凪良ゆうさんによる大ヒット小説を実写映画化した「汝、星のごとく」の初日舞台挨拶が10月9日にTOHOシネマズ 日比谷で行われました。舞台挨拶には、愛を育みながらも運命に翻弄された櫂と暁海の15年間を演じた、ダブル主演の横浜流星さん、広瀬すずさんをはじめ、松村北斗さん、中村アンさん、木村佳乃さん、石田ゆり子さん、藤井道人監督が出席しました。
上映後のお客さんの前で、いよいよ公開初日を迎えた感慨を明かすと共に、撮影秘話や本作への思いを語り合ったこの日の模様を、詳しくレポートします!
横浜流星さん
青埜櫂役
広瀬すずさん
井上暁海役
松村北斗さん
久住尚人役
中村アンさん
二階堂絵理役
木村佳乃さん
井上志穂役
石田ゆり子さん
林瞳子役
藤井道人監督
■上映後の会場にRADWIMPSによる主題歌「夕星-ゆうづつ-」が流れる中、キャスト、監督の皆さんがステージに登壇しました。
横浜さん
本日はお越しいただきまして、誠にありがとうございます。青埜櫂の人生を生きました、横浜流星と申します。
この日を迎えることができて幸せに思います。短い時間ですが、よろしくお願いいたします。
広瀬さん
本日は初日にこんなたくさんの方に足を運んでいただき、とてもうれしく思います。本当にありがとうございます。短い時間ですが、よろしくお願いいたします。
松村さん
今日を楽しみにしていました。一緒に楽しみましょう。よろしくお願いします。
中村さん
皆さんにお会いすることができて、とてもうれしいです。本日はよろしくお願いいたします。
木村さん
今日はありがとうございます! よろしくお願いいたします。
石田さん
本日はありがとうございます。限られた時間ですけれど、よろしくお願いいたします。
藤井監督
3年前に、流星から凪良先生の「汝、星のごとく」という本をもらいました。その作品を、こうして皆さんにお観せできる日が来て、本当に幸せな気持ちです。短い時間ですが、よろしくお願いします。
MC
本日、いよいよ公開初日を迎えました。皆さん、おめでとうございます。
登壇者の皆さん
ありがとうございます。(会場:拍手)
MC
横浜さん、広瀬さんの元には、すでに映画を観た方から、印象的な反響や感想は届いていますか?
横浜さん
この作品は、ご覧になった方々には必ず「届くもの」があると信じていましたが、本当にご覧になった方々の、心の深いところにまで届いていて…。恋愛が軸の物語ですが、人生の話であり、現代社会の構造的な問題も、この作品には込められています。観る方によって、受け取るものが全然違うので、感想を聞くのが非常に興味深かったです。
広瀬さん
私も、すでに何人かから連絡をいただきました。初日に足を運んでくれた友だちがいます。性別も年齢もバラバラなんですが、「それぞれに届き方が違うけれど、楽しんでもらえたんだな」と、すでに実感できています。それはすごくありがたいことだなと思っています。
MC
第31回釜山国際映画祭の【アジアの窓部門】に正式出品され、横浜さんと藤井監督は現地を訪問されました。
現地での反応はいかがでしたか?
横浜さん
韓国で先に上映をして、舞台挨拶も行いました。国境を越えても「この作品が届いた」と感じることができたので、すごく込み上げるものがありました。
来週は、すずちゃんと監督が、韓国・台湾で舞台挨拶をします。今を生きる全ての方々に届けるべく、しっかりとアジア、そして世界へと広げていきたいと思っています。
藤井監督
たくさんステキな感想をいただきました。僕と流星は8年前くらいにドイツに一緒に行って(2018年5月にドイツ・フランクフルトで開催された世界最大の日本映画祭「ニッポン・コネクション」)、それ以来の映画祭だったので、すごく高揚するものがありました。舞台裏でずっと流星くんが韓国語を勉強していて、「大人になったな」と思いながら見ていました。(横浜さん:照笑) カッコ良く舞台に立っていました。
MC
横浜さんは、釜山国際映画祭は初参加となりました。
横浜さん
釜山国際映画祭も初めてですし、韓国に行くのも初めてでした。
登壇者の皆さん
へー。
横浜さん
そうなんですよ。だから「どんな感じなんだろう」と思っていたんですが、温かく迎え入れてくださって感謝しています。
自分が初めて海外の映画祭に行ったのは、藤井監督と一緒に撮った「青の帰り道」(2018年公開/主演・真野恵里菜)という作品で、その時に初めて、映画人として仲間入りできた感覚がありました。時を経て、大切な作品である「汝、星のごとく」で釜山国際映画祭に藤井監督と共に行けたことは、自分でも本当に感慨深くて幸せな時間でした。
MC
広瀬さんは、撮影の日々を振り返ると今どのような気持ちが込み上げていますか?
広瀬さん
撮影の時から感じてはいましたが、プロモーション期間に一緒に取材を受けている中で、監督や流星くんから言葉を聞く機会が増えました。その言葉を聞いていると、現場で見ていた姿と繋がっているのを感じて…。最近も、監督と流星くんの情熱や映画愛をビシビシと感じる時間を過ごしています。
自分も、すごく濃い撮影期間を経て、たくさんの方にこうして映画を観ていただけることがこれ以上ない幸せなことだと思います。
MC
松村さんは、「藤井組にいつか参加したい」と思われていたそうですが、念願の藤井組はいかがでしたか?
松村さん
そういう気持ちがあった分、勝手にビビっていたんです。「怖かったらどうしよう」と思ったり、「怖くても仕方ないかな」と思ったりしていたんです。でも、藤井さんはどちらかというと「優しい」の部類に入る方です。でも、その「優しい」は「次はちょっと手を抜かれたりしないかな」と思ったりして…。(登壇者の皆さん&会場:笑)
(藤井監督に顔を向け)今から、うれしかった意味なんですが、ちょっと際どいワードを言います。
「しつこい方」でもあります。(登壇者の皆さん&会場:笑)
横浜さん
(笑)。確かに。(大きく頷く)
松村さん
こちらも、やってみるしかない時もいっぱいあるし、言語化できなくて「うー」っとなる時もあるんですが、そういう時もしつこく付き合ってくれるんです。僕は、撮影期間としては短かったんですが、たくさん現場にいた感覚があります。思ったよりいっぱい話をしたりできたので、藤井さんがどんな方なのかを知れる時間がありました。
この二人(横浜さん演じる櫂と広瀬さん演じる暁海)の物語だから二人のシーンばかりなのに、「僕にもこんなにもエネルギーを使ってくれるんだ」という感動と安心感があったので、すごく楽しみに初号を観ることができました。
MC
優しいけれど、緩くはないということでしょうか?
横浜さん
(大きく頷き)妥協がないですからね。
MC
松村さんが演じる尚人は、櫂にとって仕事の相棒であると同時に、何でも話せる大切な親友となります。横浜さんとの共演シーンには、どのような思いで臨まれましたか?
松村さん
振り返ってみると、総じてすごく楽しかったです。言ってしまえば、ここの二人(櫂と尚人)も、命をかけたパートナーなので、台本を読んでいる時も十分に辛かった。実際に現場に行くと、そのシーンごとに姿が違うんです。減量をしていたり、その時の思い詰め方でちょっと表情が違ったりするんです。ずっと一人で台本を読んでいたので、それを目の当たりにして、「本当に見ちゃった」「正夢を見てしまった」そんな感覚になりました。
正直、すごく辛かったです。ただ、ストイックと言うとシンプルすぎますが、働き方というか、僕の好みでいうと本当に大好きで、すごく楽しかったです。
横浜さん
今日は(松村さんとは)撮影ぶりに会うんです。(松村さんに顔を向け)会いたかった! 会えて良かった。
原作を読んだ時から、「尚人は北斗くんしかいない」と思っていました。櫂と尚人は、クリエイター同士、熱量を持って同じところを向いています。すごく深いところまで共鳴するような…。それでいて、背中を預け合えるような二人で、人生でもなかなか出会えない特別な存在だと思っています。
自分は、その時まで北斗くんと会ったことがなかったんですが、アイドルというよりも役者として見ていました。尚人と北斗くんが持つ優しさや、繊細さや儚さを内に秘める芯の強さみたいなものが、すごく重なっていると思いました。短い期間ではありましたが、愛すべき相棒として、櫂にとっては、光のように照らしてもらえた時間で、すごく幸せでした。
松村さん
何だろうな…(照笑)。
横浜さん
分かります、分かります。こういうのと言われると、恥ずかしいですよね(照笑)。 (会場:笑)
本当に良い雰囲気を持っている。だから、話しかけてくれるし、話しかけやすかったんです。藤井監督からも「流星がこんなに現場で話をしているのは見たことがない」と言われました。何なんでしょうね。
松村さん
やっぱり、頭の痛い日に鍼(鍼灸院)を紹介したからじゃないですかね。(登壇者の皆さん&会場:笑)
横浜さん
ありましたね!
松村さん
甘えてくれたんです。「北斗くん。僕、すごく頭が痛くて…。良い鍼、知らない?」と聞かれたことがありました。僕が予約までしちゃいました。
横浜さん
そんなことまでしてくれたんです。
MC
劇中では、志穂と暁海の親子関係も、暁海の人生の選択に大きな影響を与えます。木村さんは、志穂の暁海への思いをどのように感じていましたか?
木村さん
私にも娘がいますが、娘の可能性を制限する役というのは、やはり大変辛かったです。「子どもには夢を持って自由に羽ばたいてほしい」というのが私の本音ですが、志穂はそうはできないくらいに心の健康を損ねていて、心の平常心をなくしてしまっている設定だったので…、演じるのが大変に辛かったです。
私は、そこでしっかりと暁海を押さえつけないといけない。暁海が「東京に出て行く」という選択もできるのに、心を鬼にして…辛かったですが演じていました。
MC
瞳子の家の前でのお芝居も目が離せなかったです。撮影シーンで印象的なことはありました?
木村さん
すごく大変でしたよね! (会場に語りかけるように)皆さんはもうご覧になったんですよね。…ちょっと放火しちゃって。(会場:笑)
でも、そこまで志穂は思い詰めちゃったんですよね。あの時は、「何で帰ってきてくれないの」って、主人を睨みつけましたが、やっぱり人の心って難しいですよね。人の心には命令はできないんですよね、感情があるので。辛かったですが、志穂はああするしかなかったんです。非常に辛いシーンでした。
MC
瞳子は、志穂そして暁海とも違う芯を持った女性でもあります。石田さんにとって、瞳子はどのような存在でしたか?
石田さん
瞳子さんは、暁海ちゃんにとって「最も憎むべき」というか「最も複雑な気持ちを持つ相手」なのに、なぜか彼女のメンター(精神的なサポーター)にならなければならないとても複雑な立場でした。
最初に台本を読んだ時に、「どうしようかな」と悩みました。ただ、瞳子にもすごく良いセリフがたくさんあって、その中に「自分の人生を自分で生きることを、なぜ人に許可を求めなければならないんだ」というようなセリフがありました。その精神が瞳子の中に一本通っていれば、大丈夫かなと思って演じました。
自分としては、何となく見た目の女っぽさを消したいと思って、髪の毛をすごく切りました。もうすっかり元通りですが、昨年の6月にバサッと髪を切りました。
MC
石田さんと広瀬さんは、共演シーンも多かったと思います。共演の感想を教えてください。
広瀬さん
リュネビル刺繍(かぎ針を使ってビーズや刺しゅう糸を縫い付ける、フランスの伝統刺繍)の難しさはよく話していましたね。
石田さん
リュネビル刺繍って、本当にすごく難しいんだよね。すずちゃんは、やっぱり若いし器用なのでどんどん上手になっていきました。なのに、私はカメラが回るとなぜか全然できなくて…(苦笑)。すごく大変だったと記憶しています。
広瀬さん
空き時間に、よく一緒にやっていました。でも、何を縫えば良いか分からなくて、最終的に監督の顔を縫いました。(登壇者の皆さん&会場:笑)
藤井監督
大事にワッペンにしています。僕の口が驚くほどひん曲がっているんですが(登壇者の皆さん&会場:笑)、愛情だと思ったのでワッペンにしました。
MC
顔を完成させるのは難しそうですよね。それができるくらいになったんですね。
広瀬さん
何て言うんでしょう…全部、(刺繍のステッチが)棒みたいな(笑)。
藤井監督
線と言うか…。
広瀬さん
顔を完成させて、ビーズで縫ってワッペンにしてもらいました。
MC
中村さんが演じる二階堂絵理と、濱田岳さんが演じる植木渋柿は、映画をご覧になる皆さんにとっても一息つけるようなユーモラスなシーンになっていました。共演シーンで意識していたことを教えてください。
中村さん
そうですね。濱田さんと(絵理)のシーンが、唯一少し心が和らぐと言いますか、そういうパートでした。でも、横浜さんはどんどん痩せ細るために減量をしている最中だったので、「私たち、そんなにふざけているわけにはいかないよね」と言いながらも(笑)、楽しくやらせていただきました。
MC
「ああいう感じの編集者っているな」と思うようなキャラクターでした。
中村さん
ちょっとお話をうかがったら、編集者の皆さんは、本当にすごくクリエイターを口説くんだそうですね。だから、アタックして、アタックして…という感じに演じました。
MC
本作は、15年の歳月の中で時に愛に振り回され、愛に救われていく物語です。横浜さん、広瀬さんが長く愛し続けているものがあれば教えてください。
横浜さん
つまらない答えでも良いですか?
MC
どんな答えでもつまらなくないと思いますよ。
横浜さん
優しいですね。ありがとうございます。
じゃあ自信を持って、「芝居」ですね。
登壇者の皆さん
おおー。
横浜さん
言ってしまえば、それしかないというだけなんですよ。「あさイチ」(NHK総合で放送されている朝の情報番組)という番組で、藤井監督が私宛にVTRでコメントをくださったんですが、もう「私生活がつまらない人間」だと言われるのには慣れました(苦笑)。
だからこそ、芝居に全力を注げるんです。自分ではない人生を生きることによって、考えの幅も広がるし、役や作品を通して皆さんに何かを伝えられる。それに、「正解がない」ということが、ちょっと自分の心を掻き立てるというか、ずっと追い求め続けられる。だから、多分これからもずっと愛していると思います。
広瀬さん
「芝居」という答えの後に、何を言えば良いんだろう(苦笑)。(会場:笑)
自分事なんですが、お仕事を始めたくらいの時に一人でお買い物に行ったら、かわいいデニムがあったんです。店員さんにすごく勧められて、断れなくなってレジに持って行ったら、ものすごく金額が良いデニムだったんです(苦笑)。でも、断れなくて購入しました。それから今年で15年目なんだなということを、先ほど思い出しました。
横浜さん
へー!
広瀬さん
そのデニムは絶対に捨てないと決めています。
結構細身なので、「これが履けなくなったらヤバい」と思って、自分の管理の基準になっています。リメイクされた一点ものなので、すごく大事にしています。それに、いくつになっても履けたら良いなと思っています。
すみません、横浜さんの芝居の話の後にこんなデニムの話なんて(照笑)。
MC
今回は上映終了後の舞台挨拶なので、ぜひ具体的なシーンについてもうかがいたいと思います。
本作を観ると、皆さんそれぞれに心が震えたシーンが出てくると思います。キャストの皆さんが感じた「このシーンが切なかった」というシーンについて教えてください。
木村さん
先ほどすずちゃんと話していたんですが…、(広瀬さんに顔を向けて)ね。
広瀬さん
(木村さんと頷き合って)ね。(息の合った二人の様子に、会場:笑)
木村さん
櫂さんと尚人さんの最後のお食事のシーン。
その後の展開というよりは、やっと二人が会えて、すごく楽しい時間を共有しているシーンが「すごく切なかったね」と話をしていたんだよね。
広瀬さん
完成作を観た時に、一番自分的に食らったシーンがそれです。私もその後がどうというよりも、その瞬間がすごく優しくて楽しそうで、幸せに満ちているものを共有し合っている空気がものすごくステキで、温かいシーンだなと思いました。温度をちゃんとスクリーンから感じるようなシーンで、その温かさがすごく切なかったです。
MC
そのシーンの撮影はいかがでしたか?
横浜さん
(松村さんに顔を向けて)どうでした?
松村さん
先に僕ですか(笑)?
その日は、お互いに見た目や体格が変わってから初めて会うシーンを撮ったんですが、その時の段取りがヤバかったですね。
横浜さん
ヤバかったですね。
松村さん
お互いにすぐ目を逸らしちゃって…。もちろん本番ではお互いを認知し合うんですが、そこからは全部繋がったままラストまで行けました。何て言うんですかね、すごく間違った意味ですが、「ある意味晴れやかな気持ち」があったので、僕はそれが不思議なものだと感じていました。
横浜さん
本当に辛いこともあったけれど、あの一瞬はすごく幸せな瞬間でした。でも、自分が起きたら、尚人は……というシーンなので、朝起きてその瞬間に自分を責めて…。あの日は、すごく感情がぐちゃぐちゃになった日でした。ぜひ観ていただきたいと思います。
中村さん
私は、佳乃さん演じる暁海のお母さんが、最後に「ごめんね」と謝ったところです。彼女は、お母さんのせいというか守るために、彼と東京に行くことを断念したところもあって…。でも、最後にお母さんがちゃんといろいろなことに気づいてくれたことに、すごく泣いてしまいました。好きなシーンです。
石田さん
全てのシーンが流れの中にあるので、どのシーンも切ないんですが、暁海ちゃんと櫂くんがだんだんすれ違っていくシーンも切ないですね。それぞれの価値観が変わって、彼女が高級なものを櫂くんに買ってもらうけれど、それが自分にはそぐわないと思ってしまう気持ちや、櫂くんが良かれと思って高級な部屋を取ってくれるけれど二人の価値観がズレてしまってうまくいかない感じが「ああ、若い時ってこうだよね」みたいな。
そういう、ちょっとお母さんみたいな気持ちになりました。もう全編を通して、切ないです。
松村さん
完全に被っているし、手前味噌のような感じになってしまいますが、先ほど言っていた尚人と櫂のシーンで、僕は、明確に藤井さんから演出を受けていたからこそ、観た時にグッときたことがありました。
僕は台本を読んで、てっきり「幸せなうちに…」という思いなのかなと思っていました。でも、現場で藤井さんから、「突然櫂がやって来て、自分の人生に関わった人たちの今の姿や、晴れやかなことが紹介されます。そして、櫂と幸せな時間を過ごして、まるで人生が回収されていくような感覚になって、ある意味ゆっくりと走馬灯が流れているような時間です。その後のことを回収していくということをそこで覚悟するというか、知っていく感じです」という話をしてもらいました。その時に、すごく尚人のことを理解しました。でも、そこまで台本を上手に読めていなかったことが悔しかったし、申し訳ないという思いがありました。
そうやって、気持ちを理解した上で観ると、尚人自体は良かったかもしれないけれど、やっぱりその後の櫂の姿を映像で観た時に、ちょっと信じられないくらい苦しかったですね。
そういう意味で、あのシーンは好きです。あの時の藤井さんの演出が好き過ぎて、「なるほどな」というか「何て良いシーンなんだろう」と教えてくださったシーンでした。
横浜さん
石田さんがおっしゃった通りなんですよね。やっぱり全ては流れなので、全てだと思います。むしろ、皆さんにとって、どこが切なかったのかを聞きたいくらいです。
でも、すれ違いという部分でいうと、この作品においては花火が二人の15年の心の距離や変化を象徴しているシーンだと思います。これからご覧になる方々は、花火のシーンにも注目して観ていただけたらと思っています。
MC
ちょうど花火のお話が出ましたが、RADWIMPSさんが書き下ろした主題歌「夕星-ゆうづつ-」のMVが10月9日21時に公開となります。このMVの監督は、藤井監督が務められています。映画の舞台となった愛媛県の今治市の「今治市民のまつり おんまく」の花火大会当日の裏側で撮影を行われていたそうです。
藤井監督
今年の「今治市民のまつり おんまく」の花火大会に流星とすずさんがゲストで出ている裏で、離れた島で(RADWIMPSの)野田(洋次郎)さんたちと一緒にMVを撮っていました。花火大会が行われる一時間という限られた時間の中で、このMVを撮ったので、非常にスリリングで運動会のような撮影でした。映画で使った35mmフィルムでこのMVが残せたことは、映画を観た後にきっと刺さってくれるような映像になっていると思いますので、ぜひ観ていただけたらと思います。
MC
横浜さんと広瀬さんは、花火大会の当時、この裏でMVを撮っているということについてはどのように感じていましたか?
横浜さん
藤井監督から「今やっているよ」と連絡をもらっていたので、良いMVになるように願っていました。我々は、今治の皆さんにこの作品の魅力を責任を持って届けないといけないなと思っていました。
広瀬さん
実際に本作の撮影をしていた島でMVを撮っていただいて、それを観た時はすごく感動しました。でも、撮影をしているということは、きっとRADWIMPSさんたちは花火を見れていないんだろうなと心配していました。
藤井監督
基本的には花火を背負っていたので、撮影が終わってから、振り返っていました。
MC
最後に皆さんを代表して横浜さん、広瀬さんから、初日に駆けつけてくださった皆さんにメッセージをいただきたいと思います。
広瀬さん
本日は皆さん本当にありがとうございました。初日にこんなにたくさんの方に観ていただいて、とてもうれしいです。
二人が生き抜いた15年間、そして、いろいろな愛の形が本当に多くの方に届いたら良いなと思っています。ぜひ観た方は、たくさんの方に勧めていただいて、この映画を大きくしていただけたらうれしく思います。本日はありがとうございました。(会場:拍手)
横浜さん
皆さん、改めまして本日はありがとうございました。「汝、星のごとく」という大切な作品は、本日我々の元から離れて皆さんのものになります。皆さんの手で、大きくそして豊かにこの作品を育てていただけたらうれしく思います。先ほども申しましたが、物語の軸は恋愛ではありますが、人生の話・田舎特有の人間関係・親ガチャ・ヤングケアラー・女性が置かれている現状や自立、そしてLGBTQや現代社会の構造的な問題など、この作品にはいろいろなことが深いところまで込められています。なので、観る方々によって受け取るものが違うと思います。
プロモーションの時にも何度も言っているのですが、自分がこの作品に惹かれたところは、今(現代)はたくさんの情報や世間の声に振り回されて、正しさに縛られて、どう生きれば良いのかを考えさせられ、すごく生きづらい世の中だと思っています。でも、この物語の中で生きる人物たちは、そこに流されずに生きています。
この作品が、今を生きている皆さんの心に一筋の光を照らし、「一番星」のような作品になれることを願っております。
映画は公開3日がすごく大切なんです。(横浜さんの素直な言葉に、会場:笑) すみません、本当に大切なんです。どれだけ良い作品を作っても、観てもらわなければ意味がありません。そのためにも皆さんの力をお貸しいただけると、うれしいです。本日はありがとうございました。(会場:拍手)
