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上戸彩&斎藤工、万感の思いで転換点「昼顔」を振り返る!
「昼顔」初日舞台挨拶

2017年06月10日

「昼顔」初日舞台挨拶

<左から、伊藤歩さん、斎藤工さん、上戸彩さん、平山浩行さん、西谷弘監督>

映画「昼顔」が6月10日に公開初日を迎え、上戸彩さん、斎藤工さん、伊藤歩さん、平山浩行さん、西谷弘監督が出席し、TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて舞台挨拶を行いました。
本作は、造語「平日昼顔妻」を題材に、夫がいない平日の昼間に別の男性と恋に落ちる主婦たちの姿を捉えたテレビドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」の最終回から三年後の出来事を描く劇場版。上映後の観客の前に、客席中央の通路を通ってキャストが登壇すると大歓声が起きました。そしてキャストは万感の思いを抱えつつ、各自が"あなたにとって「昼顔」とは?"を語りました。上戸さんは「不倫」というテーマを背負うヒロインを演じた心情を吐露し、その努力を労う斎藤さんの言葉に感極まり涙する一幕も。その際は斎藤さんがハンカチを差し出し、さらに場をつなぐために(「脱いで」という)上戸さんからの無茶振りに快く対応するなど、役柄同様に「心で繋がる」というあうんの呼吸を披露し、客席をうならせました。なお、イタリアの映画祭に続いて、次は中国・上海国際映画祭への出品を発表するなど喜びと感動と涙の入り交じる、大盛り上がりとなった初日の様子をレポートします。


上戸彩さん(木下紗和役)

やっと初日を迎えることができました。皆さんのおかげです。
斎藤工さん(北野裕一郎役)

この作品には、皆さんに届けたい気持ちと、まだ手放したくない気持ちと両極の感情があります。けれど映画は劇場の素晴らしい環境で皆さんに届けるものなので、本日を迎えられて嬉しく思います。胸の花は、生花の「昼顔」です。僕のスタイリストが摘んでくれました。
伊藤歩さん(北野乃里子役)

(映画をご覧になった)皆さんの私に対する目線が少し怖いです(笑)。今日は楽しいトークができるように頑張ります!
平山浩行さん(杉崎尚人役)

映画の結末は内緒にしてください。そして、ぜひ、もう一度ご覧ください。
西谷弘監督

大勢のご来場に感謝しています。今年の夏にホタルを見ることがあれば、そのときは紗和や北野先生を思い出してください。


MC:上戸さん、斎藤さん、ドラマから三年が経ち、ようやく映画の公開初日です。どのような気持ちで今日を迎えましたか?

上戸さん:
まだ上海の映画祭がありますが、この映画のキャンペーンがほぼ終わりました。今日で紗和ともお別れだと思うと、朝から少し寂しい気分になりました。

斎藤さん:
僕もドラマ版から三年間、作品に関わっていない時間も含めて自分の中で北野裕一郎が途切れなかったことを映画の現場で再認識しました。僕にとって、「昼顔」はもう一つの現実のようなものです。それを今日、手放すことになり寂しさを感じています。

MC:上戸さんは、北野先生に深く愛される紗和の魅力について、どう思いますか?

上戸さん:
紗和は自分の気持ちに嘘をつけなくて、気持ちを大切にする人です。周りにどう思われようとも、自分の気持ちを信じ貫く彼女が羨ましいです。きっと「このような女性になりたい」と思う女性が大勢いると思います。だからこそ、紗和に感情移入できたと思います。

MC:伊藤さんは、役柄と離れて、紗和さんをどう見ていましたか?

伊藤さん:
不倫というテーマを除いたときに、これほど愛し合える二人(紗和と北野先生)の関係はすごく理想的です。

MC:先日のウディネ・ファーイースト映画祭に続きまして、本作は中国・上海国際映画祭への出品が決まりました! おめでとうございます! 斎藤さん、海外の方に見てもらうことについて、いかがですか?

斎藤さん:
イタリアの方は、日本の倫理観や制度の違いを楽しまれたようです。中国は日本と近い部分もあるので不貞をどのように捉えるのか。それが「昼顔」を映画化した目的となるはずです。僕も現地に行く予定なので、中国の方の反応が楽しみです。

MC:平山さん、映画に対する日本の反応はどうなると思いますか? 映画版からの「昼顔」への参加はいかがでしたか?

平山さん:
ドラマ版からのファンが大勢いるので、結末を気にしていると思います。(世界観が)出来上がった作品なので、僕はどのような形で参加できるのかという不安がありました。結果的に「昼顔」に参加できて、すごく楽しかったです。

MC:それでは、ここで"あなたにとって「昼顔」とは?"というお話をします。「昼顔」はドラマと映画で物語が完結しました。キャストの皆さんにとっても、この作品にいろいろな意味があったと思います。

上戸さんにとって「昼顔」とは:「決して、もう二度と。せめて、もう一度。」

上戸さん:
本作のキャッチコピーです。これを考えてくれた方と、お会いしたいです。

MC:「せめて、もう一度」の後には何が入りますか?

上戸さん:
「紗和と北野先生に会いたい」です。このキャッチコピーが映画「昼顔」にも、紗和と北野先生にも合っていますし、私の気持ちを言い表しています。紗和は命をかけて愛せる北野先生が現れて、すごく幸せです。けれどこの三年は不倫で苦しい気持ちを背負いました。今日で「さようなら」したいくらい紗和を演じることは辛いことでした。撮影は終わりましたが、もう一度「昼顔」チームのみんなと会いたいですし、どこかで紗和にもう一度会いたいとも思っています。

西谷監督:
では「昼顔2」やりますか(笑)?

上戸さん:
もう無理です...(笑)。

MC:斎藤さんは、このキャッチコピーをどう思いましたか?

斎藤さん:
「昼顔」は俳句とか短歌のように凝縮されて余計なものがありません。その「行間」を読む作品だと思います。このキャッチコピーを含めて、上戸さんの答えは優等生だと思います。

斎藤さんにとって「昼顔」とは:「無意識の意識」

斎藤さん:
「昼顔」との出会いでおそらく僕の役者人生が一番変わりました。僕が監督と初めてお会いしたときに、監督とのお話の中で「色気を一切排除する」と宣言しました。カメラや周りの視線を意識しないことで北野というキャラクターが誕生しました。何かスイッチが入るわけではなく、僕の中にある北野がそのまま出たので、「無意識の意識」と書きました。

MC:平山さん、斎藤さんはいかがでしたか?

平山さん:
これまで何度か共演していますが、どこか色気のあるキャラクターでした。けれど今回の北野は、今までの斎藤さんのイメージとは全く違いました。

MC:西谷監督、斎藤さんのお話にあった「色気を一切排除する」。こちらの経緯についてお聞かせください。

西谷監督:
僕の中でイメージしている北野がありましたが、それに比べて斎藤さんはカッコよすぎると思っていました。ただ、斎藤さんの他の作品を見て、あえてカッコよく演じていることが分かりました。(斎藤さんの)素の佇まいはフラットでナチュラルです。だからこそ自己演出せずに演じてほしい気持ちがありました。

伊藤さんにとって「昼顔」とは:「初体験」

伊藤さん:
不倫という世界を、この作品を通じて知りました。私自身、悪役を演じることが初めてで、映画化までの三年間も含めて、気持ちは「初体験」でした。

上戸さん:
人が怒りで興奮したときの、顔が赤くなり血管が浮き出る気持ちの高まりを、お芝居することはとても難しいことです。歩ちゃんはそれができます。血の巡りを操る、循環女優さん!

伊藤さん:
不倫する二人に対して「本当にふざけるなよ!」という気持ちでした(笑)。「昼顔」は紗和と北野先生のラブストーリーなので、乃里子の目線からの描写は少ないです。その中でも彼女の正義はあり、人生の価値観がありました。

MC:乃里子に共感した女性も大勢いると思います。

上戸さん:
乃里子がいないと、この映画は成立しません!

平山さんにとって「昼顔」とは:「運命」

平山さん:
人の出会いは運命で、それが全てだと思います。出会ったのが男女であれば、どうにかなるのは必然だと思いました。

MC:西谷監督、本作は二回、三回と何度も観る楽しみを込めているそうですね?

西谷監督:
はい! 登壇メンバー以外にも黒沢あすかさん、若手のマンタ役の萩原みのりさんなど多くの方が出演しています。それに北野先生の妻・乃里子あっての物語なので、乃里子目線、それに男性目線でもお楽しみください。劇中に「不倫は恋じゃない」というセリフがあります。このセリフがあるように、観る方の経験の有無や性別により受け止め方は異なると思います。

MC:では最後に、斎藤さん、上戸さん、一言ずつご挨拶をお願いします。

斎藤さん:
上戸さん自身の覚悟・背負ったもの、紗和として背負ったものがなくては、この作品は成り立たないと改めて思いました。紗和は「周りからどう思われてもいい」と考えるタイプでしたが、現場の上戸さんは逆で、周りの方に尽くすタイプでした。一番大変な立場にもかかわらず、日々、疲れ切ったスタッフさんに気さくに声をかけたり、メイクをしたり、服をあげるなど、そのエネルギーは本当にすごいと思いました。普段はお母さんとして大変なことがあると思いますが、それを現場に一切持ち込まず、紗和として存在していました。

上戸さん:
なぜそんなに褒めてくれるの?

斎藤さん:
今日でもう最後だと思って...。

上戸さん:
皆さんの前ではなく、後でラブレターをください(笑)。

斎藤さん:
同じ船をみんなで漕いで、ここまでたどり着けたことを幸せに思っています。最初に上戸さんと「この作品は宣伝が難しいね」と話していました。僕らが笑顔で「観てください!」という作品ではないので、取材では「笑顔の写真はやめよう!」と決めていました。けれど取材時に上戸さんを見ると"百万ドルの笑顔"で笑っていて、僕だけ無表情の写真が世に出ています(笑)。 (会場笑)

上戸さん:
最初は「宣伝はやめようね」「宣伝するのはまずい映画だね」と話しましたね。写真撮影のギリギリまで「笑わないようにしよう」「この作品は歯を見せる笑顔の斎藤工と上戸彩ではダメだ」と言っていたのに...(笑)。

斎藤さん:
宣伝をする中で、「紗和の心を一人でも多くの人に届けるきっかけになれば」と、宣伝する意味を見つけました。(宣伝時の)気持ちが変わっていった作品です。皆さんが本作をご覧になって、どのように捉えたのか分かりませんが、何かが伝わったと思います。

MC:上戸さん、ご挨拶の前に、今の斎藤さんのコメントについて、いかがでしたか?

上戸さん:
泣きそうになりました。斎藤さんには現場で支えてもらって...(感極まって涙を流す)。

斎藤さんが、ハンカチを上戸さんに差し出す。

上戸さん:
テーマがテーマなので背負うものがたくさんありました。紗和を演じることで、いろいろな恋愛のスタイルを知り、仕事を通じて疑似体験をしました。立場で異なる気持ち(紗和の気持ち、北野先生の気持ち、乃里子の気持ち、杉崎さんの気持ち)があります。不倫というテーマに対して毎日考えさせられました。今日、紗和とお別れすることは寂しいです。けれどこの映画が独り立ちすることは嬉しいです。最高の現場で、私にとって「昼顔」との出会いはすごく幸せなものでした。「不倫」がテーマなので皆さんに愛される映画ではないけれど、多くの人の心に響く映画の一つになればと思います。涙が止まらないので、斎藤さんが服を脱ぎます(笑)! (無茶振りに会場笑)

斎藤さんがゆっくりとジャケットを脱ぎ、さらにシャツのボタンに手をかける。

 

上戸さん:
本当に脱がないで(笑)。けれど脱いだら記事に使ってもらえるね!

斎藤さん:
泣いている上戸さんの記事の方が美しいと思うよ!

MC:斎藤さん、(上着を)着てください(笑)。伊藤さん、上戸さんと斎藤さんのお二人は、いつもこのような夫婦漫才のような感じですか?

伊藤さん:
そうですね(笑)。今回、彩ちゃんは出産も経て、いろいろなことを分かった上で演じたので、深みも違うと思います。映画の中で、紗和が批判の対象になるかもしれないことも含めて、自分なりの覚悟を持って演じたことが、女優の正義です。そうして自分を貫くことは辛かったと思います。斎藤さんや西谷監督、スタッフさんに支えられて、最後まで本当に素敵でした。

上戸さん:
皆さん、ありがとうございました!

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