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「室井慎次 敗れざる者」初日舞台挨拶「室井慎次 敗れざる者」公式サイト1997年にTVドラマの放送が開始され、その後映画も大ヒットを記録してきた「踊る大捜査線」シリーズ。12年ぶりの最新作である映画「室井慎次 敗れざる者」が10月11日についに公開されました。 初日舞台挨拶が東京・六本木のTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて開催され、柳葉敏郎さん、福本莉子さん、齋藤潤さん、前山くうがくん、前山こうがくん、筧利夫さん、矢本悠馬さん、小沢仁志さん、飯島直子さん、本広克行監督が登壇しました。公開初日を迎えたそれぞれの思いを語ったこちらの舞台挨拶の模様をレポートいたします!初日舞台挨拶室井慎次役柳葉敏郎さん日向杏役福本莉子さん森貴仁役齋藤潤さん柳町凛久役前山くうがくん柳町凛久役前山こうがくん新城賢太郎役筧利夫さん乃木真守役矢本悠馬さん石津百男役小沢仁志さん石津紀子役飯島直子さん本広克行監督柳葉さんお忙しい中、足を運んでいただきありがとうございます。室井慎次…です(笑)!(会場:拍手) 少しの時間ですが、皆さんと朗らかな時間を過ごしたいと思います。 福本さん本日はお集まりいただきありがとうございます。今年の2月から6月にかけて撮影をして、公開まであっという間でした。今日、こうして初日を迎えられたことをうれしく思います。 齋藤さん本日はありがとうございます。僕は本作を観た時に、胸が熱くなりました。そして、今大好きな作品の舞台挨拶にこうして立てていることが本当に幸せです。 くうがくんこんなにたくさんの人に観てもらえて、すごくうれしいです。 こうがくん本作に関わることができて、すごく幸せな気持ちでいっぱいです。今日は短い時間ですが… くうがくん&こうがくんよろしくお願いします! 矢本さん(低い声で)演じている乃木がバカなので、低い声で挨拶をしてギャップを出そうと思っています。 筧さん秋田県警本部長…終わりがここだとは思わなかった新城賢太郎です(笑)。(会場:笑)皆さん、もうお分かりだと思いますが、本作は「室井慎次」がいっぱいでございます。パンパンに詰まっております。どうか最後の最後まで、「室井慎次」を全身全霊で受け止めてください。 飯島さん私は、この長いシリーズをずっと指をくわえて観ていたので、まさか呼んでもらえるとは思いませんでした。本当に光栄に思っています。私も室井慎次さんに関われて幸せです! 小沢さん「踊る大捜査線」シリーズは、僕も観ていました。今回は「(出演依頼が)やっと来たぞ、暴れまわってやるぞ!」 と思っていたら、まさかの酪農家でした。(会場:笑) 飯島さんと夫婦役ですが、監督曰く、僕がさらった女房みたいです。何をやっても犯罪色が消えない小沢です。(柳葉さんに向かって)主役の室井慎次こと…ジョニー(柳葉さんの一世風靡セピア時代の愛称)で良いんだっけ(笑)? もうジョニーとはね、一世風靡セピアが原宿でパフォーマンスしている前から付き合いがありました。でも、一緒に仕事をするのは10年ぶりです。室井慎次は暗いですが、柳葉敏郎は明るいので、皆さん誤解しないように。(会場の反応を見て)ちょっとは笑えよ!(登壇者の皆さん&会場:笑) 本広監督小沢さんの後は、やりづらいですね(笑)。一生懸命作りました。柳葉さんにも一生懸命、演じていただきました。ぜひ映画館で観ていただけたらと思います。(会場に向かって)今日はもう観たんですよね? 宣伝をお願いします。この後の「室井慎次 生き続ける者」もぜひよろしくお願いいたします! MC「踊る大捜査線」シリーズ(フジテレビ系列にて放送)がスタートしたのは27年前の1997年です。映画としては2012年の「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」、これが12年前のことです。再び「再始動」と聞いた時、どう思われましたか? 柳葉さん断ろうと思いました。(会場:笑) MCそれはどうしてですか? 柳葉さんもう室井が嫌だったからです(苦笑)。ただ、監督とプロデューサーの亀山さんと何度かお話をしている間に、脚本家の君塚さんも含めて、皆さんの室井に対する熱い思いが感じられたので、覚悟を決めました。 MC実際に演じてみていかがでしたか? 柳葉さんそうは言ってみたものの、今は「感謝」という気持ちでいっぱいです。 MC今回の撮影は、柳葉さんの故郷でもある秋田でも行なわれたとのことですが、そのあたりはいかがでしたか? 柳葉さんそれも打ち合わせの時にいろいろとお話をして、「こんなうれしいことはない」と思って、「ぜひよろしくお願いします」ということになりました。でも、撮影に入ると、家から目と鼻の先でロケをやったり、お世話になった母校での撮影だったので、うれしい反面、何か現場に足を向けるのがちょっと恥ずかしかったりもしました。いろんな感情がありましたが、本当にお世話になった地元の方たちに何か少しでも恩返しができていれば良いなと思いながら四カ月過ごしました。 MCということは、今回は「感謝」というのが一つテーマになっているのでしょうか? 柳葉さん作品の、というよりも、自分の心の中では、その言葉で毎日を過ごしていました。MC本広監督は柳葉さんとの再タッグはいかがでしたでしょうか? 本広監督いやもう、いろいろありました…(笑)。でも、柳葉さんがいろいろとおっしゃってくださるのは、お客さんがよろこんでいるからだと思っています。しかし、12年ぶりにやるというのは、なかなか大変ですよね。「踊る大捜査線」って、湾岸署を代表する(織田裕二さんが演じる)青島さんとか、皆さんポップなキャラクターが多い作品ですよね。でも、室井というキャラクターは相当静かな男なんです。本作は、そんな静かな男が主役なので、どうしようかなっていう感じでした。 MC本作では、シリーズで観られなかった室井さんのちょっとお茶目な部分や、子どもに振り回されるシーンとかもあったと思います。 本広監督室井はコメディにガッと振れるタイプではないので、子どもたちを使ってコメディを作りました。静かな笑いを作るという感じでしたね。(笑っているくうがくん&こうがくんに)「あはは」じゃないでしょ? 「はい、監督!」でしょ! くうがくん&こうがくんはい、監督! 本広監督このようにプログラムがされています(笑)。(登壇者の皆さん&会場:笑) MC柳葉さんはいかがでしたか? 柳葉さん現場に入れば、監督の下で、僕らは一つの駒として、どこまで力が発揮できるかですからね。ご覧の通り、これだけ心強い皆さんに支えられながら、気持ちよく演じることができました。 MC「踊る大捜査線」が大ヒットした当時、まだ生まれていらっしゃらない方も、本作では多く出演されています。福本さんは今回、出演が決まった時はどんなことを思われましたか? 福本さん素直に驚きました。あの(小泉今日子さんが演じる)日向真奈美の娘役と聞いて、「娘がいたんだ!」と、まずそこにすごく驚きました。そして「娘って、どういう役なんだろう? 」と思ったら、今まで演じたことがない二面性があって、ちょっと影のある役でした。皆さんに撮影中、怖くないのに「怖い!怖い!」と言われながら撮影をしたんですが(苦笑)、本作に携われてすごくうれしいです。 MC表情も多彩でした。演技面で難しさを感じる部分はありましたか? 福本さん室井さんと初めて会って話すシーンで、水筒の水を渡す場面があります。そこで監督から「動物を見るような目で」という指示をもらったんですが、「動物を見るような目?」って思いつつ、何テイクかいろんなバージョンを撮りました。完成した映像では「この子は何を考えているんだろう?」みたいな顔になっていました。一見、普通なんですが、やっぱり何かちょっと異質な感じというのを意識しました。それは、日向真奈美の映像を観て、話し方とか動きとかを自分なりに研究して演じました。柳葉さんだって、本当に怖かったもん。(登壇者の皆さん&会場:笑) MCちゃんと日向真奈美の娘になっていましたか? 柳葉さん怖かった(笑)! MC齋藤さんは室井の「家族」ということで、ご一緒される場面が多かったと思いますが、現場はいかがでしたか? 齋藤さん柳葉さんが支えてくださったことが多いです。僕が知らないことだらけなので、丁寧に教えてくださいました。それから、僕が分かるまで、何回も段取りに付き合ってくださいました。僕のクランクインは学校のシーンだったんですが、そこにも柳葉さんが来てくださいました。僕にとって、大きな存在ですし、今も隣に立っているのが、本当にすごく幸せなことだと毎日毎日噛み締めています。 MCメイキング映像では、演技指導をしているようなところもありました。撮影中はどんなアドバイスがありましたか? 齋藤さんまだ何も起きていない、室井家のシーンで、日常を描くことに対してもいろいろと教えてくださいました。それから、室井さんに思いを伝えるシーンでも、ずっと寄り添ってくださって、その分緊張もしました(苦笑)。だから、今も緊張であまり顔を見られなくて…(笑)。(登壇者の皆さん:笑)MC今日、公開を迎えられていかがですか? 齋藤さん実は、僕も今日、本作を観に行ってきました。グッときて、体温が上がるのを何回も感じました。やっぱりこの長い歴史の中に、自分がこうして関われていること、ここに立てていることが、どれだけ重大なことなのかを、今すごく感じています。 MCくうがくんとこうがくんは、撮影現場はいかがでしたか? くうがくん撮影現場ですか? いつもみんなで盛り上がっていて、本当にすごく賑やかで…。 柳葉さんそれはお前たちだろう。(登壇者の皆さん:笑) くうがくんめっちゃ楽しかったです! MCこうがくんから見て、柳葉さんはどんな人ですか。 こうがくん差し入れがすごかったです。(登壇者の皆さん:笑)MCどんな差し入れがあったんですか? こうがくんバーベキューや、屋台がありました。 MC舞台裏でも、本当の親子のような温かい雰囲気あったんですね。 柳葉さん「親子」を作りたかったんです。本当の「親子」を作りたかったので、潤くんに関しては、お芝居というよりは、自分の息子と一緒に何かを作ろうとする時の親父の気持ちになって接したつもりでいます。彼らも…(くうがくん&こうがくんに向けて)楽しかったな? くうがくん&こうがくんはい、楽しかったです! 柳葉さんこんな感じです(笑)。 MC矢本さんは「踊る大捜査線」シリーズは初参加ですが、今回、コメディに寄ったようなシーンが多かったと思います。 矢本さん僕は年齢的には「踊る大捜査線」ど真ん中の世代ではないですが、それでもやっぱり記憶にある作品です。そんなメガヒットを連発しているすごい大作に関わったことは重々分かっていたつもりだったんですが、現場でのプレッシャーがすごかったです(笑)。初日に、柳葉さんに「頼むぞ。乃木がスベったら、この作品はやばいぞ。」というプレッシャーを、セリフを言う前に言われちゃって…喉がカラカラになりました(苦笑)。もともと、(矢本さん演じる)乃木は真面目な青年の役だったんですが、僕をキャスティングしたことで、コメディシーンになったそうで、それもかなりプレッシャーでした。でも、そこまで期待されるのは、うれしかったんですが、ちょっと重すぎて…最初は、本当に調子が悪かったですね。(登壇者の皆さん:笑)情報解禁された後は、周囲が今までにないリアクションでした。ヘアメイクさんとかスタイリストさんとかいつも一緒にいる方も「え?出るの?」とか、他の現場でも、キャストさんとかスタッフさんから「出るんだよね?めっちゃ楽しみだよ!」と、言われていました。なので、「これが失敗したら、もう俳優ができないんじゃないか」という気持ちで今日まで来ました。僕、大丈夫でしたか…?(会場:大きな拍手)ありがとうございます!MC柳葉さん、プレッシャーをかけていたということですが、いかがでしょうか? 柳葉さんいやいや、(矢本さんに向かって)本当にごめんね(苦笑)。でも、出来上がった作品を観て、矢本くんで良かったって思ったし、思っている以上のものをちゃんと表現してくれていました。ありがとうね。 矢本さんありがとうございます。 MC柳葉さんのインスタグラムでは、柳葉さんは矢本さんを「心休まる存在」と投稿されていましたが、そうだったでしょうか? 柳葉さん(会場に向かって)そうだったでしょ? (会場:拍手)矢本くんが出てきたら、何かホッとしますよね。それだけでもう満足です。 矢本さん恐縮です。 MC筧さんは「踊る大捜査線」シリーズに長年にわたり携わってきましたが、今回、参加が決まった時どう思われましたか? 筧さん大体のプロットとともにオファーをいただいたんですが、まさか12年ぶりにやるとは思いませんし、同じ役で出られるとも思いませんから、大変光栄だと思いました。出演する限りは、「絶対に室井さんに恥をかかせないように」と、台本をいただいたその日から、毎日セリフの練習を欠かさずやっておりました!柳葉さんウソっぽいぞ(苦笑)! (登壇者の皆さん:笑) 筧さんウソじゃないですよ! 本作のセリフが長いんですよ! 柳葉さん僕、新城とのシーンは、全シーン感動しっぱなしで今日を迎えたのに…本当か? (登壇者の皆さん:笑) 筧さん本当ですよ、柳葉さん(笑)。長いシーンがあって、三シーンを一つに繋ぐんですが、その撮影には一カ月かかっているんですよ。最初のシーンと、途中の外のシーン、そして後のセットでのシーンと、一カ月かかっているんです。髪の毛の長さを合わせるのが大変でした。毎回6600円かかっています!(登壇者の皆さん&会場:笑) MC久しぶりの室井慎次との対面いかがでしたか? 筧さん最初の撮影が3月の頭で、すごく寒い秋田の海辺だったんです。室井さんは、僕と一緒にいる時はスーツじゃなくて、作業着でした。最初は、12年間柳葉さんと会っていなかったので「お久しぶりです、柳葉さん」って感じだったんですが、リハーサルとかテイクを重ねていくうちに、柳葉さんがどんどん「室井慎次」になっていくので、口には出しませんでしたが、心の中で「やった!これだよ!」ってずっと思っていました。ウソじゃないですよ、本当ですよ(笑)! (登壇者の皆さん:笑) 柳葉さん筧くんが、新城として初登場した時は、ものすごくショッキングなイメージがありました。その後、新城と室井のいろんなやり取りの中で、関係を育んだんですが、それが走馬灯のように出てきて…そこにも「感謝」の気持ちでした。新城に対しても、もちろん演じてくれた筧くんに対しても「感謝」でしたね。 筧さん本当か!? 柳葉さん本当だよ(笑)。 MC飯島さんと小沢さんは、今回初めて本当にシリーズに出演ということでしたが、柳葉さんとはプライベートでは付き合いが長いとうかがいました。 飯島さん「プライベート」っていうわけじゃないですが(笑)、柳葉さんとは過去に恋人役と婚約者役で二回共演をしました。今回は、全然他人だったんですが、逆に私の旦那さん役が、小沢さんというすごい力強い感じで…(小沢さんに向けて)どうですか(笑)?小沢さん何だよ(笑)? 柳葉さん今から二人の夫婦漫才が始まります(笑)。(登壇者の皆さん:笑) 小沢さんさっきからずっと「テンポ良く」というカンペが(スタッフから)出ているんで、気になっちゃってね。(登壇者の皆さん:笑)僕は、ジョニーがこんなちっちゃい時からの付き合いだからね(笑)。テンポ良くってことだから話はこれくらいにしてね、皆さん、本作はこれで終わりじゃなくて「室井慎次 生き続ける者」があります。本作を二~三回観て、「~生き続ける者」はその倍観て、宣伝してくださいね。「~生き続ける者」もすごいよ! もしかすると…レインボーブリッジを封鎖しちゃうかもしれない。(会場:笑&拍手)その辺りをお楽しみに、ぜひ後編もよろしくお願いします。MC監督からは、本作で一番好きなシーンや、見どころを教えてください。 本広監督全部良いんですが…犬が出てくるんですよ。あの犬もね、二匹います。子どもも二人。あのワンちゃんたちがすごく良かったですね。役者さんたちも、もちろん良いんですが、ワンちゃんたちの演技はギバさん(=柳葉さん)が引き出しているんですかね? 動かなくなったり、急に芝居をし始めるじゃないですか? 柳葉さんちょっとだけ合図はしました。 本広監督子どもたちもそうなんですよね。後は、柳葉さんが潤くんに、伝承していくような…芝居をどんどん移し込んでいくようなところもあって、すごく良かったです。あの時、ギバさんは泣いていましたもんね。(本広監督にツッコミを入れる柳葉さん)良いシーンなんですよ! 本作のラストでしたかね、あそこはもうギバさんの役者魂を齋藤潤くんに移していくみたいな姿に見えて、感動しちゃって…。 柳葉さんあなたも泣いたでしょ(笑)! 本広監督いやー言わないで(苦笑)! (登壇者の皆さん:笑)でも、(柳葉さんが)くうがくんとこうがくんにも、ずっと教え込んであげているようなことが多かったと思います。今までは矢本くんとか小沢さんみたいなキャラクターがギラギラした人たちがいっぱい出てきて、かき乱していきますが、柳葉さんはそれをまとめる立ち位置でした。今回は、真心を込めて作っているような感じがありましたね。 柳葉さん先ほども言ったんですが、普通の親が、子どもたちと一緒に何かをする時は、どうするんだろうっていう思いだけでやっていました。役者としてはいけないのかもしれないですが、そこに柳葉敏郎としての父親の気持ちがちょっと出ちゃった時間だったかなと思います。 MC監督、今振り返って、本作はどんな作品だと思いますか? 本広監督本作は「踊る大捜査線」ではないんです。やっぱり「室井慎次」という映画なので、ちょっと違います。でも「室井慎次」にも「踊る」と同じようなテーマがやっぱり流れていたんだなと思いました。 MC最後に代表して柳葉敏郎さんに、本日ご来場された皆さんにメッセージをいただければと思います。 柳葉さん皆さん、改めまして、本当にありがとうございます。コートを脱いだ室井は皆さんの目にはどう映ったでしょうか? こんな終わり方はご不満かと思います。また「生き続ける者」でお会いしましょう。本日はありがとうございました。
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「すずめの戸締まり」初日舞台挨拶「すずめの戸締まり」公式サイト新海誠監督の最新作「すずめの戸締まり」が11月11日についに公開を迎えました。東京のTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて行われた舞台挨拶に新海監督をはじめ、声優を務めた原菜乃華さん、松村北斗さん、深津絵里さん、染谷将太さん、花瀬琴音さんが登壇しました。 新海監督自らMCを務め、キャスト陣は本作に出演しての思いや作品の魅力について熱く語りました。こちらの舞台挨拶の模様をレポートいたします。初日舞台挨拶新海誠監督岩戸鈴芽役原菜乃華さん宗像草太役松村北斗さん岩戸環役深津絵里さん岡部稔役染谷将太さん海部千果役花瀬琴音さん新海監督皆さん、本作を観ていただき本当にありがとうございました。作品を観ていただいた直後の皆さんの前に立つというのは、何回やっても緊張します。最初にちょっとだけ、お話をさせてください。本作を観終わった直後ということで「僕にはないものでできてる」――RADWIMPSの野田洋次郎さんにもらったエンディング曲(「カナタハルカ」)の歌詞がありますよね。「あの歌詞がこの『すずめの戸締まり』という作品そのものだな」と、舞台挨拶の前に、急に思い至りました。この映画というのは、僕の力で作ったものではない気がするんですよね。「君の名は。」(2016年公開/主演:神木隆之介・上白石萌音)から僕の映画を観てくださった皆さんからの「次はこういう映画が見たいんだ」という声が、どこからか聞こえたような気がしています。あるいはこの作品は、ここにいらっしゃる素晴らしい演者の皆さんもそうですし、画や音楽を作ってくださったたくさんのスタッフの力――「僕にないものでできている」作品な気がしています。そんな皆さんの声によって出来上がった作品であるような気もしています。ですから、ここまで導いてくださって、皆さん本当にありがとうございました。短い時間ではありますが、この後、楽しいお話ができればと思います。原さん昨日はあまり眠れなかったくらい、ずっと今日を楽しみにしていました。この作品の、言葉では到底表しきれない素晴らしい魅力をこれからたくさんの人と共有できるんだと思うと、すごく嬉しい気持ちでいっぱいです。こうして無事に公開して皆さんの顔を見ることができたことも嬉しいです。 松村さんどうも、イスです。僕は今日、最速上映を観てからここに挑んでいるので、「すずめの戸締まり」熱がまたふつふつと…いや、グラグラと煮えたぎっている状態です。この熱い思い、せっかく上映後ですもんね。楽しい+ちょっとうっとうしいくらい熱い時間にできればと思います。楽しんでいきましょう。 深津さんこうして皆さんとお会いできてとっても嬉しいです。私は初めて声優に挑戦しました。とっても怖かったです。でも、新海監督が温かく、粘り強く導いてくださったおかげで、何とか完成させることができたと思っています。思い通りにできなくて、どん底まで落ち込んで…。でも、次の収録が待っているから、何とか気分を変えようと当てもなく街を歩き続けたり、新幹線に乗って京都のお寺で心を静めてみたり…。初めてのことにこの年齢でトライできるチャンスをいただけて、監督には本当に感謝申し上げたいと思います。 染谷さん上映後ということで、自分が本作を観た日のことを思い出しました。観終わって、イスに体がくっついちゃったような気持ちで、なかなか立てなくて…。本当に心に響きました。本当は、今日はそっち(=客席)に座って舞台挨拶を見たいくらい、嬉しいし、感動しています。 花瀬さん今日という日を迎えるために、新海監督と多くのスタッフさん、そして原さんと松村さんをはじめとしたキャストの皆さんが血と汗と涙で作り上げた作品だと思います。今も、ここじゃないどこかで誰かがこの「すずめの戸締まり」を観ていると思うとワクワクが止まりません。 MC新海監督、初日ということで、キャストにお伺いしたこともあるのではないかと思いますので、一緒にお聞きしながらクロストークで進められればと思います。 新海監督お願いします。 MC原さんと松村さんにお聞きしますが、松村さん演じる草太がイスになるのが話題になっています。原さんが演じた鈴芽はイスとなった草太と旅をしますが、二人の旅というのはいかがでしたか? 松村さんじゃあ、せっかくなのでイスになる側からしゃべったほうが良いですかね(笑)。皆さんの予想を超えた時間、イスでい続けましたよね? やりながらもそうですし、いろんなインタビューを受けながら、原さんの言葉で「そうだよな」と思ったのは、「草太はイスになってからのほうが、人となりや感情が見えた」かなと思います。また原さんは「表情がなくなったほうが表情が見える」ということを言っていました。何かすごく不思議で魅力的な、これもきっと新海監督の…作戦なんですか?新海監督僕も、二人の話を聞いて「あぁ、良くできた話だな」と思ったんですよ(笑)。草太って、映画を観てお分かりかと思いますが、非現実的なほど美しい男性として描きたいと思ったんです。でも、そのキャラクターがイスになってしまって、ビジュアル的にちょっとかわいらしく歩いて日本全国の廃墟を回るという物語が、ビジュアル的にもコミカルだし、物悲しくてワクワクするものになるんじゃないかと思ったんです。実際、出来上がった作品を観ると、イスの草太ってコミカルな芝居が多いですよね? 菜乃華さんもずっとイスを持ったり、体から出ちゃったり。いろんなイスを巡る思い出がありますよね? 原さん私は電車に乗っているシーンがとても大好きです。後半に進むにつれて、少しずつシリアスなシーンが増えていくので、そういう時のアフレコは、新幹線や電車の中で小声で話し合うかわいらしい二人を見ながら、心を落ち着かせてアフレコをしていました。 新海監督あんな風に、イスになった草太って結構コミカルではあるんですが、その時の草太の声って、人間の時からはなかなか想像できないお芝居だったと思うんですよ。ですから、イスというビジュアルが、草太という人間のもっと楽しい部分を引き出してくれていたんだと完成したものを観て、北斗くんのお芝居を見ながら思いました。 松村さん予告編だと人間時代の草太が人気だったと思うんですが、本編を観るとイス時代の草太のほうが人気なんじゃないかと(笑)。 新海監督北斗くんにイスをやってもらうというのが、今回の作品のすごく大事なところだったんだと途中で気づきました。予告編は僕が自分で編集したんですが、「松村北斗」の名前を出す時、バーンっとイスにかぶせて出しました(笑)。 松村さんそうでした、そうでした(笑)。 新海監督「これが松村北斗くんだよ」というように出したりしていました。 MC原さんと松村さんにはお互いの印象についてもお聞きしたいと思います。 原さん松村さんは、本当にずっと実写版・草太さんだと思っていました。お声はもちろんですが、上品な雰囲気やしぐさだったり、私に対してもすごく丁寧に敬語で接してくださるところが、本当に草太さんそのままだと思います。私がいろんなところでお話する機会が増えて、思っていることをうまく言語化できなくて詰まってしまった時に、代わりに思いをくみ取って言葉にして、いつもフォローしてくださいました。そういう聡明なところも草太さんと全く同じだと思います。松村さん本当に言葉が上手な19歳ですよね(笑)。参っちゃいますね、本当に。 MC松村さんから見た原さんはいかがですか? 松村さんいや、もう強烈ですよ。いろんなインタビューで結構カッコつけて、いろんな言い方をするんですが、上映後なのでシンプルな言葉で言います。鈴芽のカッコ良いセリフの言い回しにキュンと来ません? まだ序盤の、初めての扉にバーッて走ってきて「なぜ?」って言った後の鈴芽の返答とか…。語弊があるかもしれませんが、キュンと来ません? そういうカッコ良さを持っているってなかなかないと思います。予告編でも使われていますが「私は草太さんがいない世界が怖いです」とか、すごく悲しいけどカッコ良さがあるというか、そこに心えぐられる強さがある――そういう力強さを持っている方だという印象です。 MCそして今回、深津さんが初めてこの作品の公の場に立ってくださいました。深津さんは環と同じ九州(大分県)出身です。新海監督、環と同じく九州出身の深津さんに演じていただいたということについて…。 新海監督そうですね。たまたま前作の「天気の子」で大分出身の森七菜さんに出演していただいて、また大分出身の方とご一緒できるんだと思いました。決して出身地で選んでいるわけじゃないんですが(笑)、嬉しい偶然でした。ただ環という役はとても難しい役だったと思います。観ていただいてお分かりかと思いますが、東北にルーツを持っていて、九州に移り住んで、意図的に宮崎弁を身につけたキャラクターです。お芝居の段階で、深津さんにはまず宮崎弁に始まって、旅の途中でだんだん方言のイントネーションが変わっていく表現をお願いしましたが、いかがでしたか? 深津さん声優初挑戦で、普通に標準語をしゃべるだけでもとても難しいのに、方言を二つマスターしなくてはいけないというのは、大変な挑戦でした。本当に「皆さんの足を引っ張らないように」という思いでした。あとは、宮崎弁を指導してくださったのが綾瀬有ちゃんという、今回、声優で鈴芽のクラスメイトの役を演じている方で、つきっきりでトレーニングしてくださいました。本当に先生のおかげでなんとか乗り越えられたって感じです。新海監督深津さんの方言の突き詰め方は、僕も一緒にやって驚くほどでした。例えば、回想のシーンは小さい鈴芽を抱きしめながら「あんた、うちの子になりんしゃい」というセリフに最終的になったんですが、あれはちょっと標準語――まだ九州弁ではない言葉で鈴芽に語りかけようとなったんです。あれも話し合って決めたんですよね。台本だと宮崎弁で…。 深津さん「なりね」でしたね。 新海監督いろいろ試しましたね。鈴芽の生まれた家に着いた時も、何もない場所に着いて、「鈴芽、大きくなったね、お姉ちゃん」と言うんですっけ? 深津さん「おっきくなったぁよ」。 新海監督そうだ! 「おっきくなったぁよ」でした。あそこは東北弁で…。 深津さん東北弁ですが、すごくバランスを考えてくださって…。皆さんで最終的に作り上げた方言でしたね。 新海監督バックグラウンドを組み立てた上で、「ここはこうあるべきだ」ということを深津さんからもサジェストしてくださって、すごく刺激的な経験でした。もうちょっとだけ深津さんに聞きたいんですが、アニメーションの声優は初めてだというのは、意外でした。ここまでキャリアをお持ちで、どうして「すずめの戸締まり」に出ていただけて、環という役を引き受けても良いと思ってくださったんでしょうか? 深津さん逆に、なぜ私に環をやってほしいと思われたんですか? 新海監督僕は、環というキャラクターはとても難しいと思ったんです。環は九州へ鈴芽を連れて帰ったわけですが、ある種、自分の人生を犠牲にしてしまったのかな…と、後悔を抱き続けています。それでも鈴芽を追いかけて、本音をぶつけ合う。これは、嘘のない叫びを聞かせてもらわないと、キャラクターとしてどうしても成立しないと思いました。そこで深津さんが思い浮かんだんです。 深津さんありがとうございます。私は、脚本やビデオコンテを観て、これは個人的な感想ですが、「監督は”次のところ”へ向かおうとされているのかな?」 と、何となく受け取りました。もちろん日本国内のみならず、世界中にファンをお持ちで、今でも「早く観たい!」と思っている方がたくさんいると思います。もちろん、そんな皆さんに届くように作品を作られていると思いますが、今回は「たった一人の“その人”に届けば良い」というような、ピュアなものを感じたんです。こんな経験のない私に何かやってほしいと思っているのならば、何かあるんだろうと思って、ヘタクソながらぶつかろうと思いました。原さんは、私なんかよりも何百万倍も怖かったと思います。背負わなくちゃいけないことも多かったと思いますが、作品の中の鈴芽みたいに、アフレコ現場でも目の前のものに立ち向かい、戦っている姿をそばで見ていました。本当に美しかったんです。だから今回、初めてのことで恐ろしかったんですが、原さんのような素晴らしい感性の女優さんと一緒にお芝居ができて、私にとってまた一つ宝物のような作品になってしまった…「なってしまった」というのは失礼ですけれど(笑)。 新海監督菜乃華さん、いかがですか? 原さん本当に泣きそうなくらいすごく嬉しくて…。環さんといる時の鈴芽は、他の人とは全然違って…。深津さんのお芝居を見て、自分も知らない鈴芽がたくさん出てきたので、本当に感謝しかないです。あと、一つ言いたかったのが、環のシーンがない時に深津さんがスタジオにいらっしゃって、喉に良いはちみつをプレゼントしてくださいました。アフレコ期間中は毎日「深津さんにもらったはちみつだ」と思いながら、舐めて気合いを入れてお守りのようにしてスタジオに入っていました。隣を見るといつも笑顔ですごく温かく迎えてくださって嬉しかったです。ありがとうございました。深津さんすみません、そんなプライベートな話を(笑)。本当に(環役を)やって良かったと思っております。 新海監督そう言っていただけて光栄です。ありがとうございました。 MC染谷さんは環に片想いをする稔を演じましたが、稔をはじめ、本作には温かいキャラクターがたくさん登場します。染谷さんが印象に残ったキャラクターはいらっしゃいますか? 染谷さん全員ですね。でも、後半で芹澤(神木隆之介)が運転して移動するシーンがすごく好きです。いろいろなことが起きて大変な本作ですが、何も起きない単なる移動、隙間みたいなあの時間がすごく心地良くて「映画って素敵だな…」って心から素直に思わせてもらった印象があります。あの芹澤の空気感と移動の時間が心に残っています。 新海監督僕は染谷さんと深津さんが並んでいるだけで「寄生獣」(2014年公開/監督:山崎貴)のことを思い出して胸にグッときます。染谷さんに伺いたいと思っていたことがあって、この中では染谷さんがアニメーションのキャラクターを演じた経験がとてもおありじゃないですか? 実写もやっていらっしゃっるので、染谷さんから見てアニメーションの現場と実写の違いや、表現の違いであったり、実際にやっていてどっちが楽しいとか、そのあたりの差をお聞きしたいを思います。 染谷さん声のお仕事をする時のほうが、自分の中でチャレンジと言いますか…。慣れているわけではないので「自分なら何ができるんだろう?」と自問自答しながらやっています。しゃべれる尺も決まっているじゃないですか? ある意味、その枠の中だったら、何でもできるんだと、今回途中で思いました。そこに収めれば、どんな表現でも可能なんだなと。後で画が説得力を持たせてくれるので、その楽しみをいただきました。新海監督嬉しいです。「ちょうど今、そこの駐車場に東京行きの高速バスが止まっております」と言ってカチャカチャカチャとPCを触る、稔の一番の見せ場である環との電話のシーン…。あの方言やお芝居が僕はすごく好きでした。 染谷さんすごく難しかったです(苦笑)。 新海監督何度もやりましたよね(笑)。方言で言うと、花瀬さんにも聞きたいことがあります。花瀬さんの演じた千果のセリフで一番好きなのが「キスしたら起きるで」ってあのセリフがフラグになって、鈴芽が椅子の姿の草太にキスをしようとするっていうのにつながっていきます。あのシーンは愛媛の伊予弁ですよね。どうでした? 花瀬さんすごく方言は難しかったです。あのセリフに関しては、鈴芽があんなに早く実践するとは思っていなくて(笑)。近い年齢ながら「そんなにすぐ行けるんだ!」って思いました。新海監督聞いた直後に行きましたからね(笑)。 花瀬さんすぐ行っていたんで、素晴らしいなって(笑)。 新海監督菜乃華さん的には同じ疑問を抱きましたか? そんなにすぐは行かないだろうって。 原さんそうですね。わりと鈴芽は積極的なんだと思いながら観ていました(笑)。 花瀬さん好きなシーンです。 新海監督千果役は鈴芽と同じ年代ということで、鈴芽の普段と違うお芝居が、千果と話していると出ているのが感じられて良かったと思いました。 花瀬さんありがとうございます。 MC最後に皆さんを代表して、原さんと松村さんからメッセージをお願いします。 原さん本日はお越しいただき本当にありがとうございました。この「すずめの戸締まり」という作品は、私自身、一観客としても、出演者の一人としても、本当に大好きで、宝物のような作品です。自信を持って、誰が観ても絶対に楽しんでもらえると言い切れる、そんな素晴らしい作品に出会えたことを誇りに思います。本当にすごい作品を作ってくださってありがとうございました。 新海監督こちらこそです。 松村さん鈴芽がたくさんの人物と出会って、メッセージや苦労、歴史みたいなものを抱えていることを知って、ロードムービーが進んでいきます。最後、この作品自体がメッセージを抱えているんですが、…きっと全国で、今もそのメッセージやたくさんのものを受け取ってもらっているんじゃないかと思います。僕自身がそうだったので、そんな風に予想しています。今思っていることが、明日には変わっているような作品だし、人に話せば話すほど、どんどん変わっていくような作品だと思います。この作品は、一回観たら、観るたびに愛し方が変わり、ずっと仲良くしていけるような作品だと思います。一回観たという縁を宝物のようにぜひ思っていただけたらと思います。そして、「すずめの戸締まり」は今日が旅立ちの日です。せっかくなので、鈴芽さん、あの言葉を聞かせてもらっても良いですか? 原さん「行ってきます!」ありがとうございました。
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「六人の嘘つきな大学生」完成披露試写会「六人の嘘つきな大学生」公式サイト怒涛の伏線回収で大人気を博している、浅倉秋成著の小説「六人の嘘つきな大学生」(角川文庫刊)を、監督・佐藤祐市と脚本・矢島弘一により実写化した映画「六人の嘘つきな大学生」が11月22日より公開となります。 10月21日、本作の完成披露試写会を東京国際フォーラムにて開催し、浜辺美波さん、赤楚衛二さん、佐野勇斗さん、山下美月さん、倉悠貴さん、西垣匠さん、佐藤祐市監督が出席しました。 ネタバレを避けつつ、作品の見どころを語るなど「六嘘」の世界観を生かした、こちらのイベントの模様を詳しくレポートします。完成披露試写会嶌衣織役浜辺美波さん波多野祥吾役赤楚衛二さん九賀蒼太役佐野勇斗さん矢代つばさ役山下美月さん森久保公彦役倉悠貴さん袴田亮役西垣匠さん佐藤祐市監督■紗幕にキャストのシルエットが浮かび上がる。■幕が下りてキャスト陣の登場かと思いきや、壇上には漢字の「七」が「六」に変わっている「嘘」の文字が置かれている―――という演出に、会場から驚きの声が上がりました。■その後、階段後方よりキャスト陣が登場!浜辺さん皆さん、足をお運びいただきありがとうございます。最後まで楽しんでいただけるように、この舞台挨拶では、なるべく嘘をつかずに、本当のことを話したいと思っています。 赤楚さん皆さん、こんにちは。M!LKの佐野勇斗です。 佐野さん違うよ! 赤楚さんごめん、ごめん、赤楚でした(笑)。短い時間ですが、嘘をつきまくりたいと思います。 佐野さん皆さん、こんばんは。(ライブ会場のように)盛り上がっていますかっ?! 会場の皆さんいぇーい! 佐野さん「六嘘(ろくうそ)」観たいですかっ?! 会場の皆さん観た~い! 佐野さんすごくスリリングで、面白い作品になっていますので、いち早く皆さんに観ていただけることをすごくうれしく思っています。 山下さん皆さん、本日はお集まりいただきありがとうございます。見ての通り、個性豊かなキャストが集まっているので、この六人と監督の陽気さも相まって楽しい一日にしたいと思っています。 倉さんこんにちは。今日はお越しいただいて、本当にありがとうございます。完成を迎えられて大変うれしく思っております。西垣さんなかなかこういう舞台に立つのが慣れていなくて、足が震えております。意外と、小鹿です。 登壇者の皆さん大丈夫だよ! 西垣さん皆さんにこの作品の面白さが伝わり、たくさんの方に広めてもらえるように、今日はいろいろなことをお話ししたいと思っています。 佐藤監督メガホンは一度も持ったことがないんですが、なぜか監督は「メガホンをとられた」と紹介されてしまいます。(会場:シーン)今日は頑張ってスベりたいと思います! (登壇者の皆さん:笑) 赤楚さん&佐野さんよっ、監督! MCまずは監督、本日いよいよ本作のお披露目となりました。今回は多くの伏線が張り巡らされている密室会話劇ですが、映像化するにあたって意識したことや心がけた事は何でしょうか? 佐藤監督こうして皆さんに観ていただくのは初めてなので、「どう受け止められるかな」と、ちょっとドキドキしています。現場では、密室の中だけなので、背景が変わらないんです。なので、みんなで「どうやってお芝居をやろうか」と、何日間かリハーサルをしました。コミュニケーションを取りながらリハーサルをしましたが、気が付いたらこちら(キャスト)の六人だけが仲良くなって、僕はちょっと端に追いやられたような感じでした(笑)。(登壇者の皆さん:笑)そんな感じで、とにかく「お芝居をしっかりとやっていくこと」を心がけていました。それと、原作が面白いので、「みんなで頑張れば大丈夫だ」と思っていました。 MC密室での緊迫感のあるシーンがかなり多い撮影だったかと思います。撮影現場の雰囲気や、何か印象的なエピソードがあれば教えてください。 浜辺さん私、思い出しました。撮影の前の話ですが、最初に顔合わせと、本読みと、リハーサルをやったんです。初対面の方もいる中で「どれぐらい頭に台本が入っていますか?」という話をしていて、みんなで「ちょっと心配だなぁ」と話をしていたんです。でも、いざ監督から「リハーサルをやりましょう」と言われたら、みんな結構頭に台本が入っていて、全然台本を見ていませんでした。あの時から、もう嘘つきが始まっていたと思います。 佐藤監督あの時には、皆さんセリフが入っていましたね! まんまと美波ちゃんだけね。(登壇者の皆さん:笑) 浜辺さんちょっとモゴモゴしていました。「この作品は、ここから嘘が始まっていたのか」と思いました。初めて騙された瞬間が忘れられないです。嘘を言った自覚がある人はいるのかな? 佐野さんもうあぶり出しているじゃん! 怖いよ!でも、僕はその時いなかったからね。(会場の皆さんに向かって)皆さん、僕は嘘をついていませんからね。よろしくお願いします。悠貴はどう? 倉さん僕は、嘘をついたね(笑)。セリフを覚えてはいたけれど、ミスした時の保険として「まだ、あまり入っていないです」って言ったかもしれない。 浜辺さん保険ね! 山下さん私も嘘をつきました(笑)。倉くんと、私と、西垣くんも結構覚えていたよね? 西垣さんでも、「演技をやってみて」って言われた時に、やれる自信は無かったのに、やってみたら意外とできちゃったっていうことない? 山下さん天才肌だね。 西垣さんいや、違う違う(笑)!自分の中では、「八割ぐらいかなぁ」と思っていたけれど、やってみたら意外と全部できちゃったって時ないですか?…(誰からも同意を得られず)あれ(笑)? 佐藤監督美波ちゃんは正直に話していて、キャストの皆さんには、事前に、「台本を頭に入れなくて良いですよ」と伝えていました。まず「みんなの声と表情を見たいから」ということで始めたんです。なので、美波ちゃんは素直に「みんなとコミュニケーションを取ろう!」と思って現場に来たら、みんなが意外とガチモードで、「私が座長なのに…」と、ちょっとショックを受けていました。 浜辺さんでも、セリフが少なかったのでギリギリ助かりました。(登壇者の皆さん:笑) MC赤楚さんは、印象に残ったエピソードありますか? 赤楚さん皆さん、結構差し入れをくれました。特に印象に残っているのは、ちょっと暑い日の撮影の時に、佐野キュンがね、アイスの差し入れをくれました。 佐藤監督キュンなだけに! 佐野さんキュンなだけに(笑)?! 赤楚さん佐野キュンだけに、キュンとしましたね。 佐野さんシンプルに僕が食べたかっただけです。「一人だけ食べていたら怒られるかな」と思って、みんなの分も買いました。 MC佐野さんの印象的なエピソードは? 佐野さん僕は、みんなで花火を見たことですかね。でも、僕はあまり見られなかったんですよ。(佐野さん以外の)五人だけで見ていましたね。 浜辺さん撮影所から見えた花火大会ね。 佐野さん花火大会の終わりの方に、「今、五人で花火を見ているらしいですよ」と言われて、「えっ、何の話!?」と思って、屋上に行ったら、みんながご飯を食べながら花火を見ていました。僕だけ、終わり際の合流でちょっと悲しかったです。 佐藤監督何? ハブられていたの?! 佐野さんはい! (登壇者の皆さん:笑) 山下さん違うよー。 佐野さんじゃあ、何か弁解してよ! 山下さん撮影が終わって休憩に入った途端に、佐野君がそそくさと一人だけ楽屋に戻ってしまって、たまたまなんです。 浜辺さんその時はまだ連絡網もなくて。 赤楚さんまだ連絡先を知らなかったんだよね。 佐藤監督連絡網があったの? グループLINE? 佐野さんはい。 佐藤監督やめて、僕だけハブくのー! そういうのはやめてよ!(登壇者の皆さん:笑) MC山下さんのエピソードはありますか? 山下さん会議室でのシーンです。二、三週間くらい、毎日朝から晩まで撮影をしていました。その時に六人で同じ前室で、ずっと一緒にいたので、いろいろなお話ができて、仲良くなりました。佐野くんがゲームを持ってきてくれて、すごく仲良くなれました。 佐野さんでも、そのゲームは一回も使ってくれませんでした。(登壇者の皆さん:笑)みんなが「ゲームがしたい」って言うから、家から選んで持ってきたのに、みんなは「ありがとう!」とは言うけれど、誰も遊んでくれませんでした。(撮影が)終わってから、僕一人で片付けて寂しく帰りました。それについても弁解してください(笑)。 赤楚さん今日の佐野くん、かわいそうだね。大丈夫? 佐野さんギリギリ大丈夫です! 佐藤監督もしかしてハブられていた? 佐野さん監督と僕だけハブられていました(笑)! 佐藤監督仲間じゃん!(登壇者の皆さん:笑) MC倉さんのエピソードはありますか? 倉さん一人一人見せ場みたいなシーンがあるんですが、その撮影の時は毎回ちょっとピリピリしていました。でも、普段はとても和やかで、楽しい現場でした。 MCグループ連絡網ができるくらい、皆さん仲良くなられたということでしたよね。 赤楚さんでも、本作も公開されることですし、解散しますか? 佐野さん何で?! 浜辺さんグループメッセージを返してくれない人いるんだよ! 赤楚さん(浜辺さんに向かって)頑張っているけれど、ね。 佐藤監督美月さんじゃないの? 既読スルーな感じがする。 浜辺さんそう! 撮影中はすぐ返してくれていたけれど、最近忙しいからかな。 山下さん返しているよ(笑)。でも、みんなの会話が早すぎるんだよ。「本当に仕事をしているのかな?」っていうレベルで連絡が来るので、メッセージが何十件も溜まってしまうんです。…ちゃんと参加します(笑)。 MC西垣さんは何か印象的なことはありましたか? 西垣さん仲良くなりすぎて、真面目なシーンを撮っているのに何か面白くなってしまうことがありました。一人がツボに入ってしまうと、それがみんなに伝染して、ちょっと時間がかかってしまう時がありました。 MC浜辺さんが首を傾げていますね? 浜辺さんあったけ? 西垣さんあなたです! 浜辺さん何気ない、ただホワイトボードに一文字書くだけの手元のショットなのに、ケタケタ笑ってしまうことがありました。二回ぐらいだよね? 赤楚さんそうだね。今日もあったよね? 佐藤監督取材中もそうなっちゃうのはどうなの? (登壇者の皆さん:笑) 浜辺さんごめんなさい。 MC本作は、怒涛のどんでん返しで一秒たりとも目が離せない作品になっておりますが、「ぜひここに注目してほしい!」というポイントをうかがいたいと思います。 浜辺さん先ほど倉くんが話してくれましたが、大半のメンバーが、目が血走って、「血管が切れるんじゃないか?」と思うくらい、強い目をする見せ場があります。その時の目力がすばらしいです。「この目を向けられたくないな」と思うような瞬間があるので、見逃さずに観てください。 赤楚さん犯人を探すのも良いですが、各キャラクターが、それぞれ特徴や、過去を持っているので、皆さんも共感しやすいキャラクターがいると思います。また、別のキャラクター目線で観てみるのも楽しい作品だと思います。 佐野さん会議のシーンに注目してほしいのは、皆さん分かっていると思いますが、会議が始まる前の、僕たち六人が打ち合わせをするシーンにも注目してほしいです。そこには監督のむちゃぶりのアドリブがあったりするので、注目してほしいです! 西垣さんぜひ! 監督から「何かやってよ」「何か面白いことやってよ」と言われて、頑張りました(笑)。 佐藤監督そんなひどい演出しないよ! すべて台本通りです(笑)。 山下さん私たち六人が最初にファミレスに集まって、それぞれ自己紹介をするシーンが本作のクランクインでした。まだしゃべったことがない状態だったので、リアルな気まずさや距離感が出ていると思います。そのシーンと会議室でのシーンを比べると、みんなの顔つきが全然違っているので、その違いに注目していただきたいと思います。 佐藤監督僕が、倉くんの芝居で一番好きなところは(言い方を真似て)「何度でも言う」ってところです。あそこが大好きです。佐野くんの一番好きなところは(言い方を真似て)「なぁ!」って言うところです。 MC監督のポイントが、ピンポイントすぎるんですが、ぜひご注目ください。では、倉さん、どうぞ! 倉さん水がたくさんかかるシーンですね。そこは、西垣くんと二人で相談して生まれたんですが、本作には珍しくダイナミックなシーンになっていると思います。ワンシチュエーションなので、なかなかできることがないんですが、唯一水があって「何かアクションに使えたら良いよね」と話して、現場で生まれたシーンでした。 西垣さん僕は、会議室で最終面接をする前に、みんなで飲み会をするシーンです。そこが「ザ・大学生の飲み会」という感じがしました。皆さんが一度は経験したことがあるような、騒がしい飲み会のシーンになっているので、共感が得られると思います。推しポイントです。 佐藤監督ちなみに、僕が美波さんの一番好きなところは、最後の表情です。あと、ちゃんと意味のある手の挙げ方も好きです。赤楚くんは、(甲高い声で)「九賀くん!」って言うところです。 赤楚さんあ、分かった! かなり誇張されていますが(笑)、僕が全身全霊をかけたお芝居になっています。 佐藤監督美月ちゃんの好きなところは、(言い方を真似て)「何どさくさに紛れて…!」って言うところです。その後に続くセリフも表情も含めて好きです。西垣くんの好きなところは、(言い方を真似て)「俺はな、もうなダメだ」って言うところです。現場でも、「何か訛っていない?」っていう話になったんですが、でもOKになったそのシーンが好きです。 MC本作にちなんで、皆さんの忘れられない「嘘」についてのエピソードを教えてください。 赤楚さん(挙手して)まず、トップバッターいきます!僕、エイプリルフールに、友だちに「一万円拾ったんだよ。」って嘘をつきました。そしたら、その日に一万円を拾ったっていう…嘘です。 佐藤監督これも嘘なの?! 赤楚さんはい、今嘘をつきました。(登壇者の皆さん:ざわつく) 浜辺さん私、右足にすごく大きい青タンがあるんです。もう緑色で、これからモリゾーとキッコロになるんじゃないかみたいな青タンがあります。それを、他の現場では「最近、転んじゃったんです。」と言ったんですが、実はでんぐり返しをして、できました。すみませんでした。 佐野さんえ、でんぐり返しで、青タンができたの? 浜辺さんはい。後転ができると思ったら、ちょっと背中が硬くて…、足が思ったところに行かなくて、ぶつかってしまいました。痛いんですが、正直に言うのは大人としてどうなのかと思ったので、隠しました。佐野さん僕は、小学校の時にお母さんとお父さんにテストをいっぱい隠しました。「テスト返ってきたの?」って聞かれても、「返ってきていない。先生が忙しいんだって」って噓をついて、机の中に20枚ぐらいためていました。すみません。 山下さん私は、ファンの皆さんについていたハッピーな嘘があります。私は、以前は髪の毛が今より20センチぐらい長かったんですが、実は髪を切ったことを今日までずっと隠していました。ロングヘアの写真を撮り貯めして、ファンの皆さんにはそれを送っていました。客席に私のファンの方がいたら、「(髪が)短くなっている!」と思ってくれるかなという、サプライズ嘘です。ぜひネットニュースなどにお願いします(笑)。 倉さん僕は、プロフィールに身長173センチって書いているんですが、実は171センチしかなかったんです。でも、今年173センチになりました!(会場:拍手) 佐藤監督成長しているってこと? 倉さんそうです! 今日は厚底靴で少しだけ盛っています。 西垣さん僕は、最近ゴルフを始めたんです。それで、赤楚くんからお誘いをいただいて一緒にラウンドを回りました。僕は「始めたばかりだから、上手じゃないよ」って言ったら、赤楚くんが「僕も大して変わらないから、一緒に行こうよ」って言っていたのに、行ったらボコボコにされました(笑)。 MC騙し騙されのエピソードでしたが、皆さんは騙されやすい方ですか?「自分は騙されやすい」と思う方、手を挙げてもらっても良いですか? 挙げていないのは、山下さんと倉さんですね。 山下さんそうですねぇ。浜辺さん「六嘘」の舞台挨拶だから、私たちも何か騙されるんじゃないかと思って、ずっと怖かったんです。だから、今日は誰も信じていませんでした。 MC最後に、代表して浜辺さんからご挨拶をいただきます。 浜辺さん今日は、どんなサプライズというか「嘘」が待っているんだろうとすごくドキドキしていました。でも、何事もなく無事に皆さんに本作を観ていただけるようで、とてもうれしいです。本作は、昨年の九月から撮影を始めて、一カ月半と言う短い撮影期間でした。皆さんに最後まで楽しんでいただけるようにと、六人でミステリーの難しさ、そして、原作が素晴らしいからこその難しさに向き合いました。予告編では、すごくバチバチしていましたが、六人で協力して、監督やスタッフ、キャストの皆さんに導いていただいて、作品を作りました。本作でこの六人がつく嘘には、嘘、偽りはございません。最後まで、この六人の嘘を楽しんで、ドキドキしてください。本日は、本当にありがとうございました。
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『ブラック・ショーマン』劇場販売商品のご案内TOHO theater STOREでも販売いたします パンフレット紹介ページはこちら 2025年9月12日(金)公開『ブラック・ショーマン』の上映劇場で販売いたします。 商品は公開劇場にてお買い求めください。 ※価格は全て税込です。画像は実際の商品とは異なって見える場合がございます。 ※商品のデザイン・仕様は変更になる場合がございます。 Ⓒ2025 映画「ブラック・ショーマン」製作委員会
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『ブラック・ショーマン』Ⓒ2025 映画「ブラック・ショーマン」製作委員会 『ブラック・ショーマン』
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『おいハンサム!!』DVDクスッと笑えて、お腹もすく―「恋」と「家族」と「ゴハン」をめぐる新感覚コメディ!TDV34280R/2024年度日本映画放送株式会社©2024 映画「おいハンサム!!」製作委員会映画『おいハンサム!!』DVD
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「ブラック・ショーマン」公開直前イベント「ブラック・ショーマン」公式サイト 東野圭吾の人気小説を福山雅治主演で映画化した「ブラック・ショーマン」の公開を前に9月3日、東京・新宿の西武新宿ぺぺ広場前にて、公開直前イベントが開催されました。多くの人々が行き交う新宿の街に福山雅治さんと有村架純さんが降臨し、会場は熱狂に包まれました。福山さんは、大観衆の前でマジックを披露! 果たしてその成否は…? こちらのイベントの模様をレポートいたします。 公開直前イベント 神尾武史役 福山雅治さん 神尾真世役 有村架純さん ■福山さん、有村さんが会場のバルコニーに登場し、会場は歓声に包まれました。 福山さんどうも、お集まりいただきましてありがとうございます。福山です。よろしくお願いします。 MCどうですか、福山さん、この景色は? 福山さん実は、東京に18歳の頃来ました。今から37~38年前になりますが、上京して初めて降りたのが、そこの(新宿の)東口です。その日にここ(西武新宿駅前広場)を通って、そこの階段を登って、西武新宿駅から西武新宿線に乗って拝島駅まで行ったんですよ。まさか自分がここに帰って来るとは思いませんでした。本当に熱烈歓迎ありがとうございます! 有村さん皆さんこんばんは。 MC有村さんも、これだけたくさんの皆さんが集まってくださいましたが、今の気持ちというのは? 有村さんちょっと涼しくて良かったなと思いました。大丈夫ですか、皆さん? (会場の反応に)良かったです。今日はよろしくお願いします。 MC「ブラック・ショーマン」公開まであと9日になりました。今の気持ちを、まずうかがいたいと思います。 福山さん結構、長い期間撮影をしていました。その撮影の期間も、少し空いたこともあったので、やっと完成して観ていただける――「やっと、観ていただける」という気持ちが強いですね。 有村さん本当にあっという間ですね。ちょうど一年ほど前に撮影が始まって、岐阜ロケをしたり、都内で撮影をしたりと、いろいろな場所で撮影をしましたが、本当に早いですね。皆さんに観ていただくのが楽しみです。 MC意外だったのですが、今回、お二人は初共演ということですよね。 福山さんそうなんです。ずっと(有村さんの作品は)観ていましたがね。 有村さんはい、お互いに…。 MC今回の撮影やプロモーションを通して、お互いを知るようになって、信頼関係も築かれたとうかがっています。そこで、お二人にお互いの印象などもお聞かせいただきたく、一問一答で答えていただきたいと思います。 お互いに「すごいな」と思うところを教えてください。 【質問①】 福山さんまず、おいしいものが好きで、その美味しい物が好きっていうことに対して諦めない! 必ずそのたどり着きたいと思ったものにたどり着く、その向き合い方ですね。 有村さん(笑)。 福山さんこれはなかなかできないですよ。僕らは、忙しくなってしまうと「もう今日はいいか」とか「スープだけでいいかな」とか「バナナ一本でいいか」みたいな感じになりがちなんですが、(有村さんの方を向いて)それでもどこかで取り戻しますよね? おいしいものを食べたりしてね。 有村さんはい(笑)。 福山さん諦めない! そして、自分がおいしいと思った菓子とかお弁当を、きちんと現場に差し入れして還元するんです。 MC「皆さんにも食べていただきたい」ということですね。 福山さんそう! これがすごい! MC有村さんはいかがですか? 有村さんご自身が好きなものに対しての熱量がすごいですね。音楽もそうですし、あと、あるお酒にすごく詳しいです(笑)。 福山さん(笑)。 有村さんあ、あれって話しましたっけ? 武史さんのお店に飾られているやつ。 福山さん(その話はしても)良いんじゃないですか? 有村さんぜひ、話してください! 福山さんあ、私ですか? 有村さんはい! 福山さん有村さんが、マイクを通して言うから、バレちゃいましたね(笑)。映画の終盤に登場する、「トラップハンド」というバーがあるんです。そこは、僕の演じる神尾武史という、ラスベガスで名を馳せた元マジシャンが、恵比寿で経営しているという設定なのですが、そのバーに置いてあるお酒は、私の家から持ってきたコレクションです。 MCバーを開けるぐらい持っているのですか? 福山さん入り切れませんでしたが…。 ■会場から歓声! 福山さん(歓声を鎮めるように)いやいやいやいや。またこういう部分が切り取られますから! まあ、切り取られると思うので話しますが、当時「地面師たち」(2024年Netflixにて配信開始/出演:綾野剛 他)という作品が非常にヒットしていたタイミングがありました。その作品に登場する(ハリソン役の豊川悦司さんの飲んでいる)ウイスキーがすごいっていう記事を読んだんですよ。僕も、ちょうど本作の撮影をしてたんです。それで、「何だって!」と思い、これはちょっと「ブラック・ショーマン」としても負けるわけにはいかないと思って、せっせとみんなで僕の家から運びました。ぜひご覧になってください。 お互いの「えぇ?」と思った意外な一面はありますか? 【質問②】 有村さん意外と寒がり(笑)。 福山さん(苦笑)。そうそうそう。ロケ地が岐阜県郡上八幡という風光明媚で、水のきれいなところだったんです。ただ、撮影の時期は秋だったのかな? 有村さん秋ですね。 福山さんすごく寒かったんですよね。というか、僕は底冷えがして寒かったんです(苦笑)。あまりにも寒くてですね、「すみません、足湯をしても良いですか?」って、お湯持ってきていただきました。「おそらく有村さんも寒いと思うのでぜひ足湯を…」って勧めたので、その印象があるんだと思います(笑)。 MC福山さんが思う意外だと思う有村さんの一面は何ですか? 福山さん意外ではなかったですが、想定を超えてすごいと思ったのは、やっぱりタフなことですね。僕は、撮影現場が寒かったんですが(笑)、しっかりと風邪もひかずにこなしていました。 MC有村さんからしたらそこまで寒くなかった? 有村さんいや、もう身震いするぐらい寒かったです。 福山さん強さがないと撮影の現場は続けられませんからね。タフさは想定していましたが、想定以上にタフな方でした。 それぞれが演じているシーンで好きなシーンを教えてください。 【質問③】 福山さんいっぱいあるんですが、皆さんもご覧になれるところで言うと、特報(映画『ブラック・ショーマン』60秒特報)の中で、ウエディングドレスを着ているんです。めちゃくちゃキレイでかわいいんですが、何かちょっと妖しい感じがするんですよね。そこがすごいと思います。あれって、何かちょっと妖しいと思ってもらおうという気持ちがあったんですか? 有村さんいや、特になかったんですが…。 福山さんそうですよね? 有村さんでも、(完成した作品を)観たら「ちょっと妖しく見えるな」と思いました。 福山さん「あ、もしかしたらこの人なんじゃないかな?」みたいに、ちょっと怖く見えるんだよね。それがすごいんですよ。まあ、意図していても、いなくても、そう見えた人の勝ちですから。それがすごいなと思って、一瞬なんですが、あのシーンがすごく好きですね。 有村さん岐阜県の苗木城跡というところでロケをしたんです。その場所に行くまでには、相当登らないといけないんです。そこで、コインロール(コインを指の間を生き物のように移動させる技)をしてから、コインを投げてキャッチするシーンがあるんです。すごく印象的なカットなんですが、そこが心に残っていますね。 福山さんもう寒くて指がかじかみましてね(苦笑)。もう指が動かなくなっちゃうから「早く撮って!早く撮って!」と思っていました。 MC早く足湯に入りたいと思っていた? 福山さんそうそうそう。もう足湯だけじゃなくて、手湯? 手を温めないと動かせないので、「早く撮りましょう」言っていました。風も強かったんですよね…。 MCそして福山さん、9月1日から先行配信になっている本作のテーマソング「幻界」ですが、現在開催中のドームツアー(「FUKUYAMA MASAHARU 35TH ANNIVERSARY DOME LIVE 2025 // SOUL」)でめちゃくちゃ盛り上がっていると聞いています。 福山さんそうなんですよ。早速、披露しています。「どんな曲になるでしょうね?」なんて共演者の方から、撮影の途中で話を振られたりもしましたが、当時は全くできていなかったんですね(苦笑)。だから、「やばいな」と思っていましたが、最後にわりと長いシーンでキャスト全員が登場するようなシーンがあるんです。でも、「その撮影をやってからのほうが良いかな?」と思っていました。できていないことの言い訳っぽいですがね(笑)。でも、そのシーンを撮り終えたら曲が浮かんで来たんです。それまでは、正直曲が浮かんできていなかったんです。でも、「あ、こういう音が神尾武史がラスベガスでマジシャンとして活躍していた頃の登場曲として鳴ってたらいいな」っていう曲がやっと浮かんできたんですよ。 MC有村さんはこの「幻界」を聴かれていかがでしたか? 有村さん今回、福山さんが演じる武史さんが、ダークヒーローということで、何かちょっと闇っぽい雰囲気がするというか、登場人物がみんな怪しく見えて、ちょっとピリつく緊張感が、楽曲からすごく感じました。だから、いつもの福山さんが作られる音楽とはまた違ったエッセンスが入った印象でした。 MC今日は、こちらにたくさんの皆さんに集まっていただいております。福山さん、トークも良いですが、(会場の皆さんに向かって)それだけじゃ物足りないですよね? (会場:拍手と歓声) 福山さん、神尾武史っぽくて楽しめるものを用意していただいていると聞いたんですが? 福山さんいやいやいや。、僕は、昨日まで、今日何をやるのかちゃんと聞いていなかったんですよ。で、「どうなってんの?」って聞いたら「新宿のペペっていうところで、たくさんの皆さんに見ていただきます」「雨が降るかもしれないですが、お集まりいただく予定です」と言われたんです。「で、何やるの?」って聞いたら、「ちょっとマジックらしきものを…」って言われたんです。いやいや、僕はマジシャンじゃないから(苦笑)! MC後ろからスタッフの方が出て来ましたが…。 福山さんちょっとマイクを持ってもらわないといけないんでね。(スタッフに向かって)大丈夫、やりますから、ちょっとだけ皆さんに言い訳をさせてください。何かもう、マジックをやることになってしまいました。だから、用意してきました。 ■会場から歓声! 福山さんていうか、用意されていました。強制的に…。 有村さん強制的に(笑)。 福山さんもう、こんなの強制マジシャンですよ(苦笑)。 MC福山さんは、私がご一緒しているラジオでも常にコインを握られていましたが、現場でもそうでしたか? 有村さんずっとしていました。常にポケットにコインを忍ばせていて、ずっと触っていらっしゃいましたよね? MC今日はコインではなく? 有村さん今日は何をするんでしょうか? 福山さん正直コインの方が気が楽です。今日はトランプを使います。 MCトランプのマジックですので、皆さんにも福山さんの手元を見ていただくために、会場の後ろのビジョンに福山さんの手元が映ります。ですので、皆さん後ろをご覧ください。 福山さんじゃあよろしいですか? 今日はですね、トランプを使った、ちょっとしたお遊びをやりたいと思います。(ポケットからトランプを取り出す)こちらのトランプを使います。このトランプの中から、今日お集まりになった皆さんが、印象に残ったカードを私が当てます。 ■福山さん、カメラに向かってトランプを素早く見せる。 MCちょっと早いです(苦笑)! 福山さんあなたの動体視力が遅い(笑)! じゃあもうちょっと分かりやすくやりますね。 ■福山さん、もう一度、カメラの前にトランプを見せる。 福山さん見えたかな? もう一回ですか? ■福山さんがもう一度、カメラに向かってトランプを見せる。 福山さんどう? 印象に残ったカードはありました? 有村さんありました! 福山さんでは、私が皆さんの印象に残ったカードを当てましょう。皆さんが印象に残ったカードの絵柄、数字…それはこちらですね。 ■お二人の後ろの幕が落ちて「ハートの7」が出てくると、会場から歓声! 有村さんおぉっ! 福山さん間違いありませんか? 有村さんまさに(印象に残ったのが)ハートの7だったので、びっくりしました。 MC最後に本作を楽しみにしている方々に一言ずついただけたらと思います。 有村さん「ブラック・ショーマン」は、登場人物みんなが、とても怪しいです。どの方がこうなのか? ああなのか? と、物語と一緒に皆さんが謎を解きながら観てくださるとより楽しめるのかなと思います。ぜひ楽しみにしてください。 福山さんはい、本日はありがとうございました。この作品はですね、今やったように、マジックも嘘なくやっております。マジックをベースにしながら、様々な人間関係、そして謎を紐解いていきます。全く新しい感覚で楽しんでいただけるミステリーエンターテインメントだと思います。9月12日には「ブラック・ショーマン」をぜひ劇場でご覧ください。本日お集まりいただきありがとうございました。では…ここは、ご唱和になるんですか? MC福山さんにここはビシッと決めていただきたいと思います。 福山さん9月12日(金)から始まる「ブラック・ショーマン」。It's Show time!
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「すずめの戸締まり」大ヒット舞台挨拶「すずめの戸締まり」公式サイト「君の名は。」(2016年公開/主演:神木隆之介・上白石萌音)「天気の子」(2019年公開/主演:醍醐虎汰朗・森七菜)に続く新海誠監督三年ぶりとなる最新作「すずめの戸締まり」が11月11日より公開となり、17日までの7日間で興行収入27.7億円、観客動員数200万人を突破する大ヒットを記録しています。11月18日には東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで大ヒット舞台挨拶が開催され、原菜乃華さん、松村北斗さん、新海誠監督が登壇しました。日本全国から届いた本作への熱い感想をつづったメッセージボードを背景に、全国343館に向けた生中継舞台挨拶に臨みました。こちらのイベントの模様を詳しくレポートいたします!大ヒット舞台挨拶新海誠監督岩戸鈴芽役原菜乃華さん宗像草太役松村北斗さん新海監督六本木の皆さん、お越しいただき本当にありがとうございました。そして(中継)カメラの向こう、スクリーンの向こうにいらっしゃる全国の皆さん、僕の地元の長野県の皆さんも観ていらっしゃると思います。今日は楽しい時間にしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 原さん本日はお越しいただき、本当にありがとうございます。全国343ものスクリーンで、たくさんの方が「すずめの戸締まり」を楽しみに観に来てくださっていることがすごく嬉しいです。 松村さん343というとすごい数字ですし、皆さんの上映前の大切な時間をいただくので、この後に上映される「すずめの戸締まり」がもっとワクワクするような、そういう時間にできたらと思います。僕の地元の静岡でも(中継を)観ていると思うと、嬉しいです。もちろん343スクリーン、全ての皆さんのために楽しい、ワクワクする時間にしたいと思います。 MC嬉しいニュースが入ってきています。公開されてからまだ7日ですが、この7日間でなんと全国200万人の方に本作をご覧いただきました。 新海監督200万という数字は、ちょっと信じられない数字ですね。僕が昔アニメーション映画を作り始めた時、50人で満員になる映画館で上映したんですね。50人の方に拍手をいただいただけで、人生が変わったような感じでした。それが、200万というのは、言葉にならないですね。隣を見ちゃうな(笑)。200万人という数字はどうですか?(原さん、松村さんの方を見る)松村さん200万というと、皆さんが今、手に持っている(入場者プレゼントの冊子)「新海誠本」が300万名様限定なので、いよいよ在庫切れが見えてきています。 原さん「新海誠本」すごく濃い内容なので、皆さんに手に取ってもらいたいです。それに、プラスで作ってもらいたいですね。 MC「新海誠本」の増刷希望が入りました(笑)。さて、本日は皆さんの後ろに、何やら幕がかかったものがあります。早速オープンしてみましょう! ■ベールが外されると、熱い感想がつづられたメッセージボードがお目見えしました。登壇者の皆さんから「おー!」と驚きの声、会場からは拍手が上がりました。 MCこれまでに本作をご覧になった皆さんからの感想をお届けしたく、このようなメッセージボードをご用意いたしました。ぜひじっくりとご覧ください。 ■登壇者の皆さん、メッセージボードの感想に見入る。 原さん「ポテトサラダ気になる…」という感想があります(笑)。新海監督「顔面と声が良いお兄さん二人も」という感想も。 松村さんこれなんて、作品の大事なことじゃないですか。「何気ない『行ってきます』の言葉にも重みを感じました」と書かれています。 新海監督そうですね。「圧巻だった」とか「ありがとう」とか、こういった短い言葉にもちょっと泣きそうになります。嬉しいです。 松村さんあ、僕と同じ感想が! 「エンドロールの時に、この映画を作ってくれてありがとうと本当に思った」これは、分かりますね。新海監督嬉しいなあ。「もう一回観たいけど、ものすごい体力使う」という感想も…。すみません、何か…。(登壇者の皆さん:笑)。 松村さんでも、もう一回観たくなるんですよね。 新海監督これも嬉しいですね。「監督はどうしてこうも毎回等身大のヒロイン感半端ない女の子を見つけられるんだろうか」と書いてあります。原さんありがたいです。新海監督の演出のおかげです。 新海監督いえいえ、とんでもないです。 松村さん語彙力を失っている方がいますよ。「もう好き、全部好き」って! 原さん分かります! 松村さん分かりますね。 原さん「今、現在を精一杯生きなきゃと思わせてくれる映画でした」という感想もあります。シンプルだけど、すごく素敵な言葉ですね。 新海監督せっかくですので、ここにいらっしゃる皆さんにお伺いしたいんですが…。「今日これから本作を初めて観る」という方はどれくらいいらっしゃるんでしょうか?(手を挙げた人は少数) ということは、二回以上観たという方が多いということですよね。ありがとうございます。「三回以上観たよ」という方もいらっしゃるんでしょうか。(あちこちから手が挙がる) ありがとうございます。嬉しいですね。 松村さんうわあ…すごい! 新海監督ありがとうございます。 MC原さん、松村さんに、周りの方からは反響が届いていますか? 原さん今までお世話になった先輩方や友だちもみんな、「本当に面白かったし、もう一回観たくなる作品だった」と言ってくれました。普段はアニメーションをあまり観ない方も「『すずめの戸締まり』は本当に面白かった」と言ってくれて、みんなにとってすごく特別な作品になっているんだと肌で感じて、とても嬉しい瞬間でした。 松村さんこの六本木の会場もそうですが、客席を見ると、男性から女性、お父さんお母さんお子さんまでいて、343のスクリーンがきっとそういう状況なんじゃないかと思います。昨日、おとといと、神戸、大阪を周り、自分で劇場に足を運んで感じたのは、いろいろな世代、いろいろな育ち方をしてきた方が、映画を観終わった後に皆さん同じような顔をされていました。何よりもそれが、言葉を超えた反響かなと感じています。きっと皆さんも、上映が終わった後には隣の人と同じ顔をしているんじゃないかと思います。 MC劇中では鈴芽と草太が全国を旅していますが、松村さんが今おっしゃったように、皆さんも神戸、大阪に行かれたんですよね。 新海監督そうなんです。全国キャンペーンの最初ということで、まずは関西にお邪魔しました。新幹線に乗って、鈴芽と同じルートで神戸駅に行きました。劇中にも神戸駅が出てくるんですが、(鈴芽たちと)同じホームに降り立って、新幹線の改札を出たらびっくりしましたよね。 松村さん驚きましたね。 原さん「すずめの戸締まり」のスタンディ(宣伝用のパネル)があったんですよね。 新海監督改札を出たところに置いてあって、思わず三人で写真を撮りました(笑)。神戸駅の駅長さんが大変(本作を)気に入ってくださったということでした。鈴芽とあるキャラクターが駅前で抱き合うシーンがあるんですが、そのシーンに合わせて飾ってある花の色も変えてくださっていました。現実と本作が混じったような感じがして、幸せでしたね。 松村さんすごい瞬間ですよね。 新海監督お二人の思い出はありますか? 松村さん今回はそうやって写真を撮ったり、劇場に駆けつけたりしました。過去に仕事などで訪れていた地とはいえ、「すずめの戸締まり」で訪れるとまた全然違う雰囲気がありました。(劇場で)皆さんの表情が見られたこともあり、すごく新鮮な気持ちがしました。 新海監督舞台挨拶をみんなで一緒にやっていると、菜乃華さんをじっと見ているお客さんとか、北斗くんをずっと見つめているお客さんとか、本当にすごく小さなお客さんもいました。一生懸命に手を挙げて質問していましたよね。 原さん緊張して、なかなか言いたいことがうまく言い出せなかった小さなお子さんに、松村さんが素敵なフォローをされていました。監督と「素敵だね」とお話をしていました。 新海監督(小さなお子さんが)なかなかしゃべれなかった時に、(松村さんが)「なんて素敵な待ち時間なんだろう」とおっしゃって。「さすがだな!」と思いました。 松村さん(照笑)。新海さんの紳士ぶりを受け継いで、ちょっと真似をしようと思ったところが大きいです。 新海監督いやいやいや…(照笑)。でも本当に、いろいろな劇場の方々がこの作品を届けてくださっているんだと、劇場に入った瞬間に分かりますよね。劇場の方の手作りのものが、たくさん飾ってあったりして…。 原さん似顔絵とかも、すごかったですね。 新海監督僕たちの滞在時間は一瞬なのに、何日もかけて作ってくれたんだと思います。 松村さん地元の中学生の方が描いてくれた絵も飾ってありましたね。(原さんの方を見ながら)写真を撮る手が止まらなかったですね。 原さん写真、止まらなかったです。 新海監督関西だけではなく、僕たちはこれからいろいろな場所に行きます。お二人が一緒の場合もあるし、僕が一人で行く場合もありますが、まずは静岡、名古屋にお邪魔して日本全国に行きます。(中継)カメラの向こうにいらっしゃる方とも、もしかしたら直接お目にかかれるかもしれませんね。楽しみです。 原さん&松村さん楽しみですね。 松村さん反響によっては、行く場所が増えていく可能性も…なくはないですよね? 増えてほしいですね。 原さんそうですね。 MCお客さんの盛り上がり次第かもしれませんね。こうしてプロモーションをやっていると、オーディションが懐かしく思われますね。 新海監督そうですね。メディアなどで「原菜乃華、松村北斗、アニメーション声優初挑戦」と書かれることがあるんです。それはもちろん嬉しいんですが、「そうじゃないんだよな」と思うこともあります。僕は二人の初挑戦がほしかったわけでも、初めての人がほしかったわけでもありません。僕は二人がほしかったんですよね。菜乃華さんと北斗くんに、鈴芽と草太をやっていただけることが、この作品にとって、とても重要でした。本当にガチでオーディションで選んだので、いろいろな人と戦っていただいて、選ばせていただいたんです。技術がうまいとか、芝居ができるとか、そういうことも大事なことではあるんですが、やはりうまいだけでは面白い作品にならないんですよね。そうではなくて、鈴芽と草太のように不安を抱え、「自分で良いのだろうか」と悩みながら、なんとか作品を完成まで導いて、(作品を)作り終わった後も一緒に届けてくれる人がほしかった。そういう人たちがこの二人なんだということを、オーディションを通じて感じました。そして、アフレコを二カ月くらいやってきましたね。原さん私は合格発表がサプライズ発表だったんですが、とにかく頭の中が真っ白になってしまいました。もちろんすごく嬉しい気持ちもあったんですが、それ以上にやっぱり不安や重圧みたいなものが一気に押し寄せてきて…。立っていられないと思って、その気持ちは一旦扉に閉じ込めて、アフレコに向けて練習をして、台本を開いていた日々でしたね。 新海監督北斗くんも不安そうだったよね。 松村さんはい。もう隠すことなく、不安を出しましたね。あの一番不安だった瞬間に「もしこれを聞いたらすごく安心しただろうな」と思うのは、最近新海さんが話してくれた言葉です。オーディションで僕らを見つけたのは、「子どもを見つけるよう」という言葉が、すごく温かくて、いまさらながら安心しました。 新海監督もっと早く言えば良かったね(笑)。脚本、セリフも全部僕が書いたものなので、子どものようなものなんです。(オーディションで)1000人の候補がいたとしても、(芝居を)聞いてすぐに分かるんですよね。自分の子どもであれば見分けられるように、見分けることができる。これが他人の作品だったら、きっと僕はそういう目は全然ないと思います(苦笑)。でも、自分のものだと「この人たちは、僕たちの作品にとって大事な人だ」というのが最初にすぐに分かりました。アフレコのお話になったところですし、今日はせっかくこの場に皆さんがいらっしゃるので、久しぶりにアフレコをやりませんか? 松村さん覚悟はしていました(苦笑)。 原さんはい(苦笑)。 新海監督おとといぐらいに、急遽、台本を書いたので…。 松村さん届きました、突然。おとといの夜、突然データが送られてきて…。「台本!?」と驚きました。「もう公開しているのに!」って。 新海監督じゃあ、やりましょう! ■マイクスタンドや台本が運び込まれ、生アフレコの場が用意される。 松村さんちょっと落ち着かないので、実際にアフレコをやっていた時の立ち位置に変えても良いですか? 新海監督そうしましょう。ここがアフレコスタジオだとすると、こういう並びですね。 ■ステージをアフレコスタジオに見立てて、ステージから見て一番右手に新海監督、真ん中に松村さん、左に原さんが並びました。 MC会場の皆さんは「何が起きているんだ」「まさかやってくれるのか」という気持ちだと思います。これはなかなか見られない、貴重なものになると思います。 新海監督これは、どうしてこの立ち位置なんですか? 松村さんそういえば、理由はなかったですね。同じ日にクランクインして、二本のマイクが並んでいて、 お互いに直感でこう並んだ感じでしたね。僕、驚いたことがあるんですが、アフレコが進んでいく途中で新たなポスタービジュアルが出たじゃないですか。そのポスターの鈴芽と草太は、この(アフレコ現場と同じ)並びだったんです。新海監督確かにそうですね。もしかしたら、僕の中にそのイメージがあったのかな。 原さんこの並びはしっくりきます。 新海監督アフレコスタジオだと二人の目の前に大きなスクリーンがあって、絵に合わせて二人がお芝居をするんです。ここには(監督とキャスト二人の間には)分厚いガラスがあって…。僕はスタッフと一緒に、コンソール(コンピュータの制御卓)越しに二人に指示を出しているんです。ですので、芝居をしている時の二人のお顔というのは、僕からは見えないんです。今日は皆さん、お得だと思います。僕も一緒にそっちで(生アフレコを)見たいくらいです(笑)。 松村さんアフレコ中、誰にも顔を見られたことないですもんね。 原さん恥ずかしいですね。松村さん(アフレコ現場では)一つ終わると、僕が一歩引いて二人で新海監督の方を見ていました。 新海監督不安そうな目でこっちを見ていましたね(笑)。 MC今から披露されるシーンは、どのような場面になりますか? 新海監督これから初めて映画を観る方もいるので、ネタバレにならないように、詳しい解説はしません。ただ草太という青年は“閉じ師”という役割を持った青年で、扉を閉じなければいけないわけです。扉からあるものが出てくるので、草太が扉をグーっと力を入れて閉めようとしているところからスタートします。それを助けるために鈴芽が遠くから駆け込んでくるという流れになります。ちょっと短いシークエンス(シーン)ですが、じゃあ行きましょうか。準備は大丈夫ですか? 原さん&松村さんはい! 新海監督3、2、1、キュー! ■生アフレコがスタート! 松村さんううっ…くっ…。 原さん草太さん! 松村さん君は死ぬのが怖くないのか! 原さん怖くない! 松村さんかけまくもかしこきヒミズの神よ。遠つ御祖のうぶすなよ。久しく拝領つかまつったこの山河、かしこみかしこみ、つつしんで…今だ! 原さんお返しします! ■熱のこもった演技に会場から大きな拍手が上がる。 新海監督ありがとう! とっても素敵でした。これをひたすら二カ月間やってきましたよね。 松村さんいやあ…これだけの方に見られていると、全然上手にできませんでした…。 原さんそうですね。どんな感じだったか分からなくなりますね(苦笑)。 新海監督いやいやいや、とても素敵でしたよ。こういう風にやりながら、たとえば「怖くない!」という言葉は、「菜乃華さん、裏声になっても良いから、もう一つトーンを上げてみましょうか」というオーダーを出しましたね。あるいは「かけまくも」の最初の「か」は「もっと苦しそうに行きましょうか」とか、何度も何度も話し合いながら繰り返していきましたね。 松村さんこの中に、オーディションにあったセリフもありますね。苦しかったこともいっぱい思い出します。それでもやってこられたのは、新海さんがものすごく的確かつ、温かく人間を包み込むようなディレクションをしてくれたからです。それが全てですね。 新海監督いえいえいえ。「もう少しこういう風に言ってみて」とか、「もう少し暗く」「明るく」など、二人のいろいろな扉を開け閉めして「これかな?違うかな?」みたいな感じで、たくさん扉を開けさせていただきました。だから、疲れたんじゃないかと思います。 松村さん必ず褒めてくれるんですよね。 原さん細かくシーンを割って録っていくんですが、そのブロックが終わるごとに、(新海監督が)「すごくすてきなお芝居でした。ありがとう」と言ってくれるんです。お芝居をして、一日に何回も「ありがとう」と言ってくださるので、「こちらこそありがとうございます」という気持ちでした。 新海監督こちらこそありがとうございました。 MC公開後にアフレコをやるとは全く思っていなかったと思います。 松村さん本当ですよ。もう上映してるのに…(苦笑)。 原さんうまくできるか不安でした。 松村さんでも、これで少しでも皆さんがこの後の上映を楽しみにしていただけたら嬉しいです。 MCアフレコの立ち位置が決まっているというのも、面白いですね。 松村さんそうですね。一度も変えませんでしたね。 新海監督そうですね。一度違う立ち位置でやろうとしたら、すごくやりにくそうでした。「変えて良いですか」と言われました。 松村さんやりましたね。 新海監督「そうか、そういえば決まっていたな」と、その時に初めて自覚しました。 松村さんたしか、その時は違うスタジオでやったんでしたっけ。流れで(いつもとは違う立ち位置のまま)スタジオに入って、違和感を覚えました。「もしかして逆ですかね」という話をしましたね。 新海監督あと、このメッセージボードにもドライブシーンのことや、「顔の良い男二人」というコメントなど、芹澤のことが結構書いてあるんですよね。みんな芹澤のことが好きなんだなと思って、嬉しいです。芹澤を演じている神木隆之介くんと北斗くんは、お友だちだったりするんですよね。原さんは、(神木さんと)一緒にお芝居をしたのは初めてでしたね。いかがでしたか? 原さん本当に優しかったです。すごく緊張したんですが、まず最初に「『君の名は。』が大好きです」とお伝えしました。お芝居のアドバイスをいただいたり、たくさん勉強をさせていただきました。好きなアニメーションの話など、オススメを教えていただいたりもしました。 新海監督北斗くんは、実は今回、一度も一緒に芝居はしていないんだよね。 松村さんそうなんですよね。実はつい三日くらい前に、偶然同じスタジオにいて、お会いしました。忙しくて、まだ本編を観に行けていないらしいんですが、自分が演じた芹澤を不安そうに「大丈夫だったかな」「あれで良かったのかな」と心配されていました。 新海監督神木くんらしい(笑)。数日前に神木くんが会いに来てくれました。僕も実は、本作が公開されてから、ずっと不安で怖くて怖くて、あまり眠れない日々が続いているんですが、一人で居酒屋のカウンターで飲んでいたら、(神木さんから)「監督は今、何をしているんですか?」というLINEのやり取りがありました。「一人なんですか? 今から行きますよ」って…。カウンターで横に座りながら、「すずめ」の話をしました(笑)。これから観る方には、芹澤というキャラクターも楽しみにしていただければと思います。神木くんとちょっと重なるところがあって、押し付けがましくなく、それでいて包み込むようなものを持っている面白いキャラクターです。 MCそれでは、最後のメッセージをお願いします。 新海監督これから二時間の映画を観る前に、長い時間お付き合いいただき本当にありがとうございました。映画を楽しんでいただければ良いなと思います。この映画は、RADWIMPSの野田洋次郎さんからもらった曲(カナタハルカ)の歌詞にある「僕にはないものでできてる 君がこの僕を形作ってる」、そういう映画のような気がしています。ここにいる二人の素晴らしいキャストもそうですが、素晴らしいアニメーターたち、ビジュアルを作ってくれた人、音楽を作ってくれた人たち…。そういった僕じゃない人たちの力で、出来上がった作品です。僕じゃないものの中には、本作を観てくださる皆さんも含まれていると僕は勝手に思っています。ずっと映画を作ってきて、「次はこういうものを観たい」という言葉が皆さんから聞こえてきたような気がして、「すずめの戸締まり」を作ったような気がしています。気に入っていただけたら、「この作品は私も作るのにちょっと手を貸したんだよ」みたいな気持ちでまた応援していただければ、とても嬉しいです。 松村さんまずはこの後の上映をぜひ、楽しんでください。改めて映画「すずめの戸締まり」が、このスクリーンから皆さんの元へと旅立ちます。「行こう、鈴芽さん!」 原さん「行ってきます!」(会場:拍手)
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映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城2026年公開 ©藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2026