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「君の名は。」「天気の子」
新海誠監督 最新作、始動―。
「すずめの戸締まり」製作発表会見

2021年12月15日

「すずめの戸締まり」製作発表会見

<左から、森七菜さん、新海誠監督、上白石萌音さん>


「君の名は。」「天気の子」で社会現象を巻き起こした新海誠監督の最新長編アニメーション映画「すずめの戸締まり」が2022年秋に公開されることが決定! 12月15日東京・日比谷の帝国ホテルにて製作発表会見が行なわれました。新海誠監督に加え、特別ゲストとして「君の名は。」のヒロイン・宮水三葉の声を担当した上白石萌音さん、「天気の子」のヒロイン・天野陽菜の声を務めた森七菜さんも駆け付けた、こちらの会見の模様をレポートいたします!


新海誠監督

皆さん、こんにちは。お忙しい中、わざわざ足をお運びいただき本当に感謝しております。今日はなるべく楽しい時間にできればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

MC:それでは監督から最新作について、お話をいただければと思います。

新海監督:
この後、ゲストの方に来ていただいているので、そこからはにぎやかに楽しくお話しできればと思いますが、最初にちょっとだけ僕のほうから映画についてお話しさせてください。
今「すずめの戸締まり」という映画を作っております。公開は来年の秋で、まだちょっと先ですので、今の時点でお話しできないことも多いのですが、最初に僕のほうから三つほどキーワードを挙げて映画の説明をさせていただきます。

一つ目は「この映画は日本列島各地を巡るロードムービー」であるということ。
二つ目は「扉を開いていく物語ではなく扉を閉じていく物語を作りたい」ということ。
三つ目は「映画館に足を運ぶ理由となる作品を作りたい」ということです。

一つ目から説明しますと、「ロードムービーであるということ」に関してですが、この映画は日本全国を舞台とした冒険物語です。「君の名は。」や「天気の子」のような映画を作り各地に舞台挨拶にうかがうと、観終わったお客さんから「次は僕の街、私の街を舞台にしてください」と言われることが多いんですね。毎回嬉しいんですが、「全部は出せないし、どうしようかなぁ...?」と、思うんです。でも、今回はロードムービーにすることでちょっと欲張りをして、各地の様々な風景、魅力的な人々、特別な出会いを描けるんじゃないかと思いました。ですので、今回はちょっと欲張った映画になっています。

二つ目の「扉を閉じていく物語を作りたい」ということですが、どんなこともそうですが何かを始めることより、終わらせることのほうが難しいと思います。映画作りもそうですし、多くのお仕事、恋愛や家族関係、生活の中でも終わらせることのほうが難しいことも多いと思います。あるいは、少子高齢化が進んでいくこの国にとって、いろんな出来事が、始めることよりも終わらせることのほうが難しいんじゃないかと感じることが多くなってきました。
いろんな可能性を開いていく物語でなくて、一つ一つの散らかってしまったいろんな可能性を見つめて、あるべき手段できちんと閉じていく。そのことによって次に進むべき新しい場所を見つける――そういう物語を、今お客さんは見たいんじゃないか? だから、開いていくより閉じていく物語にしたいと考えました。
今回、白い扉がここにありますが、劇中では様々な扉が登場します。ロードムービーですので、各地でその扉が開いていくことになります。

そして最後に、「映画館に足を運ぶ理由になるような作品作りをしたい」ということについてです。昨今、配信が全盛で、僕自身も寝る前に「今日はドラマ、これを見よう」とか配信を楽しみにしています。でも、やはり劇場・映画館という場所は、「人間の持っている特別な"ある能力"を発揮させてくれる場所じゃないか」と思います。その特別な"ある能力"というのは、例えば「感情移入すること」「物語に没入する」という能力だと思います。そういう能力は、家でリラックスして配信を見ていてももちろん発揮されます。でも、映画館に足を運んで暗闇の中に座って、集中して大きなスクリーンで観ることで、能力が最も強く引き出され、発揮することができるんじゃないかと思うんですね。そういうことができる画作り、音作りをこの映画でやっていきたいと思っています。
「『すずめの戸締まり』があるから映画館に行きたいな」と思っていただけるような映画作りを目指しています。

長くなりましたが、最初にお伝えしたいのはこの三つのことです。

MC:そして、新海監督の作品で印象的なのは強いヒロインの存在です。ここからは、本日の特別ゲストにもご登場いただきます!

上白石萌音さん、森七菜さんが中央の白い扉から登場!

上白石萌音さん(「君の名は。」宮水三葉役)

今日は最新作の製作発表というこんな晴れの舞台に来ることができて、とても光栄に思っています。こうやって監督の横でマイクを持つと、もう六年前になりますか...? 「君の名は。」の製作発表のことを思い出します。あの時は本当に手が震えるほど緊張しました。隣では新海さんの大ファンの神木(隆之介)さんが饒舌にしゃべっていて、「ここから何かすごいことが起きるのかな?」と感じたのを覚えています。あれからずいぶんと時間が経って、あの時より会見の会場が大きくなり、記者の方の数も多くなり、紛れもなくこれは今の新海誠監督の最新作なのだということを実感しています。私が登壇したことを知ったら、きっと神木さんは歯を食いしばって悔しがると思いますが(笑)、今日は幸運なファン代表として、新海ファミリーの一人として楽しく過ごしたいと思います。よろしくお願いいたします。
森七菜さん(「天気の子」天野陽菜役)

こんなにたくさんのフラッシュの中を登壇するのは久しぶりで緊張しますが...(笑)。私も、三年前ですね? 今はもう上京しましたが、あの時はまだ何も知らない大分の田舎の子だったので、「そんな子を新海さんはよく選んでくださったな」と思います。次の作品も今はすごく楽しみにしています。お話しできることは限られるかもしれませんが、私が見たできるだけ全ての魅力をお話しできるように頑張ります。よろしくお願いします。

MC:新海作品のヒロインとしてそれぞれ作品に命を吹きこまれたお二人ですが、来年、待望の最新作が公開されると聞いていかがでしたか?

上白石さん:
嬉しかったです。「一体どんなものを...?」と思いましたが「天気の子」から二年...スパンとてもが短いですよね。

新海監督:
公開までは三年ですね。

上白石さん:
「監督は寝られているかな?」とか、すごくいろんなことを思いながら、純粋にファンとして「(最新作は)どんな話なんだろう?」「早く観たいな」と思ったので、まさか発表の場にいられるなんて思ってもいませんでした。

森さん:
私は「天気の子」が終わってから、「新海さんの新作が、次は三年後に来るんじゃないか?」 と予想をしていて、毎年「あと何年だ?」と考えていたんです。一足先にVコンテを見させていただいて、計算がちょっと狂いましたが(笑)、すごく嬉しかったです。(Vコンテを見て)すごく楽しみになりましたね。

MC:お二人は本作のVコンテをご覧になっていますが、いかがでしたか?

上白石さん:
めちゃくちゃ面白かったです。Vコンテなので、まだ色も音もついていなくて、鉛筆などで描かれた絵がコマ送りで動いている中、新海さんの声が吹き込まれているものなので、完成からはまだ遠いものなんですが...。

新海監督:
そうですね、まだ最初の設計図ですね。物語はできていますが、絵はあれをベースにスタッフが一枚、一枚描いていきます。

上白石さん:
その骨組みだけなのに、本当に圧倒されました。純粋にストーリーに魅力がありましたし、新海さんのこれまでの「新海イズム」を保ちつつ、それこそ新たな「扉」を開けられたという感じがしてゾクゾクしながら、あっという間に拝見しました。

森さん:
私はビックリして...。何かこう、今までの新海さんの作品もそうでしたが、このゾクゾクとか、迫りくる...自分でも分からないうちに鳥肌が立ったりする感覚が、良い意味で気持ち悪くて、自分でも分からないところで気持ちが動かされている感じがしました。
新海さんの作品が公開された年は、その一本の映画で一年が変わる感じがすごくします。その感じを懐かしく思い出して、「またやってきたぞ」と、鳥肌が立ちました。この作品に色がついて、声優さんの声が入ったらどうなってしまうんだろう...「私、本当に鳥になっちゃうよ!」って思いました。


MC:新海監督はお二人の感想を受けていかがですか?

新海監督:
すごく励まされました。ずっと脚本を書いて、コンテを描いてきて...ちょうどコロナ禍が始まったころに企画を立て始めて...この二年間、ほとんど外に出ることなくずっと描いてきて、ようやく形になったものをお二人に観ていただいたばかりでした。本当は「良かったよ」と誰かに言ってほしかったので、萌音ちゃんと七菜ちゃんからその言葉をいただけたというのはすごく幸せです。

MC:お二人からお聞きしたいことがあればぜひ!

上白石さん:
言えないこと多すぎるんですよね(笑)?

新海監督:
"すずめ"というヒロインが出てくるんですが、まだオーディションもしていないので、決まっていないんです。でも、会見はするということで悩んだ時に、僕のほうから萌音ちゃんと七菜ちゃんに「助けていただけないでしょうか?」とうかがい、事務所の方からも「良いですよ」とお答えをいただきました。お二人の言葉も聞きたかったし、アドバイスもいただきたくて、今回はご一緒してもらいました。ありがとうございます。
言えないことはたくさんあるんですが、すずめと二人の共通点は一つだけあります。(出身が)西の方のね...。
※すずめも、上白石さんも森さんも出身が九州


森さん:
最初にそのことを(すずめが九州出身と)聞いた時、「私たちのことが本当に好きなんだな」と思いました(笑)。

上白石さん:
九州出身の女の子なんですよね。

新海監督:
そうなんです。上白石さんは鹿児島出身で、森さんは大分出身でいらっしゃるんですよね。正直、最初に書き始めた時、方言も含めて、直近で(「天気の子」で)七菜ちゃんと少し一緒にいたので、七菜ちゃんの声が聞こえてきたというのがありました。まだこれからオーディションしていかないといけないので、「どういう子にしたら良いか?」ということも今日、アドバイスをいただければなと思っています。

上白石さん:
私たちのアドバイスをそこに...(笑)?

新海監督:
いつもオーディションをするんですが、ブースに入って掛け合いをやらせていただくこともありますし、相手役が決まっている時は相手役の方とやっていただくこともあります。でも、オーディションを僕自身は受けたことがないので、受ける時はどういう気持ちで、何を見てほしいと思うものなのか...。どういう風にすずめを探したら良いかなと...。声優さんが良いのか? 女優さんが良いのか? それとももっと違うところに目を向けるべきなのか? 私だったらどうするとか...。

上白石さん:
私なら、枠を設けずにいろんな声を聞きたいと思います。

森さん:
私が、監督だったら...本当にそのままの素の姿がすずめだなって思う子を選ぶかも。私が1個気になったのは、ヒロインに監督の夢とか理想まで乗っている気がするんですよ(笑)。

新海監督:
すみません(苦笑)。

森さん:
それが、ヒロインを素敵に輝かせている気がするんですが、今回のすずめはどういう女の子であってほしいと思いながら作っているんですか? 私の時は力強さを感じたりしたけれど、「どういう思いで描いていたんだろう?」と思いました。

新海監督:
すずめは今回、結構アクションシーンも多いんです。ある存在と戦う女の子で、そういうものを描いてはこなかったので...。現代が舞台ではあるんですが、戦うのでいろんな怖い思いもしないといけないんです。ガードレールを飛び越えたりとかも...。
例えば、「七菜ちゃんや萌音ちゃんだったら、どれくらいの勢いでガードレールを飛び越えられるんだろう?」というのが分からなくて、仮の声で叫んだりしながら、自分がもしそのくらいの年齢の女性だったら、これくらいの勢いのアクションができるんじゃないか? と自分に問いかけながらやっていたんですが...。これから先はオーディションを通して、もっと素敵なことを教えてくれる人と出会えれば、最終的に「こういう子だったんだ」と掴める気がしていますが、まだ掴めていないんです。「君の名は。」の時は萌音ちゃんが、「天気の子」の時は七菜ちゃんがそれぞれ教えてくれたんで、そんな「教えてくれる人」と出会いたいですね。


上白石さん:
さっきも七菜ちゃんと言っていたんですが、「オーディション受けない?」って(笑)。

新海監督:
神木くんも「天気の子」のオーディションの時に、「僕も受けますよ」って言っていて「頼むからやめてほしい」ってお願いしたんです(笑)。二人がオーディションにいらっしゃったら僕がパニックになってしまう気がします。あと、強そうじゃないですか、オーディション。

森さん:
決めるのは新海さんですからね(笑)。

上白石さん:
ちょっと気になっているよね? どっちを選ぶのか? どっちも選ばれないのか?

新海監督:
後でお話を...(笑)。

森さん:
(上白石さんは)先輩ですが、そこは無礼講でって約束しました(笑)。

上白石さん:
オーディションはフェアなものなので(笑)。七菜ちゃんもまだ上京していない頃で、私もまだ当時は高校生で...。本当に大きな賭けをして、私たちを選んでくださったということで、何て心の広い方なんだろうって...。

新海監督:
いやいや、僕らの作品がお二人からいただいたもののほうがはるかに大きいですから。賭けというより、ある種の確信がありました。今のようなオーディションをやっていない段階では、すずめって分からない存在なんです。でも、声を聞いたら「この人なら」っていう分かる瞬間があるんですよね。分かったら、きっとたくさんのものをこの人からいただけるんだろうなって思えたので、「賭け」という感覚はなかったですね。今となっては最新作の記者発表まで助けてもらうとは予想していなかったですが(笑)。

MC:上白石さん、森さんは、Vコンテをご覧になってどんな気持ちになりましたか?

上白石さん:
いろいろあるけれど...「解決しないことってないのかな?」というか、「明けない夜はない」というか...。今も不安定な世の中で、常に不安があって、どんなに幸せな時も明日がどうなるかって分からなくて...でも「明るい明日を信じてみたいな」って思わせてくださるような、そんな前から引っ張ってくれるような前向きな終わり方で...私はとっても勇気をもらいました。これに新海さんの色彩が乗ると、よりすごく訴えてくるものがあるんだろうなって思いました。
新海さんの映画を観た後って、街が本当に新海さんの映画に見えるんですよ。何でもないと思っていた道路が「きれい」だと思えたり...。それと同じでこの映画を観た後は、全部の扉を開け閉めして、それをする度にすずめちゃんのことを想うんだろうなと思いました。壮大だけれど自分の物語として観られる作品だなと思いました。


森さん:
私は歳を重ねるにつれて、悩みごとが増えている感覚があります。悩みごとの解決の仕方も分からなくて「扉に閉じ込めておくこともできる」って思って...。それがたぶん、一番楽で何も考えなくて済むけれど、作品を観て、扉を開けた時にどんなに強い風が吹いていても、自分を揺るがす事態が起きても、ちゃんと心と心でぶつかり合っていけば、どうにか...自分の納得いく形なのかは分からないけれど、何か結末が待っている...。その後に自分がどう対応していくか...ということもあるけれど、扉の開け方を教えてくれる作品は、今までなかったなってことに気づきました。キレイなことだけじゃないかもしれないけれど、ちゃんとそこに勇気があって、背中を押してくれる映画です。今観たら人生で最高な"今ポイント"にガチっと来たなって思いました。いろいろ教えてもらうことが多かった作品だなと思いました。

新海監督:
結構、すずめにも大変なことが起きるし、旅をする場所、日本にもいろんな大変なことが起きる映画なんですよ。僕たちにも常に大変なことが起きているわけですが、「観終わった時、物語をどういう風に閉じればきちんと扉を閉じたことになるのか?」無責任に映画を始めて、開けっ放しで終わらせないということにはずっと悩み続けて、この二年作り続けてきました。閉めた上で何か新しい風景が...という言葉には今すごく励まされました。やはり来ていただいて、良かったです。

上白石さん:
「天気の子」を観た時に「もうすぐ晴れるよ」ってすごくマネしちゃったんですよ。「君の名は。」でも、「入れ替わってる!」ってすごくマネされることが増えたんですが(笑)。本作を観たら、朝、仕事に行く前に、扉に鍵をする前に、絶対にマネしちゃうと思います。そうやって、一緒に一生、日常を過ごしてくれるお守りのような作品になる気がします。

MC:ここからは記者さんとの質疑応答をしたいと思います。

Q:「君の名は。」「天気の子」があって、今回の「すずめの戸締まり」はモチーフ、テーマ、世界観に関連性はあるんでしょうか? また本作ならではの挑戦していることがあれば教えてください。

新海監督:
三作品で直接的なつながりあるか? ということに関しては、「アベンジャーズ」的なことを期待していらっしゃるファンがいることは承知しています。でも、そんなに直接はつながっていないです。過去のキャラクターが出てくるかは「分からない」と伏せさせていただきますが、世界線は繋がっていない新しい物語です。
新たなチャレンジに関しては、すごくたくさんあり、言えないこともいっぱいありますが...一つ言えるのはアクションムービーであることです。皆さんがイメージするようなアクションスターが活躍するようなものとは少し違う、想像しなかったようなアクションがある作品です。そこが難しいなと思いながら作っています。


Q:最初におっしゃられた三つのキーワードがありますが、そもそもストーリーの発想の起点、"すずめ"というヒロイン像が生まれたきっかけがあれば教えてください。

新海監督:
"すずめ"というヒロイン主導で物語が出来上がってきたというより「扉を閉めていく」という発想があったんです。例えば、実家の長野に帰ったりすると、少し寂しい風景が増えたなと実感することが増えた気がしています。日本各地を回ってみても、少し寂しい風景が増えたなと...。緑が増えて、人が減って...コロナ禍でもそれは感じました。僕は新宿に住んでいるんですが、新宿にこれだけ人がいない風景はもしかしたら何百年もなかったことなんじゃないかと思いました。
未来の風景を考えるようなこともありました。例えば、人間が新しい土地を開いたり、家を作ったりする時に地鎮祭を行い、土地の神様に「良い家ができますように」とお祈りをします。でも、「人が消えていく時は何をするのか?」と思ったんです。結構、何もしない...地鎮祭の反対のことはしないんですよね。仏壇の魂抜きとかはしますが...。であるならば、僕たちの風景がだんだん寂しくなっていくなら、「どのように閉じていけば良いのか?」ということに興味がわきました。それが「扉を閉めていく」という物語の発想の起点になっています。これ以上詳しくは言えないんですが、それが最初ですね。


Q:これまでの作品でも、故郷の長野の風景であったり、ご自身の過去の恋愛などがモチーフに散りばめられていますが、この作品に関して、主人公が若い旅人を追っていくというストーリーになっていますが、彼らの関係性などはどのようになっていくんでしょうか?

新海監督:
"すずめ"というキャラクターがいますが、青年の旅人のキャラクターも出てきます。彼はすずめよりも年上で、憧れるような関係性はあり、人によってはそれは恋愛に見えるかもしれません。
あるいは、各地を旅していきますので、各地でいろんなキャラクターと出会い、それが友情の場合もあれば、疑似的親子のようだったり、おじいさんやおばあさんと出会う場合もあります。さっき裏で話していた時に萌音ちゃんから「すずめが子どもと遊んでいるシーンが良かった」と言っていただきました。「君の名は。」は恋愛関係の物語だったとすると、「すずめの戸締まり」はもっと幅広い様々な人間関係が出てくると思います。


森さん:
楽しかったです。おもちゃ箱みたいな...。

新海監督:
ギャグシーンもたくさんあります。

上白石さん:
何回も声を出して笑いました。監督のギャグセンスが光っています。

新海監督:
あんまり自信はないんですが...(笑)。

Q:「幅広い人間関係」を描く上で、コロナ禍での人のつながりの希薄化といったことが、作風などに影響を与えた部分などもあるんでしょうか?

新海監督:
難しい問題で、映画に関して言えば、どういう環境で上映できるのか分かりませんし、コロナ禍そのものを舞台にしても、映画の公開時期とのずれもあるので...。例えばキャラクターがマスクをすべきかどうかも迷いました。迷った結果、この映画ではコロナを連想させる部分がなくはないけれど、コロナそのものを描くシーンはありません。マスクはほとんどしていません。
ただ、作っている最中に「願い」のようなもの込めていると思います。二年間、ほとんど外に出ずに描いていたと言いましたが、本当はロードムービーなので、できるならば各地に行って、その土地の空気を吸いながら描きたかったんです。でも、それが今はできないので、この映画が公開される頃には、そういうことが当たり前にできるようになっていれば良いなという渇望のようなものが込められていると思います。


Q:人がいなくなった景色ということで、全国に過疎地域の農村の空家などが増えています。また廃墟ということでは、東日本大震災の被災地もイメージしがちですが、そういった描写も含まれていたりするんでしょうか?

新海監督:
リリースにも「扉が開くと、そこが災害の元になる」という設定が書かれていますが、おっしゃる通り、人が住まなくなってしまった被災地のような場所、災害のような場所は出てきます。映画の中のセリフで「人のいなくなってしまった寂しい場所に扉は開くんだ」という意味のものもあります。それ以上の部分はできれば観て楽しんでいただければと思いますので、今はお伝えできませんが、そういう感じです。

MC:最後に新海誠監督から公開を待ち望んでいるファンの皆さんにメッセージをいただければと思います。

新海監督:
今日は本当にお付き合いいただきありがとうございました。萌音ちゃんも七菜ちゃんも本当に忙しい中ありがとうございました。現在、鋭意制作中でこの瞬間も荻窪あたりにあるスタジオで、スタッフたちが頑張ってくれていると思います。僕がたくさんの人を代表して今日はとりあえずここに立たせていただきました。アニメーションは総合力ですので、僕たち望みを持ったスタッフが集まって、他では観られないような力のある作品をこの場所から届けたいと強く願っています。公開はまだ少し先ですが、たくさんの人に観ていただきたいと思っています。今日はありがとうございました。

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