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岩井俊二監督の最新作が完成! 松たか子・広瀬すず・森七菜が集結!
「ラストレター」完成披露試写会

2019年12月19日

「ラストレター」完成披露試写会

<左から、岩井俊二監督、広瀬すずさん、松たか子さん、森七菜さん>


「ラストレター」は、「Love Letter」(1995年公開)「スワロウテイル」(1996年公開)「四月物語」(1998年公開)の岩井俊二監督が初めて出身地である宮城を舞台に、手紙の行き違いから始まった2つの世代の男女の恋愛模様と、それぞれの心の再生と成長を描く物語です。
12月20日、イイノホールで完成披露試写会を行い、主演の松たか子さん、一人二役を演じた広瀬すずさんと森七菜さん、そして岩井俊二監督が登壇しました。キャストは、岩井組の撮影エピソードや、作品の内容にちなんで「ずっと恋しているものは?」を語りました。こちらのイベントの様子を詳しくレポートします。


松 たか子さん(岸辺野裕里役)

今日はお忙しい中、足をお運びいただいてありがとうございます。ちょっとの時間ですけれども、どうぞ楽しんでください。
広瀬すずさん(遠野鮎美役/高校時代回想・遠野未咲役)

(鮎美と未咲の高校時代の)二役を演じました。やっと皆さんに映画を観てもらえる日を迎えて、とても嬉しく思います。
森 七菜さん(岸辺野颯香役/高校時代回想・遠野裕里役)

今日はたくさん楽しいお話ができたら良いなと思っています。
岩井俊二監督(監督・原作・脚本・編集)

本日はお忙しい中、お越しいただきましてありがとうございます。制作期間は結構長くて、撮影は去年の夏でした。ようやく完成して、皆さんにお届けできる日がきました。...ホッとしています。

MC:松さん、改めまして映画の完成、おめでとうございます! (会場:拍手)

松さん:
ありがとうございます。

MC:松さん、岩井俊二監督とは「四月物語」(1998年公開/監督:岩井俊二/主演:松たか子)から20年ぐらいのお付き合いとなりますよね。またご一緒されて、岩井組はいかがでしたか。

松さん:
「四月物語」は短編映画でしたから、今回はもっとたっぷりストーリーを描く現場で、再会できたことを嬉しく思いました。私が演じたどちらの作品の女性もほとんど報われなくて、「それで良いのね」という"ささやかな報われ方をするささやかな人物"です。私のイメージに、どこか通じるものがあるのか、岩井さんが女性にそういうイメージがあるのか、謎が深まりました。

MC:撮影の思い出はどのようなものがありますか。

松さん:
岩井さんにしか考えていることが分からないから、みんなが必死で岩井さんのイメージに追いついていくというか、一生懸命やってみせるというか、...そういうやりとりが活発な現場でした。今からご覧いただきますが、ロケーションは、すごく美しい風景と空気の中でしたので、その開放感もありつつ、すごく幸せでラッキーな現場でした。

MC:広瀬さんと森さんは初めての岩井組参加でしたが、どのようなお気持ちでしたか。

広瀬さん:
純粋に「やったー!」って感じです(笑)。私は岩井さんの作品をずっと観ていたので、質感と匂いがしてくるようなあの空気感が好きなんです。「いつかこういう映画に出たいな」と思っていたぐらいなので、「やったー!」という気持ちです。また、「時代を経た時にどうなるのか」とか、ちょっとワクワクして、あまり想像がつかない感じでした。

森さん:
すごく楽しかったです。最初のオーディションの時に「どうやったらあんなに素敵な映画が撮れるのですか?」と聞いたら、「僕は何もしていないよ」と岩井さんがおっしゃったので、「私は選考から落ちたな」と思っていました。実際に、現場に入ってみると、自然に、その場にいることができました。そこで、岩井さんの「何もしていない」とおっしゃった意味は、私が取り違えていたと気がつきました。自由にさせてくれるところが、現場を楽しくし、(演技の)自由度をさらに高めてくださったと思いました。

MC:岩井監督の作品は、女性にキラキラとした生命力などが感じられます。「女優探しの先見の明」をお持ちだと思いますが、本作のキャスティングについて、決め手をお話いただけますか。

岩井監督:
僕の思う「この役は彼女にやってほしいな」という希望通りに叶いました。またとないキャストになったと思います。女優の演技の素晴らしさは、これから皆さんが目撃することになりますので、是非楽しみにしてください。

MC:松さんが、監督を見つめておりますが、松さんと久しぶりにご一緒された理由はありますか。

岩井監督:
ちょっと時間が空いてしまいましたが、「四月物語」はハンドメイドな映画で、お互いに「いたずらっぽい映画を作ろう」という共犯者みたいな関係でしたから、相棒のようでもありました。本作で、久しぶりに松さんと現場で一緒に仕事をして、良い感じだったことに少しホッとしました。また、(「四月物語」と本作で松さんが演じた)キャラクターがすごく似ていて、なんか憎めなくて、そういう役だと松さんが浮かんでくるんですかね(笑)。きっとそうなのだと思います。

MC:松さん、監督はこうおっしゃっています。

松さん:
意識はしていなかったのですが...、映画を観た方それぞれの数だけ、(キャラクター像が)増えていくと嬉しいです。すごくドキドキしますが、観た方にゆだねるのみです(笑)。

MC:岩井監督、広瀬さんの決め手はどこですか?

岩井監督:
観てからのお楽しみですが、本作では二役を演じていただくので、それぞれ演じるのが難しい役どころだったと思います。彼女の持つ瞬発力や野性的な感じが刺激的でした。

MC:物語の鍵を握る面もあるので、大変だったと思います。

広瀬さん:
現場で監督から「ああして」「こうして」という指示はほとんどありませんでした。だからなのか、「二役できた!」という実感がなくて...。だから、未だに「大丈夫かな?」と思っています。

MC:二役の切替えは大丈夫でしたか?

広瀬さん:
作品の中で、将来、母と娘になる役なので、「同一人物に見えることが一瞬あっても良いのかな」とかいろいろ考えました。そういうことを考えている間に、撮影が終わってしまいました。それだから常に「大丈夫かな?」と思っています。

MC:そして岩井監督、森さんの魅力はどこでしたか?

岩井監督:
裕里の高校時代の役者を探していたのですが、何と説明したら良いのか...(森さんに対して)「あ、この子が良いな!」と感じました。でも、ついこの間まで大分の学生さんだったので、「大丈夫かな?」とも心配しました。ところが(現場では)全く物怖じもせず、アドリブまでかましつつ(笑)、自由奔放にやられていたので、「すごい逸材だ!」と思いました。

森さん:
私は、松さんと広瀬さんのことを「すごい!芸能人だ!」と撮影当時は思っていたし、岩井監督のことも「岩井監督だ!」と思っていたので、普通なら怖じ気づいていたと思います。岩井監督も、松さんと広瀬さん、福山(雅治)さんと神木(隆之介)さんも優しく接してくださったので、自由にできました。皆さんを信頼していました。

MC:森さんは、松さんの高校時代を演じたわけですが、どのように役作りをしましたか?

森さん:
実は、松さんの映画やドラマを観て、仕草としゃべり方を研究しました(笑)。上手く説明ができないんですが、表情や笑い方とかの特徴を...(松さんが笑った様子を指して)ね、今のような...。でも、なかなかつかむことができませんでした。松さんは役柄によって全く違う特徴になるので、今でもつかめているのか分からないくらいに難しかったです。

MC:松さん、森さんの話を聞いていかがですか?

松さん:
彼女の貴重な時間を私の観察に当てていただいて、ありがとうございました。個人的には、その(森さんが気づいた松さんご自身の)特徴を知りたいです。

MC:映画をご覧になって、広瀬さんと森さんにどうような印象を持ちましたか。

松さん:
本作は、記憶とか過去をたどるお話なので、いかに過去が輝いていて、それが今の自分にどういう意味を持つのか...。キラキラの輝きの記憶と思い出はすごく大事なのだと思いました。七菜ちゃんは、自分の出番がなくても現場に見学に来ていました。神木(隆之介)くんも含めて青春時代が輝いていれば輝いているほど、回想パートと現代パートのお話を生かしていけるので、これ以上ない俳優さんと共にできて幸せでした。

MC:広瀬さんと森さんは、現場で松さんから何かアドバイスをもらったりしましたか?

広瀬さん:
一緒のシーンがほとんどなくて...一緒の時は自由に走り回るシーンが多くて、二人(松さんと森さん)が駆け出すのに、私がついていくみたいな感じでした。もっとご一緒したかったです。

森さん:
弟・瑛斗役の(降谷)凪くんと一緒に宿題をしたり、ゲームで遊んだりしました。その時に、すごく気さくで、優しく接してくださいました。

MC:岩井監督、本作をすでに鑑賞した方からの評判が良いです。世界観にハマり、楽しんだという感想があるようですが、それを聞いていかがでしょうか。

岩井監督:
いや、もう...ありがたい限りで恐縮しております。この物語は、自分の妄想からスタートしているわけです。本日も、皆さん遠いところからいらしてくださっているのに、ある種一個人の妄想を観てもらうわけですから、「いやー」という感じです。良く思っていただけるのは嬉しいです。ありがとうございます。

MC:「Love Letter」(1995年公開)に出演された中山美穂さんと豊川悦司さんが本作に出演されています。そして、手紙のやりとりがあることから、何か関係性があるのでしょうか。

岩井監督:
手紙のやりとりをする「Love Letter」という映画を過去に僕は撮っています。どちらも手紙の話なので、無関係に作るよりは逆に似せて、「違いを見てもらおうかな」という気持ちがありました。"姉妹編"という感じもあったかもしれません。庵野(秀明)監督の「エヴァンゲリオン」で言うと、「新ヱヴァ」みたいな感じですね(笑)。本作には庵野さんも出演されています。

MC:庵野監督は松さんとは夫婦役でしたね。役者としての庵野監督は、どうでしたか?

松さん:
良い意味で異物感があり、すごく面白いです。画面からはみ出すような感じで、すごく自由で新鮮な存在感を放っていらっしゃいました。楽しみにしていてください!

MC:さて、ここでキャストの皆さんにお伺いしようと思います。時を超えた初恋の想いを描く本作のメインコピーは、「君にまだずっと恋していると言ったら信じますか?」です。そこで、「ずっと恋しているものは?」ということを伺いたいと思います。その理由もお願いします。すごく真剣に考えてくれていますね。広瀬さんはもう浮かんでいますか?

広瀬さん:
(突然の指名に驚き)いえ...。

MC:森さんは、ありますか?

森さん:
オフィシャルな場で言うのは初めてですが、「広瀬すず」さんです!(会場:歓声)

広瀬さん:
(照れ笑い)。

森さん:
このお仕事を始める前からずっと好きなんです。それで、事務所の方に「お仕事をしたら、広瀬すずちゃんに会えますか?」と聞きました。そうしたら「五年後とかに会えるかもね」という返事でした。それなので、二年でお会いできるとは思っていませんでした! (広瀬さん出演の)作品をくり返し観て、今でも家の録画の中に「学校のカイダン」(2015年日本テレビ系で放送/主演:広瀬すず)10話全部ありますよ。

MC:共演もできて良かったですね。

森さん:
でも、その個人的に好きな気持ちは「画面には映しちゃいけない」と思って、撮影の最後まで封印して、言わないようにしました。撮影が終わった時に、「実は大好きなんです」っていうお手紙を渡したら、広瀬さんがお返事のお手紙をくださって、「知ってたよ」って書いてありました(笑)。

登壇者の皆さん:
(笑)。

広瀬さん:
マネージャーさんたちの情報で、撮影の途中で聞いていたんです。お互い人見知りで、最初にあまり話さないでいたら、余計に話しにくくなってしまって...。そしたら、すごくきれいな字のお手紙をいただいて、嬉しかったです。

MC:この「ラストレター」にちなんで、ちゃんと手紙で想いを伝えたのですね。素敵です。想いが伝わって良かったですね。

森さん:
はい! ありがとうございます。

MC:では、広瀬さんの「ずっと恋しているもの」は何でしょうか。

広瀬さん:
「洋服」が大好きで、洋服を見ているだけで幸せになります。姉の洋服を借りることもあります。雑誌「Seventeen」の専属モデルでお仕事を始めたので、余計に洋服が好きになりました。好き過ぎて家の中で(他人に)触られたくないものは洋服かもしれないです(笑)。洋服が癒やしにもなりますし、ストレス発散にもなります。毎日、「今日は何を着られるかな」と思って、楽しくなります。

MC:松さんは、答えを悩んでいらっしゃるようですが「ずっと恋しているもの」は何でしょうか。

松さん:
「昼寝」(笑)? 昼間にフッと余裕ができて、うとうとして、短くても深く眠れた時は、この上ない幸せを感じます。なかなかできないですが、ちょっと贅沢だなと思います。

MC:撮影の合間にもありますか?

松さん:
撮影の合間は...気持ちを張っているのでないですが、普段ちょっと気持ちが落ち着いて、昼寝をすると「幸せだな」と思えます。

MC:最後にキャストを代表して松たか子さんと岩井俊二監督から一言ずつメッセージをいただきます。

松さん:
風景や人の表情とか、ちょっとした余白、いろいろなものを感じてもらえる映画になっていると思います。公開は来年の一月、また寒い時期になりますが、もし気に入っていただけたら、また来年改めて、暖かくして映画館にお出かけください。

岩井監督:
これから観ていただくことになりますが、僕の中で、映画というのは、僕が作り完成させるものではなく、それを「観たお客さん一人一人の心の中で完成するもの」だと思っています。ですので、まだ完成はしていなくて、これから皆さんに観てもらって、やっと完成します。感想などありましたら、この映画が僕からの手紙ということで、ぜひお返事をお待ちしております。楽しんでください!

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