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岩井俊二監督の集大成ラブストーリーがついに公開!
特製郵便ポストで届け大ヒット!
「ラストレター」初日舞台挨拶

2020年01月17日

「ラストレター」初日舞台挨拶

<左から、岩井俊二監督、広瀬すずさん、松たか子さん、福山雅治さん、森七菜さん>


「ラストレター」は、「Love Letter」(1995年公開)「スワロウテイル」(1996年公開)「四月物語」(1998年公開)の岩井俊二監督が初めて出身地である宮城を舞台に、手紙の行き違いから始まった2つの世代の男女の恋愛模様と、それぞれの心の再生と成長を描く物語です。
公開初日の1月17日、TOHOシネマズ 日比谷にて舞台挨拶を開催。主演の松たか子さん、一人二役を演じた広瀬すずさんと森七菜さん、福山雅治さん、岩井俊二監督が登壇しました。撮影エピソードや、作品のタイトルにちなんで「ラストにしたいこと」についてトークを展開し会場が笑いに包まれた、こちらのイベントの様子を詳しくレポートします。


松 たか子さん(岸辺野裕里役)

今日は寒い中、足をお運びくださいましてありがとうございます。皆さんのおかげで無事に初日を迎えることができました。
広瀬すずさん(遠野鮎美役/高校時代回想・遠野未咲役)

本日はありがとうございます。初日にこうしてたくさんの方に足を運んでいただけてすごく嬉しく思います。
森 七菜さん(岸辺野颯香役/高校時代回想・遠野裕里役)

今日は皆さんと一緒に初日を迎えることができて本当に嬉しく思います。
福山雅治さん(乙坂鏡史郎役)

「やっと観ていただける日がやってきた!」という思いでいっぱいです。
岩井俊二監督(監督・原作・脚本・編集)

本日は寒い中、本当にありがとうございます。ようやく皆さんのもとに、この「ラストレター」を届けることができました。

MC:改めまして、全国公開おめでとうございます!(会場:拍手) 既にたくさんの方々が今作をご覧になり、感想も届いております。例えば「めちゃくちゃ泣いた」「同窓会に行きたくなった」、あとは「手紙を書きたくなった」という声も多くありました。皆さんのもとにもお知り合いの方から何か感想が届いていますか。

松さん:
まだ、私の家族は観ていないですが、私の周りの方からも「同窓会に行きたくなった」という感想は多かったです。「じんわりと伝わったんだな」と思える、感想をいただきました。

広瀬さん:
まわりの方から、試写を観て「言葉では言い表せない良さがありすぎる」と言ってくれました。

MC:広瀬さんは、「ラストレター」をもう一度観たそうですね。

広瀬さん:
はい、昨日観ました。一度目に観た時とは全く違う衝撃を受けて、会場の皆さんと同じように余韻に浸っていました。(本作の)撮影をしたのは、少し前だったので、(撮影の時とは)全然違う感覚でした。すごく泣きそうになって、それを堪えていたら、耳と耳の間の喉の奥の辺が痛くなって...(笑)。そういうことを考えていたら湯船に無言で一時間も入っていました。「これが余韻だ!」と思いました。

MC:岩井監督、嬉しい反応ですよね。

岩井監督:
身体にきちゃったんですね!(客席に向かって)皆さんもお気をつけください(笑)。

MC:森さんと福山さんはいかがですか。

森さん:
私のやっているSNSに多くの感想が寄せられました。十代の方から「ステキでした」という感想もたくさん届いています。あとは、私事なんですが...「歌(森さん歌唱の主題歌「カエルノウタ」)が素敵だったよ」という声もあって、映画も歌もどちらも楽しんでいただけて、すごく嬉しく思います。(会場:拍手)

福山さん:
僕のところには、(担当している)ラジオ番組に「観に行きました」という感想がたくさん寄せられていて、大好評でございます。あとは、是枝裕和監督が試写を観てくれて、「すごく好きな映画だ」とおっしゃっていました。

MC:是枝監督は、ほかにも何かおっしゃっていましたか。

福山さん:
岩井監督と同世代だということで、「同世代の監督がラブストーリーもあるこういった物語を、今この時代に作っていることにすごく勇気をもらいました」とおっしゃっていました。

岩井監督:
嬉しい限りです(照笑)。ありがとうございます。

MC:岩井監督のもとにも感想が届いているのではないでしょうか。

岩井監督:
おかげさまで、いろいろいただきます。仙台の方から「ここは本当に仙台なの?」とも言われました(笑)。「(地元の方に)見たことがない景色だ」と言われたのはちょっと嬉しかったです。頑張って撮った甲斐があります。僕の出身地ですが、少し外国っぽい景色もありますし、今回初めて知った場所もありました。我が故郷は本当に良い所でした。

MC:会場の皆さんで、岩井俊二監督の「Love Letter」を観たことがある方はいらっしゃいますか?(会場から多くの手が挙がる) やはりたくさんいらっしゃいますね。本作には、「Love Letter」の中山美穂さんと豊川悦司さんがご出演されていますが、監督のお考えがあっての配役なのでしょうか。

岩井監督:
何と言うか...この配役を思いついた時は"ニヤリ"としました。あまりにも意外な役をお二人に演じてほしくて、思いつきました。二人は喜んで、生き生きと演じてくれました。

MC:福山さんは、お二人と共演されましたが、何か撮影時のエピソードはありますか。

福山さん:
豊川さんは、(福山さんと一緒の)あのワンシーンだけなんですが、すごいセリフの量なんです。台本六ページ分ぐらいあるのかな?

岩井監督:
ありますね。

福山さん:
僕は、ずっと聞いているだけ、...聞いているだけって言い方はあれですね。(会場:笑) 「受け」のお芝居なんです。僕は豊川さんとの共演は今回が初めてだったので、いろいろなお話をしたかったんです。でも、豊川さんのセリフの量を考えると、「今はどちらにお住まいなんですか?」とか、聞けないじゃないですか。(会場:笑) だから、あまり話しかけられなかったのが残念でした。

岩井監督:
お二人で、結構しゃべっていましたよね? (会場:笑)

福山さん:
そうですか?

岩井監督:
サーフィンの話とかをしていましたよ。まるでラジオの番組を聴いているかのように、二人の会話が聞こえてくるんです。

福山さん:
(笑)。抑えていたつもりだったんですがね...、やっぱり僕はやっていましたか。...豊川さんに申し訳ないことをしました。
それから中山さんは、本当に良い人で心の美しい人だと思いました。飲み屋街で撮影をした時、普通にお店は営業をしていて、我々が撮影の待機に使わせていただいたお店には、カラオケが置いてあったんですね。途中で僕らが撮影をしていることにお客さんが気づいたんですね。最初は(撮影隊と)関係のない歌を歌われていたんですが、そのうちに中山美穂さんの名曲「You're My Only Shinin' Star」を歌いだしました。(会場:笑) 僕は「ご本人がいるのに...おいおい...」と思いました。どういう気持ちで歌っているのか分からなくて、中山さんも苦笑いをされていました。次に、僕の「桜坂」を歌い始めました。(会場:笑) 「おいおい、これはどういうメッセージなんだ」と思いつつも、撮影中でしたからちょっと気持ちがイライラしてしまって...。それだけでは終わらずに、中山さんの「WAKU WAKUさせて」を歌い始めて、次は僕の楽曲と、ずーっと続くんですよ。それを中山さんは朗らかな笑顔で聴いていらっしゃったので、本当に良い人だと思いました。


岩井監督:
僕はまったく気づきませんでした。

福山さん:
一時間ぐらい歌っていましたよ。

MC:ご本人たちの耳に届いていたことを知り、喜ばれていると思います。

福山さん:
全てを受け止める中山さんは、女神だと思いました。

MC:もうお一方、庵野秀明監督もご出演されています。(岩井監督と庵野監督)お二人のご関係は、庵野監督作品「式日-SHIKI-JITSU-」(2000年公開)で、岩井監督が主演を果たされたご縁でしょうか。

岩井監督:
それもありますし、個人的に仲の良い友人でもあります。庵野さんのキャスティングも、ふと「(宗二郎役に)良いんじゃないか」と思いついて、川村プロデューサーに、「庵野さんはどうでしょう?」と尋ねたら、「良いですね!」とすぐに決まりました。本当に素敵な演技をしてくれたので、感謝しております。

MC:松さんは、(夫婦役で)共演されてみて、いかがでしたか。

松さん:
庵野さんには「コイシイヒト」(2001年発売)のミュージックビデオを撮っていただいたことがあるので、その時にお会いして以来でした。まさか...旦那さんになるとは思っていませんでした。庵野さんご自身も「こんなはずじゃなかった」等ブツブツとおっしゃっていました(笑)。でも、撮影が始まると岩井監督の言うことを聞いて、淡々と粛々と演技をされていました。ただ、(妻の浮気を疑った宗二郎が松さん演じる裕里の)携帯電話を取り上げるシーンでは、(裕里に)「スマホ禁止だ!」というセリフをすごく大きな声で言うんです。「庵野さんってこんなに大きな声が出るんだ」と思いました(笑)。(会場:笑) それが、すごく面白かったです。

MC:あのご夫婦のシーンは可愛いらしいですよね。

松さん:
すごく安心して、鏡史郎さんに手紙を出しに出かけることができました。「いつかこの人のところに帰るんだろうな」と思えたので、(庵野さんの)そういう不思議なオーラに助けられました。

MC:本作を観ると「手紙を送りたくなる」という感想が多いようですが、広瀬さんと森さんはSNS世代だと思いますが、お二人にとって「手紙」はどういう存在ですか。

広瀬さん:
私は、小学生の頃から文通をしていました。バスケットボールをしていたのですが、夏休みなどは地方のチームと試合をすることもありました。そこで知り合った子と住所を交換して何年も手紙のやりとりをしていました。それがあって以来、いまだに手紙をよく書きますし、(SNSに)文章を打つよりは自分で字を書く方が圧倒的に好きです。

森さん:
私も、大阪から大分に引っ越しをしたのですが、当時は携帯を持っていなかったので、大阪のお友だちとずっと文通をしていました。だから、颯香と同じように「(手紙が届いていないか)ポストを開けて待つ」ような共通部分はありました。ポストを開けて手紙が届いていないと、固定電話で友だちに「手紙が来ていないんだけど?」と、電話をするのがルーティーンになっていました(笑)。でも、今では手紙は特別なものになっていて、何か本当に伝えたいことがある時に手書きで書いています。

MC:広瀬さんは、一途に想われる役柄でしたが、一途に想われるのはどういう気分でしたか。

広瀬さん:
(意外な質問で困り思わず声が漏れてしまう)(会場:笑) 役としては、鮎美の気持ちでいることが多くて、観ていても恥ずかしいなと思いますね。でも、「儚い想いがどこかにある」と思うと素敵だなと思います。その想いを一枚の紙に自分の文字で書く。「想いの込められた手紙って良いな」っていうのが...そういう経験がないので、密かに羨ましく思います。

MC:福山さんは、高校時代から一人の女性を一途に思い続ける役でしたが、そういう想いはどう思われますか。

福山さん:
理解できます。「想い続けるということ」もですが、「その人を想っている自分のことを大事にしている部分」もあると思うんです。もちろん、その人のことは大切ですが、ずっと会っていないから変わっているでしょうし、今から会うのは怖い気持ちもあるでしょう。それでも、「その人のことがなぜか忘れられない」とか、「その人のことをあんなに熱く強く想った頃の自分を忘れたくない」気持ちもあると思います。ですから、鏡史郎の気持ちは理解できます。

MC:松さんは、今の福山さんの意見はどうでしょうか。

松さん:
えっ...「そうだな」と思いました。(会場:笑)

福山さん:
(松さんに向かって)聞いていました?(会場:笑) この後の質問について、どうしようかと考えていたのではないですか?

松さん:
なんか、すごく分かるなあと思って、(福山さんの意見を)聞いていました。

福山さん:
それは良かったです。(松さんは)もう、この後の質問の準備はできています。

松さん:
福山さんのお話に集中していたので、それは忘れていました。

MC:では、この脚本を書かれた岩井監督は「一人の人を一途に想うこと」はどう思われていますか。

岩井監督:
僕が(脚本を)書いているので、「分かります」というのは変ですが(苦笑)、物語を作ったり、福山さんも曲を書いたりしていると、「モチーフとしての青春時代」が、普通の人以上に「重要な場所」として、あるんじゃないですかね。

福山さん:
はい、あります。

映画のタイトルにちなんで、「今年で"ラスト"にしたいこと」。

森さん:
私は、「ラストを最後にしたい」です。ちょっとしたお菓子があると、バクバクと食べてしまうんです。「これで最後にしよう」「これでやめなきゃ」と思いつつ、無限に続いちゃうんです(笑)。人と歩いていても、「面白そう!」と思うと、そっちに行ってしまって、結局電車に乗り遅れたことがあります。そういう子どもみたいなところを今年こそ、私は"ラスト"を最後にしたいです。

MC:やっぱりお菓子が好きなんですか?

森さん:
(笑)。好きです!

松さん:
可愛い(笑)!

MC:広瀬さん、お願いします。

広瀬さん:
私は、熱を出しても、どこか痛めても病院に行かないので、「病院に行かないをラストにしたい」です。

福山さん:
(マイクオフで)おばあちゃんみたいだな...。

MC:福山さん、オンマイクでお願いします。

福山さん:
「おばあちゃんみたい」だなと思って。(会場:笑) 結構おばあちゃんって病院に行かないでしょう?

MC:福山さんはいかがですか?

福山さん:
松さん、(話す順番が)僕からで良いですか?

松さん:
私が先に言って良いの?

福山さん:
やはり僕から先に話します。

松さん:
(笑)。

福山さん:
僕は今、森さんのおっしゃっていたことが本当に理解できます。今年こそは、「"ラスト"トイレで寝ないようにしたい」。どういうことかと言いますと、一日の終わり寝る前にちゃんとトイレに行くんです(笑)。森さんがお菓子を「これで最後にしよう」と食べるように、僕は「もう一杯飲もうかな」「最後の一杯にしよう」と飲んでしまうんです。それで飲みすぎて、いよいよ最後にしてトイレに行くと、トイレで寝ていることがあるんです!(会場:大笑い)

広瀬さん:
(松さんからマイクを向けられ)私がおばあちゃんじゃなくて、福山さんがおじいちゃん! (会場:大笑い&拍手)

福山さん:
おっしゃるとおり! もう、トイレで寝ているんです。それでトイレのふたが外れちゃうことがあって(苦笑)転がり落ちるんですよ。

松さん:
全国の福山ファン、大丈夫ですか(と心配する)。皆さん、そんな話は聞きたくないのではないですか?

福山さん:
そういうところも含めて、これからもよろしくお願いします。(会場:拍手)我々、人生100年世代ですから(笑)。皆さんもトイレで寝ることあるでしょうから、よろしくお願いします。

MC:「トイレ寝」の話で会場から拍手をいただくのはさすがでございます。松たか子さんのお時間になりました。

松さん:
そんなに大した話ではないです。斜めがけのバックってありますよね。あと、寒いのでショールをぐるぐると巻いたりするスタイルが私は多いんです。でも、時々それを取ろうとする時に「バックが先?」「ショールが先?」と思って、首回りで絡まるんです。「どっちを先に外せば良かったっけ?」と、「手順が分からなくなることをラストにしたい」です(苦笑)。よくあるんです。(会場:笑)

福山さん:
言って良いですか?

松さん:
ん?

福山さん:
間違いなく可愛いおばあちゃんになりますよ!

松さん:
"可愛い"いただきました! ありがとうございます。

MC:最後なので岩井監督にも聞いてみましょう。(会場:拍手)

岩井監督:
(急に問われ、MCに)台本になかったですよね。最後にしたいのは...何ですかねえ? アドリブに超弱い...。(スタッフに向かって)何かある?

スタッフ:
インフルエンザ。

岩井監督:
ああ、インフルエンザね。ナイスアシスト! この前インフルエンザにかかってしまって、一週間前の本作のイベントに出席することができなくなりました。この場を借りて、各方面に謝ります。謝る機会があって本当に良かったです。いつ感染したのか分からないんですが、インフル反応が出たのは人生初でした。非常に苦しかったので、皆さんもお気をつけください。A型とB型があるらしくて、A型に罹ってもB型にも罹るらしいので、どう気をつけて良いのか分からないですが、「インフルエンザをラストにしたい」です。

ステージにポストが登場し、フォトセッション。

MC:それでは最後に岩井俊二監督とキャストを代表して松たか子さんからご挨拶をいただきます。

岩井監督:
本日は本当にどうもありがとうございました。一昨年の夏に撮影をし、それから時間をかけて仕上げました。やっと今日皆さんにお披露目ということで、世に旅立つことができました。ここにいらしている素晴らしい俳優の方々の、すごくチャーミングな表現力によって、僕も満足のいく作品になりました。多くの方に観ていただきたいです。

松さん:
初日に足をお運びいただいてありがとうございました。夢のような撮影期間を経て、今日の日を迎えることができました。個人的には岩井さんとは久しぶりにお仕事ができて、とても嬉しかったです。現場には、その時にご一緒した岩井組の方もいれば、初めましての方も入り混じる、すごく素敵な現場でした。この作品で魅力的な方にもたくさん出会うことができました。木内みどりさん(2019年11月18日に急逝)もそうですし、本当に感謝でいっぱいです。これから上映が続きますので、どうぞ皆さん、また足を運んでいただければと思います。今日は本当にありがとうございました。

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