Movie Movie

Return Page

中井貴一が"記憶に残る"所信表明演説を実施!
「記憶にございません!」レッドカーペットイベント&完成披露試写会

2019年08月19日

「記憶にございません!」レッドカーペットイベント&完成披露試写会

<後列左から、斉藤由貴さん、木村佳乃さん、吉田羊さん、三谷幸喜監督、
前列左から、佐藤浩市さん、石田ゆり子さん、中井貴一さん、ディーン・フジオカさん、草刈正雄さん>


三谷幸喜監督・脚本の八作目となる、シチュエーション・コメディ作品「記憶にございません!」は9月13日より公開となります。「もしも自分が総理大臣になったら?」という空想から生まれたオリジナルの物語で、三谷監督のもとに豪華キャストが集結しました。
8月19日に本作の完成披露イベントをTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて実施。主演の中井貴一さん、ディーン・フジオカさん、石田ゆり子さん、草刈正雄さん、佐藤浩市さん、斉藤由貴さん、木村佳乃さん、吉田羊さん、三谷幸喜監督が揃って出席した豪華なレッドカーペットセレモニーと舞台挨拶を開催しました。総理大臣を演じた中井さんは、堂々と"記憶に残る"所信表明演説を行って晴れの日を祝いました。こちらのイベントの様子を詳しくレポートします。


【「記憶にございません!」レッドカーペットイベント】

豪華キャストの皆さんが六本木ヒルズ正面階段前に敷かれたレッドカーペットに登場。

フォトセッションの後に、主人公の黒田総理大臣を演じた中井貴一さんが、劇中で使用されたものと同じ演説台で"所信表明演説"を行いました。

中井貴一さん(総理大臣・黒田啓介役)
えー、「所信表明演説をするように」と言われまして、こちらに台本がございます。しかしながら私も老眼が始まりまして「字が小さすぎて読めない!」(苦笑)。でも、私は国民の皆さんに問いたい。なぜ国民は映画館に足を運ぶのでしょうか。それは、映画館でしか味わえない大きなスクリーン、暗い空間でのジュースやポップコーン、それらの楽しみもあるでしょう。しかし、一番大事なことは、「映画館という一つの大きなスクリーン、一つの作品に向かって何百人という人がその一つの作品を観ること」この醍醐味にあると思います。我々が今回作りました映画「記憶にございません!」はコメディでございます。「コメディというのは、お客さんに笑っていただいて初めて完成するものだ」と、かの偉大な監督であった三谷幸...あっ、ごめんなさい。(会場:笑) まだ、(三谷監督は)ご健在でこちらにおりました(笑)。皆さまの笑いによって、この映画を完成させていただきたいと思います。我々、出演者は9月13日の公開に向けて、多くの皆さまの目と笑いでこの映画を完成できるように努力をしてまいる所存でございます。ぜひ、お力添えをいただきたく願います。ご清聴、ありがとうございました。(会場:拍手)

【「記憶にございません!」舞台挨拶】

中井貴一さん(総理大臣・黒田啓介役)

本日はようこそお越しくださいました。一年前に猛暑の中、撮影をしておりました。今年は長梅雨でしたが気温があまり上がらなかったので「今年だったら楽だったろうなぁ」と思いながら六月、七月を過ごしておりました。撮影は、冷房のない建物で、その中では水が飲めないという過酷な環境でした。ですが、完成した作品にはその過酷さは一切映っていないと思います! この作品は政界の話ですが、政治のことは何一つ分からなくても結構です。たぶん面白い作品になっていると思いますので、最後までごゆっくりお楽しみください。
ディーン・フジオカさん(首相秘書官・井坂役)

(撮影の時は)とにかく暑かった思い出がありますが、その熱気が(お客様に)伝わったらいいなと思います。三谷監督曰く「毎分一回笑える作品」とのことですが、僕もそう思います。127分で127回笑える傑作コメディです。最後まで楽しんでください。
石田ゆり子さん(総理夫人・黒田聡子役)

「訳ありの総理夫人(とMCに紹介されて)」ですけれども、ドロドロした場面は一切なくて、大変平和な空気が流れています。私は「三谷さんの映画に出演したい」と思っていましたが、なかなか(三谷監督から)声をかけてもらえませんでした。今回は、初めての三谷映画に参加できて、とても幸せです。政治の話ですが、普遍的な心温まるウェルメイド(うまく作られた)な物語です。皆さん、楽しんでください。
草刈正雄さん(官房長官・鶴丸大悟役)

僕はこういった映画の舞台挨拶は数え切れないほどやっていますが、皆さんから「早く観たい」という思いがビシビシ伝わってくるのは、ありがたいことです。今日は三谷幸喜ワールドを存分に楽しんでください。
佐藤浩市さん(フリーライター・古郡祐役)

謎のフリーライターです。この映画の中で、「皆さんをかきまわす役ができたら良いな」と思いました。毎回、三谷さんから「出る?」と言われて、楽しくいろいろな役を演じています。今回も楽しい映画になっているので、皆さん楽しんでください。
斉藤由貴さん(官邸料理人・寿賀さん役)

他の皆さんには(役名に)姓名がありますが、私は「寿賀さん」だけです。でも、それが「ザ・」という感じがして...あっ、「井坂さん」も...?

フジオカさん:
そうですね!

斉藤さん:
すごく適当なことを言ってしまい申し訳ありません。三谷さんの作品に、最初に出させてもらったのは24年前の舞台「君となら〜Nobody Else But You」(1995年、1997年上演)でした。それから私は舞台ばかりで、映画には初めて出させてもらいました。三谷さんの作品でしか現れない、私の中のコミカルな面があるので、自分にはコメディエンヌとしての素養があると思っています。(コメディエンヌな一面を)今回は出せたような気がして、参加できたこと、それを再認識できたことがとにかく嬉しかったです。そして、素晴らしい皆さんと演技ができたことが楽しかったです。

木村佳乃さん(米国初の日系女性大統領スーザン・セントジェームス・ナリカワ役)

私が大統領役っていうのは申し訳なく、恐縮でございます。本当に無理があると思いましたが、三谷さんの映画に出たい一心で(大統領役を)引き受けてしまいました(笑)。とにかく緊張しました。「英語は話せる?」と聞かれて、「中学生程度なら」とお答えしました。私がアメリカに住んでいたのは中学校の三年間だけですので、私の通訳を演じてくれた宮澤エマさん(ジェット・和田役)に助けてもらいました。(中井)貴一さんとやりとりをする英語での長い演説のシーンも難しくて、こんなに台詞の練習をしたのは久しぶりでした。参加できて良かったです。
吉田 羊さん(野党第二党党首・山西あかね役)

私は三谷さんと出会って十年になります。その時に、出会わせてくれたのが中井貴一さんでした。私にとって一生足を向けて寝られないお二人と、今回ご一緒できたこの作品は、本当に宝物です。
三谷幸喜監督

今日はディーンさんのお誕生日です。(会場:大きな拍手)

フジオカさん:
ありがとうございます。

三谷監督:
先ほど、裏でお祝いをしました。ちょうど去年の今頃も撮影中だったので、「そういえば去年もディーンさんの誕生日を祝ったな」みたいに思いました。

フジオカさん:
すみません!

三谷監督:
うまいことやりやがったな(笑)!

フジオカさん:
本当ですよね(笑)。バッチリのタイミングですみません。

三谷監督:
先ほどディーンさんが「毎分一回笑える」とおっしゃっていましたが、以前ディーンさんが取材で「この映画は五分に一回笑えます」と話してくださっていました。でも、私が「五分に一度では少ないのでは?」と、お伝えしたところ、「一分に一度」となりました。

フジオカさん:
失礼しました。

三谷監督:
映画は127分あるのですが、最後の3分ぐらいはエンドロールです。そこには笑いどころはないです。ですから、124回笑えて...、大爆笑もなくはないですが、クスクスと笑えるそんな作品になっていると思います。映画は八本目ですが、「何のために映画を作るのか?」という自問をした時に、「僕は役者さんが大好き」なのだと思いました。今回も本当に素晴らしい役者さんが集まってくださったので、この方々が一番輝く映画を作ろうと思いました。ここにいらっしゃる皆さんと、今日はお見えになっていないですが、小池栄子さんやジャルジャルの後藤さん、田中圭さん、ずんの飯尾さんに至るまで、皆さんが良い表情、いい芝居をしていますので、楽しんでください。


MC:まずは中井さん、先ほどは所信表明演説をありがとうございました。

中井さん:
あれで良かったのかどうかは分かりませんが、やらせていただきました。

MC:先ほど、映画館の前の大階段に赤い絨毯を敷いて、レッドカーペットセレモニーを行いました。そこで、こちらが用意した原稿の「文字が小さい」というハプニングがあったにもかかわらず、中井さんは前を見据えて情熱的でありユーモアを交え、さらに三谷監督をいじる素晴らしいスピーチをしていただきました。ぜひ明日の情報番組などでご確認いただければと存じます。中井さん、改めまして記憶を失う前と後という、かなり振り幅がある役柄でしたが、どのような役作りをされたのでしょうか。

中井さん:
まずは、「僕たちがコメディをやらないこと」が条件です。皆さんはこれから作品をご覧になるので、あまり詳しいことはお話できませんが、「黒田総理は生まれ変わったわけではない」ので、それを念頭に置いてお芝居をしました。

MC:コメディ映画でコメディをやらないというのはどういうことでしょう?

中井さん:
コメディ映画で、役者がコメディをやってしまうほど失礼な話はないんです。三谷幸喜の脚本は、役者がコメディをやらなくても面白くなるように出来ているんです。

MC:予告編映像をご覧になられた方もいると思いますが、普段の中井さんからはとても想像ができない、かなりの悪態で、罵声やののしりをされています。

中井さん:
あちらは本来の僕です!(会場:笑) だから出しやすいというか...。

佐藤さん:
そうですよ~! (会場:笑)

中井さん:
とてもやりやすく、やらせてもらいました。

MC:三谷監督はどのような演出をされたのでしょうか。

三谷監督:
中井さんは本当に怖い方なので...。(会場:笑) 撮影が始まる直前だったと思うのですが、中井さんが僕のところに来て「妥協はしないでくれ。何回も繰り返して演じるから、(当時の中井さんを再現するかのようにすごみをきかせながら)妥協はするんじゃねーぞ」と、おっしゃいましたよね?

中井さん:
そんな言い方はしていません!

三谷監督:
それを肝に銘じてやらせてもらいました。

MC:昔の部活動のような「水を飲まない」というのも本当の話ですか?

中井さん:
あの...水分をとると汗になりますよね。だから、熱中症にならない程度に、ほどよく水分補給をしたり、うがいをしたりして潤していました。

三谷監督:
僕は中井さんに伺いたいです! 中井さんはいつも「コメディは笑わせようと思って演じてはいけない」とおっしゃっていますよね。僕も本当にその通りだと思っています。ただ、その割には面白い顔をよくされますよね(笑)?

中井さん:
(笑)。それは違います! 台本にそった顔をしているだけです。

三谷監督:
中井さんは本当に面白い顔をしているので、楽しみにしてください!

MC:ディーン・フジオカさんは初めての"三谷組"でしたが、三谷監督は「ディーンさんでコメディをやりたい」とおっしゃっていたそうです。

フジオカさん:
本当に光栄でした。一年前に過ごした三谷監督、中井貴一さんを先頭にした撮影の日々は、自分にとって贅沢であり貴重な経験でした。

MC:三谷監督、ディーンさんはいかがでしたか?

三谷監督:
ディーンさんは面白いです。まずは"ディーン"という名前が面白い。(会場:笑) 皆さんの名前が並ぶ時に、一人だけ"ディーン"って名字ではなく名前で出ていますからね。

フジオカさん:
あの...そこの壁ですよね(笑)。

三谷監督:
それだけで面白いですからね。僕は、初めての俳優さんとやった時は、「またこの人とやりたい」とか「またこの人と映画を作りたい」と思うかどうかが、「僕にとっての良い俳優かそうでないかの判断基準」になります。ディーンさんはもう一回やってみたいとすごく思いました。

フジオカさん:
(喜びながら)今、ドキドキしました。(会場:拍手)

三谷監督:
最初は、どちらか分からなかったのですが、撮影の後半に「面白さ」というか、「子犬のような目」に"これだな"と感じました。本作ではそれを描き切れていないと思うので、次の作品の時にそれは反映すると思います。

フジオカさん:
ありがとうございます。

三谷監督:
(次回作は)何年かかるか、分からないですよ!

フジオカさん:
ぜひ!

MC:石田さんは三谷監督に「私にはコメディエンヌの才能があります」と直談判をされたとの情報があるのですが。

石田さん:
...そうなんですか、ね? 正直に言いますとあまり覚えていないです。

三谷監督:
僕はしっかりと覚えていますよ!

石田さん:
そうなんですか? 三谷さんは厳しい方なので、そもそも「力のない人は使ってもらえない」と思っていました。私が(作品に)呼んでもらえないのは、そこに及ばないからだと思いまして、このまま黙っていたら絶対に呼んでもらえないと思ったので、三谷さんに「私は割と面白いですよ」とか「面白いことができますよ」と言った記憶があります。

三谷監督:
そういうアピールをする人は、大抵面白くないです。(会場:笑) でも、石田さんの場合は本当に面白いんです。仕事以外でもお会いすることがあって、彼女のコメディエンヌとしての面白さを知っていたもんですから、いつか作品で皆さんに見せられたらと思っていました。今回は、そこまで見せることができませんでしたけれど、次はそれも取り入れたいです。

石田さん:
はい、はい。今回は...ダメでしたか...?

三谷監督:
そうだ。彼女がすごく繊細な方だということを忘れておりました。(会場:笑) 今回の石田さんは、もちろん素晴らしかったです! (会場に)ぜひ、楽しみにしてください。

石田さん:
ありがとうございます。

MC:実際の撮影はどのような思いで臨まれたのでしょうか。

石田さん:
舞台では二本ほど(「12人の優しい日本人」2005年・2006年上演、「国民の映画」2011年上演)ご一緒していたので、三谷さんの厳しさはよく分かっていました。とにかく本番の回数が一回とか二回とか少ないんです。そこに合うように自分をベストな状態に持っていくことが私にとっての試練でした。でも、それも本当に幸せな時間でした。

三谷監督:
今回、石田さんの最初の撮影の日が大変な日でしたからね。フラメンコを踊るという...。(会場:笑)

石田さん:
そうでした。フラメンコのシーンがありまして、その日が撮影の初日でした。

MC:草刈さんは、三谷監督作品では大河ドラマ「真田丸」(2016年NHK総合)の真田昌幸役をなさいましたが、今回は邪悪な官房長官役でした。

草刈さん:
ありがとうございます。演じるのが楽しくて仕方ありませんでした。国会で水鉄砲をぶっ放すシーンがありますが、それは(役ではなく)"素の自分"でやっています。そういうところが三谷さんの映画にはあります。先ほど貴一さんの話にもありましたように、俳優が無理することがないんです。だから、「台本読んで素直に感じたことをやればいい」と、貴一さんと同じように思っています。それはなかなかあることではないので、役者にとって楽しいもので、それが作品に出ていると思います。こちらにいる役者の皆さんが「本当に楽しい」という顔をしていると思います。

三谷監督:
僕らにとって草刈さんはヒーローです。「復活の日」(1980年公開/深作欣二監督)を観て、僕らはこの世界を目指しましたからね。(キャスト陣に同意を求めるように)ね?

中井さん&佐藤さん:
本当にそうです! そうです。

三谷監督:
"二枚目"といえば、"草刈さん"なんです。その草刈さんとお仕事できるのは本当に楽しかったです。僕が、草刈さんと初めてご一緒したのは舞台(「君となら〜Nobody Else But You」2014年上演)でした。本当に面白かったです。その時に「(草刈さんの)この面白さはもっと世間に伝えないといけない」と、それが僕の使命だと感じました。それで、この作品に出ていただいた次第です。

MC:佐藤さん、中井さんとのシーンは長回しが多かったそうですね。

佐藤さん:
三谷さんには何本か呼んでもらっていますが、撮影を早く終わらせたいのか、大体ワンシーン、ワンカットなんです。それで、長回しになります。中井さんとの五、六ページあるシーンを「ワンシーン、ワンカットでやるよ」と言われて、「あ!」と思いながらも内心ウキウキもしました。なおかつ、同世代なので、一緒に芝居をできる嬉しさみたいなものがあります。それは単純に信頼とか信用だけではなくて、言葉では言い表せない不思議な感覚です。台詞のキャッチボールがすごく楽しくて、中井さんも同じだったと思っています。今、僕はそのシーンの期待のハードルを上げていますが、僕はすごく面白かったです。

三谷監督:
いえ、あれは「日本の映画史に残るシーン」です。

佐藤さん:
だからハードルを上げないでくれ!(会場:笑)

三谷監督:
いいおっさんが二人でイチャついているみたいで、楽しいんです。二人がバーで出会うシーンなんですが、楽しみにしていただきたいです。その撮影中、僕は「カメラを止めずに二、三時間でもカメラを回し続けろ!」と思うほどいい感じのシーンでした。

中井さん:
ある意味で「おっさんずラブ」を、この映画の中で楽しめます。そんなところが...ありますかね(笑)?

三谷監督:
え、ちょっとその...エロチックなのは一切ないです。あと、佐藤さんはもう一つ、素晴らしいシーンがあるんです。女装をするところがあるんですが、あんなに嬉しそうな佐藤さんを初めて見ました。(会場:笑)

佐藤さん:
女装シーンですけれど、寄りのアップはありません(笑)!

三谷監督:
ものすごく入念にメイクをしていたのに!

佐藤さん:
遠目で見れば誰だかわからないと思いますが、女装したゴルフのキャディが僕です。

MC:斉藤さん、かわいらしい官邸料理人を演じられていますが撮影中のエピソードは何かありますか。

斉藤さん:
私は官邸料理人の役なので、公邸の中での撮影がメインでした。ある日の撮影で、三谷さんは出演するわけでもないのに、朝・昼・夜で服装が替わっていたことが印象に残りました。「どうして監督なのに衣装替えするんだろうな」と思っていたんですが、中井さんから高級な洋服のお下がりをもらったんだそうです。それも、いっぺんにたくさんもらったので、着替えていたそうです。

三谷監督:
もうちょっと違うところが印象に残ってほしかったですね。(会場:笑) 僕は、斉藤さんが、公邸なのでお金がかかっていてすごく良いセットなんですけれども、その高価なソファでよく寝ていたことが印象に残っています。カメラが回っていない時はだいたい寝ていらっしゃいましたよね?

斉藤さん:
いいじゃないですか、カメラが回っていない時は何でも...。

三谷監督:
カメラが回ってなければ何しても良いということにはならないと思いますけれどね。確かに眠ってみたくなるような素敵な部屋でした。

斉藤さん:
ソファも素晴らしかったし、何よりも素晴らしかったのは、セットのあらゆる場所に、ある動物が散りばめられているのでよく見てください。

三谷監督:
官邸・公邸の装飾として"鳥のモチーフ"があります。

斉藤さん:
魚介類ですか?

三谷監督:
魚介類じゃないです、「鳥」って言っているんですよ。(会場:笑)

斉藤さん:
見つけると嬉しくなると思います!

MC:木村さんは、まさかのアメリカ大統領役のオファーを受けたときのお気持ちを伺います。

木村さん:
そのことについて三谷さんに伺いたいことがあります。三谷さんは「あて書き」をなさるっていうじゃないですか。私は大統領の役をいただいた後で、「ところで、英語は話せますか?」と聞かれたので、「私だけはあて書きではないのかな」と思いました。

三谷監督:
「あて書き」は、その人自身を知っているかどうかというのは関係ないんです。例えば、「邪悪な官房長官の役」ではありますけれども、草刈さんに邪悪な要素があるからではありません。僕は「その人にこのようなことをさせたら面白いのでは?」ということで書きました。もし今回、木村佳乃さんが英語を話せなかったとしたら、英語の猛特訓をして演じてもらったと思います。

木村さん:
そうなんですか? ちょっと安心しました。

三谷監督:
木村さんの英語のスピーチ、素晴らしかったです! 

木村さん:
いやいやいや、特訓したんですよ。ひたすら繰り返し練習をしました。あとは三谷さんが「ヒラリー・クリントンさんとマーガレット・サッチャーさんを足して二で割った感じのイメージ」だと言われたので、ヒラリーさんの演説の映像を見て真似てみました。強調するところはゆっくりですし、発音ははっきりしていて、手振りが大きかったです。

三谷監督:
この映画が成功する鍵は木村佳乃さんが演じる大統領がスクリーンに登場した瞬間だと思っていました。木村さんの姿を見て「コントじゃないか!」と観客に思われてしまったら、この映画は終わりだなと思っていました。でも、全くそんな感じはなくて、良い意味で笑えますし、大統領らしい威厳もあってとても良かったです。

MC:吉田さんは、黒田とあかねのホテルの一室シーンがありますがいかがでしたか。

吉田さん:
あのシーンは、始まりから終わりまで芝居を切ることなくワンカットで撮りました。私は舞台出身なので、感情がつみあがっていくこの撮影方法は舞台と似ていてとても心地よくて演じやすかったです。こちらが何を投げかけても中井さんがすべて受けてくださって、リアクションで返してくれました。そのおかげで自分でも意外に思う感情と動きが出せたので、ライブ感のある生々しい感じが出たと思います。

中井さん:
僕がラブシーンなんかをすると、僕の一般の友だちから「うらやましい」と言われます。今回は吉田さんとで「いいな」とか...。でも、実はそういうシーンほど僕と吉田さん、僕とカメラとかの間尺をみて芝居をするので難しいんです。(と真面目に語ったのちに)吉田さんは、すごくいい匂いがしました。(会場:笑)

MC:豪華な俳優陣が揃った本作ですが、今のお気持ちをお願いします。

三谷監督:
政治を扱った映画ですが、決して風刺映画でもないし、誰かを揶揄したものでもありません。どうしてそうしたかというと、風刺映画はその時しか成立しないものなんです。僕はどうせ作るならば、100年、200年と皆さんに観てもらう作品にしたいと思いました。政治そのものをファンタジーにしてみたいと思って作ったのがこの作品でして、末永く楽しんでもらえる作品になったと思います。

MC:最後に、代表して中井さんにご挨拶をいただきます。

中井さん:
今日、お金を払ってくださった方はいらっしゃいます? いないですよね? お分かりだと思いますが、今日は皆さんが日本で初めてこの映画をご覧になります。今日から皆さんは、こっち側の人間だと思ってください。皆さんの一言、一言が大きな影響を及ぼします。この映画が大ヒットしなかった場合、皆さんのせいです!(会場:笑) そのぐらいの気持ちで127分、この映画に臨んでください。電話は詐欺に使うものだけではありません。勧誘する必要はありませんが、「面白かったよ」と伝えるために、ぜひ使っていただきたいです。そして、これだけ大勢の方がいると「そう思わない」という方もいらっしゃるはずです。そういう方は、作品を観たことを忘れてください。「記憶にございません!」の状態になってください。(会場:笑) それが我々からのお願いです。本日はゆっくりと楽しんでください。

東宝website