「沈黙のパレード」大ヒット御礼舞台挨拶

2022.10.02
  • 公開後舞台挨拶
「沈黙のパレード」大ヒット御礼舞台挨拶

大ヒット御礼舞台挨拶

天才的な頭脳をもつ物理学者・湯川学が、不可解な未解決事件を科学的検証と推理で解決していく、東野圭吾さんの小説「探偵ガリレオ」シリーズの映画化第三弾となる「沈黙のパレード」。
10月2日、本作の大ヒットに伴い、福山雅治さん、柴咲コウさん、北村一輝さん、西谷弘監督が、TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて開催された大ヒット御礼舞台挨拶に登壇しました。この日の司会は、出演者でもある飯尾和樹さんが担当しました。こちらのイベントの様子を詳しくレポートします。

湯川 学役

福山雅治さん

湯川 学役

内海 薫役

柴咲コウさん

内海 薫役

草薙俊平役

北村一輝さん

草薙俊平役

並木祐太朗役

飯尾和樹さん

並木祐太朗役

西谷弘監督

MC(飯尾さん)

皆さん、こんにちはー!! あ、そうか声は出せないんですよね?! すみません!(客席:拍手)
大きな拍手ですね。全員、親戚でしょうか。本日は、お足元の良い中お越しくださいまして誠にありがとうございます。本日の司会を務めます。(持ちギャグ)ぺっこり45度。本作では、居酒屋・なみきやの主人を演じております飯尾和樹です。皆さんの拍手のおかげで、すっかり自分に酔っています。さて、上映終了後になりますが、映画はいかがでしたか?(客席:大きな拍手……鳴り止まず)
皆さんね、品がある! 大きな拍手をされる方もしっかりと脇をしめて隣の人とぶつからないようにしている。
そして、マスコミさん、休日出勤お疲れ様です。家族の予定を先延ばしにして、映画のためにありがとうございます。(お客様に労いの)拍手をお願いします。(客席:拍手)

福山さん

天気が良くて良かったです。前の三連休が二回とも雨でした。「この週末はどうかな?」と思っていたところ、お天気も良く気持ちが良い、そういう日に舞台挨拶ができることを大変嬉しく思っております。

柴咲さん

ぺっこり45度!(45度の姿が客席から見えるように角度をつけてお辞儀)

MC(飯尾さん)

おお! ぺっこり88度返し!

柴咲さん

88度?(笑) 今日は、飯尾さんが司会・進行をされるということで楽しみでしょうがなかったです。

福山さん

僕も楽しみでした。

MC(飯尾さん)

初孫のようですよね。お年玉をもらえるんじゃないかという感じです。

柴咲さん

ぜひいろいろ話を引き出していただけたら嬉しいです。

北村さん

皆さん、こんにちは! 超大ヒット、ありがとうございます。今日は、(司会進行が)飯尾さんなので、みんな何でも話すと思います。ただ、ちょっと気を抜いて、余計なことを言わないように気をつけます。

西谷監督

本日もご来場いただき、ありがとうございます。トークの中身を充実させたいので、挨拶はこういうところで。じゃあ、飯尾さん次へお願いします!

MC(飯尾さん)

じゃあ、次に行きまーす! (台本を見て)えーっと12行目、よし、これだ!(客席:笑)
本作ですが、昨日までの16日間で観客動員数136万人、興行収入18億6千万円! そして、原作本もオリコンの週間ランキングで一位に返り咲くなど「ガリレオ」旋風到来という感じです。福山さんの周りの反響はいかがでしょうか?

福山さん

「観に行きました」という声もいただきますし、僕はラジオ番組をやっているので番組宛に感想が届いております。もちろん、後でお話しに出るかとは思いますが、原作本が一位になり、柴咲さんと私のKOH+もオリコンウィークリーチャートの一位!

MC(飯尾さん)

ダウンロードチャートは二週連続一位です。(客席:拍手)

福山さん

アジアのダウンロードチャートも一位です。(客席:拍手)

MC(飯尾さん)

柴咲さん、いかがですか?

柴咲さん

身近な友だちが「観たよ」と言ってくれます。これまで観たことがない方も「内海薫、好きになった」と言ってくれたので、良かったと思っています(笑顔)。結構長く演じてきて、私としては久しぶりの出演なんですが、今回が初めての人にも観てもらえて嬉しいです。

MC(飯尾さん)

西谷監督、反響はどうですか?

西谷監督

良いですね!

MC(飯尾さん)

喫茶店で話しているみたい! 私もね、環七通りでUber EATSの方に、「観ました」「みんな泣きました」と言われましたよ。

西谷監督

もちろん、「飯尾さんが素晴らしい!」という反響をとてもいただきます。

MC(飯尾さん)

ありがとうございます。
先ほどもお話に出ましたが、KOH+「ヒトツボシ」について伺います。

福山さん

「ヒトツボシ」に関しては、北村さんが話をしたいということなので、お願いします。

北村さん

皆さん、「ヒトツボシ」ダウンロードしましたか? まだの方はぜひダウンロードしてください。

福山さん

(北村さんに)ライブで歌っている人みたいになっていますね。

北村さん

音楽はいろいろな聴き方があるかと思いますが、僕は今最高の聴き方に到達しました。話してもいいですか?

福山さん

いいです!

北村さん

この作品で、佐織ちゃんは急に命を失うわけです。皆さんは楽曲を聴くときに客観的に聴くと思いますが、僕たち俳優は役に入るときに、「自分がそういう立場になったらどうしよう?」と思うわけです。変な話ですけれど、もし僕が帰りに事故に遭ってしまったら、「あの一言を伝えていない!」とか「もっと○○したかった!」とか、そういう気持ちになったと思うんです。急に命を失い、霊になって、その後自分の周りの人々が、自分のためにこんなに一生懸命にしてくれている。そういう気持ちで聴くと(「ヒトツボシ」の歌詞の)一番の途中で号泣します。(会場:笑)いや、本当に。この歌を聴いてから、もう一度作品を観る。「なりきって曲を聴くと本当に違います」と言われますが、これは本当です。僕も、そうして二回観に行ったので、ぜひそういう鑑賞をしてみてください。そして家に帰って再び楽曲を聴いて、号泣する。……今日、顔が腫れているのは、そのせいです。

福山さん

そうだったんですね。お酒ではなく?!

北村さん

お酒ではなく(頬に涙が伝う仕草をして)一筋の涙……。

MC(飯尾さん)

本人は生まれただけなのに……切ないですよね。残された者に謝るんですからね。

北村さん

そうなんです、歌詞の一つ一つが!(作詞をした福山さんは)天才です。よく、こういう人に伝わる歌詞が出てくるなと思います。(客席:拍手)

福山さん

僕が伝えたいことは、北村さんがすべて伝えてくれました。主観として、「自分がそうだったら?」という思いで聴いていただけると本当に嬉しいです。このキャンペーンでお伝えしてきましたが、歌は聴いていただく前は自分たちのものなんですけれど、作った人間から旅立っていくと「みんなの歌」、「皆さんの歌」になり、最終的にはその人一人の歌に着地するのが一番。歌い手とすれば、幸せな着地点で嬉しい状態です。

MC(飯尾さん)

柴咲さんは、どのような気持ちで「ヒトツボシ」を歌っていますか?

柴咲さん

福山さんがプロデューサーであり、ディレクターなので、レコーディングの時は、丁寧にディレクションしてくれました。歌詞を読んで、全部委ねられるときもあるんですが、(福山さんは)最初は自由に歌わせてくれて、それをけなすことはなく、きちんと褒めてやる気を起こさせてくれます。その後で、「こういうのはどうかな?」と提案してくれたので、「そういう切り口もあるのか!?」と思わせられました。学びながらアレンジもできて、それで紡がれました。

MC(飯尾さん)

引き出しが多いですね。「ヒトツボシ」が流れるエンドロールも大きな話題となっております。西谷監督は、どのような想いを込められたのでしょうか。

西谷監督

せっかくなので裏話的なものをお話ししましょう。まだ曲が完成する前から当然準備をしています。いつもは主題歌を作る方と話し合いをするんですけど、福山さんと柴咲さんのKOH+は信頼関係があるので、すべてお任せして、僕は一番最初の観客になろうと思いました。「容疑者xの献身」の経験を積んでいること、9年ぶりということから歴史を見せようと考えてエンドロールの映像を作りました。
それで完成した楽曲を聴いてみて、その映像はやめて黒いバックに文字だけにしようと思いました。要は、皆さんの頭の中でもう一度リフレインしてもらうのもいいな、と。ただ、あれは佐織と並木家の方々への鎮魂歌であるだけでなく、草薙と内海の鎮魂歌でもあるし、常に不条理な事件と向き合っている三人として、もう一度復活させました。
それから、もう一ついいですか? 昨日、僕一人で大学生を対象としたトークイベントを行いました。質疑応答をして、終わって帰ろうとしたら、学生さんが僕のことを追いかけてきて、涙目で「イベントでは質問できなかったけれど、あのエンドロールは、これで『ガリレオ』は終わりってことですか?」と聞かれました。その時は、「今回(=『沈黙のパレード』)の結果次第です」と答えましたが、それぐらいの思い、鎮魂歌というだけではなく広がるほうがアリかなという思いました。

MC(飯尾さん)

この大ヒットは、作品を観てくださったお客さんのお陰です。登壇者の皆さまの後ろの特大ボードには、作品の感想が書いてあります。「飯尾最高!」これはうちの母です(笑)。 (登壇者の方々がボードのメッセージを読んでいるため客席に)しばしお待ちください。何かありますか?

柴咲さん

飯尾さんに優秀助演男優賞を贈りたい!って……。

MC(飯尾さん)

それは母の名前が書いてありませんか? こちらには……「湯川と草薙の友情が尊い!」とあります。(など次々と読み上げる)

福山さん

これはゆっくり読みたいね。僕は、ラジオに届いたメッセージで、こういうこともあるんだなと思ったんだけれど、「小学生の時に見ていました」とか……。

MC(飯尾さん)

(感想ボードの)こちらにも「五歳の時に見ていました」とありますよ。

福山さん

テレビシリーズをそれぐらいの頃に見ていたという方が結構いらして、あるメールには「『ガリレオ』を見て科学者になりました」と書いてありました。面白いなと思ったのは、「数学や物理の勉強が大嫌いだったけど、『ガリレオ』を見てから、問題を解くときに頭の中で♪バララバララ~と『vs.~知覚と快楽の螺旋~』を流し始めたら、急に書けるようになり勉強がはかどった」そうです。

柴咲さん

すごい!(と手をたたく)

福山さん

そういう影響を与えることができたこともエンターテインメントとして大きな役割を果たせているんだなと思いましたね。

MC(飯尾さん)

高校二年生の時に、物理が赤点で、その補習で夏休みが一週間減ったんです。そのときに「vs.~知覚と快楽の螺旋~」聴きたかったです。さきほどの「五歳の時に好きだった『ガリレオ』の九年ぶりの新作、ストーリーはもちろん湯川と草薙の関係性を深く描いていて本当に感動しました。映画ならではの重い側面もある一方、湯川と内海と草薙のやりとりも面白い最高傑作なので、みなさんもぜひ!」って、中学二年生の文章ですよ!

福山さん

ある方は、演劇部で演出をやられている。高校生か、大学生かな。「小さい頃から『ガリレオ』を見ていました。今回の『沈黙のパレード』を観て、すごく感動したんですが、映画で描かれているように、全人生をかけて誰かを愛したことがないので……いつかそういう経験をして、こういう人になりたいです」という方もいらっしゃいました。歌もそうですけれど、ストーリーを自分のものにして、自分ごととして、その人の生きている日々のなかの何かに影響があることがすごく嬉しいです。長くやっていると、こういういい効果がありますね。

MC(飯尾さん)

いいですね。うらやましいなぁ。以前、中学三年生の子に、「落ち込んだ時にどうしたらいいですか?」と聞かれたことがありました。「何で僕に聞くの?」と尋ねたら、「飯尾さん、すべった後どうしているんですか?」って(笑)。どうも僕のテレビ番組を見ているようで……。

福山さん

いい影響を与えているね。

MC(飯尾さん)

「ま、明日もあるんだからさ、図々しくやれば?!」と答えました。

福山さん

説得力が違いますね。

MC(飯尾さん)

嬉しいですね。(改めて感想ボードを読んで)湯川と草薙の友情について書かれていますね。

柴咲さん

そうなんですよ。私も原作の湯川さんと草薙さんのファンなんです。やっぱりそういうところが見られるのは、胸アツです。

MC(飯尾さん)

「出会いのシーンが良かった」という感想がたくさんありますよ。

柴咲さん

さすが西谷さんです! 久しぶりだと、役者にいろいろさせたくなるじゃないですか。それを薫の一瞬の表情で「久しぶりなんだな」とか「懐かしさと愛おしさがあるんだろうな」と感じさせている。

西谷監督

それは、この三人(福山さん、柴咲さん、北村さん)だからなせる技です。

MC(飯尾さん)

僕が大好きなのは、湯川先生のシーン。あれは、決めていたんですか?

西谷監督

そうですね。

福山さん

あれは、元々台本には書いていなくて……。

西谷監督

変人の登場感、それに愛おしさを含めて見つめる内海ってことですね。これで十分、再会のドラマ。

MC(飯尾さん)

科学者とか研究をしている人と会うと、スイッチが入った時は、ああいった感じになりますよね。いや、素晴らしく面白か……面白かったと言ったらいけないな。素晴らしい登場です。
皆さん、ご自分では(ボードの感想を)読めないですか? では私が代わりに読みましょうか。
「湯川、内海コンビが懐かしくて最高でした。ストーリーも音楽も素晴らしかったです。」
どの辺を読んでほしいですか? あっち?

福山さん

飯尾さん、もう縦横無尽に動いてください!

MC(飯尾さん)

(拍手で答えるお客様) 
「素晴らしすぎて知らないうちに世界観に入りこんでいました。」
……読み上げ方が、選挙演説みたいになってきた。

福山さん

北村さんがこちらを!

MC(飯尾さん)

「九年は待たせないでね。」(客席:大きな拍手)

福山さん

今日はフジテレビさんの偉い方と東宝さんのしかるべき役職の方がいらしたので、後でしっかり伝えます。(客席:大きな拍手)

MC(飯尾さん)

それでは、最後に福山さんからメッセージをお願いします。

福山さん

大ヒット舞台挨拶……さらにヒットすると大大ヒット舞台挨拶とかあるんでしょう?(会場:盛大な拍手) どうぞ我々を引っ張り出してください。スケジュールはなんとかします。
本当に名残惜しいです。といいますのも、九年ぶりの作品で、撮影自体が昨年で、準備を含めると二年ぐらい、撮影中もいろいろなことがありました。パレードのシーンの撮影も天気に左右されました。もちろんコロナもありました。怒濤の一ヵ月の宣伝活動で、柴咲さんも僕も相当消耗しました。だけれど、こうして皆さんに見てもらい、感想をいただき、いい言葉も受け取りました。今日ここに立って、やって良かったと改めて思いました。ここにもありましたが、「九年も待たせないで」と、どうなんでしょうか。さすがに九年は長いと思うので、できればもっと早くと思っています。「ガリレオ」が始まったのは2007年、それから十五年が経っていて、小学生の頃から見ている方もいて、見てくださった皆さんが、それぞれにいろいろなことがあり生活をして、我々もいろいろな仕事をして生活の変化もありました。この「ガリレオ」の世界は、僕らにもですし、皆さんにとっても異世界ですが、「ずーっと湯川、草薙、内海と生きているのかな?」と感じています。僕らは、自分で演じていながら、どこか菊野市以外でまた事件があって、「ガリレオ」の世界がどこかにあり、ずーっとつながっていて、「真夏の方程式」からこうして再び出会えたことで、感動が皆さんに伝わっているように思います。今ここで名言できることはないですけれども、僕の心にも皆さんの心にも「ガリレオ」の世界はずっと続いている。そう思って、感じてくだされば、きっといつの日か近い将来こうしてお会いできる日がくるんじゃないか、というよりくるべきだと思っています。その日を願って、皆さんもどうか元気でお過ごしください。なぜなら、僕らも元気じゃないとまた集まることができないからです。僕らも元気に過ごしましょう! 飯尾さん、ありがとうございました。

■飯尾さんが一人残り、他の登壇者の皆さんが退場。

MC(飯尾さん)

休日出勤のマスコミさん、ありがとうございます。マスコミの皆さんに拍手をお願いします。
忍法メガネ残し!!(出入り口ドアに一瞬だけメガネを見せて退場)