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ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭 グランプリ受賞!
「アイアムアヒーロー」日本外国特派員協会会見

2016年04月11日

「アイアムアヒーロー」日本外国特派員協会会見

<左から、大泉洋さん、佐藤信介監督>

花沢健吾のベストセラーコミックを実写映画化した「アイアムアヒーロー」。原因不明な感染によって理性を失い、人々を襲う謎の生命体ZQN(ゾキュン)が巻き起こすパニックを描いた超大作は、すでに世界三大ファンタスティック映画祭に数えられるシッチェス・カタロニア国際映画祭(スペイン)とポルト国際映画祭(ポルトガル)で観客賞など4冠に輝き、アメリカのサウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)でも観客賞を獲得しています。
さらに、第34回ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭(ベルギー)で、インターナショナル・コンペティション部門の最高賞であるゴールデン・レイヴン賞を受賞。この快挙を受け、4月11日、東京・有楽町の日本外国特派員協会にて、主演の大泉洋さんと佐藤信介監督による記者会見が行われました。

佐藤信介監督

今まで各地で観客賞を受賞したということに関してもすごく驚いています。エンターテインメント作品にとって観客賞は一番嬉しいことです。そして今回、ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭でグランプリにあたるゴールデン・レイヴン賞を受賞したと聞いて、完成まで大変な思いをした分、今までの努力に最高の拍手をもらった気持ちです。
大泉洋さん(鈴木英雄役)

僕はこの「アイアムアヒーロー」という映画を初めて観たときに、間違いなく世界に通用する作品だと思いました。実際に世界各地で賞をもらって、ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭でも受賞できると思っていました。自信がある分、結果を聞くまではハラハラしました。受賞したと聞いて嬉しかったです。
またブリュッセルという街で、悲しい出来事がありました。映画祭の開催が危ぶまれた中で、彼らが映画祭を開いてくれた勇気に敬意を示したいと思います。より一層、ありがたい気持ちを強く感じています。


Q:先ほど「完成まで大変な思いをした」とおっしゃっていましたが、もう少し詳しく教えてください。

佐藤監督:
まず、この作品にはたくさんの製作費がかかっています。とはいえ限られた予算の範囲で作られております。準備段階から必要なものやシーンを精査しました。いろいろな事情で日本国内では撮影できないシーンも多々あり、韓国に足を伸ばし、理想に合ったロケ地探しをしました。これまでにない挑戦だったので、スタッフもキャストも手探り状態でした。その分、新しいビジュアルが撮れていると思います。

大泉さん:
佐藤監督はとても穏やかな顔をしていますけれど、非常に頑固な人です。決して妥協を許さない人なんです。この作品を完成させるためには、無数のカットを撮影しなければいけないので、撮影時間も膨大にかかりました。どんどん夜が遅くなって、なかなか眠れない...でも、監督はなかなか撮影をやめてくれませんでした...(会場笑)。監督に加えて、監督と付き合いが長いカメラマンさんも「こんなカットはどうだ」と提案してきて、それも撮影して...、延々と終わらないんですね。
クライマックスでは次々とZQNを倒すんですが、監督が妥協を許しませんから(笑)、いつ撮影が終わるんだろうか、果たして日本に帰れるんだろうかと心配していました。


Q:韓国でのロケは、日本とどんな違いがありましたか?

佐藤監督:
昔から韓国映画が好きで、いつか韓国のスタッフと仕事をしたいという気持ちがありました。韓国ロケは初めての経験でしたが、スタッフの技量はもちろん、バイタリティやアイデアを生み出す柔軟性など、素晴らしかったです。先ほど大変だったと言いましたが、それは僕らが韓国での撮影に慣れていないだけですし、こちらが目指すビジュアルの実現に、最大限の努力をしてもらいました。

大泉さん:
日本のスタッフさんはお昼ご飯の時間になっても、我慢してキリのいいところまで撮影を続けるんです。けれど韓国の皆さんはご飯の時間を過ぎると、怒っていました(会場笑)。僕は韓国の皆さんが正しいと思います!

Q:走り高跳びをするZQNを演じた俳優さんについて詳しく教えてください。

佐藤監督:
今回、映画に登場するZQNにはそれぞれ個性があります。怖い存在であると同時に、どこか憎めないキュートな面もある存在にしたかったんです。走り高跳びをするZQNは、オーディションで見つけた韓国の学生さんが演じています。普段はダンスをしているそうです。もちろん、CGも付け加えることであのキャラクターは完成しています。

Q:主演に大泉さんを起用した理由を教えてください。

佐藤監督:
以前、別の作品で大泉さんとご一緒したことがあって、役者としてのキャラクターを作り上げる技術にとても感銘を受けました。ご覧の通り、今回の役柄と大泉さんて実は違うんですよね。僕自身は大泉さんてかっこいい人だなと思いますし、ヒーロー然としているんですが、今回は真逆の役柄です。ただ、役者としてのパワーで絶対に演じきってもらえると信じていました。大泉さんとZQNがベストマッチというか...。何か異物に出会ったときの大泉さんの驚いた表情の多彩さが、ギネス級にすごいですね。

Q:大泉さんはなぜ、この役柄を引き受けようと思ったのですか?

大泉さん:
日本ではこうしたパニックホラーって、まだそれほど作られていないなかで、これだけ本気のスケール感で、しかも東宝という映画会社が製作するというのが、まずは大きな魅力でしたね。それと英雄というキャラクターは、ヒーローらしからぬ、非常に弱くてうだつのあがらない男なんです。けれどそういうダメな男が必死に頑張ってヒーローになる。そこがとても魅力的ですね。この役はイケメンが演じても反感を買うだろうと思いました...(会場笑)。僕くらいファニーフェイスな方が、役柄にリアリティを与えられるんじゃないかなという思いがありました。

Q:共演した長澤まさみさん、有村架純さんとの印象が残っているエピソードを教えてください。

大泉さん:
お二人ともとても有名な女優さんなので、日本でのロケでは声をかけられたり、すぐに人だかりになってしまうんです。韓国ではそこまでの事態にはならなかったので、気持ちも楽でしたね。宿泊先のホテルの近くにコンビニがありまして、店先で買ったものを食べられるスペースもあるんです。そこで役者がのんびり過ごして、1日の疲れを癒すなんてこともありました。日本ではまずできないことですから、楽しかったですね。

【第34回ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭 審査員コメント】

◆審査委員長:Jaume Balagueró(ジャウマ・バラゲロ/代表作:『REC/レック』シリーズ)
無駄がなく、ユーモアとドラマと感情が素晴らしいバランスで融合している作品でした。

◆映画祭の副代表:Freddy Bozzo(フレディ・ボッゾ)
今回の『アイアムアヒーロー』の選考は満場一致で決まりました。議論になることの多い本映画祭ではとても珍しいこと。グランプリが即決したので、他の作品に議論の時間を費やすことができました。

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