「君が最後に遺した歌」完成披露試写会
- 完成披露
完成披露試写会
デビュー作「今夜、世界からこの恋が消えても」で第26回電撃小説大賞を受賞した一条岬の、2作目の小説を原作とした映画「君が最後に遺した歌」の完成披露試写会が2月24日、東京・六本木のTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて開催されました。主演の道枝駿佑さんをはじめ、生見愛瑠さん、音楽プロデュースの亀田誠治さん、三木孝浩監督が舞台挨拶に登壇しました。こちらの舞台挨拶の模様をレポートいたします!
道枝駿佑さん
水嶋春人役
生見愛瑠さん
遠坂綾音役
亀田誠治さん
音楽プロデュース
三木孝浩監督
道枝さん
今日は少しの時間ですが、お楽しみいただきたいと思います。よろしくお願いします。
生見さん
やっと、皆さんの元に作品が届くと思うとすごく緊張しています。たくさん観ていただけたらうれしいです。
亀田さん
素晴らしい映画に音楽を作り、音楽家として関わることができました。そして、いろいろな時間を、この素晴らしいキャストの皆さん・スタッフの皆さんと一緒に共有することができました。この喜びと感動を、皆さんにいち早くお伝えしたいです。どうぞよろしくお願いします。
三木監督
撮影現場でも感じていたんですが、道枝くんと生見さんが演じた春人と綾音が、すごく愛おしくて、どこか胸焦がされる切なくて愛おしい二人です。この作品の二人を、皆さんに早く観てほしいと思っていたので、今日を迎えることができて本当にうれしいです。
MC
ついに一般のお客さんがこの作品をご覧になる日がやってきました。今のお気持ちはいかがですか?
道枝さん
撮影は約半年前だったんですが、「いよいよこの日が来たか」っていう楽しみと、どういった反響をいただけるのかなっていう少しソワソワした気持ちです。この作品は、本当に皆さんの心に響く作品になっていると思うので楽しんでいただけたらと思います。
生見さん
この遠坂綾音を演じると決まってから今日までは、約二年ほどなんですが、「やっとこの日が来たか」というすごくドキドキした気持ちと、二年間背負っていたものがすごく大きな気がして、初めて作品の公開がとても緊張するというか、すごくドキドキしています。
MC
道枝さんにとっては、初の単独主演作品となります。
道枝さん
そうなんですよ。前回の「セカコイ」(「今夜、世界からこの恋が消えても」2022年公開/監督:三木孝浩/主演:道枝駿佑、福本莉子)の時はW主演だったんですが、今回は単独主演ということで、自分の初めての単独主演の作品が、こんなにたくさんの皆さんにこれから届いていくと思うとすごく楽しみですね。
三木監督
この作品の撮影に入る前に、「セカコイ」の時にご一緒していたので「あれから成長した姿を見せます」って、クランクイン前に宣言していたんですよ。
道枝さん
はい、宣言しました。
三木監督
自分でハードルを上げていたので、ぜひ進化した道枝駿佑を皆さんに観ていただきたいですね。
春人というキャラクターの本当に複雑な感情を、セリフじゃなくて表情で表現しているところ――「あぁ、春人は今こう思っているんだな」っていうのが本当に細かく表現されています。この表情をぜひ観ていただけたらと思います。
MC
前作(「今夜、世界からこの恋が消えても」)から四年ぶりに三木監督とのお仕事でしたが、三木監督との作業、作品作りはどういう感じなんですか?
道枝さん
何て言うんでしょう…。進化した姿というか、前回よりもステップアップしているのを絶対見せないといけないっていうか…。
三木監督
本当に自分にプレッシャーをかけるよね?
道枝さん
自分を追い込んで、そのハードルを超えないといけないという気持ちを、ずっと持ちながら撮影に臨んでいたんです。だから、撮影現場で、「これちょっと大丈夫だったかな?」と思って見たら監督がこう(親指を上げる仕草を)やってくださって…。そのサインがすごく安心材料になって、それを見たらすごくホッとするという…。
三木監督
僕は「セカコイ」の時に、道枝くんが持っている繊細さだったり素朴さという、素材としての良さ・魅力を持っているのを感じたんです。でも今回は、俳優としてのテクニック・技術が上がった部分を感じて、「あぁ、これは本当に成長を見せてもらえたな」と思っています。そこは有言実行で素晴らしいなと思います。
道枝さん
いや、…すごく照れくさいです。
「自分のお芝居はどう見えているのか?」「どうなんだろうな?」と思うことが常々あったんですが、今回こう言っていただけて、すごく自信にもなります。「セカコイ」からご縁が続いているのはすごく光栄なことだと思うので、今まで経験してきたことを活かすということを意識しながらやったんですが、こう言っていただけてすごくうれしいですね。
MC
生見さんにとっても本作は新たな挑戦だったと思います。
生見さん
歌とギターが全くの未経験だったので、作品に入る前に一年半ほどかけて教えていただいてから作品に挑むっていうのは、初挑戦でしたね。
MC
一年半っていうのは相当な期間ですけれども…。
生見さん
いや、全然足りないんですよね。長いようですごく短くて…。
亀田さん
でもね、本当にこの一年半でどんどんどんどん上昇カーブを描いていて、歌も良くなり、ギターも良くなる。しかも、その頑張っているところを見せないんですよね(笑)。そこがにくいところ(笑)!
三木監督
道枝くんもアーティストをやっているから、歌とギターをゼロからここまで持ってくる大変さって分かるじゃない?
道枝さん
そうですね。未経験からあのクオリティまで仕上げられたのはすごいと思いました。
三木監督
撮影中も「はい、大丈夫です」ってちゃんと伝えていたんです。でも、「そんな簡単にできるものなのかな」と思っていたら、クランクアップの日に、やっと全部荷物が降りたのか、泣いていてね。「そんなに重いものを背負っていたんだ」っていう申し訳ない気持ちもありつつ、それを見せずにここまでやってくれたことに、本当に感動しました。
道枝くんも、ライブのシーンでは、まさにアーティストとしてゾーンに入っている感じというか、むき出しで歌っているんですよね。役としての春人もそうだけれど、スタッフみんなが泣いていて、演じている“めるる”じゃなくて、綾音としてちゃんと生きているっていう感じですよね。本当に素晴らしかった。
生見さん
いやぁ、うれしい。ありがとうございます。
生見愛瑠としては未経験ですが、綾音はもうプロ級の才能を持つ女性だったので、そこにどう近づけるかっていうのは、確かに大変っていうか、葛藤ではありました。
MC
亀田さんは「君と見つけた歌」、「Wings」、「春の人」、「はるのうた」という劇中に流れる四曲を作られています。監督とはどんなお話をされながら曲を作っていかれたんですか?
亀田さん
今回の楽曲は、春人と綾音のセリフの代わりになったり、心の動きになったり、背景・情景・周りの人たちを映し込んだりと、「人生そのものを音楽に託していく」という感じが、音楽以上の役割があった感じです。
だから、ものすごく対話をしました。「ここはこういう風にしていこう」とか、僕の作った歌詞から脚本の方に少し手直しがあったりしながら、みんなで作品を高めていきました。本当にチームワークで作り上げていった感じがします。
三木監督
例えば、ボイストレーニングを亀田さんと一緒にやりましたが、生見さんの歌が一番映える輝くキーとか、こういう捉え方で一番魅力が出るというところを一緒にお話しました。これを綾音の曲に活かして曲を作ったんで、本当に一緒に作っていったという感じがありましたね。
亀田さん
歌のトレーニングは三カ月に一回ぐらい、僕と監督で観に行くんです。だから、生見さんは発表会を見に来られているみたいでしたね。
生見さん
そうなんです。スケジュールにあると、もうドキドキしてめちゃくちゃ緊張でした。
亀田さん
毎回上達しているから、こっちは心から「生見さん、すごく良くなった!」と拍手しているんですが、そのリアクションこそが発表会みたいで(笑)。
生見さん
緊張しました。
MC
道枝さんは楽曲を聴かれていかがでした?
道枝さん
僕自身もライブシーンで聴かせていただいた時に、今までの撮影の思い出とか、春人として生きてきた瞬間をすごく思い出して、本当に涙が流れてきて…。
三木監督
ライブの時の春人の表情めちゃめちゃ良いんですよ! もう溢れていて…。それを見て僕泣いていたもん。
道枝さん
段取りの時に綾音のライブシーンの曲を初めて聴いたんですよ。すごくグッときていたんですが、三木さんが「もう本番で良いよね」って…。
三木監督
フライングして、グッとき過ぎていたから。
道枝さん
「もう本番で良いよね?もう止めて!」って(笑)。だから、最初の一小節くらいしか聴けなかったんです。
亀田さん
イントロやん!
三木監督
あとは本番でね。
MC
ライブシーンで、ギターを持って歌うのはいかがでしたか?
生見さん
「こういう景色なんだ!」って、普段道枝さんが見ている景色を逆に見ているみたいな感覚でした。でも、あの時は本当に集中しすぎていたので、記憶があんまりなくて…。だから、作品が完成したのを見て「こんな表情していたんだ」って、自分でもびっくりというか、すごく新鮮な時間でした。
MC
道枝さんはアドバイスなどは?
道枝さん
アドバイスできるような感じじゃないんで! 「ギターの弾き方はこうした方がいいよ」とかそんなこと言っていないです!
でも、本当に綾音として生きてきて、「本当に綾音だ」と思うくらいキラキラしていました。だから客席から見て、ちょっと切なさもあり、うれしさもあるようないろいろな感情が湧き上がってきました。春人として、綾音に対しては一つの感情じゃなくて、複雑な感情を感じるシーンなんですが、本当にライブシーンを見てちょっと切なさとうれしさを感じました。
三木監督
そうなんですよ。今回、春人は好きな人が成長していくのを応援するだけじゃなくて、どこか持たざる者としての嫉妬だったり、もどかしさだったりを持っています。それを含めても、「好きだからこそ背中を押す」っていうところを、本当に見事に演じてくれたと思いますね。
MC
亀田さんはライブシーンをどのようにご覧になりましたか?
亀田さん
ステージさばきが本当に見事でした。ステージ上でギターを持つとか、間奏でお客さんを煽るとか、「もうこれ、ずっとやっていたんとちゃう?」と思ってしまうくらいでした。
でも、その時に楽屋に行って「頑張れや!」ってね?
生見さん
亀田さんが、私が緊張しすぎていたのを知って、自分の名前が入ったピックを本番前に「これをお守りとして持っていけば大丈夫だから」って渡してくれたんです。それをポッケに入れて本番に臨んだので、すごく緊張がほぐれました。
MC
でも、緊張しているようには見えないぐらいの素晴らしさで?
亀田さん
全然お守りはいらんかったかなっていう(笑)。
MC
春人と綾音が初めて一緒に作った「君と見つけた歌」のMVが公開されましたが、いろいろな感想が上がっていました。三木監督はどのように演出を?
三木監督
二人が最初に共作しているところで、お互いがお互いの役割、存在価値を見つけて「二人だからこそできた曲」っていうのを最初に披露するところなんです。
二人の合作である感じは、本編の中で演出としてちょっと分かるようにできています。それは見ていただいてのお楽しみなんですが、疾走感・思春期のもどかしさの爆発を亀田さんとお話をして…。
亀田さん
「えいや!」っていう初期衝動と、でもギターの弾き語りみたいな形でもちゃんと歌えるような曲にしようっていうことで、いろんな音楽の魔法を僕がちょっとかけています。
三木監督
頭のサビのつかみがやっぱり強いですよね。デモで聴いた時、最初のワンフレーズでグッとくる歌の良さがありました。
亀田さん
皆さん安心してください! 映画の中ではちゃんと綾音の歌が聴けますから。
三木監督
生見さんも聴いたと思うけれど、亀田さんのかわいい歌のバージョンがあるんです(笑)。
亀田さん
あります。僕、必ず歌うんです。
生見さん
激レアです。
亀田さん
それは流れません。流れたら事故ですから(苦笑)!
MC
二人が曲を作るシーンは、演じていても楽しかったのでは?
道枝さん
楽しかったですね。特に部室のシーンは、セリフもなかったのでアドリブでね。
生見さん
そうですね。
三木監督
一緒に作るシーンは「二人でやってきて!」ってね(笑)。
道枝さん
自由にやりました。
三木監督
もう春人と綾音になっていたんでね。
生見さん
楽しかったですね。セリフがないからこそ生まれる本当の笑顔というか…。すごく楽しかったですね。
道枝さん
お互い人見知りっていうのもあって、春人と綾音のように本当に徐々に距離が縮まっていった感じがします。
三木監督
本当に二人は人見知りでしたね。人見知りがダブル…ダブル人見知り。でも、それが良かったなと思います。
道枝さん
本当に徐々に距離が縮まって、曲を作っているところも何かそういう二人の空気感が出ているんじゃないかと思います。
MC
春人を演じるにあたって、役作りで大切にしたことは?
道枝さん
春人は本当に普通の少年ですよね。「セカコイ」の透(神谷透)は割と落ち着いた暗めの感じでしたが春人はそこまでじゃなくて、普通の少年です。学生時代から大人になるまでのグラデーションを演じ分けというか、学生時代は声をちょっと高くしてみたり、動きがクイックになっていたりとか…。
三木監督
もちろん順撮り(脚本の冒頭から順を追って撮影を進める手法)ができないので、年代に合わせてちゃんと演じ分けしてくれています。皆さんが観たらびっくりすると思います。
道枝さん
そこは意識をしながら演じていました。普通だからこそできることを見出して、割と自然体っていうかニュートラルな感じで演じたんです。でも、そっからどうしていこうかって考えた時に、そういうのがやっぱりハマるんじゃないかと思ったんで。
MC
監督ともお話を?
道枝さん
大人になるにつれて声のトーンをちょっと低くしようかなと思った時に、三木さんから「もうちょっと声を低くして」って言われたんです。共通認識が合っていたのでそれはすごくホッとしましたね。
MC
生見さんは綾音を演じる上でどういう部分を大切に?
生見さん
本当に今までで一番難しい役でした。でも、撮影に入る前に監督とも何度もお話をしました。一番印象に残ったのは「生見愛瑠が持っているの“陰”の部分を出してほしい」って言われたことですね。なかなか陰の部分を見抜かれるというか、自分で持っているとは思っていなかったので、自分も知らなかった部分を見抜かれて「そこを出してほしい」って言われたので「何を言っているんだろう…?」っていう(笑)。だから、「どういう風にやればいいんだろう?」と思っていたんです。
でも、クランクインして綾音をつかめた瞬間に「あぁ、これって自分でも持っていた部分なのかな?」っていうところを、撮影をしていく中で理解できていきました。それが何か新しい感覚で、すごく勉強になりました。
三木監督
生見さんって、すごく真面目だし優しいから、求められるものに対して一生懸命答えようとしちゃう人だと思っています。アドリブで自由に心の赴くままに、生見さんが「いいかな」って思っている感じでやってもらうと、本当に魅力的なんです。
本当に自信のなさからなのか分からないんですが、もっと自由に自分の思うままにやったら、本当に魅力的に見えるから、皆さんが知らない生見愛瑠が、この作品の中に映っていると思いました。
MC
最初は人見知りだったということですが、現場で二人で何か話し合ったりとかは?
道枝さん
お芝居のことはそんなに…。三木さんと一緒に話をすることはありましたが、それ以外は特に、他愛もない会話ですよね?
生見さん
はい。
道枝さん
でも、一週間以上会わないとリセットされるんですよ。
亀田さん
ゼロスタート?
MC
生見さんは覚えていることはありますか?
生見さん
何だっけな…? (道枝さんは)完璧に見えるじゃないですか。でも、少し抜けている部分が多いので、それが自然と現場を和ませてくれていました。
これは言っても良いか分かんないですが、途中まで自分が主演ってことを知らなくて…(笑)。
道枝さん
それはあんまり言わないでください!
生見さん
そんな主演っているの?って(笑)。
道枝さん
それは言っちゃダメだ(苦笑)!
W初主演だと思っていたんです! 二人の話なので、「W主演なんだろうな」って思っていたら単独主演だったっていうのを撮影中に気づきました。
生見さん
「僕、主演なんですか?」って、撮影中に言うんですよ。しかも、結構終盤の撮影の時に…。腰の低い座長だなって思いました。
道枝さん
腰は低くないやろ(笑)!
三木監督
道枝くんは前に出るタイプじゃないからね。「セカコイ」の時にも思ったんですが、みんなを包む感じというか、柔らかく包んでくれる感じなんですよね。だから、そのエピソードを聞いて「これこそ道枝くんの良さだな」と思いました。作品を良くするために、「自分が目立てばいい」じゃなくて、自分ができることをやる人なので、そういうことなんじゃないかなっていう気はしますけどね。
MC
亀田さんから何かお伝えしたいことがあるとか?
亀田さん
生見さん頑張ってきたからね。
生見さん
え? 何、何?
亀田さん
一年半、生見さんはギターを練習してきたので、そのギターを誕生日プレゼントとして!
生見さん
いいんですか? うれしい!
亀田さん
(ギターの裏に)メッセージもあります!
生見さん
うれしい! ありがとうございます。
亀田さん
すごく頑張ったもん!
生見さん
ギターを見たら「懐かしい!」って思いました。(ギターについたキズを見て)本物だ! 懐かしい!
■道枝さんが、マイクをサポートしながら生見さんがギターを肩から掛ける。
道枝さん
全然大丈夫です。僕は綾音のサポートで(笑)。
生見さん
懐かしい! このキズは走って落とした時のキズですよね。
亀田さん
弾いてください。
生見さん
弾きます。ありがとうございます。うれしい!
良かった買わなくて(笑)。
MC
最後に、これから本作をご覧になる皆さん、そして公開を楽しみにしている皆さんに一言ずつお願いします。
生見さん
これから観ていただくということで、とても緊張しております。私は、この綾音という役に出会えて本当に心から良かったなと思っています。春人と綾音が描くドキュメンタリーのような10年間の素敵な映画を、ぜひ楽しんでいただきたいです。 私自身が今できる全力をつぎ込んだ、踏み込んだ作品になっております。ぜひたくさん観てください。ありがとうございました。
道枝さん
お互いを思うことの大切さや二人が大きな愛で支え合って、「何を遺したかったのか」「何を遺したのか」が映画を観ていただけたら分かると思います。皆さんにとってすごく大事な人と観てくだされば、心に残るものがいっぱいあると思いますので、ぜひとも皆さん楽しんでいただけたらと思います。ありがとうございました。