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「きみの色」ジャパンプレミア

2024.07.03
  • イベント

ジャパンプレミア

『映画 聲の形』(2016年公開)「映画けいおん!」(2011年公開)の山田尚子監督×脚本:吉田玲子×音楽:牛尾憲輔による青春×音楽映画「きみの色」は、8月30日から公開となります。
アヌシー国際アニメーション映画祭2024長編コンペティション部門出品、第26回上海国際映画祭金爵賞アニメーション最優秀作品賞を受賞し、7月3日、本作のジャパンプレミアをイイノホールにて開催しました。イベントには鈴川紗由さん、髙石あかりさん、木戸大聖さん、やす子さん、寿美菜子さん、山田尚子監督が登壇しました。全世界209の国と地域で配給が決定という朗報続きの同作、こちらのイベントの模様を詳しくレポートします。

日暮トツ子役

鈴川紗由さん

日暮トツ子役

作永きみ役

髙石あかりさん

作永きみ役

影平ルイ役

木戸大聖さん

影平ルイ役

百道さく役

やす子さん

百道さく役

八鹿スミカ役

寿 美菜子さん

八鹿スミカ役

山田尚子監督

MC

先日行われたアヌシー国際アニメーション映画祭長編コンペティション部門ノミネート、そして第26回上海国際映画祭の金爵賞アニメーション最優秀作品賞を受賞しました。この金爵賞を日本映画が受賞するのは、五年ぶりになります。(会場:拍手) 世界中から評価され、待ち望まれている本作が、本日国内初お披露目となります。

鈴川さん

今日は待ちに待ったこの日を迎えることができてうれしい気持ちでいっぱいです。たくさん「きみの色」の魅力がお伝えできればと思います。

髙石さん

国内初上映ということで、すごくうれしく思っております。このように素敵な浴衣を着て舞台に立ててとてもうれしく思います。

木戸さん

今日は、暑い中会場にお越しいただきありがとうございます。本日登壇した中で唯一の男性です。こういう状況を黒一点と言うそうですが、すごくうれしい気持ちです。今日は、楽しんでいただけたらうれしいです。

やす子さん

最近は、近所の小学生に「軍人」と呼ばれています、やす子です。今日は、素敵な時間にしましょう。

寿さん

本日、国内初上映の会に参加できて、本当に幸せです。

山田監督

皆さん、今日は本当にお集まりいただいてありがとうございます。すごく緊張しております。皆さんに気に入っていただけますようにと思い、願うばかりです。

MC

まずは監督、先日の上海国際映画祭で最優秀作品賞にあたる金爵賞の受賞、誠におめでとうございます!

登壇者の皆さん

おめでとうございます!(会場:拍手)

MC

アヌシー国際映画祭でも公式上映がありました。世界中のお客さんにご覧いただいて、反応はいかがでしたか?

山田監督

たくさん笑っていただいたり、手拍子を打っていただいたりと、すごく前のめりに楽しんでもらえたと思います。私も一緒に上映を観たんですが、皆さんが楽しんでいるのが分かる、素敵な時間でした。

MC

上海ではチケットも即日完売だったそうです。

鈴川さん

もう驚きですよね。率直に「すごい。さすが山田尚子監督だ」と思いました。そのような作品に、トツ子として携われて本当に幸せだと思います。日本だけではなく、世界に届けられたというのが、また素敵だと思いました。

髙石さん

改めて、こんなにすごい作品の一部になれたことがうれしかったです。しかも、「世界に!」というワクワクもあります。なので、国内の皆さんにも「観てほしい!」という気持ちが高まりました。

木戸さん

僕もニュースを見ました。金爵賞が発表された瞬間の映像が流れて、その時の山田監督の表情がすごく驚いていました。そのニュースを見た時に、海外の方に観てもらえて、刺さったんだと僕自身にも実感が湧きました。
改めて、山田監督おめでとうございます。

MC

木戸さんがおっしゃったように、受賞の瞬間は何が起こったのか分からないような感じだったんですか?

山田監督

分からないんですよ。事前にこっそりと教えてもらえるものかと思っていたんですが…。
今も緊張して足がずっとつっています。カリウム摂ったほうが良いかな。話がそれてしまってごめんなさい。

MC

改めて、トロフィーを受け取った時のお気持ちはいかがでしたか?

山田監督

すごく重かったです。トロフィーそのものも重たかったですが、みんなで取った賞なので気持ちがグッと更なる重みになっていたと思います。本当にうれしかったです。

MC

アヌシー国際アニメーション映画祭ではサイン会も行われ、300人を超える長蛇の列もできるほどの大盛況だったそうですね。海外のファンの方々とお話をされたりしましたか?

山田監督

作品を観た感想を、熱を持って教えてもらいました。「きみの色」のキャラクターの絵を描いて持ってきてくれた人もいました。びっくりしましたが、すごくうれしかったです。今日その絵を、持ってくれば良かったですね。(キャストの皆さんに向かって)今度!
そんな感じで、楽しいとうれしいがたくさんありました。

MC

音楽のシーンでは、会場の皆さんがリズムに合わせて拍手をしてくださったそうですね。

山田監督

そうなんです。リラックスして観てくれている気がしました。

MC

やす子さん、山田監督の世界でのご活躍を聞いていかがですか?

やす子さん

私、X(旧ツイッター)で唯一通知をオンにしているのが、「きみの色」の公式アカウントと、ゆってぃさんなんです。
本作が日本では公開する前だったのに、すでに世界で評価を受けていること、そしてその作品に関われたことがうれしかったです。その光景を皆さんと一緒に味わえたことにもすごく感動しました。世界には、とにかく明るい安村さんが先に行っているので、「きみの色」は、打倒とにかく明るい安村さんということで、皆さん布教をよろしくお願いします。(会場:拍手) 拍手をありがとうございます。

MC

寿さん、いかがでしょう。

寿さん

山田監督の作品は、「世界に羽ばたくんだな」と今回のことで改めて再確認しました。私も記事で、皆さんがスタンディングオベーションをしている写真を見ました。山田監督にはすでにお話をしたのですが、次の日に、山田監督と一緒にプールに行く夢を見ました。二人で一緒に遊びに行くような夢を見るぐらい「監督おめでとう!」って、心の中でずっと思っていました。

MC

本作をこれからご覧になる皆さんは、ワクワクが止まらないんじゃないかと思います。
本日は、いよいよ日本のお客さんに初のお披露目となるジャパンプレミアです。監督、今の率直なお気持ちはどうでしょうか。

山田監督

やっぱり日本で作って日本の方に観ていただくのがすごく大事だと思っています。なので、すごく緊張しているというのが正直なところです。

MC

そして、鈴川さん、髙石さん、木戸さん、やす子さんは、声優初挑戦となりました。ご自身のキャラクターや本編で、「ここに注目してほしい」というポイントはありますか?

鈴川さん

トツ子は、いつも明るくて周りを巻き込んでいくキャラクターなんです。すごくポップでかわいらしくて、観ている誰もが「トツ子、かわいい!」と思うような魅力があると思っています。
観てほしいポイントは、トツ子が、大好きなきみちゃんやルイくんと一緒にバンド活動をするんですが、その集大成のライブシーンです。牛尾さんの音楽と、山田監督の美しい色がぐっと詰まっていて、観るだけで感情があふれ出てしまうような魅力があります。観ていただかないと伝わらない感動だと思うので、ぜひ楽しみにしていてください。

髙石さん

ライブシーンにはすごく感情が高ぶりました。すごく美しかったです。この作品の魅力は、例えば(髙石さんの演じた)きみでいうと、自分の内面をあまり上手に表現できない女の子なので、それが少しトツ子やルイの前で見え隠れする瞬間を、山田監督がすごくキラキラと美しく表現してくれるところです。キュンとしたり、恥ずかしいと思った瞬間を絵に描くと「こんなにきれいなんだ!」と思うくらい素敵なシーンになっています。ぜひ感情が高ぶってあふれているシーンを観ていただけたらと思います。

木戸さん

初号試写で本作を観ました。作品が始まった瞬間に客席を包み込んでくれるので、作品の世界に入り込めました。最後まで音楽と色によってできあがる「きみの色」の世界を楽しんでもらえたらうれしく思います。
ルイは、すごく物静かで優しい男の子なんですが、二人と出会って仲間と音楽をやっている時のルイくんが少年のように無邪気になるあのかわいさを、ぜひ注目して観てもらいたいです。

やす子さん

私は、さくちゃんを演じました。優しくて、もちっとしていて、愛嬌があるので、「こういう友だちがいたら癒されるよね」っていう存在です。
本作は、思春期に観たらぶっ刺さりそうです。もちろん、大人になってから観ても「こういう時期があった」と、めちゃめちゃ共感できると思います。そして、本作を観終わった後に、普段は素直に言えない感情を、誰かに伝えたくなったりすると思います。だから、私も本作を観終わった時にマネージャーさんに素直になろうと思って、「お休みください」って伝えました。今のところお休みはないです。はい~。
素敵な心を動かされて、老若男女全員の心を打つ素敵な作品なので、しっかり観てください。

MC

寿さんと言えば、山田監督作品にはなくてはならないキャストだと思います。寿さんからご覧になった山田監督の魅力、そして「きみの色」の魅力を教えてください。

寿さん

そう言っていただいて光栄です。山田監督と出会ったのは15年前ぐらいになります。それからはいつも見守るというか、勝手に追いかけているような気持ちです。
山田さんは、とにかくキャラクターたちのことを愛しているので、「この子のことが好きだな」「この子のこういうところがかわいいんだよ」と、いつもアフレコの時に教えてくれます。こんなにも素直に、良いところ、好きなところを伝えられる人っているんだと、本当に感動したのが最初でした。その山田さんの「好き」が、今回も「きみの色」の中に色とりどりに詰め込まれていると思いました。山田さんが、今回オリジナルで取り組む音楽シーンはどんな感じになるのかを期待していました。観たら、期待のはるか上、斜め上を超えるような素敵な作品になっていたと思いました。(会場:拍手)

MC

監督からご覧になった寿さんの魅力はいかがでしょうか?

山田監督

今、話してくれたように、私と寿さんは15年ぐらいの付き合いになります。「私、寿のこと知っている!」みたいになって申し訳ないですが、まだ制服を着ていてかわいい子、しっかりして美しくて、全てを兼ね備えている人だと思っています。なので、お話をするたびに緊張していました。でも、すごくフラットな方なので、安心できるし今となっては勝手にお父さんとか親戚のおじちゃんみたいな気持ちになっています。

寿さん

うれしいです。

MC

今回、また寿さんにお願いした理由は何だったんでしょうか?

山田監督

やっぱり安心感ですね。あと、スミカのキャラクターデザインの美しい良いギャル感みたいなところが、寿さんと合っているのかまたはミスマッチなのか、どっちに転ぶのかがすごく面白そうだと思いました。

寿さん

監督は、キャラクターを演じている人の「似ているところ」をよく言っていたから、「スミカとどこか似ている部分を見つけてくれたのかな?」と想像していました。

山田監督

「どっちだろう?」っていう、探る気持ちが楽しかったです。どんな状態でも安心はすでに寿さんにはあるから!

MC

寿さんからご覧になって、初声優の四名の皆さんはいかがでしたか?

■「怖っ!」と、緊張した様子で寿さんから距離をとる鈴川さん、髙石さん、木戸さん、やす子さん。

寿さん

ラインナップには戸田恵子さん(きみの祖母・作永紫乃役)もいらっしゃる作品ですが、一応この中では唯一の声優ということで…皆さん本当に素敵でした。森の三姉妹の七窪しほを演じている声優の悠木碧ちゃんとも話したんですが、本当にナチュラルにキャラクターが生きていました。ね、監督?

山田監督

(うなずく)

寿さん

碧ちゃんと話していたのが、「テンプレートとか、自分が型にはめてやっていたようなことも、全部度外視して、皆さんが良い演技をされていた」ということです。「超学んだよね」と言っていました。なので、楽しみにしていてください!

鈴川さん&髙石さん&木戸さん&やす子さん

うわ〜。うれしい。

MC

皆さん、安心して立ち位置に戻ってください。

MC

やす子さんは、今回は大好きな山田監督とご一緒していかがでしたか?

やす子さん

めちゃくちゃ良かったです。「映画けいおん!」がきっかけで、ギターを始めて、キャラクターのギターピックを集めていたので、ものすごくうれしかったです。と同時に、本当に好きだからこそ、「自分のような一素人でぺえぺえの芸人が、こんな偉大な作品に入って良いのかな?」と思いました。でも、アフレコの時も優しく「自由にやって良いですよ」と言っていただきました。おかげで、のびのびとできました。本当に感謝でいっぱいです。
ここでは、一切ボケません!! ちょっと拙いところもありますが、温かい目で見ていただけるとうれしいです。

MC

本日は夏らしく皆さんには浴衣でお越しいただきました。本当に素敵ですね。(会場:拍手) 今回の浴衣の色は、それぞれ皆さんの演じたキャラクターにちなんでいます。そして、今日は7月3日ということで、もうすぐ七夕です。七夕と言えば願い事ですよね。そこで、皆さんの願い事を短冊型フリップに書いていただきました。

■一斉にフリップを見せると、お互いの願いを見てワイワイと始める登壇者の皆さん。

■鈴川さんの願い事は【バンドを組みたい!!】

鈴川さん

「きみの色」が大ヒットしてほしいのはもちろんですが、本作にちなんで、バンドを組みたいと思いました。高校生の時からずっと組みたいと思っていたんですが、なかなか一歩を踏み出せなかったんです。今回、「きみの色」で擬似体験ができたので、これをきっかけにバンドをやりたいと思って書きました。

■髙石さんの願い事は【お芝居で自分の色を見つけられますように】

髙石さん

本作ですごくいろんな学びがあって、お芝居で「自分の色」を探していきたいと思っています。本当に、たくさんお芝居のことも学ばせてもらったので感謝しています。ありがとうございます。

山田監督

髙石さんの色は、言葉にならないくらいキラキラとまぶしかったです。

■木戸さんの願い事は【大きな花火を打ち上げたい!!】

木戸さん

これは本当に花火を打ち上げるということではなくて、仕事でもプライベートでも、「大きなものをいっぱい作っていきたい」という思いです。夏なので、こういう風に書きました。

MC

やす子さん、木戸さんに何かアドバイスをお願いします。

やす子さん

ヤケドをしないように!(会場:笑)

木戸さん

気をつけます! ありがとうございます。

やす子さん

はい~!

MC

次は寿さん、お願いします。

■寿さんの願い事【やまだかんとくとごはんにいきたい】

寿さん

前回ご飯に行ったのがだいぶ前ですよね。五年前ぐらい?

山田監督

すぐ行けると思う! そうですね。京都で!

寿さん

「きみの色」の大ヒットをお祝いして…、(登壇者に皆さんに向けて)みんな、行きたいですよね?

登壇者の皆さん

はい! 行きたいです。

山田監督

うれしい! 良いきっかけをいただいて、ありがとうございます。

■山田監督の願い事【ひとやまあてたい】

寿さん

よいしょ〜!

山田監督

皆さんより歳を重ねた結果、こんなことを思うようになってしまった。
……これしか浮かばなかった。

やす子さん

この世界は、数字が大事ですから!

鈴川さん

すぐ叶うと思います!

■やす子さんの願い事【(この世から)ドッキリの仕事が無くなりますように】

やす子さん

頭に、「この世から」の一言をつけ忘れました。一応、ホラー系とかジェットコースターはNGにしているんですが、マネージャーさんがそういう仕事を入れてきやがるんですね(笑)。なので、「短冊に書いたら叶うだろう」と思ってこう書きました。

MC

実は、お話する順番を、わざとやす子さんに言わないというドッキリをしかけてみました!

やす子さん

ドッキリ?!
でも、こういう優しいドッキリが増えたら良いのにな。この間は、爆破されましたぁ~。(会場:ザワつく)

■上海国際映画祭金爵賞のトロフィーを鈴川さんが持ってフォトセッション。

MC

「きみの色」は、全世界209の国と地域で配給が決定しました!(会場:拍手) また、主題歌を担当するのはMr.Childrenさんです。本作のために描き下ろした「in the pocket」にも皆さんぜひご注目ください。
それでは最後に山田監督からご挨拶をいただきます。

山田監督

今日は、本当にたくさんの方にお集まりいただいてありがとうございます。本作を観ていただく前なので、なかなか不思議な空気ではありますが、リラックスして楽しんで観ていただけたらと思います。