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大沢たかおを感動させた名曲「風に立つライオン」をオーケストラをバックにさだまさしが歓喜の熱唱!!

2015年03月08日

「風に立つライオン」主題歌ライブ&舞台挨拶付き試写会

<左から、三池崇史監督、さだまさしさん、大沢たかおさん>

さだまさしさんが、アフリカ・ケニアでの国際医療活動に従事した実在の医師をモデルに15年もの歳月をかけて作り上げ、1987年に発表し愛され続けてきた名曲『風に立つライオン』。この曲に感銘を受けた大沢たかおさんが、さださんに小説化を依頼し、完成した小説を三池崇史監督が映画化した「風に立つライオン」がまもなく公開となります。

3月8日、東京・有楽町の有楽町朝日ホールにて試写会が開催され、上映前に大沢たかおさん、三池崇史監督、さだまさしさんが登壇。さださんは、生オーケストラをバックに『風に立つライオン』を熱唱し、大沢さん、三池監督を含め会場の観客はその歌声と演奏に酔いしれました。さださんの生歌を聴いた上で、映画を鑑賞できる唯一の機会となった舞台挨拶の模様をレポートいたします。

大沢たかおさん(島田航一郎役)

今日はご来場ありがとうございます。島田航一郎役を演じました大沢たかおです。本日はよろしくお願いいたします。
三池崇史監督

こんばんは。ようこそいらっしゃいました。自分が歌うわけじゃないのに妙に緊張しています(笑)。最後までゆっくり楽しんでいってください。
さだまさしさん(原作)

今日はようこそいらっしゃいました、さだまさしです。いくつか映画に関わらせてもらったのですが、歌わされるのは初めてです...(笑)。どういうことになるか分かりませんが、よろしくお願いいたします。


MC:1カ月以上のケニアでの撮影があって、いよいよ3月14日の公開が近づいてきました。今のお気持ちは?

大沢さん:
実は、去年の12月の中旬までスタッフはみんなアフリカにいました。まだ出来たてホヤホヤの映画です。上映前なのでいろいろ言葉にするよりも観てもらって感じてもらうのが一番だと思っています。いろんな何かを持って帰ってもらえたらと思っています。

MC:ケニアの大地はいかがでしたか?

大沢さん:
環境的にも気候的にも、いろんな面で日本とは全然違うんですね。そういう意味では普段とは違う状況ではあったけれど、だからこそ自分としては島田航一郎になれたし、できたような気が今はしています。

MC:12月まで撮影を行なっていて、編集が間に合うのか? と心配にもなりましたが...。

三池監督:
僕も間に合わないんじゃないかと思っていました(笑)。撮影したデータをどんどん日本に送って、日本に帰って来てすぐに編集作業に入りました。何をやるにしても時間との戦いですので、この作品に関しては時間との戦いもクリアしないといけない。さらに、もっといろんなこと...ケニアの暑さや環境とか、撮影環境が普段と全然違いました。でも逆にその力を借りて他の映画では表現できなかった独特のものが映っていると思うので、ぜひ楽しんでもらえたらと思います。

MC:三池監督から見て"俳優・大沢たかお"はどうでしたか?

三池監督:
どうもこうもないです(笑)。やはり、男からすると嫉妬の対象でしかないです(笑)。

さださん:
私もそう思います!

三池監督:
ストイックで、暑苦しくなく集中していて、人に何かを押し付けない。企画者でもあるので、本来であれば「自分はこういう思いでこうして...」と言うリーダーでもあるんです。しかし大沢さんはそこはもう映画のスタッフに託して「映画に対するメッセージは、さださんが書かれた小説の中にあるので、それを我々がどう理解してどう表現するのかは、みなさん(=スタッフ)が教えてください」と言ってくれました。演じることに徹してくれて、それは普通はなかなか出来ることじゃないなと思いますね。

大沢さん:
三池監督に撮ってもらえると決まって、俳優として人として(三池監督に)全力で頼って、その世界の中で生きられれば、きっと素晴らしい作品になると信じていました。そういう意味で監督は尊敬の対象なので、その中で自分が島田航一郎という人間に命を吹き込められたのは最高に素敵な時間でした。

MC:さださん、お待たせいたしました。



さださん:
私でしょうか(笑)?(場内爆笑)

MC:ご自身の曲が小説になって、映画になって、いろんな思いが頭を巡っていらっしゃるでしょうが?

さださん:
歌というのは、歌詞と歌詞の間の"行間"がいいんですよ。行間に、聴いてくださる方がご自身の生活なり価値観を投影して立体的になっていくのが歌なんです。だから歌はもうそれだけで出来上がっているんです。それを一回バラバラにして小説にするというのは本当に大変で、僕は二度ほど「僕にはこの小説は無理だ!」と思いました。アフリカで頑張るお医者さんお話ですから、アフリカの三大奇病と言われている「マラリア」、「フィラリア」、「住血吸虫症」に関しては、説明できるぐらい勉強しないといけないと思うんですが、その勉強は地獄ですよ。それが映画になると...セリフでたったの二行ですよ(苦笑)。

MC:企画を持ち込んだ大沢さんを恨んだこともあったのでは?

さださん:
いえいえ「あぁ、(セリフで)言ってくれた...」って思いました。(セリフは)ちょっとだけですが。半年読んだ本が二行で......そりゃ素晴らしかったですよ(笑)。

MC:映画をご覧になっていかがでしたか?

さださん:
黙って観てみれば、本当に素晴らしいです。必ず何か伝わると思います。伝わらない人は帰ってください(笑)! 公開されたら必ずもう一回観たくなりますから、一回じゃ分からないです。観ていないところもありますから! 公開されたら一人5人は劇場に連れて行ってください。その5人がまた5人連れて行ってもらうというマルチ商法で、大ヒットを狙いたいと思います(場内拍手)。

MC:それでは、さださんに主題歌を披露していただきます。特別編成のオーケストラです。

さださん:
フルオーケストラではなく、ちょっと小ぶりのオーケストラですが素晴らしいので、演奏を楽しんでください!

MC:大沢さんと三池監督がみなさんと客席で鑑賞いたします(場内は驚きと歓声)。

さださん:
緊張するじゃない。なんでそんなことするの?
大沢たかおさんに「小説にしてくれ」と言われてから、できるまで5年近くかかりました。映画化が決定して三池監督に最初にお目にかかった時、(映画の)元が何だったのか、自分でも分からなくなっていて、「監督、主題歌はどうします?」って聞いたら怪訝な顔されました...(苦笑)。お前、その歌から始まったんだろ!っていう...。確かに言われてみればそうだなと思いました。
40年くらい前に長崎大学の熱帯医学研究所に出向して、向こう(ケニア)で頑張ったお医者さんが長崎に帰ってこられて、まだデビューする前の僕と出会いました。そのときケニアでのお話を聞いたんです。そのケニアをどうにか歌にしたくて、15年かかりました。それが出来上がったのが先ほどご案内いただいたように1987年。それからもう28年目になるんですが、全部で40年以上の時間をかけてこの映画は出来上がりました。

実は40年前にナクールで...ナクールというのは大地溝帯(アフリカ大陸を縦断する巨大な谷)のど真ん中にあるケニアの街ですが、そこの病院を借りて長崎大学熱帯医学研究所が存在していたんです。その頃、ナクール湖には200万羽を超えるフラミンゴがいたそうです。現在は気候変動で非常に少なくなっていて、僕が(本作の撮影で)見に行った時は1000羽くらいしかいなかったんです。実は今日、胸に着けてきたのは、40年前のナクール湖のフラミンゴの羽です。柴田紘一郎という、実はこの歌を書くきっかけになったお医者さんが僕にくれたものです。40年前のフラミンゴの羽が、まだこんなにきれいな色をしているんですね。今日はそれを身に着けて、こんなに素晴らしいみなさんと『風に立つライオン』を聴いてもらえて幸せです。この後、まだ映画もあります。メインはそっちなので(笑)、私の歌は楽にザッと聴いてもらえればと思います。それでは聴いていただきます『風に立つライオン』。


 



■さださん、オーケストラの演奏をバックに約7分半の熱唱。歌い終わると会場は拍手に包まれ、大沢さんと三池監督は立ち上がってさださんとオーケストラに拍手を送っていました。客席には、涙する観客の姿も見られました。大沢さんと三池監督は再び壇上へ。

さださん:
緊張したなぁ...(大沢さんと監督が)正面にいるんだもん。本当ありがとうございました。

大沢さん:
本当に素晴らしい試写会ですね。さださんが作られてから、(大沢さんが小説化を依頼するまで)26年受け継がれたこの歌が、ずっと僕の心の中で脈々と育っていました。それを小説にしてもらって、三池監督に素晴らしい映画にしてもらって、そして今日改めて聴かせてもらいました。そういう歴史や"バトン"の受け渡しを生で見ている気がして、本当に心が震えています。

三池監督:
何て言っていいか...。いろいろ撮影で面白いことも苦しいこともありました。今の気持ちを言葉で表現するには、僕にはちょっと学歴が足りないかな(苦笑)。でも本当に素晴らしい試写会だなと思います。この後、映画のエンディングでまた『風に立つライオン』を聴いてもらうんですが、今の感動とまた違うと思います。それを直結して味わってもらえるというのは、世界でこれ1回きりです。

さださん:
贅沢ですね。オーケストラのみなさんに来てもらってたった一曲ですよ(笑)。格別の思いで今日は歌わせてもらいました。こんな贅沢な試写会なんて見たことも聞いたこともないです。正面で監督と大沢たかおさんがジィーっと聴いてくださって視線が泳いでしまいました。一生懸命聴いてくださって、何人かこの歌で泣いてくださった方がお見受けできたんですけれど、この歌で泣いていたあなた! 映画を観たらタオルじゃ足りないですよ! それは保証します。

MC:さださんの胸にあるのがフラミンゴの羽ですね?

さださん:
そうです、これがフラミンゴの羽です。フラミンゴって何種類かいるんですけれど、その何種類かの羽を僕が柴田先生、元々のこの歌のきっかけになった先生からもらったんですね。実は今回、アフリカに行った時に40年ぶりに彼も一緒に行ったんですよ。彼はこれを「ナクール湖に返したい」と言ったんですけれど、僕はそれを押しとどめて「僕にください」と言いました。もらっておいてよかったと思います。

MC:上映を前に最後にひと言ずつメッセージをいただければと思います。

三池監督:
精一杯、島田航一郎という主人公を追いかけて、自分たちなりにしっかりとグッと掴んで...でも掴んだ瞬間にはフッといなくなってしまう、そういう映画の中の登場人物と同じように我々も時を過ごして、作り上げた映画です。最後までゆっくりと観てください。人それぞれ、年齢とか性別とかお仕事によって、少しずつ見方が違ってくる映画だと思います。それぞれの思いで、みなさんの中に一瞬、島田航一郎をそのまま胸の中に届けられることができれば監督としては最高に幸せです。

さださん:
何度も出てきてすいません(苦笑)。先ほども申しました通り、私はたくさんの人に(映画を)観てもらいたいので、ひとり5人! これを胸に刻んでください。僕の仲間でも試写会で映画を観てくれた連中の半数が同じことを言います。「ドキュメンタリーを観たような気がする」と。それほど心に迫る、嘘を感じない映像があふれています。ここから何か本当にすごいバトンがみなさんの手に渡ることを期待しています。

大沢さん:
上映前なので、言葉にしても、それが空回りするような気がして、もう何も言葉はないです。映画を観てもらえればと思います。先ほど歌ってもらって、演奏してもらった、さだまさしさんが28年前、1987年に発表されたこの歌から、28年を経ています。26年で小説化してもらい、そのバトンが三池監督に渡って映画になって、僕らが演じましたが、このバトンはそこで終わりではなく、それを最後にみなさんに渡すことで、僕らの役目がひと段落すると僕らは思っています。今、その一番最後の大切なバトンを渡す段階に来ています。今日、映画を観てもらって、何か心に残して帰ってもらえたら、嬉しく思います。本日はご来場ありがとうございました。