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櫻井翔、広瀬すずが学生と特別講義に参加!
竜巻実験に「すごい!なんで?」
「ラプラスの魔女」公開直前特別講義イベント

2018年04月20日

「ラプラスの魔女」公開直前特別講義イベント

<広瀬すずさん>


ベストセラー作家・東野圭吾さんの同名小説を映画化した「ラプラスの魔女」の公開直前イベントが、4月19日に東京・世田谷区の日本大学文理学部キャンパスで行われました。 主演の櫻井翔さん、広瀬すずさんは学生ら500人と特別講義に参加。 竜巻を発生させる装置での実験や、専門用語の飛び交う学生からの化学の質問、最後には櫻井さんから学生へのエールも送られました。大盛り上がりとなったイベントの模様をレポートいたします!


日本大学文理学部地球科学科教授のお二人が登場!

竹内真司さん(日本大学文理学部地球科学科 教授):
今日のイベントに参加できるのは、教授としての役得ですね(笑)。

加藤央之さん(日本大学文理学部地球科学科 教授):
私も気象を研究していて、こんなに良かったなと思うことはないですね(笑)。 映画をテーマにして特別講義を行うことはめったにないことなので、楽しんでいきましょう!

教室に櫻井さん、広瀬さんが登場!

櫻井翔さん(青江修介役)
今会場に入ってきたとき、男子学生の「本物の広瀬すずだ~」というどよめきがすごかったですね(笑)。 作品はどうでしたか? (学生:大きな拍手) ありがとうございます! 短い時間ですが、楽しい時間になればうれしいです。
広瀬すずさん(羽原円華役)

映画を楽しんでいただけたようでとてもうれしいです。短い時間ですが、今日はよろしくお願いします。

MC:本作で主演の櫻井さんが演じられたのが、地球化学を専門とする大学教授の青江修介ですが、実際に学生の前に立ってみていかがですか?

櫻井さん:
(劇中の自身の講義シーンを振り返り)講義の内容を理解できた方いますか? (挙手をする学生がちらほら) ホントですか!? 正直僕は何を言っているのかさっぱり分かりませんでした(笑)。 あれだけ難しいことを勉強していることを尊敬します。

MC:竹内さん、櫻井さんの講義ぶりはご覧になっていかがでしたか?

竹内さん:
まず、こんなにカッコいい大学教授がいることがあり得ないですね。 (学生:大笑い) 授業のシーンでは落ち着いて粛々と講義されていましたが、我々が学生時代の頃の大学教授の雰囲気を思い出しましたね。

MC:広瀬さんは櫻井さんのような大学教授がいたら講義を受けてみたいですか?

広瀬さん:
もちろんです! 櫻井さんはお話が上手いので、楽しく授業を受けられそうですよね。

MC:ちなみに櫻井さんと広瀬さんは、化学は得意でしたか?

櫻井さん:
僕は全くダメでした。理数系が苦手だったので、ここにいる教授や学生さんを本当に尊敬します。撮影でも、セリフとはいえ耳馴染みのない専門用語を覚えるのは大変でした。

広瀬さん:
嫌いではないのですが、得意でもなかったです。セリフも他の映画と比べて覚えるのが大変でした。

MC:今日はせっかくの特別講義ということで、櫻井さんと広瀬さんには質問をご用意していただきました。

櫻井さん:
撮影中も疑問に思っていたことなのですが、気象現象を利用した殺人というのは実際可能なのでしょうか?

加藤さん:
劇中でも気象現象を利用した殺人事件がありましたが、劇中の青江教授の言葉を借りるならば「ありえません」。劇中の事件では硫化水素を利用していましたが、気体というのは濃度の高いところから低いところに広がる性質を持っているんです。実際の映画のシーンで考えてみると、風のない安定した気象状況で、硫化水素は空気より重いので、低いところに流れます。今日はせっかくの講義なのでスライドを用意しました。

櫻井さん:
がっつり授業ですね! (学生:笑)


加藤さん:
これはドライアイスを使って、階段で実験をしたものですが、上の方は濃度が高いのに、下は濃度が低いですよね。このように、濃度が高い気体も動いてしまうと濃度が低くなってしまうのです。ですから、劇中の殺人事件は「ありえません」。それが私の結論です。

櫻井さん:
じゃあ、劇中の僕のセリフは合っていたのですね! いやー、めちゃめちゃ面白いですね。

広瀬さん:
面白いです!

MC:続いて広瀬さんの質問です。

広瀬さん:
劇中でもありましたが、竜巻発生の予測はできるのですか?

加藤さん:
気象学からすると、竜巻というのは局地的で小さな現象なのです。天気予報でも、竜巻の注意報などは出ますが、現時点ではいつどこで発生するかまではまだ分かりません。アメリカでは竜巻を追いかけている研究者もいるので、その研究が進めば竜巻発生の予測の精度は上がっていくと思います。 竜巻はすごく稀な現象で、この中で見たことのある人はいないと思います。今日はせっかくの講義ですから、うちの学生に手伝ってもらって、竜巻を再現してみようと思います。

壇上に竜巻再現の装置が登場


加藤さん:
実際の竜巻は上昇気流で発生するので、仕組みは違ってしまうのですが、空気の渦を作り、再現したいと思います。


加藤さん:
ドライアイスにお湯をかけ大量の煙を発生させます。それを上から掃除機で吸い出します。すると下にたまっていた煙がだんだんと上に上がって竜巻のような渦を作っていくんです。

竜巻のような小さな渦が発生


櫻井さん:
すごい! なんで?

加藤さん:
これはですね、下の方に4つ穴が開いています。そこから丁度空気が入るときに、下で弱い渦が巻くように作ってあります。それで、掃除機で上に空気を引くと渦が上にぎゅっと引き延ばされるのです。引き延ばされると、渦の半径が小さくなります。小さくなっても渦のエネルギーは同じなので、小さくなると速度が速くなります。それで竜巻ができているのです。

櫻井さん:
先生、これは掃除機で引き上げているだけで、引き上げていなかったら、下で渦が回っているだけということですか?

加藤さん:
そういうことです。ですが、実際の現象としては、地面が温められて上昇気流で起こっているので、上から吸っているのではなくて、下から登っているという方が正しいと思います。それでは、角度を変えて皆さんにもご覧いただきたいと思います。

MC: ここで、櫻井さん、広瀬さんのお二人にもお手伝いをいただきたいと思います。

加藤さん:
それでは、箱の横の凹みのところを押さえていただいて。


(掃除機で吸い上げると、会場から「おー!」)

広瀬さん:
すごい。

MC: 櫻井さん、間近で実験を見られてどうでしたか?

櫻井さん:
面白かったぁ。勉強になるなあ。あとね、今、先生を見ていて思いました。講義のシーンの時に何回かポケットに手を突っ込んでやれば良かったなって。

MC: 広瀬さんはいかがでした?

広瀬さん:
目の前で、一瞬で竜巻ができたので、すごく面白かったです。

MC: それではもう少し講義の時間がありますので、竹内先生へ「ラプラスの魔女」に登場した化学に関する質問を皆さんから受け付けたいと思います。

【学生からの質問】

Q:映画の中で「ナビエ・ストークス方程式」がミレニアム懸賞問題(アメリカの数学研究所によって2000年に発表された懸賞金のかけられている問題)で難題だと言われていたのですが、これが証明されると化学的にどういう良いことがあるのですか?

竹内さん:
まず、解けていないというのが、現在の段階ですね。これが解けると流体のあらゆる動きが解るという解析解ということになります。でも、現在の中では解けていないので、何とも言えないなという段階でしょうか。

MC: 櫻井さん、解りましたでしょうか?

櫻井さん:
いや、全然、謎ですよ。天空で話をしているようで...何の話をしていたのか(笑)

MC: 広瀬さん的にはどうですか?

広瀬さん:
いや、あの、「ん?ん?」ってなっていました。

櫻井さん:
いやでも、皆さんはそういう勉強をされているのですよね。

Q:映画の最後に「ダウンバースト」があったと思うんですけど、実際その現象で物が飛ぶことがあるのでしょうか?

竹内さん:
積乱雲がわいてかなり強い上昇気流により、例えば雲や氷の粒ができます。それが上昇気流に逆らって落ちてくるのですが、この落ちてくる時に空気を引きずってくるというのが一つの効果ですね。もう一つが、氷の粒などが蒸発するときに熱を周りから奪うので空気が冷えてまた下りてくる。それで二重に重たい空気ができる。その重たい空気が地面についた時に周りに広がっていく、これが「ダウンバースト」です。 この現象は映画でも出てきますが、竜巻よりは弱い現象だといわれています。実際にはそのスケールというものがありますが、竜巻のスケールよりは少し小さい。ただし、風速50 メートル程度のダウンバーストが過去にも記録されています。ですから、映画の中で広瀬さんが、予測して「この辺りに車を置いて」とありましたが、これはあり得るなと思いました。車が横転する速度が風速50メートルと言われていますので、そこに車を置いて飛ばすというのは、アイデアだと思います。

櫻井さん:
今のは、分かりました。映画の中の円華の行動が正しかったというのは、ちょっとうれしいですね。

広瀬さん:
確かに映画の中の演出などで完成したものを観て、「こんな現象があるんだ!」という感想だったのですが、それが実際に記録されているものがあるというのは...うれしいです(笑)

櫻井さん:
現場では当然そういう現象が起こっていない状態で、いわゆるグリーンバックとか合成映像用にやっています。頭の中で想像するしかないのです。現場には絵コンテという漫画みたいなものがあるのですが、「こうなります」っていうのを見て「なるほど」と、理解するのですよ。ですから、実際にそういう現状が起こりうるというのは面白かったですね。

Q:気象に限らず、自然現象の予測というのは可能なんですか?

竹内さん:
予測というのは、「根拠に基づいて将来にあり得ることを推定します」という予測であれば、いろんなところでやられています。 例えば、海水準変動(陸に対して海面の相対的な高さの変化)が規則的に起こることや、火山の噴火の間隔、地震が割と規則的に動くというのが解っていると、それが将来までも続くでしょうという予測ができます。 もう一つは、見えない地下に関しても、水や物質がどっちからどっちに動くというのが解っていて、それがちゃんとフィールドでデータが取れれば、ある程度の確度で予測ができます。最近はモニタリングやシミュレーションの技術が発展していますので、今後ますます予測の確度が上がってくるという期待をされているというところです。

MC:では、可能なのですね?

竹内さん:
予知は難しいと思います。いつどこで何が起こるというのは難しいと思いますが、予測をすることはできます。ただ、予測が合っているかどうかは正確には分からないのです。

櫻井さん:
すごいですね、こういうお話を実際に聞けるのは。

MC: それでは櫻井さん、広瀬さん、今日の感想と皆さんへのメッセージをお願いします。

広瀬さん:
今回の映画の中で起きた現象などを、あまり触れたことのない、「映画の世界」という風な感覚で見ていたので、実際に実験をやってみてすごく楽しかったです。非現実的なものが多いと思っていたのですが、ちょっと身近に感じられた部分もありました。登場人物の気持ちや、いろんなものを改めてもう一回観たいなと思いました。 皆さんも、面白かったなと思ったらたくさんの方に広めていただけたらと思います。

櫻井さん:
先生方には楽しい講義をどうもありがとうございました。よく、この映画の取材などで「未来が見えたらどうですか?」と聞かれたりします。そういった意味では学生の皆さんには未来の可能性がいっぱい詰まっていると思います。当然、今はそんなこと感じられないと思います。まあ、僕も大学生の時に何をしていたかといえば、ほとんど友達と酒を飲んでいただけなのですが。 でも、そんな友達とは今でもつながっていたりします。勉強もすごく大切だけれども、一生の付き合いができる友達との時間も大切にしながら学生生活を満喫してください。そうしたら、あとで振り返って、良い時間だったなと思えるかなと思っています。映画の本質のところは、勉強されている皆さんの方がお詳しいと思うので、なるべく多くの人に映画が楽しかったと言ってもらえたらうれしいです。


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