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SURVIVE STYLE5+
 公開終了
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◆プロダクション・ノート

●CMプランナー+ディレクター≠脚本家+監督!?
 普段CMでは、プランナーとディレクターという関係でコンビを組む2人であるが、今回の映画でも通常の脚本家と監督という関係とは異なる仕事の進め方をしている。CMの制作のプロセスを簡単に説明すると、プランナーが企画を考え、ディレクターがその企画をもとに演出をしてCMを完成させる。おおまかな流れとしては映画の制作過程と一緒である。大きく違うのはプランナーは企画が完成したあとも、スタッフとの打合わせに参加し、撮影現場や編集にも立ち会い、ディレクターの良きクリエイティブアドバイザーとして常に行動を共にする点である。日本では前例のない、コーエン兄弟のようなダブルディレクターのイメージに近いのかもしれない。そのスタイルを映画にそのまま持ち込むことが、今回の映画制作の最大のポイントであった。脚本を完成させた後も、準備、撮影、編集と全ての過程で2人が意見をぶつけあうことで、CMの世界で培われた多田琢のアイディアと関口現のこだわりの映像世界という2つの才能が隅々まで行き届いた、全く新しい映画が誕生したのである。

●キャスティング
 この映画に集結した、様々な出演者達。他ではありえない、不思議で豪華なキャスティングには企画・原案・脚本の多田琢と監督の関口現がCMの世界で育ててきた信頼とこだわりが秘められている。それを裏付けるエピソードをいくつか紹介したい。

・浅野忠信
浅野忠信が突然スーツ姿でバスルームに乱入してくるシーンで話題をふりまいた「富士ゼロックス」のCMは多田と関口の仕事である。浅野の強烈な個性を目の当たりにした多田は、「いつか映画を作るならば主役に」との思いをずっと持ち続けていた。

・岸部一徳
岸部一徳が従来のイメージとは異なるコミカルな演技を見せる「富士通FMV」のCMは多田琢が企画している。今回さらにイメージを裏切る岸部一徳の怪演は、約3年続くこのCMシリーズでの信頼関係があってこそ生まれたものである。

・小泉今日子
実は関口が昔からの大ファンであったことがキャスティング後に判明。まだ関口が駆け出しのアシスタント・ディレクター時代に一緒に仕事をしたことをきちんと覚えていてくれて、常に冷静な関口が感激する一幕も。

・JAI WEST 津田寛治 森下能幸
バカバカしくも笑える会話を繰り返す3人組は多田・関口のCMの「面白さ」の担当者達である。「JR SNOW TRAING」でJAIは自分の車を燃やされてしまい、「サントリー BOSS」のボス電のCMで津田は左遷させられ続けるサラリーマンを、森下は劇中CMの「MONSTER RECORDS」で不思議な二重人格者を演じている。数々のCMに出演し、多田、関口の生み出す面白さを一番理解し、表現できるのがこの3人組なのである。

・VINNIE JONES
当初、多田の脚本で殺し屋は日本人になっていた。中々イメージ通りのキャスティングができず、長い長い打合わせが繰り返される中、ふいに多田から出てきた名前がVINNIE JONES。「スナッチ」はもちろん多田も関口も見ており、思いもしなかったキャスティングに盛り上がる2人。ただし相手はハリウッド映画にも出演するビッグネーム。だめもとで始まった話ではあったが、二人の作品集、多田の熱い思いを綴った手紙(実物添付)など、こちらの熱意をロンドンに送り続けたところ意外な好感触が得られた。すぐさまプロデューサーの谷口がロンドンに飛び交渉を重ねた結果、思いのほか順調にVINNIE JONESの出演が決定した。

・荒川良々
殺し屋役が日本人ではなく、VINNIE JONESに決まったことで「殺し屋の通訳」という新しい役が生まれた。もともと別役のキャスティング候補になっていた荒川良々に全員一致で白羽の矢が立つ。急遽多田も荒川を想定した脚本の書き直しを行なうことになる。脚本のチェックも兼ねたVINNIE JONESの代役とのテスト撮影の時点でスタッフは大爆笑。VINNIE&荒川というある意味この映画の不可思議さを象徴するキャスティングに2人は自信を深めることになる。

・三浦友和
病院のワンシーンのみの出演で印象的な演技を見せる三浦友和。指人形を使って話題となった「サントリー スーパーチューハイ」のCMは多田の企画である。今回の特別出演は多田たっての希望で実現した。


●美術
 美術は映画とCMを横断して活躍する山口修が担当。シチュエーションによって様々に変わる華麗でポップな世界を作りあげた。当初、石垣の家のセット以外は全てロケで行なうはずであったが、ロケハンを進め、関口監督の意見を聞いていく内にそのこだわりの世界をロケで表現することは不可能と判断。そのほとんどがセットになっていった。

 メイン舞台になる石垣家のセットは制作に1ヶ月をかけて作られた。石垣家の外観はロケハンに1年の歳月をかけたが、なかなか監督のイメージに近い所が見つからず、撮影直前にようやく見つかった河口湖にある廃屋を大幅に改修してなんとか撮影に間に合った。

 このようなセットの他にも、細かい装飾品などのディテールにも監督のこだわりが反映されており、それがこの映画の不思議な世界をさらに盛り上げている。


●衣裳
 登場人物達の個性あふれる衣裳を担当したのは、SMAPのスタイリングやCM界で活躍する宇都宮いく子。関口監督のイメージを最大限生かすために、衣裳のほとんどを自らの手で制作している。特に劇中で何度も変わる石垣の妻の衣裳に関しては、宇都宮の衣裳プランをもとに、ベースになる生地のことまで細かく打ち合わせを繰り返すことで、既存にはない不思議で美しい衣裳を作り上げた。

●音楽
全編バラエティ豊かな楽曲で溢れる「SURVIVE STYLE5+」の音楽を担当したのはCMや映画など様々な分野で活躍を続けるJAMES SHIMOJI。彼の統括の下、錚々たるアーティスト達がこのプロジェクトに集結した。ギター・窪田晴男、ベース・美久月千晴、ドラムス・そうる透、ビオラ・豊嶋泰嗣など日本を代表するミュージシャンのほか、VOCAL録音,TRACK DOWNの仕上げの大半が行われたLOS ANGELESでは、エンジニアにBarbara StreisandやBeach Boysを手掛けたJOEL STONER、コンダクティングは04年春に公開される映画『ピーターパン』でもソリストとして参加しているJON JOYCE。劇中のクリスマスナンバー「The First Noel」のリードヴォーカルには長年 Michael Jackson のツアーメンバーを務めたDarryl Phinnessee。また小林一家がヘッドバンキングする「GO!GO!GO!」と石垣家のクライマックスシーンで流れる「TOWARDS THE SUNRISE 」はRob Lauferが唄っている 。JAMES SHIMOJIはこう語る『未だかつてこれほど多彩な音楽の流れる日本映画はなかったと思います。 素晴らしい映像共々楽しんでいただけたら幸いです。』

 映画のエンディングで印象的に流れるCAKEの「I WILL SURVIVE」。この曲の起用には多田の強い思いが込められている。約4年前、あるアーティストから勧められたCAKEのアルバムに、この「I WILL SURVIVE」が入っていた。いつか映画を作る時にはこの曲をエンディングテーマにしようと思うほど、強く印象に残る曲であった。今回の映画のシノプシスを書いている最中にこのときの話を思い出した多田は、すぐプロデューサーの谷口に相談しこの曲の使用を決断する。「SURVIVE」という言葉も何故かこの映画のテーマをうまく説明してくれるものでもあり、悩んでいたタイトルのイメージもそこで決まった。この映画が生まれる大きなきっかけになったものが、この「I WILL SURVIVE」という曲なのである。

●劇中CM
 小泉今日子演じる、CMプランナー・洋子が思いつくCMの数々。4本のCMが劇中で流れるのだが、そのどれもが実際にON・AIRされてもおかしくないほどの手間をかけて作られている。プランナーはすべてもちろん多田琢。関口現も演出として参加しているが、「MONKEY RECORDS」のCMだけは演出に石井克人が参加。現在も富士通FMVのCMなどでコンビを組む過激な多田×石井ワールドがこの映画の中でも炸裂している。

●映像
 カメラマン・シグママコトが創りあげる華麗で凝った映像美はこの映画の見所の1つである。映画初挑戦のシグマがもっともこだわったのが、CMでいつも自分が創りあげる映像トーンを、どこまで映画のフィルムに再現できるかということだった。通常CMでは35mmのフィルムで撮影を行い、そこから「テレシネ」という、フィルムで撮影した素材をデジタルのテープに落とす作業を行なう。その後はそのデジタルテープを元にしてCMは完成される。このテレシネが映像のトーンや色彩を大胆に変えることができる作業であり、CMカメラマンの腕の見せ所にもなる。この課題をクリアするために取られた方法が、35mmフィルム撮影→HDテレシネ→HD編集→フィルムレコーディングというポストプロダクションの行程である。35mmで撮影した素材をハイビジョンサイズでテレシネすることでシグマが通常行なっている映像・色彩のトーン作りを自由に行う。その素材をもとに全ての編集を行い、最終的には欧米では主流になりつつある「フィルムレコーディング」、(デジタルテープをスキャニングしてフィルムに映像を焼き付ける作業)を行なうことでデジタルで創りあげた映像をフィルムに再現するという行程である。この方法を実現するために、CMの素材を使って何回かのテストが行なわれた。日本ではまだあまりなじみのないフィルムレコーディングの作業の候補地としてNY、韓国などのプロダクションも上がったが最終的には東京現像所で行なうことになった。全てのシーンの色彩を細かく調整するために、約1カ月かけてテレシネの作業を行い、フィルムレコーディングのテストも20回以上重ねてようやく思い通りの映像トーンを作りあげることができた。

●ポストプロダクション
 クランクアップから映画の完成までのポストプロダクションは編集作業4ヶ月、合成・CG作業2ヶ月、音の作業で1ヶ月、約7カ月もの時間がかかっている。

・合成・CG作業
この映画は決して特撮やCGが主役ではないのだが、関口監督の映像世界を完成させるために、特撮映画に匹敵する、合成編集とCGの技術が費やされている。合成・CGは全てオムニバス・ジャパンで行なわれ、映画「陰陽師」などをてがけている視覚効果の石井教雄が担当している。歩き話し出すG.I.人形。額縁の中を走る馬。石垣の妻から飛び出すロケットパンチなど映画の合間に出てくる数々のCGの細かい動き1つにしても関口監督の妥協のない指示がとんでいる。最も時間がかかっているのが、この映画に出てくるある重要なシーン。このシーンを実現するために何度も打合わせとテストが重ねられ、日本新記録と言われているスタント撮影も行なわれた。合成編集もHDインフェルノ(合成編集の最高機種)の編集室を延べ2ヶ月フル稼働。関ったスタッフも30名という特撮映画以上の時間と手間をかけて関口監督の求めるクオリティを実現させた。



●CM業界からの応援
 多田・関口の初めての映画に、CM業界から強力なメンバーが応援にかけつけてくれた。

・オープニングタイトル
今までの日本映画では見たことがないようなポップで美しいオープニングタイトルは、クリエイティブスタジオ「サムライ」を率いる佐藤可士和のデザイン。多田と佐藤は、SMAPのキャンペーンビジュアルの共同ディレクターなど数々のクリエイティブの場面でコンビを組んでいる。ディレクターに選ばれたのはCM、ビデオクリップなどで優れたCG、アニメーションを作り出す谷田一郎。佐藤のデザインイメージを見事なアニメーションで表現している。

・水中シーン

石垣と妻が水中で格闘するシーンのアートディレクションは、TUGBOATのアートディレクター川口清勝、撮影をグラフィック・CMで大活躍のM.HASUIが担当。当初、水中での格闘や撮影の難しさからスチール撮影を考えていたが、水中でうまれる細かい泡などのディテールにこだわった川口、HASUIのアイディアでDV-CAMのムービーカメラを使用。この選択が成功し、水中での激しくも美しい映像が完成した。

・振り付け
阿部寛が演じる、青山の催眠術ショーのシーンは、CM振り付け界随一のヒットメーカーの香瑠鼓が担当。香瑠鼓がブレイクするきっかけにもなったTV-CM「フジカラー写ルンです」「JRA」は多田が企画しており、CM同様に斬新かつエンタテイメントなダンスシーンを作り上げた。

・劇中写真
荒川良々演じる、片桐の事務所に飾ってある死体写真。この一部をCM、グラフィックで大人気の瀧本幹也が担当している。

・劇中CM
「MONSTER RECORDS」のCMを「鮫肌男と桃尻女」「PARTY7」などの映画でも知られる石井克人が担当している。

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