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岡田准一、怖くて台本がなかなか読めなかった
「来る」製作報告会

2018年10月23日

「来る」製作報告会

<左から、川村元気プロデューサー、黒木華さん、妻夫木聡さん、小松菜奈さん、柴田理恵さん>


第22回日本ホラー小説大賞を受賞した澤村伊智さんの小説を実写化した映画「来る」が12月7日より全国公開されます。「来る」は、"あれ"に狙われた人々の心の闇を描く最恐エンターテインメント。その独自の映像センスで日本映画界に新風を巻き起こした、映画「告白」の鬼才・中島哲也監督の最新作となります。10月23日には、恵比寿のウェスティンホテル東京で製作報告会が行われ、岡田准一さん、黒木華さん、小松菜奈さん、柴田理恵さん、妻夫木聡さんら豪華キャストと、川村元気プロデューサーが出席しました。中島監督は、本作の仕上げ作業に専念するため、この日の会見は欠席となりましたが、それぞれの登壇者たちが抱く鬼才・中島哲也監督の印象、苦労話などが赤裸々に語られ、笑いの絶えない会見となりました。その模様を詳しくレポートします。


岡田准一さん(あれの謎に迫るオカルトライター・野崎和浩役)
今日は皆さんにご報告できることを嬉しく思っております。中島監督と一緒に仕事ができることが幸せでした。すばらしいキャストの皆さんと、中島監督を味わう現場だったと思います。ぜひご期待ください。
黒木 華さん(育児ノイローゼ気味のお悩み主婦・田原香奈役)

自分にとっては念願の中島監督の作品でしたので、参加できて嬉しいですし、こうやって皆さんに作品のことを報告できるということは、すごく嬉しいなと思います。
小松菜奈さん(あれに戦いを挑むキャバ嬢霊媒師・比嘉真琴役)

「渇き。」に出演してから四年ぶりに、また中島組に参加できて嬉しかったです。短い時間ですが、いろいろと話せたらいいなと思います。
柴田理恵さん(TVで有名なタレント霊媒師・逢坂セツ子役)

中島監督とのお仕事は初めてなので、大変緊張しましたけれども、すごく面白い撮影現場でした。
妻夫木聡さん(あれに狙われているイクメンパパ・田原秀樹役)

僕は中島組に参加するのは三回目なのですが、今回もいっぱいゲキを飛ばされながら、ワンカットワンカット、みんなで朝まで演じました。最近は、12時を超える撮影というのもなかなかないんですが、こんなに「終わりが見えない現場」も久しぶりで、しびれましたね。中島さんのこだわりが「すばらしいものを生み出している」と思いました。
川村元気プロデューサー

中島監督とは「告白」以来八年ぶりに映画を作っています。とんでもない映画ができ上がる予感がしております。

MC:先ほどからお名前の出ている中島哲也監督ですが、今まさにこの「来る」の仕上げ作業の真っ最中で、あまりにも忙しすぎるため、今日は...「来る」と言いたかったのですが「来ない」...。代わりに監督からメッセージをいただいております。

【中島哲也監督からのメッセージ】

「今日は行けなくて申し訳ありません。でも俺の悪口は言うな」。

MC:謝っているのか、命令しているのかよく分かりませんが(笑)、とにかく最終段階の作業を頑張っていらっしゃる中島監督からメッセージをいただきました。ではお話を聞いていきましょう。まずは川村プロデューサー、本作の撮影は二月から六月にかけて行われ、今はポストプロダクション(撮影後の作業)の真っ最中です。先ほど、「とんでもないものができそうだ」というお話がありましたが、どういう作品に仕上がりそうですか?

川村プロデューサー:
この映画は「恐ろしいことが起きる映画」ですし、こんな豪華キャストも集まっています。いろんな意味で、これまでの日本映画に全くなかったパターンの映画だと思います。「告白」の時もそう評されたと思いますが、それ以上のインパクトをもって届けられる映画なのではないかと思います。

MC:今、「告白」というタイトルが出ましたが、この映画は「告白」以来の中島監督とのタッグとなります。今回の映画化でどういったことを表現されようとしたのでしょうか? 改めて企画の意図を教えてください。

川村プロデューサー:
第22回日本ホラー小説大賞をとった原作小説があるんですが、読んだ時に数年ぶりに震えるほど面白くて、すぐに原作を中島監督に送ったんですよ。普段、企画の相談をしても、リアルに100本くらい袖にされますし、本当に寡作の監督なんです。なかなか面白いとは言ってくれない人なんですが、久しぶりにこれはすぐに「やりたい」とメールが来ました。スタンリー・キューブリック監督の「シャイニング」や、「エクソシスト」のような、恐怖映画なんだけれど、「ある時代のスタイルを作った作品」が(お互いに)好きなので、そういう作品を作れるのではないかと、プロジェクトは始まりました。

MC:キャストの皆さんは、オファーが来た時はどんな思いだったのでしょうか?

岡田さん:
すごく嬉しかったです。中島監督とは以前(企画が)実現しなかったこともあったので、やっと中島さんに出会えるというか、お仕事ができるということが嬉しかったですね。

妻夫木さん:
何回もオファーをいただけるのは本当に光栄なことです。中島監督が作り上げる作品は、毎回想像を超えるもので、僕自身も新しい顔を引き出してもらえる現場なので、本当に嬉しかったですね。

黒木さん:
私自身、中島監督の映画がすごく好きだったので、「念願」と言いますか、「やっと私も出られるんだ」という気持ちが大きかったです。脚本もすごく面白かったので、撮影に入るまでずっと、ワクワクしながら待っていた記憶があります。

小松さん:
私は、「渇き。」のオーディションで初めて中島監督とお会いして、そこからもう四、五年たったんだなと思うと、すごく時間が経つのは早いなと思います。でも、今回まさかオファーをいただけるとは1ミリも思っていなかったので、すごく驚きというか...嬉しさもあったんですが、「ちょっと怖い」とも思ったんです。いろんな意味でプレッシャーというか、「あれから自分はどう変わっているのかな」といういろいろな不安や怖さみたいなものがありました。でも、この役は挑戦してみたい役でもあったので、すごく嬉しかったです。

柴田さん:
怖い映画があまり好きじゃないので、「怖いな」と思っていたんですが、中島監督の映画は「普通の感じじゃないだろうな」とも思っていました。きっと私が想像するものより、「もっともっと何段階も違うものができ上がるんだろうな」と、楽しみにしておりました。

MC:岡田さんは最初、怖くて台本がなかなか読めなかったそうですね。

岡田さん:
そうですね。本当に怖くて、台本を読むのにも時間がかかりましたね。

MC:台本が読めないのは珍しいんじゃないですか?

岡田さん:
台本の完成度が本当に高くて、面白いんですが、めちゃめちゃ怖くて、なかなか読み進められませんでした。監督から、「出てほしい」と手紙をいただいたのですが、ホラーは苦手なので、中島監督じゃなかったら、もしかしたらやっていなかったかもしれないです。でも本当に中島監督に誘っていただいて良かったなと思っています。

MC:皆さんが演じた役柄は、今までの皆さんのイメージをくつがえすような役だったと思いますが、撮影前に準備したことや、演じてみて思った感想をお聞かせください。

岡田さん:
中島監督は細かくビジョンを決められている方だと思いました。初めてお会いした時も、「ヒゲを六ミリ伸ばしてくれ」と、ヒゲのミリ数まで決めていて、監督には完璧なビジョンがあるんだなと思いました。他のキャストの皆さんの扮装もすごかったです。「(小松菜奈さんが演じる役の)ピンクの髪ってこんな感じなんだ」とか、松たか子さんの風ぼうを見て言葉は悪いですが、「ヤバい人が来たな」と思ったり、そういうことが現場でありましたよね(笑)。中島監督の細かい作り方みたいなものを堪能しながら役作りをしていった感じでしたね。

MC:妻夫木さんはいかがでした?

妻夫木さん:
華ちゃんと一緒に、病院? (黒木さんに)あそこは何ていうところだったっけ? 育児セミナー?

黒木さん:
お父さんとお母さんになる人が育児を体験する場所でしたね。

妻夫木さん:
10キロくらいの重りを持って、生まれる前のお母さんはこういう感じなんですよと、お父さんが体験できるものや、子どもの洗い方...そういう体験を、実際に妊娠されている方たちと一緒に、(黒木さんと)二人で参加して勉強させてもらいました。(黒木さんに)勉強になったね。楽しかったね。

黒木さん:
楽しかったです。

妻夫木さん:
いやぁ、妊婦さんは、腰にくるんだろうなと感じました。

黒木さん:
靴下がはけないとか。

MC:実際に現場を体験されていかがでした?

妻夫木さん:
こんなに...「今何時だろう」と、終わりが見えない現場も、最近はなかなかなかったんですよ。僕は最初、三月には撮影が終わると聞いていたんですが、結局、五月くらいまで撮影をしていました。「よく怒られないな」と、一番のホラーはそこでしたね。三重まで行って撮ったのに、監督がリテイクしたいと言うので、「また三重まで行くんですか!」と言ったら、「いや、東京でやる」と言うんです。僕たちが三重に行った理由は何なんだと(笑)。あの人はそれくらいホラーな監督です。

MC:黒木さんはいかがでした?

黒木さん:
監督の愚痴ですか?

MC:愚痴じゃないです! (会場:笑い) 撮影に入る前の準備などは?

黒木さん:
撮影に入る前は妻夫木さんと同じで、妊婦さんの体験をしに行きましたね。

MC:撮影をしてみていかがでした?

黒木さん:
撮影をしてみて、やっぱりすごく楽しかったですね。現場に行くのが楽しみでした。でも、自分の役が育児で疲れている役だったので、やっぱり家に帰るとすごく疲れてしまいました。役者としての黒木は、充実した毎日だったんですが、役柄的に、子役の子とはわざと仲良くしていない時もありました。私は、子どもが好きなんですが、本当にお母さんというのは、楽しいばかりじゃないんだなということを追体験しましたね。

妻夫木さん:
なんだか重いね。(会場:笑い)

黒木さん:
いえいえ、重くないです(笑)。全然、大丈夫です。

MC:そして小松さんはキャバ嬢であり、霊媒師でもあるという役でした。

小松さん:
そうですね、見た目が一気に変わりましたね。髪も人生で初めてショートにして、色はピンク、あとは眉毛を細くしました。そしたら、朝起きた時に自分にビックリして、「誰だろう、この人」という感じになりました。撮影中も朝早くから四時間くらいかけて全身にタトゥーを入れたりしました。その時点で清められるというか、気持ち的に真琴に入りやすくなりました。見た目はあんな感じだけれど、中身はちゃんと母性があって、素直だけれど不器用な部分もあるので、そういう部分が撮影で出せたらいいなと思って演じました。それと、子どもの知紗ちゃんに好かれる役なので、知紗ちゃん役の子と、たくさん遊ぼうと思い、休みの日に遊びに行きました。「抱っこして」とか、すごくかわいくて、楽しかったんですが、現場では、まるで別人が来たようで、もう一度「初めまして」から始める感じでした。すごく不思議な女の子で、天真爛漫な時もあれば、三歳なのに妙な大人っぽさもあったりして、すごく振り回されました。やっぱり中島さんが選んだ人だなと思いました。(会場:笑い)

妻夫木さん:
何かあっても、だいたい監督のせいにしておけば場がおさまるんですが、「中島監督がちょっと変わった人だからなのかな?」なんて思いますね。

MC:柴田さんはテレビに出ている霊媒師役でしたが。

柴田さん:
逢坂という役はちょっぴりうさんくさい人なのかなと思ったら、実は真面目な人でした。監督からも、「真摯に真面目にやってください」と言われました。特殊メイクをするので、いろいろと型をとったりしたんですが、特殊メイクは大変だなと思う反面、型取りをするとすごく肌がきれいになるんです。海藻パックをしたみたいに、顔も手も身体も、本当にきれいになって嬉しかったです。(会場:笑い) 本当に特殊メイクはすごいなと思いました。あとは津軽弁を話すイタコの役なので、津軽弁を入れながら、わけの分からない呪文を覚えるのが大変でした。まったく意味が分からないので、覚える手立てがないというか...漢字の四文字熟語どころか、何百字も並んでいる漢字を覚えるのは、本当に大変でした。

MC:川村プロデューサー、中島監督は今回のキャスティングは理想的だったとおっしゃっていましたが。

川村プロデューサー:
やはりキャスティングは中島組の魅力の一つだと思います。今回は常連の妻夫木くんだったり、「告白」でご一緒した松さんだったり、「渇き。」チームの菜奈ちゃんも入っています。そして、今回来ていただいた方の中に、岡田准一さんや黒木華さん、柴田理恵さんなど、初めての人たちもいて、ある種のベスト盤というか、中島監督のベストなものを出しきろうというのは、当初から話していました。オーディションをやりながら、並行してキャスティングをするというような、ありとあらゆる方法を模索しましたね。監督としても「ベストキャスティングだ」と言い切れるくらいに、考え尽くしたキャスティングでしたね。

MC:それでは皆さんに、共演した感想を聞いていこうと思います。岡田さんと妻夫木さんは、こういうガッツリした共演は初めてだったそうですね。

岡田さん:
そうですね。昔、(「木更津キャッツアイ」で)ワンシーンだけご一緒したことがあります。同い年で、同じ時代を生きているので、現場でも、スケジュールがすごくハードだったので、「昔の"土9(ドック)"みたいだよね」みたいな、二人だけが分かるような懐かしいトークをしたりしましたね。

MC:ドックというのは?

岡田さん:
昔、土曜9時のドラマがあって、撮影スケジュールがハードだったんですよ。説明すると恥ずかしいですが(笑)、そういうマニアックな会話をしたりしましたね。でも中島監督は、男の人に興味がないようなんですよね。

妻夫木さん:
僕たちはオッケーが出るのが早くて...。

MC:お二人の演技がすばらしかったからじゃないですか?

岡田さん:
そうじゃないんですよ。ラーメン屋にいるシーンがあって、僕らのカットがかかるごとに、僕らの目の前にある"コショウの位置"を気にしていて...。ずっと「コショウの位置がなぁ...」と確認をしていたんです。二人で、「僕らのことにはあまり興味ないですよね」と言ったくらい、コショウを撮ることに命をかけていましたね(笑)。

妻夫木さん:
でも、コショウの位置も、きっとつながっていないんですけれどね。(会場:笑い)

MC:妻夫木さんからも改めて、今回共演してみていかがでした?

妻夫木さん:
僕は同い年の方と共演する機会があまりなくて、今まで、年上の方と共演することが多かったんですよ。今回は、青木崇高も同い年なんですが、同い年が三人いるというのが、すごく僕には新鮮で、三人で昔の話をしながら、現場にいるのが楽しかったですね。でも、いまだに「僕が気になっていること」があるんですけど...。僕は同い年なんで、岡田くんにはタメ口で話してしまっているんですが、「岡田くんがいまだに敬語」なのが気になるんですよ。

岡田さん:
でも、僕は年下でも敬語を使いますからね。

妻夫木さん:
でも、青木崇高には普通に話していたから。(会場:笑い) 「なんで僕には敬語なんだろう」と、「ヤバい、まだ壁があるぞ」と思っていました。

岡田さん:
メールでも硬い文章で...。

妻夫木さん:
メールでも敬語ですよ。

岡田さん:
はい。

妻夫木さん:
(笑いながら)「はい」とか言っているし。

岡田さん:
じゃ、これから...。

妻夫木さん:
まだ公開の12月までは時間がありますからね、もうちょっと雪解けを(笑)。

MC:それでは柴田さん、先ほどラーメン屋のシーンというお話がありましたが、お二人の共演を間近に見られていかがでしたか?

柴田さん:
すばらしかったですよ、だからダメ出しされたのは私だけ。私だけずっと怒られて(笑)。もう緊張して、緊張して...。

岡田さん:
妻夫木くんのこと...好きですよね。

柴田さん:
なんで分かるの!? 岡田くんはよく一緒になるし、ドラマも一緒にやったことがあるから、すぐに「岡田くん」と言えたんだけれど、妻夫木さんには初めてお会いするので、「妻夫木さん」と言わなくちゃと思っていたんです。でも、顔見た途端にいきなり「妻夫木くん」と呼んでしまったという。(会場:笑い) やはり妻夫木くんの人柄だなと思っています。

MC:柴田さんから見ても、岡田さんと妻夫木さんはすごいと。

柴田さん:
本当に、先輩方とご一緒するような気持ちでした。だからね、安心だったんです。一緒にいていただいて、本当にありがとうございました。

MC:岡田さんと黒木さんは、「散り椿」に続いて、今度は現代劇だったわけですが。

岡田さん:
何度かご一緒しているんですが、今回、黒木さんは...本気を出している感じですね(笑)。今回はあまり同じシーンがなかったんですが、(撮影現場で)入れ替わることが多かったんです。終わった黒木さんが歩いてくる時に(肩を回しながら)「よっしゃ、やってやったぜ!」みたいに腕を回してくることがけっこう多くて、言葉は悪いけど、おっさんが歩いてきたみたいな感じでした(笑)。ああ、いいシーンを撮って、やりきったんだなと思いました。

黒木さん:
それはちょっと違います(笑)。

MC:黒木さんも言った方がいいですよ。

岡田さん:
でも充実はされていたんですよね?

黒木さん:
充実はしていたんですけれど、私は、「毎日やられて帰ってきた」んです。今日もやられたなと思って...。

岡田さん:
(感心したように)へえ...。ブンブン腕を回していたと思ったけどなあ(笑)。

黒木さん:
いえいえ、気合いを入れないとちょっと...。

岡田さん:
気合いだったんですね。

黒木さん:
そうですよ! 別に「やってやったぜ!」なんて思っていないですから(笑)。「今日も頑張ろう」と思って現場に入って、「今日も頑張れなかったな」と思って反省して帰ってきていました。

MC:黒木さんにとって、岡田さんとの共演はいかがでしたか?

黒木さん:
少ししかなかったですが、撮影に入る時に、「やっと現代劇で会えましたね」とお話をしました。それと、当たり前なんですが、「散り椿」の武士の時は、芯があって節制して生きているんだろうなという感じでしたけれど、今回の現場では...疲れているのかな? みたいな。

岡田さん:
そういう役だったんですよ(笑)。

黒木さん:
もちろんそうです(笑)。だから引き出しの多い方だなと感じていました。

MC:そして岡田さんと小松さんも初共演ということですね。改めて振り返ってみていかがでしたか?

岡田さん:
すごく面白かったですね。中島監督との信頼関係というか、二人のやりとりが独特でした。「二人だけの会話」というか、やっぱり中島監督の愛情を感じるんですよね。確かに言い方は厳しかったですが、僕と妻夫木くん..."ブッキー"には絶対に...。(会場:笑い)

MC:急に親しげな感じをかもし出しましたね。

岡田さん:
僕と"ブッキー"には言ってくれない、すごい(監督と小松さん)二人だけの愛情というか、信頼関係がある感じがして、うらやましかったです。女優さんとしても魅力的な方で、現場でのあり方も素敵でした。楽しかったです。

MC:小松さんはいかがでしたか?

小松さん:
"ゆるい近所のお兄さん"という感じだったんですけど...。(会場:笑い)

岡田さん:
それ、喜んでいいのかな(笑)?

小松さん:
でも、共演は初めてだったんですが、変に緊張せずにずっとしゃべっていられるというか...ひたすら健康の話をしていましたね。現場はすごく真っ暗で、私たちの休憩場所にもライトが一個あるくらいのところでしたが、その中でずっと身体について...。

岡田さん:
「こういうのを食べた方がいい」とか、「駄目だ」とか...そういう話をしてましたね。暗い中で。

MC:妻夫木さんと黒木さんは夫婦役だったわけですが、お互いにどう感じたのでしょうか?

妻夫木さん:
華ちゃんとは以前、舞台(NODA・MAP「南へ」)で共演したことがあって、(黒木さんに確認するように)あれ以来だよね? よく会っていたんで、久しぶりに会ったという感じではなかったです。今回、僕たちの子どもの知紗役の子がいたので、「その子と僕たちがどう仲良くなれるか」というのがけっこう大変でした。特に華ちゃんが知紗に対して、いろいろと追い込まれて、華ちゃん自身が子どもに当たるシーンがあったんです。子どもは子どもで、それに対して笑いながら返してくる。でも、脚本上の設定なんですが "強く"言われたら、子どもにはその設定が分からないから、「怒られている」と思って泣いちゃう。それを、芝居の中でやっていかないといけないから、嫌われちゃうんじゃないかと思うじゃないですか。それで華ちゃんが「私、将来結婚しない」とか言うんじゃないかと、それだけが本当に心配だったんです。(黒木さんに)大丈夫だった?

黒木さん:
確かに、ちょっとなりましたね(笑)。私は子どもがすごく好きですけれど、ちょっとだけ。

妻夫木さん:
結婚が五年くらい延びちゃった?

黒木さん:
そうですね(笑)。

MC:黒木さんは妻夫木さんと共演されていかがでしたか。

黒木さん:
本当に、山田組(山田洋二監督「小さいおうち」)の時も共演しましたが、すごく感慨深かったですね。自分にとっては舞台の時からずっと優しくしてくれた先輩だったので、こうやってガッツリご一緒できて本当に嬉しかったです。「どうしたらいいですかね」という相談もしましたし、本当に嬉しかったです。

MC:それでは、中島組の撮影に参加した感想を教えてください。監督本人は今日、来ていないですから、言っちゃってください。

岡田さん:
面白かったです。こだわりと美意識がものすごく強い方ですね。地方で撮影したものをリテイクするって、よほどじゃないと言えないことですからね。僕が監督だったら絶対に言えないですよ。それを通せるし、朝方まででも撮影する。それでも全然揺るがない撮り方で、こだわり方というのは、中島監督ならではですね。そのこだわりについていくのは大変でした。

妻夫木さん:
毎度毎度、驚かされることはいっぱいあるんですが、岡田くんも言っていたように、本当に妥協のない人なんですよね。カメラワークとか、照明とか、普通知らないような、専門的な技術のことまで知っている方なので、自分が撮りたいものが何なのかを一番分かっている方なんですよね。だからこそ、ワンカットに何時間もかけて、妥協せずにやれるんだとは思うんですけれど、ただ一つ、口が悪いんですよ(笑)。

MC:皆さんそれぞれにいろいろと言われたと聞きましたが。

妻夫木さん:
僕は「暴言俳優」と言われましたね。

岡田さん:
僕は(セリフを)かんだ時に、「君は賞(日本アカデミー賞最優秀主演男優賞など)をとっているんだからさ。とっているんでしょ?」みたいな。すごく遠回しに、ディスられた感じの...それくらいですかね。

MC:この映画は、「面白いんだけど怖い」、「怖いんだけど面白い」ということですので、撮影現場で怖いな、ヒヤッとした。そういうことってありました?

岡田さん:
スタッフさんや他のキャストはそれまで撮影をしていたんですが、僕は、夜七時に呼ばれて...撮影が始まったのが深夜一時だったんです。そこから三シーン撮影すると言われたのが...怖かったです。(会場:笑い)

MC:川村さんは苦笑いしていますね。それは怖いですよね。

川村プロデューサー:
撮影期間が、倍になったんですよ。本当に恐怖でしかなかった。「二カ月って言ってたじゃん」と思ったのに、四カ月以上撮っていましたね。

MC:柴田さんは何かありますか?

柴田さん:
映画の最後に、日本の僧侶の方とか、韓国からいらっしゃった方とか、イタコとか、いろんな人たちが集まってお祓いをするシーンがあるんです。奥の方で韓国の方たちが祭壇を作っていて、そこで韓国の祈りを捧げてくださっていたんです。その祭壇が崩れるんですが、本当はゆっくり崩れないといけないんですけれども、あっという間にバシャンッと崩れてしまって、「これ、またセットを積み重ねるのかな? 何時間かかるんだろう」と思ったら、そこはオッケーになったんですよ。こういうこともあるんだなと、良かったなと思いましたよ。(会場:笑い) 

MC:妻夫木さんは何かありますか?

妻夫木さん:
さっき言ってしまったんですが、三重ロケがリテイクになって、岡田くんより先の四月の上旬くらいにアップ(撮影終了)する予定が、岡田くんよりも後にアップすることになってしまって、五月の頭くらいまでかかったんですよ。それまで髪の毛も切れなくて、キープしなきゃいけなかったので、これ以上リテイクさせないために、三重ロケのリテイクを撮った次の日に、速攻で髪の毛を切りに行きました(笑)。(監督が)まだ何か言いそうだなと思ったので、髪の毛を短く切りました。

MC:黒木さんは何かありましたか?

黒木さん:
私は撮影中に、子どもを抱いて走らなくちゃいけないところがあったんですが、靴がちょっと大きくて、(サイズを)詰めてはいたんです。でも、思いっきり抱いたままコケそうになったんですが、「ウッ」と持ちこたえてセーフだったんですが、その時は全身の血がサーッと引いて、もう(私は)死んだと思いました。魂がどこかに行ったんじゃないかと、しばらく心臓のドキドキが止まらなかったです。人のお子さんですからね、倒れていく瞬間に、「どうやって私が下になろう」と、考えたんです。大丈夫だったので良かったです。

MC:小松さんはいかがでしたか?

小松さん:
私も知紗ちゃんしか出てこないんですが...。先ほども話したんですが、本当にピュアなんです。三歳で初めてお芝居をして、現場は暗いし、急に怒られたり、いろいろと分からない中で、お芝居をして、急に泣き出しちゃったりもしていました。日によって気分が変わるから、「今日はお菓子を買っていってあげようかな」とか、自分が知紗ちゃんの手のひらで転がされている感じがしました。でも、映像とかを観ると、すごくかわいいんですよ。だから、それが「ずるいな」と(笑)。めちゃめちゃ天使に映っているのですが、現場ではいろいろあったので、映像で観ても「この時、こうだったな」とかよみがえりますね。


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