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スタジオジブリ退社後、初となる米林宏昌監督最新作がついに完成!
杉咲花、神木隆之介ら豪華キャストが集結!
「メアリと魔女の花」スペシャルトークイベント

2017年06月22日

「メアリと魔女の花」 スペシャルトークイベント

<左から、米林宏昌監督、佐藤二朗さん、大竹しのぶさん、杉咲花さん、
神木隆之介さん、小日向文世さん、遠藤憲一さん、西村義明プロデューサー>

「借りぐらしのアリエッティ」、「思い出のマーニー」で国内外の高い評価を得ている米林宏昌監督がスタジオジブリ退社後初めて監督を務めた全世界待望の最新作「メアリと魔女の花」。映画の完成と、今夏の公開を記念したスペシャルトークイベントを6月22日、六本木ヒルズアリーナにて行いました。 主人公・メアリ役を務めた杉咲花さん、メアリと一緒に冒険を繰り広げるピーター役の神木隆之介さんをはじめ、小日向文世さん、佐藤二朗さん、遠藤憲一さん、大竹しのぶさんと、本作に出演した日本を代表する俳優陣が登壇。屋外で行われたイベントでは、お天気にも恵まれ、豪華キャスト陣が真っ赤なパネルをバックに、黒の衣装で登場すると、会場からは大歓声が! キャストに「どんな魔法が使えたらいいか」と質問が投げかけられると、ロマンチックなもの、現実的なもの、さまざまな答えが返ってきました。また、米林監督は、作品完成後に宮崎駿監督や鈴木プロデューサーにどんな言葉をかけられたかなど、貴重なエピソードも披露。そんな盛り上がりをみせたトークイベントの様子を詳しくレポートします。


米林宏昌監督(脚本・監督)

(大勢の観客を見渡して)大勢の方にお越しいただき、ドキドキしています。この日を迎えられて本当に嬉しいです。
西村義明プロデューサー

三年前にプロダクションを立ち上げて、米林監督とゼロからこの企画をスタートさせました。まさかこんな立派な会場でお披露目するとは思いませんでした。映画が完成して嬉しいです。
杉咲花さん(メアリ役)

皆さんと一緒に楽しみたいです。短い時間ですが、よろしくお願いします。
神木隆之介さん(ピーター役)

米林監督とは「借りぐらしのアリエッティ」以来ですが、また監督の作品に携わることができて本当に幸せだなと思っています。
小日向文世さん(ドクター・デイ役)

アニメーションの声を初めて務めました。ずっと挑戦してみたかったので、やっと声をかけていただいて本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。
佐藤二朗さん(フラナガン役)

僕には五歳の子どもがいるんですが、これまで子どもの教育上あまりよくない感じの役が多く、一緒に観に行くことがなかったんです(笑)。でも、今回は子どもと一緒に観に行きたいと思っています。
遠藤憲一さん(ゼベディ役)

声を演じる仕事は今回が三回目になります。一番初めは狼の役で二回目は木をやりましたが、今回初めて人間を演じました。ありがたいです(笑)。
大竹しのぶさん(シャーロット役)

三年もの長い間、監督とプロデューサー、そして多くのスタッフの人が作ってきた映画がやっと完成しました。そのご苦労を考えると胸がいっぱいです。


MC:米林監督、西村プロデューサー、お二人ともスタジオポノックでの第一回作品、まさにゼロからのスタートになったわけですが、この作品を作る上で一番大変だったこと、あるいは一番意識したことなど何かありますか?

米林監督:
2014年の12月をもちましてスタジオジブリを退社しましたが、もう一本映画を作りたいなという気持ちが「思い出のマーニー」を作り終えた後に湧いてきました。西村プロデューサーに、次は「マーニー」とは真逆の、動くファンタジー作品を作りたいということを話しまして、今日まで一生懸命やってきました。何もないところから西村プロデューサーとスタートしたので、こういう場に立てること自体が本当に夢のようです。

西村プロデューサー:
米林監督もプロデューサーという立場の僕も、そしてスタジオポノックのクリエイターたちも、ジブリの作品が好きでジブリに入って、ジブリのクオリティを一番知っているわけなんです。それをゼロから再構築しなければならないというところから始めて、「お客さんに喜んでもらえる価値あるアニメーションができるか」っていうところに毎日苦しみながら作っていったので、本当に大変でしたね。

MC:映画が完成となりましたが、お気持ちはいかがですか?

西村プロデューサー:
「かぐや姫の物語」の製作に関わっていた時、公開延期っていう騒ぎを起こしてしまいました。今回スケジュールが大幅に遅れた時に、クリエイター側から「そろそろ得意技(公開延期)を出してもらえませんか」と、公開間際に言われたくらいなんです(笑)。本当にクリエイター陣に頑張ってもらって、素晴らしい作品が完成したことは嬉しいですね。

MC:キャストの皆さん、映画の率直な感想をお聞かせください。

杉咲さん:
普段自分が関わった作品を初めて観させていただくときは、どうしても自分のことが気になって客観的に観ることができないんです。でも今回は本当に作品の力がすごく、103分の映画があっという間に感じられるくらい引き込まれ、楽しませてもらいました。

神木さん:
本当に楽しく観ることができました。自分が出ていないシーンがどうなっているか分からなかったので、一人の観客として観ることができて純粋に楽しめました。すごく勇気をくれるというか、背中を後押ししてくれるような作品だなと実感しました。

小日向さん:
とにかく画が美しくて本当に素晴らしかったです。僕が演じたドクター・デイが出てきて、自分の声が流れた瞬間だけは「ヤッター!」と思いました(笑)。けれど、あっという間にそれも忘れて作品にのめり込んでいきました。自分が映画に関わっていることを忘れて、引き込まれました。

佐藤さん:
画の美しさや発想の豊かさに引き込まれました。僕は人間でないフラナガンっていう役を演じているんですけれど、ネズミの役だと思って現場に行ったら、スタッフさんからアライグマとかタヌキとか好き放題言われました。監督に「フラナガンって何ですか?」と聞いたら、監督は「さあ? 何でしょう?」て言うんです(笑)。結局フラナガンが何なのか全然分からないまま演じました(笑)。

遠藤さん:
私は庭師の役なんですが、怖くもなく、決して優しいわけでもない普通の庭師なんですね。俳優としてもこういう役をやったことがなく、普通の人間って難しいなと実感しました。花ちゃん(杉咲花)とは二度目の共演なんですけれど、前に共演したときは花ちゃんを倉庫に閉じ込めて拳銃で脅して散々泣かせる役だったので、今回は普通の役で共演できて良かったなと思っています(笑)。

杉咲さん:
遠藤さんが怖くなくて嬉しかったです。あのときは本当に恐ろしかったので(笑)。

大竹さん:
「アリエッティ」のときも思ったんですが、「もしかしたらこういう世界が本当にあるのかもしれない」と思わせてくれるような美しい世界観で、「この画を作るのにどれだけの発想とどれだけの人が携わっているのかな」って、そのことに胸をうたれました。とにかくメアリに「頑張れ!頑張れ!」って応援している自分がいました。

MC:米林監督、この豪華キャスト陣に声を吹き込んでもらい、どうでした?

米林監督:
本当に皆さん、予想をはるかに超えていらっしゃったので、どんどんキャラクターの魅力が引き出されていき、嬉しく思っています。

MC:予想を超えるというのは例えばどんなところでしょうか?

米林監督:
例えば杉咲さんのメアリは、わりと嘘をついちゃうし、調子に乗って失敗しちゃうところとか、「演じる方によっては嫌われるキャラクターになるんじゃないかな」と思っていたんですが、杉咲さんの声のおかげで魅力的で応援したくなるようなキャラクターになったと思います。

杉咲さん:
メアリは心が動くと直ぐにそっちの方に行ってしまうキャラクターなんですが、誰かのためにと思うといつもうまくいかなくて失敗しちゃうんです。でも、そんな姿が愛おしく、憎めなくて応援したくなる。私にどうやったらそのメアリの役をできるかとすごく迷ったんですが、「メアリと同じように自分も一生懸命になるということが大事なのかな」とアフレコのときに思い、とにかく一生懸命に演じました。

西村プロデューサー:
皆さんの演技がすごかったです。実際アニメーションを作っている工程で、最後に声をいれて効果音や音楽が入ると全然違うものに見えてくるんです。プロの仕事を見たなって思いました。

MC:主人公・メアリは一夜限りの魔法を手に入れるわけですが、もし皆さんが魔法を手にしたらどう使ってみたいですか?

杉咲さん:
時間を早送りできる魔法を使ってみたいです。私はぬか漬けが好きなんですが、なかなか漬からないので早送りして早く漬かる魔法で、ぬか漬けをいっぱい食べたいです!!

神木さん:
僕は片付けが苦手なので、ヒュッてやったら物が整頓される魔法を使ってみたいです。

小日向さん:
映画で使われた空を飛ぶ魔法の画が素晴らしかったので、メアリのように空を飛んでみたいです。仕事の現場に空から「おはようございまーす!」て言いながら行ってみたいです(笑)。

佐藤さん:
僕は本当に切実なんですが、最近寝ると四~五時間で起きてしまうので、一度寝ると八時間くらい起きない魔法を(笑)。

遠藤さん:
宮崎監督とか高畑勲監督とか巨匠の人たちと接触して、米林監督のような新たな巨匠が出現したと思うんですよね。なので、将来の巨匠が今どこにいて何をしているかが分かる魔法を使いたいです。

大竹さん:
小さい頃、「いきなり金髪のフランス人になって、フランス語とかしゃべれて、かっこいい人が迎えに来てセレブな結婚をする」っていう妄想をしていました。そんな妄想を魔法で実現させたいです(笑)。

西村プロデューサー:
僕は職業柄、頑張る人間なんで、分身の術とか使いたいですね。分身に働いてもらって自分はラスベガスに行きたいです。

米林監督:
会社にずっとカンヅメで太ってしまったので、痩せたいです(笑)。

Q:(米林監督と西村プロデューサーに)宮崎監督と高畑監督と鈴木さん側から作品作りにおいて「覚悟を持って挑め」と言われたかと思いますが、お三方が本作を観ておっしゃったことなどありましたらお聞かせください。

西村プロデューサー:
米林監督と僕は完成した映画を持ってジブリに行きまして、高畑勲監督と鈴木敏夫プロデューサーに観てもらいました。鈴木さんの感想が面白かったんですけれど、開口一番「よく頑張ったな。ジブリの呪縛から解き放たれるとお前らもこういう映画を作るのか。素直に伸び伸びといい作品を作ったね」と言ってもらえました。高畑さんはファンタジー映画がそもそも嫌いなんで、(感想を聞くのに)一番緊張する人なんですけれど、本当にすごく褒めてくれて「好感の持てる映画です」って言ってくれました。「ただ私が好感を持つということはこの映画の成功は危ういんじゃないか」とか言っていましたけれど(笑)。宮崎駿監督は観てくれなかったですね。「俺は観ない!」って(笑)。でも、労いの言葉はもらいました。

Q:(西村さんに)スタジオジブリを退社されて、この作品で「ジブリと違うことができた」と胸を張って言えるところお聞かせください。

西村プロデューサー:
ジブリを超えるとかは考えていないですね。自分たちがジブリを愛してきて、そこで学んだこともそうですし、活かしていきたいこともあったので。ジブリは面白いだけではなく、価値がある、今、作ることに意味があるものを作ろうとする集団でした。そのために一枚一枚画を描き続けて、一枚一枚塗って、一枚一枚背景を描くという愚直さが一種のジブリの志だったので、それは絶対に忘れてはいけないという思いは現場で共有していました。米林監督が今回の作品で映画三本目ということで勝負の作品になると思うんですが、米林監督から何かジブリの蓋みたいなものが外れてやりたいことを全部詰め込んだんじゃないかなと思います。ジブリ人生約20年の全てを費やすと明言してこの企画はスタートしたわけです。その結果は作品に出ているし、僕たちが新しいと思えるものがこの作品にすごく出ていると思います。

MC:最後にメッセージをお願いします。

杉咲さん:
メアリが前向きに一生懸命頑張っている姿を観て、「自分はこれくらい頑張れているか」改めて自分に向き合う一つの機会をもらえたなと思えました。そして、頑張ることを諦めたくないなと思えました。観てくださった方々に、少しでも心胸に響くものがあったら嬉しいです。どの世代の方々にも楽しんでもらえる作品になっていると思います。

米林監督:
三年かけて一生懸命作りました。この映画の中で、主人公のメアリは魔法の力を肝心なところで失ってしまいます。そのときにメアリがどんな気持ちで立ち上がって前に進んでいくか。この映画を観て「自分も一歩を踏み出す勇気を持てたな」と思ってもらえたら嬉しく思います。

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