『ほどなく、お別れです』初日舞台挨拶
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初日舞台挨拶
「小学館文庫小説賞」の大賞受賞作で、現在累計80万部を突破している長月天音の「ほどなく、お別れです」シリーズ(小学館文庫刊)を映画化した「ほどなく、お別れです」が2月6日に公開を迎え、TOHOシネマズ日比谷にて舞台挨拶が開催されました。
浜辺美波さん、志田未来さん、西垣匠さん、永作博美さん、夏木マリさん、三木孝浩監督が登壇して、作品への思いを語りました。また、この日は欠席となったもう一人の主演である目黒蓮さんから手紙が届き、三木監督が代読し、会場は感動に包まれました。こちらの舞台挨拶の模様をレポートいたします。
浜辺美波さん
清水美空役
志田未来さん
久保田理恵役
西垣匠さん
長野翔一役
永作博美さん
清水美波役
夏木マリさん
清水花子役
三木孝浩監督
浜辺さん
皆さん、初日から劇場に足をお運びいただき本当にありがとうございます。たくさんの温かい感想が私たちの元に届いていて、心がとても温かくなっています。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
志田さん
本日はお忙しい中ありがとうございます。私自身、今日は映画の中でご一緒できなかった皆さんとお会いできて、とってもうれしいです。短い時間ではありますがよろしくお願いいたします。
西垣さん
本日はありがとうございます。こんな素敵な作品の一員として参加できて本当にうれしく思っています。今日、皆さんの顔をこうやって見られるのも、すごくうれしく思います。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
永作さん
たくさんお越しいただきましてありがとうございます。母役を演じました。見えない優しさや、思いや愛情ってたくさん隠れているんだなっていうことを、ぜひ明日からもっともっと感じていただけたらうれしく思います。少しの間ですがよろしくお願いします。
夏木さん
今日は皆さん、お忙しい中ありがとうございます。美空のおばあちゃん・花子を演じました。皆さんが観終わった後の舞台挨拶って、ちょっとドキドキしちゃってね。今日は短い時間ですが、楽しい時間になったらいいなと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
三木監督
初日に、こうやって舞台挨拶にお越しいただきまして本当にありがとうございます。もう一年前に撮った作品ですが、やっと皆さんの元にお届けできてうれしく思っております。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
MC
先ほど監督が「一年前に撮影した」とおっしゃっていましたが、浜辺さんは、「葬祭プランナー」という、ちょっと馴染みのない職業に就いて、新人から成長していく役柄でした。なかなか馴染みのない職業なので、難しい点もあったんじゃないかと思います。こうして無事に初日を迎えられて、今のお気持ちはいかがですか?
浜辺さん
私は葬祭プランナーとして作品に参加をしていましたが、ご遺族役の俳優さん、故人役の俳優さん、そして私の家族(清水家)…。どなたも本当に素晴らしくて、心が動かされる温かさがありました。お芝居の力みたいなもので、撮影中に思わずもらい泣きをしてしまいそうなくらい、ずっと感激をしていました。なので、撮影の段階から公開が本当に待ち遠しかったです。三木さんと同じ思いで、「やっとこの日を迎えられたな」と、とてもうれしく思っています。
MC
先ほども「いろいろな感想がすでに寄せられている」とおっしゃっていましたが、皆さんどうぞ後ろのバックボードをご覧ください。
こちらは、1月13日に行われた完成披露試写会にご参加いただいたお客さんに、大切な人へのメッセージを書いていただいたものです。細かくて読むのに時間がかかっちゃうかと思いますが、何か気になるコメントは、ございますか?
浜辺さん
こういう付箋のメッセージって「良かった」とかの一言だけかなと思っていたのですが、皆さん長文で細かく書いてくださって愛を感じますね。
永作さん
私、読んでも良いですか?
【悲しい映画ではあるけれど、「ほどなく、お別れです」は少しの間お別れするだけで、またいつか会える言葉でもあるということが素敵だなと思いました】という風に書かれています。この「ほどなく、お別れです」っていうタイトルにもちょっとグッときますよね。私も同じ思いを感じました。
夏木さん
亡くなった方への思いもありますが、これから死に直面して、生きなければならない人間の気持ちを、とてもこの映画は描いていると思います。
【本当に一度きりの人生を悔いなく生きようと思いました】という言葉に、全部詰まっているような気がしましたね。
浜辺さん
私はどれにしようかな…全部が素敵で…。これだ!
【大切な家族へ。いつも味方でいてくれてありがとう】って、なんか温かいですね。この作品を観て「ありがとう」って伝えたくなったっていうことじゃないですか? そういうのも、感想の一つとしてとっても素敵だなと思いました。
MC
作品について、改めておうかがいしていきたいと思います。
志田さんは、この作品の舞台挨拶には初参加となります。今回の役は、自分の子どもを亡くすという辛い役柄だったと思いますが、どのような思いで演じられましたか?
志田さん
本当に難しかったです。もちろん台本を拝見した際に涙なしでは読めないシーンが多かったのですが、自分がそれを演じるとなった時に、「どうしたらこの切なさや悔しさ、温かさなどのいろいろな思いを乗せられるのだろう?」と、とても悩みました。その答えが出ないまま現場に向かったのですが、美波ちゃんや目黒さん、スタッフの皆さんが、空気感を作ってくれて、支えてくれました。自分が意識せず、頑張って役作りをしなくても、本当にその空気感に助けられて、演じられたな、というのをすごく感じています。
MC
浜辺さんは志田さんとのシーンはいかがでしたか?
浜辺さん
ご一緒できたことが光栄でした。ずっと集中されていて、葬祭プランナーは「泣いてはいけない」「常に冷静に葬儀を全うする」という役目があるのですが、志田さんと渡邊(圭祐)さんのお芝居を観ていると、心が本当に苦しくなってしまいました。「何かできることはないのか?」と思ってしまうような、素晴らしいお芝居で、勉強になりました。
小さい子を亡くされたというエピソードは、たくさんの方に共感していただけるエピソードになっていると思いますが、同時にとても苦しい思いになると思います。でも、最後の送り出すシーンでは、全ての大きな悲しみを少しだけ温かく、送り出している気がしています。私自身も撮影で本当に苦しい気持ちを分け与えられていましたが、少し前を向けるご葬儀になったんじゃないかと思っています。
MC
志田さんは、浜辺さんと目黒さんとの共演はいかがでしたか?
志田さん
お二人ともとても温かい目で、優しく包み込むお芝居をしてくださいました。演じやすかったです。撮影が終わった後に、美波ちゃんが美味しいお菓子の詰め合わせセットをくれたりして、癒されました。
浜辺さん
ずっと感情的なお芝居をされていたので、頭痛もあるだろうし、精神的にも体力的にも本当に大変だろうなと思って、少しでもカロリーを、と思いました。本当にすごいなと思います。私は、体中の水分が抜けていました。
志田さん
しょっぱいお菓子をいただいたので、塩分が摂れて良かったです。
浜辺さん
本当にありがとうございました。ご一緒できて光栄でした。
MC
西垣さんも大変な役でした。撮影での印象深い出来事やエピソードはありますか?
西垣さん
僕、実際に久保(史緒里)さんくらいの年齢の妹がいるんですよ。四人家族で、僕は高校生の時に父が単身赴任で東京に行っていたので、地元の石川で母と妹の三人暮らしみたいな感じでした。それに、名前も役名の翔一と匠(しょう)で似ていますし、妹の名前も(久保さんの役名)玲奈と似ているんですよね。そういう共通点がたくさんあったので何かご縁というか、この役を演じられることがうれしいなって思いながらやっていました。
MC
今回、霧ヶ峰でのシーンがありました。浜辺さんもこのシーンはご出演されていましたが、いかがでしたか?
浜辺さん
まず霧ヶ峰公園が本当に美しくて、他の葬式会場だと、参列者の方がたくさんいることが多いのですが、霧ヶ峰のご葬儀は、他の参列者の方がいなかったので、本当に壮大な雪景色の中でご葬儀だけという、その景色さえも幻想的で、とっても胸に迫るものがありました。西垣くんとは共演が二回目(「六人の嘘つきな大学生」2024年公開/出演:浜辺美波・赤楚衛二ほか)だったんですが、今回の役もとっても素敵でした。葛藤しながらお父さんと触れ合う…という役柄が、何だか若い子たちに共感をしてもらえるような設定で、見ていて愛らしくもあり、最後の送り出す時の表情は感動しました。
西垣さん
ありがとうございます。前回は嘘ついている大学生の役だったんですけど…(笑)。
浜辺さん
端的だなぁ(笑)。
西垣さん
今回は、以前の作品の時とは、立場も違えば、本当に「初めまして」という間柄の役だったし、僕は最初ツンケンする役でした。なので、前作の撮影で築いた仲の良さは一旦忘れて、よそよそしい感じで演じました。
MC
今回は、清水家の祖母、母、娘の三人がステージに揃いました。夏木さんと永作さんは、葬祭プランナーとしての美空ではない、孫&娘として接するシーンでしたが、いかがでしたか?
永作さん
ご覧の通り人懐っこいというか、キャッキャしているんですよね。そうかと思うと、本番になるとスーッと役に入っていく、そんな様子を見ながら、「娘だ」と思いながらも「役者としてもたくましいな」と思って見ていました。
私は、今回初めてご一緒しましたが、お芝居がとても楽しく、気持ちよく入ってきたので、うれしかったです。
夏木さん
私はもう本当の孫のようにかわいくて、かわいくて…。私の部屋に入ってくるシーンがあるんですが、私自身が浜辺さんに癒されていました。私は、人生の先輩として「葬祭プランナーをやりんさい」って後押しする、背中を押す役割だったのですが、本当に応援したくなるんです。現場では、彼女は監督の難しい注文を「かしこまりました」って全部クリアするんですよ。もう天才だなと思って…。人気がある理由が分かりました。私も、ご一緒するのは初めてだったんですが、女優さんとして素晴らしいと思って勉強になりました。
浜辺さん
本当にありがたいです。お二人とは、初めての共演でした。でも、私がこんな感じで…分かりにくいかもしれないですが(苦笑)、夏木さんと永作さんのことが本当に大好きなんです。
家族として共演できて、お二人には助けられた部分が多いです。今回の作品では、仲は良いのですが、お母様とはちょっとわだかまりがあって、ちょっと壁があるような役どころでした。逆に、おばあちゃんとは距離が近くて、部屋にお邪魔するくらいなんです。仲が良い家族であることを、どうやって皆さんに分かっていただけるようなお芝居をするか?と、悩んでいたのですが、現場に行くと、お二人がその空気感を作ってくださっていました。おかげで、私は現場に行くだけで、引っ張ってもらえたので、感謝しています。
お芝居をしているところ以外でも、学びになることをたくさん教えていただきました。それが今回の財産の一つです。ご一緒できて光栄でした。
MC
浜辺さんの演じた美空は、ラストの川べりでの見送りシーンで、区切りの言葉である「ほどなく、お別れです」を初めて言います。これは、本当に万感の思いがこもった言葉だったと皆さん感じていると思います。どのような思いで演じられましたか?
浜辺さん
あのシーンは、監督と現場で結構お話をしました。撮影をする前にも、プロデューサーさんと「言い方をどうするか?」「どれぐらい感情を出すか」という相談を重ねる機会が多くて…。
三木監督
でも、あそこは、「最後は任せたい」と思ったんですよね。
もちろん、いろいろな家族が出てきて、それぞれ悲しいエピソードがあるので、皆さん役として大変です。でも、実は美空は違う意味で大変な役なんです。全部の家族を見届けて、受け止めて、この作品を観ているお客さんに同じように感じてもらうっていう…。だから、最初に「あまり役作りをしたり、作り込むのではなく、その場でご遺族の方々のお芝居を見て感じることを大事にしてほしい」って言ったんです。でも、それはそれで志田さんのお芝居を見て辛くなったりして、美波ちゃんは辛いお芝居が続いたと思います。でも、それを託せて良かったと思えました。最後のあの一言に、その全てが出てくるお芝居になったのではないかと思います。最後は美波ちゃんに任せて良かったなと思いました。
MC
永作さん、夏木さんは、浜辺さんの「ほどなく、お別れです」という言葉をお聞きになっていかがでしたか?
永作さん
あの…「すごっ!」と思いました。それから、あのセリフの時は、「きた!」とも思いました。何度かやり直していましたが、最後の「OK」が出された時の演技がすごく好きだったので、それが本編で使われていてうれしかったですし、最高でした。
夏木さん
私はもう死んでいますのでね(笑)。
MC
スクリーンでご覧になっていかがでしたか?
夏木さん
あ、スクリーンで観てね?
MC
あの時はお聞きになれていないかと思うので…。
夏木さん
いや、(棺の)中で聞いていましたよ。聞いた時は、すーっとあの世に行ける感じでした(笑)。もう、素晴らしいです。数々のお葬式を執り仕切って、最後に一人前になって言うセリフですからね。私なんかもう、あの川べりで、すーっと逝けましたよ。おかげさまで、ありがとうございました(笑)。
浜辺さん
うれしいです(笑)。
MC
三木監督、本作には様々なお見送りが描かれております。誰にでも別れは訪れるものですが、今回はその先にある希望も描かれた作品となっていました。監督として、改めてどのような方にご覧いただきたいですか?
三木監督
そうですね。もちろんたくさんの方に観ていただきたいですが、SNSとか書き込みで見たのが、「最近、大切な人を亡くしたので観たいけれど躊躇してしまう」とか、「ずっとその傷が癒えてなくて…」という方々の声でした。実は、その傷の深さは、その大切に思う人を思う愛の深さとイコール(同じ)だと思うんですよね。
この作品は、その人がいてくれて「自分の人生、良かった」と思えるような、愛を確認できる作品だと思います。傷を引きずって辛い思いをして生きていくんじゃなくて、その人の思い出を大切にしながら前に向けるような、そんな作品になっていると思います。
もちろん、その方の気分や気持ちもありますが、ちょっと辛い経験をした人にも、ぜひ観ていただきたいと思います。
MC
三木監督、実は本日、お客さんや浜辺さんをはじめ、皆さんへのお手紙を預かっているとお聞きしました。
三木監督
今日、この場に立てなかったもう一人の主演の目黒蓮さんからのお手紙を預かっていますので、僭越ながら代読させていただきます。
【目黒さんの手紙】
舞台挨拶にお越しくださったみなさん、ありがとうございます。目黒蓮です。
そして、浜辺さん、志田さん、西垣さん、永作さん、夏木さん、三木監督にも本当に感謝しています。
この作品に参加させて頂いて、思うこと、その場にいたら伝えたかった自分の想いをお手紙になりますが伝えさせて下さい。
今回、この作品に参加して一番に感じたことは命の尊さ、今、生きていられることの奇跡です。
この作品に出会う前から、僕は死んだあとどうなるのか、もし死後の世界があるとするなら大切な人との待ち合わせ場所を決めて約束したいということを考えることがありました。
死というものは、非現実的なイメージですが、実際は全ての人にとって現実にあるもので逃れられません。
だからこそ、自分や誰か大切な方との別れで、少しでも悲しみが減るような、希望を持てるような考えを持つことが救いになるのかもしれないと思っています。
この作品は、かなしみだけじゃない、いつかの希望になる物語だと思います。
僕自身、かなしい別れを経験したことがあります。
かなしくて、どうしようもない気持ちになっても実際にこの作品が希望になったお別れもありました。
お別れの前に関わった時間や、その方がどう生きてきたか思い出したり、またいつかどこかで会えるまで自分自身、悔いなく生きようと思ったし、色々な方法で命を繋いでいくことができると思っています。
僕達は、必ずお別れをします。
そんなときに故人様、ご遺族の方としっかり向き合ってくださる葬祭プランナーという職業があること、希望が込められたお別れの儀式が存在することを知って頂きたいです。
お葬式というものを、結婚式のように楽しみにするのはやっぱり難しいですが、僕は美空や漆原、坂東会館のような愛を込めて作ってくれる最期のお別れの場所があると思うと、少しだけ希望と、あたたかい気持ちになれます。
この映画をみてくださる方、みてくださった方の中にも、かなしみの中にいる方がたくさんいると思います。
作品をみて、色んな感情を持つと思います、色んな涙を流すと思います。
だけどその中に、少しでも希望やあたたかい感情が生まれればいいなと思っています。
公開終了まで「ほどなく、お別れです」をどうかよろしくお願いします。
誰もがいつか経験するお別れの日に、一人でも多くの人がいつかのための、希望を持てるお守りとして、この作品を繋げていけたらと思います。
だけど、ひとまずは!今この瞬間ここにいるみなさん、一緒に生きていられることを楽しんでいきましょう!!!
なんでもない、だけど奇跡で特別な日をめいっぱい楽しみましょう!
今日は本当にありがとうございました。
目黒蓮
浜辺さん
目黒さん、素敵なお手紙をありがとうございます。目黒さんの誠実なお人柄がお手紙にも出ていますね。その人柄が、漆原さんという役にも、そして作品にも反映されているんだなとしみじみ感じました。
MC
それでは最後になりましたが、浜辺さんから本日ご覧くださった皆さん、そしてカメラの向こうで作品を楽しみにしてくださっている皆さんにメッセージをお願いいたします。
浜辺さん
改めまして、本日はお集まりいただき、ありがとうございました。カメラの奥でご覧の皆さんもありがとうございました。
本日「ほどなく、お別れです」が初日を迎えましたが、先ほどもお話しした通り、すでにたくさんの感想が届いております。本当に温かく、この作品が皆さんの心に届いているのだということを感じています。
この作品では、たくさんの別れが描かれていますが、どのような別れもやっぱり悲しくて、どれだけ日々を全力で生きていても、別れは、悲しみが伴うものだと思います。でも、その先の希望もたくさん描かれている作品であるとも思いました。
観終わった後に感じる感情が、「悲しい」だけでなく、温かい感情であってほしいなと願っています。そして、流れる涙が、温かい涙であるようにと願っています。
初日を無事に迎えましたが、これからもどうぞ「ほどなく、お別れです」をよろしくお願いいたします。本日は本当にありがとうございました。