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祝!初日!! 朝日100年目の勝利へ向けて、プレイボール

2014年12月20日

「バンクーバーの朝日」初日舞台挨拶

<前列左から、妻夫木聡さん、勝地涼さん、上地雄輔さん、
後列左から、佐藤浩市さん、石井裕也監督>

戦前のカナダ・バンクーバーで、迫害や差別にも負けずにフェアプレイを貫き通し、そのひたむきな姿で見る者に希望を与えた実在の野球チーム"バンクーバー朝日"と、彼ら日系移民の壮大なドラマを描いた「バンクーバーの朝日」が、12月20日、ついに公開初日を迎えました。

東京・有楽町のTOHOシネマズ 日劇では、主演の妻夫木聡さん、亀梨和也さん、勝地涼さん、上地雄輔さん、池松壮亮さん、高畑充希さん、佐藤浩市さん、石井裕也監督による舞台挨拶が行われ、公開初日を迎えた"今だからこそ明かせる"裏側が語られ、さまざまなエピソードが明らかとなりました。

さらに、この日の客席には朝日の他のメンバーや、妻夫木さんのご両親の姿も。彼らに見守られる中、挨拶に立った妻夫木さんは感極まって涙を流しながら、熱いメッセージを伝えました。そんな妻夫木さんを気遣い、そっと手を添える亀梨さんたちの絆にも熱い拍手が送られた舞台挨拶の模様をレポートいたします。

【舞台挨拶(挨拶順)】

妻夫木聡さん(レジー笠原役)

ようやく「バンクーバーの朝日」というこの映画がスタートすることになりました。本当に緊張して、昨夜は眠れませんでした。0時ぐらいに監督とメール交換をしたりして、本当に緊張していました(笑)。こうして無事に初日を迎えることができて嬉しいです。この作品は僕自身も全身全霊を尽くしましたし、ここにいるみんなもそうだけれど、ここに来ていない"バンクーバー朝日"のみんなも、そしてその他のキャスト、スタッフの方、みんなの想いも詰め込んで作った作品です。一人でも多くの方にこの想いが届いたらいいなと思っているので、今日もし気に入っていただけたら、いろいろな人に薦めてくれたら嬉しいです。

MC:石井監督になんとメールを送ったのですか?

妻夫木さん:
先に石井さんからメールが来ました(笑)。

石井監督:
「いよいよですね。痺れますね」と送りました(笑)。

亀梨和也さん(ロイ永西役)
僕自身、この作品に参加できたことを誇りに思います。この間、3回目の試写を観たのですが、やっと自分も皆さんと同じ感覚で客観的にこの作品を捉えることができました。本当にすごい作品に参加させてもらえていたんだな、と改めて感じました。この作品を通して歴史というものをたくさんの方たちに、同じ日本人として知っていただけたら嬉しいなと思いますし、シンプルに時代とか状況を飛び越えて、生きるということに対して何か感じていただけたら嬉しく思います。
勝地涼さん(ケイ北本役)

僕自身、この作品に関わるまで、戦前のカナダ・バンクーバーに日系の人たちや、こうした野球チームがあることを知りませんでした。この映画に関わって初めて困難な中でも前向きに生きていこうという人たちを知り、自分自身も改めてどんなことがあっても前向きに生きていこうという気持ちになりました。観たあと皆さんも何かを持ち帰ってくださったら嬉しいです。そして、この映画を気に入ってくださったら、5回は観てください(笑)。
上地雄輔さん(トム三宅役)

僕も聡と一緒で、初日を迎えられるということで全然眠れなくて、夜の10時には夢の中でした(会場笑)。
先日の完成披露試写会では、僕が一番年上だったんです。でも、今日は浩市さんがいらっしゃいます。壮亮も楽しいことを言うと思うのですけれど、浩市さんがめちゃくちゃ笑いをとりますので、最後までよろしくお願いします(会場笑)。(佐藤さんに肩を叩かれて)イテッ(笑)!
池松壮亮さん(フランク野島役)

すごくソワソワしています。何かが生まれるのか、生まれないのか。これからも作品のことを応援していただければ嬉しいです。
高畑充希さん(エミー笠原役)

この映画が私は大好きで、ちょっと思い入れが強すぎて、今日の日を迎えることで、皆さんに観てもらえるようになって嬉しい反面、自分の手を離れていってしまうような気がして少し寂しいです。ですが、この映画を、皆さんがどんどん人に伝えていって、その輪がどんどん大きくなっていけばいいなと思っています。
佐藤浩市さん(笠原清二役)

最初にこの映画の話をいただいた時に、打って投げて走る気満々だったんですけれども、そういうシーンは一切なかったです(会場笑)。ただ、"グラウンド以外のフィールドで思いきり走って遊んでください"という石井裕也監督の演出の面白さ、客観的に見たプレイヤーたちの真剣なプレイ、それがこの映画から滲んでいると思います。
石井裕也監督

"朝日"に野球があったように、僕たちには映画があって、"朝日"の人たちが夢中になってとにかくひたすら野球をやったように僕たちも映画を作らないといけないんだろうなという想いでこの映画を作りました。何か感じ取っていただけたら嬉しいですし、少しでも楽しんでいただけたらもっと嬉しいです。


MC:今日は映画を観終わった後のお客様を前にしていますので、「実はあのシーンはこうでした」という裏話をお聞かせいただければと思います。
妻夫木さんは、指を怪我しながらの撮影だったそうですね?


妻夫木さん:
中指にヒビを入れてしまって、一時野球ができなくなってしまったんですけれども、そのおかげで野球をうまくやらなきゃいけないということよりも、野球が好きなんだ、野球と切っても切れない関係になっているんだということに気付けたことが、今回最大の救いでした。

MC:どんな風に怪我されたんですか?

妻夫木さん:
当時を再現したグローブを作って使っていたんですけれども、補強をしても本当に(グローブの)皮が薄かったんですよね。そんな中、硬式ボールで練習をしていて、無理してボールを捕りに行ったら思いきり中指の先端に当たってヒビが入ってしまいました。

MC:妻夫木さんが怪我をしながら撮影をしていたというのは、皆さんもご存知だったのですか?

亀梨さん:
僕は野球を軟式から経験していますが、硬式のボールを受ける時は体を逸らしたいなと思うぐらい怖いものなんですよ。けれど、初めてなのに硬式ボールで野球をやる。それも当時の道具でやるというのは難易度も高かったと思います。練習の時、上地さんは野球経験者なのにボロボロで......(会場笑)。
そんな中キャプテンは、怪我をしてもすごく真摯に、背を向けることなく映画に向き合っていて、そんな姿勢を見ながら僕たちは撮影ができました。その背中で引っ張ってもらえたなという印象ですね。


妻夫木さん:
いや~、ありがたいですね。いい仲間が持てて良かったです(笑)。

MC:上池さんはどんなシーンを思い出しますか?

上地さん:
野球のシーンでいうと、亀梨くんのボールがものすごく速かったです。ミットも当時のもので薄いんですけれど、それこそ170キロぐらい出てたかなあ(会場笑)。

亀梨さん:
170キロ出せていたら、メジャーリーグ行ってるわ(会場笑)!

上地さん:
その時は手が腫れちゃって本当に大変でした。

MC:高畑さんはやっぱり皆さんを励ます歌のシーンでしょうね!

高畑さん:
あのシーンの撮影日はちょっと緊張しすぎて、本番前にどうしていいか分からない無の境地に入っていたんですけれど、監督や妻夫木さんに宥め、持ち上げてもらい、なんとか撮影に挑むことができました。

MC:元気よく歌うパターンや、泣きながら歌うパターンもあったと思うのですが、このような感じになったのはどうしてですか?

高畑さん:
本当に何も考えられなくて、当たって砕けろと思って現場に行っていました。

MC:あのシーンで歌を聴いていて感じたことはありましたか?

妻夫木さん:
監督も通しで撮るというプランがあったので、あの時は2カメ体制で、アップと、引きでみんなの表情も撮るように狙っていたんです。あの時のお芝居はあの時一発でしか生まれないものだったと思います。僕らがそれを聴いて励まされるシーンですけれど、自分たちがしたことの間違いをただ受け止めるということじゃなくて、街の人たちはこれだけ僕らの野球を希望に思っているんだなというのが伝わってきて、やっぱりほろりとしてしまいましたね。勝地さんも泣いちゃって。

勝地さん:
危なかったね、あれは本当に。あんなに泣くと思っていなかったんですけれど、どうしても溢れてきちゃいました。

妻夫木さん:
監督が、勝地さんに「あの後に何か入れてくれ」と言っていたので、「エミー」とアドリブを入れたりしていたんだよね。

勝地さん:
いいシーンでしたよね、うん。

亀梨さん:
でも、セット壊していたよね(笑)。

勝地さん:
本編ではカットされてるんだけれどね(笑)。終わった後に、「良かった」という感じで座ろうとしたら、近くにあったものをガチャガチャガチャッとなぎ倒して、すごくいいシーンを台無しにしたんです(笑)。

MC:佐藤さんは家族とのシーンや労働のシーンが多かったですが、何かありますか?

佐藤さん:
そうですね......うーん、ないなあ(会場笑)。本当にフィールドの中のみんなが苦労して、妻夫木さんも「もう一回お願いします」と、お互い納得できるまで撮影しているのを見ていて、「なんで俺はあそこにいないんだろう。なぜ俺は打って走れないんだ」と思った、それだけが悔いですね(会場笑)。

MC:亀梨さんは?

亀梨さん:
みんなで過ごした野球のシーンも本当に印象的なんですけれど、やはりレジーと二人のシーンはすごく印象的です。二人で練習しているシーンも監督から「レジーとロイでやってください」と言われてアドリブだったんです。二人で謝りに行くシーンも、妻夫木くん自身の人柄がすごく重なりました。普段から引っ張っていってくれてすごく包容力もあるんですが、それは普段もお芝居している時もそうなんです。包容力をレジーとロイの関係の中でも僕はすごく感じながら撮影させていただきました。

MC:佐藤さんは珍しく白髪芝居でしたよね?

佐藤さん:
白髪芝居ってあるんですか(会場笑)?

MC:頭が白髪だったということなんですが(笑)。あれはどうでしたか?

佐藤さん:
僕は違和感なく。

MC:周りの反応はどうでしたか?

佐藤さん:
誰も佐藤浩市と気づかなかったですね。楽でしたね。

MC:普段できないことをしたのですか?

佐藤さん:
それはないですよ(笑)。普通にボーっとして、風景に馴染んでました。自分で言うのもなんですが(笑)。

MC:監督はいかがでしょうか?

石井監督:
監督なので、全シーン全カット覚えてますし、今でも空で言えるぐらいなんですけれど、表情ですかね。"朝日"はもちろんですけれど、一生懸命な表情、まっすぐな表情、何かを追い求めているような、祈っているような表情が、今思い出しても泣ける。

池松さん:
ここにいる以外にも野球部員がいまして、みんなエネルギーがあり余っていて、最初の「初めまして」の時から本当にいいチームだったんですね。ここにいる4人の方がひっぱってくれて毎晩決起集会をやり、いいチームになったなと思います。

■ここで、妻夫木さんたちが"朝日"の特製ボールを客席に投げ入れ、観客の皆さんにプレゼントされました!

MC:どの辺めがけて投げていますか?

妻夫木さん:
両親めがけて投げています(会場歓声)。

亀梨さん:
僕も次の回に親が来るんですけれど......(笑)。

MC:妻夫木さん、ご両親はボールを捕れましたか?

妻夫木さん:
親父が痛恨のミスキャッチをしました(会場笑)。

MC:残念でした! お父さんはきっと「お前の投げ方が悪い」と言っていると思いますよ(会場笑)。

■最後に、妻夫木さんからメッセージが送られました!

妻夫木さん:
今日、壇上に上がれなかったメンバーもどこかにいると思うんですけれど......どこですか? 手を挙げてください。

MC:ああ、あそこですね(会場拍手)!

妻夫木さん:
今日舞台に上がれなかったみんなのために、実はあるものを持ってきていて......(といって、ボールを取り出す妻夫木さん)。クランクアップの時にみんなが名前を書いてくれたボールを持ってきました。この映画は、朝日だけじゃなくてみんなの想いが詰まった作品です。ただいい映画を作ろうと思って撮っていた訳でもないし、勝ち負けとかそういうことでもないです。映画で誰かの人生を変えられたらそれほど嬉しいことはないなと思います。僕たち本当に、ただ...(と、こみあげる涙をこらえる妻夫木さん)。やっぱり人が一生懸命になっている姿って、どんなに着飾った人よりも素晴らしいと思うんですよね。そういう姿に当時の朝日の人たちも、いろいろな移民の人たちも、たぶん希望を与えられていたと思うんですよね。なので、今回の作品も、僕ら朝日はこの映画を観てくれた人に希望を少しでも与えられたらいいなと思っていました...(涙を流す妻夫木さんに鳴り止まない拍手)。なので、今はいっぱいいろいろな選択肢がある世の中だけれど、目の前のことに本気になることに逃げないでください。一生懸命になっている人って本当にかっこいい人です。この映画を観て少しでもその想いが皆さんに芽生えてくれたら嬉しいです。