく感じています。この三年をこの作品にぶつけられたような思いもありますし、今日は朝からずっと一緒に番宣に奔走したり(笑)、名実共にバディであるディーンさんとの出会いは、自分にとってとても大きなものです。自分にとって、作品が終わってもこうして交流が続いている方ってあまりいないんです。でも、ディーンさんはお芝居の世界はもちろんのこと、音楽の話など、いろいろなものに精通しているので、そういう部分もリスペクトできる先輩と出会えたのも「シャーロック」という座組みのおかげです。「シャーロック」との大切な出会いに、感謝しています。これがナンバーワンですね。ディーンさんみんなすごい! ステキな話が出尽くした感があります。 広末さん岩ちゃん、泣いちゃいそうじゃないですか? ちょっと目がキラキラしている。 岩田さん本当ですか! ディーンさん分かるよ、その気持ち。広末さんのお話にもあったように、家族のつながりというものにもすごく共感します。小泉さんがおっしゃっていた、西谷監督の情熱もすごいと思います。僕も西谷監督と作品をつくる中で、これは言って良いのか分からないですが、現場で監督が涙を流すような瞬間を何度か見ています。突っ伏して、ぶっ倒れている状態で、涙がポロッとこぼれているところを見ています。だからこそ、小泉さんの思いに共感する部分もあります。また桔平さんがおっしゃっていた、作品が完成して皆さんにお届けできる、一人でも多くの方に観ていただけるということの喜びにも共感します。映画を製作する側としてはそこに命を懸けてやっていますし、俳優の仕事においては、人生の一部分をその役として生きるということ、そして自分の人生とクロスさせるという(苦しい)部分が必ずあると思うので、(お客さんに届いた喜びには)すごく共感します。そして岩ちゃんのエモい話にもね。がっつり、自分も魂が共鳴するんです。この作品においての岩ちゃんとの出会いについて、(先ほどの話には)すごく共感するところがあります。これを一言でまとめるならば、ご縁ですね。"縁"と"ワン"が近いのかなということころも込みで(笑)。本作における縁がナンバーワンかなと思っております。 MC最後にディーンさん、岩田さんから、皆様に向けてメッセージをお願いします。 岩田さん初日からこれだけ多く方々に来場いただいて、作品を届けられたことを本当に幸せに感じております。ありがとうございます。ディーンさんとの濃い三年間。先ほども申し上げましたが、2019年の秋クールのドラマ「シャーロック」の撮影に入る際、湾岸スタジオでディーンさんと「初めまして」の挨拶をした日のことを鮮明に覚えています。ドラマの一話の最後のシーンで、獅子雄が若宮の家に勝手に荷物を持ってやって来て「一緒に住もう」という場面があるんですが、そこで獅子雄と若宮がいろいろなものを投げ合うんです。この作品は、まずそのシーンの立ち稽古から始まったんです(笑)。そこで、西谷監督から「バディの関係性を体で覚えてくれ」ということを言われました。それから三年が経ち、これだけ大きくなってパワーアップして、映画として皆さんにお届けできるという事実がとても誇らしいです。僕は勝手に、ディーンさんは"背中で語る男"だと思っています。武士道的なものを感じるんです。監督が先ほどおっしゃっていた孤高という言葉には、確かに共感するなと思いました。ディーンさんはすごく凛とされていて、真摯で、完璧というイメージを、僕もドラマに入る時には持っていたんですが、その内側には燃えたぎる情熱のようなものが誰よりもあります。そういう方とこうしてお仕事をできた経験が、何よりも自分にとって刺激になりました。心から感謝しています。ありがとうございました。 ディーンさん(岩田さんに向かって)こちらこそ。そして皆さん、改めて今日はお集まりいただき、本当にありがとうございます。この作品が世に放たれました。ここから一人でも多くの方の胸に、魂に届くかどうかは、共同作業ということで、ぜひ皆さん、惜しまずにこの作品を観た直後の思いを、文章でもいいですし、言葉や会話でもどういう形でもいいので、自分の言葉で表現していただけたらうれしいです。そして僕は、この作品のこの続きを観たいなと思っております。(会場:拍手)岩ちゃんと初めてフジテレビの湾岸スタジオで会って、「岩ちゃんと呼んで良いか」と許可を得て、その日からは岩ちゃんと呼ばせてもらっています。僕は、仲間というものをずっと求めて生きてきました。特に僕は、生まれた国ではないところでこの業界に入りました。日本で仕事をしたり、生活したりというイメージを持たずに、自分の人生を途中まで生きてきました。いろいろな経緯があって、自分の母国に少しずつ戻ってくる縁が生まれた時に「一緒に前に進める仲間と出会いたいな」という気持ちで、日本での活動を始めたことをはっきりと覚えています。今こうして初日舞台挨拶に立たてていて、豪華キャストの皆さんや西谷監督と、こういう形で一つの作品を世に放つことができた。映画を作るというのは大きな賭けでもありますが、それでもここに辿り着きました。コロナ禍においても、それぞれが粛々とやるべき感染対策をして、本当にストイックに作品をつくってきました。改めて、岩ちゃんとの出会いの日をかみ締めながら隣に立っています。さっきの岩ちゃんの言葉も、なかなか気軽に言えることではないんです。この仕事をしている上では一つ一つの発言を、自分の人格や信用と重ねながらやっている部分がある中で、そういう言葉をいただけたことはうれしいです。僕にとっては、岩ちゃんと出会えたこと。最高のバディとの出会いがあったから、今日ここまで辿り着くことができたと確信をしました。この先どのようにこの物語が進んでいくかを見てみたいなと改めて思いましたので、そのためにも皆さんのお力添えをいただけたらいいなと思っています。(会場:拍手)
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「東京2020オリンピック SIDE:B」日本外国特派員協会会見「東京2020オリンピック SIDE:B」日本外国特派員協会会見1912年の第5回ストックホルム大会以来、撮り続けられているオリンピック公式映画。今回、その総監督に選ばれたのは、「萌の朱雀」「殯の森」「光」など数々の映画で世界的にも評価の高い河瀨直美監督です。 東京2020オリンピックは、7月23日より17日間にわたってオリンピック史上最多となる33競技339種目が実施されました。本作は、大会開催に至るまでの750日、5,000時間に及ぶ膨大な記録を元に、表舞台に立つアスリートを中心としたオリンピック関係者たちを描いた「東京2020オリンピック SIDE:A」(6月3日公開)。大会関係者、一般市民、ボランティア、医療従事者などの非アスリートたちを描いた「東京2020オリンピック SIDE:B」(6月24日公開)の二つの作品になります。 6月21日、日本外国特派員協会主催の会見が行われました。河瀨直美総監督をはじめ、「SIDE:B」に縁のあるグエム・アブラハム選手(陸上男子 1500m 南スーダン代表)、緊急事態宣言中の沖縄県にありながら、「戦争のことを知ってもらい平和につなげたい」という一心で、沖縄伝統の木造船サバニにて聖火リレーを実現させた宮里哲(沖縄県座間味)村長の三名が登壇しました。こちらのイベントの様子を詳しくレポートします。日本外国特派員協会会見河瀨直美 総監督南スーダン代表グエム・アブラハム選手沖縄県座間味村の村長宮里 哲さん河瀨監督本日ご覧いただいた「SIDE:B」は今月の24日より公開になります。この映画に込めた思いの中には、「平和」というものがあります。今日は南スーダンからアブラハムさんと、座間味島から宮里村長にお越しいただきました。今なお、この地球上で起きている戦争や、様々な状況の中で、日常を奪われてしまうような人々がいます。そういったことを、このオリンピックが少しでも光の方向に導くようなものであれたら良いなという思いのもとに、昨年「2020」と題したオリンピックが日本で行われました。その中で、自分自身が、この作品の中で見られたもの、見てきたものは、聖火が中心にあり、聖火を運んだ先に、私たちは何を見つめるのかということを、百年後の子どもたちに託したつもりです。少しざっくりとした話になりますが、例えば、作品の冒頭の子どもたちの表情は、「彼らが何を見ているのか」で言えば、「もしかしたら私たちの今を見ているのかな?」というものになっています。そのコンセプトから始まって、最後には森山未來くんなどがコメントをしてくれます。森山くんは、「生きている人間の感情が一番やっかいだ」という内容のことを話しています。私たちが今、生かされている地球上で、生きている人間そのものの感情に違いがあって、その感情同士がぶつかりあった時に、ある種の分断が生まれます。でも、その自分たちの心模様を、より相手を慮るような気持ちになって前に進んでいければ、もしかしたら、「そこに一つの光が現れるのかな?」という気持ちで、作品を作りました。アブラハム選手(日本語で)みなさん、こんにちは。(英語で)この会見に出席していること、映画に出演できたことをとてもうれしく思っています。オリンピック(を開催すること)の意味を知り、そして私の故郷である南スーダンが困難な状況にあるからこそ、うれしく思います。私は、世界の中でも苦境に直面している国の出身であり、紛争があるがために発展への道が阻まれております。一方で、スポーツというものは、世界が一丸となれるきっかけとなってきました。「平和の祭典」と呼ばれる世界的な場において、国の代表になれたことは本当に光栄なことだと思っています。帰国してからも、オリンピックで得られた気づきや平和への思いをぜひ伝えていきたいと思っています。一時期、「そもそもオリンピックに出場できるのか?」という状況で、苦しい時もありました。トレーニングすることで何とか力をつけて、スキルの向上をはかるべく努力しました。とはいえ、不安にかられて十分な睡眠がとれない時もありました。もしもオリンピックに出場できなければ、痛みを伴うことになるからです。それは母国にとっても良くないことでした。映画出演のお話をいただいて光栄に思いましたし、平和というテーマがある作品に、国の代表として出たいと思いました。今後、南スーダンにも和平が訪れることを願ってやみません。同胞同士でハーモニーをつくれることを願っています。それから、オリンピックへの出場資格を私は得ることができました。しかしながら、出場資格を得られなかった仲間もいました。それはとても悲しい出来事でした。「自分が出場しなければ良いのでは?」と考えたこともありました。出られないことの悲しみや苦しみは自分のことのように思えました。そこから、仲間のために出場しようと思いました。そして、出場するからには、仲間のためにも勝ちたいと考えるようになりました。こういう「人のために」という気持ちが、平和には欠かせないと思います。それこそが南スーダンに必要な思いです。いつの日か南スーダンが平和を取り戻せるように願っております。南スーダンの人々にも、この作品を観てもらいたいと思っています。現在はウクライナとロシアの問題があります。戦争には賛成できません。肌の色が違っていても、状況が違っていても、何よりも平和が必要だという思いは共通していると思います。宮里村長本日は、お招きいただきましてありがとうございます。座間味村では、令和3年5月2日に、沖縄の伝統的な舟であるサバニ二挺を使い、聖火を運びました。思いはいろいろございますが、沖縄は今年、本土復帰五十年という大きな節目を迎えました。地上戦があったのも唯一沖縄だけでした。悲しい過去を持つ場所でもあります。そういった過去を持つ場所で生まれたことも含めて、私は選挙の公約ではなく「平和の尊さを語り継ぐ沖縄県民でありたい」と、それを座間味の大きな使命であると行政としてやっています。今回の東京オリンピックの聖火リレーを座間味で開催することができて、非常に喜びました。それには二つ、理由がございます。まずは、沖縄は過去に琉球王国から日本に編入され、第二次世界大戦があり、米国の統治下になり、そしてまた祖国に復帰する。そうした中で脈々と琉球の歴史、文化を伝えつなげてきました。そして、戦争の中でもみんなが頑張り、その後も復興してきました。全世界が分かっているとは思いますが、平和の尊さ、その中でも沖縄県民、特に私たちの島は一番初めに米軍が上陸した島で、村でございました。それが、昭和20年の3月26日。多くの犠牲者が出ました。そういったことを背景に考えますと、まさしく私たちの座間味村でこのような聖火リレーができるのはとても大切なことだと考えて、一生懸命取り組んでみました。沖縄県で、リアルに開催できたのは、沖縄県の石垣市と座間味村でございました。「どうしてもリアルに開催したい」と強くお願いし、どうしたら開催できるのかを考えました。このリレーは、私たちの先輩方が漕ぐ舟から、中学生が漕ぐ舟に聖火を運びますが、先ほどお話ししました「歴史や文化、それに平和の尊さを私たち大人の世代が、しっかりと子どもたちにつなげていくのだ」というのが一番大きな目的で、しっかりとつなげることができました。そして、多くの村民を目の前にして、今の平和な状況の中で、素晴らしい海で聖火リレーができたことも嬉しいことでした。そういったことをすることで、「これからも私たち座間味村はこの平和というものをしっかりと次世代につなげていきたい」と、舟で先輩から後輩に伝えていく貴重な経験をさせてもらいました。また、この映像が作品の中に取り入れられ、後世に伝えられていくことに、心から感謝しております。【質疑応答】 質問オリンピック公式映画はこれまでたくさん観てきました。監督の作品は個性があり、これまでの作品とだいぶ異なる印象を受けました。複雑で、多面的で、様々な声が反映されていました。二作であることもユニークです。この映画の制作過程について伺います。作品は予定通りのものですか? それとも途中で変わっていきましたか? 河瀨監督質問のお答えとしては、計画していたものとは、まったく違う作品になりました。私は、この作品に三年半の時間を費やしました。そして、COVID‑19というウイルスに翻弄され、パンデミック下でステイホームが求められ、全世界が活動を休止させられました。もちろんオリンピックも史上初の延期となりました。そして、(オリンピックを開催しても)無観客という事態になりました。だからこそ、「SIDE:A」「SIDE:B」の二つを作らなければならないと思いました。つまり、アスリートだけにフォーカスしたこれまでのオリンピックドキュメンタリー映画ではなく、これはこの時代の人類に何が起きたのかを描く、オリンピック開催に向けて下支えした人々、尽力した人々、また開催を反対していた人々の思いを込めて描かなければいけないと思うようになりました。また、百年後、二百年後の人たちにも、別のウイルスで、このようにオリンピックの開催が困難になった時に、何かの指針になれるような作品でなければいけないと思いました。単なるドキュメンタリーではなくて、私が見たこの時代の現実を、映画監督として映画にしたつもりです。五月にカンヌ国際映画祭で「SIDE:A」を上映した時に、IOCのメンバーも同席しました。そして、「私たちはこれまでオリンピックの記録映画を作ってきましたが、あなたの作品はアスリートにフォーカスしているだけではなく、アスリートという人間像にも迫った作品になっていました」というコメントをいただきました。これは私にとって、非常に嬉しい評価でした。 質問素敵な映画をありがとうございました。オリンピックの開催者の近いところから撮影していたので、そういう撮影をする時の苦労や工夫があればお聞かせください。 河瀨監督私は2018年に(総監督に)就任して、2019年の一年前の(オリンピック)イベントから撮影を開始しました。その時COVID‑19はなくて、近づいて撮ることも困難ではありませんでした。近いところで撮れているように見えたかと思いますが、実際は2020年になってからは一度も選手にアクセスできませんでした。その時は大会関係者、組織委員会、医療関係者、ボランティアといった方々で、アクセスできる人には、「できるだけ近い距離感で撮影をさせていただきたい」と申し出ました。ドキュメンタリーというのは、人との関係性によって、その物語の強度が増すと思います。そして、時間をかけることは、とても大事です。そういった意味では、ちゃんとフォーカスできた競技とフォーカスできなかった競技がありましたし、無観客の状態も含めてスクリーンの中に人がいない状況を描くことや、人との距離感があり、どうしても遠く離れてでしかフォーカスできない状況もありました。そのような中でもインタビューはクローズアップという、大きなフレームで映したのは、できるだけ人の内面が見え隠れするようにしたかったからです。人と二メートルの距離を保つ必要があったので、ズーム(望遠レンズ)で撮りました。そのサイズを選び距離を詰めて撮った演出は、敢えてそうしました。そのショットの紡ぎ方が、「これまでのドキュメンタリーとは違う」と言われている所以でもあるかと思います。 質問村長としては、有権者の方々にもこの作品を観てもらいたいかと思います。座間味村の皆さんに、どのように受け止めてもらいたいとお考えでしょうか。 宮里村長今回の聖火リレーが決まり、(その後)中止になるかもしれないという話が出た時に、村民に確認しました。すると村民の方々のほとんどが、「出たい」「見たい」「そばにいたい」と答えてくれました。最終的に、予定通り聖火リレーを開催して本当に良かったと思っています。実際に映像に残っていること、それだけではなくて、今回作品を観せてもらった時に、これまでマスコミなどを通じて(第三者に)伝わらなかった東京2020オリンピックの舞台裏と人々の葛藤が含まれていたことから、私は村民にぜひ観てもらいたいと思いました。(東京2020オリンピックを)どうしたら成功できるのか、そのためには何が必要なのか、私たちのかわいい子どもたちも含めて、この作品を観ることで素晴らしい人間に育っていくように思えますから、私はすべての方々に観ていただきたいです。先ほど河瀨監督から「いつかは座間味で上映会をしたい」というありがたい言葉がありました。私も上映会ができるように、一生懸命頑張っていきたいと思います。COVID-19でどこの自治体も大変な思いをしております。同じようにオリンピックの開催はもっと大変だったかと思います。諦めるのは簡単だと改めて思いました。河瀨監督とお話をし、今回の作品を観ることにより、諦めずに目的を達成するにはどうすれば良いのか考えさせられました。これからの人生だったり、政治活動だったり、子どもたちの成長にとってとても素晴らしい映画になっていると思います。座間味村での上映会を実現させたいと思っています。河瀨監督、よろしくお願いします。河瀨監督私も、英語通訳が入る前に一つお話してもいいでしょうか(笑)。これは本当に大事なことです。一年前を思い返してもらうと容易に想像できると思います。(聖火リレーを開催した)5月3日の沖縄は緊急事態宣言下でした。その時は、石垣と、この小さな座間味村でしか、聖火リレーができませんでした。ほかの自治体は(聖火リレーを)中止しました。ほぼ国民の八割がオリンピックの開催に反対をしていた苦難の中で、(聖火の)トーチを島に持ってくる時に、どのような声があがったのか、想像すると胸が痛いです。「小さな島に、COVID-19患者が一人でも入ったらどうなるんだ」「誰が責任をとるんだ」と、たぶん言われたと思います。それでも、今日お話されたように、子どもたちの未来のためにも、聖火がやってくることの意味を、真剣に考えた宮里村長がいたからこそ、この作品の中で子どもたちは笑顔でいます。「(日本での五輪開催は)一生ないと思うから」「去年の先輩のためにも僕たちが一生懸命に(サバニを)漕ぐから」と言った子がいました。想像すると、一年前に(当初の予定通りに)オリンピックが開催されていたとしたら、つないだ子たちが、つなげられなくなることもありえました。そういう悔しい思いをした人たち、できなかったことがいっぱい隠れている中で、(諦めずに聖火リレーを)やった人が記録されること、記録できたことを私はしあわせだなと思っています。本当にありがとうございました。(会場:拍手) 宮里村長こちらこそ!(笑顔を見せる) 質問一つの作品の中にジェンダー、COVID-19、アスリートといろいろな物語がありました。今後五十年、百年経って、このオリンピックはどのように思い出されると思いますか。 河瀨監督これが質問の答えになるのか分かりませんが、この映画は観た方々それぞれの映し鏡のように、その時の自分の状況や思いの中で観られると思っています。つまり、私は今回の映画「SIDE:A」「SIDE:B」では、片側だけのイメージで描いていません。何かの分断が起きているかのように見えるシチュエーションの中で、「A」「B」の人々は同じ地平で描きました。ですから、そこを観た人が、ご自身の感覚でどちら側に心を寄せるのか、それにより見え方がまったく変わってくると思います。そして、ジェンダー問題についても、2021年当時は日本女性の社会進出や役員就任の人数においても、(諸外国に比べて)日本は非常に低い数値になっています。そういう現実の中で、例えばアスリートにしても、結婚、妊娠、出産を経て、トップアスリートとしてはどうしても活躍できる土壌がないというような現実も記録しました。でも、これを五十年後、百年後の人々が観た時に、「あの時代はそうだったんだ」「でも、五十年後の今はそうではない」となり、それなら「時代の転換期はどこだったのだろう?」という見え方になるのではないかと思って作っています。皆さんそれぞれが、どのように観るのかを私が何か言える立場ではなく、私はすべての感じ方を、フラットに観てもらえるように、描いたつもりです。質問(英語と日本語で質問)映画「SIDE:A」「SIDE:B」の両方を拝見しました。コンセプトの違いが重要だと感じました。大きなテーマと個人的な物語があり、「SIDE:B」では河瀨監督の声が入っていました。作品の中にご自身の声を入れることについての見解を伺いたいです。 河瀨監督手法のことに言及することになりますが、あれは私の声ではありません。私がカメラを構えて、撮っている被写体はリアリティがありますが、こちら側の声は、あとから構成して付けたものです。「純然たるドキュメンタリーであるか」と言えば、私自身も最初のプライベートドキュメンタリーの時から、いろいろな意味でフィクションの部分があります。ただし、ドキュメンタリー映画というのは、その監督のまなざしで描かれるものです。この世界にあまたある現象のうちカメラを向ける対象は、一つしかないわけで、その一つのどこを撮るのかは、作家性という意味において、その監督のまなざしになると思います。同じ現実を捉えるにしても、私が撮るものと、是枝(裕和)監督が撮るドキュメンタリーではまったく異なります。そういう意味で、私にしか撮れない今回の東京2020オリンピックが「SIDE:A」「SIDE:B」であって、良かったと思っています。それは、IOCから最初に制作を依頼された時に、「市川崑の時代に立ち返りたい」「あなたにしか撮れないものであってほしい」ということでした。その依頼は全うできたのではないかと思っています。それまでのここ二十年ぐらいのオリンピックの公式映画は、誰が撮ってもそんなに変わらないような、ひな形に基づいたかのような、どこの国であっても変わらないようなエピソードがはめ込まれていたと思います。でも「あなたにしか撮れないオリンピック映画を撮ってほしい」と言われ、その依頼に基づいて作りました。皆さんが思い描く、オリンピックの公式映画があるのであれば、莫大なお金が投入されて、IOCのひな形にエピソードをはめ込んでいく、そういうものをイメージされたかもしれません。もっといえばTOCOG(公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、英: The Tokyo Organizing Committee of the Olympic and Paralympic Gamesの略称)の言う通り、政府の言う通りに撮っているのではないかと思われているかもしれません。でも、作品をご覧になった方は「河瀨映画ですね」と受け止めていただいています。それこそが、私が三年半をかけて、自分のこれまでの映画監督としてのスキルをすべて投入して作り上げたものであると誇りを持って言えます。お金も市川崑時代と同じお金しか使わせてもらっていません(笑)。本当に、そのような中で、一年延期になって、追加予算もほぼないです。私自身がカメラを回して見えた世界です。「SIDE:A」「SIDE:B」はどちらにも8ミリフィルムの映像が入っています。私が一番最初にフィルムに触れた感覚で、この2019年から2021年までの東京で行われたオリンピックを自らのまなざしで作り上げたものです。 質問東京2020オリンピックにご出場するために南スーダンから来日され、(群馬県の)前橋に二年半滞在されました。閉会後いったん、南スーダンに戻り、再び来日されたと伺いました。映画の内容からは少し離れますが、近況と、オリンピックを経験されたことによる未来への展望をお聞かせください。 アブラハム選手いい質問をありがとうございます。今は、パリ大会に出場することを目標に、日本の阿見スポーツクラブに所属してトレーニングを続けています。東京大会に出場したことで貴重な経験が得られました。阿見スポーツクラブは、中距離の選手が主でして、良いトレーニング相手であり、良き友人であり、家族のようです。落ち着いた環境にいることで、体制も整い、パリ大会に向けて頑張っています。パリ大会では正規の出場資格を得て、最前線で最強の選手たちと競いたいと思っています。 MC本日はありがとうございました。
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「ゴーストブック おばけずかん」完成披露試写会「ゴーストブック おばけずかん」完成披露試写会「ゴーストブック おばけずかん」公式サイト「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005年公開/主演:吉岡秀隆)「DESTINY 鎌倉ものがたり」(2017年公開/主演:堺雅人 高畑充希)など、圧倒的なVFXで観る者の心を奪った日本を代表する映画監督・山崎貴の最新作「ゴーストブック おばけずかん」がいよいよ7月22日より公開となります! 6月27日にはTOKYO DOME CITY HALLで完成披露試写会が開催され、城桧吏さん、柴崎楓雅さん、サニーマックレンドンさん、吉村文香さん、神木隆之介さん、新垣結衣さん、山崎貴監督が登壇しました。"どんな願い事も叶えてくれる一冊の本=おばけずかん"を手に入れた子どもたちが、数々の試練に立ち向かう姿を描く本作。この日は登壇者陣がおばけポーズを披露してランウェイを盛り上げたほか、それぞれが笑顔いっぱいに撮影を振り返りました。こちらのイベントの模様を詳しくレポートいたします!完成披露試写会■幕が上がると登壇者陣がおばけポーズで登場! 仲良くランウェイを闊歩し、会場も大盛り上がり!坂本一樹役城桧吏さん工藤太一役柴崎楓雅さん飯田サニー宗佑役サニーマックレンドンさん橘湊役吉村文香さん古本屋の店主役神木隆之介さん葉山瑤子役新垣結衣さん山崎貴監督城さん皆さん、こんばんは! 本日はお忙しい中、お越しいただきありがとうございます。短い時間にはなりますが、ぜひ楽しんでいってください。よろしくお願いいたします。柴崎さん昨年撮影をして一年あまりが経ち、本日皆さんに観ていただける日が迎えられたことをうれしく思います。本日は短い時間ですが、よろしくお願いいたします。サニーマックレンドンさん舞台挨拶をするのは初めてですが、緊張しないよう頑張ります。短い間ですが、よろしくお願いします。吉村さん本日は暑い中、わざわざ足をお運びいただきありがとうございます。緊張していますが、精一杯頑張りますので、よろしくお願いします。神木さん皆さん、こんばんは! (会場の拍手を聞き)しっかりと皆さんの心の中の「こんばんは」が聞こえました。暑い中、来ていただいて本当にありがとうございます。今日は短い時間ですが、どうぞ楽しんでいってください。新垣さん慣れないランウェイで、おばけポーズは恥ずかしかったですね(笑)! 山崎監督ハードル高いですよね。 新垣さん(笑)。皆さん、どうでしたか?(会場:拍手) ありがとうございます。今日は楽しんでいってください。山崎監督皆さん、こんばんは!(会場:拍手) 拍手で反応が返ってくるのは新鮮で面白いですね。 撮影してから一年くらいが経ちますが、ようやく皆さんにお届けすることができます。初めて観ていただけるということでドキドキしていますが、すごく楽しみです。感想をSNSなどに上げていただけると、僕はエゴサーチが大好きなので、絶対に見ます(笑)。ぜひ感想を上げていただきたいと思います。MCまずは山崎監督にお伺いします。なぜ今回は大人が知らない、子どもたちの大ベストセラー童話を実写映画化しようと思われたのでしょうか。 山崎監督今回のお話をいただいた時、ちょうど「ジュブナイル」(2000年公開/出演:遠藤雄弥、鈴木杏)というデビュー作から20年ぐらいが経った頃で、久々に子供たちを主役にした映画を撮りたいと思っていました。いただいたお話も子どもたちをフィーチャーできる作品だったので、ぜひやらせていただきたいと思いました。オーディションをしたところ、この"運命の子どもたち"に出会えたので「これはいける」という手応えを感じながら、映画に取り組みました。(オーディションで選ばれた城さん、柴崎さん、サニーマックレンドンさん、吉村さんは)"運命の四人"です。 MC"運命の子どもたち"というお話がありましたが、一度マイクを城さんにお預けいたしますので、ぜひお話を聞かせてください。 城さん映画館での舞台挨拶は何回か経験があったのですが、こんなに大きな舞台挨拶に立つのは初めてです。楓雅はどう?柴崎さん僕が以前、舞台挨拶に参加した際は無観客でした。今日は会場の広さもあると思うんですが、たくさんの方を目の前にして、(サニーマックレンドンさんに語りかけるように)今すごくワクワクしているよね。サニーマックレンドンさん僕はまず舞台挨拶が初めてで、こんなに大勢の人の前に立つことも...。さっき「緊張しないように」と言ったんですが、 すごく緊張しています。吉村さん私は、三人以上に緊張している自信があります(苦笑)。本作が初めてのお芝居で、舞台挨拶自体も初めてです。こんなに大きな舞台に立たせてもらえて、楽しみな気持ちもありますが、緊張の方が勝ってしまってすごくガチガチです。山崎監督撮影現場の思い出話はある? 城さん現場の思い出話といったら、やっぱりみんなで水切りしたことです。ホテルの前に海があって、そこでこの四人と山崎監督と五人で水切りをやりました。すごく楽しかったですし、思い出に残っています。楽しかったね。 柴崎さん楽しかったです。あと、桧吏くんがルービックキューブをやっていたので、僕たちも全員ルービックキューブを買って、勝負をしました。結局、桧吏くんに揃え方を教えてもらったりしながら、勝負をしていたんですが、一回も勝てたことはないです(笑)。 サニーマックレンドンさん水切りも楽しかったですし、楓雅くんが言ったように、ルービックキューブをみんなで買ったんですが、僕は一回も揃えられませんでした。今、家に放置している状態です。(登壇者の皆さん:笑) ルービックキューブは桧吏くんから教えてもらったんですが、できなくて残念です。(登壇者の皆さん:笑)。 吉村さんルービックキューブ以外にも、みんなで卓球をしたこともありました。みんな初めてで、なかなかうまくできなかったんですが、それもまた楽しくて、とても良い思い出です。 城さんホテルの下に銭湯があって、お風呂から上がった後に、山崎監督からコーヒー牛乳をおごってもらったこともありました。 山崎監督「コーヒー牛乳が高いんです」と言っていたので、接待しなきゃいけないなと思って(笑)。皆さんがお風呂から上がってくるのを待っていました。 本当に高かったんですよ。250円ぐらいしました(笑)。吉村さんあとは、桧吏くんがやっていたオンラインゲームも四人でやりました。桧吏くんが好きなものをすべて、みんながやり始めていたという思い出です。 MC新垣さん、神木さんは、四人に聞いてみたいことはありますか? 神木さん夏はいつもどうやって過ごしているの? 噂によるともう梅雨が明けたようですね。夏は大丈夫? 夏バテとかはしない? 城さん夏は苦手ですね。体育の時に暑すぎて、毎回一人だけ保健室に運ばれているんです。立てなくなって、車椅子で運ばれたことが何回かあって...。 神木さん(驚きの表情で)すごい覚悟とリスクを背負った体育だね。みんなはスポーツとかやっていたりするの? 柴崎さん僕は、一年生の三学期ぐらいに運動部に入りました。夏休みの予定表をもらったんですが、ほぼ毎日ずっと部活で、さすがに「これは無理だな」と思ったりしています。サニーも野球部なので、同じ気持ちがあるんじゃないかな。 神木さんおお! ポジションはどこ?サニーマックレンドンさんファーストを守っています。僕も野球をやっていてバテたことがあるんですが、中学に入ってからはバテないようになりました。 神木さんすごい! 新垣さん体力が成長したんだね。文香ちゃんは運動とかやっているの? 吉村さん私は、先日(部活を)引退したばかりなんです。これまで一年生、二年生の夏休みは毎日部活で自由な時間があまりなかったんですが、今年は友だちと遊んだり、いろいろなことして自分の時間を楽しみたいと思います。 新垣さん良いことだ! MC城さんはこれまでもいろいろな作品に出演されていますが、 本作では主人公を担い、同世代の仲間と一緒に撮影に臨んできました。撮影を振り返ってみると、どんな日々でしたか? 城さん本当に大きな作品でプレッシャーもありました。でも、オーディションの時からみんな一緒だったので、みんなに支えられ、支え合いながらなんとか撮影を乗り切れたかなと思います。 MC本作は子どもたちの成長物語であると同時に、彼らと一緒に冒険に出る新垣さん演じる新米教師も一緒に成長していく物語となります。完成した映画を観て、新垣さんはどのような感想を抱かれましたか? 新垣さん私自身もファンタジー作品がとても好きなので、異世界冒険ファンタジーである本作の世界観はとても魅力的でした。子どもだけではなく、大人が観ても楽しめると思える映像や、エピソードが描かれています。それに、実生活でも勇気をもらえるようなメッセージが込められていると思いました。試写が終わった時に、山崎監督と目が合って「好きです」と言いました。山崎監督「好き!」と言われました(笑)。隣に座っていまして、目が合って、新垣さんが「好き」と言うので、五秒ぐらい固まってから「ああ! 映画のことね!」と思いました(笑)。 新垣さん(笑)。第一声がそれだったくらい、本当にワクワクして、楽しくて、ハラハラして、とても大好きな作品です。 MC大人の成長物語でもありますが、新垣さんご自身は本作の撮影を通じて「成長したな」と思うことはありますか。 新垣さん成長というか「自分がこの年齢の時は、どういう風に過ごしていただろう」と、思い出して「初心にかえる」というような気持ちがありました。みんなの現場でのタフさ、パワフルさや一生懸命さを、これからも忘れずに持ち続けていきたいという気持ちにもなりました。 MC新垣さんは、先生役を演じられました。生徒役の子どもたちとの撮影時の思い出を教えてください。 新垣さんテスト前ということで、待ち時間に勉強をしている子が何人かいました。「教えてください!」と言われたんですが、全然教えられなくて(苦笑)。でも、「できない」とすぐに拒否するのもなと思って...、ネットで一生懸命調べながら「一緒に考えよう」と言って参加したんです。でも、役には立たなかったという思い出があります。 MCちなみに新垣さんと一緒に勉強をされたのは、どなたでしょうか。 吉村さん私です。すごくうれしかったです。 新垣さん本当? 吉村さん本当に全然分からないところがあったんです。新垣さんに聞く前に、桧吏くんやみんなにも聞いたんですが、みんな「僕分からない」みたいな感じだったので(苦笑)。新垣さんが一緒に勉強してくれて、すごくうれしかったです。 城さん新垣さんは本当の先生みたいな感じで、みんなのことをまとめてくれるんです。そういった先生のような姿もありながら、明るくて優しい方で、僕のギャグにも新垣さんだけが笑ってくれました。うれしかったです。 新垣さんうれしい、みんないろいろ言ってくれて、ありがとう。桧吏のギャグ、最高だったよ(笑)。MC神木さんは今、「自分もこういう頃があったな」という顔でお話を聞いていましたね。 神木さんよく分かりましたね! MC"運命の子どもたち"と共演された感想、また完成した映画をご覧になった感想を教えてください。 神木さん完成した映画を観て、とにかく元気が出ました。今回は皆さんと一緒の撮影日数も少なく、さらに僕は皆さんに試練を与える側なので、それを見守っているという役どころでした。だから、みんながどのように戦って、どのように成長、冒険していくのかは、完成した作品を観るまで分かりませんでした。初めて観た時には、純粋に「自分も頑張ろう」と感じることができました。僕は今年29歳になったんですが、子どもの頃ってもっと真っ直ぐにやりたいことをやって、全力でぶつかって、それが失敗しても成功しても、仲間のために、自分のためにと、真っ直ぐだったなと感じています。映画を観て、みんなから改めてそういう強い気持ち、真っ直ぐな気持ちって、すごく大事なんだなと教えてもらいました。共演シーンは少なかったですが、現場でも(子どもたちが)たくさん話しかけてくれて、「神木さん、おはようございます。よろしくお願いします!」と一生懸命挨拶をしてくれました。「そこまで頭下げなくて良いよ」「そんなに気を遣わなくて良いからね」と思うくらいに、礼儀正しくて、すごく真面目でした。冒険をしながら成長していくという役柄と、ご本人たちの成長もリンクしているなと感じました。MC城さん、神木さんと共演された感想を教えてください。 城さんとても優しかったです。神木さんから学校のことや「何をやっているの?」と話しかけてくれました。少ない時間でしたが、撮影の合間に四人で一緒になって話すことができて幸せでした。 MC神木さんは「自分にもこんな頃があったな」と思い出すことはありましたか? 神木さんこれまでの僕は"冒険する側"を演じることも多く、"冒険や試練を与える側"になったんだなと思うと、時が経ったと実感しました。(演じたのは)すごく重要な役割を担っている役でもあるので、慎重に役作りをしながら撮影に挑みました。 MCさっきから気になっているんですが、(GHOST BOOKという文字とお化けのイラストが描かれたTシャツを見ながら)神木さんがジャケットの内側に着ているTシャツは何ですか?山崎監督これは劇中登場するTシャツですね。(新垣さん演じる)瑤子先生が作ってくれるんですが、(ダサいので)みんなが着るのを嫌がるTシャツです。 新垣さんみんなは嫌がるんですが、神木さんは進んで着てくれる(笑)。 神木さん映画の中では僕だけがこのTシャツを着られないので、今日は着て来てしまいました。 MC最後に、城さん、新垣さんからメッセージをお願いします。 新垣さんこうして皆さんに観ていただける日が来て 「夏が来た」という感じがしています。「ゴーストブック おばけずかん」が、皆さんの夏を楽しく彩り、皆さんにワクワクした気持ちで日々を過ごしていただけることを願っています。ありがとうございました。 城さん本日はお越しいただいて、本当にありがとうございました。わずかな時間だったので、話したいことをすべてお話しすることはできなかったのですが、こうして皆さんに観ていただける機会ができて、本当にうれしいです。ぜひ楽しんでください。ありがとうございました。
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「キングダム2 遥かなる大地へ」ワールドプレミア「キングダム2 遥かなる大地へ」ワールドプレミア「キングダム2 遥かなる大地へ」公式サイト「週刊ヤングジャンプ」で連載中の原泰久による人気漫画を原作に2019年に実写映画化され、興行収入は57.3億円を突破し、2019年に公開された邦画実写作品で見事No.1を獲得した「キングダム」。その待望の続編となる「キングダム2 遥かなる大地へ」がついに完成! 6月30日に東京・水道橋のTOKYO DOME CITY HALLにてワールドプレミアが開催され、山﨑賢人さん、吉沢亮さん、橋本環奈さん、清野菜名さん、岡山天音さん、三浦貴大さん、濱津隆之さん、豊川悦司さん、髙嶋政宏さん、要潤さん、加藤雅也さん、玉木宏さん、小澤征悦さん、佐藤浩市さん、佐藤信介監督がそろって登壇しました。この豪華キャスト陣によるトークの模様をレポートいたします。ワールドプレミア信役山﨑賢人さん嬴政役吉沢 亮さん河了貂役橋本環奈さん羌瘣役清野菜名さん尾平役岡山天音さん尾到役三浦貴大さん澤圭役濱津隆之さん麃公役豊川悦司さん昌文君役髙嶋政宏さん騰役要 潤さん肆氏役加藤雅也さん呉慶役小澤征悦さん昌平君役玉木 宏さん呂不韋役佐藤浩市さん佐藤信介監督山﨑さん皆さん今日はお越しくださいましてありがとうございます。公開までやっと二週間なんだなとワクワクしております。今日はひと足先に皆さんに本作を観ていただきますが、本当にすごい映画が完成したので、早く観ていただきたいです。この「キングダム2」のすごいパワーを感じてもらって、公開まで皆さんに広めてもらえたらと思います。今日はよろしくお願いします!吉沢さん本日はこんなにたくさんの方に足をお運びいただきましてうれしく思います。今回「2」ということで、スケールやリアクションがよりパワーアップした「キングダム」を皆さんに観ていただけるということですごくワクワクしています。皆さんがどんな顔をして帰るのかを想像したらニヤけそうなくらい、素晴らしい作品になっています。ぜひ最後まで楽しんでいってください。橋本さん「1」の初日舞台挨拶で「願い」(「1」のテーマであった「夢」)をフリップで出した時に「続編」と答えている人が結構多かったんです。私自身も続編を願っていたので、こうしてまた皆さんにパワーアップした続編を観ていただけることがうれしいです。「1」でたくさんの人に観ていただけたからこそ、この続編を作ることができました。「1」の時にスケールが大きくてびっくりしていたのに、続編でさらにスケールアップしていて、どれだけ期待していただいても、皆さんの期待を超えられるんじゃないかと思っています。ぜひ楽しんでいただきたいと思います。清野さん「キングダム2」から参加しましたが、羌瘣は本当に人気のあるキャラクターで、私もオファーいただいた時に、プレッシャーと不安で押しつぶされそうでした。でも、「1」を成功させた皆さんの中に一員として入って羌瘣を演じられて、誇りに思いますし、幸せでした。今日は暑い中、お越しいただいてありがとうございます。本当に熱い素晴らしい作品ができたと思います。岡山さん「1」の公開時は僕も一ファンだったんですが、それがこうやって続編では参加できて、今日、最初のお客さんに本作をご覧いただけることをうれしく思います。三浦さんもともと原作の「キングダム」のファンでした。だから、「キングダム」の世界の中に入って自分が生きられるなんて思っていなかったので、非常に光栄であり、財産になっていくと思います。そして、こうしてたくさんの人に観ていただける機会が持てることがうれしいです。これから公開ですが、さらにたくさんの方に観ていただきたいので、皆さんよろしくお願いします。濱津さん僕も今回初めて「キングダム」というものすごく壮大な世界に参加できて光栄でした。一人でも多くの方にこの作品を観ていただけたら本当にうれしいです。豊川さん「1」を観た時に本当に素晴らしい作品で「自分も参加したかった」という思いがあったので、今日はこういう場に立ててとてもうれしく思っています。髙嶋さん今までの僕の歴史上、完成した作品を観てここまで感動したことはありません。それはあらゆる意味を含めてですね。ですので、なんとかこの夏の激戦区を勝ち残るべく、皆さんどうか口コミをよろしくお願いします!要さん「1」に引き続き今回も出演しました。僕も一足先に観ましたが、観終わってすごく元気になったという記憶があります。しばらく自分のテンションが上がっているのを感じていました。皆さんもきっと同じ思いになっていただけるんじゃないかと思います。ぜひ楽しんで帰ってください。加藤さんこの映画を撮っている時、本当に大変な状況だったのですが、出来上がった作品を観て、本当にみんなすごく頑張ったなと改めて思いました。ですので、たくさんの方に観ていただけることがスタッフを含め一番うれしいことだと思いますのでよろしくお願いします。小澤さん今回、私が演じた呉慶は知略型の知性に長けた武将ですが、僕は真逆で知性のかけらもない男なんです(笑)。今回、演じることができてすごくうれしかったです。そして「キングダム」という壮大な世界観に参加できてうれしかったです。豊川さんと戦わせていただくというのも光栄でした。佐藤浩市さんをはじめ、素晴らしい豪華キャストの皆さんの中で演じることができてうれしかったです。素晴らしい作品です。皆さん、乞うご期待です!玉木さん「1」を観た時、悔しさを覚えるくらいの素晴らしい出来で、「続編があるのであれば参加できたら良いな」という思いがありました。なので、こうして昌平君を演じることができてうれしいです。僕も一足先に観たのですが、手に汗握る、興奮する仕上がりになっていると思います。最後まで楽しんで帰ってください。佐藤さんこれだけ演者がたくさんいると挨拶が長い長い(苦笑)。ようやく順番が回ってきたなと...。僕自身、撮影に参加したのが二年ほど前で、それからコロナ禍の中、みんな大変な思いで撮影をしていました。それがやっと、皆さんの前で公開される――これだけ待って我慢をした分、それだけの作品になっていると思います。今日は楽しんでいってください。佐藤監督今日は皆さん、お越しいただきありがとうございます。先ほどの佐藤さんのお話にもありましたが、この作品には数年前から携わってきました。撮影が始まったのがまさに二年前です。前作の初日舞台挨拶で、自分の夢として「続編を作りたい。蛇甘平原の戦いを描きたい」と申し上げましたが、それから数年を経て、蛇甘平原の戦いを描き切ることができたと思います。思ってもいない苦難がたくさんありましたが、キャラクターたちが一人ずつ夢に向かう物語を作っていく中で、そのキャラクターたちに背中を押されて、スタッフ・キャスト一丸となってこの作品を作ることができました。その作品を皆さんに今日こうしてお披露目できることを夢のように思っています。どうか皆さん、楽しんでいってください。MC皆さんに、ここだけは注目してほしいシーン、出演者についてお話しいただきたいと思います。 山﨑さんそうですね。「1」の時もそうだったんですが、原作者の原(泰久)先生が今回も映画の脚本に携わってくださっています。羌瘣と信が原作とはまた違った関わり方をしていくんですが、そこでの信のセリフがすごく好きです。これから皆さんには観ていただくんですが、あれだけの熱量と真っ直ぐさで出会ったばかりの羌瘣に"ああいう言葉"を掛けられるってすごく良いなと思いました。観ている人にもその言葉が伝わったら良いなと思って演じました。そこをぜひ観ていただきたいです。他にも見どころはいっぱいあるんですけど一つだけということなので...。清野さん原作にはないシーンを書いてくださって、なかなか私としてはどう心情を整理しようか悩んだシーンでした。でも、信が素敵な言葉をかけてくれて、羌瘣の内面が変化していくシーンなのでぜひ観ていただきたいです。 MC清野さんの注目ポイントは? 清野さん自分なんですが(笑)、予告でも流れている尾平とのシーンで「無理じゃない! だってお前はまだ生きてるじゃないか!」と叫ぶシーンがあって、羌瘣の人間的変化もあり、アクションもたくさん詰まっているのでぜひ楽しみに観ていただければと思います。MC小澤さんも「うんうん」とうなずかれていましたがいかがですか? 小澤さん本当にそうだと思います。 MC続いて吉沢さんの注目ポイントをお願いします。 吉沢さん見どころと言うと、いろいろあり過ぎて絞れないんですが、やはり今回から参加されているキャストの皆さんの、原作のキャラクターの再現度――それがただの再現ではなく、実写として、生身の人間として漫画のキャラクターを演じていて本当に素晴らしいんです。僕は基本的に王座にいて、戦場の皆さんの様子は全く知らなかったんですが、完成した作品を観ると本当に素晴らしくて、前回の戦いとはレベルが違ってすごいことが起きています。その辺はチェックしてほしいですね。MC信のアクションはいかがでしたか? 吉沢さんすごい! すごかったです。何ていうか...、漫画原作なので、普通に考えたらありえない動きもするんです。それを賢人が、信になり切って全細胞を使っていることで、「本当にそういう動きをしているんじゃないか?」って観えるその説得力がすごかったと思いました。 山﨑さん本当にうれしいですね。ありがとうございます! 橋本さん私はマスコットキャラ的な立ち回りで温かく見守っていて、戦場には全然行っていないんです。皆さんが体を鍛えたり、アクションの練習をされているとは聞いていました。戦場に行く組ではない、軍議のシーンはすごい空気感でした。これだけ豪華なキャストの皆さんが揃っていたので、緊張感がすごかったですね。すごく大きな場所で距離も遠かったし、セリフがフェイスシールドで聞きとりづらくて大変だったなという印象だったんですが、そのシーンも深みのあるシーンになっていて。アクションはカッコ良いですが、アクションだけでない深みや忠実な部分が足されていると思います。そこも観てほしいですね。MC緊張感を一番醸し出していたのはどなたですか? 橋本さんみんなですね。みんなが整列して二列に並んでいるわけです。その中で唯一、王様の吉沢くんが真ん中にいて、すごい長ゼリフを言っていて...。私だったら絶対にイヤだなと思いながらドキドキしていました。 吉沢さん覚えています。いやぁ、ハンパじゃないですね(笑)。「1」の時は信と二人とか、年の近いメンバーでアグレッシブなアクションもあったり、冒険をしながらという流れだったのが、「2」は大先輩がズラーッといる中、みんな僕にひざまずいていて、僕だけ偉そうにしているんですね(笑)。声が震えちゃって...全然違う緊張感がありました(苦笑)。岡山さん僕はやはり「1」は普通に観ていたので、信もそうですが羌瘣さんのアクションですかね。原作でハッキリとした戦闘スタイルというのがあるので、それが「果たして三次元でどうなるのか?」というのが見えなかったんです。でも、実際に現場で見てみたら「なるほどな」と思いました。やはり二人のアクションは好きですね。 三浦さん同じです。やはりずっと一緒にいる時間が長かったので、アクションは目の前で見ていてもすごいものがありました。出来上がった作品を観ても素晴しいものになっていたので、ぜひ注目してほしいです。僕は現場で王様にお会いしていないんですよ。戦場に出ていたので...。映画で「あぁ、この人がいるから俺たちは戦っていたのか!」とハッキリ意識しました。メチャクチャ王様でした! カッコ良かったです。そこもぜひ観てください。 濱津さん好きなキャラクターで縛虎申さんという人がいるんです。戦場でのこの男の信念をもって駆け巡っている生き様が男としてカッコ良くて、憧れて、すごく好きなキャラクターです。縛虎申さんだけでなく登場人物たちの人間の魅力をぜひ味わって心を揺さぶられていただけたらうれしいです。楽しくご覧いただけるんじゃないかと思います。アクションなど壮大な場面もいっぱいありますが、そこに生きる人たちの人間味を観ていただけたらうれしいです。 豊川さん見どころ? 全部なんですが、やはり...僕かな(笑)? 監督と話をして、原作ありきだし「1」もありましたので、どれだけ原作と同じビジュアル的に作り込んでいくか...。僕のやった麃公はカツラをつけ、つけ髭をつけています。そして、もう一つ、何かをつけています。何でしょう? 映画を観た後、ホームページでお待ちしています。 髙嶋さんまずですね、アクションなんですが「1」も最高傑作なんですが、その中でも「あぁ、ここもっと観たかったな!」とか、自分でちょっとコピーして動いてみたいなという人にとって、「2」ではそういうところもすべてクリアになる――そんなアクションになっています。「観たいところがちゃんと観られる!」そんな素晴らしいアクションシーンです。それとですね、原作ファンにとっては観たら「あぁ、これもちゃんとやってくれた!」と思うと思います。最初に試写を観て、試写室で泣きましたね、震えて。それだけ原作を愛して作品を作った。そこが最大の見どころかもしれません。 要さん髙嶋さんと全く同じです。僕は今日はいらっしゃらない王騎将軍(大沢たかおさん)に仕える身ですが、「1」もそうでしたが、王騎はすごく良いところで登場するんですね。これ以上ないタイミングで登場されて、それがまたすごくカッコ良いんで、そこを見ていただきたいです。 加藤さん要くんが言ったように、大沢たかおくんは、彼が18歳くらいの頃から知っていますが、当時は細かったんです。その彼が王騎のあの身体を作っているって、前回ビックリしました。再びこの映画のためにそれを作っているっていうのは絶対に見どころです。 小澤さんいやもう僕は山﨑賢人の大ファンなんで、出てくるたびに「賢人!」って手を振って観ていました。撮影中はあんまり現場で会えなかったので、今日は結構レアな「うしろ賢人」と「うしろ亮」が見えて、すごくハッピーです! アクションはもちろんですが、芯のある男を演じていて...(後ろを振り向いた山﨑さんに)あ、賢人、こっち見ないで(笑)! 完璧です。 玉木さん見どころはたくさんあるんですが、清野さん演じた羌瘣がすごく好きです。そこに一緒にいる岡山くんが演じる尾平が「すげぇー!」って言うんですが、その「すげぇー!」に全部持っていかれた感があります(笑)。そこもぜひ見ていただきたいです。 MC佐藤さんはどんなところが見どころだと? 佐藤さん最初に言ったように、どれだけみんなが頑張ったか。それはアクションだけではなく、スタッフ、キャストみんなです。正直、僕は、原作を読まれている方はご存知かと思いますが、あまり動きのある役ではないんです。政(まつりごと)ではよく動きますが。監督、次があったら俺、ガンガンやりますよ! いや、すみません、そういうキャラじゃありませんでした(笑)。 佐藤監督全部見どころですが...。今作では「蛇甘平原の戦い」という紀元前200年くらいの中国の戦いを描いているんですが、一人の元奴隷だった信という少年が、天下の大将軍を目指して繰り出す初めての戦場で、そこでいろんなもの見るんですね。生き様、死に様、いろんなものを見るんです。見られている人たちの姿や表情も素晴らしいし、静かにそれを見ている信の表情も見どころかなと思います。戦場を見つめ、現実を知っていく眼差しに、僕はすごく良いものが撮れたという実感を持ちました。そこで信が成長していく物語だと思います。中国の紀元前の戦いなんですが、日本の時代劇にはない破格のものが中国の歴史には眠っていて、それを今、こうして描けたというのは観ていただきたい見どころですね。ちょっと停滞して元気がなくなってきたところでのターニングポイントになる公開作品になったら良いなと思ってやっていました。ぜひそこを観ていただければと思います。 MC最後に山﨑さんからメッセージをお願いします。 山﨑さん「こんな日本映画観たことない」って言葉がよくあると思いますが、「これだったんだ!」と思いました。本当にすごいものができたと思います。スケールもデカいですが、「キングダム」の良いところは仲間たちの絆だと思います。僕が好きな信のセリフで、本編には出てこないんですが「戦は数じゃねぇ!人だ!」というのがあって、本当にその通りだと思います。これだけ素敵な方々とみんなで熱量を持って「キングダム」を作り上げることができたのがうれしいです。自分自身もパワーをもらっている作品なので、観ている人にも元気になってもらえると思います。暑いので水分補給をして体は冷やしても、心は燃やして、熱く夏を「キングダム」で盛り上げてもらいたいと思っています。今日はありがとうございました!
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劇場版 舞台『刀剣乱舞』天伝 蒼空の兵 -大坂冬の陣- Blu-ray一期一振:本田礼生 鯰尾藤四郎:前嶋 曜 骨喰藤四郎:北川尚弥 宗三左文字:佐々木喜英 加州清光:松田 凌 太閤左文字:北乃颯希 真田信繁:鈴木裕樹 大野治長:姜 暢雄 豊臣秀頼:小松準弥 弥助:日南田顕久 阿形:安田桃太郎 吽形:杉山圭一 徳川家康:松村雄基 山姥切国広:荒牧慶彦 アンサンブル: 及川崇治 淡海 優 奥平祐介 川手利文 工藤翔馬 小西主馬 澤田圭佑 下尾浩章 じゃっき~ 多胡亮平 田嶋悠理 千葉雅大 日野亮太 星 賢太 真鍋恭輔 宮永裕都 村山邦彦 山下 潤 山中隆介 横田 遼movie舞台『刀剣乱舞』シリーズ 5 周年を記念した劇場上映第4弾Blu-rayの発売が決定! ヘッドフォン用 立体音響(DTS®Headphone:X®)を搭載Disc1音声: 1, 2.0ch サラウンド 2, 5.1ch サラウンド 3, ヘッドフォン用 立体音響(DTS®Headphone:X®) メニュー画面から[ヘッドフォン用 立体音響]モードを選択し、お手持ちのヘッドフォンを接続すると映画館やホームシアターと同様のサラウンド音声が楽しめます。※DTS 対応プレーヤー<映像特典>◆BD/DVD 購入者向け撮りおろしキャストコメント(本田礼生、佐々木喜英、松田凌) ◆予告編 ※特典内容・商品仕様は予告なく変更になる場合がございますのでご了承ください。TBR31354D/2022年度マーベラス原案:「刀剣乱舞-ONLINE-」より(DMM GAMES/Nitroplus) 脚本・演出・総監修:末満健一 音楽:manzo/伊 真吾 ディレクター:池田圭太 製作:舞台『刀剣乱舞』製作委員会 配給:東宝映像事業部© 舞台『刀剣乱舞』製作委員会 © 2015 EXNOA LLC/Nitroplus劇場版 舞台『刀剣乱舞』天伝 蒼空の兵 -大坂冬の陣- Blu-ray