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人類と謎の病の壮大な戦いを描く大作、遂に完成!!
アニメに命を吹き込んだ堤真一、竹内涼真、杏と
日本を代表する異才アニメーター安藤雅司監督が登壇!
『鹿の王 ユナと約束の旅』完成披露試写会

2022年01月17日

『鹿の王 ユナと約束の旅』完成披露試写会

<左から、杏さん、堤真一さん、竹内涼真さん、安藤雅司監督>


2015年度の本屋大賞を受賞した上橋菜穂子のベストセラー巨編「鹿の王」がアニメーション映画に!『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『君の名は。』などに携わってきた異才アニメーター安藤雅司が初めて監督を務めた『鹿の王 ユナと約束の旅』が遂に完成。二度の公開延期を経て、1月17日東京・内幸町のイイノホールで完成披露試写会が行われました。上映前の舞台挨拶には声優を務めた堤真一さん、竹内涼真さん、杏さんと安藤雅司監督が登壇! こちらの舞台挨拶の模様をレポートいたします!


MC(辻岡義堂日本テレビアナウンサー):本日の進行は、『鹿の王 ユナと約束の旅』で、一言だけではなく二言、声の出演している辻岡義堂が担当いたします。「鹿の王」は2015年に本屋大賞を受賞した上橋菜穂子さんの小説を、『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『君の名は。』の原画を担当した安藤雅司さんが初めて監督を務めて映画化しました。当初は2020年の公開予定でしたが、二度の公開延期を経てようやく完成披露を迎えました。

堤真一さん(ヴァン役)

こんにちは、ようやく公開することができる「鹿の王」です。今日は短い時間ですが楽しんでいってください。よろしくお願いいたします。
竹内涼真さん(ホッサル役)

「鹿の王」、二度の公開延期に経て、運命に抗い、やっと2022年に公開できるのが、運命なのかな? と思います。どうぞよろしくお願いします。あと義堂さん、僕と絡んでいるみたいですが、全く気付かなかったです。

MC:本当ですか? 二言しゃべっているんですが...ぜひ劇場でご覧ください!

杏さん(サエ役)

私もこの作品が大好きなので、参加できて良かったです。作品を楽しんでいただければと思います。
安藤雅司監督

延期、延期でやっとこの日を迎えることができました。ぜひご覧になっていただきたいと思います。よろしくお願いします。

MC:竹内さん、今日は実は特別な日だそうですね?

竹内さん:
はい! 安藤さんの誕生日です。

堤さん、竹内さん、杏さん:
お誕生日おめでとうございます!

MC:53歳の誕生日だそうですが、どんな1年にしたいですか?

安藤監督:
良い1年にしたいですね。ちょうどこの映画の公開も決まって...。映画の誕生日ってことも含めて、ちょうどこんなめでたい日を同じ日に迎えられて嬉しい限りです。ありがとうございます。

MC:堤さんは実は本作が声優デビュー作だそうですね?

堤さん:
そうなんですよ。初めてですよ。

MC:びっくりですね?

堤さん:
びっくりですね、本当に。原作は読んでいて、ファンだったんですが、実写化にせよアニメ化にせよ壮大過ぎて難しいだろうと思っていたんです。お話をいただいて嬉しかったんですが、アフレコの経験がなかったので、もしやるなら「我慢して我慢して...何回NGを出しても良い環境」でやらせてくださいとお願いしました。やったことがないので、(声優の)落合福嗣くんという知り合いがいまして、彼は声優をやっているので、いかに難しいかを聞いて...。彼は簡単だって言うんですが、「僕には無理だな」って思っていたので、あまりにご迷惑をおかけするならお断りしたほうが良いのかなと思っていました。

MC:やってみていかがでしたか?

堤さん:
二度とやりたくなくなるくらいに難しかったです。僕には本当に難しかったです。

MC:竹内さんもアニメ映画の声優は今回が初めてだったそうですね?

竹内さん:
初ですね。「あんなに素敵でカッコ良い役を?」って最初に聞いた時はびっくりしました。アニメーションの声をやるのは自分とは無縁だと思っていて、意識していなかったので、「自分で良いのかな」っていう思いもありました。でも、「あの美しいビジュアルから聞こえてきてほしい声って何なんだろう」とか、「ホッサルの人となり」であったり、「彼が何を求めて生きているのか? 」とかいろいろと自分の中で役作りをしてから現場に入りました。でも、他の方とはアフレコでご一緒できなかったんです。相手役をしてくださった声優さんがものすごくて、求められているものを完璧に一発で出していくのがすごく悔しくて...。もう3年くらい前ですが、監督に寄り添っていただいて、何テイクも何テイクも重ねて...。

安藤監督:
自らNGを出されたりもしていましたね?

竹内さん:
悔しくて、自分で...。でも、結果ホッサルと共鳴できたので嬉しかったです。

MC:杏さんは原作の大大大大大ファンだったそうですね?

杏さん:
上橋先生が本屋大賞を受賞された時に対談をさせていただきました。「鹿の王」の世界についていろいろ質問をして...、まさか数年後にこの世界に入って役をやらせていただけるなんて本当にびっくりしました。上橋先生とはその後も交流していたので、「私がやります」とかじゃなく、まず先生に聞かないといけないと思って「私がサエで大丈夫ですか?」とお電話したら「やっていただければ」とおっしゃっていただけました。

MC:杏さんが思う「鹿の王」の魅力とはどういうところにあると思いますか?

杏さん:
ファンタジー小説だけど、政治とか医学とか、普段ドラマでもなかなか扱わないくらい重たいテーマをファンタジーの世界で描くことで、私たちが今生きている世界がすごく浮き彫りになる気がします。この作品には決して作られた世界ではない真実がたくさん詰まっていると思います。さらに、いろんな病が蔓延するってところもメッセージ性をもっていて、先ほど竹内さんが「運命」とおっしゃっていましたが、まさに運命と言える作品になっていったんだなと思います。どのように立ち向かっていくかを皆さんで共有していただければと思います。私もしていきたいと思います。

MC:安藤監督から見て、皆さんのアフレコはいかがでしたか?

安藤監督:
いや、もう皆さん本当に素晴らしくて、ブースのこちら側で「良い声だな」というのが何度聞こえたことか。こちらも堪能させていただきました。

MC:堤さんは自信がなかったとのことでしたが...?

安藤監督:
とんでもないですよ。ほとんど、どのテイクとっても良いと思うくらいでした。三人とも共通して、本当に謙虚に取り組んでくださって、誠実で真摯に取り組んでいただいているのが伝わってくる感じでした。

堤さん:
救われます! 本当に...。

MC:今回の作品、当然ですが安藤監督のアニメーションも見どころになると思いますが、キャストの皆さんにお気に入りのシーンを教えていただければと思います。一斉にフリップを広げてください! お願いいたします。

堤さん:
「鹿」。 ピュイカですね。ヴァンの相棒的な存在なんです。

竹内さん:
一緒ですね。「ピュイカ」です。

杏さん:
私も「鹿のかわいさ!!」です。

MC:まさかの鹿かぶりですね。

杏さん:
鹿しかない(笑)!

堤さん:
いろんな意味で物語に深く関わってくるので。

竹内さん:
安藤さんが描かれるピュイカが気づいたら懐に入ってくる...。瞳もすごく素敵だし、「もののけ姫」にも安藤さんが描く動物が出てきますが、やはり安藤さんが描く動物って本当にすごいんですね。本編を観て改めて感じました。

杏さん:
うちの子どもたちが特に鹿が大好きで、子ども服とか子どものオモチャで鹿のデザインって探すと、驚くほどあるんですね。なので、うちは鹿だらけです。この作品も公開されたらぜひ子どもたちと観に行こうかなと思っています。すごく鹿に思い入れがあり、鹿を子どもたちもすごく身近に感じられるので、鹿を堪能したいと思います。

MC:杏さんのおうちは"鹿ブーム"なんですか?

杏さん:
鹿のぬいぐるみも何個かあるし、鹿の総柄のズボン、鹿のタオルキャップ、鹿のトレーナ―...。

MC:鹿のデザインのものってそんなにあります?

杏さん:
あるんですよ! 一つのブランドからも何点も出ていたり。

MC:竹内さん、これ本当ですか?

竹内さん:
本当ですよ。というか、何で知らないんですか? って感じです。

MC:堤さんも竹内さんも、これだけ鹿にハマっている杏さんをご存知でしたか?

竹内さん:
有名ですよ。全然勉強していないなぁ...、義堂さん。

堤さん:
「奈良に移住しようかと思ってる」っていう。

杏さん:
奈良、絶対に行きますね。いつか(笑)。

MC:安藤監督も、三人が「鹿」でそろうとは...。

安藤監督:
そうですね...複雑ですが(苦笑)。でも、描きがいがありました。

MC:鹿を描く難しさもあるんでしょうか?

安藤監督:
そうですね。動物って昨今、なかなか描く機会が少ないもので、そんな中でこの作品では描かなくてはいけなく、それが印象に残ったのなら嬉しいです。

竹内さん:
もちろん人間なら共に生活してるわけで、顔の表情、身体の動きがイメージできると思うんですが、動物の表情とか、今回であればピュイカが、動物として人に発信する表情とか瞳であるとか、僕はいままで当たり前に見てたんですが、よく考えてみたらすごく難しい作業なんだなと思いますね。

杏さん:
鹿もそうですし、オオカミも出てくるし、森のシーンがたくさんあるんですが、全てがそこに生きている感じがするんですね。

MC:鹿には人一倍詳しい杏さんから見ても...。

杏さん:
もう、牡鹿、牝鹿、仔鹿、いっぱい出てきます

堤さん:
お聞きしたのは、(動物は)骨格が全て違うから、犬とオオカミも骨格が違うので、僕らからしたら犬の少し大きいのがオオカミくらいの感覚ですが、その姿勢だったり、その角度だったり...それを普通に描くだけでなく動かすっていうのがまた難しいみたいですね。

杏さん:
しかもリアルなだけでなく、「飛ぶ鹿」と書いてピュイカなので、人を乗せて飛ぶことができるんです。現実には大きさ的にそんな鹿はいないわけで、そういった部分がアニメの世界では描かれていて夢があって「乗りたいな」と思います。

MC:安藤監督はそういった技術はいつ学ばれたんでしょうか?

安藤監督:
いや、学ぶというか、経験として...『もののけ姫』とかでやらせていただいた時に染み付いたものが、今回はかなり役に立ったかなと思いますね。

MC:竹内さんは「もののけ姫」も大好きだそうですが...。

竹内さん:
好き...好きなんです。でも、『もののけ姫』って気づいたら知っていたっていうくらい身近な作品じゃないですか? 何なんだろうな、この感覚というか...『もののけ姫』に出てくるヤックルも気づいたら好きでした。動物なのに、見ていて何ていうか親近感があって、心をかよわせている描写だったり、ああいうものを子どもの頃から漠然と見ていて、ものすごく心に...。安藤さんが描く動物は、すごく魅力があるんだなと思いますね。

MC:安藤監督からも「鹿の王」の注目ポイントを教えていただけますか?

安藤監督:
いや、まあ動物ですかね...難しいのは「どれくらい擬人化して良いのか?」ですね。親しみやすいといいつつも、やはり動物ならではの距離感、自然な挙動みたいなものがあります。感情と言っても人間の感情ではないところで動いてる、その微妙なニュアンスの距離感がうまく出せればなと思って描いた部分はあるので、その辺を観ていただいてどう感じていただけるか楽しみです。

MC:この作品において「鹿の王」というのは、仲間のために命を懸けて戦う者たちのことを指しますが、皆さんにとっての"鹿の王"と言える存在について教えてください。

堤さん:
鹿の王......人生を変えるきっかけになったという意味で、仕事をする度に"鹿の王"がいてくれているからここまでできたんだと思います。真面目な話になりますが、その一番最初のきっかけは、僕がほぼ初めてちゃんとした舞台(1990年公演「双頭の鷲」)に立った時の演出家であるデヴィッド・ルヴォー(五つのトニー賞にノミネートされた英国の劇場監督)というイギリスの演出家ですね。本当にケチョンケチョンにやられて、芝居を教わりましたね。25歳くらいかな? 「お客さんはお前を観に来てるんじゃないんだ。この役とこの役の関係性を観に来てるんだ」と言われました。あと「セリフは自分の役を説明するための道具じゃない」ってことを徹底的に言われましたね。

MC:竹内さんと杏さんが「うんうん」とうなづかれています。

竹内さん:
おこがましいですが、すごく分かるなというか、偉大な言葉だなと思います。

杏さん:
徹底的にやられるって言葉を聞いてドキドキしちゃいました。

堤さん:
稽古場行く時は怖かったですよ。若かったし、セリフを舞台で言うのもほとんど初めてで...。稽古場に行く途中に毎日「もうじき、殺されるんだろうな...」って思いながら、車道に体が寄っていくんですよ。車に轢かれたら稽古に行かなくていいって...でも、稽古場に着いちゃって「あぁ、着いちゃった」っていう毎日でした。

MC:竹内さんはいかがですか?

竹内さん:
僕はまだ28ですが、28年間生きてきた中で、分岐点で手を差し伸べてくれた方はたくさんいます。いまパッと思い浮かんだのが大学の時で、その当時はほぼスポーツしかやっていなかったんですが、部活のスタッフさんたちに「将来、俳優の仕事をやってみたいと思っている」ということを、新学期の初めに面接で相談したことがあったんです。「これからどうしたいんだ?」ってことで、「こういう会社に就職したい」という人もいれば、「ずっとサッカーを続けたい」という人もいたと思うんですが、僕は「俳優をやりたくてオーディションを受けようと思っている」って言いました。すると「いやいや、お前、何言ってるの? サッカーしかやってきていないでしょ?」と笑い話にすることもできたのに、「良いんじゃないの?」と真剣に聞いてくれたんですね。「どうやったらその道に行けるか考えてみたら?」「応援します」と言ってくれたのが、僕が踏み出すきっかけになったんですね。そこで実際にオーディションを受けてこの世界に入ったので、すごく感謝しています。チームメイトではなくスタッフなんですが...。

MC:今でも交流を?

竹内さん:
連絡を取ったりもします。僕は途中でサッカー部を辞めているんですが、今、僕が活躍していることを見ていただいて少しでも恩返しできるならいいかなと思います。

堤さん:
監督も周りの人も嬉しいでしょうね。

杏さん:
そうやって迷いなく背中を押してくれるって、互いの信頼関係があるからで、しかもそれがずっと続いてるって素敵だなと思います。

MC:杏さんの"鹿の王"を教えてください。

杏さん:
私は友達......一人じゃないんですが、10代の頃から互いを知ってる友達が、お互いにいろんなことを話して、お互いの人生を共有しているみたいになっています。これからも手を差し伸べ合ったり、支え合ったりしていくんだろうなと思います。おばあちゃんになってもそうやってワーワー言っているんだろうと思います。付き合いが古い子だと幼稚園から一緒だったり、30年以上ずっと一緒ですね。最近、特にSNSとかもあるので、20代の頃はそんなに連絡を取り合わなかったけれど、今は雑談をするように会話ができるツ―ルもあるので、結構みんなでワイワイと話していますね。

MC:良いアドバイスをくれたり、きっかけとなる言葉をくれたり?

杏さん:
何かもう、本当に何をなげうってでも、互いに話を聞いてほしい時は駆けつけるし、私も行くし、それがかなわないなら電話でもメールでお互いに話が尽きるまで、整理がつくまで話を聞くし、そういうことをこれまでも都度、都度してきました。たぶん、これからもしていくんだろうなと思います。

MC:それでは最後に堤さんから、これから映画をご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。

堤さん:
締めになるかどうか分かりませんが、二度も公開が延期になって、ようやく公開できることになりました。ファンタジー、サスペンスなどいろんな要素がある映画で、疫病を中心に描かれていますが、今のこの時期に観るべき作品だと思います。この状況だからこそ明るいものをもらえるし力をもらえる作品になっていると思います。立場によって...単純じゃない、政治的な話も出てくるんですが、それぞれの立場で共感できる存在も必ずいるし、違う意見も出ると思ういます。ぜひ、より多くの人に観ていただければと思います。よろしくお願いします。

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