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名曲から映画へ繋いだ大沢たかおへ、
さだまさしから "感謝の手紙"をサプライズプレゼント!!

2015年03月14日

「風に立つライオン」初日舞台挨拶

<左から、三池崇史監督、大沢たかおさん、石原さとみさん>

さだまさしさんの名曲に惚れこんだ大沢たかおさんが実写映画化を希望し、ケニアでのロケを経て完成した「風に立つライオン」が、3月14日、ついに公開初日を迎えました。東京・日比谷のTOHOシネマズ スカラ座では、大沢さんほか、共演の石原さとみさん、三池崇史監督による舞台挨拶が行われ、残念ながら欠席となったさださんからサプライズで手紙が届けられました。

映画の余韻を壊して申し訳ないと、謝りながら登場した大沢さん。目に涙を浮かべながら本作を「宝物」と語る石原さん、燃え尽きて「抜け殻のよう」と語る三池監督と共に、本作に込めた想い、さださんへの感謝の気持ち、初日を迎えた心境などを語りました。ホワイトデー当日とあって大沢さんから観客の皆さんにライオンのクッキーがプレゼントされるという嬉しいサプライズもあった舞台挨拶の模様をレポートいたします。

大沢たかおさん(島田航一郎役)

今日、「風に立つライオン」が公開になりました。その最初の回にご来場いただいて、本当にありがとうございます。
石原さとみさん(草野和歌子役)

上映後の舞台挨拶は初めてなので、緊張しております。本当にこの作品は私の宝物です。この作品を愛してくれた人を、私は心から愛したいし、大切に思ってくれる人を大切に思いたいです。そんな風に思える作品に出会えて、私はすごく幸せ者だなと思います。
三池崇史監督

公開が始まってしまうと、監督は、かっこよく言うと燃え尽きてしまうんです(会場笑)。でも、僕の場合は"せみの抜け殻"みたいなので、あんまり話しかけないでください(笑)。抜け殻ですから(会場笑)。今日は本当にありがとうございます。


MC:公開を迎えた率直なお気持ちをお聞かせください。

大沢さん:
本当に緊張しています。なかなか言葉にするのが難しいです。

MC:映画をご覧になった後のお客様の顔を見て、何か感じるところはありますか?

大沢さん:
出てきてしまってすみません、と思っています(会場笑)。僕らが出ていくのはどうなんだろうかと、ずっと舞台袖で思っていたんです。すみません、早めに帰ります(笑)。

MC:映画化まで並々ならぬ努力をされてきました。そんな映画がやっと皆さんのもとに届けられたということについてはどんなお気持ちですか?

大沢さん:
一人でも多くの方にこの映画を観てもらえればと思います。僕にできることはもうありません。この映画はもう皆さんのものなので大切に思ってもらえたら嬉しく思います。

MC:石原さんも初日を迎えたお気持ちはいかがでしょうか?

石原さん:
皆さんには早く観てもらいたかったんですけれど、すごく好きな作品なので、これから大沢さんや三池監督と会えなくなるのかなと思うと寂しいですね。

MC:石原さんは完成した映画をご覧になってどう思われましたか?

石原さん:
ついさっきもここに出る直前まで、「風に立つライオン」の主題歌フルバージョンのプロモーション映像を観ていましたが、涙が流れそうで耐えていました。まだ客観的には観られていないです。和歌子として思い出すのは、大沢さん演じた航一郎の存在がすごく大きくて、温かくて、頼りがいがあったことですね。大沢さんは人を笑わせるのも、集中させるのも一瞬でさせてくださる方で、本当に尊敬しています。和歌子を演じていて、私も航一郎のように風に立つライオンでありたいと、そして力強く生きていきたいと思いました。

MC:監督も初日を迎えていかがですか?

三池監督:
抜け殻...です(会場笑)。しかも、もう観てもらった後なので...。大沢さんは企画者でもありますし、さださんに至ってはこの曲のアイデアを作られてから40年経っています。その想いがずっと詰まったものを、果たして自分が映画にする権利があるのだろうかと思ってきました。(この映画の)その先の物語をさださんは小説に書かれているけれども、僕は映画監督というよりも一人の人間としてここまでしか描く権利はないなと思って作りました。原作をお読みになっていない方はその先を読んでもらえればと思います。公式サイトに9分36秒のプロモーションバージョンがあります。まだ映画を観ていない方が観ても楽しめるし、映画を観てもらった方はさらに胸に感じてもらうことができると思います。とりあえず家に帰ったら9分バージョンを観てもらえればと思います。

MC:一緒に取り組んだ、大沢さん、石原さんに対しては、今どう感じていますか?

三池監督:
やっぱりすごいですよね。ケニアには日本映画で誰も撮影に行ったことがないんですよ。撮影したことがないので、どんなスタッフがいて、どうなるんだろうと(二人は)思っていたと思います。当然、日本での撮影に比べると過酷だったんですけれど、島田航一郎を描きながら「大変だ」なんて言えないし、思えないんです。逆に言うと、撮影の中で「きついな」「大変だな」と思っても、「いやいや、彼はもっと大変だったんじゃないの?」と、島田航一郎という人間が僕らの中にはリアルに存在していました。そんな中で二人は美しくあらねばならないんです。スタッフ側は何十人といるし、本番以外はゴロッとしていてもいい訳ですよね。でも、役者というのは、その役を演じるのはその本人一人だけです。精神的に落ち着いていなきゃいけないし、ずいぶん孤独な戦いをしていたと思います。本当に敬意を表します。感謝しています。

MC:大沢さん、三池監督の言葉を聞いてどうですか?

大沢さん:
監督の世界の中で生きられたということにすごく感謝しています。石原さんも言ったように、自分にとってもこの作品は宝物で、その宝物をくれたのは監督だと思うし、このケニアでやるという決断をしたのも監督なので、そこで生きさせてくれたことに感謝します。

MC:石原さんはケニアで和歌子を演じていかがでしたか?

石原さん:
歌詞を見ても、台本を読んでも、和歌子のバックボーンが描かれていないので、どういう人物なんだろうとすごく考えました。でも、さださんが書かれた小説に両親を早くに亡くしていると書いてあったんですね。だから自立がとても早くて、一人で生きていく辛さとか、身軽さを持っていて、アフリカとかインドにも自分の意思で行けたのだと思いました。辛さを知っているから、両親がいない子どもたちに無償の愛を注げる大きな心があるんだろうなとすごく思いました。実際にアフリカに行って、アフリカの子どもたちと接して、すごく納得ができて、和歌子としてその時間を過ごせたような気がしました。

MC:さて、本日は偶然にもホワイトデーなのですが、皆様、お手元に何かお持ちではないですか? 実はこのクッキー、大沢さんからの提案で皆様にお配りしたものなんです! 大沢さん、このクッキーはどんなお気持ちでお配りになったのでしょうか?

大沢さん:
映画をご覧になった後にこんなことして良かったのかなって、今ちょっと反省もしていますが...(笑)。これ、一応自腹なんです(会場歓声)。こういうのって、よく映画会社の思惑があったりするんですが、これは僕が感謝の気持ちをどうしても表したかったんです。(客席から「宣伝しまーす!」という声があがり)宣伝してください(会場笑)。持ち帰ってもらって食べてもらってもいいですし、いらない方は僕が持って帰って家で食べます(会場笑)。お荷物ですがぜひ持って帰ってください(笑)。

MC:ちなみに大沢さんはホワイトデーの思い出は何かありますか?

大沢さん:
話がどんどん映画と違う方向に...(会場笑)。本当にすぐに帰りますので...(笑)。本当に僕は(ホワイトデーには)大した思い出もなくきたんですよ。人としても男性としても(会場笑)。ここに来るまでの間に今日はその話があると聞いたんですが、石原さんも僕も互いにそういった思い出がないということです(笑)。

石原さん:
なさすぎて悲しいっていう...(笑)。

大沢さん:
むしろこの話題は不謹慎なんじゃないかとも思ったんですが、クッキーも配ってしまったので...(笑)。僕も人生長く生きていますけれど、そういう意味では、今日はかけがえのない日です。自分の宝物と、共演者の方と、監督と、そして皆さんと同じ時間を共有できたのも人生で初めてです。本当に一生忘れられない日にさせてもらいました。

MC:ちなみに石原さんも...?

大沢さん:
さっき、裏で「その話題は振るな」と言っていましたが(会場笑)。

石原さん:
私、バレンタインの思い出ならあるんですけれど、ホワイトデーの思い出がまったくなくて悲しいなと思いました。ちなみに、皆さんには大沢さんからのクッキーがありますけれど、私、もらっていませんからね(会場笑)! 大沢さん!



大沢さん:
すみません...(笑)。

石原さん:
そうですよね(笑)。

MC:ちなみに三池監督は...(会場笑)。

大沢さん:
監督とホワイトデーってかなり合わないんですけれど(会場笑)。

三池監督:
あのね、僕は大阪府八尾市出身なんですけれど、八尾市にはバレンタインデーイベントごとないです(会場笑)! 5年ぐらい前にやっとクリスマスがきました(会場笑)。

石原さん:
市ごといきましたね。それ、怒られますよね(笑)。

MC:ここで舞台挨拶は終わりの予定だったのですが、ご登壇の皆様には内緒である方からお手紙をいただいておりますので、ここで読ませてもらいたいと思います。

<さだまさしさんからのお手紙>
待ちに待った公開初日に、一緒にごあいさつ出来ず、大沢くん、石原さん、三池監督申し訳ありません。実は僕は今日、那智勝浦で歌っています。平成23年の大水害以来のおつきあいから、一年も前に約束していました。選りに選って、その日を公開日にしてくださるとは・・・。僕は、選りに選って映画館の無い町に居ます。今日、おいで下さったお客様、心からありがとうございます!すばらしい映画が生まれました!!本当に佳い映画です!!!沢山の人々に真心のバトンが渡ってゆきますように祈りをこめて、遠い那智勝浦より みなさまありがとう!! 平成二十七年三月十四日 さだまさし 

MC:直筆のお手紙をいただきました。突然ではありましたが、心のこもったさださんのメッセージ、いかがですか?

大沢さん:
さださんが生み出した「風に立つライオン」から何十年と経っての今日なので、おっしゃる通り、ご一緒したかったんですけれども、メッセージをいただいて本当に感謝しております。

MC:たくさんの想いが詰まったこの映画、どんな方に観てほしいと思われますか?

大沢さん:
観てくれるのであればどんな人にでも観てほしいです。同じ時代、同じ国で生きている一人でも多くの方に観てもらいたいと、本当に心から思っています。

MC:ここまで原作者が「良い映画だ」と言い切るというのは、監督としても嬉しいことではないですか?

三池監督:
さださん、優しくていい人ですからね。でも、どれだけできたかという評価そのものは、観た方の性別、年齢、職業によって違うと思います。それはさださんの歌もそうだと思います。「ここを聴いてください」というのではなくて、その思いを言葉に、歌にしているので、それぞれいいなと感じるところが違うと思います。5年後、10年後、若い人なら子どもができた時に観ると、また全然違ったものが見えてくると思います。たぶん来週観てもまた違うと思うので、オススメします(会場笑)。

MC:石原さんもさださんとはお会いになったことがあるということですが、どんな方という印象ですか?

石原さん:
(さださんとお会いする前は)すごく怖かったんですよね。すべてはさださんから始まっていますし、ここに私がこうしていられるのもさださんのおかげです。初めてこの映画を観た時、さださんも一緒だったんですけれど、その後にしっかりと握手してくださって「和歌子、良かった」と言ってくださいました。とても安心しましたし、いい人だな、優しいなと思いました。先日も、大沢さんと監督も出演されたさださんのコンサート兼試写会に、私も仕事が終わったあとに駆けつけて陰から見たんですけれど、本当にさださんの「風に立つライオン」を聴くだけで涙が出てきました。私、もう、さださんの「さ」の字を見ただけで涙が出ちゃうんじゃないかというぐらいになっているので、またお会いしたら大変だと思います。

■最後に、大沢さんからメッセージが送られました!

大沢さん:
本当に今日は第1回目の上映の後にお邪魔してすみません。僕がいろいろな気持ちを壊してしまったら申し訳ないと思っています。ここまで島田航一郎のモデルになった柴田先生からさださん、そしてさださんの手によって歌から小説になったものが三池監督にと、バトンがずっと渡ってきました。もうこれは僕たちのものではなくて、皆さんのもとにバトンは渡ったので、できれば何か受け取ってほしいと思います。そしてできればそのバトンを落とさずに、走るもよし、歩くもよし、止まってただ持っているだけでもいいですので、持ち続けてもらえるとすごく嬉しいなと思います。本日はご来場ありがとうございました。