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映画公開を待つファンに向けて「旬の声」と「源の声」を披露!
「罪の声」完成報告会

2020年09月29日

「罪の声」完成報告会

<左から、塩田武士さん、小栗旬さん、星野源さん、土井裕泰監督>


土井裕泰監督が、小栗旬さんと星野源さんの映画初共演で、塩田武士さん著のベストセラー小説を基に描く、映画「罪の声」は10月30日より公開となります。本作が完成したことを報告するイベントを9月29日に東京国際フォーラムにて開催しました。当日は、小栗旬さん、星野源さん、土井裕泰監督、それに原作者の塩田武士さんが登壇され、本作への思いを語りました。また、タイトルにちなんだ「旬の声」と「源の声」をファンの皆さまに向けて披露しました。こちらのイベントの様子を詳しくレポートします。


小栗 旬さん(阿久津英士役)

本日は短い時間ですが、よろしくお願いします。
星野 源さん(曽根俊也役)

皆さん、今日はお越しいただきありがとうございます。
塩田武士さん(原作)

本日は、お忙しい中お集まりいただきありがとうございます。
土井裕泰監督

今日は、お集まりいただきありがとうございます。本来であれば客席を向いてご挨拶をするところですが...今年はいろいろなことがありましたけれども、このように(映画が)完成して皆さんに観てもらえる日が近いことを本当に嬉しく思っています。

MC:本当であれば、こちらの会場に1500人のお客さんが集ってキャーキャー言っていたところです。小栗さん、改めて無観客について正直なところどうでしょうか。

小栗さん:
そうですね、(後ろを向き、無観客の会場を見渡して)ある種、贅沢な場にいさせてもらっていると思います。でも、やはりお客さんが入っているのを見たいですね。

星野さん:
こうやって(後ろを向き、無観客の会場を見渡して)見ると、劇場の景色って「良い景色」だと思います。僕も舞台をずっとやってきた人間なので、こっち側の(舞台から客席を見る)景色というか、お客さんがいっぱいいる景色を早く見たいなと思います。でも、こういう風(本日の会)に集まれただけでも、僕は感激していますし、とても嬉しいです。撮影は一年半ぐらい前で、ずっと「公開できるのかな? どうなのかな?」と、ちょっと不安だったので、今日は嬉しいですね。

MC:先月完成したばかりの本編ですが、ご覧になった感想を伺います。

小栗さん:
自分が出演している作品ですが、本当に飽きることなく、いろいろなことを考えながら観ました。物語の中盤に僕がものすごく好きなシーンがあるんですが、そこでは心をグッと鷲づかみされました。とても有意義な時間を過ごせる映画になっていました。

星野さん:
この作品は(尺が)二時間二十分ぐらいあるんですが、本当に誇張ではなく、あっという間に感じて、全然飽きませんでした。台本をいただいた時も、原作を読ませていただいた時も、情報量があまりにも多いので、「これを一本の映画にするにはどれだけ大変なんだろうか」と思っていました。それで、完成した作品を観た時は、面白いし、飽きないし、映画にしかできないメッセージをすごく受け取れた気がします。その後に、小栗くんと電話をして、「土井さん、すごいね!」って話をしました。本当に、土井さんはすごいです!

小栗さん:
(笑いながらうなずく)

土井監督:
(笑顔で)ありがとうございます。

MC:塩田さんはご覧になっていかがでしたか。

塩田さん:
試写室で観たんですが、観終わった後の、試写室内の「打ちのめされたような雰囲気」が忘れられないんですよね。映像に圧倒されまして、個人的にも「待ちに待った重厚で本格的な社会派作品が誕生した!」と思い胸が熱くなりました。

MC:先ほど「監督がすごい」という話も(星野さんと小栗さんから)出ましたけれども?

塩田さん:
監督はすごいですよね!(登壇者:笑) 「よく二時間ちょっとでまとめたな」というのがあって、感激しました。

MC:原作者として、映画化のお話が来た時は、どのように思われましたか。

塩田さん:
まず、「無理ちゃうか!」と思いました(笑)。 でも、キャスティングを伺った時に、(イギリス北部の都市)ヨークの地を歩く小栗さん、それに静謐(せいひつ)な空間で物作りをする星野さん、そのイメージがパッと頭に浮かんだので、「あ、これはイケるかもしれない!」と思いましたね。

MC:小栗さんと星野さんは、この配役をどう思われましたか。

小栗さん:
僕はオファーをいただいた時点で、「曽根俊也役は星野源さんで考えている」と聞いていたので、「それはぴったりだな」と思いました。原作を読ませてもらって、「この作品に参加しないという手はないな」と思うぐらい、原作の持つエネルギーと、「本当にこういうことが起きていたのではないか」と思うほど、すごく緻密(ちみつ)なストーリーに感動しました。

星野さん:
僕も、一番最初にお話を聞いたのは四年ぐらい前で、まだ映画化の話が本格的に始動する少し前だったと思います。プロデューサーの方から「こういう話があって、主人公は二人いて、阿久津は小栗くんでやりたいと思っていて、もう一人の俊也を星野くんでどうかなと思っているんだ」と伺った時はすごく面白いなと思いました。その時は、僕はまだ小説を読んでいなくて、「昔、ある事件があって、脅迫文を子どもに読ませていて...僕自身と同じぐらいの年齢の人間(=俊也)が、押し入れからたまたまみつけたカセットテープを再生したら、その脅迫文だった」という、あらすじを聞いただけで、もう鳥肌が止まりませんでした。もう一人は新聞記者だと聞いて、「すごく面白そうだな」と思ったんです。それから原作を読んだ時に、「小栗くんがこの役をやるんだ」ということがフレッシュな感じがして...。

MC:それはなぜですか?

星野さん:
普通のおじさんなんですよ! (会場:笑)

小栗さん:
(笑みがこぼれる)

星野さん:
記者役といえば人間味あふれるとか、正義感にあふれていて、「真実をあばくぞ!」とか「正義を守るぞ!」とかが多いと思うんです。でも、(阿久津は)どちらかというと挫折を経験していて、人の気持ちをすごくちゃんと見られる人で、でもパッと見はくたびれた感じのおじさんという役なんです。その感じを小栗くんがやるんだというのを「早く観たいな」と思ったんですよね。それがすごく楽しみでした。

MC:小栗さん、「普通のおじさん」で間違いないですよね?

小栗さん:
はい(笑)。普通のおじさんです! この撮影の時は、ちょこっとお腹も(ズボンに)のっかっているぐらいの感じでした。

MC:お二人は映画では初共演なんですよね?

小栗さん&星野さん:
はい! そうですね。

MC:それでは、共演する前のお互いの印象を伺います。

小栗さん:
僕は普段星野源さんの音楽を聴かせてもらって、ファンみたいな気分でいました。共演する前にも何度かお会いする機会があって、いつもちょっとしたファン心理みたいな感じで、ただただ会えることを喜んでいました。今回共演でき、本当にいろいろな時間を過ごして、ちゃんと「星野さん」という人を感じながら知っていける時間がありました。今では時々、食事なんかもできる関係になれたことを非常に嬉しく思っています。

星野さん:
今回の共演の前に、ドラマ「コウノドリ」(2015年、2017年にTBS系列にて放送/主演:綾野剛)で少しだけ共演させてもらいました。あとは、共通の知人が何人かいるので(会うのは)飲みの場とか、ご飯の場とかだったので、いわゆるシラフの状態で話をすることが、なかなかなかったんですよ(笑)。

小栗さん:
(笑)。

MC:星野さんは、お酒飲まないですよね?

星野さん:
僕はあんまり・・・飲まないです。でも、飲みの場がすごく好きなんです。(小栗さんとは)みんなでワイワイやっている場でしか会ったことがなかったですね。

MC:ワイワイした小栗さんしか知らなかった?

小栗さん:
(笑)。

星野さん:
そうなんです! "ワイワイ状態の小栗くん"しか知らなかったんですが、「撮影現場でどうなんだろうな」と思って、すごく楽しみにしていました。現場では役に対してまっすぐで、丁寧に向き合っていて、現場にそっといる感じの人でした。だから、僕も同じタイプなので、二人でボソボソとずっと話をしているような、そんな待ち時間だったんですよ。その時の会話が僕はすっごく楽しかったので、イッキに好きになり、その後もお食事に行ったりとか、(小栗さんに向かって)ね?

小栗さん:
はい。僕もとっても好きになりました。

星野さん:
ありがとう!

MC:ボソボソ何を話しているんですか?

星野さん:
お互いの仕事の話とか、プライベートの話も含めていろいろと...。

小栗さん:
うん...何かボソボソといろいろしゃべっていましたね。

星野さん:
すごくボソボソしゃべっていたよね! スタジオでも、ロケでも、他愛もない話をしていました。

MC:土井監督は「二人のキャスティングが肝だった」とおっしゃっていたようですが?

土井監督:
本当にお二人は役にぴったりだなと思っていました。あと、先ほど塩田さんが「阿久津がヨークの街を歩いているところが見える」とおっしゃったように、僕は二人がいろいろ調べて歩いている姿がなんとなく思い浮かんで、最初からこの二人のシーンをすごく撮りたいと思っていました。

MC:それでは撮影に入ってからのお二人はいかがでしたか?

土井監督:
さっきも(小栗さんと星野さんご自身が)話していたけれど、結構静かでしたよね? 割と大人な現場で、何かとても静かで穏やかでした(笑)。

星野さん:
穏やかでしたね。たぶん土井さんの人柄もあると思うんですよね。すごく穏やかな方なので、現場全体が監督のムードになります。

土井監督:
覚えているのは、テーラーのシーンを撮った時のことです。星野さん演じる曽根には奥さんと子どもがいて、最初は家族三人のシーンを撮っていました。子ども役の五歳ぐらいの女の子がいるんですが、すごく星野さんに懐いていました。その撮影の次の日ぐらいに小栗さんが(テーラーを)訪ねてくるシーンがあって、小栗さんがセットに来た時に、その女の子の目がハートになる瞬間というのを僕は見てしまったんです(笑)。

小栗さん&星野さん:
(爆笑)。

星野さん:
僕には普通に懐いていたのに...急に。...(小栗さんを)意識し始めていました。

土井監督:
急に女子に...(笑)。

小栗さん:
(笑顔で)そうでしたね。すごく懐いてくれる子でした。

MC:全然"普通のおじさん"じゃないですね。

小栗さん:
(笑)。

星野さん:
カメラの前では、"普通のおじさん"でした。

MC:役作りについても伺いたいと思います。小栗さんは普通のおじさん新聞記者ということですけども何か監督と役作りについてお話をされたりしましたか。

小栗さん:
実際に撮影に入る前の打ち合わせ時間もたくさんあって、監督に「今回はどんな身体的アプローチをしたら良いですか?」と尋ねたら、「そういうことは特に何もしなくて良いです」という返答をもらいました。ですから、くたびれて、情熱をもっていたところから少し離れてしまっているキャラクターの姿を見せるにはどうすれば良いのか常に考えました。阿久津というキャラクターには、塩田先生が培ってきた、新聞記者であること、作品に対する長年の思いの中で生まれてきたものがあり、その端々に塩田先生を感じました。そういう血液のようなものが(小栗さんの演じる)阿久津の中に流れていったら良いなと思っていました。撮影が始まってから塩田先生とお会いする機会がありまして、その時に新聞記者の時のお話なども伺いました。その時に「靴がものすごくすり減る」という話を聞いて、それが印象に残っています。

MC:先生、それがスクリーンに投影されていると感じることがありましたか。

塩田さん:
"こんなカッコいい新聞記者はおらへんな"と思いましたけどね(笑)。
本当にヨークの街を実際に私が歩いて(取材して)メモをし続けて、歩きすぎて足が痛くなって歩けなくなったこともありました。夏のヨークは、夜の八時でも明るくて、ベンチに座って、「絶対にこの作品を成功させなければ」と思っていました。そういう思い入れのある取材をしたので、(映画では)実際に歩いた街を小栗さんが(ヨークの街を)歩いていて、自分が訪ねた場所が映像に映っている...自分の思いが重なりました。それに作品が伝えたいことも重なって良いシーンになっていました。すごく胸がいっぱいになりました。


MC:星野さんはテーラーの役ですが、役作りはどのようにされましたか。

星野さん:
テーラーのお仕事は、職人の方から少しだけ習う機会がありました。あとは映像を見ながら、自宅のダイニングテーブルに型紙を広げてチョークを引いてハサミで切ってという練習をしたぐらいです。撮影の現場には、監修としてテーラーの方がずっといてくださったので、すごく安心した状態でお芝居ができました。テーラーのシーンのセットは素晴らしくて、何十年もお仕事をされてきたんだろうなということが伺えるものでした。(土井監督に向かって)あの道具は本物をお借りしたんですよね?

土井監督:
そうなんです。実際にたくさんのお店とテーラーの方を取材をしました。テーラーの方は70代、80代の年配の方が多くて、その方々の手になじんだ道具というのは、(映画美術の)作りではできないので、実際にいろいろなところからお借りしました。

MC:そういったところもぜひ観ていただきたいですね。
それでは撮影現場での大変だったことや面白かったことなどのエピソードを伺えればと思います。


小栗さん:
(真剣な声で)何か...あったかな...。

MC:(笑)。そんな真剣ではなくても...気楽な感じでお願いします。

小栗さん:
(笑)。現場で大変だったこと...(腕を組んで考え込む)うーん...。何か大変だったことありましたかね、監督?

土井監督:
今回は出演されるキャストの人数がすごく多いです。 阿久津も曽根もどちらも調べていくので、35年前のことをいろいろ証言してくれる方に次々と会っていくんです。だから毎日毎日すごい俳優さんたちが現場に来て、半日とか一日でワンシーンをやって帰られていきました。皆さんの存在感がすごかったです。現場で小栗さんともそのことを話しましたが、阿久津としてよりは俳優・小栗旬として、大先輩の方々を見て、思うことがあったのではないでしょうか。

MC:特にこの方は! と思うことはありましたか。

小栗さん:
本当に皆さんそうですが、塩田さんが話されていたヨークの街で、宇崎竜童さんとお会いしました。撮影時の僕が36歳で、宇崎さんがほぼ二倍の年齢で、自分の倍の人生を生きている先輩が、こんなにイキイキと、はつらつとされている姿を見て、僕が宇崎さんの年齢になるまでに「もう一度(今までの人生と)同じ時間を体験できるんだな」と思え、ものすごく勇気をいただきました。本当にとてつもなくカッコ良かったんです!

MC:何か会話で覚えていることはありますか。

小栗さん:
少し怖い方なのかなというイメージがありましたが、全然そんなことはなくて、気さくに話してくださいました。「お酒もタバコも一切やらない」という話をされて、こちらの勝手な想像でいろいろイメージしていたんだと思いました。

MC:星野さんは現場で覚えていることはありますか。

星野さん:
現場で...そうですねえ...うーん。

小栗さん:
すごく大変だったことは?

星野さん:
特にないですね。撮影もすごくスムーズだった記憶があります。ただ、いろいろな場所でロケがあったので、移動は大変だったなというぐらいです。すごく落ち着いた状態で、みんながほがらかに、撮影が進んでいった印象です。敢えて言うのなら、曽根は京都生まれ京都育ちで、京都でテーラーを営んでいるので、京都弁を話さないといけなかったことですね。京都弁の指導の先生がめちゃくちゃ厳しい方だったので、それがとてもありがたかったです。ですから、すごく安心して任せられました。ちょっと間違えると、「そこがこう違います」と必ず言いに来てくださる方でした。その時に、発見だったのは、京都の言葉として覚えて話すんですが、感情が乗るとイントネーションが少し変わってしまうんです。それが、テレビから流れてくる関西弁に流れてしまうんですね。いかに自分がテレビなどで聞いている関西弁の印象が身体に染みついているのかっていうことを実感しました。いわゆる関西弁と京都弁は全く違うもので、関西の中でもいろいろな言い方があるから、一概に関西弁と言ってはいけないなと思うようになりました。それは難しくもあり、僕にとって大きな発見で面白かったです。

MC:豪華な方々が入れ替わり立ち替わりさる現場というのは、監督冥利に尽きるのではないでしょうか。

土井監督:
そうですね。僕が若い時からいろいろな映画やテレビで見てきた方たちだったり、これまでの仕事でご一緒した方に声をかけて、出ていただきました。そういう意味では毎日、緊張が途切れることがなかったですね。「よろしくお願いします。本当にワンシーンだけなんです」という日々が続き、良い緊張感を保てました。

星野さん:
塩見さんもそうですし。

土井監督:
塩見三省さんは、ドラマ「コウノドリ」の時には星野さんのお父さんの役でした。今回は、阿久津の取材先の方を演じているので、星野さんとは絡んでいませんが...。本当にあの存在感は...。

星野さん:
素晴らしい存在感でした。(出演された)あのシーンは見ていて楽しかったです。

MC:塩田先生も撮影現場にいかれたのですよね。

塩田さん:
一度、現場にご挨拶に伺いました。(伺った時は)すごく深刻なシーンで、小栗さんと星野さんと宇野(祥平)さんが対話をするシーンでした。宇野さんの役作りがすごくて、僕は見た瞬間に(宇野さんの役が)聡一郎だと分かりました。壮絶な人生を歩んできたことが見ただけでわかるってことはすごいと思いました。それから僕がびっくりしたのは、役者さんは同じセリフを同じテンションで何度も言って、それを角度を変えて何度も撮っていることでした。その時に、土井監督は厳しいなと思ったことがありました。聡一郎が泣く時に、鼻が出ることがあって、監督が「ちょっと鼻(水)が多い。鼻出すぎ」と言われていました。

土井監督:
(吹き出して笑う)。

塩田さん:
演じる方は、鼻(水)をどうコントロールするのか分からないですよね?  でも、次のカットを見たら鼻(水)が少ないんです!「役者さんはどういう訓練をして、その気管を鍛えているのだろう?」と思い、驚きましたね(笑)。

土井監督:
たぶん僕は、宇野さんご本人に対して「鼻(水)を減らして」とは言っていないと思うんですよ(笑)。 役者さんは、毎回その時のビビットな気持ちでやってもらえれば良いなと思っています。ただ、客観的に見ている自分がいますので、そうした時に、僕の心の声が漏れてつぶやいたのを、塩田さんは僕の後ろにいたので、お聞きになったのだと思います(笑)。

MC:小栗さんと星野さんは、「監督は厳しい」と思ったことはなかったですか。

小栗さん:
土井さんはそういう言い方をされる方ではないので...現場では伸び伸びやらせてもらっていましたし...。(星野さんを見て)何かあったかな?

星野さん:
僕も特には...。

土井監督:
小栗さんと星野さんが瀬戸大橋のたもとで話す、ワンカットで撮る長いシーンがありました。そのシーンは二人のセリフ量も多いんですが、撮影時天気があまり良くなくて、翌日にもう一度トライをさせてもらいました。そこは、僕がわがままを言わせてもらいました。翌日のスケジュールも大変だったので、「とにかくその場所に行って、車から降りたらすぐに本番の撮影をしましょう!」という感じでやってもらいました。 そういうのも二人は、ちゃんと対応してくれました。嬉しかったです。

星野さん:
でも、ワクワクしますよね? (小栗さんに)楽しいよね?

小栗さん:
うん(笑)。

星野さん:
「着いてすぐ芝居だ!」みたいな...。

MC:「ちょっと待ってください」じゃないんですか?!

小栗さん&星野さん:
楽しかったですね!

小栗さん:
しかも、前日にも準備ができていましたし、すごく好きなシーンなので、「また、あそこをもう一回やれるんだな」と思って...。

星野さん:
なんかリハ(ーサル)はできているみたいな感じだよね?

小栗さん:
うんうん。で、実際に二日目の方が良い...。

土井監督:
いやもう全然違いました。あとは頼んでいないんですが、絶妙なタイミングで後方に船が通りましたね。

星野さん:
そうそうそう。あれは素晴らしかったですね。

小栗さん:
たまたま...。

土井監督:
あの一度しかできない...。

MC:塩田さん、どうやら何度もやるのは喜びらしいですよ!

塩田さん:
そうなんですね。厳しいと思っていました。

土井監督:
まあ、俳優さんはちょっとそういう変態なところがありますから!

小栗さん&星野さん:
(笑)。

MC:皆さんのお好きなシーンをネタバレは避けて教えていただけますでしょうか。

小栗さん:
見ごたえのあるシーンがすごく多いので、なかなか選ぶのは難しいんですよね。ただ、僕が一つだけ好きなシーンとして挙げさせてもらっているのが、途中の高田聖子さんが演じている望ちゃんという......事件に巻き込まれる女の子の同級生が、大人になってから、あるエピソードを源くん演じる曽根に話すシーンです。自分が(映画を観た時)最初に「うわぁー、すごいなこのシーン」と思ったので、自分の中ではとても気にいっているシーンです。

星野さん:
いろいろと面白いシーンがたくさんあって、それこそシリアスなシーンでもそうですが、ちょっと笑ってしまうシーンもたくさんあります。僕の友だちや、僕のラジオ番組のリスナーからのメールでは「予告編を観るとちょっと怖い映画だ」と思っている人がいるんです。でも、全然そんなことはないです。少しだけハラハラして、すごく切なくて悲しい部分もありますが怖いシーンはあまりなくて...。その反対にあるのが橋本じゅんさんが演じているシーンです。(土井監督に向かって)橋本さんのシーンは、現場でのテンションもすごかったですよね? 少し抑えてくださいという感じで...。

MC:あれでも抑え気味なのですか?!

星野さん:
すごく抑えていました。そのあと僕はドラマ「MIU404」(2020年TBS系列にて放送/主演:綾野剛、星野源)で橋本さんとまたご一緒しました。(本作で)橋本さんの役は、阿久津と曽根がそれぞれ取材を重ねていくなかで、「あの人がいなければこの映画は途中で終わっているのではないか」というぐらいキーマンなんです。 でも、めちゃくちゃおっちょこちょいで、うかつなので、そこを楽しみにみてもらえれば、また違った面白さが出てくると思います。

小栗さん:
今、僕らが挙げたお二人とも、「劇団☆新感線」の俳優さんですね。

星野さん:
あ、そうですね! やはり「劇団☆新感線」はすごいですね(笑)。

MC:監督は何かありますか。

土井監督:
先ほどから話にでていますが、阿久津が終盤でヨークに行って、宇崎さんと会う。一方で、京都では曽根がある人と向かい合っているんです。これが交互に描かれていくところがあるんですが、そこが一番の見どころだと思います。

MC:先生も何かありますか。

塩田さん:
そうですね、やはりラストのあたりに、ヨークもそうですが、星野さんが京都弁の「~で」という語尾で終わるセリフが二度続くシーンがあります。すごく良いシーンです! この時の完璧な京都弁のイントネーションと抑制の効いた声と表情が神がかっていて、「僕はこれが書きたかったんだ!」というものを、ものの数秒で演じきっていました。その星野さんのお芝居で、(気持ちを)ものすごく持っていかれました。これは来ましたね!

星野さん:
ありがとうございます! とても嬉しいです。あのシーンは、曽根にとっても大事なところで、それこそ二人の主人公がそれぞれ対決というか、ある人と対峙しないといけないシーンなんです。例えば、感情をぶつけるとか、いろいろ表現する方法があると思います。やっていくなかで、監督から「曽根ならではの向き合い方があるんじゃないの?」と話してもらったことから、でき上がったシーンだと思います。塩田さんにそこを気に入っていただけたことは本当に嬉しいです。

塩田さん:
あれは小説ではできない最後のもっていきかたなんです。そこで、やはり映画はすごいなと思いました。

MC:最後に小栗さんと星野さんから、公開を待ちわびている全国の皆さんに向けて、「旬の声」と「源の声」を届けてもらっても良いでしょうか。

星野さん:
何かそういう居酒屋がありそうですね(笑)。
撮影をしてから一年半ぐらい公開を待ちわびていました。その間に本当にいろいろなことがあって、やっと公開できることを本当に心から嬉しく思います。この映画の中で描かれているメッセージだったり、意見だったり、人間模様というのは、過去の事件を扱っている部分はあるのですが、今生きている僕たちにものすごく刺さるものだと思います。いろいろな事件が世の中ではあるし、いろいろな報道があると思います。例えば、「愉快犯」というのは劇場型犯罪と言われているモノだと思いますが...「愉快な犯罪なんてないんだ」という、そんなメッセージを僕は最後に感じました。その中で、事件だったり、事故だったり、テレビや新聞や雑誌からの情報というものの外側にある声が、こんなにたくさんあるということを日常でも意識できるような作品だと思います。ぜひいろいろな人に観ていただきたいです。世代を問わずに楽しんでもらえて、いろいろな"モノ"を持ち帰ってもらえる作品だと思います。皆さん、ぜひ劇場に観に来てください!


小栗さん:
(おじぎをして)旬の声です!
今、源くんも話していましたが、さまざまな声が入っている少し複雑なお話ではあります。それを、見事に力強いエンターテイメントとして、土井監督が作り上げてくれました。塩田先生も取材時に話されていたことですが、この作品は観終わった後に、少し考える時間を作れるような映画になっています。本当にさまざまなメッセージの中のどれをキャッチするかは、観てくださる皆さん次第です。その中で「あれって何だったんだろうな?」ということや、「なるほどな、こうなっているということは、実はこうだったのかもしれない」と、少し考える時間を作って、それをひっくるめて映画を楽しんでもらえたらと思っております。10月30日に無事公開できることを祈っております。また、皆さんに映画館で映画を観てもらえることを嬉しく思っています。ぜひ劇場でご覧ください。


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