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TV界の巨匠・石橋冠が遂に映画監督デビュー!
監督の下に集いし超豪華キャストとともにその夢を銀幕に描く!!

2015年10月01日

「人生の約束」完成報告会見

<左から、石橋冠監督、柄本明さん、松坂桃李さん、竹野内豊さん、江口洋介さん、西田敏行さん、優香さん、髙橋ひかるさん>

往年の名作ドラマ「池中玄太80キロ」をはじめ、数々のテレビドラマを世に送り出してきたテレビ界の巨匠、石橋冠監督がついに映画監督デビューを果たした「人生の約束」。監督と縁の深い富山県・新湊を舞台に、人生とは何なのか、"つながる"とはどういうことなのかを、新湊の美しい景色と、伝統の「曳山まつり」を織り交ぜて描いた、"絆"と"再生"の物語です。

今年の春に新湊で撮影された本作がついに完成し、10月1日、新湊ではまさに「曳山まつり」が行われているその日に、東京・日本橋のマンダリン オリエンタル 東京にて、石橋監督、主演の竹野内豊さん、江口洋介さん、松坂桃李さん、優香さん、髙橋ひかるさん、柄本明さん、西田敏行さんによる完成報告会見が行われ、本作にかけた想いや、撮影の様子が存分に語られました。その模様をレポートいたします。

石橋冠監督

テレビでは40年ほどやってきましたが、今回初めて映画に挑戦しました。したがって新人監督であります。 (映画を)撮るにあたって、「新人であろう」と強く思いました。直球でストライクを投げたいなと思いまして、そういう気分で撮り終えました。どうせ撮るなら自分のオリジナルでやりたい、僕の大好きな風景の中で撮りたい。いささか傲慢でしたが、それを貫けたことがとても幸せでした。キャスティングについても、ここにいる理想的な俳優さんたちに揃っていただき、非常に幸せな現場でした。自分たちもそうですが、「人生はいろいろなものを失っていく。取り戻すべきものは何か。それは必ず行動すれば、取り戻すことができる」みたいなことをぶつぶつつぶやきながら撮り終えた映画でした。

MC:今日の完成報告会見はどんなお気持ちで迎えましたか?

石橋監督:
やっぱり新人になっちゃいますね(笑)。会見の大きさに驚いています。正直に言うと、すごく小心者なのであがっちゃって何を言っているのか分からなくなっているんですけれども...(笑)。撮り終えてみて、テレビと映画の違うところも多く発見しました。そういった意味では非常に面白い仕事をしたと思っています。皆さんの評価は分かりませんが、自分なりに非常に納得のいく映画になったと思っています。もう僕の手元を離れて、これから旅に出るのを見送ったような気分ですが、幸福な旅であってほしいなと思っています。
竹野内豊さん(中原祐馬役)

富山はまさに今日、10月1日が曳山なんですね。富山では曳山を曳いている、そんな日にこの映画を発表できることを本当に嬉しく思います。
石橋冠監督とは今回初めてご一緒しました。私は「池中玄太80キロ」を子どもの頃に、家族と一緒に楽しみながら拝見していました。あの時は単純に楽しんでいた大好きなドラマでしたが、今振り返ってみると、とてもアナログで、でも何か温もりのある、人と人とのつながりを感じる、素晴らしいドラマでした。そんなドラマを作られていた石橋冠監督と、しかもその石橋冠監督が初めて作られた映画に参加できたこと、そしてこれだけの豪華なキャストと一緒にこの映画を作ることができたことを本当に光栄に思っております。人の喜びや悲しみ、生き方を改めて考えさせてくれるような、非常に素敵な作品になっていると思います。
江口洋介さん(渡辺鉄也役)

冠さんと呼ばせてもらいますが、冠さんとは2作目になります。1作目は「なぜ君は絶望と闘えたのか」というドラマでした。母子殺害事件をテーマにした重い話でしたが、それを冠さんはヒューマンドラマに仕上げました。撮影している時は気づかなかったんですが、体が自然に動いていくんですね。そういう冠さんのドラマ作り、演出に触れました。そして、今、竹野内くんも言っていた「池中玄太80キロ」は僕も大好きで、シルバーのあの帽子に似たものを探してかぶった思い出があります(笑)。そういったドラマ史上に残る名作を作った先輩たちとご一緒させてもらって、この映画で何を残したいのか考えました。
脚本を読んだ時に、石橋冠さんそのものを感じました。僕は冠さんとは2作目だったので、この役を「こういう風にやったらどうですか」と考え、この映画自体を一つの"約束"と捉えて、冠さんに提示していきました。非常に楽しかったですし、素晴らしい作品ができたと思います。ぜひとも日本中の方々に伝えてください。
松坂桃李さん(沢井卓也役)

僕はこの作品の台本を読んだ時に、非常に温かい気持ちになりました。人の肉体は死んでも、その想いを継ぐ者がいて、そしてつながるもの、つながる瞬間がある。曳山でも代々つながっていくものがあって、そうやって心と心が通う瞬間が、この作品にはすごく大切に描かれていました。それがとても美しくて非常に温かくて、僕は「ああ...本当にいい作品だな」と強く思いました。それを石橋さんが撮って、僕も石橋組に参加できるというのは本当に光栄で、すごく嬉しいです。
優香さん(大場由希子役)

スタッフの皆さん、キャストの皆さんが「冠さんのために集まってきた」という想いを、現場に行くとものすごく感じました。冠さんは、たたずまいはとても厳しそうで、周りのものをまっすぐに見ているんですが、心はとっても優しくて、私が撮影に入った日も「よろしくな」と言って、私の肩をポンと叩いてくださいました。もうそこで、この映画に関われて本当に幸せだなと、こんなに愛されている冠さんと一緒にお仕事ができるなんて頑張らなきゃという気持ちになりました。そして完成した映画を観たら、新湊の美しい景色もそうですが、映画自体もとても優しくて、本当に素敵な映画に携われて幸せだったなと思いました。冠さんとの思い出は、おいしいお寿司を食べたことと、冠さんの(奥様のご実家の)お家でおいしいコーヒーをいただいたことです(笑)。とても思い出に残っています。
髙橋ひかるさん(渡辺瞳役)

"ドラマ界の巨匠"と呼ばれる石橋冠監督の作品に出演できて、とても光栄です。こうやって今、大先輩の方々とご一緒させてもらっているのもすごく光栄ですし、こんな素敵な作品に出演できたことに感謝しています。
柄本明さん(武田善二役)

私が演じたのは、悪い役です(会場笑)。憎まれ役というか、敵役でございます。皆さんがいい役の中で自分だけそういう役なものですから、最初に脚本を読んだ時に「憎まれ役はイヤだな」と思いまして、お断りしましたところ冠さんに怒られまして、やることになりました(会場笑)。竹野内さんをいじめる役でございます。
監督はご承知のように、テレビ界の大巨匠でございますが映画は新人...(監督に)おめでとうございます(会場笑)。監督は、この作品1本で終わらせてはいけません。今後につなげていってもらいたいと思いますし、そのためには皆さんの協力が必要なので、一つ宣伝のほどよろしくお願いいたします。
西田敏行さん(西村玄太郎役)

石橋冠監督と私は、先ほどもお話に出ました「池中玄太80キロ」というドラマでお会いしました。その前に、森光子さん主演のドラマで、森さんの弟役を演じた時にもお会いしているのですが、その時にも石橋監督の素晴らしさを目の当たりにしました。それは大勢のエキストラの方々が出る喫茶店のシーンだったのですが、エキストラの方一人一人に動きを指示されるのに、監督は全員のお名前をおぼえてらっしゃるんですね。それで例えば「吉田さん、お立ち下さい」とかおっしゃるんです。言われた吉田さんは、もう驚愕の顔でした。それでいて、ちょっと嬉しそうな顔でもありました。それを見た時に、石橋監督の作品だったら、どんな作品でもいいからついていきたいなと思いました。そしてそのあとすぐに「池中玄太80キロ」の話がきたので、出演させてもらいました。ご承知の通り、石橋監督の人となりを存じ上げていたものですから、嬉しくてたまらなくて、回を重ねるごとに甘える気持ちも出てきて、台本通りに進行せずに好きなことをずいぶんやっていたら、それを本当に面白がってくださいました。僕は自由に演じさせてもらえる喜びの中にいて、「テレビドラマってすごいぞ」と思わせてもらいました。演者のポテンシャルをどんどん引き出してくれる、素晴らしい監督に出会ったのは、僕の役者人生の中で一番幸運なことだったように思います。
その監督が映画を撮るというので、どんな役でもいいから出演したいと思っていたら、柄本さんと違っていい役だったので、とても嬉しかったです(会場笑)。


MC:豪華出演者が揃いましたが、監督からご覧になって印象はいかがでしたか?

石橋監督:
竹野内くんとは初めてで、正直に言うと最初にお会いした時から「どうしたらいいだろう」と結構悩みました。悩んだ結果、放り投げようと思いました。つまり、任せちゃおうということですね。このドラマを、彼が演ずる祐馬のドキュメンタリーにしてしまえ、と思ったんです。彼はすごく繊細な方で、それはすぐにわかったので、その人に向かって「ああせい、こうせい、このようにしろ」と演技を強要するようなことは絶対にしないでおこうと思いました。それが非常にスリリングで、僕にとっては楽しい日々になりました。でも、竹ちゃん(=竹野内さん)は悩んじゃって大変だったと思う...(笑)。あまり詳しいことを言わないまま、彼を泳がせたものですから。新湊に来ても、町をあまり見せないで、曳山も見せないで、いきあたりばったりで、竹野内くんに入っていってもらったという撮り方をしたんです。そのおかげで良いドキュメンタリーになったかなと思っています。素敵です。最後に、曳山を曳いた彼の長い長いアップがあるんです。竹野内くんから「どうしましょう」という相談を受けた記憶があるんだけれども、「ここまできたら君がやるしかない。俺が言えることは一つもない。お任せするよ」と言ってやりました。大好きなシーンが撮れました。

江口くんとは、先ほど彼も言ってくれたけれど、「なぜ君は絶望と闘えたのか」というドラマでご一緒しまして、彼との間にはもうあうんの呼吸がありました。彼は撮影が始まる前に新湊に来てくれたんですが、その時にもう短髪で真っ黒な顔をして、漁師の役になろうとして漁師の間を歩いたり、すごい入れ込み方をしてくれました。その時に、「ああ、この劇はできるな」と、嬉しさを感じました。竹野内くんと江口くんは、水と油と言うと言い過ぎですけれど、竹ちゃんは散文詩で、江口くんは韻文詩、極めてそういう感じがしました。その二人のシーンはとっても楽しかったですね。江口さんがこの物語の骨みたいなものを貫いていってくれたと思っています。

松坂くんとも初めてです。いつもテレビドラマなどで見ていて、まだ26、7歳なのに、なんて成熟感のある演技をするんだろうと思っていました。優香さんもそうなんだけれど、優香さんも松坂くんも僕は今回が初めてだったんですが、何が嬉しかったかって、この劇の中に何年も前からいてくれたような感じが伝わってきたんですよね。それを表すのはとても難しい演技なんです。まるで果物のようでしたね。清れつで、変に力まず、ちゃんといてくれた。松坂くんにも優香さんにも、感謝しています。

ひかるちゃん。これは僕の冒険でもあったんですが、素人をポンと投げ入れると、僕も頑張るだろう、彼女も頑張るだろう、その辺のモチベーションがいいだろうなと思って、ひかるちゃんに出演してもらいました(笑)。最初は肩を触っても、コチコチの肩だったんだけれども、日が経つにつれて柔らかくなってきて...あ、触ってごめんね(会場笑)。最後になる頃はもうはっきりと女優さんになっていました。つまり、心の中を自分で訓練するようになっていった...これは僕にとってもちょっと感動的でした。
最後のひかるちゃんが涙を流すシーン、ちょっと時間がかかったんだけれども、彼女は心を作ってずっと立っていて、それでぽーっと涙を流してくれた。僕はせっかちだから、スタッフに「目薬、目薬」と言ったんだけれど、彼女はそれを拒否して演じてくれました。「ああ、女優さんになるな」と思いました。裏話としては、助監督たちは「ひかるちゃん」とか「瞳」と呼んでいたんですが、ある時、「(ひかるちゃんはきっと)将来、大物になるぞ。口のきき方を変えよう」と言って、最後の日なんかはみんなで「髙橋さん」と呼んでいました(会場笑)。それだけ彼女はしっかりと成長してくれました。また頑張ってもらいたいなと思います。

柄本さんとは本当に長いお付き合いで、僕にとってちょっと困った役はだいたい柄本さんに頼んじゃうんです(笑)。どうもすみません。「今回は悪役」とおっしゃいましたが、実は悪役じゃないんです。立場として悪役の演じ方にはなるんですが。監督として少し描き足りていないシーンに、発明品のような演技をしてくださいました。発明品の演技を観てもらいたいです。僕もビックリしました。「なるほど、こう来るのか」と、大変、柄本さんの演技力の深さに今回も...。


柄本さん:
(照れくささに耐えられず)はい、どうもありがとうございました(会場笑)。

石橋監督:
ありがとうございました(笑)。

最後に敏ちゃん(笑)。僕は「劇というのは、基本的には人生の応援歌であるべきだ」というのを、西田さんと仕事をするようになって固く信ずるようになりました。今回の映画も、いろいろな意味で人生の応援歌でありたいなと思って作りました。敏ちゃんについては、語ると3時間ぐらいかかっちゃうのでいずれ話しますが、僕の恩人でもあります。彼は「僕は好き放題演技をした」と言うけれど、そのライブ感を僕は敏ちゃんとテレビをやったことですごく学びました。ずっと僕はテイク1が好きなんですよね。ちょっと変でも、ちょっと位置が違っていても、テイク1が好きなんです。それはなぜかと思うと、やっぱりライブ感というか、テイクを積んでしまうと出てこないものがパッと見える時がある。それでOKしてしまうんですが、それは敏ちゃんに挑発されて出来上がったかなと、今でも思っています。敏ちゃんは長きにわたる盟友ですから、今回の現場でも、敏ちゃんがいると背中から「頑張れよ」という声援を受けているような気分でした。

ちなみに、ここにいらっしゃらないですが、室井滋さん、小池栄子さん、美保純さん、市川実日子ちゃんなど、みんな本当に溶け込んで一生懸命やってくれました。あと、ビートたけしさんね。たけしさんは忙しくて来ないんじゃないかなと思ったんですが、最後にパッと来てくれました。たけしさんは映画監督をやっていますから、僕もそれなりに緊張するんですね。撮りながら「あれ? 『違うな』と思っているんじゃなかろうか」という緊張感があるんですが、俳優としては、気持ち悪いほど僕の言うことを聞くんですね。「一歩右」と言ったら、ちゃんと一歩右に行ってくれるし、正確無比なお芝居をします。それは、監督をやっているとそういう風になっちゃうのかなと思いました。来てくれた時は本当に嬉しくて、この劇のラストシーンにたけしさんのサインをもらったような気分でした。どうして馬が合うかというと、彼も有名な"テイク1OK監督"なんです(笑)。ただ、そのせいで「テイク2」と言いづらくて、今、困っています(会場笑)。


MC:この作品は竹野内さんにとってどんな作品になりましたか?

竹野内さん:
あまりにも奥が深い作品です。脚本を読んだ時、この映画のテーマの「つながる」というのが、活字では理解できても、心で感じ取って理解するということが、どうしてもちょっとできなくて、冠さんにお会いした時に「どうしたらいいんでしょうか。そこら辺が分かっているようで分かっていないんです」と言ったら、冠さんは「大丈夫だよ、そのままで。俺も分からない。これから新湊で撮影していく中で、みんなでつながっていけばいいんだよ」とおっしゃってくださいました。
ですが、最終的に撮り終えて「じゃあ、撮り終えたからといって理解できたのか?」というと、そんなに簡単なものじゃないんですね。それがこの映画の深いところなんです。西田さんが演じられた玄さんが、江口さんが演じた鉄也に対して、人生を階段に例えて「お前は人生の踊り場にようやくたどり着いた」というようなことを言うシーンがあるんですね。それに重ねあわせて、僕もふと振り返って景色を眺めているんです。でも、冠さんは、踊り場に立って私が今まで上がってきた景色を振り返っている私の背中、それを見ているんじゃないかなと思うんです。だから、この作品、そして監督がこの作品に込めたいろいろな想いというのは、現時点の僕は分かっているようでも分かっていないような気がします。
僕は44歳になりましたが、きっと10年後、20年後になってみないと、冠さんが伝えたかった心の深さ、底は見えてこないんじゃないかなと思っています。それをいつか、もっともっと深いところで理解できるように、人生修行していきたいなと思っております。


MC:江口さんは、撮影にあたって新湊に何度も足を運ばれたそうですが、どんな作品になりましたか?

江口さん:
ちょうど新湊がある富山の方で別の映画の撮影をしていた時に、「どうやら冠さんの奥さんの実家が近い。そこに冠さんもいらっしゃる。そして映画の構想を考えている」と小耳に挟みました。そして撮影の合間に冠さんのところに行きました。そうしたら、「新湊にはお祭りがあって、提灯が川べりに映る。それを僕はこう撮るんだよ」という話を、車で新湊の町を1、2周回しながら聞きまして、すごく温かい映画になりそうだと思いました。それから台本をもらいまして、すごく良い役で、僕はどうやら漁師だということで、(今度は新湊の)漁師さんのところへ行って、(漁を)見せてもらいました。夜中の1時ぐらいに出船していくんですね。そして町には床屋さんがすごく多いんです。西田さんが演じられた玄さんも床屋さんの役なんですが、その床屋さんが多いイメージと、冠さんのイメージを自分の頭の中で考えまして、「これはもう角刈りだな」と思いました(笑)。今までいろいろな俳優さんとお仕事させてもらいました。その中にはずっと一日中その役の服を着たまま着替えない緒方拳さんなどがいらっしゃいました。いろいろな方を見てきて、こんな風に年をとったら面白いな、そこまで自分を貫けたら面白いなとなんとなく考えていた時だったので、今回は思い切って役のジャージをずっと着たまま、新湊に溶け込みながら演じました。それが非常に僕の中では大きな財産になりました。

MC:それだけ役の中に入り込んで、自分の中に落とし込んだものがあったのですね。

江口さん:
そうですね。冠さんが作られた作品を子どもの頃から観ていますが、今も変わらずグッと泣ける何か、ぴーんとした1本線が映像の中にあるんですよね。それは何とも言えない、冠さん節だと思います。僕はそれが大好きなもので、その中で一つのパーツとして使ってもらえたらと思ってやりました。

MC:西田さん、石橋監督の初監督作品に出られたお気持ちはいかがでしたか?

西田さん:
映画作品を作る冠さんを目の前にして、「ヨーイ、ハイ。スタート」という声を聞いた時は、声に張りがあって元気だし、「あ、いい作品が絶対できるはずだ」と確信しました。この前ちょっとご一緒した武田鉄矢くんが、アル・パチーノがジョン・レノンからの手紙を頂戴したような映画を彼は観たそうで、それを非常に熱く語っていたんですが、「日本の映画のレベルはまだまだそこまで行ってないよ。君たちはもっと頑張らないとね」とも聞こえるぐらいで、それをイヤ~な感じで聞いていたんですが(会場笑)、「この映画を観てみろ」とその時ここ(のど)まで出かかりましたが黙っていました(会場笑)。

MC:ぜひご覧いただきたいですね(笑)。

西田さん:
はい、よろしくお願いしたいです(笑)。

【マスコミによる質疑応答】

Q:竹野内さんは江口さん、西田さんと初共演となりましたが、一緒に演技をされる中で印象的な言葉はありましたでしょうか?

竹野内さん:
私が演じたのは都会で生きてきた人物だったので、新湊に行った時に、とにかく「曳山も何も見ないでくれ。撮影の時に見せるから」という感じだったんですね。江口さんの方が先に新湊のスタジオに入られていたのでご挨拶に行ったら、そこで驚いたのは、江口さんがもう漁師にしか見えなかったんですよね(会場笑)。色も真っ黒だし、角刈りだし、今まで見たことのない江口さんがそこにいて、「本当に江口さんかな」と思いました(笑)。
また、お互いの役柄が言葉でコミュニケーションを取る感じではなかったので、最初はお話もあんまりしなかったんですよね。撮影が進むにつれて、江口さんに飲みに連れていってもらったり、撮影の合間に釣りに連れていってもらうようになりました。映画の舞台にもなっている赤灯台がありまして、江口さんから「竹野内くん、釣りやらない?」と誘ってもらって、「ぜひぜひ」「じゃあ、赤灯台のところで待っているから」「分かりました。あとで行きます」と言って行ったんです。そうしたら、釣り人がぽつりぽつりといるんですが、「江口さん、いないじゃん...おかしいな」と思ったら、一番奥の方に江口さんがいて、もう全然、江口洋介だと分からなかったんです(笑)。現場ではいつもジャージ姿で、それぐらい役に入り込まれていて、とても楽しかったですね。それでその釣りの時に、一緒に西田さんも行かれたんですが...。


西田さん:
うん、釣りをね。釣りバカなものですからね(会場笑)。

竹野内さん:
でも...これは言わない方がいいのかな...。

西田さん:
どうぞ、何でも言ってください。

竹野内さん:
釣りは実は...。

西田さん:
あまり好きじゃないです(会場笑)。

竹野内さん:
僕たちが(釣りを)やっている後ろに西田さんがいて、 僕は「釣りバカ日誌」が好きだったので、西田さんに「(プライベートでも)釣りは結構やられていたんですか?」と聞いたら、「僕は釣りがあんまり好きじゃないんだよ」とおっしゃったので、それを聞いた時に衝撃を受けました(会場笑)。

西田さん:
もっといいこと言わなかったかな...(会場笑)。「演技とは生きることだよ」とか...言わなかったですね(笑)。

竹野内さん:
でも、演技に関しては、うまく言えないですし、演技って私もよく分からないですが、何か言葉を超えたものを西田さんの背中を見て、今回勉強させてもらいました。

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