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広瀬すず、菅田将暉、宮野真守、松たか子と原作・岩井俊二が登壇!
「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」製作報告会見

2017年07月11日

「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」製作報告会見

<左から、岩井俊二さん、宮野真守さん、広瀬すずさん、菅田将暉さん、松たか子さん、川村元気プロデューサー>

原作・岩井俊二×脚本・大根仁×総監督・新房昭之によるアニメーション映画で、少年少女の瑞々しい青春模様を描く「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」の製作報告会見を7月11日に都内で開催。声優を務めた広瀬すずさん、菅田将暉さん、宮野真守さん、松たか子さんに、原作の岩井俊二さん、川村元気プロデューサーも登壇し、作品に込めた思いやアフレコの模様、完成作への期待を語りました。さらに、映画の完成前からすでに110もの国と地域での配給も決定! こちらの記者会見の模様をレポートいたします。


広瀬すずさん(及川なずな役)

なずなの声を演じました広瀬すずです。
菅田将暉さん(島田典道役)

島田典道を演じました菅田将暉です。
宮野真守さん(安曇祐介役)

安曇祐介役の宮野真守です。
松たか子さん(なずなの母役)

なずなの母親役を演じました松たか子です。
岩井俊二さん(原作)

原作者の岩井俊二です。
川村元気プロデューサー

プロデューサーの川村元気です。

MC:広瀬さんは2015年の「バケモノの子」以来二度目の声の出演ですが、脚本を読んで、どんな感想を持たれましたか?

広瀬さん:
脚本を書かれているのが大根(仁)さんなので、セリフがどこか実写の会話のテンポ、言い回しだったりして、自然にこの世界に溶け込んでいけるような印象を受けました。声の仕事は二回目ですが、一回目がすごく楽しかったんです。その時も宮野さんと一緒だったので、「これはどうなるんだろう?」と楽しみでしょうがなかったです。

MC:実際にアフレコに参加されてみていかがでしたか?

広瀬さん:
緊張しました。「なずなちゃんは色っぽいな」という印象があり、そういう役柄を演じるのが初めてということもあって、一人でそわそわしていました(笑)。

MC:アフレコは広瀬さん、菅田さん、宮野さんの三人で一緒にされたんですよね?

宮野さん:
一緒にやりました。お二人が本当にピュアなオーラを発していて、僕もピュアになろうと頑張りました。一人だけだいぶ年上だったので(笑)。

MC:広瀬さんは菅田さんとご一緒していかがでしたか?

広瀬さん:
すごい方だなと思いました。

菅田さん:
ホンマかぁ...?

広瀬さん:
ホントです! (菅田さんが)「なんでも言ってください!」って感じだったので、「やばい!」って思いました。

MC:菅田さんは声のお仕事は初めてだったんですよね? プレッシャーはありましたか?

菅田さん:
プレッシャーはありました。アフレコに関して言えば、僕のデビューは「仮面ライダーW」だったので、やったことはありました。しかし当時は「やー!」「はっ!」とか、繊細さのかけらもないような必殺技の声しかやっていなかったんです...。言葉の一音一音の、ちょっとした上ずり方や弾み方でトーンは変わるので、少年少女の微妙な心情を声で表現するのは難しかったですね。

MC:広瀬さんは「すごかった」とおっしゃっていますが。

菅田さん:
嘘ですよ。

広瀬さん:
嘘じゃないですよ! すごかったですよね?

菅田さん:
そうやって大人をイジって...(笑)。

宮野さん:
堂々としていたよ!

菅田さん:
ありがとうございます。お二人がすごく優しくて、宮野さんに「水の中の音とかってどうやるんですか?」って聞いたら「手でこうやってやるんだよ」ってテクニックを教えてくださったりして楽しかったです。

宮野さん:
楽しかったですね。「こんなやり方があるんだよ」っていうお話をしたりして。僕らが最初に収録したので、僕らで空気感を作るというか、「この作品の質感をちゃんと表現できたんじゃないかな」って気持ちは収録の時からありました。

MC:今回、原作が実写ドラマである作品を、アニメーションとして再構築するということで、どんな印象を持たれましたか?

宮野さん:
びっくりしました! 「アニメで作るんだ?」って思いましたね。どういった経緯でそういう話になったのか、僕が気になるくらいです。誰もが知っている作品をアニメーションにして「どうなるんだろう?」と、企画書をいただいて驚きました。そして、まさかそこに参加できるとは...。すごく驚いたのを覚えています。

MC:松さんは岩井監督の「四月物語」でヒロインを務めましたが、今回は声の出演ということで、どんな気持ちですか?

松さん:
私のセリフの八割は「なずな」としか言ってなくて、ここにいるのが申し訳ないです(苦笑)。でも監督が現場でいろんな「なずな」という声のかけ方を教えてくださりました。「こんな母親から逃げたかったんだろうな」「なずなが逃げるのも無理はないな」と思っていただけたら嬉しいです。せっかく岩井さんから声をかけていただいたので、楽しんで参加しました。

広瀬さん:
私が録ったのは収録初日だったので、ラッシュを観て初めて「あ、お母さんがいる!」と思いました。私たちの掛け合いを初めて聞いて鳥肌が立ちました。

MC:岩井さんはこれまで実写、アニメーションで数々の作品に関わってきましたが、今回は原作者という立場でした。最初に企画について聞かされた時の印象は?

岩井さん:
川村プロデューサーから「こういう企画はどうですかね?」と話があって、最初はびっくりしました。「なんてことを思いつくんだろう」「『打ち上げ花火』を?」と思いましたが、アニメで観られたら嬉しいなという気持ちでした。

MC:今回の企画のきっかけやスタッフの起用のポイントなどを教えてください。

川村プロデューサー:
細田守監督と作品を作り、新海誠監督とも「君の名は。」を作りましたが、実は本作は「君の名は。」よりも前に始まった企画なんです。新房昭之監督には、「化物語」と「魔法少女まどか☆マギカ」というテレビアニメを観て、実写映画を作ってきた人間として、「こんなビジュアルセンスを持つ人がいるんだ」と衝撃を受けました。一緒に映画を作りたいと思って会いに行ったんですが、その時に手ぶらで行くのも失礼かと思って、一つずっとやりたかった企画を持って行ったんです。それが「打ち上げ花火」でした。でも、あまりにパーフェクトだから映画界的にはアンタッチャブルな作品だと言われていました。特に、実写で少年少女の瑞々しさを表現するのは難しいだろうと思われていました。でもアニメーションでやるなら新しい表現があるんじゃないかと思い、岩井さんに許可をいただいて新房さんのところに持って行ったら「面白そうだ」と言ってくれたんです。そこで僕が「モテキ」や「バクマン。」を一緒にやった大根仁監督が「打ち上げ花火」の大ファンということで、(岩井監督、大根監督、新房監督の)三人の監督が集まってアニメーションのオリジナルストーリーの表現を見つけていったら面白いんじゃないかと思い始めました。

宮野さん:
感動しました! ずっと前から企画されていたものが実って、こうして参加できて幸せです。聞けて良かったです。

MC:現在の製作状況についても教えていただけますか?

川村プロデューサー:
今日、ここで完成報告会見の予定で、キャストの方々にも完成した作品を見ていただく予定だったんですが、現在製作を粘りに粘っておりまして、ここで「完成」と言えず、今回製作報告会見とさせていただいております。ただ、予告編を見ると分かると思いますが、新しいビジュアルの発明が何個もある映画です。「君の名は。」以降のアニメーションの中で、全く新しい提案ができると思います。

MC:ラッシュの映像をご覧になっての感想を教えてください。

広瀬さん:
すごく心がくすぐったくなりました。普段、実写映画では、スクリーンの自分の表情を見て「こんな顔をしていたんだな」と思ったりすることが多いんですが、本作の映像を観たとき、一ファン、一視聴者として、ドキドキワクワクがあって胸キュンしました。

菅田さん:
不思議でしたね。声を当てた段階でちゃんとアニメーションがあるわけじゃなくて、僕らの声があって、それに合わせてアニメを作っていくということですよね? 例えば、典道がなずなに対して緊張して上ずりながら言葉を選びながらしゃべっているシーンなどは何度も録り直したんですが、そこに身体の動きが(アニメーションで)ついているのを見て、それは新しい体験でした。

MC:三人の掛け合いはいかがでしたか?

菅田さん:
ちゃんと合いの手があって、普通に会話している感じがあって、面白かったですね。

宮野さん:
僕らが勝手に入れていった合いの手に画がついてくるのは、映像に先攻して音声・台詞を収録したからこそだと感じましたね。ラッシュで初めていろんな画を見る前は、半ばふざけて「ちゃんと中学生ができるかな?」とか言っていましたが、やはり、あの世界観でしっかりと生きている姿を見たら愛おしくてかわいくて。なずなのビジュアルを初めてちゃんと見たら、「こんなセクシーなんだ!」と驚きました(笑)。そういうシーンが目白押しなのでお楽しみに! ドキドキすると思います。

松さん:
なんだか懐かしい素朴な情景や世界観と、未来のような作風が合わさり、懐かしさと未来感が混在していて、「なんだこれは?」と思いながら観ていました。完成したらえらいことになるんでしょうね。また、色っぽいシーンには私でも「おおっ!」って思いました(笑)。

岩井さん:
本当に新感覚な雰囲気です。僕が「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」を作ったのは24年くらい前ですが、その時も実は幼少期を懐かしんで作っているんですよね。その時すでに自分にとって懐かしいものを作っていたはずなのに、24年後の未来にこういう形で見るなんて、「ドラえもん」の世界のような不思議な体験をさせてもらいました。

MC:本作ですが、早くも世界110カ国での配給が決定しました!

広瀬さん:
すごいですよね、本当に。

川村プロデューサー:
100カ国を超えているってすごいです。もっと増えていくと思います。いまは予告の映像だけでこれだけ決まっているので、映画祭も回っていけば、これからもっと増えていくと思います。

菅田さん:
100カ国を超えているってすごいですよね。アニメーションならではの国境を越えて伝わるものがあると思うし、それが楽しみです。それに日本ならではの情景、お祭りなどを、海外の人に楽しんでもらえるかなと思います。

記者:アフレコでの印象的だったことを教えてください。

菅田さん:
広瀬さんはいつも僕の横で収録をしていたんですが、広瀬さんのなずなの声が本当に美しくて、それに合わせて、ドギマギしていました。身長的にも年齢的にも僕の方が上ですが、声の世界にいると久しぶりにドキドキしました。先ほどから「色っぽい」と言われていましたが、僕はどちらかというと「エロイな」と思っていました(笑)。

宮野さん:
言い方次第だね(笑)。

菅田さん:
言い方次第ですね。中学生くらいの、男の子が幼稚で、女の子の方が大人びている感じを上手く表現できたなと思いました。

広瀬さん:
よかったです(笑)! でも本当になずなちゃんの画が完成されて、中学生というより女性という感じだったので、典道くんより余裕がある感じを出していけたらいいなと収録時に思っていたのでよかったです。

菅田さん:
なずなはずっと余裕なんですよ。でも母親に引っ張られる時だけ、すごくわめくんです。そういう声だけずっと残っていますね。そこはぜひ楽しみにしていただきたいです。

宮野さん:
偉そうなことを言うと、僕らで作品の質感が決まる感じがあるんです。「どんな中学生の雰囲気で行こうか?」と思っていたとき、菅田くんが思い切りやっている姿を見て、カッコいいなと思いました。そこに僕なりにアプローチしていきました。ある意味、出方を見た感じがあったんですが、それがナチュラルな雰囲気になって楽しかったです。

菅田さん:
学校の帰り道のシーンとか、台本にない一瞬の掛け合いが面白かったです。

記者:総監督の新房さんの起用について。一般にまだ知られてないという点で、昨年の新海監督と重なる部分もあると思います。東宝の夏アニメとして、大衆の心をつかむために、何を生かし、何を加えるべきかと考えたのでしょうか?

川村プロデューサー:
新房監督が「化物語」と「魔法少女まどか☆マギカ」でやったことを多くの人が見たら、新海さんの美術による東京の街並みにみなさんがびっくりしたのと同じようなことが起きるんじゃないかと直感的に思ったんです。同時期に岩井さんとも「『まどか☆マギカ』面白いよね」って話をしていたり、大根さんも「大好き」って言っていたり、同時多発的に僕の周りの映画監督が話題にしていたんです。やはり、これだけ作り手を震わせるものを作る監督と「全国公開できるような王道の青春映画を作れないか?」「でも新房監督が持っているファンタジックなビジュアルとカット割りの面白さが生きる題材はないかな?」と思ったときに浮かんだのが、実写映画で編集が一番鮮やかな岩井俊二監督でした。「打ち上げ花火」が持つ、「if」が繰り返す世界観が、どこか「まどか☆マギカ」とつながる部分とつながる部分があるなと思ったんです。ただ、始めた時は、単純に「面白いフェスティバル的なことが起きないかな?」と思っただけだったんですが、ここに広瀬さんや菅田くんの声が入ってきて乱反射して、面白いユニークな映画になりました。少なくとも見たことのない映画になっていると思います。

MC:最後にみなさんから映画を楽しみにしている方々に向けてのメッセージをお願いします。

川村プロデューサー:
東宝の夏のアニメーション枠は宮崎駿監督に始まり、細田守監督、新海誠監督とそうそうたるメンバーが出てきている場所です。そこで岩井俊二さんの原作をお借りして新房監督という新しい才能を送り出せることを嬉しく思います。完成はまだですが、完成した映画を観て、その最初の目撃者になっていただけたらと思います。

岩井さん:
僕もラッシュを観て、「なずながカワイイ」と思いました。僕はぜひ、なずな推しで観てほしいなと思います。他のキャラクターも素晴らしいんですが、なずなに対する監督の愛が素晴らしいと思います。男性目線でそう思いました。

松さん:
子どもとは言えない、子どもに収まりきらない、でも大人でもない、キラキラした危なっかしい、まぶしい青春がひとつに集まっている映画になっていると思います。ぜひ完成を楽しみにお待ちください。

宮野さん:
「少年少女の瑞々しさをどういう風に表現するんだ?」という疑問に、何より主演二人の空気感がすごくいい気持にさせてくれて、答えているんですよね。ずっと見ていたい、純粋な気持ち、こういう映画があるんだ...と心が洗われるような気持ちで観ました。恋の芽生えのシーンがあるので、うまく想いを伝えられないところになんかは胸がキュンキュンします。僕らが忘れかけたものを思い出させてくれると思うし、何よりアニメでしかできない表現にすごく力が入っていて、度肝を抜かれる表現が目白押しです。そういう部分も楽しみにしていただければと思います。

菅田さん:
本当に、なずながめっちゃカワイイです。宮野さんが言われたように、忘れたくなかったけれど、どこかで忘れていた汗のかき方とか、足取りとか、呼吸の速くなる瞬間とか、「あるある」のようなもの。「もしも...」という、やり直せないからこそ、一度は思う感情が叶えられた瞬間の、もしかしたら知らないほうが良かったかもしれないこと。そして知ったからこそ、足りない脳で必死で考える少年少女の生きざまが、アニメーションによって新しいエンターテインメントになっていると思いました。楽しみにしていてください。

広瀬さん:
私も映画を見て、「あぁ、大切なものは本当に大切にしないとどこかで離れちゃうんじゃないか?」と、いろんな気持ちが生まれました。好きなものに真っすぐだったり、ガムシャラになったり、不器用だけど全力で伝えたり、そういうところが、この映画の大好きなところだなと思います。なずなのどアップが本当に色っぽいんですよ! かわいくて、「この表情にどんな気持ちがあるのかな?」って思いながら演じました。私自身、完成が楽しみなので、みなさんも楽しみにお待ちいただければと思います。

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