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『ドールハウス』初日舞台挨拶

2025.06.13
  • 初日舞台挨拶

初日舞台挨拶

矢口史靖監督が原案・脚本・監督を務めた「ドールハウス」は、ある家族が人形に翻弄されていくスリルと、人形に隠された秘密が解き明かされる謎解きミステリーの、息もつかせぬストーリー展開の“ドールミステリー”です。世界三大ファンタスティック映画祭の一つ、第45回ポルト国際映画祭で最高賞のグランプリ「Best Film Award」を受賞し、海外の20の国と地域での公開も決定しています。
6月13日、本作が全国327館で公開され、初日舞台挨拶をTOHOシネマズ 日比谷にて実施し、長澤まさみさん、瀬戸康史さん、池村碧彩ちゃん、風吹ジュンさん、矢口史靖監督が登壇しました。映画の世界観に浸っていただくべく“ゾクゾクする仕掛け”が演出された、こちらのイベントの様子を詳しくレポートします。

鈴木佳恵役

長澤まさみさん

鈴木佳恵役

鈴木忠彦役

瀬戸康史さん

鈴木忠彦役

鈴木真衣役

池村碧彩さん

鈴木真衣役

鈴木敏子役

風吹ジュンさん

鈴木敏子役

矢口史靖監督

■瀬戸さん、池村さん、風吹さん、矢口監督が舞台に登壇。

MC

あれ? 長澤さんは…。

■不穏なBGMが会場に流れると、長澤さんがアヤちゃん人形をベビーカーに乗せて、客席を通り登壇しました。

長澤さん

本日は、初日ということで数ある映画の中から「ドールハウス」を選んでくださりありがとうございます。楽しんでいただけましたか?(会場:拍手) 皆さんが、今感じているワクワクとゾクゾクが日本中に広まるといいなと思っております。

瀬戸さん

僕は、ただのゾクゾク映画ではないこの映画が本当に大好きです。本作の終わり方が、もしかしたら希望と感じる方もいると思います。皆さんはどう感じたのでしょうか? 感想・コメントを読むのがすごく楽しみな作品です。ご家族や大切な方に、ぜひ広めていただければと思います。

風吹さん

瀬戸さんのお母さん役ということで、とても光栄でした。この作品は、とても面白いですよね。皆さんと一緒に、この後おしゃべりできることを楽しみにしております。

池村さん

初日を迎えて、今日から皆さんに観てもらえることを、とても楽しみにしていました。(会場から「かわいい!」の声)

矢口監督

(アヤちゃんを抱えながら)やっと初日が来て、非常にうれしいです。今日を迎えるまでに、ポルト国際映画祭、香港国際映画祭、イタリアのウディネ・ファーイースト映画祭と、海外のお客さんの反応見てきました。実は、先ほど客席の後ろで皆さんの反応を見ていました。今日のお客さんの反応もうれしいですし、これからたくさんの方に観に来てほしいので、今日観て楽しかったという方は、身近な人に、「映画『ドールハウス』で厄払いをしたほうがいいよ」と、おすすめしてください!

MC

アヤちゃんはここでお直しに入ります。今日のアヤちゃんはいかがですか?

■スタッフに抱えられて、アヤちゃんが降壇。

長澤さん

今日は、髪のツヤがいいですね。

瀬戸さん

いつもより笑顔が多いと思います。

池村さん

いつもより笑顔がニコッとしています!

MC

ここからは、皆さんにお話をうかがって行こうと思います。では、早速お話を…。

■物が倒れるような、バタバタという謎のノイズが場内に響き渡る!

MC

どうかされましたか?!

瀬戸さん

音声トラブルでしょうか?

長澤さん

(笑)。風吹さんが私のことをすごく見てくる…。

MC

すみません。私、お伝えするのを忘れておりました。
本作は、アヤちゃんが家に来てから不思議なことが立て続けに起き続ける作品です。本日のこの舞台挨拶は、本作さながらに変なことが、これからいくつも起こる“ゾクゾクの舞台挨拶”となっております。(会場:拍手) いったい何がどこで起きるのか、分からない仕組みになっています。

長澤さん

今、びっくりしました。

瀬戸さん

アヤちゃんが、舞台を去ったけれど、不思議なことが起きるのですか?

MC

おそらくアヤちゃんがうれしくて走り回っているのでないかと……。

瀬戸さん

なるほど! そういうことなんですね。

長澤さん

楽しい舞台挨拶になりそうですね(笑)。

風吹さん

期待しています。皆さんも一緒に楽しみましょう!

■スタッフに抱えられて、アヤちゃんがお直しから戻り、再び登壇しました。

MC

アヤちゃん、気持ちは分かるけれど、あんまり暴れちゃだめだよ。

長澤さん

お帰りなさい。

■矢口監督がアヤちゃんを椅子に座らせ、座り方や衣装を直してあげていました。

MC

さて、お話をうかがっていきたいと思います。まずは長澤さん、いわゆる怖い映画は本作が初出演になります。初めて怖い映画の現場を振り返っていかがだったでしょうか?

長澤さん

こういうゾクゾクする作品は初めてだったので、どんな風に撮影が進んでいくのかとか、現場も怖いんじゃないかと思っていました。でも、そこは意外と至って普通に淡々と、という感じでした。
普段と違った事はあったかなぁ……。やっぱりアヤちゃんを相手にお芝居をすることが多かったんですが、アヤちゃんが喋っているような気持ち担ってくるんです。それは、今までとは違う感覚ではありました。アヤちゃんは表情が豊かで、気持ちが伝わってきました。(池村さんに)そんな感じがあったよね?

池村さん

(何度もうなづいて)分かります。

瀬戸さん

僕の場合は、(長澤さんと池村さんの)お二方とはちょっと距離感が…。

■バリバリという音と共に劇場の電気が消える!

池村さん

待って、怖い…。

MC

もう大丈夫だそうです!

■会場の明かりが元に戻る。

瀬戸さん

ちょっと…、僕「何か言っていけないこと」を言いましたか?

長澤さん

ああ、「ピー」みたいな?

瀬戸さん

ああ、今のって「ピー」っていうことなの?

MC

アヤちゃんから「それはダメ」とNGが出たようです。

瀬戸さん

(アヤちゃんに向かって)ごめんアヤちゃん。距離感は一緒でした!

長澤さん

(アヤちゃんは)寂しくなっちゃったのね。

MC

改めまして、瀬戸さんは先ほど「この映画が大好き」とおっしゃいましたが、いわゆる怖い映画がお好きなんですか?

瀬戸さん

そうですね。何か肌にまとわりつくようなゾクゾクとする映画が大好きなんですが、そういう部分がこの作品にはありました。それから、どちらかというと忠彦は、いろいろなことがあったけれども、前に進んでいかなければならない役どころなので、ゾクゾクとは真逆の方に僕は属していました。その立場から見ていても、この作品はすごくバランスが良かったと思います。

MC

長澤さん、日常と非日常の境目はどうでしたか?

長澤さん

それは、この物語の不思議なところで、佳恵がアヤちゃんに翻弄されていくストーリーに共通する部分があると思います。自分で選択し、自分で選んでいるはずなのに、それが本当に正しいことなのか、分からなくなっていくような、ずっと無限ループの中にいるような感覚でした。だから、撮影をしていて、「何が本当のことなのだろう?」と思いながら撮影していることもありました。

瀬戸さん

ショッピングモールでベビーカーを押しているところは、忠彦としては、ちょっとまだ怖かったというか……。

長澤さん

確かに怖いシーンでしたよね。

瀬戸さん

どんどん取り込まれていって、そっちが日常になっていくグラデーションが素晴らしかったと思います。

MC

池村さんは、長澤ママと瀬戸パパとの共演はいかがでしたか?

池村さん

最初に会った時に、まさみさんは(めちゃくちゃテンション上げて)「とってもキレイ!!!」って思って、瀬戸さんは(めちゃくちゃテンション上げて)「とってもカッコいい!!!」と思いました。お二人の子ども役ができるのが(めちゃくちゃテンション上げて)「うれしすぎる!!!」

瀬戸さん

ありがとう!

MC

お二人とのお芝居は緊張しましたか?

池村さん

まったく緊張しませんでした。逆にとても楽しかったです!

MC

撮影現場ではどんなお話をされましたか?

池村さん

まさみさんとは、クイズを出し合いました。例えば、「矢口監督のTシャツの色は何色だったでしょうか?」です。

瀬戸さん

それってクイズなの?

池村さん

はい。答え合わせは、実際に監督のTシャツの色を見て「あぁ灰色だったんだ」と思いました。

MC

瀬戸パパとは?

池村さん

瀬戸パパとは……。

瀬戸さん

何か距離があるな~。「康史さん」と呼んでもらっても良いんだけど?

池村さん

瀬戸康史さん!

瀬戸さん

何でフルネーム?

池村さん

康史さん!

瀬戸さん

(笑顔で)ありがとう!

池村さん

康史さんとは、一緒に「かわいいのルール」という本を読みました。その時に、「どのファッションが好き」とか「どのヘアスタイルが好き」とかお話しして、「かわいい」をマスターしました。

MC

風吹さん、クランクインの時は「怖い映画は苦手」だとおっしゃっていましたが?

風吹さん

はい、怖いのは苦手なので、「どうなっちゃうのだろう?」っていう感じでした。でも、長澤まさみさんは若い頃から存じ上げていて、大好きだからまさみさんが演じるのであれば「やりたいわ!」「会いたいわ!」という気持ちで入りました。
矢口監督の作品もその時に勉強して、「面白い監督、ぜひ!」って思いました。そしたら現場には監督が描いた絵コンテがあって、それがとても可愛いらしくて、「この映画はこうなるの?」って思って、どれぐらいの温度でやれば良いのかがちょっと分からなくなりました。
まさみちゃんは役に集中されていたので、声をかけられませんでした。いつも宙を見て、何か考えているような様子でした。

長澤さん

もしかしてアヤちゃんの仕業かも?…そんなこともないですけれど(笑)。

■「うふふふ」という女の子の笑い声が場内に流れる!

瀬戸さん

今のは碧彩ちゃん?

池村さん

え? いえいえ。あれ?

MC

長澤さんがアヤちゃんのことを話たからかもしれないですね。…気にせず、進めますね。
実際には、楽しいこともありましたか?

風吹さん

はい、楽しかったです。怖い場所にも連れて行かれて、本当に怖かったです。それから、アヤちゃんを投げなければならないところがあって、それが一番怖かったです。

MC

矢口監督は、アヤちゃんと誰よりも長く過ごしてきたと思います。監督にとって、アヤちゃんはどのような存在ですか?

矢口監督

アヤちゃんは、もうバディですね。撮影中は怖かったんですが、海外の映画祭でも必ずアヤちゃんを連れていたので、すっかり仲良くなりました。

MC

愛着もわきましたか?

■スクリーンに急にアヤちゃんの顔が映し出されると、会場がざわざわと…。

矢口監督

愛着は……わかないなぁ。「家に来てほしいか?」と問われると、来ないでほしいです。

長澤さん

そうなんですか? 以前、「家に連れて帰りたい」とおっしゃっていませんでしたか?

池村さん

さっきアヤちゃんがうしろ(のスクリーン)にいた…。

瀬戸さん

え?

■登壇者の皆さんでスクリーンを確認するが、アヤちゃんは映っていない。

矢口監督

もうやめようよ!(会場:笑)

MC

いえいえ、何も起きていなかったはずですから!(会場:笑)
本作は、ゾクゾクとするドールミステリーです。ゾクゾクする仕掛けがいくつも仕掛けられていて、アトラクションを楽しむような110分です。
それにちなみまして、キャストの皆さんが「最近ゾクッとしたこと」はありますか?

長澤さん

最後の砂嵐のシーンの撮影の日が、すごく風の強い一日だったんです。私たちも砂に吹かれて、体力がいる撮影でした。それで、家に帰ってきた時にちょっと耳のあたりがゾクゾク?

瀬戸さん

無理矢理ゾクゾクにしています?

長澤さん

…あ、ザラザラでした(笑)。ということがありました。

■再びスクリーンにアヤちゃんの顔が映し出されると、会場がざわざわと…。

池村さん

きゃっ! アヤちゃんいる!!!!

MC

またぁ〜! 居ないよ。大丈夫だよ。…じゃあ、瀬戸さんの「最近ゾクッとしたこと」は何ですか?

瀬戸さん

僕は、アヤちゃんと「デニスの怖いYouTube」という芸人のデニスさんがやっているチェンネルで、心霊ロケに行きました。それで、とんでもないことが起きました。これはYouTubeで観ていただきたいです。本当にゾクどころではなかったです。
(会場に向かって)観た方はいらっしゃいますか?(客席から手が挙がる)ありがとうございます!

長澤さん

怖かったですか?

瀬戸さん

本当にすごかったです。

MC

風吹さんはいかがでしょうか?

風吹さん

私は、登山をするんですが、歩いていると何かちょっと声が聞こえたりするんですよ。そこに行ったら危ないじゃないっていうところから、「チッ」みたいな声が聞こえてくるんです。「何の声?誰の声?」って思っても、ほかに登山者はいないんです。

MC

それはガチで、ヤバいんじゃないですかね。

風吹さん

突然、人の声がするんです。冷静に考えれば、遠くの声がやまびこのように聞こえたのかもしれないですが、あの「チッ」は何だったの? と、思います。でも、登山は楽しいです。

MC

無理矢理まとめましたねぇ。池村さんは?

池村さん

アヤちゃんと一緒に撮影をした夜に夢を見ました。夢の中のアヤちゃんは、今のような美人なアヤちゃんではなくて、土の中から這い上がってくる時のアヤちゃんで、怖くて目が覚めました。でも、「夢ならば大丈夫か」ってなって、もう一回寝ました。(会場:笑)

瀬戸さん

(大笑い)。

矢口監督

僕は今日の長澤さんの衣装にゾクゾクしました。

長澤さん

それは、どういう意味ですか?

矢口監督

これはダメですか。じゃあ、本作のジャパンプレミアの時に、風吹さんからふいに「矢口くん」と呼ばれてゾクゾクしました。

瀬戸さん

監督は、変な癖を持ってるんですか?

風吹さん

「矢口監督」って言おうと思ったんですが、よくある言い間違いです。失礼しました。

矢口監督

この年齢になると誰からも「くん」付けで呼ばれることがないので、とってもうれしかったです。

風吹さん

それでは今度から「矢口くん」と呼びますね!

MC

先ほどから気になっているのですけど、客席の真ん中辺りに……。

■観客の三名がアヤちゃんのような髪型と服装に…。

瀬戸さん

三人並んで座っている!

池村さん

(探している長澤さんに)あ、あそこに…。

矢口監督

びっくりした!

瀬戸さん

(会場の)皆さんにも見えていますよね? …どうにかして笑わせたいですよね。

MC

すみません! スタッフから「アヤちゃんの顔色が悪い」とのことで、一旦ステージをおります。

■アヤちゃんがスタッフに抱えられて降壇しました。

MC

さて、ここでお知らせです。これまでポルト国際映画祭、香港国際映画祭、ウディネ・ファーイースト映画祭と国際映画祭に出品されてきましたが、このたび、上海国際映画祭にも招待され、特別上映が決定しました!(会場:拍手)

長澤さん

うれしいです。やはり映画はそういう機会がないと色々な方の目に届かないですし、映画祭で上映されるのはとってもうれしいことだと思います。どのように受け止めてもらえるのか。そして映画館でしか体感できないゾクゾクのドールミステリーを楽しんでもらえたら良いなと思います。

■子どもの走る音が聞こえる…。

MC

もうこれぐらいでは驚きません!

長澤さん

監督が一番びっくりしている!

矢口監督

もう、こういうのはやめましょうよ!

MC

上海は行かれますか?

矢口監督

上海ですね……。

■アヤちゃんに扮した女性が、客席を駆け抜ける!

MC

あれは、アヤちゃんですか?

瀬戸さん

すごいなあ…。何回あるんですか…。

MC

監督、お話しの途中ですみませんでした。

矢口監督

日本のお客さんはどちらかというとマナー広告を見慣れているので、ちゃんと見てくれるんです。でも、海外に行くとお客さんの反応が激しいんです。叫んだり、笑ったり、いろいろな反応が見えるので、上海の映画館でもそういう盛り上がりがみられたら良いなと思っています。

瀬戸さん

今のアヤちゃんみたい走り回る人はいないですよね?

矢口監督

それは行ってみないと分からないですね。

■アヤちゃんに扮した女性が、再び客席通路を駆け抜ける!

池村さん

(走るアヤちゃんに)あ、ヤッホー!(会場:笑)

MC

碧彩ちゃん、「ヤッホー!」は違うと思います。

池村さん

こっちに気づいてくれるかなぁと思って……。

■スタッフに抱えられて、アヤちゃんが再登壇。

MC

本日のゾクゾクの舞台挨拶、いろいろなことが起きましたが、全部気がつきましたか? 

池村さん

気づいたと思います!

長澤さん

はい!

瀬戸さん

おそらく!

MC

実は、もう一つ残っています。マスコミ席のあちらをご覧ください。本作にオカルトレンジャー役、清掃員役として出演されている、ESPOIR TRIBE(エスポワール トライブ) の皆さんです! (会場:拍手)

■ESPOIR TRIBE(けーすけさん、ヒロトさん、島袋さん)が登壇しました。

MC

YouTube用に動画撮影をされているのですね!

けーすけさん

僕たちは、いつもこんな感じで、YouTubeでお仕事をさせてもらっています。今回は初めてのお芝居ということで、僕たちなりに全力でがんばりました。ぜひ観ていただけるとうれしいです。ありがとうございました。(会場:拍手)

MC

最後に代表して、長澤さんからご挨拶をいただきます。

長澤さん

「ドールハウス」は、たくさんの方にドキドキ、ワクワク、ゾクゾクしながら観ていただきたいです。今は、映画館での上映期間があっという間に終わってしまうので、ぜひ良い作品、楽しい作品を皆さんと共有できたら良いなと思っています。「ドールハウス」をよろしくお願いします。そして本日は皆さん、ありがとうございました。