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嗤う伊右衛門
嗤う伊右衛門 公開終了
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◆プロダクション・ノート:―蜷川組撮影快調 ―

● 6月10日(火)
クランクイン。松竹京都映画オープンセット奥にあるお稲荷社前で御祓い。その後、まずは約1時間半に及ぶリハーサル。リハーサルでカメラの動きや役者の演技などを綿密に煮詰めていくのが蜷川流。「新人監督の蜷川です。よろしく!」先週のオールスタッフ顔合わせで監督はそう挨拶していたが、しっかりと映画監督しての自らのスタイルを身につけている。

●6月11日(水)
撮影も午後に差し掛かった頃、蜷川監督がバッグから原作の文庫本を取り出した。ページには何行も蛍光ペンでラインが引いてある。「描写にリズムがある。すばらしい。ただ、この通りにすると嘘が出るしカメラがもたない。映像でどう表現するかなんだよな」。撮影が終わるまで、原作は台本のそばにずっと置いてあった。

●6月19日(木)
エキストラ20人を使ってのカット。繰り返し全体の動きを決めていくが何度やってもぎこちない。ついに監督が爆発。「何やってんだ! 頭で考えてないで自主トレしろ!」途端に長屋の人々があたふたと動き出す。「なぜ、蜷川さんの芝居の稽古時間が短いのか? それは、開始が2時でもみんな朝からやってきて自主トレするからなんです。そうしておかないとああなる(怒る)のがみんな分かってるから」と耳打ちしてくれたのは監督事務の小笠原さん。しかし、緊張に包まれた現場の空気を和らげてくれたのもやはり監督。メイキングカメラに「怒ってるとこばかりじゃなく、誉めてるとこも撮っておいてよ。恐い現場だと思われちゃう」。

●6月23日(月)
小雪さんの特殊メイクはアメリカ製のゴムで作った黒いあばたをボンドのようなもので肌に貼り付け、右目にやはりアメリカ製の“ホワイトアウト”というコンタクトを装着する。付けるゴムは一旦装着したら撮影が終わるまではずせない。「汗はそんなにかかないんですけど、ゴムをつけた皮膚がかゆくなるときがある。でも、直接触れないのでペン先や指でちょっと押したりしてごまかす。(笑)」と小雪さん。コンタクトも目がひどく乾燥するらしく、朝から撮影の日は夕方になるとかなりつらそうだ。何度も目頭を押さえていた。

●6月25日(水)
S#16、伊右衛門と岩の初夜。“官能”をどう伝えるか。あえて1カットで緊張感を持たせたいという監督の意向により、蚊帳越し、俯瞰での1カット撮影と決まる。本番は1テイクでOK。約3分ほどのシーンとなる。伊右衛門と岩の高まる思いが息詰まるように伝わってくる。

●7月14日(月)
S#44、夜釣りをする伊右衛門を岩が襲うシーン。唐沢さんと小雪さんのリハーサルを見た監督、顔がいつになく険しくなった。「すぐに本番行こう!」ふたりの演技に刺激され、すぐにでも演出し、撮影したい気分になったのだろう。「伊右衛門さま、恨めしや」。岩がつぶやく「恨めしや」は「愛してる」にしか聞こえない。岩の切なさが込み上げてくる。「怖いはずのシーンがラブ・シーンになるとは僕も予想していなかった」。撮影後、満ち足りた表情で監督はスタジオを後にした。

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