「Dr.コトー診療所」初日舞台挨拶

2022.12.16
  • 初日舞台挨拶

初日舞台挨拶

2003年と2006年に連続ドラマとして放送された名作ドラマ「Dr.コトー診療所」の16年ぶりの続編となる映画「Dr.コトー診療所」が12月16日についに公開となりました。
東京のTOHOシネマズ 六本木にて行われた初日舞台挨拶には、吉岡秀隆さん、柴咲コウさん、大塚寧々さん、髙橋海人さん、生田絵梨花さん、富岡涼さん、泉谷しげるさん、筧利夫さん、小林薫さん、中江功監督の総勢10名が登壇し、大きな盛り上がりを見せました。こちらの舞台挨拶の模様をレポートいたします!

五島健助役

吉岡秀隆さん

五島健助役

五島彩佳役

柴咲コウさん

五島彩佳役

西山茉莉子役

大塚寧々さん

西山茉莉子役

織田判斗役

髙橋海人さん(King & Prince)

織田判斗役

西野那美役

生田絵梨花さん

西野那美役

原剛洋役

富岡涼さん

原剛洋役

安藤重雄役

泉谷しげるさん

安藤重雄役

和田一範役

筧利夫さん

和田一範役

星野正一役

小林薫さん

星野正一役

中江 功監督

吉岡さん

お元気でしたか? 16年も待っていただいて本当にありがとうございます。今日はどうぞよろしくお願いします。

柴咲さん

皆さん、お越しくださりありがとうございます。これだけたくさんのお客さんの前に監督と登壇できるのがとても嬉しいです。みんなで盛り上がっていろいろお話しできたら嬉しく思います。
今「一人立ちしていく子どもを見送る親のような気持ち」です。今まで私にはあまりないような感覚で、今回の作品はそういう作品になりました。よろしくお願いします。

大塚さん

今日は足を運んでくださり本当にありがとうございます。16年ぶりに作品を撮れたこともすごく幸せでしたし、今日、この日を迎えられたこともすごく嬉しいです。今コウちゃんも言っていましたが、嬉しい気持ちもあり、ちょびっとだけ寂しい気持ちもあります。でも、たくさんの人に観ていただけたら嬉しいです。

髙橋さん

撮影が終わってから今日まで…終わってからも気が抜けなくて、一日、一日がすごく長かったので、やっと皆さんの元に届けられることを嬉しく思います。今日からは「判斗、志木那島にいってらっしゃい!」という気持ちで、やっと送り出せる思いです。一人でも多くの方にこの作品が届けばと思っております。

生田さん

私も髙橋さんと同じで、撮影が終わってからもなぜかずっと緊張しっぱなしでした。今日、この日を迎えられて、少しホッとしています。あとは純粋にこの作品を楽しんでいただいて登場人物たちを愛してもらえたらとても嬉しいです。ぜひ皆さん、この作品をよろしくお願いします。

富岡さん

中江監督からお声がけいただいて今日まで本当にあっという間でした。今日を迎えることができて嬉しいのと同時に、皆さんとまたお会いできて幸せです。

泉谷さん

この12月16日、この日は絶対に来ないと思ってやっていたので…。途中で撮影が中断していますし、だいたい「Dr.コトー診療所」は撮影が中断するんですよ。TVの時もね。それだけ過酷なんですね。だから、これは完成できないだろうと思っていました。最初から未完成品を皆さんにお届けするつもりでやってきました。恐らくできていないと思います。よろしくお願いします。

筧さん

今日、この回に当選された方々には大きな仕事が残っています。「#Dr.コトー診療所」と打ち込んで、公式Twitter、もしくは私のTwitterに、ネタバレをしない程度に感想をどしどしお送りください! 我々はすべてチェックしています!

小林さん

「Dr.コトーっていったい何者なのか?」「何なのか?」中江監督の作品を観て、「Dr.コトー診療所」に対する思い入れが中江さんの中では誰よりも強くあるんだと改めて思い直しました。そういう思いが一番こもった作品になっていると思います。

中江監督

こんなにたくさん、集まっていただいてありがとうございます。いろんなところでキャンペーンをやってきましたが、やっと上映後のイベントなので、初めて内容の話もできると思っています。公開を迎えて皆さんも話されてましたが、僕は皆さんよりも(作品への思いが)強いかも…だから、二割嬉しくて、八割寂しいです。いよいよ作品がお客さんのものになるんだと思うと寂しい気持ちのほうが強いです。でも、観ていただいて本当にありがとうございました。

MC

改めて初日を迎えた気持ちをお聞かせください。

吉岡さん

いや逆に、どうでした? 大丈夫でしたか?(会場:大きな拍手) もう僕の気持ちなんかより皆さんの気持ちが大事です。本当にもう最後なので、僕が”五島健助”として白衣を着ることはこれっきりなので、ちゃんとスクリーンで最後のコトー先生として皆さんに観ていただけて、吉岡は幸せです。

MC

改めて「Dr.コトー診療所」の魅力って何ですかね?

吉岡さん

そうですね…「継承」だと思います。剛洋くんだったり、判斗先生だったり…。だから僕は、次は海人くんに任せて「Dr.ハント」の作品を、お客さんとして観たいと本当にそう思っています。

MC

「Dr.ハント診療所」? マーベル作品みたいですね。髙橋さんはいかがですか?

髙橋さん

背中を見ていて、今は本当に荷が重いなという感覚です。でも、「継承」ということなので、いただいたタスキを堂々と掲げて作品のトップとしていられる俳優になりたいと思っています。これからも頑張りたいと思います。答えとして合っています…?

吉岡さん

合ってます! 本当に、今回の映画は判斗先生のシャウトで涙が溢れました。皆さんもそうだと思います。本当に素晴らしかったし、あとはお任せします!

MC

柴咲さんにもお聞きしたいと思います。柴咲さん自身、この作品の「ファン」とおっしゃっていますが、「Dr.コトー診療所」の魅力はどんなところにあると思いますか?

柴咲さん

自分が出ている作品ですが、作品に流れる空気感、人の繋がり、コトー先生を取り巻く人々の暮らしぶり、音楽、全てを含めて本当に素敵な作品だと思います。
改めて、自分にとっては23歳で「Dr.コトー診療所」に関わり、19年の月日が流れています。まだまだ足りない部分はありますが成長してきた部分もあると思います。自分の中で、当時は理解できなかった人との繋がりや、温かさが、今になって沁みてきている感じ…。やっぱり、この島と先生と島民の暮らしが本当にあってほしいと思います。「第二の故郷」なんだと、今は思っています。ウソでも偽りでもない、そこに確かに彩佳さんは生きていたという感覚でやっていましたね。

MC

先日、与那国島に足を運び、島の皆さんにも作品をご覧いただきましたね。

柴咲さん

実際に島の人々の協力がなければ撮影は重ねられなかったですから…。いきなり撮影クルーが自分の住んでいるところに来て、何か撮るらしいってなったら、私だったら「変なものを撮られたらどうしよう?」って思うと思うんです。でも、私たちを信頼して協力してくださり、続編も撮らせてくださり、今回は、映画も撮らせていただきました。それがすごく嬉しかったので、やはり一番初めに観せたかったところでもあり、皆さんに観ていただけて良かったです。

MC

髙橋さんは、「ラスボスクラスの皆さんの中に入っている」ということをおっしゃっていました。喜びも大変さもプレッシャーもあったかと思います。

髙橋さん

僕がこう言うのも何ですが、本当に、今横にいられる皆さんは「ラスボス」って言葉が一番合うと思っています。僕がデビューしてからお芝居のお仕事をして、こんなに早く、素敵な皆さんに会えるんだと思って、嬉しかったです。でも、長年続けられていたこの作品で、出来上がっていたチームの中に入っていくプレッシャーはすごくありましたね。

MC

そのプレッシャーをはねのけて、吉岡さんからは「継承」という言葉が出てくるほど素晴らしいお芝居をされていました。

髙橋さん

そうですかね…(笑)?  自分の評価はできないですが、観てくださった皆さんが「良かった」と言っていただけたら、これから続けるエネルギーになると思うので、「優しいお言葉をたくさんください」という気持ちです(笑)。

MC

生田さんの役はもともと島に住んでいて、また戻ってきたという役どころでした。

生田さん

私自身としては初参加なんですが、もともと島で暮らしていて、診療所に勤めて日が経っているという役だったので最初は緊張しました。でも、皆さんが役じゃないところでも気さくにコミュニケーションを取ってくださいました。柴咲さんも役だけでなく素の部分で“先輩”としておススメの食生活を教えてくださったり、歌手活動と俳優の活動の中での考え、どういう風にやっているかという話などを聞かせていただきました。「やっぱり憧れの先輩だ」と、心の中から感じられました。
与那国島では、コロナ禍であんまりごはんとかには行けなかったんですが、宿の食堂でキャストの何人かでこじんまりとお食事をした時、吉岡さんがこれまでの俳優人生の話だったり、ちょっとブラックなお話とかもしてくださって(笑)、気持ちがほぐれました。すごく貴重な時間でした。

MC

富岡さんは2006年の「Dr.コトー診療所」以来、16年ぶりに帰ってらっしゃいました。俳優を引退されていたところ、中江監督に口説かれて戻ってきたということですが、今はどんな思いですか?

富岡さん

中江監督にお会いした時、かなり時間が空いてからお会いしたので、この「Dr.コトー診療所」という作品自体が、柴咲さんもおっしゃったように「第二の故郷」という感じがしました。中江監督にお会いしただけで里帰りしたような気分を味わっていましたし、コトー先生にお会いした時もそうだったんですが、「16年分の島の人の生活」とか、「剛洋は何しているのかな?」 という思いが一気に心の中に入ってきました。コトー先生の笑顔を見たり、時任(三郎)さんとおしゃべりをして、島の人の温かさ――特に時任さんは、時任さんって言うより「お父さん」って感じだったので、温かさを感じて幸せな気持ちになりました。

MC

衣装合わせで時任さんと顔を合わせた時に声を掛けられたそうですね?

富岡さん

はい、「立派になったな」と。

MC

さらに「良い靴履いてるな」と時任さんに言われたとか?

富岡さん

そうでしたかね? 確かに言われたような…(笑)。でも、緊張交じりだったので、持っている中では「一番良い靴を履いていかないと」って気持ちもありました。

MC

時任さんもそれを分かって…。

富岡さん

言ってくださったのかもしれませんね。

MC

吉岡さんは久々に富岡さんとご一緒されていかがでしたか。

吉岡さん

嬉しかったです。涼くんが一番「Dr.コトー診療所」のファンだと思います。それに撮影のことも覚えていてくれました。「あのシーンはこうやって撮りましたよ」とか「あの時、コトー先生は…」とか「そこでこういうカットが入って…」というのを覚えていて、ずいぶん助けられました。判斗先生と剛洋くんとコトー先生の三人で、民宿のベランダでプラプラしながら、いろんなおしゃべりしたのが良い時間だったと思いますね。

MC

16年のブランクを感じさせず「剛洋そのまま」という感慨もあります。

吉岡さん

でもね、ちゃんと痩せたんだもんね?  頑張ってね…。

富岡さん

そうですね。少しだけ…。15キロくらい(笑)? 今はちょっと戻っていますね…(苦笑)。

MC

大塚さんは、息子役の神木隆之介さんと電話での共演もありました。16年ぶりの「Dr.コトー診療所」はいかがでしたか?

大塚さん

演じる前は、16年ぶりということで「一体どうなってしまうんだろう?」って不安な気持ちもありました。だけど、与那国島に降り立って、皆さんと久しぶりにお会いした時から全くそれはなくなっていました。つい最近、数年前までずっと撮影を続けていたかのような気持ちになって自分でもびっくりしました。でも、嬉しかったです。この作品は、感動というか、心がすごく動くことが大きい作品だと改めて思いました。多くの人に観ていただけたらと思います。

MC

茉莉子さんのお店が癒しの場で、あの島にいたら自分も毎日行くんじゃないかと…。

大塚さん

来てほしいです(笑)!

MC

泉谷さんは先ほど「この作品は完成しない」とおっしゃっていましたが、実は完成した作品をご覧になって、すごく感動されたとか…?

泉谷さん

そういうことは本人から言わせてほしいよね。お前が言うな(笑)!
いやいや、僕はね、「酷い現場」だったというネガティブキャンペーンをずっとやってきたんです。現場の文句を言って、監督の文句を言って、役者の待遇改善を言い続けて、「みんなで一致団結して、この苦難を乗り越えよう!」というつもりでやってきました。だけど、予想通り、完成した作品…いや、「未完成品」を観ちゃうと、感動しましたね。やっぱりやられたかと…。監督の大きな愛、何年この思いをずっと…16年もやってきたという、そこらの範疇で彼の愛を理解できるもんじゃないと思いました。私はこの距離を保っていきますが、この作品は素晴らしい出来だと思うのは海人とか絵梨花…、レギュラー陣も素晴らしいんだけれど、若い二人にちゃんとバトンが渡っているという素晴らしさですね。この作品は未完成であり続けてほしい。完成してほしくないですね。海人と絵梨花に引き継いでもらって、次の映画の在り方を決めていってほしい、そういう思いで監督には本当に感服しました。素晴らしい映画です!

MC

「監督は詩人だな」とおっしゃったとか?

泉谷さん

え? 詩人? 映像詩人…カメラの星谷(健司)さんかもしれないけれど。ドラマだけではない映像の語りが素晴らしいんですね。海の映像でも、どんだけ僕たちは天気を待たされたか…。海を撮るのに、衣装着てずっと待っているわけですよ。小林薫さんはドラマ撮影時に「天気と役者のどっちが大事なんだ?」と言って「天気だ」と言われたらしいですね(笑)。

MC

筧さんも映画をご覧になっていかがでしたか?

筧さん

あの、泣いたレベルで言うと「E.T.」(1982年公開/監督:スティーヴン・スピルバーグ)以来ですね。当時、「E.T.」と「蒲田行進曲」(1982年公開/監督:深作欣二)が同時期に上映していて、あれ以来ですね。泣いたレベルは…。相当昔ですが、そのくらい、その間の期間に、そこまで泣ける、ヒクヒクなる作品がなかったってことですよ!  なったでしょ、皆さん? ヒクヒクとなっているはずなんですよ。(「E.T.」で)我慢できないくらい泣いたでしょ? あれレベルだったんですよ。今日は皆さん、そんな目に遭っているはずですよ! …皆さんは逆に「E.T.」を知らないかもしれない。

小林さん

人それぞれだから(笑)。

MC

強要はいけませんね。ただ、筧さんとしては「E.T.」以来という。
小林さん、改めて素晴らしいキャストの皆さんですね。

小林さん

そうですね。本当にそう思いますよ。ここに出席されてない方も…時任さんをはじめ、たくさんいますが、先輩でもある93歳になる坂本長利さんも出演して、島にも「来たい」とおっしゃっていました。素晴らしい方たちが集まっていたなと…。おっしゃる通りだと思います。

MC

今回の作品、小林さんはどのような感想を?

小林さん

恥ずかしいな…。
(隣の筧さんに向かって)お前、その間、泣かな過ぎだろ! 「蒲田行進曲」以来って(笑)。それは筧さんの独特の言い回しだけれど、僕はさっき言ったように、監督がコトー先生に対する思い入れが一番あった人なんだとつくづく思いましたね。僕ら役者はどこか冷めているところあるけれど、監督は熱かったなって…。その熱さを観終わって一番感じましたね。

中江監督

そう思われたなら嬉しいですよね。

MC

16年ぶりに「Dr.コトー診療所」を映画にするということで、いろいろ考えられたと思います。

中江監督

僕だけではなくみんなで考えに考えて、どうしようかと…。コトー先生、吉岡さんとは何回も話をして「どうやって終わらせようか?」「一度、終止符を打とうか」という話はしました。

MC

それぞれ素晴らしい演技を見せていますが、髙橋海人さんに対し、監督は思いを伝えられてないと伺いました。

中江監督

もちろん今回、誰一人欠けても成立しなかった作品だったと思うんですが、海人くんだけにはちゃんと話していなかったかもしれないですね。試写でも会っていないので…。これまでは公開する前だったので、変に皆さんに印象を与えてはいけないなと思って一切触れなかったんですが、やっと言えます。
素晴らしかったです。

髙橋さん

え…?

中江監督

海人、ブラボー! ブラボーです。

髙橋さん

本当ですか?

中江監督

最初の頃にも言いましたが、いろんなキャラクター付けもあったと思います。最終的には髙橋海人じゃないと判斗はできなかったと思うくらい素晴らしかったです。

髙橋さん

え? え? ドッキリですか? ドッキリじゃないですよね?

吉岡さん

素晴らしかったですよ、本当に。

髙橋さん

ありがとうございます。あまり自分の気持ちを乗せて話すのは苦手なんですが、アイドルとしてずっとやってきて、(CD)デビューをして、映像の作品に出させてもらえて、「芸能界ってこんな素敵なところがあるんだ!」ということを知れました。頑張ってやっていきたいと思ったので、その言葉をいただけて手が震えています(笑)。ありがとうございます。

MC

監督がぜひこの場で伝えたいということで。

髙橋さん

本当ですか?

中江監督

本当だからね。だからMCの方に「海人に振って」とお願いしていたんです。

髙橋さん

そんな誕生日的なサプライズを……生きていて良かったです。この作品に出られたことだけでも幸せなのに、ありがとうございます!

MC

最後に吉岡さんからメッセージをお願いします。

吉岡さん

(バラバラに居並ぶキャスト陣を見つつ)なかなかまとまりのないチームで…(笑)。それでも、一番初めに与那国島に降り立ってから…20年くらい前ですか? それまでこの作品に関わるスタッフ、キャストの中でも亡くなられた方もいます。それでも、こうやって同じキャストとスタッフで、こういう作品が作れたことは、本当に奇跡的なことだと思います。こういう出会いに感謝します。そして、16年経っても初日に一番に足を運んでくれた皆さんとの出会いにも感謝します。今日は本当にありがとうございました。