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木村拓哉、初の刑事役「ようやくバトンが回ってきた」
「マスカレード・ホテル」完成報告会見

2018年11月20日

「マスカレード・ホテル」完成報告会見

<左から、長澤まさみさん、鈴木雅之監督>


累計320万部を突破する東野圭吾氏の人気作「マスカレード」シリーズの第一弾「マスカレード・ホテル」が待望の映画化。本作の完成報告会見が11月20日、原作のモデルであり、書影にもロビーの風景が使用されているロイヤルパークホテル(東京都中央区日本橋)で開催されました。 出席したのは連続殺人事件を捜査するエリート刑事・新田浩介を演じる木村拓哉さん、新田とともに事件の真相を追う優秀なフロントクラーク・山岸尚美役の長澤まさみさん、そしてメガホンをとった鈴木雅之監督(「HERO」シリーズ)。会見では初共演を果たした木村さん、長澤さんが鈴木監督を交えて、撮影エピソードを語ったほか、原作者の東野氏からなかなか実写化を認められなかった本作への思い、そして東野作品に初出演する木村さんをはじめ、キャスト・監督へ宛てたメッセージも披露されました。撮影にも使用された思い出の場所で行われた会見の様子をレポートいたします。


木村拓哉さん(新田浩介役)
本日はお越しいただき、ありがとうございます。どうか本作をよろしくお願いいたします。
長澤まさみさん(山岸尚美役)

本日はよろしくお願いいたします。
鈴木雅之監督

今日は皆さん、よろしくお願いいたします。

MC:木村さんはこれまで検事、ピアニスト、ホッケー選手、パイロット、美容師、脳科学者、総理大臣、天才外科医など数々の職業を演じてこられましたが、なんと意外にも刑事役は今回が初めてということで、初めての刑事役の感想を教えてください。

木村さん:
そうですね、刑事役は「ようやくバトンが回ってきたな」と思ったのですが、クランクインの次の日には、ホテルマンになっていました。もちろん、モチベーションは潜入捜査という指令があるので警察官なのですが、容姿や所作はホテルマンなので、回ってきた刑事役のバトンは、"異色"なバトンだったなと思いました。

MC:刑事だけどホテルマン、ホテルマンだけど刑事という役柄は、やはり難しさはあったんでしょうか?

木村さん:
難しいというか、(現場で)監督によく相談したのは、「今の浩介はホテルマン過ぎたんじゃないか?」ということでした。撮影は(ストーリーの)順番通りにしているわけではないので、その点を監督と相談しながら、演じたのをすごく覚えています。あと、クランクインして、ものすごくビックリしたのが、長澤まさみさんをはじめ、舞台となっているホテル コルテシア東京の従業員を演じる錚々たるメンバーの皆さんの役作りが、もうでき上がっていたことですね。同じタイミングで、同じ角度でお辞儀をし、同じように身体の前で手を組み姿勢正しく立っている姿を見たときに、「あれ? おかしいな」と思いました。それで、まさみちゃんに聞いたら、「私たち、研修を受けたので」って言われたんです。僕には一切、その情報がなかったので、「あっ、これは監督をはじめ、スタッフの確信犯的な撮影スケジュールだな」と思いました(笑)。

MC:監督、やはり木村さんは研修を受けずに...ということでしょうか。

鈴木監督:
まあ、刑事ですからね。ホテルマンになってもらうんじゃなく、ホテルマンを演じる刑事を演じてもらわないといけないですからね。研修の情報に関しては一切ガードさせていただきました。

MC:ちなみに木村さんは、ご自身の七三分けの髪型は気に入っていらっしゃいますか?

木村さん:
自分的には"初スタイル"なんですが、長澤さんからは受けが良かったです。

長澤さん:
はい、すごくお似合いでした。先ほども「また髪を切らないんですか?」ってお聞きしたところです(笑)。

MC:長澤さんが演じるのは、真面目で模範的なホテル従業員。しかも、ホテルの顔ともいえるフロントクラーク(フロント業務だけでなく利用客の対応全般を担うホテルの中枢的役割)ということで、初めての役どころでしたがいかがでしたか?

長澤さん:
やはり、姿勢ですね。ホテルマンのおもてなしとして、姿勢がもつ(キチッとした)空気感はまず持っていないといけないものだと思いました。そこがしっかりできないと説得力が欠けてしまうので、姿勢は気をつけました。

MC:木村さん、長澤さんの佇まいはいかがでしたか?

木村さん:
常に完璧でした。「本番!」の声がかかると、完全に山岸尚美だったので、共演できて良かったです。

MC:これまた意外ですが、木村さんと長澤さんは初共演ということでしたが、共演する前と後で印象が変わったということはありますか?

木村さん:
長澤さんが以前に出演されていた作品も拝見していましたから、「しっかりと自分の役を全うされる役者さん」だと思っていました。でも、どういう風に現場に向き合うのかという部分は共演経験がなかったので不透明でした。今回一緒に共同作業ができて、長澤さんは、一切逃げないし、全力なのを知って、思っていた通りの人だなと思いました。

長澤さん:
私もいつか木村さんと共演したいと思っていたので、今回の共演はとても緊張しました。この作品は、二人の会話がすごく多いのですが、目の奥にある心までちゃんと見てくださり、木村さんは常に頼りがいがある方でした。私がどんなにぶつかっていっても、それをすべて受け止めてくださるので、全力でぶつかっていくだけでした。

MC:二人の意見がぶつかり合うようなシーンもありましたが、印象に残っているエピソードはありますか?

木村さん:
その人それぞれに脚本の読み方があると思うのですが、原作のパワーなのか、長澤さんと僕は脚本の読み方が「一緒だな」と感じていました。監督が「じゃあ一回やってみようか」と、軽く合わせるときに「あっ、同じ読み方をしているな」とすごく伝わってきて、ずっと(演技の)セッションを楽しむことができたという印象ですね。

MC:木村さんにとっては今回三つの"初"があります。"初"の刑事役、長澤さんとの"初"共演、そして東野圭吾作品への"初"出演ですが、オファーを受けたときは、どんなお気持ちでしたか?

木村さん:
断る理由がないなと思いました。原作はすでに読んでいたのですが、タイトルよりもまず原作者のお名前に目がいってしまいました。オファーを頂いてすごく嬉しかったです。

MC:今回、原作者の東野圭吾さんからコメントが届いております。この場でご紹介させていただきます。

【東野圭吾さんからのコメント】

2011年に「マスカレード・ホテル」を刊行したところ、映像化の話が次々と舞い込みました。ホテルという華やかな舞台が気に入られたのかもしれません。しかし、私は担当者と相談し、よほどのことがない限り、映像化にGOサインは出さないと決めていました。自分の新たなシリーズにしようと考えていたので、イメージを固定されたくなかったのです。
それから六年後、今回の企画に「新田浩介=木村拓哉」とあるのを見て、激しく迷いました。というのは小説の連載中、新田を描く際、漠然と思い浮かべていたのが、まさに木村さんだったからです。悩んだ末、何かの縁を感じるので、許諾しようと思うと担当者に言うと、「それでいいと思います」という答えが返ってきました。
映画を拝見し、いろんな意味で感慨深かったです。私が頭の中で描いたさまざまなエピソードが、鈴木監督の手により、ドラマチックに、そしてスリリングに再現されていました。さらにキャラクターたちが魅力的でした。長澤まさみさんの山岸尚美は聡明で気高く、小日向さんの能勢は曲者で不気味。その他の登場人物たちも怪しさ十分です。新田浩介はどうだったかって? そんなこと、いうまでもないでしょう。

東野圭吾

MC:これを聞いて、木村さん、いかがですか?

木村さん:
わざわざメッセージをしたためてくださったことに感謝しています。実はですね、全ての撮影が終わって、このホテルで打ち上げをしたときに東野圭吾さんが来てくださったんです。そのときに、「執筆しているときは、頭の中で木村さんを思い浮かべていました」という話は伺ったのです。嬉しかったのですが、「もう少し早く言ってくれていたらな」と思いました(笑)。

MC:東野圭吾さんは、撮影現場にもいらっしゃったそうですね。

木村さん:
ちょうどホテルのフロントで、長澤さんと自分が真剣な話をするというシーンの撮影の日に、東野圭吾さんが来てくださいました。そのときに、そういう話(執筆時に木村さんを想定していたという)は一切出なかったんですよね。

MC:これは監督が「言わないように」と東野さんにおっしゃったんですか?

鈴木監督:
いえいえ。

MC:監督も知らなかったんですね。では、東野さんとしては、あえて木村さんにも、監督にも、打ち上げの場で伝えようと思ったのかもしれませんね。長澤さんは今の話を聞いて、いかがですか?

長澤さん:
私は(本作への出演が決まる前に)小説を読んでいたときから、(新田は)木村さんっぽいなと思っていました。

MC:そうなんですね!

長澤さん:
木村さんは「誠実でまっすぐなイメージ」ですから。

MC:「よほどのことがない限り、映像化にGOサインは出さない」ということでしたから、"よほどのこと"というのが"木村さんが新田浩介を演じること"だったのかもしれませんね。
そして、今回の舞台は超高級ホテルということで、今日会見を行っているロイヤルパークホテルでも撮影をさせていただきました。メインロビーは全てスタジオに建てられたセットなんですよね? 木村さん、(舞台となる)ホテル コルテシア東京のセットは、いかがでしたか?


木村さん:
自分もいろんな経験をさせてもらっているのですが、スタジオにあの規模のセットを建てての撮影は初めてかもしれないです。現場に入ったときは、自分の目のバランスがおかしくなったのかなと思うくらいでした。天井もここ(会見場)よりも高くて、東宝スタジオの一番大きなスタジオのギリギリまでセットが建てられていました。あのセットはモチベーションも上がりますし、建てようと美術スタッフさんに指示を出した監督からは「腹をくくっているんだな」という覚悟を感じました。

MC:これは監督、「有頂天ホテル」(三谷幸喜監督作品)には負けないぞ! という対抗心ですか?

鈴木監督:
それはやめてください(笑)。でも、設計図を描いて、東宝スタジオで一番大きいスタジオにセットを作ったんですが、プロデューサーが少し削ったみたいです(笑)。でも、なかなか広いセットになりました。皆さんもホテルに行くことはあると思いますが、(従業員しか入れない)バックヤードというものもありまして、その境目が"ポイント"になっています。

MC:長澤さんもあのセットには、気持ちが盛り上がったのではないでしょうか。

長澤さん:
そうですね、お客様から見えるホテルのロビーが、本当にすごくきれいで大きくて、すごいなと思いました。監督のおっしゃる通り、裏側(バックヤード部分)もすごくリアルに凝って作られているので、そういうところでも気持ちができ上がり、とても居心地が良かったです。

【会場の記者からの質問】

Q:木村さんは今回、初の刑事役でしたが、演じる上で新たな発見があれば、教えてください。長澤さんは、そんな木村さんの初の刑事ぶりはいかがでしたか。

木村さん:
先ほどもちらっとお話しましたが、「初めての刑事役というバトンが回ってきた」と思ったら、もう(クランクインから)二日目にはホテルマンの衣装だったので、刑事・新田浩介としての捜査シーンは一日もありません。そうですね、小日向(文世)さん演じる能勢さんだったり、渡部篤朗さん演じる上司だったり、皆さんがいてくださったおかげで、自分が刑事だということを保てた部分があります。通常の刑事役のように、自分の足で情報を得るような動きはあまりなかったので...、セカンドを待ちたいと思います。今回はホテル コルテシア東京での五日間の出来事なので、ずっとホテルの中にいましたから(笑)。「もっと、何かあるかな」と思っていたんですけれど...。

MC:刑事らしい刑事は、またの機会ということですね。

木村さん:
そうですね、セカンドを待ちたいと思います。

MC:長澤さんは、木村さんの異色の刑事役はいかがでしたか?

長澤さん:
木村さんは「正義感の強さがあふれている方」なので、犯人を突き止めるという「自分のやるべきことに対しての気持ちを持った刑事役はぴったりだな」と思いました。

Q:"マスカレード"は"仮面"という意味ですが、初共演をして、お互いの仮面をはがせたというか、意外な素顔を見た瞬間はありましたか?

木村さん:
撮影中、長澤さんは「長澤まさみ」であり、「山岸尚美」であったので、その仮面の着け外しは間近で見ていました。これは長澤さんご本人にも伝えたんですが、自分が運転中にプライベートの長澤さんをたまたま目撃したんです。信じられないんですが、帽子もかぶっていないし、マスクもしていないし、眼鏡もかけていないんです。まさに長澤さんそのままの姿でいたんです。一人でゆっくり歩いていて、ふと空を見上げたなと思ったら、ものすごい笑顔になったんです。

長澤さん:
それは、天気が良かったんです!

木村さん:
そんな完全に仮面が外れた長澤さんを見ています。

長澤さん:
そうですね、見られていました。

MC:逆に長澤さんは、木村さんの仮面が外れた瞬間を見たことはありますか?

長澤さん:
あります。私は12歳のときに、母と一緒にあるファッションビルに行ったら、人だかりができていました。「何が起こっているんだろう」と思って、エレベーターの方を見たら、丁度、木村さんがそのビルに入っていく姿を見たことがあります。でも、そのときはイメージ通りの木村拓哉さんでしたから、質問とは違う答えですね(笑)。

MC:撮影中はどうでしたか?

長澤さん:
現場のスタッフに対しても、共演者の皆さんに対しても、本当に平等に接していて、裏表がなくて、気さくで、頼れる兄貴って感じでした。現場を引っ張ってくださると同時に、とても穏やかで、とてもいい先輩だなと思いながら、過ごしていました。

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