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完成・公開を前に、世界140の国と地域での配給が決定!
「天気の子」製作報告会見

2019年07月02日

「天気の子」製作報告会見

<左から、RADWIMPS(武田祐介さん、桑原彰さん、野田洋次郎さん)、新海誠監督、醍醐虎汰朗さん、
森七菜さん、本田翼さん、川村元気プロデューサー>


新海誠監督にとっては、国内興行収入250億円超えの大ヒットを記録した「君の名は。」(2016年公開)以来となる最新作「天気の子」の製作報告会見が7月2日、六本木・東京ミッドタウンホールで行われました。新海監督をはじめ、2000人参加のオーディションで主演声優に選ばれた醍醐虎汰朗さんと森七菜さん、共演する本田翼さん、主題歌と音楽を担当したRADWIMPS(野田洋次郎さん、 桑原彰さん、武田祐介さん)、川村元気プロデューサーが出席しました。
完成・公開を目前に控える本作。会見の冒頭では、会場に設置された縦8.5メートル、幅4.5メートルの巨大LEDスクリーン上で、これまでの新海作品のダイジェストに、「天気の子」の最新映像も盛り込んだスペシャル特報を上映。駆けつけた報道陣、抽選で選ばれた約100名の"スペシャルレポーター"を圧倒しました。当日の模様をレポートいたします。


新海誠監督作品のダイジェストと、「天気の子」の最新映像を盛り込んだスペシャル特報が上映されました。

映画「天気の子」スペシャル予報>>>

新海誠監督

完成披露試写でもなく、製作報告会見という中途半端な(笑)場にたくさんの皆さんにお越しいただき、とても嬉しく思います。短い時間ですけれど、楽しんでいただけるよう頑張ります。
醍醐虎汰朗さん(森嶋帆高役)

作品の魅力をしっかり伝えられるよう頑張りたいと思いますので、お手柔らかにお願いします。
森 七菜さん(天野陽菜役)

今日、この場に陽菜として参加できて、改めて喜ばしく思います。今日はよろしくお願いいたします。
本田 翼さん(夏美役)

皆さん、お越しいただき、誠にありがとうございます。新海監督の作品に出演できて、本当に嬉しく思っています。
RADWIMPS・野田洋次郎さん(音楽)

こんにちは、RADWIMPSです。二年前から新海監督といろんなやりとりをしながら、ここまでたどり着いて、もう少しで完成という「シビれる状況」を過ごしております。今日は監督にも来ていただいているので、嬉しく思います。
川村元気プロデューサー

今日はたくさんの皆さんにお越しいただき、ありがとうございます。短い時間ですが、この映画に期待を持っていただけるような話ができればと思っております。

MC:新海監督、いよいよ公開が近づいてきました。先ほど野田さんが「シビれる状況」だと...。

新海監督:
確かに、「シビれる状況です」(笑)。

MC:皆さんも知りたがっているのは、現在の進捗状況と手応えだと思うのですが、いかがでしょうか?

新海監督:
そうですね、お恥ずかしい話ではあるのですが、今もスタジオにて全力で作業中です。僕はスタッフを代表して、少しの時間をいただき、この場にいます。ただ、とてもいい状態のフィルムになっていると思います。(野田さんに向かって)ねっ?

野田さん:
そうですね。途中の段階を拝見しましたが、やっとこの絵(映像)に出会えたというか...。

MC:ギリギリまでディスカッションが続いていると、うかがっておりますが...。

新海監督:
そうですね。

野田さん:
音楽のほうも、まだ少し作業が残っています。明日も明後日も...(笑)。

新海監督:
映画会社の皆さんにもご都合があるので、普通なら許されることではないんですが...。こんなにギリギリまで制作をやらせていただけるのは、「君の名は。」の成功があったからこそだと思います。こういう状況をいただけたという意味では、「前作に助けられているな」という気はします。

MC:企画から三年、ようやく「天気の子」が完成しようとしています。国内では359館448スクリーンという東宝配給作品史上最大級での公開。7月19日の初日には午前0時の最速上映、午前9時からの全劇場一斉に初回が上映されます。新海監督とともに作り上げた作品の魅力が、国内外でどのように広がっていけば良いなとお考えですか?

川村プロデューサー:
そうですね、「君の名は。」は日本のみならず、海外でも数多くの賞をいただきました。全世界興行収入が400億円(国内で約250億円、海外で約150億円)を超える記録的な数字になりました。今回はそれを受けまして、現在までに140の国と地域での配給が決まっております。これは「君の名は。」を超える公開規模になりますので、日本とほぼ同じタイミングで、世界でも観ていただけると思っています。最近ですと、インドで上映を求める五万人の署名が集まったそうです。今、上映に向けての調整に入っているので、前作を届けられなかった国にも、どんどん広がっていくのではないかと思っております。

MC:今のお話に補足をしますと、「君の名は。」は世界135の国と地域で配給されましたが、今回「天気の子」は140の国と地域での配給がすでに決定しています。8月の香港を皮切りに、アジア圏からヨーロッパ、その他の地域へと展開していきます。世界中が待ちわびているといっても、過言ではないですね。

川村プロデューサー:
そうですね。公開後には、新海さんにもあちこち(プロモーションで)回っていただこうかなと思っています。今は、完成に向けた作業で大変でしょうが、完成した後も「いろいろとやっていただこうかな」と思います。

新海監督:
七菜ちゃんが一緒だったら(笑)。

川村プロデューサー:
醍醐くんは(笑)?

新海監督:
冗談です(笑)。

MC:さて、醍醐さんと森さんはすでにアフレコが終了しているそうですが、改めてお二人の声の演技はいかがでしたか?

新海監督:
先ほど皆さんにも特別映像をご覧いただきましたが、聞いていて、すごく良い声で、「応援をしたくなる少年少女だ」と思ったんじゃないかと。冗談ではなく、2000人のオーディションを行った中で、二人の声が「私を見て」と手を挙げているようでした。最後は何人かの候補者で迷いました。でも、この二人が、「この作品のためにいてくれたんだ」と確信できるようなお芝居を、約一カ月間のアフレコの中で披露してくれました。本当に良いと思います。

MC:そんな監督の言葉を聞いて、今、どんなお気持ちですか?

醍醐さん:
僕は出来上がった作品をまだ観ていないので、自分に対する評価はまだ分からないんですが、「新海監督に褒めていただけるのは、本当に幸せだな」って思います。ありがとうございます。

森さん:
嬉しいです。ありがとうございます。新海さんはアフレコの時も、演出をつけてくださる時も、優しい言葉をかけてくださいました。その新海さんの優しさに包まれた、声が出せていると良いなと思います。

新海監督:
出ていましたので、大丈夫だと思います。

森さん:
ありがとうございます。

MC:アフレコの様子を教えていただけますか?

新海監督:
早い段階からビデオコンテ(動く絵コンテ)というものを作ります。最初に僕が、おじさんではあるんですが(笑)...女の子の役も含めて、全ての声をとりあえず演じます。お芝居の方向性だけを定めて、そこを基準に「どうやって広げていこうか」と考えます。きっと二人はそれ(ビデオコンテ)をたくさん観てくれたんでしょうね。その上で、また違うものを見せてくれるので、楽しかったです。

醍醐さん:
そうですね。家で何回も(ビデオコンテを)観たんですが、毎回毎回泣いてしまいました。それに新海監督の声を聞きながら、ものすごくプレッシャーも感じていました。すごくお上手なので、それを超えないといけないと思ったので...。

MC:そんな醍醐さんから見た「天気の子」の魅力は何だと思いますか?

醍醐さん:
監督もエンターテインメント作品とおっしゃっていますが、本当にストーリーの起伏が激しくて、泣いたり笑ったりする映画なんです。でも、僕は観終わった後に、「愛について」すごく考えました。「帆高と陽菜の恋愛物語」というのもあるんですが、家族だったり友人だったり、「身近にいる人をもっと大切にしながら生きよう」と思うことできました。ただただ面白いだけじゃなくて、大切なことをも考えさせられる、本当に素敵な映画だと思います。

MC:森さんもビデオコンテをご覧になりましたよね。

森さん:
はい、新海さんの芝居がとてもお上手なので、この新海さんの気持ちの部分や、観ている方が心地よく聞ける部分も、それらを超えていきたいと思いました。だから、何回も聞きました。新海さんがこうやって、ビデオコンテでお手本を見せてくれることによって、言葉にできないことも、伝えてくださったと思います。それが受け継がれていれば良いなと思います。それに、「私のちょっとした個性も出ている」と嬉しいなと思います。

MC:森さんにとっては「天気の子」はどんな存在ですか?

森さん:
ずっと主観で観ていたので、改めて客観的に観てみると、こんなに壮大な物語で、帆高と陽菜の選択を見た私たちが、「じゃあ、どうすればいいんだろう」「どうするんだろう」って考えさせられる映画です。だから、ぜひ多くの人たちに観てほしいなと思います。

MC:お二人は冒頭のスペシャル映像をご覧になって、どんな感想をお持ちですか?

醍醐さん:
七菜ちゃんは涙ぐんでいたよね?

森さん:
新海さんの歴史を感じて、その歴史の次の後継者なのかと思うと、改めて嬉しいなという思いがこみあげてきました。

醍醐さん:
僕もあの映像は初めて拝見したんですが、しっかり観てしまうと「感動してしまうだろうな」と思って...泣きたくはなかったので、実はしっかり観ていないんです。あえて、気を紛らわせながら観ていました(笑)。

MC:そして今回は、映画、ドラマ、CM、さらにゲーム実況などで活躍する本田翼さんが出演されています。監督から見て、本田さんが演じる夏美はどんなキャラクターですか?

新海監督:
翼さん、ゲーム実況もやっているんですか?

本田さん:
そうなんですよ。今、ちょっと紹介されて、恥ずかしかったです。

新海監督:
さっき、二人(醍醐さんと森さん)はビデオコンテをたくさん観てくれたと言ってくれたんですけれど、翼さんはまた全然違うアプローチでしたね。(ビデオコンテを)観た?

本田さん:
観ました! もちろん、観ています!

新海監督:
あっ、観てくださったんですね。

本田さん:
ビックリしたのが、「新海さんが女性の声も演じている」ことでしたね。最初は「あっ、新海監督の声だな」と思っていたんですが、だんだん、新海さんの声じゃないと聞けなくなるくらいに自然でした。

新海監督:
いやいや、でも、翼さんが演じた夏美の声は(当初のビデオコンテから)一番遠い場所に行ったと思います。僕が予想もしないアクセントとか、予想もしない言い方ばかり出てきて、すごく楽しかったです。きっと皆さんも聞いたら、びっくりすると思います、確実に。

野田さん:
今のは、褒めているんですか?

新海監督:
もちろん、褒めています。ものすごく素敵です。

本田さん:
ありがとうございます。

MC:本田さんはどのような工夫をされましたか?

本田さん:
そうですね、私は初めて監督にお会いした時に、監督が私の声を聞いてから、「じゃあ夏美の役をお願いします」と言われました。「最初の声の印象がとても好きでした」と言われたので、自分の素であったりとか、自然体である部分とか、そういう部分をとても大切にアフレコをしました。

MC:裸足でアフレコをしたそうですね。

本田さん:
誰ですか、言ったの(笑)?

新海監督:
それにすっぴんで現場に来ていましたよね?

本田さん:
そうなんですよ。靴を脱いで、「できるだけ、素に近い状態」で演じたかったので、メイクもせずに、アフレコに行っていました。恥ずかしい...(笑)。

MC:役作りですもんね。

本田さん:
一応、そうですね。

MC:本田さんはゲームや漫画にもお詳しいですが、そんな本田さんから観た新海監督の作品の魅力は何ですか?

本田さん:
新海さんの映像を観た時に、アニメーションなのに、空気まで感じるような映像だなって思ったんですね。それは、他のアニメーションやゲームでは感じたことがなかったので、本当に何と言えばいいのか...。細部へのこだわりが醸し出しているのかもしれませんね。「本当にすごいな」と思いました。

新海監督:
そう言ってもらえると、嬉しいですね。そこは「ちょっとこうすると、きれいになるよね」といった、小手先のテクニックみたいなものもあるんですが、基本的にはみんなで一生懸命に描くっていうことですかね。

MC:そしてRADWIMPSの皆さんにうかがいます。RADWIMPSさんは「愛にできることはまだあるかい」「グランドエスケープ」「風たちの声」「祝祭」「大丈夫」という5曲の主題歌、そして26曲の劇伴を担当されています。改めてどんな挑戦になったのか、教えてください。

野田さん:
もう、前作(「君の名は。」)に続いて、また音楽をやらせてもらうのは、すごく嬉しかったですし、本当にバンドとしても成長できました。それに、劇伴をやるのも、僕らの経験ではあまりないので、すごく楽しかったです。

MC:新海監督とはどのようなやりとりがあったのですか?

野田さん:
前作の時は、最初は漠然と、「こういう楽器を使って」とかだったんですが、前作の時は、後々になって、要望が細かく細かくなっていったんです。でも、今回はそこまで細かい印象ではなかったです。前作よりも、より監督と結びつきを強く、タッグを組ませてもらったと思います。

新海監督:
物語作りの段階から、一緒にやってきた感覚がすごくありますね。脚本を書いて、まずは友人として、「洋次郎さん、どんな音が聞こえてきますか?」といった曖昧なお願いから始まりましたね。

野田さん:
LINEが来るんですよね。LINEに台本が貼り付けてあったので...メールでくださいと言いました(笑)。で、読んでから、曲をお渡ししました。

新海監督:
「愛にできることはまだあるかい」の歌詞を聞くと、「帆高ってこういう気持ちなんだ」「陽菜ってこういう子なんだ」と、僕が知らない少年少女の気持ちが、楽曲に入っていました。それを発見しながら、絵コンテを描いていましたね。

MC:野田さんは脚本を読んでどんなご感想でしたか?

野田さん:
そうですね、最初は本当に音楽の依頼というよりは、感想を聞かせてほしいということでしたね。脚本を読んで、まずは「新海さんらしいな」と思いました。それに意外性もあったし、もうちょっと分かりやすく「マス(観客)に向けた物語を描くのかな」と思っていたら、すごく攻めていましたね。新海節を発揮していて、「この物語は賛否を巻き起こすんだろうな」というのも見えました。それで、より新海監督のことが好きになったというか、グッときました。「ここでこういう風に攻めるんだ、この人は」「自分のやりたいことに正直なんだ」と、すごく驚かされたのと、嬉しかったです。

新海監督:
僕はこの一年半、洋次郎さんのこと、RADWIMPSのことがどんどん好きになっていきました。もともとファンだったんですが、「君の名は。」でご一緒してから、もっと好きになったんです。やっぱり「ずっと遠い場所で輝いている遠い星」みたいな人たちだったんですよ。でも、少しだけ「天気の子」を一緒にやったことで、ちょっと友だちに近くなったかなと思っています。

野田さん:
僕も「君の名は。」で一緒に過ごした時間があるから、普通だったら音楽監督としてここまで言わないかなという、踏み込んだ部分まで言うようになっていましたね。僕らに信頼を置いてくれているのを実感しました。だったら僕はもう、この作品を通して、「僕が出せるものを全て出そう」と思ったし、実際に全てを出せましたね。

新海監督:
そうですね、「君の名は。」の時は、本当に細かいテクニカルな注文もして...。

野田さん:
そうですね、僕の方が千本ノックを受けていました(笑)。

新海監督:
今回はもう、RADWIMPSのほうから、僕が「もういい」って言っているのに、曲をいっぱい送ってくるんですよ(笑)。もう曲は、揃っていますって言っているのに(笑)。

野田さん:
だんだんイライラしていました(笑)?

新海監督:
そんなことはないですが、実際に聞くと、すごく良い曲だから「(曲に合わせた)プランを考えなきゃかな?」とか思うんです。でも本当に「愛にできることはまだあるかい」という曲の歌詞が洋次郎さんや、RADWIMPSの気持ちそのものだと思えてきました。「まだ、できるよね?」と聞かれているような感覚が、本当にギリギリ最後まであって、心を動かされました。良い映画に完成させなければと、曲を聞くたびに思いました。

MC:今のお話を聞いて、桑原さん、武田さんはいかがですか?

武田さん:
最近、本当に"友だち感"が増しているような気がして...。今、ツアー中で、野外でライブをすることもあるんですが、「晴れたよ、新海さん」ってLINEを送っていて、微笑ましいなと思っています。

野田さん:
やや受けなエピソードはいいよ(笑)。

桑原さん:
さっきも裏で、一緒に写メ撮っていましたね(笑)。

マスコミの皆さんからの質疑応答。

Q:今回、主題歌が五曲になりました。どのような経緯だったのか教えてください。

新海監督:
最初はもう少し少ない予定だったんですが...。

野田さん:
去年の年末ですね、急に増えましたね。クリスマスあたりに、急に打ち合わせをねじ込まれました(笑)。

新海監督:
ヨーロッパに行くとおっしゃっていたのに、その前に一回だけとお願いしました。予定よりも主題歌は増えました。「君の名は。」の時も「主題歌が四曲って多いんじゃない?」という話も出たんですが、でも観てもらうと、必然を感じていただけるはずです。特にクライマックス近辺の積み重ねは、他の映画にはないものを宿していただいたと思っています。

野田さん:
そうですね、僕も「君の名は。」の時は、僕自身が「四曲は多いです」って言っていました。でも、監督は「必要なんです、絶対に大丈夫です」と言うんです。結果的には、多くの方が受け入れてくださいました。でも、今回も去年の12月に、もう一曲増えたのは衝撃でした。でも必然的に積み重ねて、こうなったというか...違う方(女性ボーカルとして女優の三浦透子)に歌ってもらったり、いろんなことを経て、必要な五曲になったかなと思います。

Q:今回、女性ボーカルを迎えたのは、どのような理由ですか?

野田さん:
最終的に音楽をやってもらえませんかというオファーをいただいた時に、僕のほうから「今回は僕が歌わなくていいと思います。僕じゃない誰かに歌ってもらいたいです」と話をしました。それは前作との差別化もあるんですが、本作の帆高と陽菜という主人公の声を、僕じゃない声で届けたいなと思っいました。それで提案させてもらったんです。

新海監督:
そうですね、川村さんと三人で、蕎麦屋でその話をしましたね。まずは「前回と違うことをやろう」という話でした。ただ、最初は洋次郎さんの声が入ったデモ音源を聞いていたので、僕は洋次郎さん一色モードの時期もあったんです。その後で、透子さんの声に出会って、彼女の声があったほうが...という気持ちになりました。

川村プロデューサー:
そうですね。女性ボーカルを探すオーディションも延々と繰り返しました。たぶん100人以上のボーカルを聞いて、最終的には、三浦透子さんに決めたという感じですね。

Q:前作の「君の名は。」が大ヒットを記録し、監督にとっても集大成といえる作品だったと思いますが、今回の「天気の子」はどのような存在になりそうでしょうか? 現在も製作中とのことですが、どのようなこだわりがあるのでしょうか。

新海監督:
難しいですね。観ていただいて、どう感じてもらえるかなので...。でも、基本的には、エンターテインメント大作として、絶対に面白い、損はさせないものを目指していますね。その上で、観た人の意見が分かれる映画だと思いますね。強いて言えば、そこが攻めている部分かなと思います。東宝の夏の映画として、例えば、「こんな風に終われば、みんな納得するよね」という王道の物語とは、少し違うことをやっていると思います。それは先ほど、醍醐くんや七菜ちゃんが「周りの人のことを思って、愛について考えた」「私だったら、どうするんだろう?」と言ってくれた通り、投げかける部分が大きな作品だと思います。観ていただくしかありませんが...。

Twitterで皆さんから質問を募集していたので、中からいくつかの質問に答えてもらいました。

Q:RADWIMPSの皆さんへの質問。
以前、インタビューで「大変だからもう映画音楽はやらない」とおっしゃっていましたが、今回再び挑戦しようと思った理由は何ですか?


野田さん:
音楽を作ったり、ライブをやるのが僕らの生業なので、大好きでやっています。映画音楽に関しては、新海監督の作品だからなんですよね。「帆高と陽菜の冒険がどうなるんだろう」というお話なんですが、僕ら自身も「どうなるんだろう」ってハラハラしながら、新海さんの作品を観てみたくて...。映画の完成という物語の結末が観たくて、毎日のようにやりとりしていました。そのプロセスは、ただ音楽を作ってライブをやるだけではたどり着けない境地なので、すごく快感なんです。でも、今回は「最後のつもりでやります」ってお伝えしました。そうじゃなければ、とてもじゃないけれど、やり遂げられる気がしなかったんです。でも、いよいよ映画が完成に近づくと、振り返って「楽しかったよね」と思っています。オーケストレーションでの編曲や作曲は、バンドではやる機会はないので、そういう機会をたくさんいただきました。たくさんの楽器についても学んで、音楽の幅が広がりましたね。「君の名は。」でオーケストラのコンサートもやらせてもらって、そこでもまた、いろんな吸収がありましたね。本当に楽しかったというか、最後とは言いましたが、いつかまた(笑)...何年後かわかりませんけれど。

Q:新海監督への質問。
映画を作る上で、意見が対立した時に、ここだけは譲れないという部分はありますか?


新海監督:
どうですかね、そんなにないかな(笑)。今回実感したのは、悪い言い方をすると、「映画作りは諦める過程」であり、良い言い方をすれば、「他人は僕と違って、全然良いものを出してくれるんだと納得していく過程」なんだということです。ビデオコンテを一人で作った時点で、僕の中のイマジネーションはある意味、そこがピークなんです。いろんな人と分担して映画を作っていくと、声の芝居もそうですが「ちょっと違うな」ってことがあるんですね。でも、一歩引いて考えてみると、「これはこの人が考えて出してくれたことなんだから、意味があるんじゃないか」と、僕の考えていたものより「光っているもの」が見えてくるんです。その意味で、最初に考えていたものは諦めるんですが、その代わりにもっと光ったものが手に入る。それをずっと繰り返して「ちょっと違う」「でも素敵だね」と言いながら、探している感覚ですね。完成した映画は、その集大成なので、ビデオコンテからすごくジャンプがある、キラキラしたものが集まったものだと思います。

MC:最後に醍醐さん、森さん、新海監督から映画の公開を楽しみにしている全国のファンの皆さんに向けて、ご挨拶をいただきます。

醍醐さん:
僕自身、こんなに大きな作品に関わるのが初めてで、オーディションに合格してから、約半年間、「成長したな」と思っております。こんなに最高な方々に囲まれて、こういった経験ができて、人生のターニングポイントにもなった作品になりました。すごく魂をこめて、愛を注いで帆高を演じました。ぜひ皆さんに、劇場に足を運んでほしいです。

森さん:
伝えたいことは限りがなくて、一言では言い表せないんですが、映像美も音楽もストーリーも、皆さんと精いっぱい作ったという感覚があるので、皆さんと出会えた「天気の子」が私は大好きです。ぜひ、劇場に足をお運びください。

新海監督:
今日はたくさんしゃべらせてもらいました。作品は今も全力で作っています。劇場に来ていただいて、損のない作品になっているはずですので、まずは「面白かったと思えるものを観たい方」に劇場に来ていただきたいです。とても面白いと思いますし、醍醐くん、七菜ちゃんも声も、もっと聞きたいと思ってもらえると思います。

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