「名探偵コナン 黒鉄(くろがね)の魚影(サブマリン)」ブラックボックス舞台挨拶
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ブラックボックス舞台挨拶
原作者・青山剛昌さんによる原作漫画が4月12日に103巻に到達(累計発行部数は全世界2.7億部を突破!)、テレビアニメシリーズも放送1000回を突破するなど、ますます勢いを増している「名探偵コナン」。
4月14日に公開し、今もなお全国の劇場でロングラン上映を続けている最新作の「名探偵コナン 黒鉄(くろがね)の魚影(サブマリン)」は、公開から158日間で観客動員数972万人・興行収入137億円を超える驚異の成績を残し、26作目にしてシリーズ歴代NO.1の成績を記録しました。
9月30日、ネタバレありのティーチイン付き・ブラックボックス舞台挨拶を実施し、主人公・江戸川コナン役の高山みなみさん、立川譲監督、青山剛昌先生が揃って登壇しました。今まで明かされてこなかった制作秘話などを本作の閉幕(クロージング)に向け明かし、ファン垂涎トークを展開したこちらのイベントの様子を詳しくレポートします。
高山みなみさん
江戸川コナン役
立川譲監督
青山剛昌さん
原作者
高山さん
皆さん、こんにちは。今日は最後まで楽しんでいってください。
立川監督
公開から5カ月が経って、こんなに豪華なメンバーとこうして舞台に立てることをうれしく思います。
青山さん
今日はありがとうございます。
MC
今、目の前にいらっしゃるのは、つい先ほどまで本作をご覧になったお客さんです。いかがでしたでしょうか?(会場:大きな拍手)
青山先生の舞台挨拶は「名探偵コナン ゼロの執行人」以来ということですがいかがですか。
青山さん
懐かしいですね。
MC
実際に会場で、皆さんの熱を目の当たりにしていかがですか?
青山さん
嬉しいです。
MC
本日はブラックボックス舞台挨拶ということで、今まで明かされていない制作秘話=ブラックボックスをお話いただこうと思います。
代表質問として、御三方が公の場で揃ってお話されるのは初めてですかね?
高山さん
初めてですね。
MC
まずは映画がどうやって作られるか、皆さんあまりご存じないと思うんですが、映画ってどう作られていくんでしょうか?
立川監督
言葉で説明すると長くなってしまうので、シンプルに言うと、まず脚本があって、それをみんなで打ち合わせをして作ります。その後の絵コンテ作りが作業としては大きいですね。コンテはアニメの設計図みたいなものなので、かなり時間をかけて作ります。それから、作画に入っていきます。そんな感じです。青山先生は、脚本に意見をくださったり、絵コンテに全部目を通してセリフの監修をされています。
MC
企画会議みたいなものがあるんですか?
青山さん
そうですね。いつも僕の家に集まってやっています(笑)。
MC
青山先生のご自宅ですか?
青山さん
そうです。
MC
絵コンテのチェックはどうやって、どれくらいのスピードでやるんですか?
青山さん
まぁまぁな時間がかかっています。その都度、時間がかかるところもあるし、早いものもありますね。
高山さん
ずいぶん前に「作画が上がらないので絵コンテでチェックしてください」って言われたことがあります。(手で厚さを示して)電話帳みたいな厚さのものが5冊ぐらいきたんです。
立川監督
そうです!
青山さん
それぐらいある。
高山さん
すごい量だよね、あれをチェックするのは、やっぱり…。
青山さん
大変だよね!
高山さん
「だよね!」…って他人事かい(笑)!
青山さん
漫画家の仕事じゃない(笑)!
高山さん
でも、それをやるっていうのはすごいことですよね?
立川監督
そうですね。アニメの場合は動きが入るので、それでページ数が加算されちゃうんですが、かなり分量があると思います。
青山さん
面白い作業です! 面白くないとやれない。
立川監督
ありがとうございます!
MC
高山さんは、アフレコの現場でセリフのニュアンスを変えることもあると伺いました。
高山さん
セリフは自分だけではなく、例えば相手との絡みもありますので、「こういう風に言ったほうが相手が返しやすいんじゃないか?」って考えたりします。後は、今回に限らずですが、例えば、推理をしている時の自分の頭の中の流れで、「ちょっと言い回しを変えた方がより分かりやすく伝えられるんじゃないかな?」と言うところを変えたりします。もちろん、監督とも話をしてですが…。
立川監督
「変えるね!」ではなくて、「コナンくんはこういう気持ちで合っているよね?」と確認をされてから、「だからこうするね」という感じの提案の仕方です。
高山さん
その場にいて、自分の感情と環境を踏まえた上で、「こうしたいんだけど?」とか「こういう風に口から出て来ちゃったんだけどどう?」っていう感じです。
立川監督
こういうのは、新規のアニメの立ち上げだと、あまりないですよね? ご長寿作品で、キャラクターのことを深く理解しているから出てくるものだと思います。
高山さん
灰原哀役の(林原)めぐちゃんも、みんなそうです。しゃべる呼吸やしゃべり方があるじゃないですか。誰に対してどうしゃべりたいとか、(自然と)自分の中で出てきちゃうんですよね。セリフを読みながらチェックをしていて、「これはちょっと違うかもしれない」「こうした方が良いかもしれない」っていうのは結構あります。
MC
今回の劇場版で、実際に変えられたセリフはありますか?
高山さん
(笑)。覚えていない。
立川監督
いろいろありますが、すごく大きいのは灰原とコナンくんの水中の最後のほうのシーンです。もともとのコンテから一分以上長く伸びているので、すごく大きな変化ですね。アフレコで一分も伸びるっていうのは、初めてじゃないですか?
高山さん
そうそう! そこも「気持ちをどうしよう」って話し合いました。
立川監督
林原さんからも提案があって、「これぐらいのスピード感で読みたいけど良い?」と提案があって、「良いですよ!目一杯使ってください」というやりとりがありました。
MC
青山先生がカット割やセリフに、ご提案をされることもあるそうですね。
青山さん
さっき話に出た水中のシーンは変わりましたね。
MC
実はそれ以外にもありまして、スタッフさんから修正した絵コンテをお借りしました。今回は特別にスクリーンに映したいと思います。
■スクリーンに絵コンテが映し出される。
高山さん
(スクリーンを見上げて)おお!
立川監督
パシフィック・ブイの医務室の場面です。
MC
黒く塗りつぶされていますが、元々は「何言ってんのよ!」「そうやってすぐ」「おいてくくせに」と言うセリフが、「待たせるの好きよねぇ…」「新一くん…」に変わっています。
青山さん
これは灰原が、蘭ちゃんの気持ちになって言ったセリフです。そのままだとちょっとイヤな感じがしたので、灰原ならこっちの方が良いかなって思ったんです。
MC
灰原にここで「新一くん」と言わせることによって、実は本作の中で、「江戸川くん」「工藤くん」「新一くん」と全ての呼び方をコンプリートしています。(会場:笑)
青山さん
(笑)。
MC
それは狙いではなかった?
青山さん
狙いではないです!
高山さん
呼び方はきっと心情によって違うよね〜。
青山さん
そう!
MC
セリフを書く時に何か意識しますか?
青山さん
あまり意識しないです。でも、ここは意識して、蘭ちゃんの気持ちだから「新一くん」にしました。
MC
ありがとうございます。よく見ると灰原の心情も絵コンテに書かれています。
立川監督
これは自分が書いたものです。
MC
絵コンテに心情を書くことはしばしばあることですか?
立川監督
アニメーターさんに伝えるためにたまに書いています。
高山さん
感情によって表情が変わるからね。
立川監督
はい。
MC
今回は立川監督から青山先生に質問があるそうです。青山先生のご提案で、構図が変わったカットがあるそうです。ちょっとそのカットをスクリーンに投影します。
■スクリーンに次の絵コンテが映し出される。
高山さん
いろいろ見せちゃうね。
MC
灰原のラストのカットです。俯瞰だったものが、変更後は横のアングルになっています。
青山さん
このほうが観客を見ている感じがすると思ったんです。
MC
これは感覚的にですか?
青山さん
感覚的にですね!
MC
皆さん、印象に残っているでしょうし、これはもう名シーンですよね?
立川監督
アニメーションを作る時ってカメラの位置をよく考えるんですよ。ここは、コナンがそばに座っているので高い目線から見たつもりで最初は俯瞰で描かれています。でも、青山先生のアングルは、カメラが地平線に近く横になっている。迫力があるし、すごく説得力があります。漫画的な思考と、アニメ的な思考なんですかね。「自分が描くなら、このアングルなんだけど、変えても良い?」とおっしゃっていたことがすごく印象に残っています。
青山さん
そうね。この時点で「僕に描かせろ!」ってなっています(笑)。
MC
実はこのシーンの原画を特別にいただいていまして、スクリーンに映します。
■スクリーンに原画が映し出される。
立川監督
めちゃくちゃ可愛いです。
青山さん
もうすでに懐かしい。
MC
これを描かれたのはいつ頃ですか。
青山さん
だいぶ前です。大体、一年くらい前じゃないかな。
立川監督
去年の秋冬ぐらいですね。
MC
こういうカットは、青山先生がご希望されて描かれるのですか?
青山さん
そうですね。
MC
なんと、今回は「名探偵コナン 紺青の拳(こんじょうのフィスト)」ぶりにコナンくんの原画を担当されたそうです。
青山さん
描きましたよ。高山さんに向けて。
高山さん
…怒られるからね!(会場:笑)
青山さん
「愛されてない!」って言われちゃうんで、描きました(笑)。
MC
コナンくんをカッコ良く描く秘訣はありますか?
青山さん
ないです(笑)!
高山さん
えー、何か言ってよ!
青山さん
「カッコ良く描かないと」と思って描いています。
高山さん
(コナンくんに)ありがたいね!
立川監督
青山先生にコンテのチェックをしていただいた時に、「ここが描きたい」とかおっしゃるので、僕から更に「ベルモットを描いてほしい」「ジンを描いてほしい」とかお願いをしました。「言ったら描いてもらえるかな?」と思ったんですよ。
青山さん
ありましたね~。
高山さん
結構描いているよね?
青山さん
描いています! 年々増えている気がする。
高山さん
劇場版は26作品あるけれど、最初の頃は、ラストカットだけとか、あっても2カットぐらいでした。でも、今回の試写が終わった時に、「こんなに描いて大丈夫なの?」と(青山先生に)言いましたよね?
青山さん
僕の絵って、よく分かるね。
高山さん
分かるでしょう!
青山さん
(笑)。分かるのかぁ。
高山さん
立川監督にも「原画多くない?めっちゃ描いていない?」と言ったぐらいです!
青山さん
劇場版の最初の頃は遠慮していたんです。
高山さん
あ、遠慮だったの?
青山さん
アニメーターさんの仕事を奪ったらいけないと思っていたんですよ。でも、最近は遠慮していない(笑)。
高山さん
なるほどね〜! じゃあ、好きなだけ描いていいんじゃないかな。
MC
試写のお話が出ましたが、高山さんは事前にどこに青山先生の原画が使われているかはご存じなかったんでしょうか?
高山さん
知らないです。
MC
改めてお伺いしたいのですが、完成した本編をご覧になっていかがでしたか? 特に気に入っているシーンは?
立川監督
青山先生の絵って、すごく特徴があって、髪の毛や肌の影付けの仕方にすごく立体感があって良いなと思っています。簡単に真似できない難しさがあって、それをもっと劇場版の中でも増やしていけると良いのかなという思いが今あります。今回お願いしてベルモットとジンを描いてもらいましたが、キールも言えば良かったなぁと今は思っています(笑)。
MC
もし頼まれたらキールを描いていましたか?
青山さん
描いていましたね。(会場:笑)
立川監督
(とても残念そうに)まじか!…お願いすれば良かった。
高山さん
もう散々言っているので、海中のシーンはものすごく好きですが置いといて、他に好きなシーンを言うとですね、私は潜水艦の中で黒ずくめのメンバーが揃っているところが好きです。こんな小さな空間に、あの大男たちがリビングでおしゃべりをするようにしているのが、「こんなところは見たことない」と思いました。あの人たちが会話をするシーンは、外で指令を受けているところは分かるんですが、リラックスしたところでしゃべっているのはあまり見られないので、実はちょっと好きです。
MC
先生は黒ずくめとのやりとりはどうですか?
青山さん
キールがジンに、「尋常じゃないのはあなたの方よ、ジン」と言うのは僕が書いたセリフなので、良いですよね!……自画自賛(笑)!
僕のお気に入りは、海から上がってコナンくんが息をハァーって吐くシーンですね。高山さんの声は出ていないけれど、あれがカッコ良いですね。あそこはカッコ良かった!
立川監督
ありがとうございます。あそこは自分の担当パートです。嬉しいです!(笑顔)
青山さん
赤井が狙って、ジンがグッと上を見て、海面がブルーになる。あそこも曲がかかってバーッと盛り上がるじゃないですか。あそこもゾワゾワきますね。あれはカッコ良いっす!
立川監督
ありがとうございます。
MC
先生は、本作を気に入って、複数回ご覧になったと聞いています。
青山さん
僕の家に円盤があるので、20回弱は観ています!
高山さん
すごい!
■SNSで事前に質問を募集していた質問に登壇者の皆さんが答える。
高山さん
怪しげな箱が出てきましたよ!
MC
中に質問が入っていますので、高山さんから順番に引いて質問を読み上げていただけますか。
高山さん
この中に手を入れたら、手が出てこないっていうことはないですね(笑)?
(引いた質問を見て)あー!
青山さん
何?
高山さん
これねぇ、私たちも散々話していたんです。(立川監督)にずっと話題になっていたよね?
立川監督
なっていましたね(笑)。
【SNSからの質問1】
八丈島のホテルの部屋割りが気になります。園子ちゃん、阿笠博士、小五郎さんは一人部屋ということでしょうか?
高山さん
気になるよね!
立川監督
ここら辺は若干あやふやな部分があるんですが、まず園子は一人ですね。
高山さん
そうだよね! 絶対にスイートルーム!
立川監督
阿笠博士と小五郎さんもそれぞれ一人部屋です。みなみさんと「子どもたちだけで泊まっているのはどうか?」という話をしました。
高山さん
関西のキャンペーンに回っている間、ずっと部屋割りの話をしていました。じゃぁ、光彦と元太は二人一部屋で、歩美ちゃんと灰原も二人で一部屋で、園子は絶対スイートでしょ。「何か部屋割りが変じゃね?」って話になりました。大体、博士と子どもたちが一緒とか、小五郎のおじさんと蘭とコナンと三人とかになりそうなんだけど、何でだろう。
青山さん
僕は知らんよ(笑)。
立川監督
そういう話をずっと車でしていたので、「今度そういう部屋割りのシーンがあったら事前に相談します!」ということになりました(笑)。
■立川監督が質問を引く
【SNSからの質問2】
赤井さんがロケットランチャー発射後、秒で退散したのが衝撃的でした。コナンくんが無事だという確信があったのでしょうか。
青山さん
あそこは確か櫻井さんのシナリオでは、「ちゃんと逃げろよ、坊や」っていうのがあったんですけどね。
立川監督
一応「でかしたぞ!」みたいなセリフは言っているんです。でも、(笑って)秒で退散していますね。やはり信頼があるんでしょうね。
青山さん
後は、赤井がエンジンが爆発しないところを狙って撃ったってことですかね。
立川監督
そうですね!
高山さん
危険だもんね!
青山さん
危ないよね! 死んじゃうよね!
立川監督
絵コンテチェックの時にも青山先生はそのことをメモで書いてくださいましたね。ロケットランチャーと水中の波面がある。青山先生から「波紋があるということは衝撃波が起きているから、ここの場面ではやめよう」とかいただきましたよね。覚えていますか?
青山さん
(笑顔で)覚えていますよ! 絶対にコナンが死んじゃうので。
立川監督
気にかけてくれました。
高山さん
ありがとうございます。赤井さんとの間には何か絆がありますし、やっぱりお互いに分かっているということにしましょう。
青山さん
爆発しないところを撃ったんですよ!
【SNSからの質問3】
直美が最後に「また会えてうれしかったわ、志保」と心の中で言っていましたが、彼女が灰原哀=宮野志保であると確信した理由を知りたいです。
高山さん
すごいところをついてきますね。
青山さん
それは、逃げる時に手を差し伸べたよね?
立川監督
そうですね! その直前に縄を解くというのもあって、「マジシャンがよく使う手よ」って言いつつ、手を差し伸べて、直美を引き上げてくれるあたりで気付いたと思います。
■高山さんが質問を引く
【SNSからの質問4】
青山先生が劇中に原画で参加して印象に残っている絵があれば教えてください。また、来年の映画ではどんな絵を描いてくれるのかすごく楽しみです。
高山さん
いっぱい描いちゃうんじゃないの?
青山さん
ちょっと待って、来年の映画?
高山さん
内容はまだ言っちゃだめだよ(笑)!
青山さん
印象に残っているのは、赤井と安室のところかな。
立川監督
あそこのセリフ書いていますよね。
青山さん
あれ、最初は三分割だったの。三分割だと絵が小さいから一個一個にした。
立川監督
大きくしました!
高山さん
ということです。
【SNSからの質問5】
ムービーワークにもなったティザービジュアルでは、コナンくんが哀ちゃんを助けに行く、本作とは逆の構図になっていたのが、とても印象的でした。対比する構図に意図等ありましたらぜひ教えてください。
青山さん
あれを逆にしちゃうとネタバレになっちゃうので、「本当は逆なんだけどなぁ」と思いながらティザーを描きました(笑)。ネタバレ防止のためです。
MC
ちなみに、ティザービジュアルは、青山先生が毎年描かれていますよね? どういったところからインスピレーションを得ていますか?
青山さん
え、適当です(笑)。
高山さん
そんなこと言って良いの? 今、全国に中継されていますよ。
立川監督
ラフの段階で「こんな感じにしようと思う」とメッセージを付けて送ってくれます。
青山さん
「最初はラムと黒田が大きかったんだけど、やっぱり赤井と安室にしました!」って。
立川監督
「阿笠博士がいないんですけど…」って。
青山さん
そうそう!それで(阿笠博士を描き)足したんだよね。
立川監督
そういうやりとりをしています。来年のティザーも楽しみですね!
高山さん
本当に楽しみですねー。実はさっき、ちょっと見せてもらっちゃった!
MC
実は出来上がってはいますが、まだお見せできないんです。
高山さん
もうちょっと待っていてね!
■会場の方から、本作「黒鉄の魚影」に限った質問にも登壇者の皆さんが答える。
青山さん
ドキドキしちゃう(笑)。
MC
質問のある方は挙手をお願いします。
【会場からの質問1】
先ほど青山先生が今回原画を描いたとお話があったと思うんですが、先生が描い原画の中で、皆さんの好きな場面はどこですか。
高山さん
自分(コナンくん)でしょうね。
立川監督
そうですよね。カッコ良いですものね。僕はさっきも出てきた最後の灰原ですね。構図を変えてもらったというのももちろんですが、表情がとにかく良くて、あの表情はやっぱり先生にしか描けないから好きです。
高山さん
でも、先生は安室さんと赤井さんのところ?
青山さん
そうですね。でもどっちもどっちかな。
お客さん
青山先生は、先ほどの場面以外にもありませんか?
青山さん
あとはどこを描いていたっけ?
立川監督
蘭ちゃんのチューのとこ。
青山さん
あれは絵コンテの段階で原画がきたので、それを直したぐらいだよ。あとはジンのところ!
立川監督
追加で頼みました。あれは元々のセリフが「撃て」だったのを「ていっ!(撃てぃ!)」に直して…。
青山さん
本当は「ていっ!」と言った後に爆音がバンっと鳴るとカッコ良いんですがね…「ていっ!」って言った後しばらくしてからシュルル〜(笑)って、あれを見ながら「あ!失敗した!」と思いました。(会場:笑)
立川監督
(笑)。「ていっ!」「バーン!」のイメージだったんですね。まさかの裏話が!
高山さん
今度観る時、そのシーンはみんなちょっと笑っちゃうかもしれない。
【会場からの質問2】
本当に素敵な作品をありがとうございます。感謝の気持ちでいっぱいです。黒ずくめの組織のピンガというキャラが今回の作品で亡くなってしまったのが本当に惜しいくらい好きなキャラなんです。どういったところからキャラクターの着想を得られたのかということと、声優の村瀬(歩)さんが、男女の声を使い分けるところが私たちにとっては最後まで惑わされた要因だと思っています。村瀬さんありきで考えた(キャラクターな)のかというところもお伺いしたいです。
立川監督
ピンガのキャラクターの着想で「中性的にしたい」とおっしゃったのは青山先生だと思います。
青山さん
僕だなぁ。今までにないような「ジョジョ」(ジョジョの奇妙な冒険)に出てきそうなキャラにしたいと思って、あの顔になりました。村瀬さんは後からだよね?
立川監督
声は後からです。メキシコの方のお酒の名前だったので、戦い方にメキシコの型を取り入れて、髪型は自分から提案しました。それでラフが上がってきて、声はその後になります。女性声優さんに男の声を出してもらうか、男性声優さんに女の声を出してもらうかの二択で、両方の声を聞かせてもらって、村瀬さんに決まりました。
青山さん
村瀬さん、うまいよね。
MC
アフレコの現場に立ち会われていかがでしたか?
立川監督
男性声優で女性の声を出せる方は何人かいらっしゃるんですが、その中でも飛び抜けて上手でした。かつアクションのシーンがあるので、アクションシーンで出る吐息とかを演じるのはすごく難しいのに、そこもかなり上手な人だなぁという印象です。
MC
そんなピンガですが、亡くなったかどうかは、本作ではまだ明言されていないですよね?
青山さん
(あっさりと)あぁ、亡くなりました!(会場:衝撃で大笑い)
高山さん
元も子もない!
MC
明言されてしまいました。
高山さん
でも、これで生きていたら結構まずいことになるから。
立川監督
いろいろ知り過ぎているんですよね。
高山さん
今、全国からため息が聞こえた。みんな、ごめんね!
【会場からの質問3】
ジンがヘリコプターから降りてくる時に怖い感じが全然なくて、むしろ神々しい感じですごくカッコ良かったです。あれはどういうイメージで作られたんですか?
立川監督
これに答えるのは僕かな。夕日を浴びて水面が光っていたり、潜水艦に光が当たっていたりしている感じに描きたかったんです。水滴がキラキラしているのに加えて、人も神々しい感じにして神が降りてきたみたいな印象にしました。
高山さん
ちょいちょい(笑)!
立川監督
カッコ良くなると良いなと思って、あのようにしました。絵コンテを描いてくれた人が帽子を抑えるような感じにしてくれました。
高山さん
ちなみにね、ジンの話で言うと、最初のジンは銀髪ではなかったよね。いつからこうなったんだっけ?
青山さん
原作では銀髪に描いています。ジンって英語でGINと書くので、最初から銀髪なんです。
高山さん
山本(泰一郎)監督が、しばらくしてから(青山先生に)「ジンは銀髪なんだよね」と言われたって言っていました。
青山さん
そう。アニメで見て「あれ?茶髪になってる!」と思ったんだよ(笑)。
MC
本日は楽しいお話をありがとうございました。まだまだお話を伺いたいのですが、お時間となってしまいました。ご挨拶をお願いします。
高山さん
皆さんに、たくさん観ていただいたり、応援をいただいたり、愛を感じています。毎月「まさかここまでとは?」と思う、私です。本当に愛してもらえる作品になりました。本当にありがとうございます。全国の皆さんも本当にありがとうございました。まだまだこれからも続きます。次回作もどうぞよろしくお願いします。今日はありがとうございました!
立川監督
クロージングが近いということで、9月はこういうイベントが行われ、監督をやった身としてはすごく嬉しいですし光栄に思っています。全国の皆さんも中継で見られているということで、本当に応援をありがとうございました。
青山さん
ちょっと来年の作品のことを話します。平次くんがとんでもないところで戦うのでお楽しみに。後は、コナンくんがとんでもないところをスケボーで走るので楽しみにしていてください。(会場:笑)
高山さん
えー、ちょっと待ってください!
青山さん
後は、次のサンデーの原作漫画は、怪盗キッドです。(会場:歓喜の声) 「名探偵コナン 犯人の犯沢さん」でお馴染みのあの探偵が出てくるので、楽しみにしてください。
MC
それではいつものアレを。
高山さん
全国の皆さんいつものアレをやるよー! これ、来年はもっと多くの人と一緒にやりたいんだけれど、今年を超えるのを目標にして良いかしら? 来年もこういう時期にみんなと集まれるっていうことでどうでしょう?(会場:拍手) 来年は、今全国で集まってくれている人数を超えられるように我々もがんばりますが、今回は、この人数で「ひとつ」を言うよ!
真実はいつもひとつ!