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世界が注目!「君の名は。」新海誠監督
三年ぶりの最新作が2019年7月19日公開
「天気の子」製作発表会見

2018年12月13日

「天気の子」製作発表会見

<左から、川口典孝プロデューサー、森七菜さん、新海誠監督、醍醐虎汰朗さん、川村元気プロデューサー>


「君の名は。」(2016年公開)が国内興行収入250億円超えの大ヒットを記録した新海誠監督。その監督の最新作「天気の子」の製作発表会見を12月13日、東京・千代田区の帝国ホテルで行い、新海監督をはじめ、プロデューサーを務める川村元気さんと川口典孝さん、そしてオーディションで声優を勝ち取った醍醐虎汰朗さん、森七菜さんが出席しました。
天候の調和が狂っていく時代に、東京にやって来た家出少年の帆高(醍醐さん)と、「"祈る"ことで空を晴れにできる」不思議な力を持つ少女・陽菜(森さん)が自らの生き方を"選択"する物語。現在、2019年7月19日の全国公開に向けて、製作が進められています。新海監督が本作にこめた思いとは? 国内はもとより、全世界が熱い視線を注いだ会見当日の模様をレポートいたします。


新海誠監督

短い時間ですが、今作の話をできればと思います。よろしくお願いいたします。
川村元気プロデューサー

ちょうど三年前、「君の名は。」の製作発表をし、また三年ぶりに新海誠監督の新作を皆さんに発表できることを嬉しく思います。
川口典孝プロデューサー

いろんな皆さんのおかげで、前作「君の名は。」がヒットしました。そのおかげで今こうして、次の作品をつくることができています。皆さんには本当に感謝しています。今回の「天気の子」も皆さんに愛される作品になればと思っております。

MC:まずは川村プロデューサー、まさに待望の新海誠監督の最新作ですが、日本はもちろん、世界中のファンが公開を待ち望んでいると思います。本作にかける意気込みをお聞かせください。

川村プロデューサー:
そうですね、すでに完成前から各国からの配給のオファーが来ています。間違いなく全世界配給になると思います。ただ、前回があまりにも大きな成功だったので、改めてチャレンジャーとして、どんな映画を作れるかを主眼に置いて、新海監督とやってきています。一つ一つのチャレンジがどんなものなのかは、今後皆さんに観ていただけると思いますので、そこも含めて楽しみにしていただければと思います。

MC:公開規模については、どのようにイメージしていますか?

川村プロデューサー:
欧米、アジアを含めた全世界で公開されることは、ほぼ決定している状態です。その上で、今回は作品自体も、より多くの人に受け入れられるテーマ、物語、キャラクターだと思います。

MC:まさに現在製作中かと思いますが、製作現場の雰囲気はいかがでしょうか?

川口プロデューサー:
今は...大変です(笑)。でも、今までで一番いいチームができていると思います。「君の名は。」の後でスタジオを新設しました。それまでは電車で行き来するような距離にある三カ所にスタジオが分かれていたんですが、現在は一つのスタジオに全パートのスタッフが集まっています。新海監督を中心に、ものすごいエネルギーを発しながら、うねうねうねうねとうねっています。そして新海監督個人も、ものすごく進化しています。きっと、この作品の仕上がりには期待していいと思います。僕も早く完成した作品を観たいです。

MC:それでは新海監督、今回の作品についてどこから着想を得たのか、教えていただきたいのですが。

新海監督:
一本の作品にはたくさんの着想があるので、"これ"とは言い切れないのですが、一つは「君の名は。」での経験が大きかったと思います。すごくプロモーションが辛かったんですね(笑)。夏の暑い中、あっち行けこっち行けと言われ、いろんな人にいろんなことを言われ、飲みに行けば「君の名は。」のいいことや悪口が耳に入るので、「ものすごく大きなサイズの映画になったんだな」と、実感することが多くありました。だから、2016年の夏は、僕にとってはとても消耗する夏だったんです。そんな時、ふと青空を眺めていました。夏は積乱雲がもくもくとキレイじゃないですか。積乱雲って、成長していくと成層圏に積乱雲がぶつかって、それ以上は成長できないので横に広がっていくんですね。そこは広い平原のようになっていて、「君の名は。」で大変な思いをしているときに、「あの雲の上に行って、雲の平原でゆっくりできたらいいな」と思っていました。その時に、「空の話にしよう」と、そこで遊ぶような映画が面白いんじゃないかと思いました。それがビジュアル的なきっかけで、この絵(会見当日に解禁されたポスター)につながっていますね。もう一つは先ほども言いましたが、幸運にも「君の名は。」がたくさんの皆さんに支持していただいたので、「映画ってこういうことができるんだ」と思いました。電車賃を払わせて、チケットを予約させて、劇場まで足を運ばせて、二時間座席に座らせるほどの力を今でも持っているのが、映画というメディアなんだと実感したんですね。そう思ったときに、「君の名は。」の次に何をするかを考えると、誰もが「これは自分の物語だ」と思えるテーマをもってくれば、また(映画として)形になるんじゃないかと、それが「天気」というテーマなんじゃないかと思いました。映画の初日の天気も心配ですし、学校に行くにも、会社に行くにも天気が心配じゃないですか。天気という言葉は一日に何度も使うし、こんなに遠い空の話なのに、自分たちの心配ごととして受け止めているんだと思い立ちました。そういったいくつかのヒントが積み重なって、「天気の物語」になったんだと思います。

川村プロデューサー:
監督と映画の企画を延々考えているときに、今の時代はグーグルとかで何でも目にした気分になれてしまうけれど、「毎朝のように天気予報を見る」し、迷信じゃないですが「雨男、晴れ男みたいな話もする」。なぜか説明できないことの価値が相対的に上がっているねという話になりました。

新海監督:
雨男とか、意外と皆さん、本気で信じていますもんね。

川村プロデューサー:
そういう形には見えないけれど、必ずそこにあるものをテーマにすれば、ひょっとしてとても"大きい"作品ができるんじゃないかなと思いました。

MC:その上で、観客の皆さんに伝えたいことはどんなことでしょうか?

新海監督:
まずは観ていただいて、「感じていただいたことが全て」なので、今の段階で言葉にするのは難しいです。今はっきりお伝えできることがあるとすれば、まずは"どエンターテインメント"だと思います。こんな言い方は安っぽく聞こえるかもしれませんが、笑えるし、泣けるし、ワクワクできるし、「こんなこと知らなかった」と知的好奇心も刺激されるでしょうし、とにかく「面白かった」と言ってもらえる作品を、全員で心から目指しています。その上でメッセージがあるとすれば、難しいですが、主人公の男の子が家出少年で、決して模範的な人物ではなく、社会の規範からちょっと外れてしまう男の子の話なんですね。ですから、「人はこう生きるべき」とか、「社会ではこういう人物が求められている」とか、そういうこととは全然違うことを語っている作品でもあります。それは作品を作る上でちょっと心配していることではあるんですが、皆さんが観たいのは、すごく正しい人よりは、「正しくあろうとしているんだけれど、どうしても規範通りの行動ができない...。それでも必死に手を伸ばす姿」なんじゃないかという気持ちがあります。この作品を公開したら、結構叱られるんじゃないかという心配もあるんですが、そういう複雑で手放しでは褒められない要素が含まれた作品なので、観ていただき、感じていただくのが一番かなと思います。

川口プロデューサー:
もう絵コンテは完成しているんですが、スタッフはもうボロボロ泣いていますね。

川村プロデューサー:
映画の歴史を振り返ると、映画監督って、大きなヒットを出した後にシュールな方向に行きがちなんですよね。僕も(新海監督が)そうなるのかなと思っていたら、ものすごくど真ん中のエンターテインメントをもう一発持って来たんです! でも、主人公がある種、まっすぐな人物ではないし、天気という、地上から少し上のテーマを選んでいるところに、前作とは違う部分が出てくると思います。前回の会見では「君の名は。」が新海監督のベストアルバムみたいになればと話したんですが、まだ新海監督には「君の名は。」では表現しきれていない「空、雲、雨」の映像表現があって、今回は存分にそれが見られるはずです。新海監督がどんな空、雲、雨を描くんだろうと、僕自身も楽しみにしています。

MC:「天気の子 Weathering With You」というタイトルに込められた思いを教えてください。

新海監督:
映画を観終わった後に、「これは自分たちのお話なんだ」と腑に落ちてもらえれば、きっとこの映画が正しい場所にたどり着けたんだと思いますね。まずは天気という言葉を、タイトルに入れたいと思っていました。それは先ほども言いましたが、僕たちは一日の間に、何度も天気という言葉を使うし、実はすごく気にしていることなので、うまく天気という言葉を使った映画にしたいと思いました。最初は「天気予報の恋人」にしようと思ったんですが、すでに同じタイトルの曲(CHAGE and ASKA「PRIDE」収録曲)があって、「天気予報の君」にしたり、でも予報するわけじゃないから「天気の君」かなとか、いろいろ変遷をたどっています。あるときに川村さんが「思いついた、『天気の子』じゃない?」って言ったんですね。

川村プロデューサー:
新海さんがど真ん中(のエンターテインメント)をやるっていうなら、なるべくシンプルな言葉がいいと思っていたのと、"子"という言葉がいろんな意味を含むんじゃないかと思いました。もしかしたら、人類全体を指すかもしれないですから。

新海監督:
そうですね、なにか大きな言葉になったなとは思います。「Weathering With You」については、ロゴのような意味合いもあります。Weather(天気)という言葉を使いたくて、これも川村さんと話して、いろんな提案をいただいたんです。Weatherには「嵐を乗り越える、風雪にさらされる」といった困難を乗り越える意味があるんですね。それに"With You"とつけて、それが「君と」なのか「僕たちと」なのか...何か大きなことを乗り越える物語でもあるので、合っているかなと思いました。

MC:製作が進んでいる今の段階で、監督にとって楽しいことは何ですか?

新海監督:
そんなにないですが(笑)。

川口プロデューサー:
ないんかい!

新海監督:
いや、あるんですが(笑)、ここでまだあまり言えないんです。音楽に関してのやりとりはもう一年くらい続いているんですが、それは楽しい作業ですね。自分では作れないものを、誰かが作ってくれるというのは大きな喜びですね。それに、「この映画は新海監督のものではなく、"自分たちの映画"なんだ"自分のものにしてしまおう"」と思ってくれるスタッフが集まっているので、彼らが日々描いてくれる絵で「おぉ」っと思うものがたくさんあり、そういう喜びもあります。あとは...たまにお酒ですね(笑)

MC:逆にご苦労されている点は?

新海監督:
今、製作しているアニメーション映画がとても多いので、なかなかアニメーターやスタッフが足りていません。そういう意味で、製作が順調ですと言えるスタジオは一つもないと思います。ですので、現場には苦労させてしまっているし、なかなかタイトな状況ではあるんですが、こうした状況が、残り半年続くことになりそうです。

川村プロデューサー:
今日、7月19日公開と発表しましたが、「果たして間に合うんだろうか」と恐怖でしかないと。

新海監督:
僕らとしては(日付を明記せず)「夏公開」でいいじゃないですかと散々言ったんですけれど。もちろん、死守するつもりで頑張っています。

MC:それではここで、「天気の子」の声優を担当するフレッシュなお二人にご登場していただきましょう。森嶋帆高(もりしまほだか)役の醍醐虎汰朗さん、天野陽菜(あまのひな)役の森七菜さんです。どうぞ、大きな拍手でお迎えください。

醍醐虎汰朗さん(森嶋帆高役)

新海監督の作品に携わることができて、本当に幸せに思っております。本日はよろしくお願いいたします。
森 七菜さん(天野陽菜役)

新海監督の作品に携わることができて、本当に嬉しく思っております。こうして人前に出るのは初めてなので、どうぞよろしくお願いします。
MC:醍醐さん、緊張のほうはいかがですか?

醍醐さん:
緊張していないように見えて、今はガチガチに緊張しています。ですが、頑張っていきたいなと思っています。

MC:お二人はオーディションで選ばれたそうですが、キャスティングの決め手と声の印象を教えてください。

新海監督:
本人を目の前にして言いにくいですが、キャスティングには本当に苦労しました。「君の名は。」で神木(隆之介)くん、上白石萌音ちゃんが本当にいい仕事をしてくれましたし、神木くんは(冗談で)「オーディションあるなら行きます」って言っていましたね。ですから、次の作品ではどういう人を選べばいいんだろうと悩みました。オーディションには2000人以上の応募があって、(音声を)聞くだけでも大変でした。迷って迷って、たくさん声を聞かせていただいて、このお二人に決めました。今はこのお二人に決めて良かったと確信していますね。決め手はそれぞれあるんですが、まず醍醐くんに関しては、マイクの前でしゃべっている姿が「帆高に似ている」と思ったんですね。立ち振る舞いとか、初々しくて一生懸命だけれど、ちょっと空まわっているところとか...(笑)。まだ高校生でしょ? うまくいかない部分も含めて、可愛らしいし、どこか応援したくなるんです。今回の作品は、まずは帆高の視点で、家出をしてたどり着いた東京を知っていき、その先で陽菜に出会って世界を知っていくという話なので、帆高は代弁者として観客の視点に立つ人物なんですね。醍醐くんは観客が、これは自分の物語だと共感できる器の大きさを持った役者さんだと思うんですね。彼の言葉は、"自分の言葉なんじゃないか"と思える親しみやすさがありますね。

醍醐さん:
こんなに素敵な言葉を直接言っていただいたのは初めてなので、嬉しい限りです。(出演が決まった当初は)ニヤニヤが止まらなかったです。「君の名は。」を、僕は映画館で三回観ているんです。最初は嬉しい気持ちでいっぱいで、「やったあ、新海監督の作品に出られる」という気持ちだったんですが、時間が経つにつれて、プレッシャーを感じてきました。今はそれ以上にワクワクしているので、精いっぱい頑張りたいと思います。

新海監督:
期待しています!

MC:森さんについてはいかがですか?

新海監督:
七菜ちゃんはですね、本当に捉えどころがない女の子で、まさに天気のような子だなと思ったんですね。女性の性格を天気で形容することもありますが、さっき晴れていたと思ったら、今は雨だったり、笑っていたと思ったら、今度は怒っていたりと、予想ができない。その分、声に惹きつけられるし、声を聞かなければという気持ちにさせるんですね。表情もコロコロ変わるし、ちょっと子どもっぽいことを言ったと思ったら、すごく大人っぽくなる瞬間もあって...陽菜という"天気を晴れにする女の子"としては、これ以上の声はないです。年齢感や、立ち振る舞いも含めて、陽菜だなと思いましたね。それに、どこか遠いというか、ホーリー(聖なる)な感じがする不思議な印象ですね。

川村プロデューサー:
さっき2000人って言いましたが、日本にいる10代~20代の俳優ほぼ全員が(オーディションを)受けたんじゃないかという数ですよね。実際、有名俳優もたくさんオーディションに来た中で、監督と話をして、"もう一度チャレンジする"ってどういうことだろうと考えると、まったく未知の、これからジャンプアップしていく人と仕事をすることだろうという話になりました。二人は素晴らしいですが、俳優としても数年で日本のトップに立っていると確信しています。この作品はアニメですが、二人の表情だったり、生きざまでも、追えるんじゃないかと思って選びました。

MC:お二人は過去にドラマで、クラスメイトとして共演(日テレ系「先に生まれただけの僕」)したことがあるんですよね?

醍醐さん:
はい。この前も久しぶりにオーディション会場で会いました。結構感動の再会になるかなと思ったんですが、意外とサラッと「あぁ、久しぶり」って感じに会話が終わってしまいました(笑)。お互いに出演が決まったときも「おぉ」ってくらいで、結構サラッとしていました。

森さん:
それは誤解です! すごく感動していました。三カ月間一緒にドラマを作り上げていた仲間と、今度は新海監督の素敵な作品でご一緒できるのは本当に幸せなことなので、嬉しく思っています。

醍醐さん:
サラっとだったよ!

MC:森さんは出演が決まって、どんなお気持ちでしたか?

森さん:
やっぱり、すごく嬉しかったです。オーディションが終わった瞬間から、結果が気になってしょうがなくて、(結果が出るまでの時間が)何十年にも感じていました。合格だと教えてもらったときは、自分の耳を疑いました。

【会場の記者からの質問】

Q:新海監督に伺います。「君の名は。」以前と現在では取り巻く環境もだいぶ変わってきたと思いますが、現時点でプレッシャーのようなものは感じていらっしゃいますか?

新海監督:
次の映画を作ろうと思ったときに、「君の名は。」の次ということで、もうワンチャン(ワンチャンス)あるんじゃないかという色気みたいなものはありました(笑)。みんなに好きになってもらえる映画にしなくてはいけないとも思ったのですが、でも、それを動機にしてしまうと、なかなか物語って出てこないんです。先ほど、"天気はみんなの関心ごと"だと言いましたけれど、何よりも"自分の関心ごと"なんですよね。自分の逃げたい場所が"雲"だったり、自分を起点にしないと、どうしても物語が出てこないんです。なので、(企画を)始めてからは「君の名は。」のことを考えることはなくなりました。ですから、特にプレッシャーというものは感じていません。興行的な面を頑張ってくれるのは、プロデューサーの仕事ですから、(興行的に)うまくいかなくてもそれは彼ら(プロデューサー)のせいなので(笑)。作品そのものは頑張って作って、いい作品になる確信はありますので、(ヒットに関する)プレッシャーはないですね。

Q:「君の名は。」での"口噛み酒"のような、思春期男子がドキッとするようなシーンは今回もありますか?

新海監督:
まさに思春期の二人が演じてくれるので、今回、恋愛映画と言ってもいいのか分かりませんが、もちろん恋愛的な感情や要素は入っています。なので、帆高は東京に来て、陽菜と出会って、彼女の所作にドキドキするし、もう少し年上の人物も登場しますので、思春期特有のドキドキはたくさん描かれていますので、楽しみにしていただければと思います。この前、声優のお二人には、105分の映像コンテを観ていただいたんですね。具体的には言えないと思うんですが、ドキッとすることはありましたか?

醍醐さん:
あのー、(ネタバレになるので)言っちゃいけないことを言いそうなので、ここではやめておきます。

森さん:
そうですね...帆高は思春期だからか、いろんなものを凝視しているところがありますよね。

新海監督:
そうですね、今はそれくらいしか言えませんね。

Q:前作「君の名は。」は大きな成功を収めて、観客の皆さんも内容に満足していたと思うのですが、監督ご自身に「君の名は。」でやり残したこと、心残りなどはあったんでしょうか。それを「天気の子」で挑戦しようという思いなどはありますか。

新海監督:
前作でやり残したこと、というのは意外にあまり感じていませんね。「君の名は。」で描こうとした、二人(瀧と三葉)は出会えるのか、出会えないのかという祈りのような気持ちをどういう結末で迎えるのかは、散々考え抜いて、いい形になったと思っているんですね。ただ「君の名は。」というのは、あのときの僕らはチャレンジャーで、「分かりやすくて観た人全員が楽しめる作品にしよう」と思ったんですね。物語は複雑であっても、"ここは楽しい"と思える瞬間を必ず作っていたんですね。今回も基本的には、観ていて楽しい映画を目指しているんですが、これだけ(「君の名は。」を)知っていただけたので、本当に正しいのか、それとも正しくないのかといった複雑さをアニメーションに持ち込める立場にはなったと思います。「天気の子」は"どエンタメ"とは言いましたが、実際に観ていただけると、賛否が分かれるような要素もあります。それは「君の名は。」ではやらなかった新たなチャレンジだと思っています。

Q:前作「君の名は。」ではRADWIMPSさんが音楽を担当していましたが、今回の音楽はどのようになるのか、ヒントでもいいので教えてください。

新海監督:
まだ発表はできませんが、いずれ発表できるタイミングはあると思います。ただ、先ほども言いましたように、もう一年以上密接にやりとりをしていますので、それは「君の名は。」と同じようなものではなく、新たな取り組み、新たなチャレンジなので、音楽面でも、驚いてもらえる確信は高まっています。なので、もう少し発表をお待ちください。

MC:最後に、新海監督から映画の公開を待っているファンの皆さんにメッセージをお願いします。

新海監督:
たくさんお話をしたので、これ以上付け加えることはありませんが、とても楽しめる作品になると思います。と同時に、繰り返しになりますが、「人はこう生きるべきだとか叱る映画」ではなくて、むしろ「観た人に叱られる映画にしたい」と思って作っています。叱られちゃうかなという気持ちを抱えながら、ある種勇気をもって、叱られてしまうかもしれない要素を大切にして、最後までたどり着ければと思っております。観ていただければ、損はしない作品だと思っておりますので、どうかあと半年お待ちください。スタッフ一同邁進しておりますので、よろしくお願いいたします。

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