「人はなぜラブレターを書くのか」完成披露試写会

2026.03.23
  • 完成披露

完成披露試写会

映画「人はなぜラブレターを書くのか」の完成披露試写会が3月23日にイイノホールで行われ、綾瀬はるかさん、當真あみさん、細田佳央太さん、菅田将暉さん、妻夫木聡さん、佐藤浩市さん、石井裕也監督が出席しました。
2000年3月8日に発生した地下鉄線脱線事故により、当時高校生だった富久信介さんが犠牲となりました。時を経た2020年、一通のラブレターが信介さんのご家族のもとに届いたという実話に惹かれ、「舟を編む」(2013年公開/主演:松田龍平・宮﨑あおい)の石井監督がメガホンをとり、映画化した本作。登壇者の皆さんが本作への熱い想いを明かしたこの日の模様を、詳しくレポートします!

寺田ナズナ役

綾瀬はるかさん

寺田ナズナ役

小野ナズナ(学生時代)役

當真あみさん

小野ナズナ(学生時代)役

富久信介役

細田佳央太さん

富久信介役

川嶋勝重役

菅田将暉さん

川嶋勝重役

寺田良一役

妻夫木聡さん

寺田良一役

富久隆治役

佐藤浩市さん

富久隆治役

石井裕也監督

■作品の場面カットが飾られたステージに、キャスト・監督が登場し、大きな拍手を浴びました。

MC

完成披露を迎えたお気持ちを教えてください。

綾瀬さん

皆さんにラブレターをお渡しするような気持ちで、ドキドキしています。
この作品は、ある女性が、事故で亡くなった富久信介さんに一通の手紙を送ったところから物語がスタートします。まずは、この作品を作るきっかけになった女性に感謝したいです。
監督から脚本をいただいて約二年が経ちます。監督の中にあるものと答え合わせをするように、監督と一緒に考察をして、気づきをもらいながらナズナに息を吹き込む時間は、本当にかけがえのない時間になりました。今日は楽しんで帰ってください。

石井監督

本当に感慨深い気持ちです。この作品は、人の想いが繋がって、いろいろな方のご尽力とご協力があって完成した、奇跡のような成り立ちの作品です。しかも、今日は世界初公式上映ということで、この日を心待ちにしていました。よろしくお願いします。

MC

ステージには映画から切り抜いた写真をご用意しています。
綾瀬さん、改めてこの本作を初めてご覧になった時の感想を教えてください。

綾瀬さん

「一通のラブレターが時を超えて人の心を動かして、それが繋がっていく」というところに、本当に感動しました。人が人を想う気持ちがとても素敵で、優しくて、希望のある作品だなと思いました。

MC

台本をご覧になった時に、何度か涙が流れたというお話をうかがいました。

綾瀬さん

脚本を読んだ時と同じように、すごく号泣しました。(鼻水)ズビズビで帰りました(照笑)。(会場:笑)

MC

後ろに飾られているナズナがマグカップを持って涙を流しているシーンも、とても印象的です。こちらは妻夫木さん演じる良一とのシーンになりますが、妻夫木さんと久しぶりに一緒にお芝居をされた(2008年公開の「ザ・マジックアワー」以来、およそ18年ぶりの共演)感想はいかがでしたか?

綾瀬さん

普通の旦那さん役とはちょっと違うので、先輩でもある妻夫木さんはすごく心強かったです。このシーンは、とても感情が複雑だったので、私が演じるナズナの感情をどこまで出せば良いかと、何回かやりました。その間、妻夫木さんは優しく、厳しい目で見守ってくださいました。

妻夫木さん

本作は、綾瀬さん演じるナズナの心情を描くことで物語が進んでいくので、監督が綾瀬さんに繊細な演出をされていたと思います。それに対して、分からないことは「分からない」と素直に言える綾瀬さんの強さを僕は感じていました。見ていて頼もしかったですね。
ナズナが持っている「幸せなオーラ」は、綾瀬さん自身がデビュー当時から元々持っているものです。皆さんも感じていると思うんですが、周りにいる人たちをほわっと幸せにしてくれるオーラを持った方です。そのオーラが、ナズナという役に活きていると思うので、見ていて本当に頼もしかったです。

綾瀬さん

私は、いろいろと言えないことを抱えている役でした。それは、ナズナ自身の優しさからくるものでもあるんですが、妻夫木さん演じる旦那さんや娘に「心配をかけたくない」という想いもあって一人で抱えてしまいます。
なので、妻夫木さんにはいろいろなシーンで、役を通してすごく支えてもらいました。

MC

ナズナの学生時代を演じたのが、當真さんです。舞台は2000年代なので、當真さんの学生時代とは違う部分もあったと思います。電車の中で出会う、ナズナと信介についてどのように感じられましたか?

當真さん

今の時代は、連絡先も手軽に聞いたり交換できたりします。だからこそ、(ナズナと信介の)ちょっと距離感が掴めないような感じや、見ているこっちまでドキドキするような二人の姿は、すごく新鮮に思いました。その当時は手軽ではないからこそ、行動の一つ一つに重みや責任が感じられてすごく良いなと思いました。

MC

綾瀬さんは、学生時代のナズナをどのようにご覧になりましたか。

綾瀬さん

撮影の時は一度もお会いできなかったのですが、出来上がった時にお会いして、すごく可愛らしくて…二人のシーンはドキドキしながらキュンとしながら観ていました。

MC

綾瀬さんのお気に入りのシーンが、ナズナと信介のファミレスのシーンだとうかがっています。

綾瀬さん

(後ろに飾られた、そのシーンの写真を見ながら)二人がしゃべったこともないのに、恋をしていることがすごく分かるシーンです。背中合わせに座っているのにすごく繋がっている感じがして、ドキドキしていました。

當真さん

このシーンは、二人とも後ろにいるお互いをすごく意識していました。現場では、監督から「もっとオドオドしてください」という演出をいただきました(笑)。
お互いに周りの景色が見えないくらいに緊張していて、普段はすごくどっしりと構えている信介さんの、あまり見られないちょっと慌てている姿は、見どころです。

細田さん

信介さんくらいの年齢の男の子は、普段とは違う実年齢の瞬間が出ると言いますか…。人に恋をした時に心が動くときめきみたいなものに対して余裕がなくなっていく様は、すごく人間味があるなと思っています。
普段はボクシングに打ち込んでいるし、友だちとファミレスにも来ているんだと思います。でも、(劇中で)彼らと仲が良いところが描かれている訳ではないので、ここは「彼の生きた証」みたいな部分が丁寧に描かれているシーンだと思います。本当に純粋な高校生の男の子であることが分かるシーンなので、演じながらすごくワクワク、ドキドキしていました。

MC

細田さんは富久信介さんを演じるにあたり、信介さんのご実家を訪れてご挨拶をされたそうですが、本作に挑む上ではどのような想いがあったのでしょうか。

細田さん

「とてつもなく覚悟を決めなければ」という想いを抱いていました。
石井監督ともう一回ご一緒したいという思いをずっと抱いていて、(2019年公開「町田くんの世界」以来)7年ぶりにご一緒することができました。それだけでも、自分の中では背負うものが大きかったんですが、撮影前に富久信介さんのお父さんとお会いして、話をうかがった時に、自分で「背負わなければいけないものの大きさ」に、改めて気づきました。
それをとても重く感じ取ってしまって「大丈夫かな…」と思っていたんですが、自分自身の精神的な支えになっていたのがボクシングでした。ボクシングがなかったら、この想いや覚悟みたいなものに押しつぶされてしまっていたと思います。

MC

そのボクシングシーンで、信介さんの先輩である川嶋勝重選手役を演じたのが菅田さんです。細田さんと菅田さんは、実際に大橋ボクシングジムを訪れて練習をされたとうかがっています。当時のことを振り返ると、お二人はいかがでしょうか。

細田さん

僕は、会長にお会いする時にすごく緊張していました。当時のことを知っていて、富久信介さんと川嶋さんのことを知っている方にお会いする。まずどのような言葉をかけられるんだろうという緊張感を感じていました。

菅田さん

いの一番に(大橋会長から細田さんが)「どことなく(信介さんに)似ているね」と声かけられていたのが、特に印象的でしたね。

細田さん

ありがたかったです。

MC

菅田さんは今回、石井監督作品に初出演を果たしました。オファーが来た際に「この映画は、受けるべき映画だと思った」とコメントされています。ぜひ、オファーが来た際の経緯などおうかがいできますでしょうか。

菅田さん

経緯ですか…。経緯は、事務所を通して「制作陣からこういう映画を作る」というものが届いたんですが…。(登壇者の皆さん&会場:笑)
いただいた脚本を読ませていただいて、実際にあった事故を基にしたエピソードから、またさらに加筆されているお話でした。僕が演じる川嶋勝重選手が大橋ジムの最初の世界チャンピオンであり、富久信介君の先輩であるということを知り、いざ「受けますか」と言われて、正直悩みましたね。
悩んだのは、過去にボクサー役(2017年公開「あゝ、荒野」/出演:菅田将暉、ヤン・イクチュン)をやっていて、ボクシングのしんどさを知っているからではなく、自分がこの作品で何ができるかということでした。考えていくと、(「あゝ、荒野」で指導してくださった)ボクシングトレーナーの松浦(慎一郎)さんもしかり、僕もそうですが、この作品では自分一人のためにするボクシングではなく、家族や誰かの想いを背負ってリングに立っているように感じました。その姿を通して、富久信介くんの生きた証をスクリーンに残す。その使命であればお受けしたいなと思いました。

MC

引き受けるにあたって、石井監督とはどのようなお話をされたのでしょうか。

菅田さん

「やります」となってから二人でお話をする時間をいただきました。家族のこと、映画のこと、もちろん富久くんのことなどいろいろな話を、五時間ぐらい話しました。
どうやら、僕はその後仕事があったらしいんですが、結果として仕事に行けずにしゃべり尽くすという…。

MC

大丈夫だったんですか?

菅田さん

多分、ダメだったんでしょう。(登壇者の皆さん&会場:笑)
でも、それぐらいずっとお会いしたかった監督だったので、「ちゃんと熱意を持って挑みたい」という想いがありました。なかなかクランクインまで話せる機会もないですし、出演シーンの数も少ないので、「この機会になるべく伝えなきゃ!」と思って、いっぱいしゃべってしまいました。

石井監督

本当に熱い話をしたんですが、最初に菅田君が「実はこれ、断ろうと思っていました」と言ってきたので、ちょっと微妙な気持ちになりました。(登壇者の皆さん&会場:笑)

菅田さん

(笑)。それは、事実なのでね。

石井監督

川嶋勝重さんというのは、偉大なプロボクサーであり世界チャンピオン。それを演じるのはすごいプレッシャーだし、そんなに出番も多くはない。でも、世界チャンピオンとしてのスキルや身体を作らなければいけない。俳優としてはすごく費用対効果が悪いと思うんです。(登壇者の皆さん&会場:笑) だから、この役は誰がやるのかと興味がありました。菅田くんは頭が良いし、僕は断られるだろうなと思っていたんです。そうしたら、天邪鬼なのか分からないですが(笑)「やる」と言う。こういった部分に菅田将暉という人のセンスがあるんだろうなと思いました。

佐藤さん

断ったら誰にするつもりだったんですか? (登壇者の皆さん&会場:笑)

菅田さん

それは聞きたいですね。

石井監督

本当ですか? (スタッフに確認するように)これは、言わない方が良いですよね(笑)。

菅田さん

じゃあ、その候補は後で聞きます。(登壇者の皆さん&会場:笑)

MC

それだけ世界チャンピオンを演じるには、過酷な役作りが求められる。監督もそれは想像がついていたことでしょうし、何よりも以前にボクサーを演じられたことのある菅田さんご自身、特別な覚悟があったのではないかと思います。
役作りについてはいかがでしたか。

菅田さん

何の縁なのか、僕が行っているボクシングジムで、ずっと妻夫木さんが一緒に練習しているんですよ。皆さんは、妻夫木聡がどれだけ強いかをあまり知らないと思います。僕はいつもボコボコにされているんです。(登壇者の皆さん&会場:笑)そんな縁もありました。
妻夫木さんには今回ボクシングのシーンはないんですが、この座組で、妻夫木さんも出演されていて、自分も同じジムで練習をしていて、結果としてそこに細田君も来ることになって…。妻夫木さんからも指導をしてもらえて、三人でも練習ができる環境があった。そうすると、細かい役作りはどうでもよくなりましたね。まずもう「やる!」っていう。

妻夫木さん

(笑)。ひたすら。

菅田さん

「ひたすらやる」っていうこと。
あと、川嶋選手にもお会いできたのですが、その時の川嶋さんの屈託のない笑顔や、お人柄の柔らかい部分がすごくキュートでした。その辺を参考にしながら演じました。

MC

石井監督にお聞きします。ボクシングファンにも語り継がれるような名試合の撮影は、どのようなことを意識されたのでしょうか。

石井監督

ボクシングのアクションとしての面白さは言うまでもないですが、「いろいろな想いを背負って戦っている」そういった感情の見える試合にしたいと思っていました。これは、富久信介さんも川嶋さんも大橋会長もそうだと思いますが、「みんなで見た夢のステージ」だったと思うので…。どんどん課金していったというか…。(登壇者の皆さん&会場:笑) 「ここは絶対に妥協できない」と思いながら作りました。

MC

いつもボクシングの練習をされている妻夫木さんは、このシーンをどのように感じましたか?

妻夫木さん

ここで、僕ですか…?(登壇者の皆さん&会場:笑)
素晴らしかったですね。お二人が練習している姿もずっと見ていたし、菅田くんは経験があったとは言っても、いきなり「八カ月後ぐらいに世界チャンピオンになってくれ」というのはかなりのプレッシャーだったと思うし…。
経験がない細田くんも、おそらく四カ月くらいであそこまで見せられるボクシングにするのは、なかなか難しいことなんですよ。スパーリングなんかは半年経ったとしても、なかなかできないものですから。それを、細田くんも果敢にやっていたもんね。

細田さん

そうですね。後から聞いたら、本来は八カ月くらい練習しなければいけないボクシングを、四カ月にまとめたという話でした。

妻夫木さん

そうだよ。大体みんなは、三カ月ぐらいでワンツー(左ジャブ、右ストレートを連打すること)くらいしかやれないんだよ!

細田さん

そうなんですね(苦笑)。でも、お二人(菅田さんと妻夫木さん)をはじめ、松浦さんやいろいろな方に教えていただいたおかげで、挑戦することができました。

妻夫木さん

お二人(細田さんと菅田さん)が「今度、大橋ジムに行くんです」という話を聞いた時に、何度「僕も行って良いですか」と言おうと思ったか…。

菅田さん

来るかなと思っていました(笑)!

妻夫木さん

そこは絶対に踏み込んじゃいけないと思って。

細田さん&菅田さん

(笑)。

妻夫木さん

途中からは、やっぱり二人(信介と川嶋)の関係性を築かなければいけないと思って、なるべく菅田くんが来る時は、僕は行かないようにした方が良いかなと思っていました。
大橋ジムの選手の皆さんは、ちゃんとミットもできるんですね。お二人はミット打ちもやらないといけないし、菅田くんは来るたびにいつも髪型が変わっていて、おそらく他の撮影もいろいろとやっていたんだと思うんです。そんな中でも時間を作ってやっていたので、なるべく菅田くんが来る時は行かないようにしようと思っていました。

MC

お二人の世界を大事にしたいという想いからなのですね。

妻夫木さん

僕が壊しちゃいけないなと思って。

菅田さん

大橋ジムにいざ行ってみて、どんな練習するのかなと思ったら、木幡竜一選手がミットを受けてくれたんですが、「今から三分間、俺を殴れ」「人を本気で叩く三分間を今から経験しろ。俺が全部防ぐ」と言われて…、あれはエグい練習だったよね。

細田さん

ありましたね。

菅田さん

それをずっと、大橋会長に見られるという。

細田さん

結構いろいろなプレッシャーがありましたもんね。

菅田さん

でも、あの時間がやっぱり良かったですね。本気になるということを教わりました。

MC

細田さんにとっても、ボクシングの練習が大きなものになりましたか?

細田さん

本当に大きかったです。精神的にも、肉体的にも支えにしかなっていなかったです。
菅田さん演じる川嶋が、練習終わりに「じゃあミットを持つか」というシーンもあるので、実際に練習でも菅田さんがミットを持ってくださって、それに自分が打ち込ませてもらうこともありました。そうやってボクシングジムで築いた関係を、この作品の世界にそのまま持っていったイメージがあるので、ボクシングがなかったらと思うと怖いくらいです。

MC

妻夫木さんは、菅田さんが出演されているシーンですごく印象に残っている場面があるとうかがっています。

妻夫木さん

信介さんが亡くなった時に、菅田くん(演じる川嶋)が大橋会長に詰め寄るシーンがあるんです。そのシーンは、本当に泣きました。素晴らしかったですね。菅田くんのお芝居も当然素晴らしいんですが、あの長回しのワンカットは、日本映画史上ベストだと言えるくらい素晴らしいカットになったんじゃないかと思います。石井監督の代名詞でもある長回しが、本当に活きたカットだったと思いました。
先ほど、いろいろと話を聞いたんですが、二回、ツーテイクやったんだよね?

菅田さん

ツーテイクやりました。ワンテイク目は、僕が必死になりすぎてちょっとだけ関西弁が出てしまって…。(登壇者の皆さん&会場:笑) どうやら語尾を「だよ!」と言うところ「やろ!」と言っていたみたいです。(石井監督から)「はい、ダメ」ということで、もう一回やったんですが、結果としては一回目が使われました。

MC

妻夫木さんの今のお言葉は、どのように受け止めましたか?

菅田さん

本当に恐れ多いです。そのシーンに至るまでのいろいろなシーンの苦しい、苦しい想いが積み重なって、どこかでこの想いを…というところでバーンと気持ちがあふれるシーンなので…。この作品においてそのように作用してくれたので良かったです。

MC

妻夫木さんの演じた良一は、不器用ながらもナズナのことを想い、家族を大切にする役柄です。改めて本作は、妻夫木さんご自身にとってどのような作品になりそうでしょうか。

妻夫木さん

実話を基にした物語というのは、本当に奇跡のような物語なんです。僕たちが日々生きている中で、知らない間に見逃している小さな幸せっていっぱいあると思うんです。皆さんが、そういうものを見つけてくれるような作品になったんじゃないかと、心から思います。
不器用でも良いと思うんです。完璧な家族なんてないし、完璧な人間なんていないと思うし…。「それでも這いつくばって生きていこうよ」「苦しいことも楽しいことも全て、手と手を取り合って、みんなで生きていければ良いよね」と、そういう人生で良いんじゃないかなと思えるような映画になったと思いました。

MC

信介の父、隆治役を演じられた佐藤浩市さんは、実際に信介さんのお父様にも会われたとうかがいました。この物語が実話に基づいているということを聞いた時、どのように感じられましたか?

佐藤さん

実話に基づいた話というのは、何本も経験していますが、それを映像化する場合には、その実話がお客さんにとってより良い意味で伝わりやすく、逆に言うと少し離したり、近づけたりという演出も必要になります。それは創作であるからという意味もあります。
お父さんは執筆業を生業とされている方なので、創作に対して理解のある方なんですね。そういう方なので、ちょっと聞きにくいような質問も少しさせていただきましたが、ちゃんと答えていただけて、本当に助かりました。
皆さん、作品を楽しみにしていてください。楽しみという言い方は変かもしれないけれど、そこに信介さんがいますから。そういう思いで演じさせていただきました。

MC

佐藤さんは脚本を読んだ時から、綾瀬さん、妻夫木さん演じる寺田家のシーンを楽しみにしていらっしゃったそうです。完成した本編をご覧になって、この映画の魅力をどのようなところに感じらましたか。

佐藤さん

まだ作品を観る前の方にどこまで言って良いのかという難しさがあるんですが…二軸、背骨が二本あるんです。信介の周りの自分たち親子を含め、菅田…あ、菅田って言っちゃったよ。(登壇者の皆さん&会場:笑)

菅田さん

大丈夫ですよ。大先輩なので、呼び捨てでお願いします!

佐藤さん

(笑)。
それも当然あるし、綾瀬・妻夫木が演じる家族たちの話。それがどういった形でラブレターを通して、未来を見て、過去を振り返るか。それがこの話の面白さになっていると思います。

MC

タイトルにもありますように、この映画を観ると「なぜラブレターを書くのか」と考えるきっかけにもなると思います。綾瀬さんは、「ラブレターを書く理由」というのはどのようなものだと思いますか。

綾瀬さん

主題歌(「エルダーフラワー」)を歌ってくださっているOfficial髭男dismの藤原さんがおっしゃっていたことで、「それ以上にぴったりなない言葉だな」と思ったことがあります。
「想いが溢れた時に、人はラブレターを書くのではないか」とおっしゃっていました。「ああ…そうか!」と、すごく思いました。一人一人の生き様のすべてが、きっと誰かのためになったり、誰かを幸せにしたりするんだと思います。そう思うと、その人の生きている存在自体がラブレターなんじゃないかと思いました。

MC

妻夫木さんが横で、大きくうなずいています。

妻夫木さん

(しみじみと)良いことを言うようになったなぁと思って。(綾瀬さん&会場:笑)

MC

Official髭男dismさんの主題歌「エルダーフラワー」にも、解禁から多くの反響が寄せられています。綾瀬さんは、この楽曲を聴かれた時にどのようなことを感じられましたか。

綾瀬さん

私は試写会で初めて聴いたんですが、作品を観てすごく泣いている後にこの優しい曲が包んでくれるような感じがしました。藤原さんの優しい中性的な歌声とメロディー。そして、歌詞も後で読んでみると、誰か大切な人を想うことができるような本当に優しくて温かい曲だなと思いました。

MC

最後に綾瀬さんより、これから映画をご覧になる皆様に向けてメッセージをお願いいたします。

綾瀬さん

この映画は実話に基づいた奇跡のようなお話だと思います。これからまだ皆さんが気づいてない奇跡や、奇跡のような喜びがたくさん訪れるように願っております。
今日は最後まで楽しんで、観ていってください。ありがとうございました。(会場:拍手)