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山﨑賢人、原作者からの手紙に思いあふれる「すごく嬉しい」
「羊と鋼の森」初日舞台挨拶

2018年06月08日

「羊と鋼の森」初日舞台挨拶

<左から、三浦友和さん、光石研さん、鈴木亮平さん、山﨑賢人さん、上白石萌音さん、上白石萌歌さん、橋本光二郎監督>


ピアノの調律に魅せられ、ピアノとつながる多くの人々と出会う青年の成長を描き、2016年第13回本屋大賞に輝いた同名ベストセラー小説を映画化した「羊と鋼の森」。本作が6月8日、ついに全国で封切りを迎え、東京・有楽町のTOHOシネマズ 日比谷にて、初日舞台挨拶を行いました。
この日は本編で"ピアノ調律師"を演じた主演の山﨑賢人さん、鈴木亮平さん、光石研さん、三浦友和さんの四名がクランクアップ以来、初めて集結! トークでは上白石萌音さん、上白石萌歌さん、そして橋本光二郎監督を交えて、自分の「調律したい=直したい」点が発表されました。さらに、原作者の宮下奈都さんから、キャスト・監督に向けた感謝の手紙が届き、披露されました。果たして、山﨑さんの反応は? 映画同様、深い感動の余韻に包まれた当日の模様をレポートいたします。


山﨑賢人さん(外村直樹役)

無事に初日を迎えられて、とても嬉しく思います。えっ~と、去年の冬に撮影をしていまして、本当に悩みながら、でも楽しく北海道で撮影をしました。皆さんは観終わったのですよね? あのー、(感想が)どうだったのかなというのが気になるのですが、本当に今日は嬉しく思います。

鈴木さん:
今、賢人が小声で「ダメだあ。調律しないと~」って言っていました。大丈夫だよ。

山﨑さん:
今日はコメント力、調律してきたんですよ。

鈴木さん:
言ってたよね! 調律できてた?

山﨑さん:
できていなかったです! 

鈴木亮平さん(柳伸二役)

皆さんに観ていただいた通り、とってもすてきな映画ができました。ただ、感動するというだけではなくて、心の奥深いところに、しっとりとした余韻を残していく映画になったなと思っております。今日は、映画を楽しんでいただいた後に、我々のトークも少しだけ楽しんでいただけたらと思います。


上白石萌音さん(佐倉和音役)

姉妹で初めて共演することが決まって、撮影をしているときは、公開がもっともっと先だと思っていました。思っていたよりも早くこの日が来てしまったので、何だかまだ現実味がなくて、フワフワした気持ちです。でも、すごくすごく嬉しく思います。
上白石萌歌さん(佐倉由仁役)

今日はお越しいただき、ありがとうございます。私にとって宝物のような作品を、すてきな劇場で皆さんに観ていただき、とても嬉しいです。皆さんにとっても、宝物のような作品になっていただけるといいなと思います。
光石研さん(秋野匡史役)

そうですね、映画はいつもそうなのですが、一人でも多くの皆さんに観ていただきたいので、どうぞ宣伝してやってください。
三浦友和さん(板鳥宗一郎役)

皆さん、ご覧になった方ばかりですので、あえて「こういう作品です」と言うつもりもありません。一人一人に感想をうかがいたいのですが、そういうわけにもいきません。単純に良かったか悪かったか、良かったと思われる方は拍手をお願いします。(客席から大きな拍手)ありがとうございます。
橋本光二郎監督

毎回、映画を撮っていると思うのですが、映画は観ていただいて、やっと完成というところがあります。もちろん、自分が作ったものが完成形なのですけれど、皆さんの目を通して、心を通して、何かが届けば、作った価値があったなとやっと自分たちでも納得できる気がしています。なので、今日、たくさんの皆さんがいらっしゃって、大変嬉しいです。皆さんの中に、何か一つでも残せていればいいなと思っております。

MC:この作品は去年の二月に撮影が始まったと、うかがっております。長い時間をかけて、コツコツと丁寧に作られて、宣伝活動を含めて長い時間を経て、今日を迎えました。今の率直な気持ちをうかがえればと思います。

山﨑さん:
「早いなあ」という感じもしながら、「やっとか」という感じもしますね。本当に今日は初日を迎えられて嬉しいなと思います。(客席の応援ボードに対し)嬉しいです。ありがとうございます。

MC:台湾からもファンの方がいらっしゃっているようですよ。

山﨑さん:
台湾からですか?

MC:それに今日が誕生日という方もいらっしゃいますよ。

鈴木さん:
「おめでとう」って言った方がいいんじゃないの?

山﨑さん:
おめでとうございます!

MC:鈴木さんはいかがでしょうか、お気持ちは。

鈴木さん:
そうですね。これまでも、皆さんに知ってもらうため、コツコツと宣伝してきたのですが、今日が初日なので、みんながこう揃って...、今日は(PRの場に)光石さんがいらっしゃるんですよ。光石さんは今日、これ私服ですか?

三浦さん:
スタイリストさんが衣装、忘れちゃったんじゃない?

光石さん:
いえ、違います(笑)。言ってください、スーツ着るなら着るって。先ほど、皆さんとパッと会ったときに、(男性全員がスーツで)ビックリしました! どうしようかと思いました。

鈴木さん:
ジャケット着用って聞いていたから、やっぱりスーツかなと思ったんです。

光石さん:
いや、僕、今日は半ズボンで来たんですよ。で、半ズボンからのこれ(この衣装)だから、割とキチっとした感じなんです。ここから、もう一段階あがると思っていなかったですよ。

鈴木さん:
なるほど(笑)。そんな先輩と一緒に、(舞台に)立てて嬉しいです。

MC:萌音さん、萌歌さんは記念すべき初共演作品ですが、お気持ちはいかがでしょう。

上白石萌音さん:
すごく個人的なことなのですけれど、おじいちゃん、おばあちゃんが「早く観たい、早く観たい」ってすごく楽しみにしてくれていたので、これでおじいちゃん、おばあちゃんも観てくれるのだなと思うと、今、すごく嬉しいです。

上白石萌歌さん:
そうですね。今まで支えてくださった皆さんに、早く観ていただきたいと思います。

MC:三浦さんもぜひ、公開初日のお気持ちをお願いします。

三浦さん:
現在の気持ちですね、(客席を見つめながら)賢人、賢人、賢人、賢人って看板がある中に、一つだけ「友和」って書いてあって、なんだかすごく心強いです。大きな花の中に、小さな実がポツーンとあって。でも、嬉しいです。ありがとうございます...っていう気持ちです。

MC:監督はいかがですか?

橋本監督:
今日は若い女性が多いですけれど、同時にいろんな年齢層の皆さんに来ていただいて、それが監督としてはすごく嬉しいです。今回の作品は、一人の青年の成長の物語なので、同じようにこれから仕事をしていく若い人、まさに今大変な人もいるだろうし、そういう方たちに観ていただいて、何か背中を押せる映画になればと思っています。例えばピアノをやっているお孫さんとおばあちゃんとか、たまの休みが取れた旦那さんとデートがてら映画を観て、これまでのことを考えるきっかけになり、話が膨らんでくれたらいいなと思います。いろんな年齢の方々に来ていただければ嬉しいなと思います。

MC:今日は劇中のピアノ調律師の皆さんが勢揃いしましたので、こんな質問をご用意しました。ピアノの調律にかけまして、自分の調律したいところはどこですか? ということで、皆さんには事前にお答えをいただいております。まずは、山﨑さん、お願いします。


鈴木さん:
(「"ピアノ"の調律したい」という山﨑さんの答えに)えっ?

山﨑さん:
逆にというか、ピアノを本当に調律したいなと。今回、調律師の役をやったので、本当にできるところまで、やってみたいなと思います。

鈴木さん:
光石さん、怒ってるよ!

山﨑さん:
やってみたいことと、二個書いたんですよ、本当はもう一個あります。

鈴木さん:
もう一個は何だったの?

山﨑さん:
"時間"ですね、時間配分というか。

鈴木さん:
あぁ...。

山﨑さん:
微妙ですね?


MC:では、鈴木さん、お願いします。

鈴木さん:
僕もこれ、自分のことだと思っていなくて、世の中の調律したいことを書いちゃったのですけれど、いいですか? "あんこの量"です。

MC:どういうことですか?

鈴木さん:
あんこが入っているお菓子って、だいたいあんこの量、多すぎないですか? たい焼きとか、おはぎとか、コンビニに売っているおまんじゅうでもいいのですが、あんこがたくさん入っていれば、豪華だと思うなよと。バランスがあるので、僕はたい焼きはもう少し皮の部分がほしいんです。それこそ、「尻尾まであんこが詰まっています」とか、いらない! 分かります? もう少し皮の部分を楽しみたいですよね。僕、甘党なのですが、あんこだけの均一な甘みを楽しみたいわけじゃなくて、よく食べてみると、たい焼きの皮の部分もほのかに甘いですから。そこのバランスをね、もう少し全体的にあんこの量を減らしていただきたいということです。あんこが食べたければ、あんこを買えばいいじゃないですか。

三浦さん:
(話が)長い! 僕はあんこ、たくさん入っている方が好きですよ。

鈴木さん:
あぁ、そうですか...。大変失礼いたしました。以上です。

MC:萌音さんはいかがですか?

上白石萌音さん:
私、大変お見せしにくいのですが、"体内時計"です。微妙ですか?

山﨑さん:
いや、微妙じゃないです。

上白石萌音さん:
でも、さっき、微妙だって言ったから(笑)。肩身が狭いなと思って...。最近、どんどん夜型になってしまって、全然夜眠くなくて、朝も起きれないんです。

上白石萌歌さん:
全然起きないので、困ります。

上白石萌音さん:
はい、なので、体内時計を戻したいです。仕事だと、バキっと起きられるんですよ。でも、お休みの日に全然、起きられなくて、もったいないなと思います。

上白石萌歌さん:
早く起きてほしい...。

鈴木さん:
一緒に住んでいるのですか?

萌音さん&萌歌さん:
そうなんです。

鈴木さん:
へえ~。

MC:妹の萌歌さんはいかがですか?

上白石萌歌さん:
私は"直感型の性格"を調律したいです。私、お洋服屋さんとかで、これだと思ったら、絶対に曲げられずに、買ってしまうんですよね。

上白石萌音さん:
すぐ買ってきます。

上白石萌歌さん:
なので、たまに家に帰ってから、「あっ、ちょっと、これ違ったかな」ということもよくあるので、調律したいですね。

山﨑さん:
分かります。お店のライティングとかで。

上白石萌歌さん:
おしゃれに見えて...。

山﨑さん:
で、家帰ったら、「こんな色味だったの?」とか。僕も服、好きで買うのですが、お店で見たときと全然違うとか、困りますよね。

MC:光石さん、お願いします。

光石さん:
いろいろすごく考えたのですが、"今日の衣装"ですね(笑)。もう、今日はこれで。

MC:はい、お察しします。では、三浦さん、お願いします。


三浦さん:
(三浦さんの回答は"身体中")僕はあの、慢性化した腰痛と、ワケの分からない痛みが襲ってきまして、今日も起きたら、右足のふくらはぎが痛いんですよ。なんで痛いのか、理由がわからないんですよねえ。だから、体も相当ガタがきているので、調律したいなと思いました。以上です。

MC:最後に橋本監督、お願いします。

橋本監督:
大したことじゃないのですが、"日常生活で声が小さいこと"ですね。監督をしていると、現場で、すごく大きな声を出さなきゃいけないので、「よーい、スタート」とか必死に声を出しているのですが、日常生活では周りに「何?」って聞き返されるんで、それを何とかしたいなと思っています。

MC:撮影中は、監督の指示などは聞こえたのですか?

山﨑さん:
監督は、近くまで来てくださるので、よく聞こえます。

MC:では、もう一つ質問をさせていただこうと思います。観る人の背中をそっと押してくれる、そんな映画にちなみまして、皆さんには人生で悩んだり、つらいときに、背中を押してくれた人や言葉があれば、教えてください。

山﨑さん:
僕はですね、友だちなのですが、僕が仕事で失敗というか悩んでいることがあって、落ち込んでいたら、そのときに「仕事だけに集中しちゃっているのは良くないよ」って言われて、励まされたんですけれど。うーん、ダメかな?

鈴木さん:
いや、大丈夫だよ。それで何か違うことに...?

山﨑さん:
特に他のことに興味を持ったとかじゃないのですが、なんだかすごく気が楽になりました。「人生のうちの一個の出来事でしかないよ」って言われたんです。あっ、なるほど、そのくらい軽く考えてみるのもアリだなと思ったという、いい話です。

鈴木さん:
どうですか、三浦さん、今の話は?

三浦さん:
えぇ...。

山﨑さん:
長い割には、内容がなくて...。

鈴木さん:
僕は、ありますよ。ちょうどこの作品を撮っているときに悩んでいまして、みんなで食事からホテルに帰ったときに、僕と賢人で「どうする? もう一軒行こうか」って話をしていたら、「ほらっ」って声が聞こえて、振り向いたら、光石研さんが一万円持って、「これで飲みに行ってきなさい」って。背中を押してくれました! 光石さんの話ばかりで申し訳ないです。

光石さん:
よく覚えてるね。

鈴木さん:
もう忘れられないです、あのご恩は。おつりが来ました! こういう先輩にならないといけないと思いました。

光石さん:
衣装は間違えるけどね。

鈴木さん:
ネクタイはお持ちではないんですね。


光石さん:
ネクタイくらい持っていますよ(笑)。家に帰れば。

鈴木さん:
さっき、萌音ちゃんのこの辺(ドレスのドレープ部分)を「貸してくれ」って(笑)。それを結ぼうかって。

MC:萌音さんはいかがですか?

上白石萌音さん:
私は、悩んだり、困ったときは、いつも妹に頼ります。妹がいつも背中を押してくれます。

上白石萌歌さん:
まさしく私もそうで、お仕事のこととか、悩みを共有しているので、すごく姉に助けられることも多く、ありがたいですね。

上白石萌音さん:
こうして二人で(舞台に)立つのも今日が最後なんです。

上白石萌歌さん:
そうなんですよ。

上白石萌音さん:
この作品でいろんなことをさせてもらいました。ありがとうございました。

上白石萌歌さん:
ありがとうございました。

MC:光石さんはいかがですか?

光石さん:
僕は子どもの頃、本当に出来が悪くてですね、成績も悪くて運動もできるほうじゃなかったのですが、親せきのおばちゃんがずっと「あんたは大器晩成やから、がんばんなさい」って言ってくれたんですよね。その言葉はよく覚えていて、ちょっとだけ力になっていましたね。

MC:では、三浦さん、お願いします。

三浦さん:
では、真面目な話ですけれど、今、芸能生活47年になったのですが、いいとき悪いとき、もちろんあるわけで、30代の頃には仕事のオファーがないこともありました。そのときにですね、亡くなった地井武男さんが「今はうまくいっていないだろうけれどな、いいときってみんな、いい顔できるんだよ。でも、悪いときに悪い顔しちゃいけないんだぞ、ダメなときの顔つきで、お前の評価は変わるよ」っていう言葉がものすごく残っていますね...。そういう話です。

MC:橋本監督からもお願いします。

橋本監督:
今回の映画の「コツコツと」というセリフにも通じるのですが、中学生くらいのときに読んだミヒャエル・エンデの「モモ」っていう本の中で、(主人公の)モモから「こんなにたくさんの仕事、大変でしょ?」みたいなことを聞かれた掃除婦さんが、「目の前のことを、一つずつ順々に掃除していけば、いつかは終わるよ」と答えていました。いろんなことがあると、頭が混乱しちゃうのですが、目の前のことを一個ずつやっていけば、終わらないことはない。(読んだ当時は)結構不器用だったので、そういう風に一個ずつやっていけば、終わってくれるんだということを得てからは、安心していろいろなことができるようになったという経験がありました。

MC:ありがとうございます。さて、ここで原作者の宮下奈都さんからお手紙を預かっております。恐縮ですが、私が代読をさせていただきます。

<宮下奈都さんから届いた手紙>
映画「羊と鋼の森」キャスト、スタッフの皆さま
晴れやかな公開初日、おめでとうございます。原作者として、一冊のささやかな本であった「羊と鋼の森」を生んだ出版社のスタッフたちとともに、今日という日を心からお喜び申し上げます。試写を初めて観たとき、原作をとても大事に、丁寧に作ってくださっていることがひしひしと伝わってきました。たった一つの音にこめた思い、調律による音色の変化、難しいそれらの表現に、正面から向き合った情熱に圧倒される思いでした。私が作った森とはまた別の、豊かで奥深い森がそこに広がっていて、感激しました。
すばらしい役者さんたちの表情を見、セリフを聞き、なんていい物語なのかと我ながら感心することもありました。そして、それぞれの森に分け入っていく役者さんの、深い森の中をさまよう足取りに、知らず知らずのうちに涙が出ていました。
主演の山﨑賢人さんには、美しい容姿ゆえに、役作りの上で不自由なこともあったのではないかと思っていましたが、映画を観て、びっくりしました。才能に迷う不器用な新人調律師が、一歩一歩と手探りで進んでいく姿がちゃんとそこにあって、きっと山﨑賢人という俳優もこうやって一歩ずつ、​恐れながら、焦りや不安を抱えながら、コツコツ歩き続けてきたのだろうと感じ、胸が熱くなりました。あなたに外村を演じていただいて、本当に良かったです。どうも、ありがとうございました。
2018年6月8日、宮下奈都

MC:山﨑さん、いかがですか?

山﨑さん:
すごく嬉しいです。そうですね、(撮影時)僕もすごく悩みながら、お芝居することが分からないような時期だったりしたりして、それを外村にぶつけて頑張ろうと思っていたので、それを宮下先生に言っていただいて、本当に嬉しいなと思います。

MC:それでは、最後に山﨑さんからご挨拶をいただきます。

山﨑さん:
初日を無事に迎えられて、嬉しく思います。この映画は本当にどんな職業の方でも、共感できるところがたくさんあると思います。ぜひ広めていただき、一人でも多くの方の背中を押せればいいなと思っております。音楽と北海道で撮ったきれいな映像を大スクリーンで観てほしいなと思います。

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