「線は、僕を描く」公開記念舞台挨拶 in大阪&福岡

2022.10.24
  • 公開後舞台挨拶

公開記念舞台挨拶 in大阪&福岡

2020年「本屋大賞」3位、2019年TBS「王様のブランチ」BOOK大賞を受賞した青春芸術小説を横浜流星さん主演で実写映画化した「線は、僕を描く」は公開を迎えるとともに、全国で“感動の線”が描かれています。その熱が冷めやらぬ10月24日、大阪と福岡にて公開記念舞台挨拶を実施しました。大阪には霜介役の横浜流星さん、千瑛役の清原果耶さん、そして小泉徳宏監督が登場、福岡には横浜流星さん、小泉徳宏監督に加え、福岡出身の原作者・砥上裕將さんが登場しました。こちらのイベントの様子をレポートします!

【公開記念舞台挨拶 in大阪】

青山霜介役

横浜流星さん

青山霜介役

篠田千瑛役

清原果耶さん

篠田千瑛役

小泉徳宏監督

横浜さん

こうやってコロナ禍が少し落ち着いて、大阪で舞台挨拶ができて本当に嬉しいです。本作を観終わった後に皆さんが拍手をしてくださったのが聞こえて、嬉しい気持ちになりました。

清原さん

まさか大阪で舞台挨拶ができるとは思っていなかったので、皆さんに会えて嬉しく思っています。

小泉監督

久しぶりにこの劇場でご挨拶するのですが、またこの地に帰ってこられたことをありがたく思っています。

MC

本作を観たばかりの皆さんの前での舞台挨拶となりますが、本作を観た人に届いてほしいことや、印象に残っているシーンはありますか?

横浜さん

最初の湖山先生の揮毫会(きごうかい)は印象に残っています。多賀大社で撮影をして、三浦さんの水墨画の筆さばきを目にして、心を掴まれました。実際に完成した本作を観た時には編集の力でさらにスケールアップしていて、印象深いシーンです。

清原さん

私自身も本作を観終わった後、「明日からもうちょっと頑張れるかも」という気持ちになれたので、ポジティブな明るい感情を持って帰っていただけたら嬉しいなと思います。

MC

印象に残っているシーンはありますか?

清原さん

霜介が湖山先生にお弁当をもらうところです。「湖山先生が本当に優しいな」という気持ちと、「霜介はもりもり食べられて良かった」という気持ちで、心がほっこりと温かくなりました。人の優しさが日常の中に描かれているシーンだと思ったので好きです。

小泉監督

本作を観終わった人には、優しい気持ちになって帰ってもらえたら嬉しいです。
印象的なシーンは、途中で江口さん演じる西濱と霜介が地元の食べ物を収穫したりもらいに行ったりするところです。そのシーンの力の抜け具合が個人的には印象深いですね。どちらも滋賀県で撮影したのですが、実は地元の農家さんや漁師さんにご出演いただいたんです。

横浜さん

ニワトリ小屋のシーンでは、おばあちゃんにおにぎりをもらいました。

MC

監督は、本作で四作連続(「ちはやふる 上の句」2016年公開/「ちはやふる 下の句」2016年公開/「ちはやふる 結び」2018年公開)で滋賀県での撮影を敢行されていますが、滋賀についての印象はいかがですか?

小泉監督

「何にも染まっていない少年」のような感じです。特定のイメージで固まっていないので日本のどの地域にでもなれるんです。撮影をする側からしてみると、とても助かります。

MC

本作では、滋賀だけではなく京都など関西がロケ地になっていますが、関西での思い出や行ってみたいところはありますか?

横浜さん

撮影中はご飯を食べに行くくらいしかできなかったのですが、近江牛が美味しかったです。行ってみたいところは、気持ちが高まる場所に行ってみたいですね。

清原さん

この映画館には学生時代もよく来ていたので、またこうやって帰ってこられたのは「嬉しいな」と思っています。

MC

横浜さんは「気持ちが高まる場所」に行ってみたいそうですが、おすすめの場所はありますか?

清原さん

通天閣…(笑)?

小泉監督

撮影場所の近くに琵琶湖があったのですが、自転車好きの間では琵琶湖を一周する文化があるんです。僕も自転車が好きなので、いつか一周してみたいと思いました。

■会場のお客さんから、登壇者の皆さんへの質問のコーナー。

Q

本作を観て、いろんなことに挑戦してみようという気持ちになれました。感動して泣いてしまいました。
質問は、撮影中に印象的なNGシーンはありましたか?

小泉監督

そんなにNG連発というところはなかったですね。水墨画を描くシーンは一発勝負だったので、NGが出せないという緊張感の中で撮影をしましたね。

清原さん

「NGを出しちゃいけない」という緊張感がすごかったですね。

横浜さん

緊張感が、確かにありましたね。

Q

水墨画に対するイメージは役を演じる前と後でどのように変わりましたか?

横浜さん

最初は自分からは遠い存在のものだと思っていました。水墨画に対する知識が全くない中だったので「どのように描かれているんだろう」と不思議に思っていました。「難しいだろうな」「自分に描けるのかな」というのが第一印象です。でも、実際にやってみると、とても難しいんですが、楽しくて…。その時の感情が線に出るし、失敗もないので自由に描けるんです。でも、自由に描ける分壁にぶつかったりとか、とても奥深かったです。指導してくださった小林東雲先生が「画を見ればその人の性格が分かる」と言うのを聞いて、すごく魅力的で奥深いものだなと感じました。自分と向き合うこともできる水墨画を大好きになりました。

清原さん

水墨画のことは前から知っていたのですが、この作品で水墨画を描くと初めて聞いた時には、同じように「私にできるの?」と思いました。練習期間を設けていただけるとはいえ、私の役(千瑛)は初めから水墨画が上手くないといけない役だったので、「大丈夫かな…」と思って練習を始めました。始めてみると、東雲先生が「間違いはないんだよ」という言葉をずっとかけてくださいました。「失敗がないんだ」と思うと、とても気が楽になって、そこからどんどん水墨画に楽しく向き合えたので、出会えて良かった日本文化だと思いました。

MC

そろそろお時間となります。横浜さんに、最後のご挨拶と、大阪弁で一言お願いいたします。

横浜さん

映画を観終わった後の皆さんの顔が見られて、熱い感想を聞くことができて幸せです。本当にこの作品がもっともっと多くの方に届いてほしいと思っています。
本当に今日は…おおきに。(会場:盛大な拍手)

【公開記念舞台挨拶 in福岡】

青山霜介役

横浜流星さん

青山霜介役

小泉徳宏監督

原作者

砥上裕將さん

原作者

横浜さん

福岡に来られて本当に嬉しいです。(福岡に来るのは)何年ぶりでしょう…? 舞台挨拶や舞台をした際に来たのが最後なので、久々ですね。

小泉監督

こうして博多に来ることができて、すごく嬉しいです。

MC

本日は、本作の原作者で福岡出身の砥上裕將さんも来てくださいました。

■横浜さんと小泉監督の二人への花束を持って、砥上さんが登場しました。

MC

砥上さん、完成した本作を観ていかがでしたか?

砥上さん

本当に言葉にならないくらいに素晴らしいと思いました。「観ればわかる」という感じでした。

横浜さん

生みの親からそう言っていただけるのは嬉しいです。

小泉監督

(イベントの)頭からヒリヒリする質問ですね。

MC

本作の映画化のお話を聞いた時はいかがでしたか?

砥上さん

監督の目の前では言いづらいのですが、最初は「本当にやるの…?」という気持ちでした。いくつもの障壁が容易に想像できたので、「これを実写化する人は大したもんだな…」と思っていました。

小泉監督

砥上さんに最初にお会いした時に水墨画の手ほどきをしていただいたのですが、それがきっかけで、劇中で横浜さんと清原さんが手を取って二人で筆を持つシーンが生まれました。

MC

水墨画を習う際にはよく行う手ほどきだそうですね。横浜さんにも砥上さんから直接指導されたそうですが、その際の横浜の手の印象はいかがでしたか?

砥上さん

しっかりした手で、指先まで力がしっかりと伝わっている良い手でした。

■会場のお客さんから、登壇者の皆さんへの質問のコーナー。

Q

撮影中大変だったことは何ですか?

横浜さん

やはり水墨画のシーンですね。霜介の部屋で、一心不乱に水墨画を描いているシーンは、集中力を使いすぎてだんだん意識が遠のいていきそうになりました。それくらいひたすら描いていました。そこを監督の編集の力もあって、とても素敵なシーンになったので、感謝しています。

小泉監督

映画の最後の畳みかけるところだと思うのですが、なかなか現場で「このようになる」と伝えるのが難しかったシーンでした。そこを「大丈夫大丈夫」と言いながら撮り続けるのは大変でしたね。

Q

本作を観て、日本の伝統的な文化でもある水墨画を、大迫力で体感して感動しました。
質問は、他の国の方に観てもらうとしたら、どのような方に観てほしいですか?

横浜さん

水墨画の生まれた中国の方もそうですし、つい最近パリに行ったのですが、パリの映画館でこの作品を上映してくれたら嬉しいです。国を超えてたくさんの方に広まることを願っています。

小泉監督

劇中でもフランスの大臣が登場しているのですが、実はフランスは水墨画に興味がある方が多い国なんです。もし、フランスで上映されるような機会があれば嬉しいなと思います。そして、中国やアジア全域でも観ていただけたら嬉しいです。

砥上さん

青春と水墨画というものが、小説を書く前は全く結びつかないものでした。なので、青春を生きようとする人たち、皆さんに観ていただきたいです。

Q

劇中で三浦友和さんが演じていた湖山先生のセリフで「生きる活力」という言葉がありましたが、横浜さんにとっての「生きる活力」は何ですか?

横浜さん

仕事をしている上で、僕が生きることができているのは、携わってくれている方々や応援してくれる皆さんの力のおかげです。僕らの仕事は地味な作業なのですが、皆さんやチームのおかげで救われて、最後までやり切れています。いつもありがとうございます。

MC

そろそろお時間となりますが、本日の舞台挨拶はいかがでしたか?

横浜さん

映画が公開して舞台挨拶があっても、なかなか東京でしかできなくて…。その度に地方の皆さんの顔を見て、僕らの声で、作品の魅力をしっかりと届けたいと思っていたので、それが叶って嬉しく思います。この作品がたくさんの人に届いてほしいと思っております。