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第4回「ゴジラ-1.0」公開記念「山崎貴セレクション ゴジラ上映会」「ゴジラ-1.0」公式サイト「ゴジラ」の70周年記念作品「ゴジラ-1.0」の公開を記念して行われた「山崎貴セレクション ゴジラ上映会」の最終回が、10月27日に池袋HUMAXシネマズで開催されました。全四回にわたり山崎監督が自ら厳選した「ゴジラ」過去作を上映し、各作品にゆかりのある人物を招いて、山崎監督とトークショーを実施した同イベント。最終回となったこの日は、大ヒットを記録した「シン・ゴジラ」のモノクロ版、その名も「シン・ゴジラ:オルソ」が初上映され、さらにフィナーレを飾るゲストとして「シン・ゴジラ」の脚本・編集・総監督を務め、今回のモノクロ版企画の提案者でもある庵野秀明監督が登壇しました。二人が「ゴジラ愛」あふれるトークを繰り広げ、何度も会場の爆笑をさらったイベントの模様を詳しくレポートします!第4回「ゴジラ-1.0」公開記念「山崎貴セレクション ゴジラ上映会」庵野秀明監督山崎貴監督■イベントのスタート時間になり、まずは庵野秀明監督が入場。大きな拍手を浴びました。 庵野監督(スペシャルゲストでありつつMCを兼任)皆さんこんばんは。本日は第四回「ゴジラ-1.0」公開記念「山崎貴セレクション ゴジラ上映会」にお越しいただき、誠にありがとうございます。本日のMCを務めます、庵野秀明と申します。(会場:笑&拍手)まあ、しばらくは台本を読みます。(会場:笑) (台本を読みながら)2016年に私が脚本、総監督を務めた「シン・ゴジラ」の公開から七年。ついに11月3日、あと一週間で「ゴジラ-1.0」が公開されます。本日は「ゴジラ-1.0」…(台本のセリフ量に困惑しながら)多いな。(会場:笑) 「ゴジラ-1.0」を監督した山崎貴監督が選ぶ過去のゴジラ作品の中から、「シン・ゴジラ:オルソ」の上映を行います。上映に先駆けて、山崎監督と私から「ゴジラ」への思いをじっくりお話できればと思っております。また本日のイベントは、全国六カ所の劇場で生中継されております。それでは、「ゴジラ-1.0」の監督、山崎くん、どうぞ。■庵野監督から呼び込まれ山崎監督がステージに登場。大きな拍手を浴びました。 庵野監督じゃあ、挨拶を。(会場:笑)山崎監督今日はゴジラ上映会の第四回、最終回となります。この上映会の最後に、ついに庵野さんを迎えられて、非常に楽しみにして来ました。今日はよろしくお願いします。(会場:拍手) 庵野監督続きまして、2016年公開の「シン・ゴジラ」の脚本、総監督を務めました、私、庵野秀明です。本日はよろしくお願いします。(会場:拍手)(台本の続きについてスタッフに確認しながら)これも僕が読んで良いの? (会場:笑)じゃあ、後は台本にクロストークと書いてあるので、クロスしてください。 山崎監督クロスで(笑)。 庵野監督多分、言っておいた方が良いと思うんですが、何で今日の上映に「シン・ゴジラ」を選んだの? 山崎監督「シン・ゴジラ」が好きなんですよ。 庵野監督ありがとうございます。 山崎監督「シン・ゴジラ」の関係者しかいない完成披露試写がありましたよね。 庵野監督新宿のやつですね。 山崎監督そうそう。「観ますか?」と言われたので、「観たいです」と試写会に行ったら、割と良い席に案内されました。中野(昭慶)さんとか周りが偉い人ばかりで…。 庵野監督ゴジラ界の…。 山崎監督結構な人たちがいる中に、全然関係ないのに(良い席に)座らされて「どうしよう」と思っていたんです。 庵野監督まあ、VIPだからしょうがない。 山崎監督いやいや(苦笑)。そんな中で「どんな作品が出てくるんだろう」と思って観ていたら、「シン・ゴジラ」が、まあ面白かった。 庵野監督ありがとうございます。 山崎監督試写会場を出る時に庵野さんがいたので、「面白かったですよ」とお話したんです。(「シン・ゴジラ」のVFXに参加していた映像制作プロダクション)「白組」は僕が所属している会社なんですが、「白組」の人たちが結構頑張ってやっていたので、「白組が良い仕事をしていたので、誇らしかったです」と言ったら、庵野さんは「だいぶ鍛えましたから」と言っていましたね。(会場:笑)庵野監督かなり鍛えました(笑)。 山崎監督うちの「白組」という会社は、三茶(三軒茶屋)チームと、調布チームに分かれているんです。ちょっとここは、軽いライバル関係にあるんですよ。庵野さんが「シン・ゴジラ」を作るということで、樋口さんや佐藤(敦紀)さん、尾上(克郎)さんなど名だたる人たちがみんな参加するというから、「(『シン・ゴジラ』の制作に参加した)三茶チームはどうなっちゃうんだろう」と思って、見に行ったんです。そうしたらみんな、ボロボロに疲弊していました。(会場:笑) 庵野監督(ニンマリとした笑顔で)だいぶ鍛えましたからね。 山崎監督だいぶ鍛えられているという感じがあって、何だかかわいそうになっちゃって(笑)、近くのデパ地下みたいなところで、全員分のケーキを買って「とりあえず甘いもの食え!」って差し入れをしました。 庵野監督いやいや、ありがとうございます。 山崎監督そうやって僕がケーキを配るぐらいだったんです。でも、全部終わった後に庵野さんが「今日でチェック全部終わりです」と言って、みんなが「やっと、庵野さん終わりだよ!」となっている中、庵野さんが「本当にありがとうございました!」とみんなに言ったらしいんですよ。それを見たらみんなが急にキュンとなって、「庵野さん、良い人かもしれない」ってなっていました。(会場:笑) 庵野監督基本、良い人なんですよ。(会場:笑) 山崎監督知っています(笑)。知ってはいるんだけれど、追い込みがすさまじかったので…。 庵野監督あの時の合言葉は、「とにかく山崎や調布チームが、泣いて悔しがるようなやつにしてくれ」でした。 山崎監督ああ…。(大きくうなずきながら)はい、はい。 庵野監督「三茶チームの実力を見せてくれ」と、ちょっとライバル関係を利用させていただきました(笑)。 山崎監督いやいやいや(笑)。 庵野監督それでやる気を出してくれたんです。 山崎監督本当ですか? どうして社内でそんなことになっているんだ(笑)。「シン・ゴジラ」は本当に素晴らしかったんですよ。「本当にすごいな。三茶のチームをよくここまで奮い立たせて、すごいものを作ったな」と思っていたら、東宝さんから「そろそろ、次の『ゴジラ』どうですか」と提案されました。「『シン・ゴジラ』の後かよ!」と思いましたよ(苦笑)。 庵野監督いやあ、よくやったよね。(会場:爆笑) 最初は結構ビビっていたけれど、「ああ、やっぱりやるんだ」と思った。 山崎監督「ゴジラ-1.0」の撮影の途中で庵野さんが一度、陣中見舞いに来てくれたんですよ。その時に、「いやあ、本当によくやるよね」と言われました(笑)。 庵野監督本当によくやるよね(笑)。 山崎監督だって、他に誰もやらないじゃないですか。「シン・ゴジラ」の後にはもう、ぺんぺん草も生えないから、誰もやらないですよ。相当なバカヤロウじゃないとやらないと思ったので…。 庵野監督(「ゴジラ-1.0」は)良くできていたので、本当に良かったです。これで「ゴジラ」は続くから大丈夫だよ。 山崎監督今のは「ゴジラ-1.0」の話ですか? 庵野監督(うなずきながら)そうそう、「-1.0」の話。 山崎監督ちゃんと「ゴジラ-1.0」の話だと言ってから話さないと(会場:笑)。「庵野秀明も認めた!」という感じの記事にしてもらわないといけないので(笑)。(感想が気になって仕方ないといった感じで)そもそもどうなんですか? 庵野監督いろいろね、ツッコミどころは満載なんですよ。(会場:笑) 山崎監督うるさいわ!(会場:爆笑&拍手) 庵野監督それは全部横に置いておいて、面白いです。特に皆さん、銀座! 銀座を観てください。銀座は素晴らしいです。あと詳しくは言えないですが、後半に僕がすごく好きなところがあって、あれはキュンとくる。 山崎監督どこですか。僕にだけ分かるように言ってください。 庵野監督ここで言うと、ネタバレになるので、後で言う。 山崎監督そうですよね。まだ観ていない人たちには伝えてはいけないですね。 庵野監督今日僕がここにいるのは、山崎くんをとにかく応援しなきゃいけないから。多分リクープ(費用の回収)は大丈夫だと思うけれど、リクープして大儲けしてくれないと次につながらないからね。 山崎監督そうですよね。本丸ですから。「ゴジラ」作品はちゃんとヒットしないと。 庵野監督国産のやつは、特にね。 山崎監督だからプレッシャーが…。しかも「シン・ゴジラ」の後でも、ヒットしなきゃいけない。 庵野監督いや、これは大丈夫だと思う。 山崎監督やっぱり、「シン・ゴジラ」が“バカヒット”したじゃないですか。 庵野監督まあ“バカヒット”かどうかというのは、分からないけれど、リクープは恐らく大丈夫だと思います。 山崎監督東宝の人たちの期待度からして、ちょっとのリクープでは許してくれない感じになっているんですよ。 庵野監督いや大丈夫。上からちゃんと聞いているから。(会場:笑) 山崎監督この前、(2014年の映画「GODZILLA ゴジラ」で監督を務めた)ギャレス(・エドワーズ)監督にも「ゴジラ-1.0」を観てもらったんですよ。 庵野監督良いねえ。 山崎監督ギャレス監督は、今「ザ・クリエイター(/創造者)」という映画をやっています。 庵野監督楽しみですね。 山崎監督もう上映しています(笑)。 庵野監督もうやっているの? いやあ、もう世の中から遅れているので…(苦笑)。 山崎監督朝四時に着いて、ホテルで仮眠した後に、日本で最初にやったのが「ゴジラ-1.0」を観るということだったみたいです。観終わった時に、ひれ伏して出て来て、「1億ドルはかかっていないと思いますが、どのくらいの予算ですか」と言われました。「何を言っているんだ、この人」と思った(笑)。「それよりは下です」と答えました。やっぱりこれからは、予算も上げていかないといけないですね。 庵野監督向こうに比べると何十分の一ですからね。 山崎監督十分の一ぐらい、二十分の一ぐらいですかね。 庵野監督二十数分の一ですよね。(会場:笑) 山崎監督大変ですよね。 庵野監督それで同じぐらい稼がなきゃいけない。国産のゴジラは、国外のやつよりも稼がないとね。 山崎監督「シン・ゴジラ」は稼いじゃったから良いじゃないですか。本当に「シン・ゴジラ」は素晴らしかったですよ。この前「オルソ」を観ましたが、いやあ、皆さんはこれから観ることになりますが、ハードルを上げておきますね。怖いです。モノクロになったら、夜とかすごく怖いですよ。庵野監督モノクロの良さは、「色がない」ので、明暗だけでやっているから、夜は本当に良い。 山崎監督逆に、初代にすごく画が似てきて、ゴジラのエッジだけが見えているんです。だから、暗い中でたたずんでいる姿とか本当に怖いので、「これは良いな」と思いました。 庵野監督「ゴジラ-1.0」もモノクロでやれば、二重に儲かるよ。(会場:笑&拍手) モノクロ、イケると思う。 山崎監督さらに言うと、昭和が舞台なのでモノクロがめっちゃ似合いますからね。 庵野監督そっちの方が、モノクロの“シンクロ率”が高い。 山崎監督確かに(笑)。庵野秀明から“シンクロ率”という言葉をいただきました。(会場:笑) 庵野秀明ありがとうございます。 山崎監督良いですよね。そういう、ちょっと言うと面白い言葉がいっぱいあって。(会場:笑) 庵野監督そういうのをミームって言うらしいですよ。「シン・ゴジラ:オルソ」は、元々は上田くんというスタッフと話していて、「モノクロも良いね」と言っていたら、上田くんが面白半分でモノクロのバージョンをパソコンで作って、見せてくれたんです。これがね、自分でも面白かったんですよ。「全然また別の面白さになるんだ」と思いました。そしたら、今回ゴジラ上映会の話が来て、「山崎くんが『シン・ゴジラ』を選んだので、上映します」と言うから、「じゃあ、モノクロにしてみたらどうですか」と東宝さんに言ったんです。どうせやるんだったら、モノクロにして上映した方が話題性もあるし、山崎くんの助けにもなるし。 山崎監督「モノクロにするんだったら、やっても良いけど」という話じゃないんですね。(会場:笑) 庵野監督東宝さんにそんなこと言えないよ! 天下の東宝さんだよ。(会場:笑) 僕なんかもう、ピューッと吹けば飛ぶようなものなんだから。(会場:笑) そんなことおいそれと言えないよ。おずおずと「ど、どうですか…?」という感じで出したら、できることになりました。僕は、Blu-rayに焼いて、それを流せば良いんじゃないですかと言ったら、もうDCP(デジタルシネマパッケージ。デジタルシネマで映画を上映する際の標準的な配信形式)になっちゃいました。東京現像所(11月30日に事業が終了する予定)の最後の仕事になっていると思います。ちょっと切ないけれど、「これが最後の仕事」というのは縁があってありがたかったと思っています。東宝さんの粋な計らいです。画の方は、樋口と尾上さんがしっかり見てくれて、本当に全然違うものになっていると思いますので、お楽しみいただければと思います。 山崎監督これがうまくいけば、流行っちゃうかもしれないですね。 庵野監督「ゴジラ-1.0」もモノクロにして大丈夫だよ。本当に儲けられるよ。(会場:笑) もう一回作品を観に行ってくれるから。 山崎監督今回はすごいんですよ。IMAXとかいろいろラージ・フォーマットで上映をするんです。 庵野監督元々は4Kなの? 山崎監督2Kですね。最近は、AIでバージョンアップするからものすごくきれいで、全然遜色がないなという感じです。ScreenXの上映までやるんですよ。 庵野監督すごいね。 山崎監督ScreenXで椅子が動くというやつ(4DX SCREEN/4DXとScreenXが融合した体感型シアター)があるんですよ。この前それで観たら、もう完全にゴジラ・ザ・ライド(西武ゆうえんちのアトラクション)でしたね。(会場:笑) 庵野監督それで観る銀座のシーンは楽しいんじゃない? 山崎監督ドラマのシーンになるとしばらく静かなんですよ。ただ、スペクタクルなシーンになると、動くし、もう部屋中が大騒ぎになっています。 庵野監督ドラマ部分長いからね。もっと切ったら良かったのに。(会場:笑) 山崎監督そういうことを言うと、記事に書かれちゃうから(苦笑)。今回は、「庵野秀明、激賞」って載せてもらわないといけないんだから。(会場:笑) 庵野監督いやもう、褒めてばかりなんで、良いんじゃない? 山崎監督(褒め言葉をおねだりするように)もうちょいください。(会場:笑) 庵野監督でも、あまり言うと、やっぱりネタバレになってしまうので…。 山崎監督そうですよね。あそことか、多分好きだろうなと思っていたところもあるんですよ。 庵野監督いや、僕の好みは、山崎くんには伝わらないと思う。ものすごく狭いところだから。「そこなの!?」と思うような意外なところがすごく好きです。 山崎監督それを聞くのが楽しみだな。僕、軍艦とか作っている時に「ちょっと庵野さん、悔しがるんじゃないかな」と思ったんですよ。 庵野監督いやいや、その辺はね、ぬるい。(会場:大爆笑&拍手) でも、本作は山崎くんが今までやってきた、いろいろな作品の集大成ですよ。これは素晴らしいと思いました。 山崎監督ありがとうございます。 庵野監督今まで培った技術を無駄なく全部持ってきていて、上手だなと思いました。このために今までやってきた…。 山崎監督(庵野監督の言葉を引き継いで)やってきたかのような! 庵野監督そう言っても過言ではないぐらい、今までに培った技術が全部ここに集約されている。その技術力は素晴らしいです。 山崎監督結構「シン・ゴジラ」で良い仕事をした人を、調布に連れて来ちゃいました。庵野さんに鍛えられた人に、今回、お願いをするという。 庵野監督ちゃんとバトン渡しました。本当にVFXは良かったです。そういえば、何でいつも「VFX」なの? 肩書きにいつも「VFX」って必ず入れているよね。特撮とか、特技とかではなく。 山崎監督だって僕らはVFXだから、ビジュアル・エフェクツじゃないですか。特撮はインカメラで終わる感じがする。 庵野監督やっぱり洋画の方が好きなんだ。 山崎監督洋画が好き(笑)。やっぱり「スター・ウォーズ」「未知との遭遇」なんですよ。 庵野監督(その点では二人の間に壁があるというジェスチャーをしながら)そこがね、僕は特撮なのでもう完全に違うんだよね。(会場:笑)山崎監督分かります。よく存じ上げております(笑)。でも「シン・ゴジラ」はCGじゃ? 庵野監督でも、あれで目指したのは、特撮。ゴジラに動きがあったら全部ナシにして、CGを使って特撮の映像を再現するということ。 山崎監督ドラゴンとかを動かす天才的なアニメーターが「庵野さんのゴジラなら」と言って、休暇を取ってわざわざその時期だけ日本に来てくれたんですよ。 庵野監督やっぱり着ぐるみを再現したかった。首元のこの辺の動きとか、再現とかすごく良かったです。着ぐるみの動きをきれいに再現してくれました。 山崎監督あの天才が、着ぐるみの動きを再現していたんですね。贅沢だなあ。 庵野監督すごい贅沢をさせていただきました。彼が表情をつけようとしていたところを「着ぐるみなんで」と止めました。(会場:笑) 「今回はサイボット(目や口元、鼻を動かすといった細かい仕草用の機械仕掛けのもの)はナシなので、この辺は目しか動きません」と言いました。 山崎監督サイボットは通じました? 庵野監督分からないです。あまり向こう(ハリウッド)のやつみたいに筋肉が動いて…っていうのはナシにしました。それをやり始めると、もう時間もお金もなかったから、とにかくアニメで言うとリピート(「タイムシート」というセリフのタイミング、カメラワークや特殊効果の指定等が書き込んである指示書で繰り返しの指示をすること)でほとんど済むようにしないと、とても間に合わなかったんです。カット数もCGIを400に抑えてくれと言われたし。 山崎監督結構、いろいろと言われていたんですね。スーツを着るなとか…、割と素直に聞くわけですね。 庵野監督聞きますよ。 山崎監督偉いですね。 庵野監督(話を)聞かないイメージが、(庵野監督を密着した)ドキュメンタリーとかであるみたいだけどね。(会場:爆笑&拍手) あれはそういうところだけを切り取るので、実際はほとんど聞いているんですよ。 山崎監督聞いた話によると、もうちょっと柔らかいドキュメンタリーだったものを、庵野さんたちが「もっと過激にしてくれ」と言ったとか。 庵野監督いえいえ、違います。そもそも映像を僕は観ていないもん。 山崎監督都市伝説がいろいろと広がるんですね。だから、みんなが構えているところで、「ありがとうございました」とか言うと、「あ、良い人なんだな」ってなっちゃうんですね。 庵野監督いや、基本良い人だと思う。 山崎監督ほら、不良がさ、雨の日に犬に傘を差していると「あの人、なんて良い人なんだ!」ってなるみたいな。(会場:笑) 庵野監督僕は不良じゃないですよ(笑)。 山崎監督もうそんなもんじゃないですか。(会場:笑) 暴れん坊のイメージがある人から「ありがとうございました」とか言われたら、キュンとするっていう。 庵野監督デタラメを言わないでほしいなあ。(山崎監督&会場:爆笑) 全然違いますよ。山崎くんの脳内イメージとは全然違うよ。山崎くんだって、現場に行くと「うーん」って顔をしていて、「怖いなあ」と思うもん。(会場:笑) 山崎監督またそういうことを言って。(会場:笑) 撮影の途中に来てくれた時に、ちょっと会話が弾まない感じだったので、「『シン・ウルトラマン』に渡しているスタッフが、なかなか帰って来てくれないんですよ。早く終わらせてくださいよ」と言ったんですよ。そうしたら庵野さんが当時の進捗状況に結構マジ怒りしていましたよね。本当ですよね、すみませんでした。(会場:笑) 庵野監督まったくですよね。 山崎監督「白組」を代表して、申し訳ありませんでした。 庵野監督いやいや、山崎くんに謝ってほしいわけじゃない。(会場:笑) 終わった話です。まあ、間に合ったので良かったです。 山崎監督間に合って良かったです。そういえば、庵野さんが「ゴジラ-1.0」の現場に来た時は、神木(隆之介)くんや浜辺(美波)さんが、はしゃいじゃって本当に面白かったんですよ。 庵野監督はしゃいでいましたね。 山崎監督「珍獣が来た」って。(会場:笑) 庵野監督またそうやって嘘を言う(笑)。 山崎監督「レアポケモンが来た!」って、二人ではしゃいでいました。面白かったです。 庵野監督まあ、人気者なんでね。(会場:笑) 山崎監督浜辺さんからは「あんちゃん」って呼ばれているらしいですよ。僕は「たかすぃー」って呼ばれているらしいです。 庵野監督まあ、良いんじゃないですか(笑)。 山崎監督あの日はちょっと面白かったです。 庵野監督(撮影現場を)見ていて「何でこっちから撮っているんだろう」って、そればっかりずっと気になっていました。 山崎監督うるさいわ! (会場:笑) 庵野監督「どうせ切るのに、ここを何度もやったってしょうがないじゃん」と、そういう風に見ていました。こちら側から撮れば、40分くらいは巻いて撮影が終わるのに。だってどうせ切るでしょう? 山崎監督そんなこと言われたくないですよ! (ドキュメンタリーで、庵野監督が何度もテイクを繰り返す姿が映し出されていたこともあり)あれだけたくさんの素材を撮って、編集でもう…。(会場:爆笑) 庵野監督うちは安いカメラでいっぱい撮っているだけですよ。大きいカメラで回している量は一緒ですよ。うちはiPhoneとかそういうのでも撮るから素材がいっぱいになっているだけで、テイク数とかは多分そっちの方が多いよ。(反撃するように熱弁する庵野監督に会場:爆笑)山崎監督いやいやいや、絶対そっちの方が多いと思う。(二人の攻防戦に会場:爆笑) 庵野監督ちなみにアクションは、アクション監督が納得するまでやって、「監督どうですか」と聞かれて、「オッケーです」と言う役でした。 山崎監督それにしてはドキュメンタリーではいろいろと言っていたじゃないですか。(会場:笑) 庵野監督いやいや、言っていない。 山崎監督切り取り? 庵野監督切り取り。 山崎監督本当に良くないですよね。切り取られちゃうのは。 庵野監督(カンペに気づいて)あれ、もうフォトセッションだって。 山崎監督これからじゃないですか。(会場:笑) 僕がこれから庵野秀明の暗部を炙り出そうとしているのに。 庵野監督明るいところしかないって! 山崎くんの方が本当は暗いんだから。(会場:笑) 山崎監督誰もそんなこと思っていないですよ。 庵野監督いえいえ、半分ぐらいは思っていると思う。今日のスーツの色で分かるでしょう。ちょっとインナーの白で誤魔化している(笑)。 ■スタート時は混乱していたフォトセッションも、無事に終了。締めの挨拶に入りました。庵野監督ありがとうございました。以上を持ちまして、第四回「ゴジラ-1.0」公開記念「山崎貴セレクション ゴジラ上映会」を終了いたします。中継先の皆さんも、どうもありがとうございました。「ゴジラ-1.0」はあと一週間後の11月3日、初代ゴジラの公開日に公開となります。この後は「シン・ゴジラ:オルソ」の上映が始まりますので、準備が整うまで今しばらくお待ちください。本日はどうもありがとうございました。(会場:拍手) 山崎監督ありがとうございました。(会場:拍手)
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『8番出口』劇場用パンフレットのお知らせ©2025 映画「8番出口」製作委員会 2025年8月29日(金)公開 『8番出口』の上映劇場で販売いたします。 パンフレットは公開劇場にてお買い求めください。 A5 P68(表紙込み) 定価1,100円 (税込) 『8番出口』 ご案内|Information Introduction 二宮和也 川村元気 (対談) Cast Comment & Profile 二宮和也 河内大和 小松菜奈 Cast Profile 浅沼 成 花瀬琴音 Staff Interview & Profile 監督・脚本:川村元気 Staff Comment & Profile 企画:坂田悠人 脚本:平瀬謙太朗 撮影:今村圭佑 録音:矢野正人 美術:杉本 亮 スタイリスト:伊賀大介 編集:瀬谷さくら 音楽:Yasutaka Nakata(CAPSULE) 網守将平 Original Works ゲーム「8番出口」 KOTAKE CREATE Review 相田冬二(映画批評家) 佐藤直子(脚本家 / ゲームデザイナー) 髙比良くるま(芸人) 立田敦子(映画ジャーナリスト) Credit -
映画『8番出口』初日舞台挨拶「8番出口」公式サイト 世界的人気ゲームを実写映画化し、カンヌ国際映画祭でも喝采を浴びた『8番出口』が8月29日についに公開を迎え、TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて舞台挨拶が開催されました。主演の二宮和也さん、小松菜奈さん、河内大和さん、川村元気監督が舞台挨拶に登壇しました。こちらの舞台挨拶の模様をレポートいたします! 初日舞台挨拶 迷う男役 二宮和也さん ある女役 小松菜奈さん 歩く男役 河内大和さん 川村元気監督 二宮さん本日は、数多くある映画の中から本作を観ていただきありがとうございます。皆さんは本作を観た後なので、楽しい話ができればと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。 小松さん皆さん、こんばんは。今日は初日舞台挨拶にお越しいただきありがとうございます。現場でも感じていましたが、改めてスクリーンで観ると、ゲームの世界観の再現度が本当に素晴らしくて、圧倒されました。観ている自分が、プレーヤーになった気分になれます。常に何かに自分も見張られているような、追われているような疑似体験ができる。そんな新感覚な面白さが本作にはあると思います。今日、皆さんには本作を観ていただいたかと思いますが、「ここはどういう意味なのかな?」といった考察も楽しんでいただければと思います。 河内さん今日はこの劇場にお越しいただきましてありがとうございます。僕はもう本当に、この日を待ち望んでおりました。「おじさん」がなぜ歩いてるのか? なぜ笑ってるのか? その意味を皆さんはもうお分かりだと思います。皆さんの感想を楽しみに待っています。本当にありがとうございます。 川村監督まずは、初日に来ていただき、本当にありがとうございます。今まで、僕らはプロモーション期間中、作品について言えないことが多すぎて、苦しかったです。今日も言えることがある程度制限はされますが、観終わった方々と楽しい話ができればと思っております。よろしくお願いいたします。 MC本作は、本日8月29日から全国407館(IMAXを含む)で公開されております。先ほど速報が入ってまいりました。そこから計算したところ、この金土日の3日間で『8番出口』だけに、8億円を目指す大ヒットスタートになっております。 二宮さんありがとうございます。 MCせっかくなので、ピッタリ8億円で止めたいみたいな…。 二宮さん止めたいんだ(笑)? MCさらに専門家の方が最終興行収入を計算したところ、最終的に40億円を目指す大ヒットが見込まれるとのことです。 二宮さんこれ、逆にお客さんにプレッシャーがかかっちゃうかな? 先ほど挨拶でも言いましたが、現在、様々な作品が上映している中で、自分で言うのもなんですが、このヘンテコな作品を選んでいただいて、(会場:笑) 皆さんは変わった人だと思います。入口と出口が全く違うような映画はなかなかないと思うので、皆さんとこの作品を共有できたのはすごくうれしいですね。 川村監督まず、本作を選ぶというのは、勇気がいる選択だと思います(笑)。あのゲームが、一体どういう作品になっているのか、さっぱり分からないですよね。だって、ゲームにストーリーがないので…。二宮くんに本作の企画書を渡した時に、すごく不安そうな顔をされたのをさっき思い出しました(苦笑)。入口の印象と、観終わった出口の印象は、かなり違っていると思います。そこの感情を、これから観る前の人たちに、上手な形で広めてもらえたらうれしく思います。 MCSNSの感想を見ると、「ゲーム好きでやり込んでいるから『厳しい目で見てやろう!』と思って行ったら、面白かった!」みたいなものがあります。 二宮さんそれはうれしいですよね。 MC「どんな映画になるんだ?と思ったら、こう来たか!」という感想もありますね。 二宮さん「おじさん」がずっと歩いているんでね…。いや、「歩くおじさん」がずっと歩いているんでね…。 河内さん「歩く男」です。「歩くおじさん」じゃないです(苦笑)。 二宮さんああ、「歩く男」か…えっ! 「歩くおじさん」じゃないの? 河内さん「おじさん」こと「歩く男」なんです。「歩くおじさん」じゃないんですよ。 二宮さん「歩くおじさん」じゃないんだ(笑)? 「歩く男」なんだね。そういう精密さ加減とか、セットもそうですが、ゲームをやり込めばやり込んでくれている人ほど、その再現度の高さに感心・感動してくれるんじゃないかなと思いますね。 MCさっき小松さんも「ゲームの中に自分が入り込んだみたいだった」という話をされていましたが、それだけではないところもありますよね? 小松さんそうですね。特に私の役はオリジナルなので、「小松菜奈はどういう役で登場するんだろう?」という声を聞いていました。やっと公開して、全貌が明らかになり、やっとしゃべれると思ったら安心しました(笑)。 MC前回の「88m無限ループカーペットアライバルイベント」の時は何も言えない感じでしたもんね? 小松さんそうですね。ほぼ何も言えない感じで…。 MCSNSでは他にも「映画を観た後、地下鉄に乗って帰るのがちょっとドキドキする」というものがありましたが、これは会場の皆さんも、絶対そうですね。 二宮さん来るかもしれないからね? 河内さん出会うと思いますよ(笑)。 MC今、河内さんが地下鉄の駅を歩いていたら、ドキッとしますよね? 河内さん白シャツで歩いていたら、ドキッとするんじゃないですか(笑)? MC他にも、「ホラー映画なのかと思って、ちょっとドキドキしながら観ました。地下通路にこんな壮大な人生ドラマがあったということを知って思わず涙!観る前と後ではとっても印象が変わる映画だと思いました」という感想もあります。 川村監督そうですね。本作の結構大事な部分を、真ん中の二人(二宮さん&小松さん)が演じてくれました。そこを早く観てほしいと思っていたんですが、一切それについてしゃべれない(苦笑)。「海」っていうことだけは言っても良いですか? (登壇者の皆さん:笑) じゃあ、「海のシーン」良かったと思うんですが、いかがだったでしょうか? ■会場から拍手! MCあのシーンはいかがでしたか? 二宮さん全員、楽しかったですよ。河内さんも撮影現場に来てくれたんです。 河内さん僕は出番がないのに見学に行きました。 MC砂浜は歩いていないですよね? 河内さん歩いていないです。海の上から歩いてこようかと思ったんですが、出来ませんでした(笑)。僕としては、(地下通路の)あのシーンばかりだったので、海のシーンは絶対に行きたいと思っていました。美しいシーンでした。 MCこんな感想も届いています。「俳優の皆さんの演技が凄まじかった!登場人物が少なくて、それぞれの役がとても難しい役のはずなのに、俳優さんって本当にすごいなと思いました。中でも無限ループする空間で迷う男を演じた二宮さんの飽きさせない男!もう日本代表だと思います」ということです。 ■会場から拍手! 二宮さん飽きさせないので(笑)。 MC新しい称号を手に入れましたね? 二宮さん次回作で使いたいと思います。「飽きさせない男」! MC二宮さんは、ほぼ一人で出ているシーンも多かったですね。 二宮さんそうですね。多かったです。原作に忠実にというか、再現性の高さを目指しているつもりなので、物語を大きく動かす前は、いかに原作を敬愛しながら、汚さずにちゃんと表現できるか MC小松さんは「ある女」を演じてみていかがでしたか? 小松さんそうですね、私は最初に声の出演があるんです。声色を変えるというか、自分的には自然に伝えているつもりなのに、「ちょっと怒っている」と思われてしまう部分もあったので、監督と話し合ってそこの調節をしていきましたね。あとは、急遽撮影で顔が出るシーンが増えました。最初、声だけだったんですが、「やっぱり登場させよう」となって、出演させていただきました。 川村監督本当に本作は、こんなことばっかり起きています。全然シナリオ通り進まなかったり、さっき二宮さんは「飽きさせない男」っていう話でしたが、シナリオ通りに演じてもらって、編集してみたら「飽きるね」となったり…。 MC「飽きさせる男」だったんですか? 二宮さん現場をね(笑)。「現場を飽きさせる男」(笑)。 川村監督それでもう一回話し合って「ちょっと芝居を変えよう」とか。 二宮さん話し合ってみたら「やっぱり(小松さんに)来てもらった方が良い」ってなって…。でも、 「いなくて良い」って言われてんのに次の日には急に「来てもらった方が良い」って言われたら不安ですよね? 小松さんでもなんか「呼ばれるかな」って思いました。 二宮さん本当? 小松さん現場に数日いてみたら、「これ呼ばれるな」と思っていました。だから、呼ばれた時は「キター!」って思いました(笑)。 川村監督それくらい、現場で毎日シナリオを書き換えて、変わりながら撮っていました。その作り方がすごく「ゲーム的」というか、一回やってみてうまくいかなかったから、シナリオを書き換えて、お芝居も変えて撮る…という繰り返しでした。僕らが先を読めないで作っているから、お客さんはもっと読めないんじゃないかと思います。 MC日本での公開を皮切りに、ここからさらに海外の映画祭へ羽ばたいていきます。9月にはカナダのトロント国際映画祭、韓国の釜山国際映画祭。10月にはスペインのシッチェス・カタロニア国際映画祭への出品も決定しております。おじさんも国境越えて、世界中で大人気になるんじゃないですか? 河内さんこの作品のオファーをいただいてから、初めて川村監督とお話した時に「おじさんはこの作品のアイコンになるんで、覚悟しておいてください」みたいなことを言われたんです。今、日本の映画館と本屋が大変なことになっていて…。どこに行っても自分がいるっていう(笑)。 二宮さんSNSを見ていると「こんなにいろんなパターンを撮ってたの?」って思いました。 河内さんみんなが知らないところで、撮影が終わった後に一人居残りをして、撮っていたんです。「居残りおじさん」です。 MCSNSでもやっぱり子供人気がすごいですよ。 河内さん子どもに声をかけられることが多いです。「8番出口の人だ!」って。 二宮さんへぇ! もう「変なおじさん」と同じですね(笑)。 河内さんいやいや(苦笑)! でも、うれしいです。大人の方は、多分まだ怖いから、声がかけられないんですよね。 MC見る前と見た後で印象がガラリと変わる部分もあったりして、その辺も演じていて面白い部分もあったんじゃないすか? 河内さんそうですね、最初ゲームを見て「このおじさんをやるのか」と思いました。 二宮さん(笑)。思いますよね。それは、思うと思います。 河内さん「これどうやって演じるんだろう?」と思いましたが、脚本を見て「なるほどな」と思いました。おじさんは、おじさんなりに、ああやって歩いている理由があって、ああやって笑顔になる理由がきっとあるんだなと思いました。それを撮影しながら探している感じでしたね。 MCそして、釜山国際映画祭からも素敵なニュースが入ってきております。映画祭の人気プログラムに「アクターズハウス」というプログラムがあります。これは… 二宮さん(MCの言葉を遮るように先走って照れ笑いをしながら)あぁ、(選ばれてしまって)すみません(深々と頭を下げる)。 MC早い!早い! 川村監督ちゃんと聞こう! MCこの「アクターズハウス」というのは、演技力だけではなく、スクリーン内外で際立つスター性を放ち、高い評価を得ている俳優にスポットを当て、俳優自身の魅力に迫るトークプログラムです。過去には「ミナリ」(2020年公開/監督:リー・アイザック・チョン)で韓国人初のアカデミー賞助演女優賞を受賞したユン・ヨジョンさんや、是枝裕和監督の「ベイビー・ブローカー」(2022年公開/出演:ソン・ガンホ、カン・ドンウォン他)に出演したカン・ドンウォンさんなど、韓国のスターの皆さんが登壇してきた人気プログラムです。今回、初の日本人俳優として二宮和也さんの登壇が決定しております!(二宮さんは客席の左右あらゆる方面に向かって頭を下げる)この、「スクリーン内外で際立つスター性」という…。 二宮さんスクリーン内外で…すみません。(苦笑しながら頭を下げる) MC今までの俳優人生を語ったりするということなんですが…。 二宮さんだとすれば、怯えます! いや、どういったものなのっていうのは…。 川村監督当日イ・ビョンホンさんと出るらしいですよ。何を話します? 二宮さんいや、とりあえず写真を撮ってもらいます。 河内さん写真好きだな! 二宮さん絶対に写真は撮りたい。やっぱり本作と一緒に海外に行くっていうのは、本当に旅行してるみたいで、いろんな思い出が増えていきますよね。河内さんも一緒に行くんですよね。 河内さん行かせていただきます! MCそうなんですね。川村監督は行かれますか? 川村監督行きます。おじさんと一緒にレッドカーペットを歩くんですが、衣装をどうしようかなって考えているんです。 二宮さんドレスコードないんですか? 川村監督いやどうなんですかね? 二宮さんちょっとワクワクしてきちゃった! MCさて、ここからは映画の世界観を表す重要なキーワードである「異変あり」「異変なし」の二択にちなんで、テーマトークを皆さんとしていきたいと思います。これから、いくつかの質問をいたしますので、「その通りだな」と思ったら「異変なし」の札を、「いや、それは違うよ!」と思ったら「異変あり」の札を挙げてください。 本作の撮影はかなり変わった撮影手法だったとうかがっておりますが、何の問題もなくスムーズに撮影できたなと思ったら、「異変なし」。 いや、結構大変で苦労したかなと思ったら「異変あり」を挙げてください。 【質問1】 ■全員「異変あり」。 小松さん良かった! 二宮さんみんなが同じ思いでしたね。「もう一回観てもらいたい」という意味を込めてなんですが、映画の中のメインストリートみたいところがあるじゃないですか? MCループしていく通路ですね。 二宮さんあそこに「迷う男」が三歩入ると、(おじさんが)出てくるんですよ。これをずっーと守らなきゃいけないんです、我々は。 河内さん(爆笑)。 二宮さん同じところで「おじさん」って言わなければならないので、僕がちょっとタイミングをずらしてしまっても、おじさんがちゃんと調整をして、いるべきところにいてくれるんです。それって、お芝居とはまたちょっと違う脳が働いているんですよ。それは「異変あり」という感じでした。 MCそれは大変だったということですか? 二宮さん大変というよりも、新しい感覚でしたね。 河内さんそうですね。どのタイルのどの部分で曲がって、どちらの足で曲がるかは、決めていたんですよ。でも、やっぱり二宮さんは毎回、芝居が違うじゃないですか? 二宮さんいい意味でね(笑)? MC「飽きさせない」から。 河内さん(笑)。その「飽きさせない」が如実に出ていましたね。スタッフさんがキューを出してくれるんすが、その通りに出ても違う時が結構ありました。毎回、スピードが違うから、その速度調整とかは結構大変だったんですが、楽しかったですね。 二宮さんそんなのやったことなかったから、楽しかったですね。まあ、僕はもう基本的に自由にやっているから、(河内さんが)全調整をしてくれて。 MC一点を見つめながら微妙に調整して? 河内さんそうそう、(真っすぐしか)見れないからね。こうやって(真っすぐに一点を)見るんですが、タイルをずっと見ていると、何だかクラクラしてくるんですよ。 二宮さん分かるかも。 ■二宮さんと小松さんと監督は後ろにあるセットのタイルの絵をじっとみる。 河内さんだからもう、グワーンってなりながら歩いている時もありました。でも、舞台みたいで面白かったですね。 MC小松さんも「異変あり」を挙げていますが? 小松さんマイナスな捉え方ではないんですが、聞いてもらいたくて…。 二宮さんこれからマイナスなことを言おうと? 小松さん違います、違います(笑)! そうじゃないよと(笑)。 二宮さんそうじゃないのね。 小松さん私は現場で見ていたんですが、「迷う男」が黄色い部屋に入っちゃうシーンがあるんですが、その部屋のタイルが黄色なんです。そこで監督が「いや、この黄色じゃないんだよな…」って言って、もう一回それを撮り直しするっていう話を聞こえてきたんです。その時にアンミカさんの「白は200色あんねん」って言葉が浮かんできて(笑)。いや、どの黄色が正解なんだろうって思いました。 二宮さん塗り直しましたからね。しかも、乾かすのに二日くらいかかりました。 MC監督はそんなの当たり前だよという感じですか? 川村監督いやいや、黄色に異常なこだわりを持っていた二カ月間でしたね。でも、全然違うんですよ。(会場のセットを差して)この黄色とそこの黄色も全然違うじゃないですか。黄色って、ちょっとした差で印象が変わるんですよ。怖くもなるし、温かくもなるので、結構面白い色だなって…言い訳です。 小松さんでも、細部にまでこだわって、みんなで話し合って、追求していくっていう時間はすごく良かったと思います。 MC監督も「異変あり」ですが…? 川村監督小松菜奈さんの初日の話なんですが…。今言われたので、ちょっと言い返そうかなって(笑)。小松さんは、久しぶりの映画の現場だったんですよね? 一年ぶりくらいでしたっけ? 小松さんはい、そうでした。 川村監督結構、スンとした顔でやってくるんですよ、この人は。 小松さんそういう顔なんですよ(笑)。 川村監督「小松菜奈が“スン”とした顔でやってきたな…」って思っていたら、現場のパイプ椅子に座って緊張で震えているんですよ。声を録っても、声がずっと震えているから「これはダメだ!」って思うくらいでした。 小松さんそうなんです。そう見えちゃうのが良いところなのか悪いところなのか? 二宮さん良いところなのよ。でも実際、緊張しているんだもんね? 小松さんめちゃくちゃ緊張しています。ノミの心臓なんです(苦笑)。 川村監督今日も、ずっと挨拶の前に「はぁ、緊張して吐きそう」って言っていましたよね。 二宮さん「何しゃべって良いか分からない…」って言っていましたけど、さっきからベラしゃべりですよ(笑)。 小松さんそんなことは言っていないですよ。「緊張しています」って言っていたんです。 私は身の回りの日常生活に起きる異変に全く気づくことができないタイプだ。 気づかない場合は「異変なし」いやいろいろ気づいちゃうんですよね、細かいとこも…という場合は「異変あり」を挙げてください。 【質問2】 ■二宮さん「異変なし」、小松さん、河内さん、川村監督は「異変あり」 二宮さん僕はあんまり気づかないというか、あんまり私生活に興味がないのかもしれないです。違っていても自分で直せばいいし…、という感じで、あんまり気にしたことがなかいですね。 河内さんあんまり気にしなさそうですよね。何が起きても動じない感じがします。いい意味で、自然とそこにいるんですよ。中はどうなのかは分からないですがね。 小松さん「緊張するんですか?」というお話をしたら「全然しない」って言っていました。 MC緊張したことはないんですか? 二宮さんさすがにしたことはありますよ(笑)。でも、あんまりしないかも。 川村監督僕が驚いたのは、カンヌ国際映画祭でスタンディングオベーションを受けている時って、パニックになるんですよ。でも、二宮さんはカメラに向かって投げキッスをしていましたからね。それを見た是枝裕和監督から「ニノすごいね」っていう一言だけのコメントが来ました(笑)。(登壇者の皆さん:笑) 「投げキッス、カンヌでやれる人はいないよね」って。 二宮さんそういうところがありますよね(笑)。でも、人生一回きりだからね。 MC小松さんは「異変あり」なので、結構、細かいところに気づいちゃう? 小松さんわりと敏感かもしれないです。人としゃべっていても「今日疲れていそうだな」「何かあったのかな?」って聞くと「そうなの。よく気づいたね」って言われますね。 MC河内さんも「異変あり」? 河内さん僕、ビビリなんで(苦笑)。何かあるとすごく声が出ちゃうんすよ。ビクってなるし、いろんなことに過剰に反応しちゃうんですよ。そういえば、今日の僕の異変に気付きました? 二宮さん本人じゃない? 河内さん(爆笑)。 二宮さんあ、髪ね! 河内さん(後ろを向いて)初日だから、三つ編みヘアが8本あるんです。 二宮さんすごいね…。 MC川村監督は? 川村監督僕は細かいことを気にするので、河内さんにはとにかくCGみたいに動いてほしかったんです。毎回同じように歩いてほしいし、毎回同じ笑い方をしてほしかったんです。でも、同じ顔を人はできないじゃないですか? それが何回も繰り返されることがCGみたいで怖い――人間がCGのような動きをするのが怖いっていうのを表現してもらったんです。あまりにしつこくやるから、河内さんの顔面の筋肉がおかしくなっちゃいました(苦笑)。本作を二回目以降に観る時に観てほしいんですが、振り向いたらっていうシーンが三回ありますが、三回目の顔は震えています。それが好きです。 河内さん僕も人間だからね。あれはやばかったですね…。 実は、今、二宮和也さんに異変が起きている…? 異変に気づいたら「異変あり」、ないと思ったら「異変なし」を挙げてください。 【質問3】 ■二宮さんと川村監督は「異変あり」、小松さん、河内さんは「異変なし」 二宮さん(小松さんに向かって)別に普通だよね? 小松さんはい…髪の毛が、今伸びたとか(笑)? 河内さんずっといつもの二宮さんですよね? 全くいつもと変わらないフラットな感じです。 川村監督半袖になっている(笑)? 二宮さんそれは、最初から! MC二宮さんから異変を説明していただけますか? 二宮さん僕もこれは、SNSを見て「気づいた」んです。でも、説明は受けていたと思うんですよね。ということは、聞き流していたんだろうな…。今、SNSで私のプロフィールが「八宮」になっているっていう話なんです。「八宮和也」になっているらしいんですよ。その画像を見て「え?マジでなっているじゃん!」って。僕としては、勝手にやられているイメージなんです。でも、説明は受けているはずなんだ。でも、忘れているんだよね、きっと。 MCプロモーション活動の一環として名前を変えるっていうのは、若手芸人みたいな感じですね。 二宮さんでも、もしかしたら、この世界中で八宮と仕事をやりたいっていう人がいるかもしれないので、八宮と仕事するんだったら、今オファーをするしかないですよ! MCでも、こちらは本日(8/29)23時59分までとなります。 二宮さんええ!? そうなの? 短いなあ…。 MCSNSで気づいている人は結構いました。 二宮さんですよね。僕もSNSの書き込みで気づきました。 MC「よくやるなあ。さすが」って思いました。 二宮さん僕もそう思いました。「よくやるなあ。さすが」って思いました。 MC最後に二宮さんからメッセージをお願いします! 二宮さん本日は観ていただきましてありがとうございました。映画がたくさんあふれかえる世の中になって思うのは、エンターテインメントに関わる仕事は、有事の際や、それこそコロナ禍になったりすると、自粛をせざるを得ないカテゴリーの一つだということです。その時は、もう世の中を応援することしかできない。見守ることしかできないんです。今はこうやって映画がたくさん出てきて、僕たちも映画を封切ることができる世の中は、すごく平和なんだなと思います。そして、幸せな時じゃないとエンターテインメントには触れることができないものです。なので、僕らはいろんな作品を作ることに集中して、熱中して、こういった尖った作品や、王道なものなど、いろんなものを生み出しています。我々は、また新しい作品を…いや、「我々(このメンバー)」でやるわけじゃないですが(笑)、それぞれに新しい作品を作ると思います。そ
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「すずめの戸締まり」初日舞台挨拶「すずめの戸締まり」公式サイト新海誠監督の最新作「すずめの戸締まり」が11月11日についに公開を迎えました。東京のTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて行われた舞台挨拶に新海監督をはじめ、声優を務めた原菜乃華さん、松村北斗さん、深津絵里さん、染谷将太さん、花瀬琴音さんが登壇しました。 新海監督自らMCを務め、キャスト陣は本作に出演しての思いや作品の魅力について熱く語りました。こちらの舞台挨拶の模様をレポートいたします。初日舞台挨拶新海誠監督岩戸鈴芽役原菜乃華さん宗像草太役松村北斗さん岩戸環役深津絵里さん岡部稔役染谷将太さん海部千果役花瀬琴音さん新海監督皆さん、本作を観ていただき本当にありがとうございました。作品を観ていただいた直後の皆さんの前に立つというのは、何回やっても緊張します。最初にちょっとだけ、お話をさせてください。本作を観終わった直後ということで「僕にはないものでできてる」――RADWIMPSの野田洋次郎さんにもらったエンディング曲(「カナタハルカ」)の歌詞がありますよね。「あの歌詞がこの『すずめの戸締まり』という作品そのものだな」と、舞台挨拶の前に、急に思い至りました。この映画というのは、僕の力で作ったものではない気がするんですよね。「君の名は。」(2016年公開/主演:神木隆之介・上白石萌音)から僕の映画を観てくださった皆さんからの「次はこういう映画が見たいんだ」という声が、どこからか聞こえたような気がしています。あるいはこの作品は、ここにいらっしゃる素晴らしい演者の皆さんもそうですし、画や音楽を作ってくださったたくさんのスタッフの力――「僕にないものでできている」作品な気がしています。そんな皆さんの声によって出来上がった作品であるような気もしています。ですから、ここまで導いてくださって、皆さん本当にありがとうございました。短い時間ではありますが、この後、楽しいお話ができればと思います。原さん昨日はあまり眠れなかったくらい、ずっと今日を楽しみにしていました。この作品の、言葉では到底表しきれない素晴らしい魅力をこれからたくさんの人と共有できるんだと思うと、すごく嬉しい気持ちでいっぱいです。こうして無事に公開して皆さんの顔を見ることができたことも嬉しいです。 松村さんどうも、イスです。僕は今日、最速上映を観てからここに挑んでいるので、「すずめの戸締まり」熱がまたふつふつと…いや、グラグラと煮えたぎっている状態です。この熱い思い、せっかく上映後ですもんね。楽しい+ちょっとうっとうしいくらい熱い時間にできればと思います。楽しんでいきましょう。 深津さんこうして皆さんとお会いできてとっても嬉しいです。私は初めて声優に挑戦しました。とっても怖かったです。でも、新海監督が温かく、粘り強く導いてくださったおかげで、何とか完成させることができたと思っています。思い通りにできなくて、どん底まで落ち込んで…。でも、次の収録が待っているから、何とか気分を変えようと当てもなく街を歩き続けたり、新幹線に乗って京都のお寺で心を静めてみたり…。初めてのことにこの年齢でトライできるチャンスをいただけて、監督には本当に感謝申し上げたいと思います。 染谷さん上映後ということで、自分が本作を観た日のことを思い出しました。観終わって、イスに体がくっついちゃったような気持ちで、なかなか立てなくて…。本当に心に響きました。本当は、今日はそっち(=客席)に座って舞台挨拶を見たいくらい、嬉しいし、感動しています。 花瀬さん今日という日を迎えるために、新海監督と多くのスタッフさん、そして原さんと松村さんをはじめとしたキャストの皆さんが血と汗と涙で作り上げた作品だと思います。今も、ここじゃないどこかで誰かがこの「すずめの戸締まり」を観ていると思うとワクワクが止まりません。 MC新海監督、初日ということで、キャストにお伺いしたこともあるのではないかと思いますので、一緒にお聞きしながらクロストークで進められればと思います。 新海監督お願いします。 MC原さんと松村さんにお聞きしますが、松村さん演じる草太がイスになるのが話題になっています。原さんが演じた鈴芽はイスとなった草太と旅をしますが、二人の旅というのはいかがでしたか? 松村さんじゃあ、せっかくなのでイスになる側からしゃべったほうが良いですかね(笑)。皆さんの予想を超えた時間、イスでい続けましたよね? やりながらもそうですし、いろんなインタビューを受けながら、原さんの言葉で「そうだよな」と思ったのは、「草太はイスになってからのほうが、人となりや感情が見えた」かなと思います。また原さんは「表情がなくなったほうが表情が見える」ということを言っていました。何かすごく不思議で魅力的な、これもきっと新海監督の…作戦なんですか?新海監督僕も、二人の話を聞いて「あぁ、良くできた話だな」と思ったんですよ(笑)。草太って、映画を観てお分かりかと思いますが、非現実的なほど美しい男性として描きたいと思ったんです。でも、そのキャラクターがイスになってしまって、ビジュアル的にちょっとかわいらしく歩いて日本全国の廃墟を回るという物語が、ビジュアル的にもコミカルだし、物悲しくてワクワクするものになるんじゃないかと思ったんです。実際、出来上がった作品を観ると、イスの草太ってコミカルな芝居が多いですよね? 菜乃華さんもずっとイスを持ったり、体から出ちゃったり。いろんなイスを巡る思い出がありますよね? 原さん私は電車に乗っているシーンがとても大好きです。後半に進むにつれて、少しずつシリアスなシーンが増えていくので、そういう時のアフレコは、新幹線や電車の中で小声で話し合うかわいらしい二人を見ながら、心を落ち着かせてアフレコをしていました。 新海監督あんな風に、イスになった草太って結構コミカルではあるんですが、その時の草太の声って、人間の時からはなかなか想像できないお芝居だったと思うんですよ。ですから、イスというビジュアルが、草太という人間のもっと楽しい部分を引き出してくれていたんだと完成したものを観て、北斗くんのお芝居を見ながら思いました。 松村さん予告編だと人間時代の草太が人気だったと思うんですが、本編を観るとイス時代の草太のほうが人気なんじゃないかと(笑)。 新海監督北斗くんにイスをやってもらうというのが、今回の作品のすごく大事なところだったんだと途中で気づきました。予告編は僕が自分で編集したんですが、「松村北斗」の名前を出す時、バーンっとイスにかぶせて出しました(笑)。 松村さんそうでした、そうでした(笑)。 新海監督「これが松村北斗くんだよ」というように出したりしていました。 MC原さんと松村さんにはお互いの印象についてもお聞きしたいと思います。 原さん松村さんは、本当にずっと実写版・草太さんだと思っていました。お声はもちろんですが、上品な雰囲気やしぐさだったり、私に対してもすごく丁寧に敬語で接してくださるところが、本当に草太さんそのままだと思います。私がいろんなところでお話する機会が増えて、思っていることをうまく言語化できなくて詰まってしまった時に、代わりに思いをくみ取って言葉にして、いつもフォローしてくださいました。そういう聡明なところも草太さんと全く同じだと思います。松村さん本当に言葉が上手な19歳ですよね(笑)。参っちゃいますね、本当に。 MC松村さんから見た原さんはいかがですか? 松村さんいや、もう強烈ですよ。いろんなインタビューで結構カッコつけて、いろんな言い方をするんですが、上映後なのでシンプルな言葉で言います。鈴芽のカッコ良いセリフの言い回しにキュンと来ません? まだ序盤の、初めての扉にバーッて走ってきて「なぜ?」って言った後の鈴芽の返答とか…。語弊があるかもしれませんが、キュンと来ません? そういうカッコ良さを持っているってなかなかないと思います。予告編でも使われていますが「私は草太さんがいない世界が怖いです」とか、すごく悲しいけどカッコ良さがあるというか、そこに心えぐられる強さがある――そういう力強さを持っている方だという印象です。 MCそして今回、深津さんが初めてこの作品の公の場に立ってくださいました。深津さんは環と同じ九州(大分県)出身です。新海監督、環と同じく九州出身の深津さんに演じていただいたということについて…。 新海監督そうですね。たまたま前作の「天気の子」で大分出身の森七菜さんに出演していただいて、また大分出身の方とご一緒できるんだと思いました。決して出身地で選んでいるわけじゃないんですが(笑)、嬉しい偶然でした。ただ環という役はとても難しい役だったと思います。観ていただいてお分かりかと思いますが、東北にルーツを持っていて、九州に移り住んで、意図的に宮崎弁を身につけたキャラクターです。お芝居の段階で、深津さんにはまず宮崎弁に始まって、旅の途中でだんだん方言のイントネーションが変わっていく表現をお願いしましたが、いかがでしたか? 深津さん声優初挑戦で、普通に標準語をしゃべるだけでもとても難しいのに、方言を二つマスターしなくてはいけないというのは、大変な挑戦でした。本当に「皆さんの足を引っ張らないように」という思いでした。あとは、宮崎弁を指導してくださったのが綾瀬有ちゃんという、今回、声優で鈴芽のクラスメイトの役を演じている方で、つきっきりでトレーニングしてくださいました。本当に先生のおかげでなんとか乗り越えられたって感じです。新海監督深津さんの方言の突き詰め方は、僕も一緒にやって驚くほどでした。例えば、回想のシーンは小さい鈴芽を抱きしめながら「あんた、うちの子になりんしゃい」というセリフに最終的になったんですが、あれはちょっと標準語――まだ九州弁ではない言葉で鈴芽に語りかけようとなったんです。あれも話し合って決めたんですよね。台本だと宮崎弁で…。 深津さん「なりね」でしたね。 新海監督いろいろ試しましたね。鈴芽の生まれた家に着いた時も、何もない場所に着いて、「鈴芽、大きくなったね、お姉ちゃん」と言うんですっけ? 深津さん「おっきくなったぁよ」。 新海監督そうだ! 「おっきくなったぁよ」でした。あそこは東北弁で…。 深津さん東北弁ですが、すごくバランスを考えてくださって…。皆さんで最終的に作り上げた方言でしたね。 新海監督バックグラウンドを組み立てた上で、「ここはこうあるべきだ」ということを深津さんからもサジェストしてくださって、すごく刺激的な経験でした。もうちょっとだけ深津さんに聞きたいんですが、アニメーションの声優は初めてだというのは、意外でした。ここまでキャリアをお持ちで、どうして「すずめの戸締まり」に出ていただけて、環という役を引き受けても良いと思ってくださったんでしょうか? 深津さん逆に、なぜ私に環をやってほしいと思われたんですか? 新海監督僕は、環というキャラクターはとても難しいと思ったんです。環は九州へ鈴芽を連れて帰ったわけですが、ある種、自分の人生を犠牲にしてしまったのかな…と、後悔を抱き続けています。それでも鈴芽を追いかけて、本音をぶつけ合う。これは、嘘のない叫びを聞かせてもらわないと、キャラクターとしてどうしても成立しないと思いました。そこで深津さんが思い浮かんだんです。 深津さんありがとうございます。私は、脚本やビデオコンテを観て、これは個人的な感想ですが、「監督は”次のところ”へ向かおうとされているのかな?」 と、何となく受け取りました。もちろん日本国内のみならず、世界中にファンをお持ちで、今でも「早く観たい!」と思っている方がたくさんいると思います。もちろん、そんな皆さんに届くように作品を作られていると思いますが、今回は「たった一人の“その人”に届けば良い」というような、ピュアなものを感じたんです。こんな経験のない私に何かやってほしいと思っているのならば、何かあるんだろうと思って、ヘタクソながらぶつかろうと思いました。原さんは、私なんかよりも何百万倍も怖かったと思います。背負わなくちゃいけないことも多かったと思いますが、作品の中の鈴芽みたいに、アフレコ現場でも目の前のものに立ち向かい、戦っている姿をそばで見ていました。本当に美しかったんです。だから今回、初めてのことで恐ろしかったんですが、原さんのような素晴らしい感性の女優さんと一緒にお芝居ができて、私にとってまた一つ宝物のような作品になってしまった…「なってしまった」というのは失礼ですけれど(笑)。 新海監督菜乃華さん、いかがですか? 原さん本当に泣きそうなくらいすごく嬉しくて…。環さんといる時の鈴芽は、他の人とは全然違って…。深津さんのお芝居を見て、自分も知らない鈴芽がたくさん出てきたので、本当に感謝しかないです。あと、一つ言いたかったのが、環のシーンがない時に深津さんがスタジオにいらっしゃって、喉に良いはちみつをプレゼントしてくださいました。アフレコ期間中は毎日「深津さんにもらったはちみつだ」と思いながら、舐めて気合いを入れてお守りのようにしてスタジオに入っていました。隣を見るといつも笑顔ですごく温かく迎えてくださって嬉しかったです。ありがとうございました。深津さんすみません、そんなプライベートな話を(笑)。本当に(環役を)やって良かったと思っております。 新海監督そう言っていただけて光栄です。ありがとうございました。 MC染谷さんは環に片想いをする稔を演じましたが、稔をはじめ、本作には温かいキャラクターがたくさん登場します。染谷さんが印象に残ったキャラクターはいらっしゃいますか? 染谷さん全員ですね。でも、後半で芹澤(神木隆之介)が運転して移動するシーンがすごく好きです。いろいろなことが起きて大変な本作ですが、何も起きない単なる移動、隙間みたいなあの時間がすごく心地良くて「映画って素敵だな…」って心から素直に思わせてもらった印象があります。あの芹澤の空気感と移動の時間が心に残っています。 新海監督僕は染谷さんと深津さんが並んでいるだけで「寄生獣」(2014年公開/監督:山崎貴)のことを思い出して胸にグッときます。染谷さんに伺いたいと思っていたことがあって、この中では染谷さんがアニメーションのキャラクターを演じた経験がとてもおありじゃないですか? 実写もやっていらっしゃっるので、染谷さんから見てアニメーションの現場と実写の違いや、表現の違いであったり、実際にやっていてどっちが楽しいとか、そのあたりの差をお聞きしたいを思います。 染谷さん声のお仕事をする時のほうが、自分の中でチャレンジと言いますか…。慣れているわけではないので「自分なら何ができるんだろう?」と自問自答しながらやっています。しゃべれる尺も決まっているじゃないですか? ある意味、その枠の中だったら、何でもできるんだと、今回途中で思いました。そこに収めれば、どんな表現でも可能なんだなと。後で画が説得力を持たせてくれるので、その楽しみをいただきました。新海監督嬉しいです。「ちょうど今、そこの駐車場に東京行きの高速バスが止まっております」と言ってカチャカチャカチャとPCを触る、稔の一番の見せ場である環との電話のシーン…。あの方言やお芝居が僕はすごく好きでした。 染谷さんすごく難しかったです(苦笑)。 新海監督何度もやりましたよね(笑)。方言で言うと、花瀬さんにも聞きたいことがあります。花瀬さんの演じた千果のセリフで一番好きなのが「キスしたら起きるで」ってあのセリフがフラグになって、鈴芽が椅子の姿の草太にキスをしようとするっていうのにつながっていきます。あのシーンは愛媛の伊予弁ですよね。どうでした? 花瀬さんすごく方言は難しかったです。あのセリフに関しては、鈴芽があんなに早く実践するとは思っていなくて(笑)。近い年齢ながら「そんなにすぐ行けるんだ!」って思いました。新海監督聞いた直後に行きましたからね(笑)。 花瀬さんすぐ行っていたんで、素晴らしいなって(笑)。 新海監督菜乃華さん的には同じ疑問を抱きましたか? そんなにすぐは行かないだろうって。 原さんそうですね。わりと鈴芽は積極的なんだと思いながら観ていました(笑)。 花瀬さん好きなシーンです。 新海監督千果役は鈴芽と同じ年代ということで、鈴芽の普段と違うお芝居が、千果と話していると出ているのが感じられて良かったと思いました。 花瀬さんありがとうございます。 MC最後に皆さんを代表して、原さんと松村さんからメッセージをお願いします。 原さん本日はお越しいただき本当にありがとうございました。この「すずめの戸締まり」という作品は、私自身、一観客としても、出演者の一人としても、本当に大好きで、宝物のような作品です。自信を持って、誰が観ても絶対に楽しんでもらえると言い切れる、そんな素晴らしい作品に出会えたことを誇りに思います。本当にすごい作品を作ってくださってありがとうございました。 新海監督こちらこそです。 松村さん鈴芽がたくさんの人物と出会って、メッセージや苦労、歴史みたいなものを抱えていることを知って、ロードムービーが進んでいきます。最後、この作品自体がメッセージを抱えているんですが、…きっと全国で、今もそのメッセージやたくさんのものを受け取ってもらっているんじゃないかと思います。僕自身がそうだったので、そんな風に予想しています。今思っていることが、明日には変わっているような作品だし、人に話せば話すほど、どんどん変わっていくような作品だと思います。この作品は、一回観たら、観るたびに愛し方が変わり、ずっと仲良くしていけるような作品だと思います。一回観たという縁を宝物のようにぜひ思っていただけたらと思います。そして、「すずめの戸締まり」は今日が旅立ちの日です。せっかくなので、鈴芽さん、あの言葉を聞かせてもらっても良いですか? 原さん「行ってきます!」ありがとうございました。
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『遠い山なみの光』劇場用パンフレットのお知らせ©2025 A Pale View of HIlls Film Partners 2025年9月5日(金)公開 『遠い山なみの光』の上映劇場で販売いたします。 パンフレットは公開劇場にてお買い求めください。 A5 64P+帯(表紙込み) 定価1,100円 (税込) 『遠い山なみの光』 目次 イントロダクション ストーリー キャストインタビュー 広瀬すず 二階堂ふみ 吉田 羊 カミラ・アイコ 松下洸平 三浦友和 キャストプロフィール 柴田理恵 渡辺大知 鈴木碧桜 インタビュー 監督・脚本・編集:石川 慶 撮影監督:ピオトル・ニエミスキ 美術:我妻弘之 プロダクションノート 音楽:パヴェウ・ムィキェティン ミュージックスーパーバイザー:千陽崇之 コラム 小説家:平野啓一郎 文芸評論家:三宅香帆 ブロードキャスター/音楽評論家:ピーター・バラカン インタビュー 原作・エグゼクティブプロデューサー:カズオ・イシグロ クレジット -
劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像』江戸川コナン:高山みなみ 毛利蘭:山崎和佳奈 毛利小五郎:小山力也 灰原哀:林原めぐみ 大和敢助:高田裕司 諸伏高明:速水奨 上原由衣:小清水亜美 黒田兵衛:岸野幸正 安室透:草尾毅 風見裕也:飛田展男 鮫谷浩二:平田広明 スペシャルゲスト:山田孝之 山下美月 眠っていた記憶 が、を覚ます― Disc1 カラー/110分/ビスタサイズ/片面2層 音声:1, ドルビーデジタル5.1ch/2, バリアフリー日本語音声ガイド 字幕:バリアフリー日本語字幕 SDV35190R/2025年 小学館 原作:青山剛昌「名探偵コナン」(小学館「週刊少年サンデー」連載中) 監督:重原克也 脚本:櫻井武晴 音楽:菅野祐悟 主題歌:King Gnu「TWILIGHT!!!」(Sony Music Labels Inc.) 長野県・八ヶ岳連峰未宝岳。長野県警の大和敢助 が雪山で“ある男”を追っていた時、不意に何者かの影が敢助の視界に。気をとられた瞬間、“ある男”が放ったライフル弾が敢助の左眼をかすめ、大きな地響きとともに雪崩が発生。そのまま敢助を飲み込んでしまい― ©2025 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会 劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像』
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TOHO animation STOREにて「ジャンプフェスタ2023」限定グッズの受注生産による先行販売を実施!「ジャンプフェスタ2023」特設ページはこちらからTOHO animation STOREでは、「ジャンプフェスタ2023」オリジナルグッズを販売!「呪術廻戦」「僕のヒーローアカデミア」「ハイキュー!!」「SPY×FAMILY」「Dr.STONE」の描き下ろしイラスト等を用いたグッズ販売を、下記期間中に受注生産による先行販売にて実施いたします。 TOHO animationレーベルが贈る、会場ブースやスーパーステージ詳細は後日発表!お楽しみに! 【期間限定<先行受注販売>受付期間】 2022年12月14日(水)正午12:00 ~ 12月18日(日)17:00迄 ※「ジャンプフェスタ2023」の開催は 2022年12月17日(土)・18日(日)の2日間です。 ※上記期間中は、売り切れなしの<受注販売>となります。 ※2022年12月19日(月)正午12:00~<一般販売>を行います。こちらは在庫がなくなり次第、販売終了とさせていただきます。 【お届け予定日】 2023年2月下旬頃より順次発送予定(一部商品3月・4月以降お届け予定)ⒸTOHO animation STORE Ⓒ古舘春一/集英社・「ハイキュー!!」製作委員会・MBS Ⓒ堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会 Ⓒ芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会 Ⓒ米スタジオ・Boichi/集英社・Dr.STONE製作委員会 Ⓒ遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員
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「ブラック・ショーマン」公開直前イベント「ブラック・ショーマン」公式サイト 東野圭吾の人気小説を福山雅治主演で映画化した「ブラック・ショーマン」の公開を前に9月3日、東京・新宿の西武新宿ぺぺ広場前にて、公開直前イベントが開催されました。多くの人々が行き交う新宿の街に福山雅治さんと有村架純さんが降臨し、会場は熱狂に包まれました。福山さんは、大観衆の前でマジックを披露! 果たしてその成否は…? こちらのイベントの模様をレポートいたします。 公開直前イベント 神尾武史役 福山雅治さん 神尾真世役 有村架純さん ■福山さん、有村さんが会場のバルコニーに登場し、会場は歓声に包まれました。 福山さんどうも、お集まりいただきましてありがとうございます。福山です。よろしくお願いします。 MCどうですか、福山さん、この景色は? 福山さん実は、東京に18歳の頃来ました。今から37~38年前になりますが、上京して初めて降りたのが、そこの(新宿の)東口です。その日にここ(西武新宿駅前広場)を通って、そこの階段を登って、西武新宿駅から西武新宿線に乗って拝島駅まで行ったんですよ。まさか自分がここに帰って来るとは思いませんでした。本当に熱烈歓迎ありがとうございます! 有村さん皆さんこんばんは。 MC有村さんも、これだけたくさんの皆さんが集まってくださいましたが、今の気持ちというのは? 有村さんちょっと涼しくて良かったなと思いました。大丈夫ですか、皆さん? (会場の反応に)良かったです。今日はよろしくお願いします。 MC「ブラック・ショーマン」公開まであと9日になりました。今の気持ちを、まずうかがいたいと思います。 福山さん結構、長い期間撮影をしていました。その撮影の期間も、少し空いたこともあったので、やっと完成して観ていただける――「やっと、観ていただける」という気持ちが強いですね。 有村さん本当にあっという間ですね。ちょうど一年ほど前に撮影が始まって、岐阜ロケをしたり、都内で撮影をしたりと、いろいろな場所で撮影をしましたが、本当に早いですね。皆さんに観ていただくのが楽しみです。 MC意外だったのですが、今回、お二人は初共演ということですよね。 福山さんそうなんです。ずっと(有村さんの作品は)観ていましたがね。 有村さんはい、お互いに…。 MC今回の撮影やプロモーションを通して、お互いを知るようになって、信頼関係も築かれたとうかがっています。そこで、お二人にお互いの印象などもお聞かせいただきたく、一問一答で答えていただきたいと思います。 お互いに「すごいな」と思うところを教えてください。 【質問①】 福山さんまず、おいしいものが好きで、その美味しい物が好きっていうことに対して諦めない! 必ずそのたどり着きたいと思ったものにたどり着く、その向き合い方ですね。 有村さん(笑)。 福山さんこれはなかなかできないですよ。僕らは、忙しくなってしまうと「もう今日はいいか」とか「スープだけでいいかな」とか「バナナ一本でいいか」みたいな感じになりがちなんですが、(有村さんの方を向いて)それでもどこかで取り戻しますよね? おいしいものを食べたりしてね。 有村さんはい(笑)。 福山さん諦めない! そして、自分がおいしいと思った菓子とかお弁当を、きちんと現場に差し入れして還元するんです。 MC「皆さんにも食べていただきたい」ということですね。 福山さんそう! これがすごい! MC有村さんはいかがですか? 有村さんご自身が好きなものに対しての熱量がすごいですね。音楽もそうですし、あと、あるお酒にすごく詳しいです(笑)。 福山さん(笑)。 有村さんあ、あれって話しましたっけ? 武史さんのお店に飾られているやつ。 福山さん(その話はしても)良いんじゃないですか? 有村さんぜひ、話してください! 福山さんあ、私ですか? 有村さんはい! 福山さん有村さんが、マイクを通して言うから、バレちゃいましたね(笑)。映画の終盤に登場する、「トラップハンド」というバーがあるんです。そこは、僕の演じる神尾武史という、ラスベガスで名を馳せた元マジシャンが、恵比寿で経営しているという設定なのですが、そのバーに置いてあるお酒は、私の家から持ってきたコレクションです。 MCバーを開けるぐらい持っているのですか? 福山さん入り切れませんでしたが…。 ■会場から歓声! 福山さん(歓声を鎮めるように)いやいやいやいや。またこういう部分が切り取られますから! まあ、切り取られると思うので話しますが、当時「地面師たち」(2024年Netflixにて配信開始/出演:綾野剛 他)という作品が非常にヒットしていたタイミングがありました。その作品に登場する(ハリソン役の豊川悦司さんの飲んでいる)ウイスキーがすごいっていう記事を読んだんですよ。僕も、ちょうど本作の撮影をしてたんです。それで、「何だって!」と思い、これはちょっと「ブラック・ショーマン」としても負けるわけにはいかないと思って、せっせとみんなで僕の家から運びました。ぜひご覧になってください。 お互いの「えぇ?」と思った意外な一面はありますか? 【質問②】 有村さん意外と寒がり(笑)。 福山さん(苦笑)。そうそうそう。ロケ地が岐阜県郡上八幡という風光明媚で、水のきれいなところだったんです。ただ、撮影の時期は秋だったのかな? 有村さん秋ですね。 福山さんすごく寒かったんですよね。というか、僕は底冷えがして寒かったんです(苦笑)。あまりにも寒くてですね、「すみません、足湯をしても良いですか?」って、お湯持ってきていただきました。「おそらく有村さんも寒いと思うのでぜひ足湯を…」って勧めたので、その印象があるんだと思います(笑)。 MC福山さんが思う意外だと思う有村さんの一面は何ですか? 福山さん意外ではなかったですが、想定を超えてすごいと思ったのは、やっぱりタフなことですね。僕は、撮影現場が寒かったんですが(笑)、しっかりと風邪もひかずにこなしていました。 MC有村さんからしたらそこまで寒くなかった? 有村さんいや、もう身震いするぐらい寒かったです。 福山さん強さがないと撮影の現場は続けられませんからね。タフさは想定していましたが、想定以上にタフな方でした。 それぞれが演じているシーンで好きなシーンを教えてください。 【質問③】 福山さんいっぱいあるんですが、皆さんもご覧になれるところで言うと、特報(映画『ブラック・ショーマン』60秒特報)の中で、ウエディングドレスを着ているんです。めちゃくちゃキレイでかわいいんですが、何かちょっと妖しい感じがするんですよね。そこがすごいと思います。あれって、何かちょっと妖しいと思ってもらおうという気持ちがあったんですか? 有村さんいや、特になかったんですが…。 福山さんそうですよね? 有村さんでも、(完成した作品を)観たら「ちょっと妖しく見えるな」と思いました。 福山さん「あ、もしかしたらこの人なんじゃないかな?」みたいに、ちょっと怖く見えるんだよね。それがすごいんですよ。まあ、意図していても、いなくても、そう見えた人の勝ちですから。それがすごいなと思って、一瞬なんですが、あのシーンがすごく好きですね。 有村さん岐阜県の苗木城跡というところでロケをしたんです。その場所に行くまでには、相当登らないといけないんです。そこで、コインロール(コインを指の間を生き物のように移動させる技)をしてから、コインを投げてキャッチするシーンがあるんです。すごく印象的なカットなんですが、そこが心に残っていますね。 福山さんもう寒くて指がかじかみましてね(苦笑)。もう指が動かなくなっちゃうから「早く撮って!早く撮って!」と思っていました。 MC早く足湯に入りたいと思っていた? 福山さんそうそうそう。もう足湯だけじゃなくて、手湯? 手を温めないと動かせないので、「早く撮りましょう」言っていました。風も強かったんですよね…。 MCそして福山さん、9月1日から先行配信になっている本作のテーマソング「幻界」ですが、現在開催中のドームツアー(「FUKUYAMA MASAHARU 35TH ANNIVERSARY DOME LIVE 2025 // SOUL」)でめちゃくちゃ盛り上がっていると聞いています。 福山さんそうなんですよ。早速、披露しています。「どんな曲になるでしょうね?」なんて共演者の方から、撮影の途中で話を振られたりもしましたが、当時は全くできていなかったんですね(苦笑)。だから、「やばいな」と思っていましたが、最後にわりと長いシーンでキャスト全員が登場するようなシーンがあるんです。でも、「その撮影をやってからのほうが良いかな?」と思っていました。できていないことの言い訳っぽいですがね(笑)。でも、そのシーンを撮り終えたら曲が浮かんで来たんです。それまでは、正直曲が浮かんできていなかったんです。でも、「あ、こういう音が神尾武史がラスベガスでマジシャンとして活躍していた頃の登場曲として鳴ってたらいいな」っていう曲がやっと浮かんできたんですよ。 MC有村さんはこの「幻界」を聴かれていかがでしたか? 有村さん今回、福山さんが演じる武史さんが、ダークヒーローということで、何かちょっと闇っぽい雰囲気がするというか、登場人物がみんな怪しく見えて、ちょっとピリつく緊張感が、楽曲からすごく感じました。だから、いつもの福山さんが作られる音楽とはまた違ったエッセンスが入った印象でした。 MC今日は、こちらにたくさんの皆さんに集まっていただいております。福山さん、トークも良いですが、(会場の皆さんに向かって)それだけじゃ物足りないですよね? (会場:拍手と歓声) 福山さん、神尾武史っぽくて楽しめるものを用意していただいていると聞いたんですが? 福山さんいやいやいや。、僕は、昨日まで、今日何をやるのかちゃんと聞いていなかったんですよ。で、「どうなってんの?」って聞いたら「新宿のペペっていうところで、たくさんの皆さんに見ていただきます」「雨が降るかもしれないですが、お集まりいただく予定です」と言われたんです。「で、何やるの?」って聞いたら、「ちょっとマジックらしきものを…」って言われたんです。いやいや、僕はマジシャンじゃないから(苦笑)! MC後ろからスタッフの方が出て来ましたが…。 福山さんちょっとマイクを持ってもらわないといけないんでね。(スタッフに向かって)大丈夫、やりますから、ちょっとだけ皆さんに言い訳をさせてください。何かもう、マジックをやることになってしまいました。だから、用意してきました。 ■会場から歓声! 福山さんていうか、用意されていました。強制的に…。 有村さん強制的に(笑)。 福山さんもう、こんなの強制マジシャンですよ(苦笑)。 MC福山さんは、私がご一緒しているラジオでも常にコインを握られていましたが、現場でもそうでしたか? 有村さんずっとしていました。常にポケットにコインを忍ばせていて、ずっと触っていらっしゃいましたよね? MC今日はコインではなく? 有村さん今日は何をするんでしょうか? 福山さん正直コインの方が気が楽です。今日はトランプを使います。 MCトランプのマジックですので、皆さんにも福山さんの手元を見ていただくために、会場の後ろのビジョンに福山さんの手元が映ります。ですので、皆さん後ろをご覧ください。 福山さんじゃあよろしいですか? 今日はですね、トランプを使った、ちょっとしたお遊びをやりたいと思います。(ポケットからトランプを取り出す)こちらのトランプを使います。このトランプの中から、今日お集まりになった皆さんが、印象に残ったカードを私が当てます。 ■福山さん、カメラに向かってトランプを素早く見せる。 MCちょっと早いです(苦笑)! 福山さんあなたの動体視力が遅い(笑)! じゃあもうちょっと分かりやすくやりますね。 ■福山さん、もう一度、カメラの前にトランプを見せる。 福山さん見えたかな? もう一回ですか? ■福山さんがもう一度、カメラに向かってトランプを見せる。 福山さんどう? 印象に残ったカードはありました? 有村さんありました! 福山さんでは、私が皆さんの印象に残ったカードを当てましょう。皆さんが印象に残ったカードの絵柄、数字…それはこちらですね。 ■お二人の後ろの幕が落ちて「ハートの7」が出てくると、会場から歓声! 有村さんおぉっ! 福山さん間違いありませんか? 有村さんまさに(印象に残ったのが)ハートの7だったので、びっくりしました。 MC最後に本作を楽しみにしている方々に一言ずついただけたらと思います。 有村さん「ブラック・ショーマン」は、登場人物みんなが、とても怪しいです。どの方がこうなのか? ああなのか? と、物語と一緒に皆さんが謎を解きながら観てくださるとより楽しめるのかなと思います。ぜひ楽しみにしてください。 福山さんはい、本日はありがとうございました。この作品はですね、今やったように、マジックも嘘なくやっております。マジックをベースにしながら、様々な人間関係、そして謎を紐解いていきます。全く新しい感覚で楽しんでいただけるミステリーエンターテインメントだと思います。9月12日には「ブラック・ショーマン」をぜひ劇場でご覧ください。本日お集まりいただきありがとうございました。では…ここは、ご唱和になるんですか? MC福山さんにここはビシッと決めていただきたいと思います。 福山さん9月12日(金)から始まる「ブラック・ショーマン」。It's Show time!
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「すずめの戸締まり」大ヒット舞台挨拶「すずめの戸締まり」公式サイト「君の名は。」(2016年公開/主演:神木隆之介・上白石萌音)「天気の子」(2019年公開/主演:醍醐虎汰朗・森七菜)に続く新海誠監督三年ぶりとなる最新作「すずめの戸締まり」が11月11日より公開となり、17日までの7日間で興行収入27.7億円、観客動員数200万人を突破する大ヒットを記録しています。11月18日には東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで大ヒット舞台挨拶が開催され、原菜乃華さん、松村北斗さん、新海誠監督が登壇しました。日本全国から届いた本作への熱い感想をつづったメッセージボードを背景に、全国343館に向けた生中継舞台挨拶に臨みました。こちらのイベントの模様を詳しくレポートいたします!大ヒット舞台挨拶新海誠監督岩戸鈴芽役原菜乃華さん宗像草太役松村北斗さん新海監督六本木の皆さん、お越しいただき本当にありがとうございました。そして(中継)カメラの向こう、スクリーンの向こうにいらっしゃる全国の皆さん、僕の地元の長野県の皆さんも観ていらっしゃると思います。今日は楽しい時間にしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 原さん本日はお越しいただき、本当にありがとうございます。全国343ものスクリーンで、たくさんの方が「すずめの戸締まり」を楽しみに観に来てくださっていることがすごく嬉しいです。 松村さん343というとすごい数字ですし、皆さんの上映前の大切な時間をいただくので、この後に上映される「すずめの戸締まり」がもっとワクワクするような、そういう時間にできたらと思います。僕の地元の静岡でも(中継を)観ていると思うと、嬉しいです。もちろん343スクリーン、全ての皆さんのために楽しい、ワクワクする時間にしたいと思います。 MC嬉しいニュースが入ってきています。公開されてからまだ7日ですが、この7日間でなんと全国200万人の方に本作をご覧いただきました。 新海監督200万という数字は、ちょっと信じられない数字ですね。僕が昔アニメーション映画を作り始めた時、50人で満員になる映画館で上映したんですね。50人の方に拍手をいただいただけで、人生が変わったような感じでした。それが、200万というのは、言葉にならないですね。隣を見ちゃうな(笑)。200万人という数字はどうですか?(原さん、松村さんの方を見る)松村さん200万というと、皆さんが今、手に持っている(入場者プレゼントの冊子)「新海誠本」が300万名様限定なので、いよいよ在庫切れが見えてきています。 原さん「新海誠本」すごく濃い内容なので、皆さんに手に取ってもらいたいです。それに、プラスで作ってもらいたいですね。 MC「新海誠本」の増刷希望が入りました(笑)。さて、本日は皆さんの後ろに、何やら幕がかかったものがあります。早速オープンしてみましょう! ■ベールが外されると、熱い感想がつづられたメッセージボードがお目見えしました。登壇者の皆さんから「おー!」と驚きの声、会場からは拍手が上がりました。 MCこれまでに本作をご覧になった皆さんからの感想をお届けしたく、このようなメッセージボードをご用意いたしました。ぜひじっくりとご覧ください。 ■登壇者の皆さん、メッセージボードの感想に見入る。 原さん「ポテトサラダ気になる…」という感想があります(笑)。新海監督「顔面と声が良いお兄さん二人も」という感想も。 松村さんこれなんて、作品の大事なことじゃないですか。「何気ない『行ってきます』の言葉にも重みを感じました」と書かれています。 新海監督そうですね。「圧巻だった」とか「ありがとう」とか、こういった短い言葉にもちょっと泣きそうになります。嬉しいです。 松村さんあ、僕と同じ感想が! 「エンドロールの時に、この映画を作ってくれてありがとうと本当に思った」これは、分かりますね。新海監督嬉しいなあ。「もう一回観たいけど、ものすごい体力使う」という感想も…。すみません、何か…。(登壇者の皆さん:笑)。 松村さんでも、もう一回観たくなるんですよね。 新海監督これも嬉しいですね。「監督はどうしてこうも毎回等身大のヒロイン感半端ない女の子を見つけられるんだろうか」と書いてあります。原さんありがたいです。新海監督の演出のおかげです。 新海監督いえいえ、とんでもないです。 松村さん語彙力を失っている方がいますよ。「もう好き、全部好き」って! 原さん分かります! 松村さん分かりますね。 原さん「今、現在を精一杯生きなきゃと思わせてくれる映画でした」という感想もあります。シンプルだけど、すごく素敵な言葉ですね。 新海監督せっかくですので、ここにいらっしゃる皆さんにお伺いしたいんですが…。「今日これから本作を初めて観る」という方はどれくらいいらっしゃるんでしょうか?(手を挙げた人は少数) ということは、二回以上観たという方が多いということですよね。ありがとうございます。「三回以上観たよ」という方もいらっしゃるんでしょうか。(あちこちから手が挙がる) ありがとうございます。嬉しいですね。 松村さんうわあ…すごい! 新海監督ありがとうございます。 MC原さん、松村さんに、周りの方からは反響が届いていますか? 原さん今までお世話になった先輩方や友だちもみんな、「本当に面白かったし、もう一回観たくなる作品だった」と言ってくれました。普段はアニメーションをあまり観ない方も「『すずめの戸締まり』は本当に面白かった」と言ってくれて、みんなにとってすごく特別な作品になっているんだと肌で感じて、とても嬉しい瞬間でした。 松村さんこの六本木の会場もそうですが、客席を見ると、男性から女性、お父さんお母さんお子さんまでいて、343のスクリーンがきっとそういう状況なんじゃないかと思います。昨日、おとといと、神戸、大阪を周り、自分で劇場に足を運んで感じたのは、いろいろな世代、いろいろな育ち方をしてきた方が、映画を観終わった後に皆さん同じような顔をされていました。何よりもそれが、言葉を超えた反響かなと感じています。きっと皆さんも、上映が終わった後には隣の人と同じ顔をしているんじゃないかと思います。 MC劇中では鈴芽と草太が全国を旅していますが、松村さんが今おっしゃったように、皆さんも神戸、大阪に行かれたんですよね。 新海監督そうなんです。全国キャンペーンの最初ということで、まずは関西にお邪魔しました。新幹線に乗って、鈴芽と同じルートで神戸駅に行きました。劇中にも神戸駅が出てくるんですが、(鈴芽たちと)同じホームに降り立って、新幹線の改札を出たらびっくりしましたよね。 松村さん驚きましたね。 原さん「すずめの戸締まり」のスタンディ(宣伝用のパネル)があったんですよね。 新海監督改札を出たところに置いてあって、思わず三人で写真を撮りました(笑)。神戸駅の駅長さんが大変(本作を)気に入ってくださったということでした。鈴芽とあるキャラクターが駅前で抱き合うシーンがあるんですが、そのシーンに合わせて飾ってある花の色も変えてくださっていました。現実と本作が混じったような感じがして、幸せでしたね。 松村さんすごい瞬間ですよね。 新海監督お二人の思い出はありますか? 松村さん今回はそうやって写真を撮ったり、劇場に駆けつけたりしました。過去に仕事などで訪れていた地とはいえ、「すずめの戸締まり」で訪れるとまた全然違う雰囲気がありました。(劇場で)皆さんの表情が見られたこともあり、すごく新鮮な気持ちがしました。 新海監督舞台挨拶をみんなで一緒にやっていると、菜乃華さんをじっと見ているお客さんとか、北斗くんをずっと見つめているお客さんとか、本当にすごく小さなお客さんもいました。一生懸命に手を挙げて質問していましたよね。 原さん緊張して、なかなか言いたいことがうまく言い出せなかった小さなお子さんに、松村さんが素敵なフォローをされていました。監督と「素敵だね」とお話をしていました。 新海監督(小さなお子さんが)なかなかしゃべれなかった時に、(松村さんが)「なんて素敵な待ち時間なんだろう」とおっしゃって。「さすがだな!」と思いました。 松村さん(照笑)。新海さんの紳士ぶりを受け継いで、ちょっと真似をしようと思ったところが大きいです。 新海監督いやいやいや…(照笑)。でも本当に、いろいろな劇場の方々がこの作品を届けてくださっているんだと、劇場に入った瞬間に分かりますよね。劇場の方の手作りのものが、たくさん飾ってあったりして…。 原さん似顔絵とかも、すごかったですね。 新海監督僕たちの滞在時間は一瞬なのに、何日もかけて作ってくれたんだと思います。 松村さん地元の中学生の方が描いてくれた絵も飾ってありましたね。(原さんの方を見ながら)写真を撮る手が止まらなかったですね。 原さん写真、止まらなかったです。 新海監督関西だけではなく、僕たちはこれからいろいろな場所に行きます。お二人が一緒の場合もあるし、僕が一人で行く場合もありますが、まずは静岡、名古屋にお邪魔して日本全国に行きます。(中継)カメラの向こうにいらっしゃる方とも、もしかしたら直接お目にかかれるかもしれませんね。楽しみです。 原さん&松村さん楽しみですね。 松村さん反響によっては、行く場所が増えていく可能性も…なくはないですよね? 増えてほしいですね。 原さんそうですね。 MCお客さんの盛り上がり次第かもしれませんね。こうしてプロモーションをやっていると、オーディションが懐かしく思われますね。 新海監督そうですね。メディアなどで「原菜乃華、松村北斗、アニメーション声優初挑戦」と書かれることがあるんです。それはもちろん嬉しいんですが、「そうじゃないんだよな」と思うこともあります。僕は二人の初挑戦がほしかったわけでも、初めての人がほしかったわけでもありません。僕は二人がほしかったんですよね。菜乃華さんと北斗くんに、鈴芽と草太をやっていただけることが、この作品にとって、とても重要でした。本当にガチでオーディションで選んだので、いろいろな人と戦っていただいて、選ばせていただいたんです。技術がうまいとか、芝居ができるとか、そういうことも大事なことではあるんですが、やはりうまいだけでは面白い作品にならないんですよね。そうではなくて、鈴芽と草太のように不安を抱え、「自分で良いのだろうか」と悩みながら、なんとか作品を完成まで導いて、(作品を)作り終わった後も一緒に届けてくれる人がほしかった。そういう人たちがこの二人なんだということを、オーディションを通じて感じました。そして、アフレコを二カ月くらいやってきましたね。原さん私は合格発表がサプライズ発表だったんですが、とにかく頭の中が真っ白になってしまいました。もちろんすごく嬉しい気持ちもあったんですが、それ以上にやっぱり不安や重圧みたいなものが一気に押し寄せてきて…。立っていられないと思って、その気持ちは一旦扉に閉じ込めて、アフレコに向けて練習をして、台本を開いていた日々でしたね。 新海監督北斗くんも不安そうだったよね。 松村さんはい。もう隠すことなく、不安を出しましたね。あの一番不安だった瞬間に「もしこれを聞いたらすごく安心しただろうな」と思うのは、最近新海さんが話してくれた言葉です。オーディションで僕らを見つけたのは、「子どもを見つけるよう」という言葉が、すごく温かくて、いまさらながら安心しました。 新海監督もっと早く言えば良かったね(笑)。脚本、セリフも全部僕が書いたものなので、子どものようなものなんです。(オーディションで)1000人の候補がいたとしても、(芝居を)聞いてすぐに分かるんですよね。自分の子どもであれば見分けられるように、見分けることができる。これが他人の作品だったら、きっと僕はそういう目は全然ないと思います(苦笑)。でも、自分のものだと「この人たちは、僕たちの作品にとって大事な人だ」というのが最初にすぐに分かりました。アフレコのお話になったところですし、今日はせっかくこの場に皆さんがいらっしゃるので、久しぶりにアフレコをやりませんか? 松村さん覚悟はしていました(苦笑)。 原さんはい(苦笑)。 新海監督おとといぐらいに、急遽、台本を書いたので…。 松村さん届きました、突然。おとといの夜、突然データが送られてきて…。「台本!?」と驚きました。「もう公開しているのに!」って。 新海監督じゃあ、やりましょう! ■マイクスタンドや台本が運び込まれ、生アフレコの場が用意される。 松村さんちょっと落ち着かないので、実際にアフレコをやっていた時の立ち位置に変えても良いですか? 新海監督そうしましょう。ここがアフレコスタジオだとすると、こういう並びですね。 ■ステージをアフレコスタジオに見立てて、ステージから見て一番右手に新海監督、真ん中に松村さん、左に原さんが並びました。 MC会場の皆さんは「何が起きているんだ」「まさかやってくれるのか」という気持ちだと思います。これはなかなか見られない、貴重なものになると思います。 新海監督これは、どうしてこの立ち位置なんですか? 松村さんそういえば、理由はなかったですね。同じ日にクランクインして、二本のマイクが並んでいて、 お互いに直感でこう並んだ感じでしたね。僕、驚いたことがあるんですが、アフレコが進んでいく途中で新たなポスタービジュアルが出たじゃないですか。そのポスターの鈴芽と草太は、この(アフレコ現場と同じ)並びだったんです。新海監督確かにそうですね。もしかしたら、僕の中にそのイメージがあったのかな。 原さんこの並びはしっくりきます。 新海監督アフレコスタジオだと二人の目の前に大きなスクリーンがあって、絵に合わせて二人がお芝居をするんです。ここには(監督とキャスト二人の間には)分厚いガラスがあって…。僕はスタッフと一緒に、コンソール(コンピュータの制御卓)越しに二人に指示を出しているんです。ですので、芝居をしている時の二人のお顔というのは、僕からは見えないんです。今日は皆さん、お得だと思います。僕も一緒にそっちで(生アフレコを)見たいくらいです(笑)。 松村さんアフレコ中、誰にも顔を見られたことないですもんね。 原さん恥ずかしいですね。松村さん(アフレコ現場では)一つ終わると、僕が一歩引いて二人で新海監督の方を見ていました。 新海監督不安そうな目でこっちを見ていましたね(笑)。 MC今から披露されるシーンは、どのような場面になりますか? 新海監督これから初めて映画を観る方もいるので、ネタバレにならないように、詳しい解説はしません。ただ草太という青年は“閉じ師”という役割を持った青年で、扉を閉じなければいけないわけです。扉からあるものが出てくるので、草太が扉をグーっと力を入れて閉めようとしているところからスタートします。それを助けるために鈴芽が遠くから駆け込んでくるという流れになります。ちょっと短いシークエンス(シーン)ですが、じゃあ行きましょうか。準備は大丈夫ですか? 原さん&松村さんはい! 新海監督3、2、1、キュー! ■生アフレコがスタート! 松村さんううっ…くっ…。 原さん草太さん! 松村さん君は死ぬのが怖くないのか! 原さん怖くない! 松村さんかけまくもかしこきヒミズの神よ。遠つ御祖のうぶすなよ。久しく拝領つかまつったこの山河、かしこみかしこみ、つつしんで…今だ! 原さんお返しします! ■熱のこもった演技に会場から大きな拍手が上がる。 新海監督ありがとう! とっても素敵でした。これをひたすら二カ月間やってきましたよね。 松村さんいやあ…これだけの方に見られていると、全然上手にできませんでした…。 原さんそうですね。どんな感じだったか分からなくなりますね(苦笑)。 新海監督いやいやいや、とても素敵でしたよ。こういう風にやりながら、たとえば「怖くない!」という言葉は、「菜乃華さん、裏声になっても良いから、もう一つトーンを上げてみましょうか」というオーダーを出しましたね。あるいは「かけまくも」の最初の「か」は「もっと苦しそうに行きましょうか」とか、何度も何度も話し合いながら繰り返していきましたね。 松村さんこの中に、オーディションにあったセリフもありますね。苦しかったこともいっぱい思い出します。それでもやってこられたのは、新海さんがものすごく的確かつ、温かく人間を包み込むようなディレクションをしてくれたからです。それが全てですね。 新海監督いえいえいえ。「もう少しこういう風に言ってみて」とか、「もう少し暗く」「明るく」など、二人のいろいろな扉を開け閉めして「これかな?違うかな?」みたいな感じで、たくさん扉を開けさせていただきました。だから、疲れたんじゃないかと思います。 松村さん必ず褒めてくれるんですよね。 原さん細かくシーンを割って録っていくんですが、そのブロックが終わるごとに、(新海監督が)「すごくすてきなお芝居でした。ありがとう」と言ってくれるんです。お芝居をして、一日に何回も「ありがとう」と言ってくださるので、「こちらこそありがとうございます」という気持ちでした。 新海監督こちらこそありがとうございました。 MC公開後にアフレコをやるとは全く思っていなかったと思います。 松村さん本当ですよ。もう上映してるのに…(苦笑)。 原さんうまくできるか不安でした。 松村さんでも、これで少しでも皆さんがこの後の上映を楽しみにしていただけたら嬉しいです。 MCアフレコの立ち位置が決まっているというのも、面白いですね。 松村さんそうですね。一度も変えませんでしたね。 新海監督そうですね。一度違う立ち位置でやろうとしたら、すごくやりにくそうでした。「変えて良いですか」と言われました。 松村さんやりましたね。 新海監督「そうか、そういえば決まっていたな」と、その時に初めて自覚しました。 松村さんたしか、その時は違うスタジオでやったんでしたっけ。流れで(いつもとは違う立ち位置のまま)スタジオに入って、違和感を覚えました。「もしかして逆ですかね」という話をしましたね。 新海監督あと、このメッセージボードにもドライブシーンのことや、「顔の良い男二人」というコメントなど、芹澤のことが結構書いてあるんですよね。みんな芹澤のことが好きなんだなと思って、嬉しいです。芹澤を演じている神木隆之介くんと北斗くんは、お友だちだったりするんですよね。原さんは、(神木さんと)一緒にお芝居をしたのは初めてでしたね。いかがでしたか? 原さん本当に優しかったです。すごく緊張したんですが、まず最初に「『君の名は。』が大好きです」とお伝えしました。お芝居のアドバイスをいただいたり、たくさん勉強をさせていただきました。好きなアニメーションの話など、オススメを教えていただいたりもしました。 新海監督北斗くんは、実は今回、一度も一緒に芝居はしていないんだよね。 松村さんそうなんですよね。実はつい三日くらい前に、偶然同じスタジオにいて、お会いしました。忙しくて、まだ本編を観に行けていないらしいんですが、自分が演じた芹澤を不安そうに「大丈夫だったかな」「あれで良かったのかな」と心配されていました。 新海監督神木くんらしい(笑)。数日前に神木くんが会いに来てくれました。僕も実は、本作が公開されてから、ずっと不安で怖くて怖くて、あまり眠れない日々が続いているんですが、一人で居酒屋のカウンターで飲んでいたら、(神木さんから)「監督は今、何をしているんですか?」というLINEのやり取りがありました。「一人なんですか? 今から行きますよ」って…。カウンターで横に座りながら、「すずめ」の話をしました(笑)。これから観る方には、芹澤というキャラクターも楽しみにしていただければと思います。神木くんとちょっと重なるところがあって、押し付けがましくなく、それでいて包み込むようなものを持っている面白いキャラクターです。 MCそれでは、最後のメッセージをお願いします。 新海監督これから二時間の映画を観る前に、長い時間お付き合いいただき本当にありがとうございました。映画を楽しんでいただければ良いなと思います。この映画は、RADWIMPSの野田洋次郎さんからもらった曲(カナタハルカ)の歌詞にある「僕にはないものでできてる 君がこの僕を形作ってる」、そういう映画のような気がしています。ここにいる二人の素晴らしいキャストもそうですが、素晴らしいアニメーターたち、ビジュアルを作ってくれた人、音楽を作ってくれた人たち…。そういった僕じゃない人たちの力で、出来上がった作品です。僕じゃないものの中には、本作を観てくださる皆さんも含まれていると僕は勝手に思っています。ずっと映画を作ってきて、「次はこういうものを観たい」という言葉が皆さんから聞こえてきたような気がして、「すずめの戸締まり」を作ったような気がしています。気に入っていただけたら、「この作品は私も作るのにちょっと手を貸したんだよ」みたいな気持ちでまた応援していただければ、とても嬉しいです。 松村さんまずはこの後の上映をぜひ、楽しんでください。改めて映画「すずめの戸締まり」が、このスクリーンから皆さんの元へと旅立ちます。「行こう、鈴芽さん!」 原さん「行ってきます!」(会場:拍手)
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ミュージカル『四月は君の噓』あしなが育英会との観劇会開催!一般財団法人あしなが育英会 東宝グループは、サステナビリティの基本方針に基づき、子どもたちに映画・演劇の原体験を提供することを目標に掲げています。 その取り組みの一環として、2023年より国内外の遺児を支援する一般財団法人あしなが育英会と連携し、所属する奨学生の皆さまを映画のイベント上映会や演劇公演などに継続的にご招待しています。 今回は、昭和女子大学人見記念講堂で上演したミュージカル『四月は君の噓』において、あしなが育英会所属の奨学生を対象とした観劇会を実施しました。 8月26日(火)~8月28日(木)の3公演に渡り行った本観劇会には、小学生~大学生とそのご家族、合わせて70名以上の方にご参加いただき、演劇ならではの生演奏や、キャストの迫真の演技などを通じて、特別なひと時をお楽しみいただきました。 また、観劇した子どもたちからは「ミュージカルを観て、生きる励みになりました!」「舞台から仲間や人との繋がりの大切さを学ぶことができて、私も周りの人を支えられるような人になりたいと思った!」などのメッセージが数多く寄せられ、子どもたちにとって、かけがえのない時間となりました。 今後も東宝グループは、子どもたちに原体験の機会を提供し、エンタテインメント文化に触れる喜びを知っていただけるよう努めてまいります。 カーテンコールの様子(写真提供:東宝演劇部) ▼2023年 ・映画『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』ジャパンプレミア ご招待〈TOHOシネマズ 日比谷〉 ・舞台『千と千尋の神隠し』公演 ご招待〈御園座〉 ・映画『ゴジラ-1.0』初日舞台挨拶 ご招待〈TOHOシネマズ 日比谷〉 ・『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』初日舞台挨拶 ご招待〈TOHOシネマズ 日比谷〉 ▼2024年 ・『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』公開記念舞台挨拶 ご招待〈TOHOシネマズ 六本木ヒルズ〉 ・『僕のヒーローアカデミア THE ユアネクスト』公開記念舞台挨拶 ご招待〈TOHOシネマズ 日比谷〉 ・『すずめの戸締まり』あしなが育英会貸切上映会〈TOHOシネマズ 梅田〉〈TOHOシネマズ 日比谷〉 ・映画『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』初日舞台挨拶 ご招待〈TOHOシネマズ 日比谷〉 ▼2025年 ・『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』公開記念舞台挨拶 ご招待〈TOHOシネマズ 六本木ヒルズ〉 ・ゴジラ生誕70周年記念 『ゴジラ・THE・アート展』 ご招待〈森アーツセンターギャラリー〉 ・あしなが育英会 東宝スタジオ見学ツアー〈東宝スタジオ〉 =過去の開催実績=
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「ブラック・ショーマン」初日舞台挨拶「ブラック・ショーマン」公式サイト 国内累計発行部数がシリーズ累計で100万部を突破し、多くの言語に翻訳され、世界中で読まれている東野圭吾の人気小説を福山雅治主演で映画化した「ブラック・ショーマン」が9月12日に公開を迎えました。 公開初日にTOHOシネマズ 日比谷にて行われた舞台挨拶には福山雅治さん、有村架純さん、岡崎紗絵さん、伊藤淳史さん、生瀬勝久さん、田中亮監督が登壇しました。ネタバレありのスペシャルトークを繰り広げたこちらの舞台挨拶の模様をレポートいたします! 初日舞台挨拶 神尾武史役 福山雅治さん 神尾真世役 有村架純さん 九重梨々香役 岡崎紗絵さん 中條健太役 伊藤淳史さん 木暮大介役 生瀬勝久さん 田中亮監督 福山さん本日はお越しいただきましてありがとうございます。お会いできてうれしいです。やっと本作を皆さんに観ていただけました。本当にお一人お一人に感想を聞きたい気持ちです。今日は、そんなに長い時間じゃないかもしれませんが、いろいろとお話させていただきます。 有村さんこれからどんどんといろいろな方々に本作を観ていただけるのが楽しみです。今日は上映後ということなので、いろいろな話を皆さんとできればと思います。 岡崎さん初めてこの作品をスクリーンで観た時に、「早く皆さんに観てほしい」と強く思いました。なので、今日を迎えられてすごくうれしいです。スクリーンで観るマジックのダイナミックさや映像美は何度観ても良いと思うので、ぜひ何度でも観てください。 伊藤さん今日は、上映後ということなので、言っちゃいけないことも、いっぱい言っちゃおうかなと思っているんで…(笑)。 MCいやいや! 大きな謎とかの話はダメですよ! 伊藤さんそうですか(笑)。分かりました。ほどほどに言いたいと思います! 生瀬さん今日は本当に短い時間ですが、撮影現場の様子とか、そういうお話しができればと思います。前回の完成披露試写会の時はネタが言えなかったんですが、今日はご覧になった方ばかりですので、ぜひ現場での話しをしたいと思います。 田中監督皆さん、本作は楽しんでいただけましたでしょうか?(会場:拍手) ありがとうございます。東野先生の素晴らしい原作を、映画として最高のショーに仕上げるべく、キャスト・スタッフ一丸となって、心を込めて作りました。今日から全国の皆さんの元に、本作が届きます。今日観ていただいた皆さんも一緒に、本作を盛り上げていただければと思います。 MCいよいよ、公開初日を迎えました。脚本作りの段階から福山さんは関わりながら、監督・キャスト・スタッフの皆さんと一緒に本作を作り上げてきました。改めて、本作の初日を迎えた気持ちをお聞かせください。 福山さん脚本の手前に「決定稿」というものがあって、その前に「準備稿」というのがあります。準備稿は、決定稿とほぼ変わらないんですが、そのちょっと前のタイミングから、監督から展開をしていただきました。この神尾武史という役は、僕自身も初めてのキャラクターなので、当然不安で「どこまでどうやれば良いのか?」というのもあったので、田中監督とプロデューサーの上原さんを含めた皆さん。それから、演出補佐、ADの皆さんも一緒に読み合わせをしながら、キャラクター作りのお手伝いしてもらいました。どれぐらいの強さや弱さとか、しゃべる時のトーンやスピードを確認しながらやらせていただいたんですよね? 監督。 田中監督そうですね。あれが非常に貴重な機会になりました。おかげで神尾武史という役も深まっていった印象ですね。 福山さん全体のリズムや展開であるとか、そういったことを把握しながらやりました。僕は、演劇部じゃないんですが(笑)、何か演劇サークルみたいな感じで、みんなでワイワイとやりながらだったので、それは楽しかったですね。 MC今までの福山さんの中でも、なかなかない経験でしたか? 福山さんそうですね。もっと若かったら「ちょっと今のところ、もう一回やっても良い?」みたいな感じで、スタッフさんにダメ出しをしていたかもしれません(笑)。でも、もう僕もそんな年齢でもないんで、全てを受け止めていましたよ。楽しかった! MCやって良かったと? 福山さんめちゃくちゃ良かったですよ。そうやってみんなで作り上げた作品なので、初日を迎えて、感慨もひとしおという状態ですよ。 MC福山さんと有村さんは初共演でしたが、最強のバディでしたね。 有村さん良かったです。 MC有村さんはお芝居だけでなく、宣伝の場でも福山さんとご一緒されていかがでしたか? 有村さんいろいろな場所で、かつて一緒に仕事をして、時代を駆け抜けた「戦友」というか、福山さんにとっては仲間である方々と、楽しそうにお話しされている姿を見ました。「同窓会」じゃないですが、みんなが楽しそうに福山さんと時間を共有していて、そういう関係性がすごく素敵だなって思いました。あとは、生瀬さんとの絡みが面白かった…(笑)。 福山さんど、どの部分? どこなのかを言ってもらわないと…。 生瀬さん「面白い」っておかしいじゃないですか。こっちは、真剣にやり合っていたんでね。 有村さんお二人とも面白いので、お話をしているだけで、もう笑っちゃうというか…。 福山さんさっきの、控え室から移動する車の中とかでもね。 生瀬さん僕のキャラクターを別人格に作り変えてくるんですよ(苦笑)! “カミソリ生瀬”だとか、すぐにイジるんですよ! 福山さん生瀬さんは大俳優だから、みんなに気を遣われちゃうから…。だから、ちょっと僕が柔らかく作り上げなきゃいけないなと思って…。 生瀬さん「大俳優」なんて言われたことないよ! MCちょっと声が大きいです! 福山さん舞台俳優だから! MC有村さんも、福山さんが気を遣って話しかけてくれているのかな? なんて感じることもありました? 有村さんそれはもう、たくさんありました。私たちにすごく歩み寄ってくださいました。 岡崎さんありましたね。カメラが回っていない、お休みの時間に、みんなで一緒にいたら、すっとお隣に来ていろいろなお話を――何か食事や、ビタミンのお話をしました。 福山さんすっと横に来て「ビタミンなんだけど…」って(笑)。「どのビタミンを摂っていらっしゃいます? Aからいろいろありますけどね」って話をしましたね。 MC福山さんは改めて有村さんと今回初めて共演されて、バラエティ番組などで宣伝もされましたが、どんなことを感じられましたか? 福山さんまず、これは今回の取材を通じてずっとお話ししていますが、有村さんは、とにかく力のある俳優さんなので「表現力」においては、当然期待して現場に入りました。で、想定・期待以上の表現をしてくれました。真世というキャラクターは、実の父を殺害されて、ある種、非現実的な神尾武史というキャラクターと関わっていきます。神尾武史的にはおそらく「警察に任せられない!」という怒りであるとか憎しみが動機だと思うんです。でも、真世は普通に真面目にコツコツ生きてきたタイプだと思うので、普通は警察に任せると思うんです。だけど、それを超えてまで――武史に振り回されているように見えて、自分から乗ってきたというか…。真世は自ら事件に入っていきますからね。それほどまでに、憎しみもあったでしょうし、怒りもあったでしょう。父と娘との関係における後悔もあったでしょう。そういったものを内包しながら、事件を追いかけて武史に付いていくというのは、難しいだろうなと思っていたんです。でもね、本当に見事! 見事でした。セリフとして書いていないところで、そういった気持ちがないと、多分どのセリフを言ってもそうはならないだろうなと思ったんで、そういう表現が素晴らしかったですね。 MC有村さんは、今の福山さんからの言葉を聞いていかがですか? 有村さんはい。うれしいです。 福山さんいや、本当ですよ。有名なエピソードでは、仲村トオルさんの写真をスマホの待ち受けにしていたんですから。あんまり直接的に絡むシーンがなかったので、実の父とはいえ…。この話は、僕が全部説明して良いんですか? しかも、今この話は生瀬さんに説明しているんですからね(笑)。そんな役作りをするところも素晴らしいと思いました。「その役作りの方法はどこで覚えたんですか?」なんて聞いちゃったりしました。 MC岡崎さんは、念願の東野先生の原作作品へのご出演だったそうですね。出演するにあたり、ご自身の提案で、役柄のイメージで髪型をショートにされたり、衣装にもかなりこだわられたとうかがっております。改めてこの役を演じてみていかがだったんでしょうか? 岡崎さん役作りとして、髪を切りました。地元から離れて、東京で働いているということで、ちょっと東京の風をまとわせようっていうことで、監督ともお話ししました。私の役は、釘宮くんのマネージャーを勝手にやっているという部分もあるので、何かこうビシッとしたいっていう気持ちがあって、髪を切ってみようかなと提案しました。衣装合わせも、結構回数を重ねましたよね? 田中監督そうですね。通常だったら一、二回なんですが、四回ぐらいやりましたね。 岡崎さんZOOMで見ていただいたこともありました。「けっこうインパクトのあるオーラをまとったような」というテーマだったので、そこは大事かなと思って一緒に作らせていただきました。 MC伊藤さんは有村さんとは久しぶりの共演(「映画 ビリギャル」2015年公開作品以来)であり、仲村さんとは、以前バディを組んでいらっしゃいましたが(2008年フジテレビ系列で放送された「チーム・バチスタの栄光」から始まった「チーム・バチスタ」シリーズ)、お二人と共演されて、改めていかがでしたか? 伊藤さん架純ちゃんとは本当に久しぶりだったんですが、思い出話とかも含めて、現場では全然お芝居に関係ない話で盛り上がっていました。久しぶりに会えたことの喜びもありましたしね。お芝居をしていても、婚約者の役ということで、すごく良いシーンを撮らせていただいて、終始幸せで楽しい時間を過ごしました。トオルさんは、本作を観ていただいたので分かるとは思うんですが、もう死んでいるんですよ(苦笑)。クランクインの日が葬儀のシーンで、最初にスタッフさんから「中條健太役の伊藤淳史さんです」って紹介されるんですよ。「よろしくお願いします」と挨拶をしていたら、急に棺からムクッとトオルさんが起き上がって「伊藤くん、久しぶり!」って(苦笑)。僕からは見えていなかったので「えぇぇぇぇ!トオルさん、いた!」ってびっくりしました(笑)。トオルさんとはセリフのやりとりはなかったんですが、撮影の合間には、やっぱり撮影とは全然関係ない、当時の思い出話などをして盛り上がりました。あと、僕の衣装合わせは10分くらいで終わりました…。 田中監督いや、もうちょっとやったかもしれませんが…。 伊藤さんでも、かなり順調に進みましたもんね。しかも、僕の役って、物語的に一人だけスッキリしない終わり方ですよね? 「本当はどっちなんですか?」と聞いても「いやぁ、どっちでしょうね?」という感じで、誰も答えを教えてくれないというのは新しい経験でした。 MC生瀬さんは、東野先生もおっしゃっていましたが、実は東野先生の原作作品にとても多くご出演されていて、これまでに七作品に出演しているとか? 生瀬さんちょっと読み上げても良いですか?「浪花少年探偵団」(2012年TBS系列にて放送/主演・多部未華子)「ゲームの名は誘拐」(2024年WOWOWにて放送/主演・亀梨和也)、「プラチナデータ」(2013年公開/主演・二宮和也/監督・大友啓史)「ガリレオ」(2013年フジテレビ系列にて放送の第二シーズンでゲスト出演)「疾風ロンド」(2016年公開/主演・阿部寛/監督・吉田照幸)「マスカレードホテル」(2019年公開/主演・木村拓哉/監督・鈴木雅之)、そして「ダイイングアイ」(2019年WOWOWにて放送/主演・三浦春馬)この七作品に出演していて、今回で八作品目となります。ありがとうございます。まあ、絶対に記事にはならないと思うんですが…。 MC生瀬さんと福山さんのやりとりが、「まるでアクションの殺陣のようなマジックシーンで圧巻だった」と、東野先生もおっしゃっています。あれは、アドリブではなく、福山さんと相談されながらまさに殺陣のように決めてシーンを作り上げたとうかがっております。 生瀬さんまず、衣装合わせが私もありまして、その時に「マジックの練習をしますので、今日、福山さんがいらっしゃいます」と聞いていました。私の衣装が決まってから、福山さんが入ってこられたんですが、すでに役の服みたいでした。あれは私服ですか? 福山さんあれはおそらく私服ですね。背中に手の形がついている服でした? 生瀬さん覚えていないよ(笑)。 田中監督おそらくそうだったと思います。 生瀬さん皆さん、福山さんは私服もすごいんですよ。あれ、足元が光っていたでしょう? 福山さんまあ、光っていなかったとしても、光って見えちゃうというのは、あったかもしれません(笑)。 生瀬さん「ご無沙汰しています」って入ってこられてから2時間マジックの練習! 衣装合わせの日に2時間ですよ。それから、撮影の初日が、僕がいろいろと抜かれたりするシーンだったんです。試写を観終わってみて、「これ、映画ですよね?CGでも何とかなったんじゃないか?」って思いました。だって、わざわざやることないじゃない。あのマジックは、僕は本当にやられたんですよ。本当に、びっくりするぐらい上手になっているんです。あんなのさぁ…。 MCいやいや「あんなの」って…(苦笑)。 生瀬さんカットで割ったらできるわけじゃないですか? それを本気でやったのは、大変だったでしょう? 福山さん生瀬さんのこの怒りがどこに着地するのかはちょっと分からないまま話しますが…。やっぱり何が感動するかって、その時に本当にそこで起こっていることを見せたいんです。僕は、生瀬さんよりちょっと後輩になりますが、長年やっていますから、いろいろな現場を見ています。あのシーンが感動のドミノ倒しの一枚目にしたかったわけですよ。 生瀬さん名言ですね。 福山さんそれを生み出すためには、生瀬さんと僕で、初日のあのシーンの撮影で、僕らも、撮影のスタッフの皆さんも、他のキャストの皆さんも「本当にやってんだ!本当に消えて、また入った!」みたいな感動。「これは、嘘じゃないんだ!」という…。 生瀬さんあのシーンのマジックは実際に、本当にやっているんですよ! 福山さん僕もプロじゃないし、スリじゃないですから、ある種アクションなんですよ。こうやったら、こう受けて…、またこうやって自分のほうに向いて…みたいに、セリフのタイミングも含めて全部動きが決まっているんですよ。だから、あれは仕掛けている僕だけじゃなく、受ける方も、アクションですからすごく重要なんですよ。でも、あのシーンから入れたので、現場の士気がグッと上がりましたよね。ところで、生瀬さんは、「衣装合わせで15分って聞いていたのに、2時間もかかったじゃないか」とお怒りなんですか? 生瀬さん違う違う(笑)! 福山さんが「これはCGとかそういうので処理できるよね?」という提案をしなかったわけですよね? 福山さんそうしなかった私に対する怒り…? 生瀬さんいやいや(笑)! 怒っていません! あれはCGじゃないっていうことをちゃんと皆さんに分かってほしいんです。あのジッポライターのマジックもあったじゃないですか? 福山さんあれは、僕のキャリア史上最も多くのNGが出たところでした。何テイクやりましたっけ? 20近くやりましたっけ? 田中監督20テイク近くやりましたね。やっぱり、練習の時とは違って、本番は風のある屋外という環境でしたから…。 福山さんその時にね、生瀬さんが素敵なことを言ったんですよ! あれは、屋内だったらうまくいくんです。ちょっとでも自然の風がふっと吹いてくると、勝手にライターが発火しちゃうんですよ。要は、瞬間的に酸素をなくしているだけなので、風で空気が入ると火がついちゃうわけです。しかも、あそこのシーンは生瀬さんもセリフをワーッと言わなきゃいけなかったので、何回も何回もやっていただいてしまって「すみません」って言ったんです。そうしたら、生瀬さんが、「いやいや、回を重ねるごとに僕のセリフもなめらかになりますから、何回もやりましょう」って言ってくださったんです。 ■会場から拍手! 福山さんこれが大俳優の矜持です。 生瀬さんいや。もうね、福山さんの気持ちがね、本当に分かるんです。ずっと謝っているけれど、「いやいや、本当に謝ることじゃない」からと、「福山さんが悪いんじゃない、風だから!」と思っていたんで…。 福山さん本当にプレッシャーでしたが、ありがとうございました。 MC田中監督から見て、ここは「すごいシーンが撮れた」というところはどこですか? 田中監督いくつかあるんですが、先ほどのお話しに出ていた、武史さんが木暮さんから、ピックポケットというマジックで、いろいろなものを抜き取るシーンですね。もちろん他のマジックのシーンでもそうなんですが、CGによる映像トリックを使わないで、カメラを長回しして、カットを割らないと決めたんです。福山さんにもその覚悟で臨んでいただいたので、僕としては、それを信じて、福山さんができるまでやっていただくというか、託していました。本当にマジシャン・神尾武史になっていただくしかなかったし、実際になっていただけたと思っています。生瀬さんとのシーンがほぼクランクインで、最終的にクランクアップしたのは、冒頭のオープニングのラスベガスのシーンでした。あのラスベガスのシーンも、当初の予定では、あそこまでのシーンになると思っていなかったんです。福山さんが、神尾武史としてできることが増えたので、ついにはプロジェクションマッピングと戦うというところまで、行ってしまったというところです。すごい映像が撮れてしまったというのは、そこかなと思います。 MCここで、物語のキーとなる「登場人物全員が、嘘をついている」ということにちなんで、皆さんが最近ついた、小さな嘘についてお話しいただきたいと思います。福山さん、何かありますか? 福山さん僕ですか? いや、毎日嘘をついているんで…。「嘘」の内容を具体的には覚えていないくらいですよ。本当はちょっと寒いけれど、エアコンの風に関して何も言えなかったとか…。皆さんが、どういう嘘のお話しをされるのかは分かりませんが、物心ついてから嘘をつかなかった日ってほとんどないと思います。大なり小なり、少しずつついているから…。それは他人に対してだけじゃなくて、自分に対しても含めてね。だって、僕はもう嘘をついていますよ。だって、実は僕、すごくお腹空いていますから。「なんか食べたいな」と思っています。そんなことはいっぱいあります。 MC有村さんは何かありますか? 有村さん最近タクシーに乗ったんですが、運転手の方に「タレントさんか何かですか?」って聞かれて「違います」って嘘ついちゃいました(笑)。「あぁ、そうですか」で終わりました…。 岡崎さん私は、基本的に早く家に帰りたいので、「何かちょっと長くなりそうだなぁ」っていう食事会で「明日早いので…」って言っていの一番に出ます! MC次から使いづらくなりますね。 岡崎さん確かに! でも、もうそれを分かっていただけるとうれしいですね(笑)。 伊藤さん僕はちょっと、皆さんにちょっとこの場をお借りして…。 生瀬さんえぇ? 福山さんそんなに重たい話? 伊藤さんこの前の完成披露試写会で、皆さんはもう本作を観ていたので、感想を言っていたじゃないですか? でも、僕はまだあの時本作を観ていなかったんです。本当にすみません! 福山さん今は? 伊藤さん3日前に観ました。めっちゃ面白かった!! 福山さん良かった、良かった! 伊藤さんびっくりするくらい面白くて!「何だ?この映画!?」と思って、そのテンションで、あの時の嘘を許してもらいたいです(笑)。 福山さん分かりました。 伊藤さんすみません! MC生瀬さんは? 生瀬さんもう…9割嘘ですからね。本当のことのほうが少ないです。…まだ聞きますか? MC何かエピソードがあったら…。 生瀬さんちょっと体重増加があったので、3カ月くらい前からファスティングといって「一日一食」っていうのをずっと続けていたんですよ。そういう話を、いろいろな方と話していて、「え、そうなんですか?」ってすごく盛り上がるんです。そうなると、「じゃあ今日も?」って言われるので、流れで「うん」って言ったものの、その日はちょっと一食以上食べていたり…。そういう時はもう「今日も食べていないよ」っていう嘘はつきます。 MC監督は嘘をつくんですか? 田中監督一番直近だと、スタッフに「こういう時、監督は何をしゃべるか考えて行くんですか?」って聞かれて「いや、何かその場で聞かれたことに答えるだけです」って言ったんですが、実際はめっちゃ考えて行きます(笑)。今日の最初の挨拶も、すごく自分の心の中で練習して、何とか言えたっていう感じです! MC本日は、公開初日のお祝いとして、原作者の東野圭吾先生からメッセージを頂いております。私のほうから代読させて頂きます。 本日は映画「ブラック・ショーマン」が無事に初日を迎えられたことを心よりお喜び申し上げます。 一足先に拝見させて頂きましたが、原作者の私でさえ、息つく暇のない見事なエンターテインメント作品に仕上がっていると思います。 監督さんやスタッフの皆さん、そして福山雅治さんや有村架純さんたち俳優の皆さんには、改めて敬意を表します。 福山さん、数カ月に及ぶマジックの猛練習、お疲れ様でした。 次はトム・クルーズばりのアクションなんかはいかがでしょうか? 東野圭吾。 【東野圭吾さんのメッセージ】 MCいきますか? あちらも生身でやっているらしいんで…。 福山さんあの、飛行機につかまったまま飛んじゃうやつ…? MCそうですね。バイクで崖をビューンとか…。東野先生からのオファーですけれども…。 福山さんそりゃもう、先生に「飛べ」と言われたら、私はもう飛ぶしかございません。よろしくお願いします。先生、もしあれば…。 MC最後に有村架純さん、福山雅治さんからメッセージをいただければと思います。 有村さんあとは、皆さんにこの作品を楽しんでいただければと思っています。ぜひぜひ、お気軽に映画館に足を運んでいただけたらと思います。今日はどうもありがとうございました。 福山さん本日はお越しいただきまして、ありがとうございました。本作はエンターテインメントをしております。マジックもありますし、セリフでお互いを騙し合う心理戦もあります。そして、さらに社会課題も描かれていると感じております。今、日本という国のみならず、世界的に「どうやって経済をやっていこうか?」みたいなところで新しいフェーズに入っている時代だと思います。「ブラック・ショーマン」に登場している一人一人というのは、皆さん一人一人にきっと当てはまるんじゃないかと思っております。何度もご覧になるうちに、エンターテインメントを楽しんでいただきながら「あ、あれはもしかしたら僕かもしれない」「私かもしれない」と感じていただけるような瞬間があると思います。なかなか現実っていうのは、大変ですから、現実にまた戻ったり、非現実であるエンターテインメントの世界に来ていただいたりと…そうすると、二回や三回では足りないのではないかと思っています。ちなみにテーマソングの「幻界」という曲も、私が作りました。絶賛配信中で、ライブでもやらせていただいています! 自分のことばかりですみません(笑)。「ブラック・ショーマン」は本日より公開になりました。では、皆さんご一緒にご唱和ください!「ブラック・ショーマン」初日でございます!「It's Show time!」
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