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菅田将暉、舘ひろし、山崎貴監督が映画に込めた「想い」を語る
「アルキメデスの大戦」大ヒット御礼舞台挨拶

2019年08月05日

「アルキメデスの大戦」大ヒット御礼舞台挨拶

<左から、山崎貴監督、菅田将暉さん、舘ひろしさん>


山崎貴監督がVFXを用いて、漫画家・三田紀房さんの「アルキメデスの大戦」(講談社「ヤングマガジン」連載)を実写化した、歴史エンターテインメント作品「アルキメデスの大戦」が、7月26日より公開となりました。第二次世界大戦前の帝国海軍で繰り広げられる「戦艦大和」建造を巡る知略・謀略、そして数学を駆使した頭脳戦を描きます。
8月5日、TOHO シネマズ 日比谷にて大ヒット御礼舞台挨拶を実施。主演の菅田将暉さん、舘ひろしさん、山崎貴監督が登壇し、終戦記念日が近づく中、映画のテーマである「戦艦大和」「戦争」、そして「平和」について作品に込めた想いを語りました。また、お客様からの質問に答えるティーチインも特別に実施しました。こちらのイベントの模様を詳しくレポートします。
※上映後のお客様を前にした舞台挨拶の為、ネタバレに該当する部分がございます。ご注意ください。


菅田将暉さん(海軍主計少佐・櫂直役)

今日はお越しいただきまして、そして映画を観てくださいましてありがとうございます。
舘 ひろしさん(海軍少将・山本五十六役)

今回は憧れの山本五十六役をやらせてもらいました。本当に感謝しています。ありがとうございます。
山崎 貴監督

暑い中、たくさんの方にお越しいただいて感無量です。楽しんでいただけたでしょうか?(会場:拍手) ありがとうございます!

菅田さん:
(お客さんに)尋ねると大概拍手してくださいますよね。でも、この拍手は本物だと思います。


MC:本作は7月26日より公開(航海)されまして、本日、観客動員数70万人を突破し、興行収入20億円に向けて順調に"航行"中です! おめでとうございます! すでに二度以上鑑賞されている方もいらっしゃるようです。

菅田さん:
(二回以上観たという方の挙手の多さに驚いて)えっ、二回以上ですか?

山崎監督:
ありがとうございます。

菅田さん:
「三回観たよ」という人は? じゃ「四回観たよ」という人は? (恐る恐る)「五回観たよ」という人は? (挙手したお客さまも)

舘さん:
暇ですねー。(会場:笑)

菅田さん:
(舘さんに向かって)せっかく観てくださっているんですから、「暇」とか言ったらダメですよ~。

舘さん:
(菅田さんからのダメだしを受け)お金持ちですね~。(会場:笑)

菅田さん:
(大笑い) 嬉しいですね。

MC:SNSやレビューで絶賛されています。皆さんにも何か反響はありましたか?

山崎監督:
おかげさまで皆さんに褒めていただいています。いつもは、僕の映画が好きではないタイプの人も本作は褒めてくれるので、戸惑っています。エゴサーチの反応もいいですね。だから、不思議な感覚です。

菅田さん:
嬉しい感想ばかりです。僕の過去の作品も結構観てくれている、映画を年間300本くらい観る友だちに、(本作で)初めて褒められました。すごく嬉しかったです!

山崎監督:
映画ファンにも届いているようで嬉しいです。

舘さん:
僕も友だちから「お前、芝居が上手くなったな」と言われました。菅田くんに引っ張られ、山崎監督に演出されたおかげだと感謝しております。

菅田さん:
舘さんが、そんなことを言われることがあるんですね!

舘さん:
僕ね、「芝居が上手い」とは言われたことが一度もないんですよ。本当に!

菅田さん:
そんなことはないでしょう。でも、友だちは素直ですからね。友だちの言葉は嬉しいですよね。

舘さん:
嬉しいです!

MC:今年で戦後74年を迎えます。もうすぐ終戦記念日(8月15日)ですし、明日(8月6日)は広島に原爆が投下された日です。本作は太平洋戦争直前の海軍を舞台にした映画ということで、戦争にまつわる"記憶"などをお話いただければと思います。

菅田さん:
"記憶"ですか。僕は戦争の体験はないんですが、修学旅行で広島や沖縄を訪れたことが僕の最初の"記憶"です。その後、図書館で「はだしのゲン」を読んで、夏休み中の登校日に、みんなで「火垂るの墓」を観ました。それから戦争体験者の方のお話を聞いたことがあります。

MC:菅田さんは、広島県呉市にある「大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)」に行かれていますが、資料をご覧になったのでしょうか。

菅田さん:
はい。話を聞くだけではなく、実際のモノを見るとより現実味が増しました。大砲の火薬、戦艦大和に乗っていた方が履いていた靴、それからお母さんへの気持ちが書いてある手紙は、一番立ち止まって見てしまいましたね。一文字一文字に向き合って書いている感じが伝わってきました。

舘さん:
私は、太平洋戦争の時代の本を読むのが好きなんですね。というのは、この太平洋戦争はその頃の日本のエリートが集まって、アメリカと戦争しようと本気で考えて、失敗しました。この戦争は日本の失敗の宝庫なんだと思います。ですから、総括して勉強することで、日本の未来が見えてくる気がします。東京大空襲や、広島・長崎への原爆投下がありましたが、そこから復活していった日本人って"本当に素晴らしい!"と、思うのと同時に"この国を守る!"ということが、どれほど大切なことかを感じました。

山崎監督:
僕の母親は、満州からの引揚者なので「大変だった」という話を聞いて育ちました。直接の戦争体験としては、(ご自身が)子どもの頃に聞いたので強烈でした。菅田くんが先ほど話したように「ここまで悲惨なことが起きたのか」と、子ども心に深く刻まれました。僕の子どもの頃は戦争を題材にした漫画が結構ありましたから、そこから受けた印象も残っています。漫画「紫電改(しでんかい)のタカ」(ちばてつや著)は、途中までは面白い漫画なんですが、主人公たちが特攻隊員として出撃するんです。僕は子どもの頃に読んだので「こんな選択を迫られていたのか」と深く心に刺さりました。

MC:山崎監督は「なぜ日本が戦争に向かっていったのか」を考えるきっかけになれば良いとおっしゃっていましたが、込めた想いはそういうところからでしょうか。

山崎監督:
そうですね。どうしても、本作は日本人が戦争について考えるきっかけが多い夏のこの時期に公開したかったです。そのために去年の夏の暑い時期に撮影をしました。

菅田さん:
今年も暑くなりそうですね~。

山崎監督:
本当に。でも、"戦争を感じながら夏に撮りたい"と思っていたので、スタッフも大変でしたが、役者の皆さんには無理を言いました。

菅田さん:
でも、あの暑さによって生まれた必死さが良かったのかもしれないです!

山崎監督:
逆に、ああいう中で撮ることで迫ってくるものがあったのかもしれないです。皆さんが頑張ってくれました。

MC:菅田さんも「今撮るべき」だとおっしゃっていました。

菅田さん:
過去のことを描く映画や漫画で、ライトに描くものであっても、作品のバックボーンとしてどこかに"戦争"というテーマがあります。毎回、そういった作品に接する度に新たな情報を知り、勉強をします。いろいろなインタビューでも話をしましたが、僕くらいの年齢は、時代が変わっていく中で育ち、情報があり過ぎるので、情報の取捨選択をしないといけない。こういう時代に、僕は俳優という仕事をしているので、より戦争について知る機会があるので知れて良かったなと思うし、知っておくべきだと思っています。今年は戦後74年、もう10年も20年もすれば、当時のことを知る人とお話ができる機会もなくなってしまいます。本作出演のタイミングとしては、僕らがツール(手段、方法)となって少しでも多くの人が「戦争を知るきっかけになればいいな」と思いました。そういう話を山崎さんともしました。

MC:舘さん、本作は史実に基づいたフィクションではありますが、山本五十六さんなど実在した方々を知ってもらう機会になりますね。

舘さん:
その当時、日本全体が戦争に向かっていく流れがありました。それでも海軍の中で、米内光政(よない みつまさ)、山本五十六(やまもと いそろく)、井上成美(いのうえ しげよし)の三人は、戦争に反対しました。けれども日本は、最終的には戦艦大和を造り、戦争に向かっていきます。だから僕は、(映画の)菅田くんの最後のカットで見せる"涙"にはすごく意味があると思っています。「常識だけでは物事の悪い流れを止めることはできない」と、あの涙が象徴している気がして、僕はあのシーンが大好きです。

MC:映画のクライマックスで、(田中泯さん演じる)海軍造船中将・平山忠道が、(菅田さん演じる)櫂に「戦艦大和をなぜ造るのか」を語るシーンは、絶賛されています。あのシーンには、どのような狙いがあったのでしょうか。

山崎監督:
個人では止めることが難しい時代のうねりの中で「人はどのように翻弄されていくのか」ということを表現したかったシーンです。でも、現代の世界にも似ているニオイがある気がしています。そこに気づいてもらえれば良いなと思っています。国全体がある方向に向かい始めた時に、力が強大過ぎて、阻止しようにも止められないという思いを伝えられたらと考えました。

MC:原作自体はまだ完結していません。脚本を読まれた菅田さんと舘さんは、完成作を観て、映画のクライマックスをどのように思われたのでしょうか。

菅田さん:
原作の漫画を読んでいるので、こういう時の「どうまとめるか」みたいなところが、良くもあり嫌なところでもありますよね。海軍を含めて日本が、今まで戦いに勝ってきた上での培ってきたやり方がある。そんな中、櫂のように新しい風をなんとなく感じていて、そこを理屈として捉えている人間もいる。先ほど山崎さんが話していた通り、"大きなモノ"と"個人"との闘いは今も変わらない部分がたくさんあると思います。僕は櫂目線で作品を読みますが、「戦争が起きた」「戦艦大和は造られた」という史実は変えられないことです。よく考えると、映画のポスターにあるキャッチフレーズの「戦争を数学で止める」は矛盾しています。「戦争を止められていないから、どうやって向かうのだろう」というのが、この映画のエンターテインメントとしての面白さだと思います。そこをどうするのかをずっと考えていて、現場で監督とたくさん話をしました。櫂は平山造船中将と話した時に「(平山中将は)自分の見ている景色を理解してくれている」上で、「さらにその奥の景色を(平山中将から)伝えられた時」に納得せざるを得なかった。映画の中の話として「日本は一度ちゃんと負けないといけない」というところで腑に落ちました。その奥にはちらっと「完成した戦艦大和が見たい」と思う気持ちや、「自分の能力を発揮できることへの欲」があります。その結果、自分の愛する人や日本が傷つくことを止められない。白でも黒でもないグレーな落としどころのまま発進する切なさが個人的には「そうだよなぁ」と感じていました。

舘さん:
最後の菅田くんの"涙"が、あのワンカットでこの映画全体を表現している気がします。本当に素晴らしいカットだと思います。もちろん戦争はしちゃいけないけれど、それと同時に国を守るということも考えさせられる涙でした。

会場のお客さんからの質問コーナー

Q:平山中将の金額の話とかは「ずるい」と思いました。皆さんは子どもの頃に"大人って汚いなあと思ったエピソード"はありますか?

舘さん:
僕はあります! 

菅田さん:
ありそ~(笑)!

舘さん:
小学生のころですが、親父がクリスマスに「機関車の模型を買ってくれる」と言っていたんです。でも、当日になっておふくろが突然「ダメだ」と言って、買ってくれませんでした。

菅田さん:
なんで「ダメ」だったんですか?

舘さん:
分からないです。

菅田さん:
僕も同じことがありました。日韓ワールドカップ(2002 FIFAワールドカップ)の大会公式試合球がAdidasの金色のフィーバーノヴァでした。そのレプリカがほしくて、ちゃんと絵も描いてサンタさんにお願いしました。ボールはもらえたんですが、ランクが一番下のやつだったんです。

舘さん:
それでも、もらえればいいじゃない。僕はゼロだから!

菅田さん:
嬉しいんですけど、子どもにとってそこは大事なんですよ。

山崎監督:
僕も、突然親が「プラモデルを買ってあげる」と言ったので喜んでいたら、「エイプリルフールだよ!」と言われました。子どもにまさかのエイプリルフール! 小学校に入る前の頃だったのでギャン泣きしました。そしたら親が気の毒に思ったのかその日の夜プラモデルを買ってきてくれました。

菅田さん:
おっ!

山崎監督:
それが「ウルトラマン」の地球を守っているチーム(ウルトラ警備隊)の飛行機だったんですが、カッコいいのは一号機、二号機なのに、売れ残っていたのか、四号機を買ってきて(笑)。

舘さん:
それでも、監督は買ってもらえたのでしょう? 僕はゼロですからね。

山崎監督:
えっ、クリスマスに何ももらえなかったんですか?

舘さん:
はい...。何ももらえなかったです。

Q:数式を黒板に書くシーンでは、数式をどうやって覚えたのですか?

菅田さん:
覚え方は...記憶って、聴覚・嗅覚・触覚とかいろんな感覚を使うと覚えられるらしいんです。僕はお菓子を食べながら、音楽をかけて、体を動かしながら、ずっと書いて覚えました。

山崎監督:
身体を動かしながら?

菅田さん:
こうやって...。(身体を動かして再現すると会場から笑いが起きる)

山崎監督:
大変だったね(笑)。

菅田さん:
大変でした。それと、さすがにちゃんと数学の授業を受けました。数式の意味を理解したら一気に頭に入りました。そのおかげで、この間、撮影現場に夏休みの宿題を子役の子が持ち込んでいたので算数を教えてあげることができました。

山崎監督:
算数の先生になったの?

菅田さん:
小学校三年生に算数を教えられました! 良かった!

MC:数学の先生になりたかったそうですね。

菅田さん:
そうですね、当時は思っていました。

山崎監督:
ちょっとだけ夢を叶えたね。

菅田さん:
はい、ちょっとだけ夢を叶えました。

MC:次は、先ほど五回以上観たとおっしゃっていた...。

菅田さん:
五回以上観てくれたんですか?

お客さん:
10回です!

菅田さん:
舘さん、10回観てくれたんですって!

舘さん:
暇だね~(笑)。(会場:笑)

菅田さん:
(舘さんの言葉に食い気味に)だから、それは「ダメ」ですって!(会場:笑)

舘さん:
お金持ちの方ですね。

菅田さん:
だいぶお時間はあるようですね~。(会場:笑)

Q:櫂直は測るのが好きですが、菅田さんは、舘さんの測りたいところはどこですか?

菅田さん:
(7月26日の初日舞台挨拶の時に同じ質問を受けて)それは「舘さんの鼻」って答えました。

舘さん:
「僕の鼻を測りたい」ってやめてほしいですけどね。

菅田さん:
舘さんの鼻を間近で見たことないでしょう? すごく良い鼻なんですよ!!

お客さん:
はい、見たいです!

菅田さん:
それはダメです!(会場:笑)

MC:最後に公式Twitterでも質問を募集しておりましたので、投稿の多かった質問に答えていただきましょう。

Q:山崎監督、もう一度菅田将暉さんとタッグを組みたいですか?

山崎監督:
(笑)。

菅田さん:
ここは大事なところです。NGではないことを祈ります。

山崎監督:
責任重大ですね。答えたらやらないといけないよね。

菅田さん:
ありますよね~、こういう時って。「やりましょう!」

山崎監督:
「やりましょう!」

菅田さん:
(笑)。よろしくお願いします!

山崎監督:
やりたい気持ちはあります。(菅田さんは)本当に素晴らしかった。すごく役者魂を感じましたし、ぜひまた機会があれば...あ、「機会があれば」って嘘くさいよね(笑)。

菅田さん:
(笑)。ちょっと...そうですね。

山崎監督:
またやっていただけるのであれば!

菅田さん:
こちらこそです! よろしくお願いします。

舘さん:
監督、ついでと言っては何ですが、私もお願いします。

山崎監督:
はい!

菅田さん:
二人セットでお願いします。(会場:拍手)

山崎監督:
はい!

MC:最後に代表して菅田将暉さんからご挨拶をいただきます。

菅田さん:
今日はお越しいただきありがとうございました。本当に観てくださり、光栄です。なんと十回以上観てくださった方もいましたが、ちょっとずつ作品が愛されていけば幸いです。友達に聞いたりSNSでよく見かけるのが「おやじに連れて行かれて観たら、思いのほか感動した」、「おじいちゃんと一緒に行ったら良かった」という感想です。全国のおじいちゃんおばあちゃん、親御さん方も、キッズを連れて映画館に行っていただきたいです。日本人の心に残る作品になると信じています。「アルキメデスの大戦」をよろしくお願いします。

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