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御年79歳の木村大作監督、Instagramデビュー!
木村監督"殺陣は100%岡田准一さんがつけた"とアピール
「散り椿」完成報告会見&完成披露試写会

2018年08月27日

「散り椿」完成報告会見&完成披露試写会

<左から、麻生久美子さん、西島秀俊さん、黒木 華さん、池松壮亮さん>


日本映画界の巨匠・木村大作にとって三作目となる監督・撮影最新作「散り椿」は9月28日より公開となります。葉室麟の名作「散り椿」を基に"切なくも美しい愛の物語"をテーマにして、小泉堯史が脚本を書き起こしました。朴訥で不器用だが、清廉に生きようとする侍たちの"凛とした生き様"、そして愛する女性のために命を懸けて闘う姿を捉えます。
同作が完成し、8月27日東京・帝国ホテルにて完成記者会見を、その後場所をTOHOシネマズ 日比谷に移して完成披露試写会を行いました。この日のイベントには、主演の岡田准一さん、西島秀俊さん、黒木華さん、池松壮亮さん、麻生久美子さん(記者会見のみ)、木村大作監督が出席し、撮影の日々を振り返るエピソードが語られました。また、終始 "大作節"で場を盛り上げた木村監督がInstagramデビューするため第一投用の撮影を会場の皆さんも交えて行いました。その模様を詳しくレポートします。


【「散り椿」完成記者会見@帝国ホテル】

岡田准一さん(瓜生新兵衛役)
大作さんのことを「生ける伝説」というと、大作さんは「現役だよ!」とおっしゃいますが、「映画の世界では伝説的存在」です。そんな大作さんから「美しい本格時代劇を作ろう!」と言ってもらえたことを光栄に思います。現場では、日々、大作さんと闘うつもりで、とても良い意味でシビレる経験をさせてもらいました。大作さんとともに、ここにいるキャストの皆さんと、2カ月間一緒に闘った日々は鮮明に覚えています。この映画をたくさんの方に観ていただけるように、皆さまにはお力を貸してもらえるようお願いいたします。
西島秀俊さん(榊原采女役)

ついに「散り椿」が皆さんに観ていただく時を迎えたことを、非常に嬉しく思っています。大作さんをはじめスタッフ、キャストが全身全霊を込めて、ワンカットワンカット、とにかく「美しい映画」、「美しい時代劇を作ろう」と一生懸命撮影をしました。本当に傑作時代劇が生まれました。皆さんに観てもらうことで映画が完成するのだと思うと感無量です。
黒木 華さん(篠の妹・坂下里美役)

木村大作監督と素晴らしいキャストの皆さんと、富山で撮影をして、すごく濃密な時間を過ごすことができました。
池松壮亮さん(篠の弟・坂下藤吾役)

もう皆さんが話すべきことは話してくださいました。ものすごく誠実な大作さんの新作が仕上がりました。楽しみにしていただければと思います。
麻生久美子さん(新兵衛の妻・瓜生 篠役)

私は、今回亡くなってしまう役柄でもあり、そんなにたくさん関われなかったんですが、富山では大作さんをはじめ、キャストの皆さんと本当に楽しく過ごせました。私にとってはすごく勉強になる撮影でした。
木村大作監督

今日来ている方には、多くの人に(この作品が)伝わるように頑張ってもらわないとね。記事も、写真も大きく、僕の一生がかかっていますので、よろしくお願いします。

MC:まずは木村監督、黒澤組の撮影助手として映画界でスタートされ、今年は撮影人生60周年、おめでとうございます!(会場:拍手)

木村監督:
それは「定年」という意味でしょうか(笑)?

MC:映画界での撮影人生60年という節目の年に、監督作としては初めての時代劇を撮られました。なぜ時代劇にされたのでしょうか?

木村監督:
三作目ですからね、前二作は山が舞台の映画でした。僕は撮影助手の頃は黒澤組にいましたので、かの有名な(時代劇映画)「隠し砦の三悪人」「用心棒」「椿三十郎」を現場で見ていた生き残りです。ということで、「美しい時代劇を撮る」と始めたのですが、この「美しい」という言葉は、映像が美しいとか風景が美しいとかではなくて、「人の心の美しさ」を撮りたいと思い、言った言葉です。自分は、時代劇が描く日本人の精神性は、一番自分(の理想に)に近いと思っているからです。

MC:岡田さんは「追憶」では撮影監督の木村さんとご一緒して、今回は映画監督の木村さんからの出演オファーになりましたが、「美しい時代劇」との願いをどのように思われましたか?

岡田さん:
監督の映画の現場は、「映画界の伝説」になっているんです。大作さんが山の映画を撮られた時に、(その出演者の方に)「お前は死ぬ気があるのか? 俺はこの作品に命をかけている、それについてこられるのか?」と言われたそうです。「監督の時は鬼」だというのは映画界では有名な話なので、カメラマンの時とは異なる監督の部分が出るのを楽しみに現場にいました。でも、今回は鬼にはならず、本当に楽しそうでした。そして、「いろいろな美しさを共に探そう」と、基本は大作さんについていきました。「美しいこと」は本当に難しいですし、本格時代劇ということもあり、すごくプレッシャーを感じました。大作さんの思われる美しさを霞の中から必死に探し出そうとしました。黒澤映画を知る方ですし、「本当に美しい」とはどういう表現でできるのか、模索していたように思います。

西島さん:
僕も(木村監督の初監督作品の)「剱岳 点の記」の出演者から「すごく大変だ」という話を聞いていました。「撮影というよりも修行だよ」と木村組を体験された先輩方から聞いていました。僕は辛い現場が大好きなので、「大作さんにもし会うことがあれば『西島が木村組に参加したい』と伝えてほしい」と何人かにお願いをしていました。それが監督の耳に届いたのかはわかりません。ピリピリした現場かと思いましたが、実際に(木村組に)入るとちょっと異なっていました。確かに監督は「バカヤロー!」とスタッフに檄(げき)を飛ばしますが、その言葉には愛情が込められているので、受け手も「すみません!」と言いながらも笑顔でいるんです。いい意味での緊張感はありますが、人間関係が素晴らしくて、楽しい日々でした。そこに理不尽な厳しさは全くなくて、映画を撮る喜びに溢れた現場でした。

黒木さん:
(木村組の)厳しい噂は聞いていたので、「どうしようかな。私はあまり怒られるのは好きじゃないな」と思っていました。そうしたら、岡田さんから「(監督を)"大ちゃん"と呼ぶといい」とアドバイスをもらいました。それで、衣装合わせの時にさりげなく「大ちゃん」と呼んだら、監督は照れたように笑っていたので、意外とシャイな方だと思いました。撮影中に変な緊張をすることもなく、(木村監督が)「どうしたい?」と聞いてくれることもありました。私にはすごく居心地のいい現場で、監督が楽しそうにしているように見えました。岡田さんのアドバイスのおかげです。

岡田さん:
最初に「大ちゃん」というと、その女性にメロメロになるので、「最初が肝心だ」と伝えました。

MC:池松さんは、「春を背負って」に続いて二度目の木村組ですよね。オファーを受けていかがでしたか?

池松さん:
前作に参加させて頂いた際の撮影は二日間だけだったので、まず(監督が)自分のことを覚えていてくれたことが嬉しかったです。喜んで原作を読んでみたら僕の役は12歳ぐらいの役でした。「大作さんから見たら、僕はまだ12歳に見えるのか」と思って、ちょっとショックでした。でも、台本では年齢が変わっていました。実際の撮影は皆さんがおっしゃったように、すごく雰囲気のいい現場でした。僕は平成生まれで圧倒的にデジタルの時代を歩んで来たのですが、木村監督の現場では真新しいものや、大作さんが培ってきた「映画の哲学」を教えてもらったような気持ちでいました。

MC:前回と比べて何か違いはありましたか?

池松さん:
うーん...前回は数日だったので比較はできないです...。

MC:麻生久美子さんは、初の木村組はいかがでしたか?

麻生さん:
私も岡田さんのアドバイスをいただいたのですが、どうしても「大ちゃん」とは呼べなくて、「大作さん」止まりでした。「華ちゃんは"大ちゃん"と呼んだんだ! すごいなー」と思いました(笑)。

黒木さん:
...私が向こう見ずなんです。

麻生さん:
(黒木さんへ)素敵です。私の大作さんのイメージは「怖い」でした。厳しさはもちろんですが、「剱岳 点の記」のプロモーションで、テレビ番組に出演されていた時の監督の物言いがあまりにも率直で、思ったことをそのままおっしゃっていました。私はいろいろと言われると心が折れるタイプなので覚悟をしていたのですが、そういうことはありませんでした。とてもいい緊張感で、本当にいい現場だと思いました。

MC:麻生さんの中で、印象に残っていることは何ですか?

麻生さん:
私が撮影に入る前に、監督からお手紙をいただきました。「篠がどういう思いや気持ちでいるのか」映画の中で語ることのない台詞として書かれていました。すごく素敵でした。

MC:「散り椿」は昨年の5月中旬から富山県、滋賀県、長野県にて、時代劇としては非常に珍しいオールロケで撮影されました。そして撮影現場の特徴として、現場にモニターを置かず、ワンシーンをカット割せずに多重カメラでの一発撮りでした。役者にとっては緊迫感溢れる一発勝負の現場になると思います。撮影を振り返って新たな発見はありましたか?

岡田さん:
大作さんの真剣勝負で一発撮りの一回戦しかないという撮影はその場に流れる空気を切り取るものです。最後の日、神社に向かい雨の中で斬りながら進むシーンでは、大作さんが「撮り切った」と思われたのか倒れてしまい、僕らは心配しました。(それほど注力されたことは)本当にすごい精神力と集中力だと思いました。

西島さん:
僕もその場にいましたが、カメラポジションを決めてから倒れられたので...驚きました。

木村監督:
先ほどから「僕の演出」への質問が出ていますが、僕は俳優さんに演出はしていません。要するに、映画は台本がありキャスティングから始まり、この役はこの人がぴったりだと思って決めているわけです。自分が(最適だと)思っている人たちが、どんな芝居をするかを僕自身が一番楽しみにしています。本番前にテストは一度やりますが、その時にどうやってくれるかがわかれば、それで僕はオーケーです。ここに並んでいる方は全員、僕のキャスティングです。そういう自分の思いがあるのに、なぜ「ああしろ、こうしろ」と指示を出さないといけないのか!(記者:笑)

岡田さん:
...盛り上がりますね。

木村監督:
監督によっては、「自分が思うようにその人を変えたい」という人もいますが、それで変わった俳優さんを僕は見たことがありません! 高倉健さんは絶対に人の言うことは聞きません! 

岡田さん:
富山での撮影では、夜に食事会をしました。そこから、演出が始まっているようでした。場所に来た時から役を作っていく、それが監督ならではの演出だと思いました。

MC:この作品のこれまで観たことのない「魅せる殺陣」について、それを撮影するにあたって、岡田さんご自身で(殺陣を)なさったそうですね?

岡田さん:
大作さんが「見たことのない殺陣がいい」とおっしゃっていました。撮影に入る3カ月ぐらい前から、いくつか大作さんに見ていただいて、「違う」「それがいい」という作業を繰り返しやりました。

木村監督:
稽古はしますが、僕はある一点(の位置)からしか見ません。職人が作る殺陣を観たいからです。岡田さんが素晴らしいのは、自分で動きを見せてくれる。殺陣師は年寄りが多いから体が思うように動かないので、僕と同じように口だけになる。「ある一点に向かってくる殺陣が見たい」と言うと、岡田さんは自分で見せてくれる。だから、僕は岡田さんの提案を見て、その中から選ぶだけでした。今作の殺陣は全て岡田准一さんがつけました。その相手をした西島さんがそれに対応して、すばらしい殺陣をしいます。すべてを多重キャメラのワンカットで撮っています!

MC:木村監督、岡田さんの殺陣をご覧になって、改めて感じたことはありますか?

木村監督:
岡田さんの殺陣のスピードは三船敏郎、高倉健、仲代達矢、勝新太郎を上回る。スピードだけに聞こえるかもしれないが、殺陣はひとえにスピードです。そして「残心」といって、斬った後の立ち姿や形が美しくないといけない。斬った後の姿が美しくないと、十段ぐらいの人が見ると「それは殺陣ではない」と言われます。

岡田さん:
そうそうたる方々のお名前が出てきて...クラクラしています。

木村監督:
僕は嘘を言う人間ではありません! そういう人たちを見てきているからね。

西島さん:
普通はカット割りを前提で、本気の間合いで斬り合います。稽古中に岡田さんの剣が避けられないときは僕は斬られていました(笑)。

MC:岡田さんと西島さんは初共演ですよね?

西島さん:
岡田さんが酷かったのは、3カ月稽古した殺陣を(撮影)当日の朝に変えたことです(笑)。

岡田さん:
いい意味でピリピリしましたよね? 大作さんは多重カメラでワンシーンを一発で撮るので、その場の空気...緊張感が出たほうがいいかなと思って、(殺陣を)当日変えたりしました。シビレたほうがいいかなって。

西島さん:
別に、前日に言ってくれても良かったのでは?

岡田さん:
提案は二回ぐらい、流されそうになりました。最初は(撮影地へ)向かう車の中で、「変えたい」と言ったら...。

西島さん:
「稽古のままでいいんじゃないかな? 全然問題ないと思う」と言ったよね。

岡田さん:
二度目はメイク中で、「そっか」と。三度目にようやく「後で確認しよう」と言ってくれました。西島さんだったから受け止めてくださったのだと思います。僕も諦めずに粘って良かったです。西島さんは、気持ち良くお仕事をされる方で、僕も見習いたいと思いました。

MC:池松さんは、岡田さんと殺陣の稽古シーンがありましたよね?

池松さん:
西島さんとのお話のように、岡田さんは舞うように刀を振れる方です。こちとらど素人ですからね、岡田さんから三パターンの殺陣の動きを見せてもらって、「どれがいいと思う?」と問われました。本音はどれでもいいのですが、「そうですね。これがいいのでは?」とお付き合いしました。(岡田さんは)先輩なので(笑)。

岡田さん:
(笑)...どうもすみませんでした。

池松さん:
この映画は大作さんの映画ですが、岡田さんは主演を背負い、殺陣も責任を持ってやられていたので「先生の言うことは聞かないと」という感じです。

岡田さん:
池松くんは撮影の終盤に、急に僕のことを「師匠」と呼び始めました。前回出演した別の時代劇は師匠と弟子の弟子側だったので、最後に師匠と呼ばれて、心の中ですごく感動していました。なのに、この前そのことを聞いたら、「そんなこと言いましたっけ?」って...「ドキドキを返せ!」と思いました。

【記者との質疑応答タイム】

Q:岡田さんへ質問です。この映画がモントリオール世界映画祭に出品されるとのことですが、今のお気持ちは? そして、世界の方々にどこを観てほしいですか?

岡田さん:
映画祭への出品は本当に光栄です。大作さんに、(映画祭に)参加されるのか伺うと、「俺は行かねぇ、タバコ吸えないから」と(笑)。でも、僕らは(木村監督には現地へ)行ってほしいです。僕ら若い世代は79歳の大作さんに「美しさ」を教わっています。大作さんの人生とも言えるこの映画を世界の方に感じてもらえたらと思います。そしてこの映画の美しさは大作さんが感じる心の美しさを描いているので、それを世界の方に受け止めてもらいたいです。

Q:岡田さんに質問です。木村監督が、「岡田さんの人生の転機になる作品になってほしい」とお話しされているようです。現時点で、ご自身はどのように思われていますか?

岡田さん:
大作さんは、黒澤監督に観てもらって答え合わせをする作品として、届かない思いを抱えて今も現場にいらっしゃると思います。若い頃から、たくさんの先輩方に「時代劇ができるようになってほしい」と言われてきました。その大先輩たちに「できていますか?」と問い掛けている作品だと思っています。「代表作だよ」と認めてもらえたらと願っています。

木村監督がステージを降壇され、記者席へ。記者の質問に対して、マンツーマンで答える一幕もありました。

Q:葉室さんのこの原作を選ばれた理由を教えてください。

木村監督:
葉室さんに映画台本を見せたところ、「『散り椿』はこういう話だったのか、今日初めてわかった」と言ったぐらいに内容を気に入ってくださいました。原作の中に、「大切に思うものに出会えさえすれば、それだけで幸せ」というフレーズがあります。僕はその一言だけで「映画化しよう!」と思いました。


【「散り椿」完成披露試写会@TOHOシネマズ 日比谷】

カナダで開催中の第42回モントリオール世界映画祭ワールドコンペティション部門に正式出品。9月3日に受賞結果がわかります。

岡田准一さん(瓜生新兵衛役)
大作さんとは二作目になるんですが、「美しい時代劇を撮りたい」というオファーを受けまして、光栄であると同時にたくさんのプレッシャーを感じ、現場では闘いながら過ごしました。大作さんと良い闘いができたと思います。このキャストで乗り越えてきた、大作さんの撮る美しさが詰まった作品になっていますので、じっくりご覧ください。ありがとうございます。
西島秀俊さん(榊原采女役)

僕も木村大作監督に呼んでいただき、しかも時代劇ということで、「これはすごい作品になる!」と思って参加しました。自分の想像をはるかに超えていて、「この21世紀にこのような時代劇が撮れるのか!」と衝撃を受けました。美しい時代劇ができましたので、皆さんに観てもらえることに興奮しています!
黒木 華さん(篠の妹・坂下里美役)

このように映画の変遷を見てきた監督と、岡田さんをはじめ今を彩るキャストの皆さんと、富山で濃密な時間を過ごしていろいろな経験をさせてもらいました。こうして皆さんに観ていただけるのは楽しみです。
池松壮亮さん(篠の弟・坂下藤吾役)

公開もいよいよ近づいてきて、こうして皆さんには一足早く(作品を)観てもらえます。個人的にすごく好きな作品に関われました。すごく誠実な美しい映画になったと思います。(岡田さんに)何を笑っているんですか?

岡田さん:
今日もおしゃれだなと思って...。

木村大作監督

(マイクを通さず、地声で)今日は大切な日です! 皆さんは初めて観る方々なので、「良い」と思った方は皆さんに宣伝をしてください。その責任が皆さんにはあります! 今日、ちょっと残念なのは、僕に近い年齢の人があまりいないことです。でも、若い人が多いからこそ、映画の宣伝をよろしくお願いします!

MC:木村監督は、日本映画界のレジェンドでございます。数々の名作のカメラマンとしても活躍され、今年は映画人生60周年となります。

木村監督:
僕は来年、80歳になるんですよ! 出演している人は、孫みたいな年齢の人ばかり。でも、80歳を過ぎてもやりたいと思います。この映画を多くの人が観に来れば、次の企画も通りやすくなるんです。それで、映画がコケちゃったら僕の一生がおしまいです。そういう意味で、よろしく!

MC:岡田さん、木村監督は撮影現場ではどのような監督でしょうか?

岡田さん:
大作監督は、愛が深いんですよ!  ロマンチックですよね?(会場:笑)

木村監督:
なんで笑うんだよ!

岡田さん:
...照れた! 今日は愛の話がしたいんですよね?

木村監督:
僕だって、愛に関してはいろいろ経験してるよ! 時代劇ということもありまして、どうもチャンバラに(話が)いっちゃうんですが、この会場には女性が多いので、愛の話がいいと思って、お願いしています。

岡田さん:
大作さんの愛は本当に深いです。現場で怒ること、怒鳴ることは有名ですが、それは良いものを撮るためなので、映像に関して以外では怒鳴っているのを見たことないんですよ!

木村監督:
あのね、本作で「愛」を大きく担っているのは黒木華さんです。あるシーンの台詞で「おやさしゅうございます」と言いますが、あれは僕の理想です。そういうふうに女性に言われたい! ...でも言われたことはないです。それと、麻生久美子さんが夫の新兵衛に「お褒めいたしますとも」と答える台詞、その二つがあったから、「この映画を撮る!」と決めました。だから、これはラブロマンスなんです! そこにチャンバラがあって馬も16頭走っています。(岡田さん主演の時代劇)「関ヶ原」では最大で15頭の馬が走りますが、本作は一頭多い! 馬一頭(の値段)は高いんです!

岡田さん:
「『関ヶ原』には勝つ!」と言って、16頭に増やされたんですよね?

MC:そのラブロマンスの撮影シーンについて、いかがですか?

岡田さん:
麻生さんと黒木さん、どちらもきれいに映っています。大作さんは、黒木さんに「どの作品よりも一番美しく撮る!」と言われていたので、口説いているのかと思いました(笑)。(黒木さんに)言われていましたよね?

黒木さん:
はい。「どの監督よりも黒木さんを美しく撮る!」と断言してくださいました。

MC:どんな監督でしたか?

黒木さん:
大ちゃんは...これ、岡田さんが監督のことを「大ちゃんと呼ぶように」と...。

岡田さん:
「最初に『大ちゃん』と呼んだ方がいいです」と言ったら、(黒木さんは)実際に衣装合わせのときに呼んだそうです。

木村監督:
僕は「木村」と呼ばれるのが嫌なので、「大ちゃん」か「大作さん」と呼んでもらいます。一番良いのは「大ちゃん」。それだけで僕はコロっといきますね。そういう意味では(扱いが)楽なんですよ(笑)!

MC:それでは、黒木さん、西島さん、池松さんにも監督の印象をお話しいただきましょう。

黒木さん:
大ちゃんは意外と照れ屋さんです。それにお茶目なところもあります。宣伝にも力を入れます。記者の方が撮影現場に来てくれた時も、「せっかく(取材に)来てくれたんだから」と、おしゃれにスーツを着て、「こんなにおしゃれな監督は俺だけだぞ!」と言って見所を説明していました。それから、撮影をしている間も、岡田さんと「じゃ、こうしましょうか、ああしましょうか」と話している所を面白がって見てくださるんですよね。すごく温かくて映画を愛している監督だなというのが印象です。

西島さん:
大作さんはとにかく嘘をつかない。なので、こちらも嘘をつけない。まっすぐな方です。この舞台挨拶の前の記者会見の時に、質疑応答の時間切れで質問ができなかった記者の方の元に歩み寄って「何が聞きたいの?」と声をかけて、ちゃんと質問に答えていました。今日も質問があれば聞くと本当に答えてくれると思います。そういう方です。

池松さん:
(本作が二度目の出演で)今回はしっかりと関われました。これだけ映画をやられてこられた方の「映画の哲学」を日々見せてもらいました。「大ちゃん」は本当に素晴らしいです!あ、...今初めて「大ちゃん」と呼びました(笑)。(会場:笑)

MC:岡田さんと西島さんは、初共演にして、素晴らしい殺陣を披露されています。岡田さんは殺陣のクレジットにお名前がありますが、どれくらい関わっているのでしょうか。

岡田さん:
いやいや...秘密です(笑)!

西島さん:
秘密(笑)?

岡田さん:
大作さんが「見たことのないもの」を求めて僕に「准ちゃん、考えてよ」と。それで殺陣を作ることになりました。

木村監督:
今日の映画で観る殺陣は全て、100%岡田准一さんがつけた殺陣でございます。(会場:拍手)

岡田さん:
殺陣師の久世さんもいらっしゃるので...。

木村監督:
次に時代劇をやる機会があれば、(出演が)岡田さんではない俳優の場合には、殺陣師として岡田准一さんに来てほしいと思っています。(会場:拍手)

岡田さん:
ちょっと仕事が増えましたね(笑)。でも、実は撮影当日になって殺陣を変えました。普通は中に入ってワンカットずつ切り返して撮りますが、大作さんは多重カメラという手法でカメラを何台か置いて、そのシーンを一気にワンカットで捉える撮り方をされます。つまりそれは、「その場の空気を撮りたい」ということなんです。なので、ちょっと緊張感が出た方がいいかなと、(当日に殺陣を変えてみようと)考えました。結構シビレましたよね?

西島さん:
僕はシビレたよ、本当に! (笑)

MC:お二人は剣を交わした関係です。西島さん、どのような感想をお持ちになりましたか?

西島さん:
今までの殺陣では、殺陣の方と斬り合うんですが、岡田くんは本当に斬れる人なので、全然重さも違います。それに、大作さんは「引き画」で撮られる方なので、本当に斬り合う間合いでやらないと嘘がばれるんですよ。だから今までやった殺陣とは全く違うものでしたね。だから、怖いですよ! 稽古の時は「今、完全に足を斬られたな」と思うことが何度かありました。

MC:黒木さんと池松さん、岡田さんと西島さんと共演されてみて、どのような感想をお持ちですか?

池松さん:
えっ?! そんな一言で言えるものでは...そんな目で見られても...どうですか、黒木さん?

黒木さん:
...お二人ともよくできた方です。

岡田さん:
ありがとうございます!

黒木さん:
現場のエピソードであれば、岡田さんに、「私ちょっと反抗期なんです」と話したら、親身になって相談に乗ってくれました。

岡田さん:
この撮影の間、反抗期だったみたいで、撮影が休みの日に、渓谷やボルダリングに行かれていました。

黒木さん:
それはここで言わなくても大丈夫なことです...。

岡田さん:
あ、そうですか...すみません...。(会場:笑)

黒木さん:
岡田さんと一緒に撮影ができて面白かったです。(キャラクターの)関係性が複雑なので、演じた里美の気持ちについて「これは女性としてどうですか?」と尋ねてくれることもありました。愛のパートなので(笑)...そういうのが楽しかったです。西島さんはとにかくカッコ良くて、背も高いしスタイルもいいので、「素敵だな~」って。

岡田さん:
なんか...裏を返された感じ? (会場:笑)

黒木さん:
(大慌てで)違います! まとめると、人としてよくできたお二人ですし、どちらもとてもストイックです。

池松さん:
難しいです。いいエピソードを話せるといいんですが...待ち時間に殺陣のことで岡田さんに一つ質問したんです。返しは一言で終わると思ったら、そこから「人間の存在とは?」的な話にまでなりました。一時間ぐらいたったので、そろそろ切り上げようとしたところに西島さんも加わって、西島さんもそういうお話が大好きなので、そこでもう一つ質問したところ、さらに一時間話が続きました。(その情熱に触れ)二人とも素晴らしい方だと思いました。(会場:大笑い)

MC:今日は御年79歳の木村監督が映画のプロモーションのため本日よりInstagramを開始します。その第一投をこの場で、観客の皆さんとキャストの皆さんを撮りまして、後ほど投稿してもらいます。

木村監督のスマホ撮影タイム!

木村監督:
普段はガラケーだから、スマートフォンでの写真撮影は初めてなんだよな。僕が「はい!」と言ったら、お客さんは手を上げて「わー」と言って! それぐらい(の声)じゃ、オーケーしないよ! もっと大きな声で! ありがとう、もういいよ~! 今日から映画の封切までやるんだよ。Instagramを是非フォローしてください! 誰もやってくれないと恥かくからね。お願いします!

MC:それでは最後に代表して、岡田さんにご挨拶をお願いします。

岡田さん:
今日は本当にありがとうございます。大作さんは先ほども車の中で撮影していましたし、毎日投稿する予定の「大作グラム(=木村監督のInstagram)」をしっかりフォローしてください。

木村監督:
明日の舞台挨拶のために、今晩これから富山に行くので、インスタ用の写真を地方でも撮ります! まだスマホに慣れていないので下手くそかもしれないです。僕が撮るからいいものではないからね。それだけは断っておくよ!

岡田さん:
(笑)。この映画をいろいろな方に広めてくだされば嬉しいです。この映画を観て木村大作さんの映画、人生の愛と情熱を感じていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします!

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