「ラーゲリより愛を込めて」スノーカーペットイベント&完成披露舞台挨拶

2022.11.08
  • 完成披露

スノーカーペットイベント&完成披露舞台挨拶

二宮和也さんが主演を務め、第二次世界大戦終了後にシベリアの強制収容所(ラーゲリ)で不当に抑留されながらも、過酷な状況下において生きることへの希望を捨てなかった男・山本幡男の半生を描く映画「ラーゲリより愛を込めて」が、12月9日より公開となります。公開を約一カ月後に控えた11月8日、本作のスノーカーペットイベント&完成披露舞台挨拶がTOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われました。華やかにドレスアップした二宮さんをはじめ、北川景子さん、松坂桃李さん、中島健人さん、桐谷健太さん、安田顕さん、瀬々敬久監督が、雪景色を思わせるホワイトカーペットにスモークバブルの降り注ぐ中、華麗に登場しました。それぞれが“希望を与えてくれた人、言葉”について告白をした完成披露舞台挨拶の様子と合わせて、イベントを詳しくレポートします!

瀬々敬久監督

二宮和也さん

山本幡男役

北川景子さん

山本モジミ役

松坂桃李さん

松田研三役

中島健人さん(Sexy Zone)

新谷健雄役

桐谷健太さん

相沢光男役

安田 顕さん

原幸彦役

【スノーカーペットイベント】

■登壇者の皆さんが、劇場前の階段に敷かれたスノーカーペットに登場。姿を現すとちょうど心地よい風が吹き始め、スモークバブルが美しく舞う中、それぞれが笑顔でカーペットを闊歩しました。中島さんは、ゴールドに輝くドレス姿の北川さんの手を取ってエスコートし、会場を沸かせました。

MC

登壇者を代表して、二宮さんからご挨拶をいただきます。

二宮さん

本日は、お集まりいただきありがとうございます。約一カ月後に「ラーゲリより愛を込めて」が公開になります。この作品は、史実に基づいた作品となっております。「こういうことがあったんだ」ということもそうですが、その先にある希望、絆、愛情などがより深く感じられる作品になっていると思います。12月9日より公開いたしますので、映画「ラーゲリより愛を込めて」をどうぞよろしくお願いいたします。

【完成披露舞台挨拶】

二宮さん

皆さんは、まだ本作を観る前ということですので、(話せることに)制限があるかもしれませんが、いろいろとお話ができたらと思っております。

北川さん

二宮さん演じる幡男を、「生きている」と信じ続ける妻の役を演じました。完成した本作を観て、男性陣の頑張りというか、命を削ったお芝居がすごくて、本当に素晴らしい作品に参加したのだなと、とても光栄に思っています。

松坂さん

いよいよ公開が近づいてきたなと、本当に嬉しく思っています。観終わった後はぜひ、皆さんが感じたままの言葉で良いので、SNSなどを使って広めてもらえたら幸いです。今日は皆さんの力をお借りしたいと思っております。どうぞ最後まで楽しんでいってください。

中島さん

一人の俳優としても、このような超大作に参加できて本当に光栄に思っております。本作を観終わった後、皆さんにとって、愛のこもった時間になっていたら良いなと思っています。

桐谷さん

素晴らしい作品に出演できたことを、本当に誇りに思います。今日はどうぞゆっくり楽しんでください。

安田さん

皆さんよりも一足早く本作を拝見しました。改めてこの作品に参加できたことが誇らしく、光栄に思いました。皆さんにとって明日への糧となるような…、そんな風に感じてもらえる作品になっていたら良いなと思っています。

瀬々監督

撮影をしたのが一年前で、こうやって(出演者の)みんなと無事に再会できることを喜んでいます。頑張ります!

MC

第35回東京国際映画祭のオープニング作品に選出されるなど、世界から注目される作品になりました。その時は監督とお二人でしたが、今日は豪華メンバーが顔を揃えました。

二宮さん

全員が揃って本当にホッとしています。先日は瀬々監督と二人だけだったので、今日はいろいろな方がいて楽しい日になりました(笑)。

MC

改めて、このメンバーとの共演はいかがでしたか?

二宮さん

(このキャスティングは)一生見られないんじゃないかと思うくらい、贅沢な使い方だと思います。一枚絵にこの人たち全員が収まっていて、とても貴重な絵になっていると(完成作を観て)感じました。

MC

山本幡男役を演じるにあたって、瀬々監督ともいろいろとお話をされたそうですね。

二宮さん

山本幡男さんはすごい人ではあるけれど、神がかった感じに表現してしまうと、それはそれで違うんじゃないかと感じました。なので、監督に「一人の人間として息づいているような形にしたいです」とお話しました。

瀬々監督

最初にお会いした時に、二宮くんは「聖人君子のようなヒーローとしてやるのではなく、もっと普通の人としてやりたい」とおっしゃいました。それをこの作品で貫き通してくれました。映画を観ていただければ分かりますが、笑顔がとってもチャーミングなんです。

二宮さん

ありがとうございます!

MC

それでは、山本がラーゲリで出会うメンバーを演じた皆さんにお話を伺います。豪華メンバーとの共演はいかがでしたでしょうか。

松坂さん

これだけの方たちと同時に「よーいドン」で共演できるということを知った時は、正直ちょっと武者震いがしましたね。二宮さんもおっしゃっていましたが、後にも先にもこういうメンツで一緒に作品を作れる機会というのはなかなかないと思います。なので、その時間を、1分1分、1秒1秒、噛みしめようと思いました。

中島さん

一生に一度の機会だと思って、撮影に臨みました。俳優界の“アベンジャーズ”というか、すごいじゃないですか。(キャスト陣を見渡して笑顔に) 横一列になって皆さんと並んで歩く時にも「自分がいて良いのかな」と思ってしまうぐらいのスター揃いですよね。僕も“(映画の)アベンジャーズ”の中でいうところの、スパイダーマン的なポジションになれるように頑張りました。(登壇者の皆さん:笑)

MC

ではその“アベンジャーズ”のお二人、桐谷さんと安田さんは皆さんと共演していかがでしたか?

桐谷さん

アイアンマンとしては…。(登壇者の皆さん:笑、会場:拍手)

松坂さん

そこに行くんですね?(登壇者の皆さんから、続々と「アイアンマン!?」とツッコミが入る)

桐谷さん

いや、分からへん。そんなに(アベンジャーズには)詳しくはない(苦笑)…。

二宮さん

(アベンジャーズの中で)知っているヒーローをね(言った感じ)…(笑)。(桐谷さんは)キャプテンアメリカっぽいけど。

桐谷さん

じゃあ、キャプテンアメリカとしては…(笑)。本当にこうやって、みんなで揃うのもすごく久しぶりなんです。こうやって会えて、こうやって話せることが単純に嬉しいです。

安田さん

“アベンジャーズ”を作った、何らかの博士としては…(登壇者の皆さん:笑)

中島さん

そっちなんですね! プロフェッサーの方(笑)。

安田さん

“アベンジャーズ”ということで言えば、また(集まって)作品を作ることはできるんじゃないかと思います! でも、皆さんお仕事で忙しいですから、なかなか会うことができなかったんです。でも、今日こうしてお会いできて本当に嬉しいです。

MC

その男性陣を待つ身だったのが、北川さんの演じたモジミです。完成作で、男性陣のシーンをご覧になってどのように感じましたか?

北川さん

すごすぎて何も言えなかったです。幡男さんご自身ももちろんすごいんですが、完成した作品を拝見した時に、「そこに本当に幡男さんがいるのかな」というような感じがしました。二宮さんがお芝居をしているようにまったく見えなくて…。すごいなと思いました。「ラーゲリ(強制収容所のシーン)の撮影に見学に行きたい」と言ったら、二宮さんに「来ないほうが良い」と言われたんです。それぐらいみんな死ぬ気でやっていたんだというのが、スクリーンから伝わってきました。みんなの結束もそうですし、幡男さんをきっかけにみんなが希望を持って行くところなど、何もかもがすごかったです。だから、何も言えなかったです。

MC

二宮さんは、北川さんから「現場に行きたい」という相談を受けたんですか?

二宮さん

「危ないからダメだ」と言いました(笑)。

北川さん

止められちゃった(笑)。

二宮さん

男の人がいっぱいで、危険だし、みんなに変な頑張りが入っちゃうから(笑)。

MC

男性陣の撮影の様子など、耳にすることはありましたか?

北川さん

プロデューサーから「昨日このシーンの撮影があったんだ」とちょっとしたムービーを観せていただいたり、現場のスチール写真を観せていただいていました。そのムービーや写真の中の皆さんは、この舞台挨拶で立っている皆さんとは、全然違う顔をしていました。すごく精悍で厳しい顔をしていて、皆さんすごくカッコ良かったです。

MC

演じられたのは、待ち続ける女性・モジミです。瀬々監督とは、役作りについてどのようなお話をされましたか?

北川さん

「サザエさんみたいな感じで」と言われました(笑)。「サザエさんみたいな感じのキャラクターにしたい」って最初に言われたんですよ! 私も「ん?」と思ったんですが、(瀬々監督の方を見ながら)サザエさんのようにチャーミングにということですよね。

瀬々監督

そうです。山本幡男さんのご子息に(モジミさんについて)いろいろとお話を聞かせてもらいました。すごくドジなお母さんだったらしいんです。料理もうまくないし、学校の先生なんだけれど、図画工作と音楽の授業の前の日は暗くなっているとか(笑)。それを北川さんにお伝えして、良妻賢母ということではなくて、「チャーミングなお母さんでお願いします」と話しました。見事に(北川さんは)やってくれました!

北川さん

ありがとうございます。(会場:拍手) サザエさんを意識して、毎回サザエさんだったらどういう風に驚くだろうかと考えたりしました(笑)。

松坂さん

“サザエさん”というワードが、インパクト強すぎますよね(笑)。

北川さん

状況が結構シリアスだったりするんですが、それでも深刻すぎずということを大事にしていました。皆さんが大変なシーンをやっているから、合間合間に(観客の)皆さんがほっこりできるというか、笑えたり、温かい気持ちになれるシーンにしたいなと思いました。そのためには、監督のおっしゃる通り「サザエさんなんだろうなぁ」と思っていました。シリアスになりすぎないように、どこか明るさを持って演じたいと思っていました。

MC

天候などもかなり過酷な撮影だったと伺っています。瀬々監督が、本作に取り組む際に心掛けていたことや、大切にされていたのはどのようなことでしょうか。

瀬々監督

当時の資料があまり残っていなかったんですが、僕らスタッフ陣はラーゲリ収容所という厳しい場所を作ることが大事だと思いました。労働をしている場所にも雪が降ったり、厳しい環境が続くんです。そういう場所を作って、提供して、あとは「自由にやってください」という感じでしたね。それで僕たちはドキュメントを撮るように、その化学反応を撮るんだということを肝に銘じながらやっていました。ある雪の降った日は、桐谷さんや中島健人くんが、雪かきをしてくれました。ありがとうございます!(会場:拍手)

桐谷さん

ありがとうございます。

中島さん

協力できて光栄です。

MC

名前が二人しか上がらなかったんですが…。

中島さん

あれ、ニノくん?

桐谷さん

(二宮さんが)遠巻きに見ていたという話は耳にしていますが…。

二宮さん

「近づくな」みたいにね…(言われた)。

桐谷さん

近づくな…?「近づくな」って言われていたの(笑)?

二宮さん

その時は、そう言われたんで…。僕もやりたかったんですよ!

桐谷さん

僕たちが雪かきをしているのに対して、「近づくな」と?

二宮さん

(制止するような動きをしながら)「やめましょう!」と(言われて)。

中島さん

僕と桐谷さん、待っていましたよ(笑)。

二宮さん

本当に二時間ぐらいやっていましたよね。

MC

二宮さんは、その二時間は何をしていたんですか?

二宮さん

二時間…(物陰から見ているような仕草をしながら)物陰に隠れながら、こうやって見ていました。(登壇者の皆さん:笑)

桐谷さん

それやったら、雪かきしているほうが楽やで(笑)。

二宮さん

(笑)。

MC

では、本作の魅力について、お伺いしたいと思います。

二宮さん

(「どうしよう…」と悩みながら)いっぱいあるから、悩んでいるんですよ! 魅力がいっぱいあるから…。
自分たちで言うのも何ですが、20代、30代、40代(のキャスト)だけで、ここまで作り上げられたのは一つの魅力なのではないかと思っています。史実に基づいた作品というのは、いろいろな年代がいて、いろいろな物差しがあって、いろいろな見方があって、いろいろな価値観があるというのは当然なんです。でも、20代後半から30代、40代のそこだけの層で、(映画に)これだけ厚みが出たということについて、僕は「すごい」と思いました。それは本当に魅力だと思います。

北川さん

脚本を読んだ時に、「こんなことが本当にあったのか」と思うぐらいの奇跡がたくさん起きるし、「これが実話だ」ということにまず震えました。そして幡男さんが「そこに希望はあります」と、どんな状況でも希望を見出そうとするその姿勢を見て、ラーゲリの仲間たちも生きる希望を見つけていく…。人間にここまで人を変える力があるんだ、どんな状況でも前向きになろうという底力はあるんだということに、私はすごく感動しました。これが実話だということは、ものすごい魅力だと思いますし、今日来た人は、絶対全員泣くと思います。良い涙が絶対に流れると思うので、そういう意味での「泣ける映画」という魅力もあると思います。

松坂さん

山本さんだけではなく、他の登場人物の方たちにも細かくフォーカスを当てているので、それぞれの方たちがどのような生き方をしてきたのか、どういう心情で今こう思っているのかということが、手に取るように分かります。それぞれの登場人物の“感情の形”みたいなものが(見えてくるのが)、魅力だと思います。

中島さん

劇中に、クロというワンちゃんが出てくるんです。ストーリーの中で、クロが皆さんの心をつなぐ役割を果たします。クロをしっかりと演じ切ったワンちゃんを観てほしいです。ラーゲリの中の抑留者の方々とクロとの絆も、「すべて事実なんだ。それも実話なんだ」という気持ちで、ぜひ本作を楽しんでいただきたいです。

桐谷さん

いろいろな世代の方たち、子どもたちに観てほしいと思える作品になりました。衝撃的なシーンももちろんありますが、観ていただいた方に「やっぱり戦争って嫌だな」とか「幸せな方がやっぱり良いよね」と思っていただいて、その意識がどんどん広がっていけば、すごく良い未来になっていくんじゃないかと感じています。本作が少しでもそういう力になれば嬉しく思いますし、そうなると信じています。そういった思いも込めて、みんなで作りました。その思いを少しでも感じてもらえる作品になっていると思います。皆さんの前に、胸を張って立つことのできる作品になりました。

安田さん

異国の地にいる人がいて、日本という国で待っている人がいて…。そうやって距離的に離れているからこそ、より強く感じられる絆や希望、愛というものを提示することができているんだと思います。皆さんが本作をご覧になった時に、自分に近しい人、恋人、家族など、自分が愛している方たちのことを思うことのできる映画です。現在も過去も未来も決して変わることのない、普遍的なものを描いている作品だと思います。そこが魅力だと思います。

MC

幡男は周囲に希望を与えた人物ですが、皆さんにとって、「希望を与えてくれた人、言葉」などがありましたら教えてください。

安田さん

今パッと思い浮かんだのは、20代前半ぐらいの時に「ちょっと家賃が払えない…金を貸してくれないか」と言った時に、金を貸してくれた人ですね。(登壇者の皆さん:笑) 高校時代の友だち二人に当たってみたんです。二人とも今も付き合いがありますが、「2 、3万円貸してくれないか?」と言った時に、一人は「そういうことをすると、君と今までと同じような関係を続けられるかどうか、分からない。だから本当に申し訳ないけれども、君にお金を貸すことはできない」と言ってくれました。もう一人は「貸してくれないか?」と言ったところ、もう社会人として働いていたんですが、わざわざ家まで来て、新聞を入れるところにポンと(お金を)入れてくれたんです。そして、「さっき(ポストに)入れておいた。返すのはいつでも良いよ」と言ってくれました。この二人は僕にとってすごく大事な人で、舞台をやると今も全部観に来てくれます。その二人が、思い浮かびました。

二宮さん

お金を返したのか気になります。

安田さん

返しておりません! だっていつでも良いって言うから! (悪い顔で笑いながら)かれこれ30年近く、返しておりません(笑)。

中島さん

ヤスケンさんのこんな悪い顔、初めて見ました(笑)。

桐谷さん

僕はうちの事務所の社長です。「命をかけてあなたを大成させる」と言ってくれたんです。誰かに「命をかける」と言われたのは、後にも先にもその時しかありません。もちろん、うちのオカンも命がけで僕を産んでくれたんですが、やっぱり社長のその言葉は自分の中ですごく刺さっています。

MC

桐谷さんの今の姿を見たら、社長さんも喜んでいらっしゃるでしょうね。

桐谷さん

ありがとうございます。僕は、五歳からこの仕事をやりたかったんです。こうして夢がかなっているので、僕も命をかけてやっていきたいと思っています。

中島さん

僕は母の言葉ですね。「自分の仕事に誇りを持ちなさい。昨日までの自分を否定すると、今日の自分が頑張れない」と言ってくれたことがありました。その言葉はとても自分の胸に響いた言葉です。それならば一歩一歩頑張ることが大切だと思えるし、本作に関しても、ちゃんと役作りをした上で誇りを持って「作品に参加しよう」という気持ちになれました。この言葉が胸に残っていて、いつも思い出すようにしています。

MC

二宮さん、皆さんステキな言葉ばかりですね。

二宮さん

良いこと(エピソード)ばかりが出てくるので、「そっちの方向か」と思っています。(これから話す自分のエピソードについて)ちょっと方向転換します。(登壇者の皆さん:笑)

中島さん

もっと違う方向に行った方が良かったですか? 間違えましたか?

二宮さん

いやいやいや! みんな良い話だからね。「そうか、こういう流れか」と…。

中島さん

早く言っちゃった方が、楽ですよ。

二宮さん

まだMCさんが話を振ってくれないのよ! (登壇者の皆さん:笑)

MC

良い話が三連発ですからね。では松坂さんにお願いしましょう。

松坂さん

ちょっと前の話なんですが、肺炎になった経験があります。その時にお医者さんから「即入院です」と言われました。「ちょっと待って…明日以降も作品に入るし、めちゃめちゃ仕事が入っているんだけど…」と思ったんですが、それも全部キャンセルになりました。いろいろな人に迷惑がかかると思って、なぜだか分からないですが涙がドバーッ!と出たんです。その時にチーフマネージャーさんが一緒にいてくれて、肩にポンと手を当てて「大丈夫、大丈夫」と声をかけてくれました。それにはとても救われました。あれがなかったら、結構落ち込んでいたかもしれないですね。「大丈夫」という何気ない一言が、その時の僕にはとても救いだったと感じています。

北川さん

私は、「DGDG」という言葉があって(笑)…。ドラマや映画など、自分の作品を観て「これで大丈夫だったのかな」と心配になることが結構あるんです。「感動できるのかな?」とか「自分の演技、もうちょっとこうだったのかな」と不安になることがあって、だいたい夫に(作品を)観てもらうんです。そうすると、“DAIGO大号泣”。(会場:拍手) 改めてそう言ってもらえるだけで、「これで良かった」て思います。だから、私にとって希望となる言葉はアルファベットですね。“DGDG”=“DAIGO大号泣”です。(再び会場:拍手)

MC

これは北川さんだけの特権ですね。

北川さん

私だけですね(笑)。

二宮さん

僕は、事務所の偉い人に言われた言葉ですね。「来年からは忙しくなるぞ」というのを、八年くらい言われていました。(登壇者の皆さん:笑) 言われ始めた時は「ありがとうございます!」と思ったんですが、だんだん「この人、何を言っているんだろう?」って思うようになりました。(登壇者の皆さん:笑) でも、八年目でようやく本当に忙しくなれたので、ありがたかったです。そういったゲン担ぎにも似た言葉は、根拠はないですが「頑張ろう」という気持ちにはさせてくれましたね。聞いてもいないのに、毎年「来年は忙しくなるぞ」と言ってくるんで、「何を根拠に言っているんだろう」と思っていましたが、意味のない言葉で救われることもあるじゃないですか。だから、「やめないで良かった」「続けてこられて良かった」と思います。

MC

結果的に、日本で一番忙しくなりましたね。

二宮さん

(茶目っ気たっぷりに)日本で一番忙しくなりましたか!(会場:拍手) いやいや、拍手なんて…値しませんよ(笑)。何くそ根性で頑張れたというのもあると思います。

MC

いろいろなお話ありがとうございました。では、二宮さんから最後のご挨拶をお願いいたします。

二宮さん

いろいろとお話をしましたが、我々はやりたいこと、言いたいこと、観てもらいたいことは、全部作品の中に置いてきました。観ていただいて、感じていただいたものがすべてだと思います。なかなか観ることができない作風にもなっていて、辛い、苦しい、重たいシーンも続きますが、じっくり向き合っていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。