「ルドルフとイッパイアッテナ」完成披露試写会
<左から、榊原幹典監督、古田新太さん、鈴木亮平さん、井上真央さん、八嶋智人さん、湯山邦彦監督>
1987年の発行以来、シリーズ累計発行部数100万部を超える児童文学の名作をフル3DCGアニメーションとして映画化した「ルドルフとイッパイアッテナ」が遂に完成! 7月12日に東京国際フォーラムにて完成披露試写会が行われ、声優を務めた井上真央さん、鈴木亮平さん、八嶋智人さん、古田新太さん、湯山邦彦監督、榊原幹典監督が舞台挨拶に登壇! 背景の超巨大ルドルフ&イッパイアッテナに、会場を訪れたちびっこだけでなく、登壇陣も驚愕!? 笑いにあふれた舞台挨拶の模様をレポートいたします!
井上真央さん(ルドルフ役) |

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お子さんからお父さん、お母さん、若い方までいろんな人に来てもらえたようで嬉しいです。皆さんに観てもらうということで、ちょっと緊張しています。最後まで楽しんでもらえたら嬉しいです。 |
鈴木亮平さん(イッパイアッテナ役) |

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今日はこんなにたくさんのちびっこに集まってもらえて嬉しく思っております。僕は一足先に観たのですが、後半は号泣しっぱなしでした。ハッピーエンドなんですけれど、「こんなに泣けるハッピーエンドってあったかな?」というくらいとても感動しました。それを今日、皆さんと初めて共有できるということで嬉しく思っています。今日は楽しんでいってください。
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八嶋智人さん(ブッチー役) |

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皆さん元気ですか? 元気があればそれでいい! 元気と勇気、魂を込めて声を吹き込みました。今日から船出ということで、皆さんが元気と勇気を受け取って、「すごく良かったよ」とたくさん伝えていってほしいと思います。伝えていってくれますか? (微妙にそろわない返事に)そこはばらつきがあるのね(笑)? 今はふざけていますけれど、誠実に作りました。それを皆さんに受け取ってもらって広めていってもらえたらと思います。
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古田新太さん(デビル役) |

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地獄の番犬ブルドッグのデビルを演じました。この間、ツイッターを見たら「古田新太がブルドッグ役。まんまやんけ」と書いてありました。確かに私の顔は重力に負けておりますが、ブルドッグには似ていないつもりでございます。非常に卑怯な映画です。絶対に泣けます。もう私はお酒を飲みながら観ていまして号泣でした。ぜひ皆さんにもそれを体感してもらいたいと思います。
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湯山邦彦監督 |

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この映画は、作り始めてから2年以上経っています。映画って皆さんのところに届いて、観てもらって完成するものだと思います。今日がこの映画が完成する日なんだなと思います。CGの映画は僕も初めてで、僕自身は2Dのアニメを作ってきて、もう35年くらいになるんですが、初めてCGの映画を作ることになりました。周りには「35年目のデビュー作」と言われています。ぜひとも楽しんでもらえたらと思います。今回は2Dで観てもらいますが、猫目線で作られた映画なので立体視の3Dでも公開されます。自分が猫になったつもりで映画に入っていけると思うので、ぜひそちらも観てもらえると嬉しいです。
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榊原幹典監督 |

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今日、初めて一般の方に披露するので、緊張していましたが皆さんの声を聴いてすごく元気になりました。「泣ける映画」というお話が多いですけれど、笑えるところも多いです。ぜひ遠慮なく笑ってください。
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MC:実は今日は皆さん、それぞれの役に合わせた衣裳で来てもらっているんですね?
井上さん:
黒猫ちゃんなので黒い衣装で、(ヒラヒラしている部分が)耳っぽい感じです(笑)。
八嶋さん:
耳なのね!
鈴木さん:
若干、無理があるね...(笑)。
MC:鈴木さんは...?
鈴木さん:
僕は(胸のポケットを指して)ここですね。よく見るとトラ柄になっています。あと(靴下を見せて)ここですね。もうイッパイアッテナですよ。足首イッパイアッテナですよ!
八嶋さん:
僕の演じたブッチーがまだあんまり出ていないから着てきてもよくわからないと思いますが...。これから出ますので! 観てもらえばわかると思います。こういう色をしています。
MC:動きがものすごくブッチーと似ています!
八嶋さん:
(体を動かしてブッチーを実演し)こういうことですかね?
MC:そして古田さんは...?
古田さん:
(全身、犬にちなんだ衣裳で)見ての通りです。一番わかりやすい! 犬寄せです。(腕にも)首輪です。そして安定の下駄です。
MC:湯山と榊原監督は?
湯山監督:
特にないんですが...。
八嶋さん:
でも双子みたいです。似ています!
MC:井上さんは、かわいい子猫の役でしたがいかがでしたか?
井上さん:
難しかったですね。作品に入る前にいろいろ準備をするのですが、どういう準備をしていけばいいのかわからなかったのが一番難しかったですね。唯一、猫ちゃんの鳴き声は得意だったので、これだけは完璧にしていこうと思っていました。うちの犬が、ちょっと猫が苦手なんです。なので隠れて猫の鳴き声をして、それに反応したら猫っぽいんだなって思って練習していました。
八嶋さん:
それどうなったの?
井上さん:
結構、反応しました。耳をピンと立ててキョロキョロと探すんです。バーッと走って回ったり、散歩中もピタッと止まったりするんです。
八嶋さん:
え? 散歩中に真央ちゃんが「ニャー」って言ったら...。
井上さん:
私のことは見ないんですけれど「ニャー」って言うと「ん? ん?」ってなるんです。そうなると「今のは猫っぽいんだな」って思っていました。やっているところを誰かに見られたら恥ずかしいんですけれど...(苦笑)。それくらいしかできなかったのですが、監督にご指導してもらって頑張って演じました!
MC:走るシーンもいっぱいありましたね。
井上さん:
シシャモをくわえて走るシーンがあるんですが、結構、苦労しました。シシャモをくわえて走ることはないので...(笑)。
八嶋さん:
(シシャモをくわえて走ることが)ないんだ? たまにありますけれど...。
鈴木さん:
ないでしょっ!
井上さん:
ルドルフは結構、走っているので息遣いはパワーが必要でした。それが大変でした。
MC:そして鈴木さんはアフレコ初挑戦だったんですね?
鈴木さん:
初めてでした。猫役ということもそうですが、声優が初めてで、このアニメを作るのに2年間かかっていて、その最後の最後の仕上げが僕らなんです。これは失敗したらシャレにならないという責任感があり、初日はビクビクして臨んでいました。猫を飼ったことがないので、「猫の鳴き声をどう出したらいいのか?」と考えました。しかもイッパイアッテナはかっこいいんですよ。「かっこいい猫の鳴き声ってなんぞや?」と思って、ずっと動画サイトで「猫 鳴き声」「猫 ケンカ」とかで調べて野良猫のケンカは100パターンくらい見ました。猫のケンカってかわいいんですよ。
井上さん:
かわいい...(苦笑)?
鈴木さん:
実際は声が高いんですよ。ドーベルマンとケンカをするシーンもあるので、どうしようかと思っていました。なのでネコ科のケンカは一通り見ました。トラとか、アムールトラとスマトラトラではちょっと鳴き声が違うんです。
八嶋さん:
どう違うの?
鈴木さん:
ここでやるんですか(笑)? スマトラトラはちょっと喉の奥の方で、アムールトラはね...。
■2通りのトラの鳴き声を実演!
井上さん:
え? なに(笑)?
八嶋さん:
違いがわからないわ(笑)!
井上さん:
全然わからないよ!
鈴木さん:
ちょっとアムールトラの方が重いんです。
MC:八嶋さんは、今回はメス好きのお調子者ということでご自身と比較していかがですか?
八嶋さん:
まあご自身です。ほぼご自身です。鈴木くんもアフレコは初めてで、真央ちゃんもそんなにアフレコをやったことがないって聞いていました。二人の声が入った状態で僕はアフレコをしたんです。僕は何度かアフレコの経験があったので「どんなもんだ? こいつら~(笑)」って思って聞いたらすごくうまくて「やべぇ! これはちゃんとやらなきゃ」って思いました。急に焦って、てんやわんやになりました。そのてんやわんや感が出ていると思います。てんやわんやした役ですからね。
MC:声のトーンもかなり高いですよね?
八嶋さん:
「もっと高くしてくれ」と言われまして、録った声を聞かせてもらって、「じゃあここで高くしようか」という感じでやっていきました。
MC:そして古田さんは、猫の物語で犬の役でしたが...。
古田さん:
いや、別に...。今まで散々、ウマ、ウシ、ゾウとかカワウソなどをやっていますので...。妖精、妖怪などいないものまで演じました。犬は、最も近い役です。問題なく演じましたね。
MC:榊原監督は普段はロサンゼルスにいらっしゃるということで、日本とロサンゼルスでの映画作りには難しさはあったんでしょうか?
榊原監督:
インターネットがあるので、スカイプで話したりメールでやり取りしたり湯山監督とのコミュニケーションは問題ないかなと思っていました。
湯山監督:
夜にメールをすると(時差の関係で)昼間に返ってくるというのが便利でよかったです。
榊原監督:
僕が起きると大量にメールが来ていて、それをチェックして(ロサンゼルスが)夕方になると日本が朝の10時くらいで、第2ラウンドということでスカイプで会議が始まるって感じでしたね。
湯山監督:
日本とは、休日とか祭日が違うので、5月の連休の間には僕の方にガンガンメールが来ていました...。
MC:今回、下町が舞台ですがロサンゼルスにいらっしゃるということでイメージが違うかと思いますが...。
榊原監督:
ロサンゼルスに10年ほどいるので、逆にきちっと日本を描いてやろうって気持ちで描きました。実際に、日本に来て一人で下町をうろついて路地裏とかを見ていたので、かなり勉強になりました。
古田さん:
風景がすごくきれいなんですよ!
八嶋さん:
フルCGというと、海外っぽいイメージがありますが我々がよく見る日本の風景が猫の目線で描かれています! そういえば道路の端っこってこんな風になっていたなとか、車は下から見るとこんな感じなんだなってワクワクします。あと四季ですね。日本には四季があるんだなって感じますね。
榊原監督:
取材に行くと(下からのぞき込むような姿勢で)こんな感じでしたので...。
八嶋さん:
女性がいると誤解されますね(笑)。
榊原監督:
桜の花びら一つ一つの落ち方にも美しさを求めていました。
MC:さて、鈴木さんが演じるイッパイアッテナは、名前がいっぱいあることを伝えたら、ルドルフが誤解して「イッパイアッテナ」という名前だと思ってしまうんですが、これから「イッパイアッテナトーク」を展開します! どうでしょう? 何かいっぱいあるものはありますか? 鈴木さん、どうでしょう?
鈴木さん:
いっぱいあることですか? 「そっくりな人がよくいるよ」って言われます。「そっくりな人がイッパイオッテナ」ですね...。「鈴木亮平さんですよね? 弟がよく似ていて...」とか「友達が似ている」とかよく言われます。そう言われても、僕は会ったことがないので、どうしていいのかよくわからないんです(苦笑)。だいたい、一重でゴリラっぽい人は似ているって...。
八嶋さん:
その代表ってことですね? 一重でゴリラの代表ですね。
鈴木さん:
「一重でゴリラっぽい」です(笑)!
MC:ほかの皆さんはいかがですか?
古田さん:
このコーナー、大丈夫ですか? 不安がイッパイアッテナ(笑)。
井上さん:
私は今、「口内炎がイッパイアッテナ」ですね。痛いんです。
八嶋さん:
ビタミンを摂ってください! 僕は「メガネがイッパイアッテナ」ですね。今、60個くらいあるんです。最近、そこに老眼が入ってきました...。
MC:監督はいかがですか?
湯山監督:
運命を感じたことがあって、この映画は製作に2年かかったと言いましたが、製作に入る直前の時期に車で移動をしていると必ず車の前を猫が横切るんです。その時期だけ、「猫にイッパイアッテナ」。「これはいったい何だろう?」って思っていました。本当の話です。
榊原監督:
さっきも話ありましたが、朝起きると「メールがイッパイアッテナ」でした。
MC:それでは最後に鈴木さんと井上さんからご挨拶をお願いします。
鈴木さん:
これから観てもらえるということで、興奮が伝わってきます。僕はイッパイアッテナとして、イッパイアッテナのモフモフ感を観てもらいたいです! CGってすごいなって思いました。ちびっこには「抱きつきたい!」と思ってもらえると思います。注目して観てください。ファミリー向けの映画は、「大人も子どもも楽しめる」ってよく言いますよね。もちろん僕もそれは言いたいんですが、この映画の何が特別かというと、子ども時代の自分が観たら、「大人になっても忘れないだろうな」と思う映画になっていると思います。深い内容なので大人にも楽しんでもらいながら、子どもたちの心にも何か残ればいいなと思っています。今日はありがとうございました。
井上さん:
奥行き感のある景色だったり、季節の変わり目、モフモフ感など映像としても楽しめると思います。いろんな人たちが関わり、歳月を費やして作った作品です。大人も子どもも、子どもがいらっしゃる方、猫を飼っていらっしゃる方...いろんな立場から観ても、グッとくるセリフ、ストーリーになっていると思います。最後は気持ちのいい笑いと涙を流して、すっきりとした気持ちで帰ってもらえたらと思います。
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