「ドールハウス」ジャパンプレミア
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ジャパンプレミア
矢口史靖監督が原案・脚本・監督を務めた「ドールハウス」が、6月13日より公開となります。本作は、ある家族が人形に翻弄されていくスリルと、人形に隠された秘密が解き明かされる謎解きミステリーの息もつかせぬストーリー展開の“ドールミステリー”です。世界三大ファンタスティック映画祭の一つ、第45回ポルト国際映画祭で最高賞のグランプリ「Best Film Award」を受賞し、海外の20の国と地域での公開も決まっています。
5月21日、本作のジャパンプレミアが開催され、長澤まさみさん、瀬戸康史さん、田中哲司さん、池村碧彩ちゃん、風吹ジュンさん、矢口史靖監督が登壇しました。上映後のイベントとあって、劇中の反響が大きかった二シーンを登壇者と一緒に観るパートは特に盛り上がりました。こちらのイベントの様子を詳しくレポートします。
長澤まさみさん
鈴木佳恵役
瀬戸康史さん
鈴木忠彦役
田中哲司さん
神田役
池村碧彩さん
鈴木真衣役
風吹ジュンさん
鈴木敏子役
矢口史靖監督
■池村さんが、アヤちゃん人形を抱いて登壇。
MC
アヤちゃん人形はいかがですか?
池村さん
最近、ちょっと軽くなったんです。(会場のお客さん:ざわつく)
MC
それは、ちょっと怖いです! …どういうことですか?
池村さん
前までは、「重たいな」と思っていたんですが、今日持ってみたら「あ、軽い!」って思いました。
MC
池村さんが成長して、体力がついたんじゃないかな?
池村さん
そうか~。(会場のお客さん:微笑ましくて笑う)
■アヤちゃんを台座に立たせると、矢口監督がアヤちゃん人形の首の角度を調整。
長澤さん
皆さん、本作はいかがでしたか?(会場のお客さん:拍手)
ありがとうございます。楽しんでいただけたようでとてもうれしいです。
瀬戸さん
会場の皆さんの顔を見ると、笑っている方もいれば、複雑な表情をされている方もいらっしゃいますね。僕も本作を観て、いろいろな捉え方ができるラストだなと感じました。さらにたくさんの方に観ていただきたいですし、感想が気になります。
田中さん
本作では、ものすごく仕事ができそうな感じで登場しますが、ミスの連発です。皆さんはご覧になった後なので、分かると思いますが、最後にとんでもないミスをしております。
風吹さん
今日を楽しみにしていました。撮影から一年以上経っていますが、記憶は鮮明です。皆さんと一緒に本作を観るのを楽しみにやってきました。
池村さん
今日、皆さんに本作を観てもらえることをとっても楽しみにしていました。今日はよろしくお願いします。
矢口監督
コメディ作品ばかりをずっと撮ってきた僕が、何を思ったのか急にこんな怖い作品を作ってしまいました。ですが、ずっと怖い作品を作りたかったんです。本作は、ポルト国際映画祭、香港国際映画祭、ウディネ・ファーイースト映画祭で海外のお客さんには観てもらっていたんですが、本日ようやく日本のお客さんにも観ていただけて、非常にうれしいです! 公開までもう少しですが、今日は客席の後ろで少しだけ皆さんの反応を見ていて、良い反応がいただけたので自信が持てました。
MC
長澤さん、日本のお客さんにも作品が届き始めました。今のお気持ちはいかがですか?
長澤さん
とてもうれしいです。皆さんの顔を見ていると、本作がすごく楽しかったんだなと感じます。これからたくさんの方に本作が届くと思うと、楽しみです。
MC
監督は客席の後ろにいたんですか?
矢口監督
はい。映画を作る楽しさって、お客さんの反応が見られることだと思うんです。配信だとどうしても直接反応は見られないですが、今日はこうして映画館にいっぱい人が入ってくれていますからね。お客さんの反応を見るところまでが僕の仕事だと思っています。
MC
皆さんの反応をご覧になっていかがでしたか?
矢口監督
怖がるところでは、すごく怖がってくれていましたが、意外と笑うところもあるのでもっと笑ってくれても…と思いました。後ろからくすぐれば良かったのかな(笑)? (会場のお客さん:笑)
MC
本作の撮影は、昨年の3月から5月に行われ、ちょうど一年が経ちました。キャストの皆さん、完成した作品をご覧になった感想を教えてください。
長澤さん
家族の物語もすごく丁寧に描かれていて、意外とそういったところにジーンとくる、良い物語の作品なんです。
(会場の雰囲気を察して)あれ?
MC
親の気持ちで観ると、そういった気持ちになるんですかね?
長澤さん
そうですね。そういうところもありつつ、でも逃がしてくれない感じが、ゾクゾクして、すごくワクワクしました。
瀬戸さん
僕はゾクゾクする作品が好きなので、大好きです。監督が先ほどおっしゃっていましたが、恐怖の反対にある、笑いが、すごく良いバランスでちりばめられています。僕もちょっとだけその部分を担っていましたが、やりすぎないようにと意識しながら演じました。そういった緩急がありつつ、ズドンと落とす感じが、本当に素晴らしかったです。
MC
撮影も楽しまれましたか?
瀬戸さん
はい! 楽しみましたが、もちろん大変なところもありました。
田中さん
これは罪な作品だなぁと思いました。幸せな気持ちになったら、すぐにどん底に突き落とされる。ほんわかしてきたなぁと思ったら、とんでもないことが起こって、どん底に落ちる。その繰り返しが、ちょっと体に悪いなぁって思いました。それほどエンターテインメント性が高い作品です。
風吹さん
哲っちゃん、ちょっと体力落ちたんじゃない?
田中さん
え、そうですか?
風吹さん
私は、本作を観て元気になったわよ。矢口監督のファンですが、「こういう作品も作れるんだ!」っていう驚きと感動がありました。私は、これまでこういう現場の経験があまりなかったので、楽しくて「ぜひ世の中に伝えなきゃ!」と思いました。いろいろな方が楽しめるエンターテインメント作品だと思います。まるでジェットコースターに乗りっぱなしみたいな、ストーリー展開と終わらないストーリーを「よく考えたなぁ」「よく映像にされたなぁ」と思いました。本当に大好きな作品です。
池村さん
ゾクゾクする作品は初めて観たので、最初に観た時はちょっとドキドキしました。アヤちゃんと撮影をするシーンがすごく多くて、実際にアヤちゃんを見た時は、(怯えた表情で)「アヤちゃん…」と思っていました。でも、楽しかったです!
MC
ポルト国際映画祭、香港国際映画祭、ウディネ・ファーイースト映画祭と、海外でも非常に盛り上がったようですが、矢口監督、改めて海外の反応はいかがでしたか?
矢口監督
最初から分かってはいたんですが、叫んだり笑ったり、反応がすごくはっきりしていました。ものすごくリアクションが大きくて、「ギャー」と言った後にすぐ笑うなど、波のようでした。中には泣いている方もいて、ものすごく派手に楽しんでもらえました。その反応を見て、自信をつかんで帰ってきました。
MC
海外ではアヤちゃんが大人気だったそうですね?
矢口監督
アヤちゃんは文句も言わず、誰にでも抱っこされるので、あちこちで写真を撮ってもらえました。(会場のお客さん:笑)
MC
長澤さん、瀬戸さん、アヤちゃんが横にいると愛着が湧いてきますか?
長澤さん
そうなんです。表情が豊かでかわいいんです!
瀬戸さん
(長澤さんに同意して)ですよね! めちゃくちゃ愛着が湧きますよね。アヤちゃんも、さっきより緊張がほどけてきたみたいですね。
MC
そ、そうですか? (会場のお客さん:笑)
撮影中、アヤちゃんの演技に、ハッとすることもありましたか?
瀬戸さん
そうですね。やっぱり一緒にお芝居をしていますからね。
長澤さん
時々笑いかけてくれますよね。
瀬戸さん
笑いかけてくれるし、ウインクをしてくれたこともありました。
MC
(思わぬ返答に戸惑いつつ)池村さんもそうでしたか?
池村さん
最初に自己紹介をしてくれました。
瀬戸さん
僕らはおかしなこと話していませんよ! (会場のお客さん:笑)
MC
本作は、世界の映画祭で大絶賛を受けて、20以上の国と地域での上映が決定しております。本作が世界に広がっていくお気持ちを教えてください。
長澤さん
ドールミステリーをたくさんの方に楽しんでもらえると思うと、とってもうれしいです。それだけ本作が「求められている」「受け入れられている」と思うと感慨深いです。監督もうれしいですよね?
矢口監督
はい、うれしいです!
MC
海外の上映時の反応で、特に印象に残ったシーンはありますか?
矢口監督
最初に反応が分かりやすかったのは、食卓のシーンです。瀬戸さん演じる忠彦さんが帰ってきて、テーブルにいるアヤちゃんに気がつかず、着席しようとした時にアヤちゃんに気がついて、ハッとするシーンですね。そこでは、皆さん「ギャー!」と驚いた後に、なぜか笑っていました。びっくりしちゃったことを、自分で笑いに変えてごまかしている感じだったのでしょうか。ものすごくドカンとウケたので、「あれ? 笑う作品だっけ?」と不安になりました。
あとは、かくれんぼのシーンですね。かくれんぼがじわじわと盛り上がって、最後にあのようなことになります。大変なことになりましたが、「ざまあみろ!」でございます。
MC
(客席に向かって)皆さん、矢口監督からそういうお話を聞くと、もう一回そのシーンを観たくなりませんか?(会場のお客さん:拍手)
それでは、登壇者の皆さんと一緒にもう一度そのシーンを観てみましょう! もちろんアヤちゃんも一緒です。登壇者の皆さんはマイクをお持ちいただいて、副音声をお願いします。
■登壇者の皆さんは、ステージから客席に降り、着席して件のシーンを一緒に鑑賞しました。まずは、食卓のシーンが流れました。
長澤さん
私、この食卓のシーン大好きです。
■かくれんぼのシーンが流れる。
池村さん
こわーい! こわーい! やだ〜!
瀬戸さん
何も起きないよ!
MC
それでは皆さんステージにお戻りください。食卓のシーンの瀬戸さんのリアクションが絶妙でしたね。
瀬戸さん
僕は、皆さんがアヤちゃんに気がつくのが、忠彦と同じタイミングだと考察しています。
長澤さん
タイミングの問題なんですかね?
田中さん
いや、皆さんの方が少し先に気がついて、瀬戸くんが少し遅れて気がつくから、ちょっと面白く感じるのだと思います。あと、「ガチャン!」という音がすごく効果的ですよね。
長澤さん
音は、撮影時にはなかった音だと思います。
田中さん
(監督に向かって)音を付け足したんですか?
矢口監督
付け足しています!
風吹さん
長澤さんの笑顔は、このシーンぐらいじゃないですか? 私の印象では、本当に役に入り込んでいて、現場ではあまり声をかけられませんでした。「私が知っているまさみちゃんじゃない!」って思っていました。
長澤さん
そうですか? どうしちゃったんでしょうね(笑)。
MC
撮影時は、監督がいろいろアイディアを出しながら撮影していたとうかがいました。
矢口監督
そうですね。デジタルを極力使わず、アナログで何かできないかなぁといろいろ工夫をしました。皆さん、たぶん気がついていないと思うんですが…、気がついているのかな? 長澤さんが頬杖ついていて髪をほどくシーンにも、何かがあります!
長澤さん
どの辺りに注目してもらいたいですか?
瀬戸さん
難しいですね。
矢口監督
(考え込んで)どこまで何をバラしたら面白いのか…?
MC
長澤さん、監督が現場で思いついたアイディアは、どのようなものがありましたか?
長澤さん
話したいんですが、言えることが…。
矢口監督
言えること、あります! (池村さん演じる)真衣ちゃんが、すりガラスの向こうで笑っているシーンは、歯医者さんが、患者さんの口を開いて固定する器具(マウスオープナー)を使って撮りました。
池村さん
あー!
矢口監督
あれ? これはネタバレか? (会場のお客さん:笑)
瀬戸さん
そういった違和感みたいなところが結構ありますよね!
矢口監督
あります! 実はあちこちに仕込んでいるので、何を話すか難しいなぁ。最後のほうで人形をたくさん集めているシーンがありますが、そこでもこっそりいろいろなことをしています。そこまでしか言えません!
長澤さん
何かが、いっぱいいる!
風吹さん
間違い探しのようね。
MC
本作では、若者に人気のBeRealにも取り組んでいますし、アヤちゃんがTikTokライブをします。詳しくは公式SNSをご確認ください。
最後に、代表して長澤さんからご挨拶をいただきます。
長澤さん
皆さん、本日は足を運んでくださってありがとうございました。たくさん楽しんでいただけたようで、とてもうれしいです。本作は、110分間ノンストップで繰り広げられるジェットコースターのような作品です。ゾクゾク、ワクワクして、楽しんでいただける作品だと思います。今日ご覧になった皆さんにも、ぜひもう一度観ていただきたいです。そして、お友だちやご家族、いろいろな方に感想を伝えていただければうれしいです。皆さんで、このゾクゾクのドールミステリーを盛り上げましょう! 本日はありがとうございました。