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大ヒット当確!
「記憶にございません!」初日舞台挨拶

2019年09月13日

「記憶にございません!」初日舞台挨拶

<左から、三谷幸喜監督、吉田羊さん、斉藤由貴さん、佐藤浩市さん、石田ゆり子さん、中井貴一さん、
ディーン・フジオカさん、草刈正雄さん、小池栄子さん、木村佳乃さん、後藤淳平さん>


三谷幸喜監督・脚本の八作目となる、政界を舞台にしたシチュエーション・コメディ作品「記憶にございません!」は9月13日公開となりました。「もしも自分が総理大臣になったら?」という空想から生まれたオリジナルの物語で、三谷監督のもとに豪華キャストが集結しました。
9月13日、全国352スクリーンにて公開され、大ヒットスタートを切りました! 初日の舞台挨拶には、主演の中井貴一さん、ディーン・フジオカさん、石田ゆり子さん、草刈正雄さん、佐藤浩市さん、小池栄子さん、斉藤由貴さん、木村佳乃さん、吉田羊さん、ジャルジャル・後藤淳平さん、三谷幸喜監督が登壇。上映後ということもあり、拍手と歓声が響く熱気に満ちたこちらのイベントの様子を詳しくレポートします。


中井貴一さん(総理大臣・黒田啓介役)

皆さん、こんばんは!

お客さん:
こんばんは!

中井さん:
はい、ありがとう。(会場:笑) 今日は朝からずっと(作品の宣伝のために)テレビに出続けていまして、テンションがおかしくなっています(笑)。変なことを言うかもしれませんが、申し訳ありません。やっとこの日が来たという感じです。撮影をして一年が経ってようやく皆さまのお手元に届く日がやってきました。この映画に限らず、映画というのはお客様に観ていただいて初めて完成するものです。初日にこれだけ多くの皆さまに観ていただくことができて、監督も出演者たちも本当に嬉しく思っています。映画って、観るのは一回だけという決まりがあるわけじゃないんですよ。三谷幸喜の脚本は、一回目より二回目、二回目より三回目...ぐらいが本当に面白いです。(回を重ねて観ることで)いろいろなことが分かると思いますので、ぜひ繰り返し観てください!

ディーン・フジオカさん(首相秘書官・井坂役)

ディーン・タピオカ(本作の宣伝で出演したTV番組で本人が述べたお店の名前)です!(会場:笑いと歓声と拍手) 今、総理(中井さん)から「(ディーン・タピオカと)言いなさい」と...、(会場:笑) 耳打ちをされた訳ではございません(笑)。
皆さん、お集まりくださってありがとうございます。ついにこの日が来て、感無量でこちらに立っております。日本を代表する先輩方の中にこうして混ぜてもらえ、本当に幸せな日々でした。そういう一年前の日々を思い出しつつ、今日を迎えられたことを嬉しく思います。
石田ゆり子さん(総理夫人・黒田聡子役)

訳ありの総理夫人を演じました。本当に感無量でございます。今日を境に、この映画は皆さまの手元に渡りますので、皆さまの中で育てていただくことになります。先ほど貴一さんがおっしゃったように、...そうですね、四回くらい観ると、三谷さんの緻密な面白さが分かってくると思います。ぜひ(繰り返しの鑑賞を)よろしくお願いします。
草刈正雄さん(官房長官・鶴丸大悟役)

(鑑賞後の)皆さんの笑顔を見て、ホッとしました。皆さんがお友だちやお知り合いに「面白かった」と宣伝してくださることが何よりです。
佐藤浩市さん(フリーライター・古郡祐役)

古郡(ふるごおり)って大変珍しい苗字だなと思われるでしょうが、僕と三谷さんがよく一緒に仕事をする映画の製作会社のプロデューサーに古郡さんという方がいます。その方の名前をお借りしました。身近なところから(名前やキャラクターを)持ってくると、演じている時にその方の顔がチラつきます。そういうのはやめてもらいたいな(笑)と...すみません。あと、本作で「女装をさせてくれる」というのでやりました!(会場:爆笑)
小池栄子さん(事務秘書官・番場のぞみ役)

今日はありがとうございます。(手を挙げて)映画は面白かったですかー? 

お客さん:
(大きな拍手と歓声)

小池さん:
もう一回観たいですかー?

お客さん:
(大きな拍手)観たい!

小池さん:
お友だちに教えたいですかー?

お客さん:
(拍手)はーい!

小池さん:
あぁ、嬉しい! この歓声が皆さんの正直な意見だと思います。私も今のこの気持ちを友だちに教えたいと思います。本当にありがたく思っています。こちらの素晴らしい出演者と三谷監督と共に、映画史に残る素晴らしいコメディ作品が作れたことを大変光栄に思っております。監督、ありがとうございました。短い時間ですが、皆さんお付き合いください。

斉藤由貴さん(官邸料理人・寿賀さん役)

寿賀(すが)さんという名前が大好きです! 私の役のテーマカラーが黄色でしたので、今日は黄色のネイルと黄色系の洋服とアクセサリーでやって参りました。映画を観る前の方にお話する時はネタバレにならないように気をつけるのですが...。会場に入った時の雰囲気で、皆さんが映画を楽しんでくれたことが分かりました。ですので、(ネタバレ発言の)束縛がないこと、(作品を)気に入ってもらえたということで、とても気持ちが楽です(笑)。ぜひお友だちにSNSなどで「面白かった」と広めてください。
木村佳乃さん(米国初の日系女性大統領スーザン・セントジェームス・ナリカワ役)

(英語で)Hi! Good afternoon everyone, My name is Susan Saint James Narikawa. Thank you for coming tonight.(会場:歓声)
(訳:皆さん、こんばんは。スーザン・セントジェームス・ナリカワです。ご来場ありがとうございます)
両サイド(小池さんと三谷監督)が「英語で挨拶しろ」と言うのでしました。

小池さん:
(大統領通訳のジェット・和田役の宮澤さん)エマちゃんがいらっしゃらないので日本語訳はありません。

木村さん:
すごいプレッシャーで変な汗をかきました。身にあまる光栄な役をもらいました。「大統領役」と言われた時は、ひっくり返るほど驚きました。本当に緊張しましたが、「中学生の頃にアメリカに住んでいた経験があって良かった」と両親に感謝をしました。今日は皆さんの笑顔に会えて幸せです。どうもありがとうございました。

吉田 羊さん(野党第二党党首・山西あかね役)

山西あかね議員を演じました。公開初日にこれだけたくさんの方に観てもらえて本当に嬉しいです。この舞台挨拶のチケットの(購入)倍率がものすごかったと伺いました。ですから、こちらにいらっしゃる皆さんは「強運の持ち主」なのだろうなと、あやかりたい気持ちです。それから、私は行く先々で「もうすぐ三谷さんの映画が公開だね」と声をかけてもらいました。「日本全国がこれほど待ち望んでいる映画監督というのは、三谷さん以外にいらっしゃらないのでは」と思うほどでした。その映画に自分が出られたこと、そしてキャストの皆さまと共演できたことを本当に嬉しく思っています。
後藤淳平さん(ジャルジャル/官房長官秘書官・八代役)

「何でジャルジャルの後藤がそこに立ってんねん?」と思う方がいるかもしれませんが、僕も「何でここにいるのやろな」と思っています(笑)。(起用理由は)三谷監督が、僕らの漫才やコントを見て、その演技面を評価してくださったのかと思っていました。でも、衣装合わせの時に監督に理由を聞いたら、「テレビに"すごく普通の人が出ているな"と思った。それが後藤くんでした。生で見ても普通ですね」と言われました(笑)。"普通"でオファーをいただき、"普通役"として、ほぼノーマルに出させてもらいました。
三谷幸喜監督

今日は嬉しいことが三つ重なりました。一つ目は、こんなにいい形で初日を迎えられたことです。二つ目は、映画の宣伝でいろいろな番組に出させてもらいました。その中で、一カ月ほど前に「VS嵐」(フジテレビ系/9月12日放送内容)という番組で、僕は壁を登りまして、五十肩になり、ずっと肩が上がりませんでした。でも昨日、鍼を打って、やっとガッツポーズができるようになりました!(ガッツポーズをすると、会場からは温かい拍手) 間に合いました! それから三つ目です。撮影が一年前だったこともあって、石田ゆり子さんがこの映画のストーリー含め、ほとんど忘れていました。でも、ほぼ思い出してくれました!(会場:拍手) こんなに嬉しいことはありません! ありがとうございます。

MC:石田さん、何か反論がありましたらお願いします。

石田さん:
あの...そういう(覚えていない)ことになっているのですね? 私、全部覚えておりますよ?

三谷監督:
もう、どんどん(次に)行きましょう!


MC:それでは皆さまにお話を伺って参ります。三谷監督は「キャスティングが一番楽しかった」というお話を伺いました。それぞれの役は「この人しかいない!」という脚本が出来上がっていますよね?

三谷監督:
もちろんそうですね。

MC:そうした中で、中井さんのさまざまな表情に監督が惚れこんだということでの「総理役」です。中井さんは、三谷コメディを演じる難しさはどのようなところでしょう。

中井さん:
本(脚本)は完璧なんです。ですから、役者は小賢しいことを考えないで必死に役として生きることができる。それがコメディになるという理想的な形なので、役者はそのまま一生懸命やるだけなので「苦労」というよりは、逆に「やりやすい」と言えます。あれ、真面目?

MC:いえいえ。でも、アドリブ的なものがあったのですよね?

中井さん:
アドリブはほぼないです。そういう状況下で起こりうること、そうなりそうなことはアドリブで入れました。ダメな時は(三谷監督が)却下してくれるので、却下がない時はそれでいける感じです。面白くない時はすぐに「ダメ」をだす方ですので、アドリブがOKの時は、「うまくいったな」と感じます。

MC:三谷監督、そこは厳しくご覧になるわけですか?

三谷監督:
でも、冒頭の「クソ野郎」の台詞は、中井さんのアドリブですよね? 

中井さん:
全く違います!(会場:笑) ...アドリブでしたっけ? 監督が「ひどいことを言ってくれ!」と...。

三谷監督:
「クソ野郎」は僕、書いたことがないです!(会場:笑)

中井さん:
...そういう訳で、あれはアドリブです(笑)!(会場:笑)

MC:ディーンさん、先ほどもおっしゃっていましたが、俳優としてこのキャストの中に身を置く緊張感があったと思います。先輩方とのお芝居はいかがでしたか?

フジオカさん:
出演者の顔ぶれを知った時に、「体育会系だったらどうしよう」とドキドキして現場に行きました。実際は「知的体育会系」でした。

MC:「体育会系」でしたか。

フジオカさん:
まず、監督の肩もみから...。

三谷監督:
それ、体育会系とどういう関係があるの?(会場:笑)

フジオカさん:
(笑)。あんまり関係なかったですね。

三谷監督:
(フジオカさんは)こういう方なんですよ!

MC:中井さんと佐藤さんとのお芝居については?

フジオカさん:
冒頭で言った通り、こういった共演の機会はなかなかあるものではないと思います。特に、僕は日本でのお仕事(期間)が長くはありません。その長い・長くないは、人によって異なるのかもしれませんが、もしも日本でずっとお仕事をして今の年齢になった場合、「どうなっていたのかな?」と考えるきっかけになりました。改めて、今、ここに立たせてもらっていることは光栄なことです。言葉にするとシンプルになってしまいますが、撮影期間は、そういうことを考える日々でした。

MC:三谷監督、ディーンさんを秘書官に起用したのはどういう思いがあったのですか?

三谷監督:
「何か影で政治家を操っている感じの人が良いな」と思いました。ちょっと官僚顔と言いますか...。

フジオカさん:
あれ? 僕には「爬虫類みたいになってほしい」とおっしゃいましたよね?

三谷監督:
ああ、「爬虫類」ないしは「官僚」。

フジオカさん:
爬虫類=官僚なのですね?

三谷監督:
僕の中では(爬虫類と官僚は)似ている部分があるので、そういうイメージでお願いをしました。そしたら、真っ先に、ディーンさんが「台本について話がしたい」とおっしゃってきました。クランクインの前に、俳優さんから「台本について話がある」と言われるのは滅多にないことです。やる気があった頃の佐藤浩市さん以来です。(会場:笑と拍手) すごく、それが嬉しくて、二人で台本を照らし合わせながら、「この台詞の意味は?」とか話をしました。とっても面倒臭かったですけれども(笑)。

フジオカさん:
ありがとうございます。

MC:佐藤浩市さん、今はそういうやり取りはないのですか?

佐藤さん:
ありますけれどもね、割とその...。でも、三谷さんに関してはもう、一切ありませんね。(大きい声で三谷さんに向かって)ありがたくやらせてもらっていますよ!

MC:「やる気」はありますよね?

佐藤さん:
もちろんです!

MC:石田さん、「ストーリーを忘れた」と監督からいじられていましたが、石田さんにとっては念願の三谷組の映画ですよね。

石田さん:
そうです。今まで三谷さんと映画でご一緒したことがありません。いつも呼んでいただけなくて...、今回初めて声をかけてもらい、本当に嬉しかったです。でも、とっても撮影が早いんです。ほぼワンシーンワンカットのような手法でした。「これで良いのだろうか」と考えている間に(その撮影が)終わってしまう日々でした。三谷組は本当に力がないと出られない組なんだと思いました。

MC:監督、石田さんがこうおっしゃっていますよ!

石田さん:
監督、私は大丈夫でしたか?

三谷監督:
ああ、もちろん大丈夫です。素晴らしかったです。日本を代表するコメディエンヌだと僕は思っています。

石田さん:
(笑)。いえいえ、すみません。ありがとうございます。また呼んでください。

MC:草刈さんは、官房長官役ということで中井さん演じる黒田総理とのシーンが多かったと思います。中井さんとのお芝居はいかがでしたか?

草刈さん:
中井さんとは久々の共演で、台本を受け取った時から楽しみにしていました。前回の共演は十五年か二十年前になるでしょうか。(あの頃に比べて)貫禄が出て、素晴らしい俳優になられていたので、すごく楽しんでやりました。

MC:中井さん、いかがですか?

中井さん:
「立派になっていた」って先輩に言っていただけて...。僕はデビューしたての時に、東宝の撮影所でテニスの壁打ちをされている草刈さんをお見かけして「うわっ、草刈正雄だ!」と思いました。(三谷さんに向かって)三谷さん、僕たち世代の「二枚目」と言えば「草刈正雄」でしたよね?

三谷監督:
はい。ヒーローですもん。

中井さん:
それがスタジオの壁で壁打ちしている! それから、お仕事で何度かご一緒させてもらって、本当に光栄です。

MC:草刈さん「立派になった」というのは具体的にどのようなことでしょうか?

草刈さん:
そうですね。今回、久々にお会いしたのですが、驚きました。素晴らしい座長ぶりですし、彼が中心にいると安心して思い切りできる雰囲気を作ってくれました。そういうところがあって、すごい! 壁打ちの時のテニスラケットはね、貴一さんのものなんですよ! お姉さん(中井 貴惠さん)にね、「草刈さんは、テニスをするのですか?」と聞かれて、その翌日に「うちの弟のラケットです」と持ってきてプレゼントしてくれたんです。

中井さん:
あれは姉貴が勝手に持っていったんですよ(笑)。(会場:笑) 「ラケットないな」と思っていたら、まさかの草刈さんが使ってらっしゃったという...。

草刈さん:
(笑)。

MC:世代の話が出ましたが、三谷監督と中井さんと佐藤さんは同世代ということですね。三谷監督はエッセイの中で佐藤さんのことを「プチ・ソウルメイトだと思っている」とおっしゃっています。つまり、監督は佐藤さんと心が通っていると感じているというコメントになりますが、佐藤さんはいかがでしょうか。

佐藤さん:
全くピンときませんね(笑)。(会場:笑) そのことを聞いていたので、登壇する前に(エッセイを)読ませてもらいました。三谷さんとは大河ドラマ「新撰組!」(2004年NHK/三谷幸喜脚本作)で最初にご一緒しました。あの時はよく撮影現場に来られていました。その時は、僕は「距離を置いているな」「好かれてはいないな」と感じました。僕が「荒ぶるアウトローだったらどうしよう」と思っていたようです。(三谷監督に向かって)あの時は「嫌がっていた」よね?

三谷監督:
ちょっと怖かったですね。

佐藤さん:
ですから、合間にちょこちょこっと話をして、「最初に思ったよりは距離は遠くないな」と、そういう感じでした。まぁ、「プチ・ソウルメイト」と言われても、何と返して良いのか...。

三谷監督:
浩ちゃん、もういいよ(笑)!

MC:我々から見ても「何か通ずるところがある」お二人ですね。さて、小池栄子さん、総理付の秘書官の役ですが、総理役の中井さんから「小池さんの人生を変える言葉」をいただいたことがあるそうですね?

小池さん:
そうなんですよね。思い出しただけでうるっとしてしまうほど、私の中では大事なお話です。十年ぐらい前に、貴一さんと連続ドラマのお仕事でご一緒した際に、当時の私はグラビアをやりつつバラエティを中心に仕事していました。でも「女優業をもっとやりたいな」と考え始めていて、自分の軸足をどこにすれば良いのか思い悩んでいました。正直、自分のお仕事に向き合う気持ちが中途半端な時期でした。その時に、貴一さんに「女優をやりたいと思っている」ことをご相談したところ、「覚悟を決めて本気で向き合えば?」と言っていただき、背中を押してもらいました。その一言で、私の覚悟が決まりました。あの日の、あの言葉がなければ、多分こうしてまた一緒にお仕事をすることもなかったのかなと思うと、生涯感謝していきます。

MC:中井さんは、覚えていらっしゃいますか?

中井さん:
はい。何となく悩んでいらして、でもあまり無責任なことは言えないとも思いました。その連続ドラマで小池くんと仕事をした時に、小池くんの持っているポテンシャル(潜在能力・可能性)を非常に高く感じました。いつも三谷さんがおっしゃるように「他の人に見せないのはもったいない」と、もっともっと見せた方が素敵だと思ったので「何かを切らないと絶対に前には進めないよ」と告げた覚えがあります。

小池さん:
ありがとうございます。

MC:さあ、斉藤由貴さんの官邸料理人役は、ちょっとコミカルな面もありましたが、どのようなところにポイントをおきましたか?

斉藤さん:
「マイペース」ということなので、私の中では周りがワチャワチャしていても、それに動じることなく、あまり周囲に興味を持たないでスーッと立っている感じにしようと思いました。そう言えば、先ほどの「プチ・ソウルメイト」の話で思い出しましたが、(三谷監督の)そのエッセイの後半で私のことを「もう一人のソウルメイト」として書いてありました。そこには「面白いことをやってくれるけれど、本筋とは関係ないから最終的に全てカットすることになる」と書いてありました。それは嬉しいんですが、悔しくもありました。ぜひ、また呼んでいただけることがあれば、「本筋に関係ないけれど、これは絶対に切れないな」と思われることをやりたいなと思いました。

MC:三谷監督、斉藤さんがそうおっしゃっていますよ。泣く泣く切ったのですか?

三谷監督:
そうですね、斉藤さんが面白いことをしたところだけを全部つなぐと、二時間半ぐらいになると思います。そこはもう切らせてもらいました。いつか斉藤さんの斉藤さんしか出てこないような映画を作りたい。(会場:大笑い)

斉藤さん:
(笑)。

MC:「寿賀さん役は斉藤さんしかいない」と思われて脚本を書かれたのですよね?

三谷監督:
そうですね、斉藤さんをイメージして書きました。

MC:木村さんは、大統領役ということで合同会見はとても見応えがあるシーンでした。いろいろとご苦労があったのではないでしょうか。

木村さん:
そうですね。ただ英語を話すのではなくて、大統領としての話し方を知るためにYouTubeでヒラリー・クリントンさんの演説をたくさん見ました。監督が「顔はマーガレット・サッチャーさんが良いな」とおっしゃるので、サッチャーさんはヒラリーさんとは違ってブリティッシュ英語ですが、その二人の映像を見て研究しました。外国人の方のスピーチは手振りが多いので、手の使い方を工夫して、あとは(通訳役の)宮澤エマちゃんに教えてもらって、頑張りました。

MC:大統領役を英語で木村佳乃さんにというのは、どのような発想だったのですか?

三谷監督:
最初は男性のアメリカの俳優さんにお願いしようとしました。ギャラの問題でジャック・ニコルソンさんに断られ、トム・ハンクスさんにも断られ、そうしたらあとは木村佳乃さんしか...。(会場:笑)

木村さん:
(笑)。もう、やだ...。

MC:木村佳乃さんの大統領の演技はいかがでしたか。

三谷監督:
素晴らしいと思いました。...けれど、ほぼセリフが英語なので、僕も何を言っているのか分からなくて...。

木村さん:
ちょっと(笑)!

三谷監督:
...雰囲気はとても良かったです!

MC:吉田羊さん、黒田総理役の中井さんとの長回しのシーンですが、吉田さんは監督から「そこまでしなくて良い」と言われるぐらいのめり込んでいたと伺いました。

吉田さん:
私は三谷さんの脚本と演出に心から信頼を寄せているので、三谷さんから「こうしてください」と言われれば、全力で挑戦したいと思っています。でも、三谷さんは時々、演出というよりも「個人的な趣味」のようなことを指示されるんです。今回も私が窓辺に立ち、ガウンの前をガバッと開く動きは台本になかったことでした。撮影現場で三谷さんに「羊さん、ここで階下の人々に裸を見せつけてください」と言われました。その時は「この人は一体何を言っているのだろう?」と思いましたが、実際に繋がった映画を観てみると、あのワンショットがあることで、(吉田さん演じる)あかねさんが「いつか日本の(政治の)トップに立ちたい」という野心を持ったキャラクターに見えました。ですので、思いつきのように見えて、実は「緻密な計算がある」のだなと、それは(石田)ゆり子さんもおっしゃっていましたよね。

MC:中井さん、ネクタイで首を締められるのは苦しかったのではありませんか?

中井さん:
結構、苦しかったです!

吉田さん:
そうですよね。感情のスイッチが入ってしまって、(自分で)コントロールができなくなっていました。三谷さんから「シャツは脱がせなくて良い」と言われていたのに、どんどんボタンを外していました(笑)。それで三谷さんからダメ出しがありました。「本番!」と言われると、スイッチが入ってボタンを外していると...。(会場:笑)

MC:三谷監督、吉田さんは脱がしてしまうんですね。

三谷監督:
そうなんですよ。僕はためらったのですが、吉田さんは何でもやろうという思いで、あのシーンに挑んでくださったみたいです。であれば、僕も「全裸監督」(2019年Netflix配信ドラマ)で臨めば良かったな、と...ちょっとためらいがありました。

MC:後藤さんは、「オーラがない普通の役」としてこのメンバーとお芝居するのはいかがでしたか。

後藤さん:
あまり経験がないので緊張しっぱなしでした。合間に監督が話しかけてくださり緊張をほぐしてくれました。そのおかげで撮影にすんなり入り込めたところはあります。ですが、一度だけ「あれは何やったんやろな」ということがありました。佐藤浩市さんとのシーンの合間に監督から「スプーン曲げできますか?」と聞かれました。「できません」と答えたのですが、「佐藤さんにスプーン曲げを見せてきてくださいよ」と言われました。「何ですかこのノリ」と思いながらも佐藤さんのところに行きました。それで「佐藤さん、スプーン曲げはお好きですか?」(後藤)、「えー、じゃあやってよ」(佐藤)、「いや、できないんすよ」(後藤)というやりとりをして、めちゃくちゃ変な空気になりました。(会場:笑) それで、パッと監督の方を見たら、監督はそれを見てもいませんでした。「そこは見守らなあかんやろ」と思いました。本番にも関係なかったし、あれは何やろな...、ただ変な空気になって、傷つきました。

MC:佐藤さんとのシーンと言いますと、後半の...あの場面ですよね。

後藤さん:
そうですね。

MC:あの場面の合間に「スプーン曲げ」というのはどうしてですか?

三谷監督:
えーっと、まったく記憶にないです。

後藤さん:
ちょっと待ってくださいよ! すごい空気になったんですよ。

三谷監督:
(舞台挨拶の前に裏で)後藤さんにお会いした時にも「あれ、何でこの人いるのだろう」と...。(会場:笑)

後藤さん:
いや、あなたに呼ばれたから来たんです!

三谷監督:
あれ? 出ていましたっけ?

後藤さん:
出ていましたよ!

MC:どうやら監督は「記憶にございません!」ということみたいです。

後藤さん:
役目をまっとうしました。

MC:三谷監督、本作の肝は配役だと思います。改めて初日を迎えた今日、俳優の皆さんに言葉を送るとするならばどのような言葉でしょうか。

三谷監督:
僕は本当に俳優さんが大好きで、「俳優さんを一番いい形で映画に残したいな」と思うそのモチベーションで自分は映画を作っているのだと、今回改めて感じました。今回に関してはすごく良い形で出来上がったと思っております。(会場:拍手)

フォトセッション
大ヒット当確祝いとして、主演の中井さんが看板に当確の花付けを行いました。


MC:初日に本当にたくさんの方が劇場に足を運んでくださったので、「大ヒット当確」ということです。(会場:拍手) 総理に「大ヒット当確」のバラを付けていただきたいと思います。

MC:最後に、代表して主演の中井さんにご挨拶をいただきます。

中井さん:
本日は皆さん、どうもありがとうございました。(会場:拍手) ディーン・タピオカも「タピオカの店」を出すと思いますので、その際はよろしくお願いします。(会場:拍手)
野球も三割を打つと、大打者です。これだけお客様が集まってくださり、面白かったと言ってくださる。僕は、本当は(映画の打率も)三割で良いと思っています。中には本当はそうではないけれども、ノリで「わー!」と言った方もいらっしゃると思います。でも、そういう方がいらしてこそ作品は名作になっていきますので、多くの方に観てもらえればと思います。人から「観た?」と聞かれた時に、この映画に関しては「記憶にございません!」と観たことを忘れてもらって構いません。(会場:拍手) 「記憶にございません!」を連呼することで、この映画の宣伝になりますので一つ、よろしくお願いします。


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