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「六人の嘘つきな大学生」完成披露試写会「六人の嘘つきな大学生」公式サイト怒涛の伏線回収で大人気を博している、浅倉秋成著の小説「六人の嘘つきな大学生」(角川文庫刊)を、監督・佐藤祐市と脚本・矢島弘一により実写化した映画「六人の嘘つきな大学生」が11月22日より公開となります。 10月21日、本作の完成披露試写会を東京国際フォーラムにて開催し、浜辺美波さん、赤楚衛二さん、佐野勇斗さん、山下美月さん、倉悠貴さん、西垣匠さん、佐藤祐市監督が出席しました。 ネタバレを避けつつ、作品の見どころを語るなど「六嘘」の世界観を生かした、こちらのイベントの模様を詳しくレポートします。完成披露試写会嶌衣織役浜辺美波さん波多野祥吾役赤楚衛二さん九賀蒼太役佐野勇斗さん矢代つばさ役山下美月さん森久保公彦役倉悠貴さん袴田亮役西垣匠さん佐藤祐市監督■紗幕にキャストのシルエットが浮かび上がる。■幕が下りてキャスト陣の登場かと思いきや、壇上には漢字の「七」が「六」に変わっている「嘘」の文字が置かれている―――という演出に、会場から驚きの声が上がりました。■その後、階段後方よりキャスト陣が登場!浜辺さん皆さん、足をお運びいただきありがとうございます。最後まで楽しんでいただけるように、この舞台挨拶では、なるべく嘘をつかずに、本当のことを話したいと思っています。 赤楚さん皆さん、こんにちは。M!LKの佐野勇斗です。 佐野さん違うよ! 赤楚さんごめん、ごめん、赤楚でした(笑)。短い時間ですが、嘘をつきまくりたいと思います。 佐野さん皆さん、こんばんは。(ライブ会場のように)盛り上がっていますかっ?! 会場の皆さんいぇーい! 佐野さん「六嘘(ろくうそ)」観たいですかっ?! 会場の皆さん観た~い! 佐野さんすごくスリリングで、面白い作品になっていますので、いち早く皆さんに観ていただけることをすごくうれしく思っています。 山下さん皆さん、本日はお集まりいただきありがとうございます。見ての通り、個性豊かなキャストが集まっているので、この六人と監督の陽気さも相まって楽しい一日にしたいと思っています。 倉さんこんにちは。今日はお越しいただいて、本当にありがとうございます。完成を迎えられて大変うれしく思っております。西垣さんなかなかこういう舞台に立つのが慣れていなくて、足が震えております。意外と、小鹿です。 登壇者の皆さん大丈夫だよ! 西垣さん皆さんにこの作品の面白さが伝わり、たくさんの方に広めてもらえるように、今日はいろいろなことをお話ししたいと思っています。 佐藤監督メガホンは一度も持ったことがないんですが、なぜか監督は「メガホンをとられた」と紹介されてしまいます。(会場:シーン)今日は頑張ってスベりたいと思います! (登壇者の皆さん:笑) 赤楚さん&佐野さんよっ、監督! MCまずは監督、本日いよいよ本作のお披露目となりました。今回は多くの伏線が張り巡らされている密室会話劇ですが、映像化するにあたって意識したことや心がけた事は何でしょうか? 佐藤監督こうして皆さんに観ていただくのは初めてなので、「どう受け止められるかな」と、ちょっとドキドキしています。現場では、密室の中だけなので、背景が変わらないんです。なので、みんなで「どうやってお芝居をやろうか」と、何日間かリハーサルをしました。コミュニケーションを取りながらリハーサルをしましたが、気が付いたらこちら(キャスト)の六人だけが仲良くなって、僕はちょっと端に追いやられたような感じでした(笑)。(登壇者の皆さん:笑)そんな感じで、とにかく「お芝居をしっかりとやっていくこと」を心がけていました。それと、原作が面白いので、「みんなで頑張れば大丈夫だ」と思っていました。 MC密室での緊迫感のあるシーンがかなり多い撮影だったかと思います。撮影現場の雰囲気や、何か印象的なエピソードがあれば教えてください。 浜辺さん私、思い出しました。撮影の前の話ですが、最初に顔合わせと、本読みと、リハーサルをやったんです。初対面の方もいる中で「どれぐらい頭に台本が入っていますか?」という話をしていて、みんなで「ちょっと心配だなぁ」と話をしていたんです。でも、いざ監督から「リハーサルをやりましょう」と言われたら、みんな結構頭に台本が入っていて、全然台本を見ていませんでした。あの時から、もう嘘つきが始まっていたと思います。 佐藤監督あの時には、皆さんセリフが入っていましたね! まんまと美波ちゃんだけね。(登壇者の皆さん:笑) 浜辺さんちょっとモゴモゴしていました。「この作品は、ここから嘘が始まっていたのか」と思いました。初めて騙された瞬間が忘れられないです。嘘を言った自覚がある人はいるのかな? 佐野さんもうあぶり出しているじゃん! 怖いよ!でも、僕はその時いなかったからね。(会場の皆さんに向かって)皆さん、僕は嘘をついていませんからね。よろしくお願いします。悠貴はどう? 倉さん僕は、嘘をついたね(笑)。セリフを覚えてはいたけれど、ミスした時の保険として「まだ、あまり入っていないです」って言ったかもしれない。 浜辺さん保険ね! 山下さん私も嘘をつきました(笑)。倉くんと、私と、西垣くんも結構覚えていたよね? 西垣さんでも、「演技をやってみて」って言われた時に、やれる自信は無かったのに、やってみたら意外とできちゃったっていうことない? 山下さん天才肌だね。 西垣さんいや、違う違う(笑)!自分の中では、「八割ぐらいかなぁ」と思っていたけれど、やってみたら意外と全部できちゃったって時ないですか?…(誰からも同意を得られず)あれ(笑)? 佐藤監督美波ちゃんは正直に話していて、キャストの皆さんには、事前に、「台本を頭に入れなくて良いですよ」と伝えていました。まず「みんなの声と表情を見たいから」ということで始めたんです。なので、美波ちゃんは素直に「みんなとコミュニケーションを取ろう!」と思って現場に来たら、みんなが意外とガチモードで、「私が座長なのに…」と、ちょっとショックを受けていました。 浜辺さんでも、セリフが少なかったのでギリギリ助かりました。(登壇者の皆さん:笑) MC赤楚さんは、印象に残ったエピソードありますか? 赤楚さん皆さん、結構差し入れをくれました。特に印象に残っているのは、ちょっと暑い日の撮影の時に、佐野キュンがね、アイスの差し入れをくれました。 佐藤監督キュンなだけに! 佐野さんキュンなだけに(笑)?! 赤楚さん佐野キュンだけに、キュンとしましたね。 佐野さんシンプルに僕が食べたかっただけです。「一人だけ食べていたら怒られるかな」と思って、みんなの分も買いました。 MC佐野さんの印象的なエピソードは? 佐野さん僕は、みんなで花火を見たことですかね。でも、僕はあまり見られなかったんですよ。(佐野さん以外の)五人だけで見ていましたね。 浜辺さん撮影所から見えた花火大会ね。 佐野さん花火大会の終わりの方に、「今、五人で花火を見ているらしいですよ」と言われて、「えっ、何の話!?」と思って、屋上に行ったら、みんながご飯を食べながら花火を見ていました。僕だけ、終わり際の合流でちょっと悲しかったです。 佐藤監督何? ハブられていたの?! 佐野さんはい! (登壇者の皆さん:笑) 山下さん違うよー。 佐野さんじゃあ、何か弁解してよ! 山下さん撮影が終わって休憩に入った途端に、佐野君がそそくさと一人だけ楽屋に戻ってしまって、たまたまなんです。 浜辺さんその時はまだ連絡網もなくて。 赤楚さんまだ連絡先を知らなかったんだよね。 佐藤監督連絡網があったの? グループLINE? 佐野さんはい。 佐藤監督やめて、僕だけハブくのー! そういうのはやめてよ!(登壇者の皆さん:笑) MC山下さんのエピソードはありますか? 山下さん会議室でのシーンです。二、三週間くらい、毎日朝から晩まで撮影をしていました。その時に六人で同じ前室で、ずっと一緒にいたので、いろいろなお話ができて、仲良くなりました。佐野くんがゲームを持ってきてくれて、すごく仲良くなれました。 佐野さんでも、そのゲームは一回も使ってくれませんでした。(登壇者の皆さん:笑)みんなが「ゲームがしたい」って言うから、家から選んで持ってきたのに、みんなは「ありがとう!」とは言うけれど、誰も遊んでくれませんでした。(撮影が)終わってから、僕一人で片付けて寂しく帰りました。それについても弁解してください(笑)。 赤楚さん今日の佐野くん、かわいそうだね。大丈夫? 佐野さんギリギリ大丈夫です! 佐藤監督もしかしてハブられていた? 佐野さん監督と僕だけハブられていました(笑)! 佐藤監督仲間じゃん!(登壇者の皆さん:笑) MC倉さんのエピソードはありますか? 倉さん一人一人見せ場みたいなシーンがあるんですが、その撮影の時は毎回ちょっとピリピリしていました。でも、普段はとても和やかで、楽しい現場でした。 MCグループ連絡網ができるくらい、皆さん仲良くなられたということでしたよね。 赤楚さんでも、本作も公開されることですし、解散しますか? 佐野さん何で?! 浜辺さんグループメッセージを返してくれない人いるんだよ! 赤楚さん(浜辺さんに向かって)頑張っているけれど、ね。 佐藤監督美月さんじゃないの? 既読スルーな感じがする。 浜辺さんそう! 撮影中はすぐ返してくれていたけれど、最近忙しいからかな。 山下さん返しているよ(笑)。でも、みんなの会話が早すぎるんだよ。「本当に仕事をしているのかな?」っていうレベルで連絡が来るので、メッセージが何十件も溜まってしまうんです。…ちゃんと参加します(笑)。 MC西垣さんは何か印象的なことはありましたか? 西垣さん仲良くなりすぎて、真面目なシーンを撮っているのに何か面白くなってしまうことがありました。一人がツボに入ってしまうと、それがみんなに伝染して、ちょっと時間がかかってしまう時がありました。 MC浜辺さんが首を傾げていますね? 浜辺さんあったけ? 西垣さんあなたです! 浜辺さん何気ない、ただホワイトボードに一文字書くだけの手元のショットなのに、ケタケタ笑ってしまうことがありました。二回ぐらいだよね? 赤楚さんそうだね。今日もあったよね? 佐藤監督取材中もそうなっちゃうのはどうなの? (登壇者の皆さん:笑) 浜辺さんごめんなさい。 MC本作は、怒涛のどんでん返しで一秒たりとも目が離せない作品になっておりますが、「ぜひここに注目してほしい!」というポイントをうかがいたいと思います。 浜辺さん先ほど倉くんが話してくれましたが、大半のメンバーが、目が血走って、「血管が切れるんじゃないか?」と思うくらい、強い目をする見せ場があります。その時の目力がすばらしいです。「この目を向けられたくないな」と思うような瞬間があるので、見逃さずに観てください。 赤楚さん犯人を探すのも良いですが、各キャラクターが、それぞれ特徴や、過去を持っているので、皆さんも共感しやすいキャラクターがいると思います。また、別のキャラクター目線で観てみるのも楽しい作品だと思います。 佐野さん会議のシーンに注目してほしいのは、皆さん分かっていると思いますが、会議が始まる前の、僕たち六人が打ち合わせをするシーンにも注目してほしいです。そこには監督のむちゃぶりのアドリブがあったりするので、注目してほしいです! 西垣さんぜひ! 監督から「何かやってよ」「何か面白いことやってよ」と言われて、頑張りました(笑)。 佐藤監督そんなひどい演出しないよ! すべて台本通りです(笑)。 山下さん私たち六人が最初にファミレスに集まって、それぞれ自己紹介をするシーンが本作のクランクインでした。まだしゃべったことがない状態だったので、リアルな気まずさや距離感が出ていると思います。そのシーンと会議室でのシーンを比べると、みんなの顔つきが全然違っているので、その違いに注目していただきたいと思います。 佐藤監督僕が、倉くんの芝居で一番好きなところは(言い方を真似て)「何度でも言う」ってところです。あそこが大好きです。佐野くんの一番好きなところは(言い方を真似て)「なぁ!」って言うところです。 MC監督のポイントが、ピンポイントすぎるんですが、ぜひご注目ください。では、倉さん、どうぞ! 倉さん水がたくさんかかるシーンですね。そこは、西垣くんと二人で相談して生まれたんですが、本作には珍しくダイナミックなシーンになっていると思います。ワンシチュエーションなので、なかなかできることがないんですが、唯一水があって「何かアクションに使えたら良いよね」と話して、現場で生まれたシーンでした。 西垣さん僕は、会議室で最終面接をする前に、みんなで飲み会をするシーンです。そこが「ザ・大学生の飲み会」という感じがしました。皆さんが一度は経験したことがあるような、騒がしい飲み会のシーンになっているので、共感が得られると思います。推しポイントです。 佐藤監督ちなみに、僕が美波さんの一番好きなところは、最後の表情です。あと、ちゃんと意味のある手の挙げ方も好きです。赤楚くんは、(甲高い声で)「九賀くん!」って言うところです。 赤楚さんあ、分かった! かなり誇張されていますが(笑)、僕が全身全霊をかけたお芝居になっています。 佐藤監督美月ちゃんの好きなところは、(言い方を真似て)「何どさくさに紛れて…!」って言うところです。その後に続くセリフも表情も含めて好きです。西垣くんの好きなところは、(言い方を真似て)「俺はな、もうなダメだ」って言うところです。現場でも、「何か訛っていない?」っていう話になったんですが、でもOKになったそのシーンが好きです。 MC本作にちなんで、皆さんの忘れられない「嘘」についてのエピソードを教えてください。 赤楚さん(挙手して)まず、トップバッターいきます!僕、エイプリルフールに、友だちに「一万円拾ったんだよ。」って嘘をつきました。そしたら、その日に一万円を拾ったっていう…嘘です。 佐藤監督これも嘘なの?! 赤楚さんはい、今嘘をつきました。(登壇者の皆さん:ざわつく) 浜辺さん私、右足にすごく大きい青タンがあるんです。もう緑色で、これからモリゾーとキッコロになるんじゃないかみたいな青タンがあります。それを、他の現場では「最近、転んじゃったんです。」と言ったんですが、実はでんぐり返しをして、できました。すみませんでした。 佐野さんえ、でんぐり返しで、青タンができたの? 浜辺さんはい。後転ができると思ったら、ちょっと背中が硬くて…、足が思ったところに行かなくて、ぶつかってしまいました。痛いんですが、正直に言うのは大人としてどうなのかと思ったので、隠しました。佐野さん僕は、小学校の時にお母さんとお父さんにテストをいっぱい隠しました。「テスト返ってきたの?」って聞かれても、「返ってきていない。先生が忙しいんだって」って噓をついて、机の中に20枚ぐらいためていました。すみません。 山下さん私は、ファンの皆さんについていたハッピーな嘘があります。私は、以前は髪の毛が今より20センチぐらい長かったんですが、実は髪を切ったことを今日までずっと隠していました。ロングヘアの写真を撮り貯めして、ファンの皆さんにはそれを送っていました。客席に私のファンの方がいたら、「(髪が)短くなっている!」と思ってくれるかなという、サプライズ嘘です。ぜひネットニュースなどにお願いします(笑)。 倉さん僕は、プロフィールに身長173センチって書いているんですが、実は171センチしかなかったんです。でも、今年173センチになりました!(会場:拍手) 佐藤監督成長しているってこと? 倉さんそうです! 今日は厚底靴で少しだけ盛っています。 西垣さん僕は、最近ゴルフを始めたんです。それで、赤楚くんからお誘いをいただいて一緒にラウンドを回りました。僕は「始めたばかりだから、上手じゃないよ」って言ったら、赤楚くんが「僕も大して変わらないから、一緒に行こうよ」って言っていたのに、行ったらボコボコにされました(笑)。 MC騙し騙されのエピソードでしたが、皆さんは騙されやすい方ですか?「自分は騙されやすい」と思う方、手を挙げてもらっても良いですか? 挙げていないのは、山下さんと倉さんですね。 山下さんそうですねぇ。浜辺さん「六嘘」の舞台挨拶だから、私たちも何か騙されるんじゃないかと思って、ずっと怖かったんです。だから、今日は誰も信じていませんでした。 MC最後に、代表して浜辺さんからご挨拶をいただきます。 浜辺さん今日は、どんなサプライズというか「嘘」が待っているんだろうとすごくドキドキしていました。でも、何事もなく無事に皆さんに本作を観ていただけるようで、とてもうれしいです。本作は、昨年の九月から撮影を始めて、一カ月半と言う短い撮影期間でした。皆さんに最後まで楽しんでいただけるようにと、六人でミステリーの難しさ、そして、原作が素晴らしいからこその難しさに向き合いました。予告編では、すごくバチバチしていましたが、六人で協力して、監督やスタッフ、キャストの皆さんに導いていただいて、作品を作りました。本作でこの六人がつく嘘には、嘘、偽りはございません。最後まで、この六人の嘘を楽しんで、ドキドキしてください。本日は、本当にありがとうございました。
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「最後まで行く」初日舞台挨拶「最後まで行く」公式サイト韓国で大ヒットを記録し、フランス、中国でもリメイクされたサスペンス・エンタテインメントを岡田准一さん、綾野剛さんらを迎え、「新聞記者」、「余命10年」の藤井道人監督が日本でリメイクした「最後まで行く」が5月19日ついに公開! 東京・日比谷のTOHOシネマズ 日比谷で行われた舞台挨拶に岡田准一さん、綾野剛さん、広末涼子さん、磯村勇斗さん、柄本明さん、藤井道人監督が登壇しました。こちらの舞台挨拶の模様をレポートいたします!初日舞台挨拶工藤祐司役岡田准一さん矢崎貴之役綾野剛さん工藤美沙子役広末涼子さん尾田創役磯村勇斗さん仙葉泰役柄本明さん藤井道人監督■キャスト陣が客席通路を通って登場! 本作を観終えたばかりの観客から大歓声で迎えられました。岡田さん皆さんは本作を観た後ということですが、いかがでしたか?(会場:拍手) やっと、今日本作を封切ることができて、僕のほうにも朝から「観たよ」という連絡や、皆さんの感想をSNSなどを通じていただいております。この「最後まで行く」という作品は、クセになるような、日本映画の希望を感じるような作品になっていると思います。この旋風がもっともっと広がっていくように、何回でも友だちを誘って観に来てください。 綾野さんやっと皆さんに本作を届けられる日が来ました。今日、この場に立てていることにとても興奮しています。皆さんに本作を観ていただいた状態でお話するのも初めてなので、短い時間ですが楽しんでいただけたらと思います。 広末さん私もこうやってたくさんの皆さんが本作を観て、興奮が冷めやらぬ感じで会場を包んでいることにとっても興奮しています。綾野さんと同じですが、綾野さんはそんなに冷静に「興奮しています」と言われても興奮しているように全然見えないんです(笑)。でも私は本当に興奮しています。この日を迎えられてとってもとっても嬉しいです。今日は楽しんでいってください。 MC綾野さん、興奮していらっしゃいますよね? 綾野さん大興奮しています。髪も短くなっちゃいましたし(笑)。 磯村さん本日はお越しいただきありがとうございます。こうしてやっと公開を迎えて、このままこの作品が走り続けてほしいと思っております。短い時間ですがよろしくお願いいたします。 柄本さんどうもご来場ありがとうございます。何か若い人ばっかりで申し訳ないというか…。皆さん本作は観たんですよね? じゃあ、今この会場で本作を観ていないのは僕だけだと思います。これから観るようにいたしますので、皆さん、本作の面白いところを教えていただければ幸いです。 藤井監督お足元の悪い中、お越しいただきありがとうございます。一年前に本当に大好きな仲間たち、先輩方と、胸を張って「面白い」という作品が作れて、それをこうして皆さんに届けられて嬉しく思っています。今日は短い時間ですが、よろしくお願いします。 MCここから、上映後だから話せる本作の魅力についてお伺いできればと思います。 岡田さん綾野くんが(舞台挨拶の劇場に)入って来た時、会場の皆さんは、本作を観終わった後だから、どういう風に見て良いか分からないと思うんですよね。綾野くんが狂気の役だったので…。入って来た時の「キャーっ!」て言ったのがどっちの意味なのか? 広末さんどっちの「キャーっ!」なのか? 岡田さんそう。「キャーっ! 怖い!!」なのか…。 MC黄色い声援なのか悲鳴なのか…? 広末さんじゃあどちらかに拍手をしてもらいましょう! 黄色い声援か恐怖か? 岡田さん黄色い声援だったという方? (会場から拍手) これは完璧決まりましたね(笑)。では、恐怖の声援だったという方? (会場から先ほどと同じくらいの拍手) …半々くらいですかね?綾野さんは本当にぶっ飛んだ役柄でしたが、現場ではすごく優しいし、現場をよく見ている方でした。僕は「ひらパー(ひらかたパーク)」のイメージキャラクターをやっているんですが、現場でその話になったら「准一さん、やられてますよね?出たいです」って言ってくれたんです。そういう「良いものをやりたい」というものづくりへの情熱が本当に真摯でした。それが映画の中にもずっとあったので、共演していて本当に楽しかったですね。「良いものを作るためのことしか考えたくない」という感じが心地良かったです。MC対峙するシーンも多かったですが、そういう真摯な姿勢が伝わってきましたか? 岡田さん(綾野さんに)どうでしたか? 綾野さんいや、もう人間力がすごいんですよ。 広末さんそうですか? ちょっと“ひらパー”を推し過ぎじゃないですか? 本作の宣伝なのに毎回、“ひらパー”の話ばっかり…。 岡田さん「おま!」(岡田さんがひらかたパークのイメージキャラクターに就任された時から「超ひらパー兄さんでおま!」などの決めゼリフに使われ「おま!」がおなじみとなっている。) 広末さんほら! 地元愛をこういうところをアピールして! 岡田さんそうだ。僕、涼子ちゃんに言いたいことがある。 広末さん何でしょう? 岡田さん今日、楽屋に来て、ケーキと手紙をくれたんですよ。「岡田さんとはまた共演すると思いますんで」って結構、感動的なことを言ってくれて…。「あぁ、なんて良い人なんだ」って思いました。でも、「(手紙を)書いている途中で来ちゃって…」って横で続きを書き出して…(笑)。 広末さん手紙の締めがちゃんとできていなかったから(笑)。 岡田さんそうそう、その場で締めを書いてくれたんです。でも、「岡田准一」の“准”が違う“ジュン”の字だったんですよ。 広末さんえ? その時ちょっと思いはしたんですが…。 岡田さん松本潤の「潤ってる」ほうの「潤」になっていて…。 広末さんえ? 純粋の「純」じゃないよね? 間違っていた? 岡田さんニスイ(冫)に進の右側なのよ(=准)、僕の字は。 広末さんそう言われれば! あぁ、ごめんなさい(笑)! えぇ、嘘! 岡田さん潤ってねーから(笑)! 広末さん潤ってるでしょ(笑)? 岡田さん昔から知っているんだから…。 広末さん私、「岡田くん」って呼んでいて…。皆さんは「准一」さんって呼んでいるみたいなんですが…。 綾野さんそうですね。「准一さん」ですね。 広末さん23年前にドラマ(「オヤジぃ。」2000年にTBS系列にて放送/主演:田村正和)で私の弟役で共演したんです。だから、今回、私が妻役ってすごく意外で「良いんですか?」って…。だから、当時のまま「岡田くん」っていう呼び方のままなんですよね。「准一」ってのがイマイチ…。何なら「シュウイチ」だったかなとか…(笑)。皆さん「准一さん」って呼ばれるんですよね? 綾野さんそうですね、僕は…。何の話をしているんでしょう(笑)? MC綾野さんは、本作の魅力についていかがですか? 綾野さんぶっ込んできますね(笑)。本作の魅力ですか? いやぁ、本当に、今何も考えずにお二人の話をずっと聞いていたので…(笑)。でも、登場人物皆さんが魅力を持っていますよね。ちゃんと役割を持っていて、ちゃんとそれが混ざるって作品がなかなかないと思っています。96時間、約四日間のお話の中で、それぞれが一緒にいるシーンがそこまで多いわけじゃないのに全部のシーンがつながっているっていうのはなかなかないと思っています。シンプルにエンタメとして面白いと思っていますね。広末さん実際、あれだけやって、あれだけ地面に素手で這いつくばったり殴り合ったりして、ケガとかはなかったんですか? 綾野さん僕は手袋をしていたのでまだ良かったんですが、准一さんのほうは素手だったので…。 岡田さん冷たかったですね、墓が…。こんなに冷たいんだ、冬の墓場って…。 広末さん本当に寒かったですよね。 岡田さん一月の、真冬の撮影でしたね。 綾野さん土の地面も凍っていて、コンクリみたいになっていて…。 広末さん朝方まで…。 岡田さんでもケガはなかったですね。 綾野さんかすり傷くらいですね。 岡田さんまあ、「どこからがケガか?」っていう話もありますが…。 綾野さんそうですね。 岡田さん僕らたぶん、ケガの基準が人よりね…? かすり傷くらいはケガには入らないんで。 綾野さんですね。 MC磯村さんはいかがでしたか? 過酷さという点では死体役ということで…。 岡田さん役作りはどうしたの? 磯村さん役作りは、「どう死んでいるべきかな?」と考えていました。 岡田さんあ、そう(笑)? 磯村さんずっと死んでいることが多かったので、何というか息を止めるという。 岡田さん止めるんだ? 磯村さん止めますよね。 綾野さんお腹の動きもね。 磯村さんなるべくしないようにしていました。でも、どうしても一連で撮る時は、息がもたないですよね。 岡田さんどうしてたの? 困るよね? 磯村さんその時に思いついたんですよね。普通に肺で呼吸すると動いちゃうんでダメなんですよ。だから、口でちょっとずつ息を入れるんです。そうすると全く動かないんです。それに今回気づけて、死体役をやれて良かったです。広末さん向いていたんだよ! だって「おくりびと」(2008年公開/監督:滝田洋二郎/出演:本木雅弘 ほか)も死体オーディションありましたもん。だってどんなに息を止めていても、静脈が浮いちゃったりする人は、カメラが寄ると分かっちゃうんだって。向いてるんだよ。また話が来るよ、きっと! 磯村さん来ますかね? オーディションがあったら受けたいです(笑)。 綾野さんちなみに、(本作の中で岡田さん演じる工藤が)尾田のモノマネをしているじゃないですか? あれは尾田からするとどういう…(笑)? 岡田さんそのことについて話してはいないじゃない? 磯村さんたしかに一切話していないですね。たぶん、普段の会話の中からマネされたのかなって…。僕、死体としてずっと車の中で聞いていて、メッチャ笑いました。でも動いちゃダメなので我慢していたんですが…。似ているのかな? 誇張し過ぎた尾田ってことであれば良いんじゃないかと(笑)。 広末さん試写で観た時、綾野くんと私が爆笑しました。 綾野さん本作は「笑って良いのかな?」って探り合いがあるじゃないですか? それが「あぁ、笑って良いんだ!」って思えた瞬間でした。 広末さん(会場に向かって)皆さん、笑いましたか? (会場:拍手)ですよね? あれはもう「何やってくれてるの?」って(笑)。 岡田さん現場でいろんなことがあったんですよね。そういえば柄本さん、一つだけ聞きたいことがあるんですが、良いですか? トカゲをぴょこぴょこってやるじゃないですか? 柄本さんそんなことやったっけ? 何か「トカゲ」ってセリフはありましたね。 岡田さん「トカゲがぴょこぴょこ」って言うあの時、一瞬、顔マネしていなかったです? 柄本さんしていないよぉ(笑)。 岡田さんしていなかったですか? 一瞬、舌なめずりしていたから、「あれ?これトカゲのマネしたのかな」って。 柄本さんトカゲの顔ってどんな顔よ? 岡田さん(報道陣に)いや、今写真を撮らないでよ(苦笑)! みんながカメラを構え出した…(笑)。こうやって「ぴょこぴょこ」って言い出した時に、首を出して…。「僕、今トカゲをやっているんだ」って感じた時があったんですが…。 柄本さんイヤぁ、それは記憶にないですね。分からないです。覚えていない(笑) 綾野さん監督、そういう演出はしたんですか? 藤井監督していないです(笑)。 岡田さん僕の勘違いですね(笑)。 MC監督はコロナ禍で撮影の延期もありましたが、それを乗り越えて、こうして初日を迎えることができましたが、いかがですか? 藤井監督クライマックスシーンは、中断してから11カ月後の撮影で、それまで積み上げてきたものがあってのラストシーンで…。カウントダウンだから人がたくさん集まるシーンだったので、コロナ禍が明けてから撮影をしました。だから、撮影が本当に最近だったんです。でも、「ギアをバチンッと戻してくる岡田さん、剛さん、広末さん、本当に素晴らしいな」って思いました。去年一年間は、この作品がずっとあった感じでした。 岡田さん最後の車のシーンは一年くらい空いて、朝早く来て「久しぶり!」って挨拶をして、僕は泣くわけですよ(笑)。綾野くんもひらがなの「へ」みたいなすごい顔をしていて…。あれを見て「すごいな」って思いました。でも、僕も泣かなくちゃいけなくて…。でも、何も褒められなかったですよね…。 綾野さんサラッとでしたね。 岡田さんサラッと「次のシーン行きます」「綾野さん、終わりです。お疲れ様でした」ってね。あれは内心、どうだったんですか? 藤井監督「すげぇ良かったね!」って言いながら、次の現場に急いで向かっていました(苦笑)。 岡田さん車の中で? それは、一言、言ってほしかったな…(笑)。 綾野さんブランクというか、ずっとこの作品の完成を楽しみにしていたので、10カ月撮影が空いていたことも愛おしい時間でした。とにかく最後まで走り抜くということが楽しみで仕方なかったので、「空いていた」という感覚じゃなく、ずっと役がありました。 岡田さんこれでやっと撮り切れるというね。 綾野さんそうですね。やっと撮り切れる喜びもありました。准一さんは、朝6時くらいから橋にいて撮影をしていました。テストもほぼなくいきなり本番で、…あの状態でよく瞬間的に涙が出てくるなんてすごいなって僕も試写を見て思いました。 岡田さん僕らは本当にずっと本作が出来上がるのを楽しみにしていました。絶対に面白くなるはずだから、その出来上がりを早く観たいなと…。撮影期間は空いているんだけれど、ずっと心の中にこの作品があったから…。「空いている」って感じはなかったですね。 綾野さんそうですね。 MCタイトル「最後まで行く」にかけた質問です。皆さん、今後、俳優・監督として「最後まで行きますか?」 岡田さんはい、行きたいとは思っています。できる限り、夢はまだこれからだと思っているので…。夢を追いかけながら、「皆さんが本当に面白いぜ」っていう作品をみんなで作っていきたいと思っています。 MCご自身の中で課題や成長したい部分などはあるんですか? 岡田さん「いつまで全力で動けるか」っていうのはありますね。体力的に…。動きのピークというか、身体がどこまで動かせるかということによって、表現できる形も変わってくるかもしれないですね。身体操作とか、心情操作とか、それらのバランスがどこかで変わっていくだろうとは思います。自分が求める俳優像は両方できることなので、「どこまでできるかな」っていうことはあります。 MC綾野さんは俳優として「最後まで行きますか?」 綾野さんはい、そうですね。でも、何が「最後」なのか…。ただ、一緒に作品を作ることに対する目標を一緒に叶えたい仲間たちがいて、そしてまだ、なかなか想像できないけれど何となく皆さんと一緒に見たい景色があるので、それを一つ一つ丁寧に叶えていきたいと思います。 MC広末さんはいかがですか? 広末さん私は俳優であり母親なので、正直なところ、いつでもやめて良い覚悟はあります。でも、全力で挑みながら生きている限り続けたいです。MC磯村さんはいかがでしょうか? 磯村さんそうですね、死んだことすらも「あいつ、芝居なんじゃね?」と思える「最後」までは行きたいですね。 MC数々の先輩方との作品でしたが、この作品は磯村さんにとってどういう影響を与えてくれましたか? 磯村さん藤井さん、綾野さんとは何度もご一緒していますが、今回は、岡田さん、広末さん、柄本さんという偉大な先輩ともご一緒できて、めちゃくちゃ緊張感がある中で、実りある時間をいただけたと思います。最後まで、皆さんからいただいた愛情を持って、墓場に入りたいと思います。 MC柄本さんにもお伺いできればと思います。 柄本さん僕も何か言わないといけないですか? いや、こちらの皆さんはまだお若いけれど、僕はもうほとんど最後みたいなもんだから…。まあ、需要と供給の問題ですね。こっちがいくら供給しようとしても需要がなくちゃしょうがないからね。岡田さんものすごく現実的なことを言いますね(笑)。 柄本さんそれだけですよ。しょうがないですよ。 広末さん需要がある限り? 柄本さんもうないんじゃない? よく分からないですね? MC皆さん、まだまだ観たいですよね? 柄本さん(会場からの大きな拍手に)ありがとうございます。 MC監督もお願いします。 藤井監督本当に柄本さんがおっしゃる通り、求められたことに一生懸命球を打ってきたので、求められているうちは、良い作品を作っていける環境を作っていきたいと思っています。日々精進中でございます。 MC最後に岡田さんから皆さんにメッセージをお願いします。 岡田さん今日は本当にありがとうございます。本作は、自分たちが自信を持って皆さんに勧めたい映画です。日本映画が世界に届くエンタテインメントを作れるように。皆さんも人生がいろいろある中で、本当に「良い時間を過ごせた」と思ってもらえるものを作れるように、頑張って仲間たちとこれからも作品を作っていく所存です。ぜひ応援していただければありがたいです。皆さんが喜んでくれる笑顔、「面白かったよ」というのが僕らの力になります。ぜひどこかで周りに伝えていただき、今日、面白かったと思っていただいた方はぜひ応援をお願いいたします。
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映画『GEMNIBUS vol.1』製作発表会見映画『GEMNIBUS vol.1』公式サイト東宝が新たに立ち上げた才能支援プロジェクト「GEMSTONE Creative Label」の劇場公開作第一弾となるオムニバス映画『GEMNIBUS vol.1』が6月28日(金)2週間限定でTOHOシネマズ 日比谷、TOHOシネマズ 梅田にて公開されます。 4月23日、本作の製作発表会見が都内で開催され、4作品の監督を務めた上西琢也(『ゴジラVSメガロ』)さん、平瀬遼太郎(『knot』)さん、ちな(『ファーストライン』)さん、本木真武太(『フレイル』)さん、本作の公式アンバサダーを務める上白石萌歌さんらが出席しました。こちらの会見の模様をレポートいたします。製作発表会見『ゴジラVSメガロ』監督上西琢也監督『knot』監督平瀬遼太郎監督『ファーストライン』監督ちな監督『フレイル』監督本木真武太監督エンタテインメントユニット 開発チーム 常務執行役員大田圭二さん開発チーム チームリーダー 『knot』プロデューサー馮年さんGEMSTONE Creative Label 統括 『フレイル』『ゴジラ VS メガロ』プロデューサー栢木琢也さん『ゴジラVSメガロ』プロデューサー柳澤俊介さん『ファーストライン』プロデューサー今井翔大さん『フレイル』プロデューサー山﨑麻衣さん『knot』アシスタントプロデューサー疋田華恋さん『GEMNIBUS vol.1』公式アンバサダー上白石萌歌さん大田さん本日はお忙しい中、多くの方にお越しいただきましてありがとうございます。私は、東宝でアニメの本部長、チーフ・ゴジラ・オフィサーという役職を務めていますが、また開発チームという部署も担当しております。このチームが手掛けている軸の一つに「才能の発掘と育成」というミッションがあります。本日は、その一つを発表する機会を設けさせていただきました。東宝という会社は映画・演劇・アニメなど様々なエンタテインメントをお客さんに届ける企業体ですが、とりわけ映画業界におきましては、リーディングカンパニーとして、今の流行りの言葉で言うならば、持続的成長を促進させるため、責任を負わなければいけないと思っております。その成長を遂げるための要素――それは才能、クリエイターだと思っております。東宝は、才能の発掘や育成、特に若い方へチャンスを与えるということをあまりやってきませんでした。今回、特にチャレンジ的な機会ですので、ぜひ注目していただければと思います。その才能支援の一環として、「GEMSTONE Creative Label」というレーベルを立ち上げました。お金だけ出して、作品を作ってもらってハイ終わりではなく、我々は製作の機会を作り、上映をして、作品をお客さんに届けて、その価値を感じてもらうところまでやっていきます。配給は、新レーベルの「TOHO NEXT」が力を入れて配給します。館数は少ないですが、まずはそこから始めてまいります。今回、四つの個性あふれる作品、四人の才能あふれる監督、そして、東宝の入社10年目までの若いプロデューサーが監督と共に作品を作り上げました。若い方たちのパッション、エネルギーにぜひ、注目していただければと思います。本日はよろしくお願いいたします。 馮プロデューサー私からは、簡単に開発チームがどういうチームで、才能支援というプロジェクトに関してどういうアプローチをしているかをご説明します。開発チームは、二~三年ほど前にできた部署です。東宝の映画・演劇・アニメなどの既存のビジネスとは異なる新しいビジネスを立ち上げたり、「東宝が今までやってこなかったことにチャレンジしていこう」というミッションをもって立ち上がりました。様々な事業や企画のタネを仕込んでおりますが、本日は才能支援に絞ってお話をします。「クリエイターと出会うこと」「ものを作ること」――「出会う」と「作る」という二つのキーワードで私たちは才能支援に向き合っております。昨今、若いクリエイターが力を発揮しようと思っても、打席に立つ機会がなかなかないことに対し、どんどんと打席に立つ機会を提供したいという思いがあります。「出会う」ということに関しては、TikTokさんと組んで映画祭(「TikTok TOHO Film Festival」)を開催したり、集英社の「少年ジャンプ+」さんと組んで映像コンテのコンテスト(「東宝×ワールドメーカー短編映画コンテスト」)を開催するなどの取り組みを行なっております。そこで出会ったクリエイターさんたちと、次は「ものを作る」というフェーズに移行します。「作る」ということに関しては、今回の『GEMNIBUS vol.1』の劇場公開が初めての取り組みとなりますが、詳細は、栢木から話します。栢木プロデューサー私は、統括と言いましても、まだ20代で、ようやく若手を卒業したような社員です。そんな私から見ても、熱量や才能を持った若いクリエイターが日本にはたくさんいるにもかかわらず、挑戦する機会が少ないのではと思っていました。実績にとらわれることなく、失敗を恐れずに新しいコンテンツを作り出す場を作りたいと思い、この「GEMSTONE Creative Label」を立ち上げました。「GEMSTONE Creative Label」は東宝の入社10年目以下の社員で構成され、企画系の部署だけではなく、部署横断的に熱量を持った社員が集まって運営しております。この度、その思いに共感してくださる四人の監督との出会いがあり『GEMNIBUS vol.1』という形で初めて劇場公開して皆さんにお届けすることができます。「GEMSTONE Creative Label」にとって、まさに最初の一歩と言える取り組みです。このような取り組みを今後も続けていきたいと思っておりますので、ぜひ応援していただきたいと思います。「GEMSTONE Creative Label」は常に新しい才能をお待ちしております。ぜひ、一緒にいろんな作品を作っていければと思います。 MCそれでは『GEMNIBUS vol.1』の各作品の監督とプロデューサーをお迎えしたいと思います。 ■『ゴジラVSメガロ』チーム 柳澤プロデューサー普段はアニメなどの作品をやっている人間ですが、ご縁がありまして(上西監督の)『ゴジラVSメガロ』に関わることとなりました。今回、続編という形ですが、それだけでも楽しめる「ゴジラ」作品が作れればという思いで携わりました。『ゴジラVSガイガンレクス』(「ゴジラ・フェス2022」で公開された短編フルCGアニメーション作品)から比べても、パワーアップしていますし、すでに『ゴジラVSメガロ』はYouTubeで公開されていますが、今回上映するものは映像面・音響面をさらにブラッシュアップした「シネマティック・バージョン」となっています。その点を含めてご覧いただければと思います。 上西監督すでにYouTubeで公開されている作品ではありますが、今回、劇場版に向けていろいろ手を入れてボリュームアップ、グレードアップしています。ぜひ、劇場で観ていただければと思います。 柳澤プロデューサー本日は撮影監督の柴田晃宏さんもお席にお越しいただいております。上西監督と柴田さんのタッグという形で作っておりますので、その点もご注目ください。 ■『knot』チーム 馮プロデューサー平瀬監督との出会いは、TikTokさんとタッグを組んで開催した「TikTok TOHO Film Festival」という縦型のスマホ向けの映画祭でした。平瀬監督はその第2回の受賞者で「サードアイ賞」(最も縦型映画の可能性を感じさせる作品に贈られる賞)を受賞されました。監督の「娯楽」という作品はホラーですが、全編スマホの中で完結しており、ものすごくリアルな恐怖と没入感を与える作品でした。これはすごく面白いと思い、平瀬監督と話をして、人となりを知っていく中で、非常にビジュアルをもってストーリーテリングをする方だと思いました。描きたいテーマがきちんとあるので、すごくストーリーテリングに長けた方だと思い、ご一緒させていただきたいとオファーをしました。 平瀬監督こうして発表することができて、この日を迎えてうれしく思います。TikTokさんの賞をいただいてから、このお話をいただきました。どういうものを描きたいかと考えた時、自分の中で長年のテーマである「親子」がいいなと思いました。今まで一緒にやってきたスタッフ、新しく一緒にやったスタッフ、キャストの皆さん。本当に全ての皆さんのおかげで本作ができたと実感しております。公開された際には、私の作品を含めた四作品を受け止めて帰ってほしいと思っております。疋田アシスタントプロデューサー本作にアシスタントプロデューサーとして参加しました。今回、映画製作について右も左も分からない、入社一年目の時の私をチームに受け入れてくださった平瀬監督には感謝の気持ちでいっぱいです。『knot』は映像がとにかくカッコ良く、斬新な映像的仕掛けもあります。また、物語も短編ながら厚みがあり、考察しがいのある作品になっています。是非、SNSで考察などを投稿していただき『GEMNIBUS vol.1』を一緒に盛り上げていただければと思っております。 ■『ファーストライン』チーム 今井プロデューサー今作『ファーストライン』は、アニメーションの世界の、一人のアニメーターの苦悩を描いた作品です。私の方からは、今回の企画の根幹に関わった二人の方に感謝を申し上げたいと思います。まず一人目は、スタジオジブリのアニメーターの井上俊之さんです。ちな監督は「TOHO animation STUDIO」に所属しておりますが、当時、僕は全く知りませんでした。そんな僕とちな監督をつないでくださったのがジブリの井上俊之さんでした。そして、もう一人は、今回音楽を担当してくださった角野隼斗さんです。ちな監督と同い年で、音楽というフィールドで圧倒的な活躍をしている彼が、音楽で本作に関わってくださり、本作がより大きくなったと思います。 ちな監督今回の作品『ファーストライン』は若いアニメーターを主人公とした作品です。アニメの監督や制作進行、漫画家さんが主人公のお話はこれまでもありましたが、アニメーター自身が主人公のアニメ作品は意外とこれまでなかったと思います。今回、今井さんからも紹介があったように、アニメーターの大先輩である井上さんにご紹介いただき、チャンスをいただきました。バトンを託してもらえたという気持ちもありつつ、このバトンを次の世代の若いアニメーターにもつないでいきたい思いもあります。これからアニメーターを目指す学生さんや、4月からアニメ業界に入ったアニメーターの方たちに、作画に向き合う、動きに向き合うというアニメーターの根幹のテーマを通じて、寄り添うことができたらと思い作りました。アニメーターの人たちにぜひ観ていただきたい思いもありつつ、四作品ともたくさんの方に観ていただきたいと思っております。応援よろしくお願いいたします。■『フレイル』チーム 栢木プロデューサー本木監督との出会いは、TikTokの映画祭の受賞パーティでした。そこで初めてお会いして、本木監督は「栢木さん、僕はスティーブン・スピルバーグになりたいんですよ」とメチャクチャ真面目な顔でおっしゃいました。すでに夢が大きくて、視点が世界にあることにほれ込んで「では、壮大な作品を作りましょう」と企画開発に努めました。この『フレイル』という作品は、少子高齢化を題材に、学園を舞台にした青春SF作品です。本木監督だからこそ描ける壮大な作品になっていますので、ぜひお楽しみいただければと思います。 山﨑プロデューサー『フレイル』は、カナダで映像制作を学ばれた本木監督と、北米に本社のある制作会社バージンアース社との新しいタッグで制作しており、撮影現場でも英語と日本語が飛びかうエキサイティングな現場でした。ハリウッドではスタンダードとされる制作プロセスも取り入れたりと、新たなチャレンジを様々な点でしている作品です。きっと皆さんに楽しんでいただける作品になっていると思います。 本木監督今、日本の若手監督の中でハリウッドに一番近い監督だと思っています。ハリウッド作品が大好きで、言葉が分からなくても、世界中の人に伝わるようになれば良いなと思って作った作品です。なるべくセリフを少なく、ビジュアルテリングで「画で語る」というところを観ていただきたいです。本作はゾンビ映画であり、娯楽ものなのですが、ただの娯楽作品では終わらず、社会問題を取り上げています。楽しみつつ、若い世代からお年寄りまでが少しでも「生きること」を考えられるよう、人生において、本作がどういうものになるかを意識して作りました。そのあたりにも注目して観ていただけたらと思います。■質疑応答 MC四人の監督は、今回劇場作品を制作されるのは初めてですが、普段と異なっていたこと、意識した点、今後の創作に影響を受けた部分などを教えてくさい。 上西監督普段と違うことといえば、まさに今のこの場のような注目を浴びる経験ですね。普段はCG制作を行っているので、このような普段では経験できないことをしていると思います。また、今回は劇場公開作品なので、大きな画面で観ます。スマートフォンなどで観るよりも画面の1ショット、1ショットに気を遣って製作しました。 平瀬監督まず、関わる人の数の多さが一番違うところだったと思います。映像を作るのにこれだけの人が関わって一本の作品を作るのは、いまだかつてない経験でした。特に意識したことに関しては、劇場公開なので、劇場という空間で観ている人たちがどのように受け取るかという部分です。画角や音の処理といった部分は非常に気をつけて撮影、製作しました。 ちな監督やはり普段はモニターで観る作品を作っているので、アニメの場合、モニターで観る作品だと、あえてスクリーンで観た時のようなディフュージョン(光を拡散させて、ふわりとした印象を出すフィルター)をかけて、光の拡散を考えて処理を施します。でも、今回は本当にスクリーンで観てもらうので、スクリーンに映った時の光の観え方や、色の使い方は、普段のテレビアニメでやることとは違うことを目指してやっていきましょうと、スタッフとも話しました。何より、劇場になると音響がすごく贅沢に使えます。なので、音楽で参加してくださった角野さんや音響周りのスタッフの皆さんの繊細な仕事を見て、「今、普段とは違うモノづくりをしているんだ」とワクワクした気持ちで、刺激的な現場でした。 本木監督僕は普段はワンオペなので、撮影・ディレクション・照明・音声・グレーディング(撮影後の映像の階調・色調を整える画像加工処理)など全部一人でやっています。今の時代は機材も安くなって、一人でやれてしまう世の中です。でも、今回の『フレイル』でたくさんの人と関わってみて「一人の限界」を感じました。これだけの人が関わり、それぞれの部門のエキスパートの方たちとアイディアを組み合わせたからこそ、こんな素晴らしい作品ができるんだという感動がありました。クリエイティブの部分でも、一人だと悩んで「これで良いのかな?」と不安を抱えて臨むことが多いんですが、山﨑さんや栢木さん、馮さんといった東宝のプロデューサーさんが知恵を貸してくれました。なので、「これはどう思いますか?」と聞いた時には的確なアドバイスをくださりつつ、「監督の作品だから作品ファーストで」と芸術性の面を立てて評価してくださる部分もありました。その辺りで僕は一人で作るよりもたくさんの方が関わって作るほうが好きだと改めて感じました。これを機に今後もたくさんの人と関わり最高の作品を作りたいと思いました。今回、東宝がこうしたプロジェクトを開始したことが、クリエイターにとってどのような意味を持つか? 実際に参加されて感じたことを教えてください。【記者質問1】上西監督機会を与えてくださって非常に感謝しているところです。やはり若手の監督は、発表する場を欲しています。東宝さんのような大きい会社がこういう場を設けてくださるのはうれしいです。 平瀬監督若手にスポットライトを当ててくれる企画で、若手のプロデューサーと共に「何か面白いことやろうぜ」というスタンスでのもの作りができました。映像業界で今後も必要な姿勢だと思いますし、こういった取り組みは素晴らしいと思います。今後もこういった機会があって、もう一度となれば、若手も僕も「頑張ろう」と前向きな姿勢になれると思います。こういう取り組みが、相乗効果で若手映像作家の未来を担っていくプロジェクトになるんじゃないかと参加しながら思いました。そのために頑張ろうと思ってやっていました。 ちな監督今回の『GEMNIBUS vol.1』の中で、三作品が実写の中、アニメの枠を一作品分つくってくださって、しかもそこに選んでいただきありがたいと思っています。実写の監督さんや漫画家さんはいろんなコンテストがあるけれど、普段テレビアニメで頑張っている若手の演出やアニメーターにとっては、世に出る機会が少ないんです。だから、アニメに情熱のある若い人たちがたくさんアニメ業界に入ってきているので、「GEMNIBUS」という企画から、どんどん出てくると良いなと思います。支えとして、東宝という大きな会社がリードしてくれるのはありがたいことだと思っています。 本木監督僕の場合、いろんなキャリアの積み方がありますが、下積みを何十年もして、やっと監督になるというのは自分には合わないと思っています。アナログからデジタルになり、何百万もした機材が、数十万と買いやすくなったり、SNSの時代に合わせてセルフプロデュースで自分の作品を日本だけでなく海外に向けてどんどん発信できる世の中になりました。僕はそれに合わせて、TikTokやインスタで自分の作品を発表していました。そして、東宝がそういう作品を見て、SNSだけで終わらない「劇場公開も」と声をかけてくれました。若手の可能性を信じてくれる――それはすごく挑戦的です。僕だったら絶対にやらないと思います(笑)。若手にお金をかけて、ここまでのものを作らせてくれるのはかなり攻めていると思います。アメリカや韓国では聞く話ですが、「日本でもこれをやるのか?」という感動もありましたが、これまでだまされたこともあったので「本当かな?」と思いつつ、「でも東宝だしな」と…(笑)。こういうチャンスを与えるのは、これからの映画業界を底上げするのに、クオリティをアメリカや韓国と合わせるのにはすごく重要なことだと思います。僕もたくさんお金をかけて、信じてもらえたことに対し、返せるようにとプレッシャーも感じつつ、日本映画界の底上げを自分も担っていければと思って活動しています。このチャンスを与えてくださったことは、日本の映像業界が変わっていく大きな出来事だと思うので、これからが楽しみです。今回「vol.1」ということですが、今後の展開、続編の予定などはあるのでしょうか?【記者質問2】栢木プロデューサーこういった取り組みは、続けていくことが重要だと思っております。その覚悟を示すためにも「vol.1」というタイトルにしました。「vol.2」を製作すべく、新たな才能を持ったクリエイターと企画開発を進めております。実写であれば年内撮影というイメージで、企画開発を進めています。これからもどんどん続けていこうと思っています。 大田さん継続するのが大事だと思うので、しつこくやっていきます。 MCここで『GEMNIBUS vol.1』の公式アンバサダーを務める上白石萌歌さんにご登場いただきます。 上白石さん今日は雨の中、お越しいただきありがとうございます。本日はよろしくお願いします。 MC今回、アンバサダーに就任いただいてお気持ちはいかがですか? 上白石さん新しい才能が芽吹く瞬間に立ち合えることを光栄に思っています。私自身、映像作品やエンタメ全般がすごく好きで、私もエンタメに携わっている中で、へこんだりすることもありますが、そのへこみをまた膨らませてくれるのもエンタメの力です。まずは今回、誰よりも早く四人の監督の作品を体験できることが純粋に楽しみでした。皆さんの魅力をもっと発信する手助けができればと思っております。MC俳優として作品に携わる立場から、今回のこうした企画・取り組みをどのように感じていますか? 上白石さん皆さんの才能がいろんな方に発見されて、いろんな方に渡っていくのは素敵な取り組みだと思います。映像やエンタメの世界もどんどんと進化しています。その先頭に立って、変化させていくのは皆さんだと思います。映像作品はスクリーンで観るのが一番だと思うので、東宝ならではのスクリーンで公開されるのは素敵なことだと思います。私自身も劇場に行って体験したいと思っています。 MC東宝ということで上白石さんの後輩も出演されていますね。 上白石さんそうなんです。私も出たかったんですが、お声がけいただけなかったので(苦笑)、より頑張ろうと思いました! MC各作品の感想もうかがいたいと思います。まず『ゴジラVSメガロ』をご覧になっていかがでしたか? 上白石さん何と言っても息をのんでしまうような臨場感がありました。ゴジラの世界は現実に起こりえないと思って観てしまうことが多いですが、映像の技術も音響の技術も最先端のものを使われているので、圧倒的な臨場感でした。「これは起こりうることだ!」と思ってしまうような感覚でした。映像を観ていることを超えて、その場に立って風を感じているような気持ちで「逃げなきゃ…」と観ていて思いました。それくらい“体験”できる映像作品だと思います。 上西監督デカい怪獣はデカいスクリーンで観てほしいですね(笑)。 上白石さん音もすごくこだわって作っているように感じました。 上西監督大きいものが動くので、左から右へという音の動きもこだわりました。 MC『knot』はいかがでしたか? 上白石さん『knot』はサイコスリラーというジャンルの作品だというのは存じ上げていましたが、その枠組みを超えて緻密に練り上げらえた人の心の機微や、ものすごく深い人間ドラマを感じました。ただ「恐ろしい」という言葉で片付けるのはもったいないくらい、すごく観入ってしまうお芝居や演出をされている作品だと感じました。親子って改めて不思議な糸でつながっているんだなと感じました。すごく確かなように見えて、儚い…でも、儚いからこそ尊いものだと再認識した作品でした。ラストカットには衝撃を受けてゾッとしたので早く皆さんに観ていただきたいです。 平瀬監督あのラストカットを描きたいがために描いたくらいです(笑)。ゾワっとしていただいて良かったです。 上白石さんゾワっとしました! 早く劇場で観ていただきたいです。 MC『ファーストライン』はいかがでしたか? 上白石さん唯一のアニメ作品で、夢を追いかけていく全員の心に響く作品だと思いました。私も夢を追いかける一人なので、理想と現実の間で葛藤したり、自分の力のなさを思い知って落ち込むこともあるけれど、夢を追う人の熱意やひたむきさが描かれていて、グッとくるものありました。アニメーションなので1秒、1秒の尊さがすごくて「絶対に瞬きしたくない」「画面の隅々まで全部観たい」という気持ちで画面に張り付いて観てしまうような、繊細で大胆な映像作品だなと思いました。 ちな監督ありがとうございます。フィクションですが、実体験や同僚のアニメーターが抱えている理想と現実の間の葛藤を表現しています。大勢の人に届く作品になるという思いもあったので、そこに共感していただいてうれしいです。 上白石さん今日、初めてお会いしましたが、主人公の彼と似ているような、どこか通じるものを感じたので(笑)、これはちな監督自身の作品なのかなと思いました。それがみんなの物語になっていくのが楽しみです。 ちな監督一応、僕自身ではないですが(笑)、似ているかもしれません…。 MCそして『フレイル』に関してはどのような感想をお持ちですか? 上白石さんものすごく現代的なテーマを扱った作品
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映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」宣伝開店&完成報告イベント映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」公式サイト全世界累計発行部数1100万部を突破した、幸運な人だけが辿り着ける、ふしぎな駄菓子屋“銭天堂”を舞台に、願いが叶う「ふしぎ駄菓子」を買った人々の顛末が描かれる廣嶋玲子・作、jyajya・絵「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」シリーズ(偕成社刊)がついに実写化し、12月13日(金)に公開されます。 11月12日に、宣伝活動スタートおよび本作の完成を報告するイベントが雑司ヶ谷鬼子母神堂内にある駄菓子屋・上川口屋にて開催され、天海祐希さん、白山乃愛さん、番家天嵩くん、中田秀夫監督が出席しました。こちらのイベントの模様をレポートいたします!宣伝開店&完成報告イベント銭天堂店主・紅子役天海祐希さん大野藍花役白山乃愛さん水野雄太役番家天嵩くん中田秀夫監督天海さん銭天堂の店主・紅子さんを演じるにあたり、三時間ほどかけて特殊メイクをしました。とても楽しく、ドキドキしながらお芝居をしました。今日もご一緒していますが(白山さん、番家くんを見て)子役の方たちもしっかりとしたお芝居をしています。中田監督のもと、スタッフ・キャスト一同、一丸となって頑張った作品です。皆さん、ぜひ観ていただけたらうれしいです。 白山さんとても素敵な作品なので、たくさん魅力を伝えられたらと思います。 番家くん僕も(自身が演じた)雄太と同じで、勉強がちょっと苦手です。だから、「テストに出るところが分かったら良いな…」というそのままの気持ちで演じました。すごく良い作品になったと思うので、皆さんぜひ観てください! MCちなみに、どの教科が苦手ですか? 番家くん算数と国語です(苦笑)。 MC得意な教科は? 番家くん体育です! 中田監督本日は恵まれた天候でうれしいです。僕が最初に本作の企画を提案したのは、五年以上前でした。それが、いよいよ皆さんにお披露目できる時が来て、感慨深いです。 MC今のお話にもありましたが、本作は中田監督から提案された企画とのことです。なぜこの児童書を映画化しようと思い、紅子役を天海さんにオファーされたんでしょうか? 中田監督うちの娘が小学生の頃、廣嶋玲子さんの小説が好きで、特に「銭天堂」シリーズは、全巻読んでいました。それで、娘に「お父さん、絶対に面白くなるからこれを映画化して。作ったらすぐに観に行く」と言われたんです。僕も読みましたが、「なるほど、これは良いな」と思いました。子ども向けの「笑ゥせぇるすまん」(藤子不二雄A 作)という感じで、決して良いことだけをしなさいよという話ではなくて、毒がちょっと含まれているところがすごいと思って、提案しました。 MC娘さんに映画化を伝えた時は、どんな反応をされていましたか? 中田監督中学生とか高校生になると、そっけなくて「あ、そう」みたいな感じでした(苦笑)。 MC紅子を天海さんにお願いした理由を教えてください。 中田監督(紅子役を)お願いする前に、天海さんの舞台を拝見しました。座長として、舞台の中心で、ドーンとすごく華やかな存在感を放っていました。紅子さんも、大人も、子どもも買いに来る駄菓子屋さんの真ん中にドーンといます。そんな紅子さんと舞台での天海さんが重なって、「ぜひ天海さんにお願いしたい」となりました。 MC天海さんは、オファーを受けた時はどんな心境でしたか? 天海さん大人気の児童書だとは存じていたので、「そんな大人気の作品を私がやって良いのだろうか?」と思いました。(原作の)紅子はふくよかで、ドーンとされている方だったので「これ、私で良いんですかね?」「(映画化に際して)原作の絵に寄せていくんですか?どうするんですか?」と、うかがいました。そうしたら、「ぜひに」というお返事をいただいたので、「そう言っていただけるなら、よろしくお願いします」と申し上げました。 MC改めて、天海さんの紅子はいかがでしたか? 天海さん(監督に向かって)いかがでしたか? 中田監督素晴らしかったと思います。 天海さん悪いとは言えないですよね(笑)。 中田監督撮影中は、紅子さんスタイルの天海さんしか拝見していないので、クランクアップした後に撮影現場に遊びに来られたすらっとした天海さんを久々に見て、「そうだ、そうだ!本当の天海さんはこっちだった!」って思いました(笑)。撮影中に三時間くらい空き時間ができた時に、天海さんが衣装だけ脱がれていたことがありました。お顔は(特殊メイクで)紅子さんのままで、下はあんこ(ふくよかに見せるための詰め物)の入った衣装を脱いで、スポーティーな服を着られていたのが少し面白かったです。 天海さんあの時はジャージを着ていましたね(笑)。 MC白山さん、番家くんは、本作の撮影前から「銭天堂」シリーズは知っていましたか? 白山さん知っていました。学校の図書室に小説があったし、私はアニメも見ていました。銭天堂に来る人たちが駄菓子を買って、幸せになるのか、不幸になるのかは結末がみんな違っていて、それが面白いです。 番家くん僕もアニメを見ていて、次の配信が来るまで「まだかな、まだかな」と楽しみに待っていました。家族と一緒に見ていました。銭天堂は、気まぐれに来られるのが良いところで、気まぐれで幸運になれるところが好きです。 MCまさか自分が出演するとは思わなかったですよね? 番家くん本当ですね! すごくうれしかったです。MC完成した本作を観た感想を教えてください。 天海さん自分が出ていないところは初めて拝見しました。ホラー映画もそうですが、映画を知り尽くした中田監督の趣向が、ちゃんと大きなうねりになっていました。すごくドキドキしたし、ちょっと怖いところもあったし、ハラハラもしました。「どうなるんだろう?」と、登場人物一人一人を応援したくなりました。大きなうねりがあって、最後は(胸に手をあてて)「はぁ…」という感じです。ドキドキワクワクハラハラして、自分が出ていたことを忘れて、楽しめる作品に仕上がっていました。ありがとうございました。 MC銭天堂には大人も訪れるので、大人も楽しめる作品になっているということですね。 天海さんもちろんです! お子さんは、学校やおうち関係でいろいろと不安や悩みがあると思います。大人は、人間関係、仕事、家族のことなど、もっといろんなことがありますよね。その一つ一つに、チクっと刺さるんです。なので、大人の方がより全体像を見て、ご自分に重ねられるところがあるんじゃないかと思いました。それでいて、幸せな気持ちにもなれるし、大人こそ楽しめる作品だと思います。 白山さんすごく面白かったです。私が見ていた、銭天堂や紅子さんの雰囲気がそのままで、すごく楽しかったです。 MC白山さんは本作で映画デビューということですが、いかがでしたか? 白山さんうれしかったし、すごく不思議でした。自分があんなに大きなスクリーンに出ていることが初めてだったので、すごく感動しました。天海さんそのうれしさや、ワクワク、ドキドキが出ていたのか、役柄もありますが、すごくはつらつとされていて、とても素敵でした。 中田監督素晴らしかったと思います。(白山さんと番家くん)二人とも、ほかの共演した小学生の子たちから人気者でしたね。 MC番家くんは本作を観ていかがでしたか? 番家くんアニメや小説で知っているお話や、駄菓子が出ていることに気が付くこともありました。新しい人が出てきた時は、「この人はどんなお菓子を買うのかな?」とワクワクしました。楽しい作品になってうれしいです。 MC自分の出番を見ていかがでしたか? 番家くん映画で、自分がこんなにいっぱい出てくるのは初めてなので、「こんな風に出られるんだなぁ」って思いました。自分をちょっとほめられるような場面もあって、うれしかったです。 天海さん私がすごく印象に残っているのは、最初のリハーサルの日です。(番家くんに向かって)すごく緊張していたんだよね? リハーサルルームでセットを組み立てて、監督がいろいろ説明してくださってから、そこで動いてみたんです。普通の顔をしているのに、ものすごく緊張していたみたいで「脇汗が!」とか言っていました(笑)。 番家くん脇汗、手汗がすごかったです。緊張しまくっていました…(笑)。 天海さんそんなに緊張しているそぶりはなかったんです。でも、そこで緊張したせいか、本番はドンといけましたね。 番家くんばっちりでした! 天海さんお子さんたちが、良い顔をいっぱいしているんですよ。「負けられない!」と思っていました。私は、顔に特殊メイクをしていたんですが…。 MCその特殊メイクについてもお聞きします。準備に三時間かかったとうかがいました。 天海さんトータルでそれくらいです。厳密には、毎日ヘアメイクさんも、衣装さんも、どんどん腕が上がっていくので、すごく短縮していただきました。 MCここまでの特殊メイクは、なかなかないんじゃないですか? 天海さんそうですねぇ。 MC初めて紅子になったご自身をご覧になっていかがでしたか? 天海さん何か自分のことで申し訳ないですが、祖母に似ていました(笑)。「系統ってあるんだな、似ていくんだな」と思いました(笑)。撮影期間中は、メイクさんは「口を開けて全然OK」と言ってくれたんですが、特殊メイクがはがれるのが嫌で、口が開けにくくて、あまり食べなかったんです。そうしたら、どんどん痩せてしまいました。でも特殊メイクのおかげで誰も気づいてくれませんでした。顔を作ってくださったヘアメイクさんには、「天海、どんどん痩せていっている」と言われましたが、「そうだよね。でも、誰も気づいてくれない」って話をしました(笑)。MC天海さんが演じる紅子さんを目の前にしていかがでしたか? 天海さん正直に言ってね! 白山さん天海さんと共演できると聞いて、すごくうれしくかったです。ずっとテレビで見ていた、あの天海祐希さんと共演できることが、すごくうれしくて、楽しみだったんです。でも、撮影現場でお会いすると、天海さんというより、紅子さんとお話ししている感じでした(笑)。 MC撮影現場でお話ししたことで、印象に残っていることはありますか? 白山さん私が、財布を開けられなかった時に、アドバイスをしてくれました。 番家くん僕がテレビで見ていた天海さんは、すごく細くて身長が高いイメージでした。でも、初めて共演してみたら、紅子さんのふっくらした身体で、アニメで見ていた紅子さんのオーラがふわーっと出ていました。本当に紅子さんが目の前にいるような感じでお芝居ができました。 MC本作に登場する銭天堂は、もう一つの主人公と言える存在ですが、今回、こちらの会見でお借りしている雑司ヶ谷・鬼子母神堂内の駄菓子屋「上川口屋」も古くから営業されている駄菓子屋さんです。寛文4年(1664年)に本堂が造設された鬼子母神堂内にて、子どもたちのために駄菓子を売っています。天海さんは、子供のころから駄菓子屋さんは行っていましたか? 天海さん行っていましたよ! 私は、あんずやお麩が大好きでした。口が赤くなっちゃうやつね。今の駄菓子はどんどん新しくなって、進化していますよね。私たちの時代は、(お菓子が)もっと雑に入っていました(笑)。 白山さん私は「タラタラしてんじゃねーよ」とかが好きです。 番家くん僕は、安いので「うまい棒」とか「10円ガム」とかが好きです。前に、おばあちゃんの家の近くに駄菓子屋さんがあって、10円ガムをたくさん買って食べていました。 ■駄菓子屋「上川口屋」の店主、内山雅代さんが登場。 内山さんようこそ。はじめまして。素晴らしい人にお目にかかれて…あがっています(笑)。MC内山さんは13代目の店主で、10歳の頃から店番をされていたそうです。時代と共に駄菓子を買いに来る子どもたちも変わってきたかと思います。内山さんがお店で子どもたちと接する際に気をつけていることはどんなことですか? 内山さん今はキャッシュレスで、お菓子を買えるコンビニが多くありますが、うちは長きにわたってここでやっていて、支払いはすべて現金です。お菓子は100種類ほど扱っていますが、子どもにお金の計算をしてもらうことを心がけています。だから、「ご予算は?」って聞くんです。 天海さん駄菓子屋さんって、子どもの頃は社交場でしたよね、小さいことですが、社会のルールをちょっとずつ学ぶような場所でした。私は、駄菓子屋さんは日本の文化だと思っています。私自身が大好きということもあるんですが、なくなっていくのがすごく残念なので、本作と共に、また盛り返してもらえたらと思います。私、大人買いしに来ますよ。親に「やめなさい」って言われるんですが(笑)、やっと大人買いができるようになったので(笑)。大きく買っていきます! MC内山さんにお聞きしたいことはありますか? 天海さん時代も変わるとお子さんも変わるじゃないですか? でも、ここに来るお子さんのキラキラした目は、昔も今も変わらないですか? 内山さん本当に変わらなくて、好みも変わらないんですよ。(天海さんは)あんずがお好きだとおっしゃいましたが、あれは浅草で作っていて、もう100年だそうです。 天海さん100年! 大事にしたい文化ですね。ありがとうございました。 内山さんありがとうございました。失礼します。 MC本日は銭天堂の出張店舗も出ております。中田監督、作中の銭天堂のお店のセットが、すごく細かいところまで作られていましたが、セットへのこだわりを教えてください。 中田監督お店の中もさることながら、そこに至る狭い通路も、実際のロケで撮影された商店街みたいなところから入って、そこに庭先があって…という全体のデザインを、美術デザイナーの方と考えました。「たたりめ堂」も出てきますので、その対比も考えました。それから、店内のお客さんが紅子さんと話す場所や、陳列棚も考えました。もう一つの主役はお菓子そのものです。原作のデザインを基本として、実写の映画にするために、デザインを微妙に変えたほうが良い部分などを、専門家の方と話しました。実際、番家くんもイチジクみたいな形のお菓子を食べていますが、駄菓子を食べるシーンがあるので、フードコーディネーターのスペシャリストの方に、どういう材料で作れば良いのかを考えて作ってもらいました。そのあたりの打ち合わせや、準備も大変でした。 天海さん大人ながら、ちょっとワクワクしました。もちろん、自分が知っている駄菓子屋さんと比べると、数倍大きいんですが、「こんな風にお菓子が並んでいたな」ってすごく懐かしかったです。スタッフも、みんな目をキラキラさせながら見ていましたね。美術さんや、それをお考えになった皆さんは、素晴らしかったですね。 白山さん銭天堂に着くまでの路地が、狭くて少し怖い雰囲気があったんですが、それよりも「この先に何があるんだろう?」って気持ちになれて、興奮しました。お店の中に入るとたくさんの駄菓子がきれいに並んでいて、また興奮してしまいました(笑)。 番家くん知らない駄菓子も置いてあって、「これを食べたら、どんな効果があるのかな?」「ほしいなぁ」と思いながら見ていました。ついつい食べたくなっちゃう駄菓子がたくさんあって、全部ほしくなっちゃいました(笑)。 MC何が一番食べてみたかったですか? 番家くん作中でも買った「ヤマ缶詰」がほしいです。テストの答えが分かるなんて夢だから(笑)! 白山さん私は「天晴れレモン」です。おめでたい日を晴れにできるお菓子なので、修学旅行とか運動会とか、イベントの日に食べたいです。 天海さん私は「バイリンガール」ですかね。「勉強しろ」って話ですが(笑)、どこの国に行ってもその国の方と話せるじゃないですか。 MC番家くんと通じるものがありますね。 天海さんそうですね(笑)。 ■記者からの質問コーナー原作はアジアを中心に、海外でも人気ですが、今回、実写映画として世界進出への期待はありますか?【記者質問】天海さんそれは今日お集りの皆さんが、どれだけ発信してくださるかにかかっているんじゃないでしょうか(笑)。ぜひ! よろしくお願いいたします(笑)。そうなると、バイリンガールが必要ですね(笑)。でも、楽しく観ていただけたら、それが返ってくるんじゃないかと思います。MC最後に天海さんからメッセージをお願いします。 天海さん今日はお忙しい中、足をお運びいただきましてありがとうございます。皆さんのご協力を得て、本作が公開することが、たくさんの方に伝わるとうれしいです。本作を観て、楽しんでいただいて、小説も読んでいただけたら、すごくうれしいです。大人も子どもも、楽しめる作品なので、どうか多くの方に足をお運びいただけますように、皆さん、ご協力よろしくお願いいたします。今日はありがとうございました。
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「PUI PUI モルカー ザ・ムービー MOLMAX」完成披露試写会「PUI PUI モルカー ザ・ムービー MOLMAX」公式サイトモルモットが車になった世界で<モルカー>たちが繰り広げる癒しあり、友情あり、冒険あり、ハチャメチャアクションありのストップモーションアニメ「PUI PUI モルカー」。その愛らしさや、実際のモルモットが声優を担当するという奇抜さで、2021年の放送開始後から子どもから大人までを魅了し世界的に“モルカーブーム”を巻き起こしました。そして、この度CGアニメーションでの完全新作映画が誕生し、「PUI PUI モルカー ザ・ムービー MOLMAX」となって、11月29日より公開されます。 11月16日にはTOHOシネマズ 日比谷で完成披露試写会が行われ、声優を務めた相葉雅紀さん、大塚明夫さんと、まんきゅう監督が登壇しました。<モルカー>の世界についてトークを繰り広げたほか、ステージ上でミッションに挑み、大いに会場を盛り上げました。この日の模様を詳しくレポートします!完成披露試写会メニメニアイズカンパニーCEO役相葉雅紀さんドッジのドライバー役大塚明夫さんまんきゅう監督MCそれでは登壇者の皆さんの入場です! 相葉さん本日は皆さんお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。CEO役で、モルカーの世界に関わることができて、すごく光栄な気持ちです。自分事になってしまうんですが、小学生の時の夢が社長になることでした。今回はCEO役ということで、モルカーの世界で夢が叶いました。(会場:拍手)子どもたちも夢を大切にしてください。今日は楽しんでいただければと思います。大塚さんこんなにたくさんお集まりいただいて感激です。ドッジのドライバー役を演じました。“ドッジ”であって、“ドッチ”のドライバーではないです(笑)。間違えている方はいらっしゃらないとは思いますが…。 相葉さん皆さん分かっています(笑)、大丈夫です! 大塚さん大丈夫ですね(笑)。私の小さな時の夢は、車がなかったので、自動車であちこち行ってみたいと思っていました。 MC大塚さんも、モルカーの世界で夢が叶ったということですね! (会場:拍手) 大塚さん皆さん、ありがとうございます。(会場:拍手) MC流れとしては、監督も夢を語ることになりそうですね。(会場:笑) 相葉さんすみません! (流れを作ってしまったことに恐縮して)申し訳ない。 まんきゅう監督本日はお忙しい中、ご足労いただきありがとうございます。僕も…小さな頃の夢を言わないとダメですね(笑)。僕は、小学生の頃、弁護士になりたいと思っていました。誰かを助けられるような、誰かの役に立つような仕事をしたいと思っていました。 相葉さんめちゃくちゃ立派だ! まんきゅう監督巡り巡って、今はアニメを作っているので不思議なものです。 MC今日はお子さんから大人の方まで幅広いお客さんにお越しいただき、大きなスクリーンで本作が初披露されます。改めて、今の気持ちをお聞かせください。 相葉さんモルカーの世界は壮大です。今回の作品も壮大な大冒険のお話で、ドッジと一緒にいろいろなところに行きます。それこそ宇宙まで飛んで行ったりもします。 大塚さん宇宙には行くし、いろいろと追いかけられたりするんだよね。 相葉さんもちろん子どもたちはドキドキワクワクするでしょうし、大人が観ても、裏に隠されたテーマにハッとさせられる部分があるんじゃないかと思います。 大塚さんこれだけ大きな映画館の音響、スクリーンで観ると集中力を余儀なくされます。そうすると、壮大な世界に没入していくような楽しみがあると思います。奇想天外な大冒険をぜひお楽しみください。 まんきゅう監督今日、初めてお客さんにお披露目をするということで、どんな反応があるのかとドキドキしています。今回はCGアニメで制作しています。原作のストップモーションのアニメをCGで完全再現しようというテーマのもと、チーム一丸となって作りました。そういった原作の<モルカー>らしさというか、ハチャメチャな感じ、かわいい感じ、ドタバタした感じなどが、皆さんに届くと良いなと願っています。 相葉さんかなりハチャメチャですよね。細かいところまで観ても、クスッと笑えます。みんなで、こうやって…。 (興奮して展開を話しそうになり、ネタバレを気にして)ヤバいヤバい、すみません。(会場:笑) MC相葉さん、大塚さんはシリーズ史上初めて、セリフのあるヒューマンキャラクターとして登場します。オファーがあった時の感想を教えてください。 相葉さん「僕で良いのですか?」という気持ちでした。こういう声優のお仕事はそんなにやってきたわけではないので、新しい挑戦ができる喜びがありました。それと同時に、新しいことをやるには、大きな覚悟が必要だなと思いました。このモルカーの世界が好きだったので、今回のお話をいただいた時はすごくうれしかったです。なので、「ぜひ全力でやらせていただきたい」とお返事しました。 MC劇中ではCEO役として、堂々とプレゼンをするシーンもありました。 相葉さんこのCEOは、ちょっとクレイジーなところもあるので(笑)、「勢いをつけて」と、まんきゅう監督にご指導をしてもらいながら挑戦しました。 MCこれまで様々な役を演じてきた大塚さんですが、「モルカーの世界に飛び込む」というオファーを受けていかがでしたか? 大塚さん全部ではないですが、僕自身も「モルカー」を観ていたので「えっ!『PUI PUI モルカー』?僕は何をすればいいの?」と言いました。(登壇者の皆さん&会場:笑)「まさか(モルカーの鳴き声である)「プイプイ」って自分が言うのかな」「大丈夫かな」と思いました。MC大塚さんがやってみると、渋い感じになりそうです。 大塚さん(渋い声でモルカーの鳴き声を実演して)「プイ、プイ」(登壇者の皆さん&会場:笑&拍手) 相葉さん強そう(笑)。 大塚さんちょっとドキドキして怖かったんですが、普通にセリフを言う役ということだったので、ちょっと安心しました。 MC監督からご覧になって、お二人の演技はいかがでしたでしょうか。 まんきゅう監督お二人ともすごく素敵でした。ドッジのドライバーは、観客と一緒になってドライバーやモルカーたちと冒険するという、ある意味で本作のナビゲート役です。大塚さんのお声を聞くと(観客にとっても)「絶対に大丈夫だ」という安心感を持って冒険ができるので、すごくありがたかったです。大塚さん絶対に大丈夫だって思わない方が…(笑)。 まんきゅう監督(笑)。本作は、お子さんもご覧になるので「絶対にドッジのドライバーがなんとかしてくれる」と期待しながら、ドキドキして作品を観てくれると良いなと思っていました。相葉さんはもちろんテレビなどを拝見していて、お声が色っぽくて素敵だなとずっと思っていました。今回初めてお芝居を聞きましたが、思った以上に実直で、真っ直ぐで、生命力に溢れたお芝居をしてくれました。当初のCEO役はもう少し落ち着いた大人のイメージだったんですが、相葉さんにテストでお芝居をしてもらった時に「こっちの方が正しかったんだ」という気持ちになりました。 大塚さんひたむきな感じがね。 まんきゅう監督先ほどクレイジーな役だというお話がありましたが、真っ直ぐすぎてちょっと周りが見えなくなるところがあるというか、そういったお芝居が本当に素敵でした。本作に素敵な色を加えていただきました。ブースで初めてお芝居を聞いた時に「よっしゃ! 行ける!」と思いました。 MC本作では、AI化されたモルカーが登場します。AIを登場させるというアイデアは、どのように生まれたのでしょうか。 まんきゅう監督原作のストップモーションアニメにも社会風刺の効いたテーマ性があったので、本作でもそれを取り入れたいと思っていました。それと同時に、原作の見里朝希さんからは「モルカーは車なんです」とうかがっていたので、車にまつわるお話をしっかり描こうと思う部分もあり、いくつか映画的なアプローチのアイデアも出しました。元々、見里さんとしても長編をやるならば「自動運転をテーマにしたものをやりたい」というお話もあったので、両方の意見が一致し、AIをテーマにしたものを描こうとだいぶ早い段階から決まりました。 MCAI化されたモルカーについて、どのような印象を持ちましたか? 大塚さんストップモーションのふわふわした感じもとても良いですが、AIモルカーの動きがCGになった時に違和感がなく、スッと馴染んだ気がしました。 相葉さん今の時代にぴったりな設定で、お話だと思いました。 MC相葉さんと大塚さんは、本作で初共演ですよね? 相葉さん&大塚さんそうだっけ? 相葉さん最初にお会いしたのはそうかもしれない…。そうですね! MCお互いの第一印象や、印象が変わったことなどありましたら教えてください。 大塚さん相葉さんは、素晴らしい一流のオーラを身に纏って颯爽と歩かれています。相葉さんやめてください! 謙虚に歩いています。(大塚さんと笑い合う) 大塚さん皮膚感覚で「良い人だな」というのがすぐに分かりました。 MCお二人は、移動中の車でもずっと「美味しいお寿司がある」という話をされていました。 相葉さんそうなんですよ。昨日、一緒にご飯を食べましたもんね。 大塚さんそうなんです。 相葉さん本作では(芝居の)掛け合いができなかったんですが、他の現場ではガッツリと掛け合いをしました。大塚さんは、とりあえず飛び込んでいけば、引っ張ってくれるという安心感があります。それから、声だけじゃないところもすごくて、声だけでその背景までが見えてくる気がしました。そんなお芝居もすごく好きですし、すごく勉強になっています。 MC意外とお茶目なところがあるとうかがいました。 大塚さん僕は、どこか大人になりきれていないところがあるので、ついふざけたくなってしまうんです。どうしてもそういうところは抜けないですね。 相葉さん大塚さんの風貌でチャーミングなことをするので、最初は「おお!」とびっくりしました。でも、もう慣れました(笑)。 MC原案及び、テレビシリーズ第一期の監督である見里朝希さんからメッセージをいただいています。当初は六畳一間のアパートにて少人数で作っていた「PUI PUI モルカー」が、 相葉さんや大塚さんのような大変豪華なキャストで映画化されるまでに至って、感慨深いものがあります。 アフレコ現場にお邪魔した際に、相葉さんはテレビで見た時と変わらない印象で常に輝いていましたし、 大塚さんにご挨拶した際、低音ボイスで「PUI PUI モルカー」と言われたときは痺れました。 モルカーとは、モルモットと車が融合したキャラクターです。 今回、私は総監修として、モルカーがちゃんと小動物らしく、そして車らしくなるように監修させていただきました。 CGアニメ、しかも人間が言葉を話すというのは新たな試みではありましたが、 まんきゅう監督をはじめ、制作陣のモルカーに対する解像度の高さと愛情を感じ、 世界観はそのままに、「これも一つの表現として素晴らしい!」と思える作品に仕上げていただきました。 ありがとうございます! 映画化を記念して、ドッジのパペットを制作しました。皆さんと一緒に巨大スクリーンで縦横無尽に暴れまわるモルカー達を見届けます。 ぜひ最後までお楽しみください!【見里さんからのメッセージ】■見里さん手作りのドッジ、そしてポテトとシロモのパペットがステージに登場。 大塚さん(テーブルの上のドッジ、ポテト、シロモを見つめて目尻を下げながら)触っても良いですか?(手に取ってドッジを見つめる)皆さん、見えますか? (会場に見えるように掲げる)相葉さんこれまでの作品はこれで撮影をしていたということですか? 大塚さんちょっとずつ動かして、一枚ずつ写真撮って撮影していたんでしょうね。(ドッジに)やっと会えました。(登壇者の皆さん&会場:笑) 相葉さんかわいいですね! 飾っておきたいくらいかわいい。 ■相葉さん、大塚さんがドッジ&ポテトを持って、顔のそばに寄せて笑顔を見せました。会場からは「かわいい!」と歓声が上がりました。MCドッジとポテトは何かしゃべっていますか? 大塚さん「プイプイ」(と言っています)。(会場:笑) 相葉さん(ポテトが何かしゃべっているか、耳を近づけてみて)しゃべっていないです! (会場:笑) MC見里さん、ありがとうございました。こちらのかわいい子たちの写真は後ほどSNS等にアップしますので、ぜひご覧ください。続いては、本作から新たに加わったモルカー声優の糸さん(モルモット)からメッセージが届いています。(会場:歓声) ■スクリーンに相葉さん&大塚さんへの質問と共に、糸さんの写真と声が劇場に流れました。相葉さん&大塚さん楽しかったですね!相葉さん、大塚さんと共演された感想は?【糸さんの質問】相葉さん共演できて本当にうれしかったです。 MC糸さんが会場にメッセージを送っているようでしたが、何と言っているか分かりましたか? 相葉さんそうですね…。今日はこんな無茶振りばかりするんですか? (会場:笑)きっと「楽しんで行ってください」ということですよね。絶対そうです! 大塚さんそうそう! MCこの声を聞くだけでも楽しいですし、癒される気持ちになりますね。 まんきゅう監督感慨深いものがありますね。 MC本作には「史上最大級の“モルミッション”」というキャッチコピーが付いています。皆さんにとって最近、挑戦しているミッションはありますか? まんきゅう監督最近は海外からのお仕事も増えたので、英語や語学を勉強したいなと思って、ちょっとずつやっています。 大塚さん素晴らしいですね! まんきゅう監督少し世界を広げてみたいと思っています。 大塚さん僕は、年齢のせいか、腰やお腹周りに浮き輪が付いてきまして…(笑)。今年の夏までにはその浮輪を取り除きたいと思っていたんです。でも、そのミッションには失敗しました。また新しくミッションを課して、鋭意努力しております。 相葉さんどういう努力をされているんですか? 大塚さん通常、こうやって立っている時にお腹の力を抜かないで、なるべく背筋を引っ張って立つようにしています。姿勢を真っ直ぐにしているだけでも代謝が上がると聞いたので、運動をすることとは別に、普段から心がけるようにしています。 MC来年の夏に向けて、頑張っているんですね。 大塚さん夏に何かあるかというと、別に何もないんですがね(笑)。Tシャツになった時にお腹の肉で裾がどんどん上がってきたりすると嫌なので(笑)。 MC相葉さんはいかがでしょうか。 相葉さんミッション…というほどでもないんですが、毎日ヨーグルトを食べようというミッションがあります。あと、納豆も毎日食べるようにしています。腸活です。腸活をすると、アレルギーが和らぐという話を聞きました。花粉症がひどいので、来年の春に向けてやっています。欠かさず食べています! MC今日は映画の大ヒットを祈願して、これから皆さんにいくつかのミッションにこの場で挑戦していただこうと思います。 ■【ミッション「くみとれ! 糸さんの気持ち」】 MCまずは、これから流れる糸さんのボイスから、糸さんの気持ちを汲み取っていただきます。お三方で相談をしていただき、代表して相葉さんお答えいただきたいと思います。 相葉さん僕ですか? ■会場に糸さんのボイスが流れ、三人のシンキングタイムがスタート。大塚さんが相葉さんに何かを呟き、相葉さんが爆笑するなど息ぴったりの様子を見せていました。 相葉さん意見は割れませんでした。糸さんは、「相葉くん、私もヨーグルトを食べているよ」と言っています! MCでは、答えを見てみましょう! ■正解は「おなかすいた」相葉さんちょっと近いです! 大塚さん「ヨーグルト、ちょうだい」って言っているんじゃない? 相葉さんそうかー! ■【ミッション「選べ! 糸さんボイス」】 MC続いては、これから三種類のモルモットボイスを皆さんに聞いていただきます。その中から糸さんボイスを当ててください。大塚さんに発表していただきたいと思います。 ■三種類のモルモットボイスが会場に流れました。会場から「どれだろう」「これでは?」など考えている様子の声が上がりました。 大塚さん分かりました。(即答で)二番です。 相葉さん僕も二番だと思います。 大塚さん先ほどクイズで「ヨーグルト、ちょうだい」と流れた時の糸さんの声と、一番と三番(のモルモットボイス)はちょっと性格が違いますよね。二番は、先ほどと同じ声です。 MCでは正解を見てみましょう。こちらです! ■正解は「二番」(会場:大きな拍手)MCこうやって聞いてみると、モルモットの声にも個性があるんですね。 まんきゅう監督そうなんです。それぞれ違うんです。 MCちなみに分かった方もいるかもしれませんが、一番のボイスはつむぎさん。三番はパイムータンさんでした。(会場からも「おおー」という声が上がりました) 大塚さん一番と三番の区別は難しいですが、二番は糸さんでしたね。 MCでは、これから映画をご覧になる方にメッセージをお願いいたします。 まんきゅう監督素晴らしいチームの皆さんとご縁があり、みんなの作品に対する情熱とモルカーへの愛情がたくさん詰まった作品になりました。モルカーの可能性も感じられるような作品になったと思いますので、今日は皆さんにモルカーを体感していただけるとうれしいです。 大塚さんモルカーたちのいろいろな思いも交錯します。ドッジを探して迷走する僕が演じるドッジのドライバーもいます。目まぐるしく話の展開が変わっていきますので、 置いていかれないようにドッジのドライバーと気持ちを一つにして追いかけていってください。 相葉さんモルカーのかわいい世界の映画バージョンとして楽しんでいただけたらと思います。ハラハラドキドキ、ワクワクするような作品だと思いますので、最後まで楽しんでいってください! (会場:拍手)
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「平場の月」大ヒット御礼舞台挨拶「平場の月」公式サイト 「こんな“大人の恋愛小説”は読んだことがない!」と話題を呼んだ、累計28万部突破の朝倉かすみ原作小説「平場の月」。リアルで切ない大人のラブストーリーは、公開を迎えるやいなや、「めちゃくちゃ泣いた」「鑑賞から2日経って心に沁みてくる」など大きな感動を呼び、早くも大ヒットを記録しています。 第50回報知映画賞で4部門にノミネートされるなど話題沸騰中の本作の大ヒットを記念して11月26日、東京・日比谷のTOHOシネマズ 日比谷にて、上映後の舞台挨拶が行われ、堺雅人さん、井川遥さん、土井裕泰監督が登壇しました。堺さんにとっては、人生初のティーチインも行われたこちらの舞台挨拶の模様をレポートします! 大ヒット御礼舞台挨拶 青砥健将役 堺雅人さん 須藤葉子役 井川遥さん 土井裕泰監督 ■壇上には撮影で実際に使用された青砥の自転車が置かれ、登壇した堺さんは懐かしそうに自転車に触れる。 堺さん自転車、懐かしいですね。チェーンが外れていないか、ちょっと確認しました。実際に現場で一回外れたんですよ(笑)。今日はチェーンが無事に直っているようで良かったです。(後ろの感想コメントが書かれたボードを見て)これもゆっくり読みたいです。今日は貴重な機会をいただき、人生初ティーチインもあるそうですが…初めてなので、どうぞお手柔らかにお願いいたします。 井川さん公開を迎える時はすごくドキドキしていましたが、大盛況をいただきました。こうした機会をいただき、うれしく思っています。実は、公開されてから、私この日比谷の劇場で二回ほど本作を観ているので、もう一度ここに立つというのがとても不思議な感じがします。皆さんと、本作を共有できる時間を楽しみにしていました。どうぞよろしくお願いいたします。 土井監督11月14日に公開されてから、本当に熱い感想をたくさんいただいています。こんなに熱く言われることはあんまり経験がないです。今日は本当に貴重な機会で、こうやっていろいろお話できるということなので、できるだけたくさん質問などに答えていきたいと思いますので、どうぞ最後までよろしくお願いいたします。 MC堺さんは初日の舞台挨拶で、「皆さんの感想を見ているので、ぜひハッシュタグをつけて投稿してください」とお話しされたということもあり、SNSでの感想投稿がすごいことになっているんですよ。 堺さん読んでいますよ! MC多くの熱い感想やメッセージを皆さんの後ろにあるコメントボードという形で紹介しています。皆さん、こちらの感想で気になるものってありますか? 堺さん皆さんの文章能力がすごいですね。自分の気持ちをこんなにうまく表現できることに、とてもびっくりしました。僕はもっとぼんやりしているので、本作を観終わった後に「なぜこんなに良かったのか?」っていうのを自分で分析しているその様子が、すごい人たちばっかりだと思いました。 土井監督「いつもの朝霞が美しすぎる」っていうのが良いですね。 堺さん「いつもの朝霞」。“いつもの”というのが良いですね。 土井監督この方は、朝霞在住の方なんですね。 MC監督は、その辺りをこだわられたんですよね? 土井監督そうですね。いわゆる、何かすごくキレイな山があるとか、海がキレイとかそういう場所じゃなくて、本当に生活をしている区域…東京のベッドタウンといいますか、東上線で20分とか30分以内で行けるぐらいのところが良いなと思いました。それをどういう風に映画で活かしたら「青砥と須藤が、本当にそこにいる人たちに見えるか?」というのが私の課題でもありました。 堺さん川が良いですよね、朝霞は。 井川さん川がとても良いですね。 堺さん回想シーンがあるとさ、現在と過去があるけど、川ってあっち側とこっち側じゃないですか。土井さんは川が好きなんですか? 土井監督僕ね、橋が好きなんです。僕の作品を観てもらうと、結構橋が出てくるんですね。 堺さん橋の芝居といえば、2階に須藤がいて、僕とどれぐらいの距離なのかっていうのは、台本を読んだだけじゃ分からなかったんですよ。そしたら、橋の上で見るってことになって「あ、結構距離あるな」って思ったのと、成田凌さん(鎌田雄一役)が、その距離でいるのに、僕の顔を覚えていたっていう恐怖(笑)。「すごいぞ、この人!」っていうね(笑)。でも、橋の上という境界上に自分がいるっていうのは、今思うとグッときますね。 土井監督まあ、成田くんが顔を覚えていたっていうのは、ドラマの嘘なんですが(笑)、あの場所は最初からすごくこだわりがありました。お互いがお互いを見ているのに、分からない距離だから、すごく見つめられるという…。お互いを近くでガーっと見つめ合うんじゃなくて、月を見ている須藤と青砥が離れた橋の上から見て、朝帰っていく須藤を窓から青砥が見る、この二つが本作にとってすごく大事なシーンだと思っていたので、アパートもすごく時間をかけて探したんですよ。 井川さんすごいなと思いました。角部屋でね。 土井監督ギリギリまで探しました。 堺さんあそこは狭山市ですよね? 土井監督そうですね。 堺さんあそこだけちょっと東上線から外れた西武線なんです。 土井監督でも、埼玉からは出ないようにしようと思いました。 堺さん埼玉の映画ですからね(笑)。 MC井川さんはいかがですか? 井川さん「見に行ったけど、まだ余韻というか、気持ちに整理がつかない。素敵とも儚いとも切ないとも落とし込めない感情。秋の夜長にしっかりかみしめたい」とあるんですが、私の友人も観た日は何かそのまま家には帰れなくて、数日経ってからジワジワジワジワと、何かザワザワした気持ちがして「どうしよう…もう一回一人で観に行こうかな」何て言われたことがありました。こういう響き方をする映画は初めてかもしれないっなって思いましたね。 MC演じられたお二人は、演じた後にどのような気持ちになったのかというのが気になります。 堺さんどんな気持ちになっていました? 井川さん私は、青砥を置いていってしまったっていう…。私の最後の撮影の後も、まだ撮影が続いていたので、「私のいない世界で青砥は大丈夫だろうか?」って思いました。なので、スクリーンで観た時に、それがすごく辛いものがありましたね。 堺さん本作って、物語が閉じていないじゃないですか? 須藤の死を受け止めた青砥って、結構残酷じゃないですか? その後の人生、回復にどれぐらい時間がかかるか分からないし…。でも、そこでポンと物語が終わるんですよね。何か丸がキレイに閉じない状態のようで、そんな開いた状態で終わるから…。原作だと、最初に「死」を知るところから始まって、グルっと回ってここに戻るので、丸が閉じられるんですよね。でも、映画では時間が一方向だけなので、スーッと行ってポンと放り出される感じがするんですよね。だから、自分の中で整理されて終わった作品というよりは、何かまだ世界がずっと続いて…星野源さんの言葉だと「呪い」がずっと掛けられているような、マジックがずっと続いているような感じがするのも、向井さんと土井さんの脚本と構成のすごいところですね。 土井監督最後、青砥の居酒屋でのシーンではなく、15歳の時の笑顔で終わりたいっていう気持ちはすごくあったんです。脚本の向井さんもそうなんですが、15歳の青砥は「すごい大人になりたい」って言うじゃないですか。でも、本作はすごい大人になれなかった人たちの話だなと思っているんです。須藤も青砥も生き方がすごく下手くそじゃないですか。でも、懸命に自分の人生を生きるしかないし、そうやって生きてきた人たちなんだなと思っています。だから、最後に15歳の時の笑顔で終わって、「二人の人生とか決断とかいろんなことを肯定してあげたい」なっていう気持ちがすごくありました。 堺さん「「すごい大人になりたい」って言ったけど、もう十分すごい大人だよ、青砥」っていうメッセージがあって、それには何かジーンときましたね。今の土井さんのメッセージが届いていたなと思いました。 MCこちらのボードにもあるように「涙」「号泣した」「タオルを持って行って良かった」と、とにかく泣いてしまって立ち上がれないような気持ちになったという方がすごく多いので、「涙活映画」としても話題になっているそうです。そんな泣けるという感想とともに多いのが「後からじわじわくる映画」「あの時の須藤は何を考えていたの?」「青砥は一年間どんな生活をしていたの?」など、もっと映画を知りたいという問いかけの投稿がありました。そこで、本日は堺さん、井川さん、監督に直接聞いてしまいたいと思います。まずはSNSで寄せられた質問を箱から引いてそれに答えていただこうと思います。 ■堺さんが箱から質問を引く。 焼鳥屋で青砥が泣く最後のシーンですが、堺さんはどのような思いで演じられたのでしょうか? 【SNSの質問①】 堺さんあそこは、この作品のもう一つのテーマである「メインテーマ」という薬師丸ひろ子さんの曲があって、原作にはないんですが、その歌の歌詞の「笑っちゃう 涙の止め方も知らない 20年も生きてきたのにね」っていう部分にズドーンとくるシーンなので、台本では「涙が流れる」っていうだけだったんですが、テストが終わった段階で「号泣でいきましょう!」という話になりました。「号泣ですか…。頑張ります!」と言ったものの、正直全くノープランでした。「どうしようかな?最悪目に指でも突っ込もうかな…」と思いましたが、その曲を録音部さんが流してくださったおかげで「“涙の止め方がわからなくて笑っちゃう”でいこう!」と、あの場で考えて演じたら、ああなりました。 土井監督堺さんだけに聞こえるように耳に小さなイヤホン入れたんですよね。実際にお店では流せないのでね。 堺さんそうでしたね。 土井監督さっきも言いましたが、青砥はこの先の人生もまだまだ長いじゃないですか。だから、一回堪えていたものをガーっと吐き出さないと、青砥のこの先の人生が大変だなと思ったんです。そこでつっかえていたものがバーンと取れて、もう溢れて止まらないっていう感じにしたかったというのはありますね。 ■続いて井川さんが質問を引く。 初日舞台挨拶を見ました。月がとても印象的でした。監督にうかがいます。満月、三日月、上弦の月、下弦の月しか分からないのですが、重要なシーンにおいての月の意味合いがあれば教えていただきたいです。 【SNSの質問②】 土井監督「月」について最初から決めていたことは、「満月は15歳の中学生の時にしか映さない」という風に決めていました。彼らはまだ将来があって、夢や未来というものがあるから、その象徴というか、明るく照らしたいという思いがありました。でも、大人になってくると、それぞれ生きていくうちに、いろいろと欠けていくじゃないですか。そういうものを持ち寄っているイメージがあるから、「大人になってからはなかなか満ち足りたものが見られない」という気持ちでした。あとは、それぞれのシーンに合わせて月の形とか、一応、日にちの設定があるのでそれを確認しながらですかね。他に決めていたことは、ただ月だけを撮るんじゃなくて、月が生活をしている私たちの目線の中にあるように撮りたいなということです。例えば、歩きながらの電線と街路樹越しに月が一緒に移動したり、屋根の向こうに見えたり、電車の駅の向こうにあったりというような…ただ月だけを撮るんじゃなくて、生活の中で、私たちが見ているという感じに撮影していました。 堺さん画角の中に登場人物と月が常にあるという? 土井監督そうですね。もしくは登場人物の目線が見ている景色の中に月があるというのは、ちょっと考えました。 堺さん星野源さんのエンディングテーマが「月あかり」「月の目線」みたいなことをおっしゃっていますが、すごく良い歌なんだね。 井川さん本当に! 言葉なく去ってしまった私からしてみると、源さんのあの曲が全て語ってくれた感じがします。包まれている感じがしますよね。 堺さんもう一人の登場人物として、星野源さんが入ったところが月の位置だったっていうのが「すごいな」と改めて思います。 ■土井監督が質問を引く。 堺さんと井川さんに質問です。お二人で一番好きなシーンを教えてください。私は青砥がネックレスを着けてあげるシーンです。素直になれない須藤が、その後もずっと着けていてうれしかったし、お守りだからこれ一つで良いって気持ちも痛いほど伝わりました。 【SNSの質問③】 堺さんあそこは良かったですね。 井川さん浴衣も。 堺さん昭和だなってやつね(笑)。そうですね、あそこも良かったですね。そういえば、入院中の須藤の姿をなるべく青砥に見せないように、監督を含めてスタッフの方々がすごく気を遣ってくださったんです。美術部のセットの片隅にある机の上に“こういう形になります”っていうテスト写真があったんですが、僕がそこに近づくと「近づかないでください!」「絶対見ないでください!」って言われました。「何だろう?」と思ったら、ガチャっと開けた時に、僕に新鮮な気持ちで見てほしかったっていうのが、スタッフさんの中にあったみたいです。 井川さんそれは知らなかったです。 堺さんそうなの。でも、ちょっと見ちゃったんだよ(苦笑)。これ、見ていないことにしておいて…。 MC少し驚きつつ、浴衣の葉子に(ネックレスを)着けてあげたわけですね? 堺さんあそこのあの距離感も良いですよね。 井川さん後ろからなかなか着けられなくて(笑)。 土井監督あれは、アドリブというか本当に…。 堺さん老眼で見えなかったです(笑)。 井川さん金具が小さくてね(笑)。リアルですね。 ■会場の皆さんからの質問。 先週ちょうど観に行ったんですが、途中から涙が止まらなくなって、さきほど星野源さんの歌のことや月の話もあったと思うんですが、さらに号泣して…。徐々に本当に好きになる映画だということを身にしみて感じています。本当に大好きな作品だっていう感じです。 質問は、堺さんは、現代劇のラブストーリーが今回、初めてに等しいかと思うんですが、このお話をオファーされた時の率直な感想を、井川さんもお聞きできればと思います。 【会場からの質問①】 堺さん初見の際、どの辺からグッときましたか? 質問者①頭からすごく…ほぼほぼ最初から感動していました。15歳の時の二人が頬をちょっと寄せる時に、ちょっとキュンとしました。そこからちょっとストーリーが進んで、大人になった二人がまた思いを寄せ合って深い仲になったら病気が発見されて…というところから。 堺さんやはり坂元(愛登)さん(中学時代の青砥役)と一色(香澄)さん(中学時代の須藤役)の瑞々しさからもう…それはうれしいな。ご質問について言うと、オファーの時のことは正直よく覚えていないです。気がついたら原作を夢中になって読んでいました。だから、本当に先ほどのあなたではありませんが、僕も、始まりがよく分からず、気がついたらズブズブっていうパターンですね。いつの間にか、そこに入り込まれちゃったみたいな感じが僕はあります。 井川さんやっぱり50代のストーリーなので、恋愛だけではなく、「これからの人生の後半戦、どうしようか?」っていうところで、今まで生きてきた経験が投影できるんじゃないかなっていうのがありました。だから、すごく共感をしながら読み進めていった感じがあります。その両方の面があったのが良かったのかなと思いますね。 素敵な映画をありがとうございました。私は、初日舞台挨拶以来の二回目の鑑賞になります。今日、久しぶりに観て、須藤さんのマフラーの巻き方の違いがすごく気になりました。すごく細かいところなんですが、最初に会った時は、防寒重視でギュッと巻いていたのに、その後の二人のシーンの時はちょっとかわいい巻き方に変わっていたんですね。ちょっとかわいくしたのかな?と思って気になりました。 【会場からの質問②】 堺さんそうなんですか…? すごい! 井川さん季節的なものもすごくありまして、二人の出会いの時は、すごく寒い日だし久しぶりという距離もあって、キュッと結んでいるのは本当にその通りです。その後は、多分かわいくは須藤なので結ばないとは思うんですが(笑)、フワッと結ぶようになったのは、近さを感じるかもしれないですね。 堺さんそうか…すごい! 質問者②細かい部分に関して「ここを観てほしい!」みたいな小さいこだわりポイントみたいなのがあったら教えていただきたいです。 堺さん「一年間、青砥は何してたんだ問題」ですよ(笑)。冒頭は、1年間の間から始まるわけじゃないですか。監督と「その落差をつけたい」という話をして、実は始まる前の時は、うっすら髭を伸ばしているんですよ。本当に微妙にうっすらと髭を伸ばしているんです。これは本当に、メイクの千葉さんの勝利で(笑)、うっすらとした無精髭だから、伸ばし続けてもダメだし、剃ってもダメなんです。だから、「今日は剃ったら8時間後にまた剃ってください」っていう指令が出たりしました(笑)。だから、須藤と出会って、一年間会わないと決めたその一年間は、いつ須藤と会っても良いように、なるべくこざっぱりしています。そうじゃないところは、髭がちょっとだけあって、ちょっと自分にだらしない状態から、少しずつ人間としてしっかりしていくという…。 土井監督お弁当も作るようになったんですよね。あと、髭を剃っているシーンで始まるのは、そういう意味もあります。あと前髪が下りてボサボサなんですが、一年後の場面では割とちゃんとおでこが見えていると思います。なんかちょっと細かく、少しその一年の間に、青砥はちょっと生活を整えていたことになっています。 とても素敵な映画をありがとうございます。 星野源さんのファンなんですが、今回のエンディングの曲が「いきどまり」ということで、本当にうれしいです。土井監督とプロデューサーさんが熱心にオファーをしてくださったというのをラジオで聞きましたが、主演のお二人が初めて「いきどまり」を聞いた時に、どのような感想を持たれたのかなというのが気になっています。 【会場からの質問③】 堺さん初めて聞いたのは、僕はピアノ版を聞いたんです。要するに、歌詞ができてない状態だったので、月明かりというよりは、「風」のような…ヒューっと吹く風のイメージだったんです。でも、星野源さんのお話をいろいろ聞いていくうちに、歌詞ですごく悩まれるみたいな話を聞きました。曲はスーッとできるけれど、歌詞がすごく…という話を聞いてから、歌詞の入っている歌を聞いたら、今度は何か温かくファーっという光のような感じだったので「こんなに印象が違うんだ!」というのが、まず第一印象です。さっきも言いましたが、星野源さんと共演しているというか、一緒に立っているという感じがします。舞台でも、ここに立つのとこちらに立つのとでは、全然印象が違います。こんな二人がいる時に、どのポジションに入るのかという時に、星野さんは月というポジションを選ばれたのがすごい…。「あぁ、俳優さんなんだな」という感じがすごくしました。ごめんなさい、話がまとまらないですが、歌詞ももちろんそうですが、いろんなことをまだ考え続けていているという感じです。 井川さん私も最初メロディラインだけを聞いたので、すごくこの作品の温かさを最初に感じたんです。でも、歌詞が出来た時に、やっぱり「呪い」という言葉と、「息が止まれば」「また生まれ変わって」っていうのが、やっぱり源さん独特で特有の表現だなと感じました。須藤の素直に言えないところの気持ちをそのまま歌詞に落としてくださったんだなと感じています。こんな表現ってあるんだなと、台本の読まれ方が素晴らしいなと、本当に驚きましたね。 MC堺さんは、ティーチインはいかがでしたか? 堺さん初ティーチインで、とても素晴らしい経験ができたと思っております! 感想が聞きたくなる作品ですよね、本当に。 MC最後に堺さんからメッセージをお願いします。 堺さんもう終わりか! まとまらないですね。でも、このまとまらなさこそが「平場の月」っていう感じがとってもします。多分、物語が僕の中では終わっていないんだと思います。なので、皆さんにとっても、これからどんどん続いていく作品であってほしいと思います。そして、長くいろんな方に観ていただきたい作品です。大人の方ほど響く作品だと思うし、一生懸命生きてきた方ほど響く作品のような気もします。でも、何か簡単に言葉にならないところがまたこの作品の素敵なところだと思います。なので、皆さんもモヤモヤした感じで、この後も過ごしていただければと思います。今日は本当に貴重な機会で楽しかったです。本当にありがとうございました。引き続き本作をどうぞよろしくお願いいたします。