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細田守監督&上白石萌歌ら浴衣で登壇「家族の愛を感じる時」を発表!
「未来のミライ」初日舞台挨拶

2018年07月20日

「未来のミライ」初日舞台挨拶

<左から、細田守監督、黒木華さん、上白石萌歌さん、星野源さん、麻生久美子さん>


「サマーウォーズ」「バケモノの子」で少年の冒険と成長の物語を描き、「時をかける少女」や「おおかみこどもの雨と雪」で人生を見つめる物語を描いた、細田守監督が挑む最新作「未来のミライ」。甘えん坊の男の子"くんちゃん"と未来からやってきた妹"ミライちゃん"が織りなすちょっと変わった「きょうだい」の物語が、7月20日に公開初日を迎えました。
カンヌ国際映画祭の監督週間でワールドプレミアを実施し、世界でも話題沸騰中の同作ですが、TOHOシネマズ 日比谷にて実施した舞台挨拶には、細田監督をはじめ主人公"くんちゃん"の声を担当した上白石萌歌さん、くんちゃんの妹のミライちゃん役の黒木華さん、おとうさん役の星野源さん、おかあさん役の麻生久美子さんが浴衣姿で出席。そして、作品の内容にちなんで、「家族の愛を感じる時」や「時を超えて会いたい人」をテーマにしたほのぼのトークが展開されました。そのイベントの様子を詳しくレポートします。


細田 守監督

「未来のミライ」の初日にいらしてくださり、とても嬉しく思います。
上白石萌歌さん(くんちゃん役)

ずっと前からこの7月20日に向けて、この作品を大切に温めてきました。今日やっと皆さんに観てもらうことができてすごく嬉しく思います。ぜひ最後まで楽しんでいってください。
黒木 華さん(ミライちゃん役)

こうして、くんちゃんの冒険を皆さんに観ていただいてすごく嬉しいです。
星野 源さん(おとうさん役)

本当に暑い中、来ていただいてありがとうございます。初日を迎えられて本当に嬉しいです。
麻生久美子さん(おかあさん役)

最近、本当に暑いですよね。皆さんも熱中症にならないように気をつけてください。このような猛暑の中、こんなにたくさんの方に来ていただけてとても嬉しいです。今日、やっと公開ということで、皆さんがどんな感想を持つのか、とてもドキドキしています。楽しんでくださったなら嬉しいです。そして、映画の感想をどなたかに伝えていただけると嬉しいです。

MC:皆さん、映画は楽しんでいただけましたか?

(会場から大きな拍手)

MC:今日は皆さん浴衣ですが、細田監督と星野さん、女性陣の浴衣姿はいかがですか?

星野さん:
美女に囲まれて本当に嬉しいです! そして、なぜか一番かわいいのが監督っていう。

(会場のお子さんにも大受け!)

星野さん:
君もそう思うだろう?(細田監督が)一番かわいいよね?

(その男の子が笑い声で答える)

細田監督:
(思わぬ展開に照れながら)恐縮です。3年の間ずっと作ってきました。それで、皆さんに観てもらえる夏がやってきました。今日はこうやって集まっていただけて感無量です。いろいろ大変だったことが思い出されますが、皆さんに観ていただけて本当によかったと思っています。いま、思うことは二つ。一つは(監督として)初日を迎えるまではスタッフやキャストのみんなに対しての責任がありますけれども、ひとまずその肩の荷を降ろせます。あと一つ、ご覧いただいた皆さんに(作品を)気に入っていただけるかどうかという、その二つがない交ぜになった感じです。 今日は、映画をご覧になっていただいた後にキャストの姿を見ているので、映画の中から出てきたような感じに思われているかと思います。短い間ですが楽しんでいただければと思います。

MC:それでは、キャラクターに息を吹き込んだキャストの皆さんに、初日を迎えたお気持ちを伺いたいと思います。

上白石さん:
ここに来るまではすごくドキドキしていたのですが、こうして皆さんのお顔を見たら、すごくホッとしました。ちゃんと皆さんに(作品に込めた想いが)届いたのだなと思えたので嬉しいです。

黒木さん:
(上白石さんと)本当に同じ気持ちで、すごく嬉しいです。アフレコの時を思い出したりして、どういう風に感じてくださったのかなと、ぜひ感想を聞いてみたいです。 (会場の皆さんを見渡して)ニコニコとした表情をされていますね。嬉しいです!

星野さん:
これまで何度か完成披露や舞台挨拶でこのメンバーとご一緒して、最初のアフレコブースで会った時よりも仲良くなれたと個人的に思っています。こうしてすごく居心地が良い場所で、皆さんの前に立つことができてすごく嬉しいです。これはアフレコの時から監督が持つムードがありまして、すごくいい状態でアフレコできたことが作品として残っていて、そのままの状態を皆さんに観ていただけていると思います。なかなかこういう経験はできないだろうなと思い、すごく幸せです。


麻生さん:
本当に皆さんがおっしゃった通りだと思います。今日はお子さんが結構いらしていて、すごくそれが嬉しいです。それに、(客席を示して)あちらの方が赤ちゃんを抱っこされていて、この映画の中のおとうさんのように眼鏡をかけていらして...。

星野さん:
本当だ!おとうさん(のキャラクタービジュアル)にそっくりですね。

麻生さん:
ですよね。いろいろな方々が観てくださったと思うと嬉しいです! 話は変わりますが、この前うちの娘が試写でこの映画を観まして、ゲラゲラと大笑いしていました。娘のお友だちも一緒に観て、最後に涙ぐんでいましたね。それで、一人は娘の幼稚園のお友だちなのですが、私が最近、幼稚園にお迎えに行くと、その子から「オニババだ!」と言われるんですよ。映画はまだ公開していないので、私がなぜ「オニババ」と呼ばれているのか、話すわけにいかなくて、ちょっと困っています。(笑)

星野さん:
それは事情を知らないと、「家で何があったのか」と思われていますね。


麻生さん:
そうなんです。映画をご覧になった皆さんはお分かりでしょうけれど...。

星野さん:
「(くんちゃんがおかあさんに向かって言う)そういう台詞があるんです!」ってね。

MC:細田監督、お子さん連れで映画を観に来てもらえるのは嬉しいですよね?

細田監督:
この映画は、小さいお子さんにぜひ観てほしいです。四歳以上には、この映画の内容と気持ちが伝わると思っていますし、四歳未満の赤ちゃんもぜひ一緒にいらして下さるとすごく嬉しいです。最近の映画館には小さいお子さんを連れて行ってはいけないような雰囲気があるようですけれども、この映画は大丈夫です! むしろ、この映画は小さいお子さんを連れて観に来てもらえたら本当に嬉しいです。

MC:この作品の中では主人公のくんちゃんが家族愛に触れて成長していく姿が描かれています。そこで、ご登壇者の皆さんには「どのような時に家族の愛を感じますか」というお話を伺いたいです。

細田監督:
我が家には、五歳と二歳の子どもがいまして、二人とも僕に抱っこを求めます。ですから、一人を抱っこしていると、もう一人も「自分も抱っこして」と言ってくるので、二人を一緒に抱っこすることもあります。二人合わせた体重が今、20キロから25キロぐらいありまして、もうそろそろ(耐えられる重量の)限界です(笑)。でも、二人から抱っこを求められるのは父としては、とても嬉しい気持ちになります。

上白石さん:
些細な話になりますが、私は家族から「いってらっしゃい!」と言ってもらえる時にすごく愛を感じます。今は姉と二人暮らしですが、実家で家族に「いってらっしゃい!」と言ってもらえた時は、「今日も頑張ろう!」と思えました。何気ない言葉ですが、「いってらっしゃい!」にはすごく愛がこもっていると思っています。

黒木さん:
私は、二十歳の時に東京に出てきました。家族はいま大阪にいます。それで、実家に帰った時の「今日は何が食べたいの?」や「華が好きなもの作って待っているね」という会話に、愛を感じます。そこには、普段は(娘を)信頼して放っておいてくれる親の想いがあると思います。それに、私に帰る場所を与えてくれる親の強さに感謝しています。 そういう家族と餃子を作って食べるのがすごく好きで、父と私が餃子を作る役で母が焼き役と、我が家は役割分担が決まっています。

星野さん:
僕は一人っ子なので、家庭の中がワイワイしているイメージがあまりなかったです。でも、先日ちょっと思い出したことがあります。小学校低学年の頃、両親が仕事で家にいなくて、学校から家に帰ってきてもしばらく一人で留守番をしていなければならない日が続きました。一人っ子なので、あまり寂しいとは思わないほうですけれど、それでも数日続くと心細くなるときもありました。ある日、家に入ると、テーブルの上に書き置きの紙が一枚置いてあって、「押入れを見て!」と書いてありました。僕はランドセルをおろして、押入れを開けると、そこには「(キッチンの)流しの下を見て!」という紙が置いてありました。その次は「家の裏の植木鉢の下を見て!」と、そういうのを何回も繰り返して、最後にアップライトピアノの鍵盤下の部分が外れるので、そこをあけるとお菓子の詰め合わせが入っていました。その当時は、理屈などは考えずに、「お菓子だ!」と思って食べていました。今思うと、僕が寂しくならないように楽しませてくれたんですよね。そういうことを親が考えてくれたのだなと思うと、すごく愛を感じますし、とても感謝しています。

MC:そういった出来事などは創作活動に活きていますか?

星野さん:
そうですね。両親からそういう愛を受けて育ったことは、自分の音楽作りに結びついたと思います。それに寂しい部分や切ない部分も心地良くて好きです。それが大きな愛や楽しいものを作り出せますし、そういうものを作り出したいと思う、僕の人格形成につながっていると思います。

麻生さん:
私は、三年ぐらい前に舞台のお仕事をやっていて、地方公演でしばらく家を空けていました。それで、大千秋楽を終えて新幹線で東京に帰ってきたときに、私の夫と娘が新幹線の改札を出たところで待っていてくれました。娘は花を一輪持っていて、私を見つけた途端に泣き出していました。もう、その姿が可愛くて、可愛くて、無性に感動して、そういうサプライズをしてくれた夫に感謝もしました。あの時は本当に嬉しかったので、これからもずっと忘れないと思います。

MC:さて、ここで本作が時を超えたお話という設定にちなみまして、皆さんには未来でも過去でも「時を越えてこの人に会いたい!」という方がいたら教えてもらいたいです。

細田監督:
この映画では、子供にとって現在の時間で会えている人以外にも、子供が会っておいたほうがいいだろうなと思う人との出会いを含めて描きました。ですから、本作のくんちゃんとミライちゃんが大きくなって、今とは全然違う二人になっているのではないかと思います。そういうのは自分の子供だったらどうなのだろうと思います。 それから、今日の午前中に星野さんとミライちゃんの将来について話していたのですが、「ミライちゃんは素敵な女性になる前に、一度グレるんじゃないか?」という話になりました。

星野さん:
今のミライちゃんはいい子すぎるので、ちょっとグレてほしいなと思いました! あくまでもイメージですけれど、メタルロックの激しい音楽を聴いているとか。

細田監督:
プレイリストを見て「おっ!」って感じに。(笑)

星野さん:
そうです!(笑)


上白石さん:
未来はきっと何が起こるかわからないくらいが楽しいなと思っています。私は過去に興味があります。それで、私は歴史上の人物に会いたいです。私は九州出身なので、西郷(隆盛)さんを挙げないとちょっと突っ込まれそうですけれど、皆さんは高橋是清(たかはし これきよ)さんをご存知ですか? ご存知ない方は、ぜひ調べてみてください! もともと英語の教師でそこから外交職を経て総理大臣などをなさって、そして明治維新にすごく大きな影響を与えた人物です。受験期から「すごいなぁ」と思っていたので、お会いして、「頑張れ!」と(自分に)エールをもらいたいです。

黒木さん:
難しいですね。未来だったら誰に会いたいとかもわからないです。「私の旦那さん」と答えて、がっかりしたらどうしようかなと思っています。これからこの人と会って、プロポーズはこうでとか、今は知らなくていいかなと。 過去に行けたら太宰治に会いたいです! どれほどダメ男だったのかを見たいです。あわよくば書いているところを近くで見てみたいです。それと、完結していない作品の理由やお話を聞いてみたいです。

MC:未来の旦那さんがダメ男だったらどうするのですか?

黒木さん:
そう決まっているのであれば仕方ないですね。私が旦那さんを支えるしかないと思います!

MC:男前な意見ですね!

星野さん:
僕は未来にすごく行きたいです! 自分がいなくなった後の世界がどうなっているのか、この目で見てみたいです。何千年後とか今の文明が一度なくなって、それで再び命が生まれ、その先の人間なのか人間じゃないのかわからないですけれど知能を持つ生命体が現れる。(その知的生命体が)土の下からブルーレイディスクを掘り出して、「なんだ、これは?」となったときに独自の解析方法で中身を見たりして、昔ここでこんなことがあったのだとか想像する姿を見たいです。そこで、もしかしたら自分の音楽を見つけてくれるかもしれない! あとは、「とてつもなくくだらないビデオを見つけて疑問を抱く」とか、「創作映画を記録映像だと思うこともあるのかな」とか、そういう思い違いも面白そうだと思います。

MC:我々が恐竜を振り返るように、ということですね。

星野さん:
そうです、そうです! 壁に書いてあることが全く違う意味を持つものかもしれない。そういう「思い違いや勘違い」は面白いと思うので、自分の目で確かめたいと思います!

麻生さん:
自分の人生に直接関係がないのであれば未来をちょっと覗いてみたいです。車が空を飛ぶとか、テクノロジーがどれぐらい進んでいるとか、そういうことには興味があります。でも、私は出産してから臆病になったので自分が関係するものは怖くて見られないです。例えば、自分が死んでいたら?とか、子供に何かあったら?とか、そういうマイナスなことばかりを考えてしまうからです。 ですから、今この質問に答えるなら、過去に行き、私の母や祖母に会いたいです! 二人とも子供の頃にすごく苦労したそうなので、その時の様子を見てみたいです。それにどういうことを考えていたのか、話を聞いてみたいです。

MC:最後に細田監督と上白石さんからご挨拶をいただきたいと思います。

上白石さん:
この日のためにキャストの皆さん、スタッフの皆さんと作った作品です。ぜひこの作品から監督の愛を受け取っていただきたいです。過去とか未来のいろいろな方向にベクトルが向いているので、どの世代の方にも楽しんでいただける内容になっています。ぜひ、何度もお友だちやご家族などと劇場に足を運んでください! 

細田監督:
初日にこうやって集まってくださる方は、この映画と本当に特別な関係を持つ方々だと思います。他の機会と比べても、とにかく初日は映画にとって大きな瞬間です。そういう瞬間を本日、皆さんと共有して、このように一緒の空間にいてもらえたことには本当に励まされました。この映画は、皆さんの愛を求めている作品だと思います。皆さんとこの映画が出会えたことは光栄ですし、すごく良い関係を築けたのなら幸いです。どうぞこれからもよろしくお願いします。

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